JP2019187331A - 氷茶の製造方法及び氷茶の製造装置 - Google Patents

氷茶の製造方法及び氷茶の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】緑茶の鮮度、水色、香り等を維持し、しかも、冷茶にしたときであっても、容易に美味しく飲むことができる氷茶の製造方法及び製造装置の提供。【解決手段】粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌工程#100と、前記濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍工程#300とを含む氷茶の製造方法。濃縮茶液を真空包装する真空包装工程#200を含んでもよい。真空撹拌工程は、粉末緑茶と抹茶を混ぜる割合を1:0.4〜0.6にし、粉末緑茶と抹茶に対して、水を混ぜる割合を80〜120倍、又は2.7〜4.0倍にすることが好ましい。又、茶氷の製造装置は、粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌装置と、濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍装置とを含む。更に、濃縮茶液を真空包装する真空包装装置を具えることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、氷茶の製造方法及び氷茶の製造装置に関するものである。
粉末緑茶は、煎茶をミル等で粉砕したものである。この粉末緑茶は、お湯に混ぜるだけ、急須が無くても簡単にお茶を淹れることができ、しかも、茶殻が出ない。
また、急須で淹れて、茶葉から抽出するわけではないので、カテキンなどの緑茶成分が100%入っており、栄養成分が豊富である。
しかし、粉末緑茶は、微細になればなるほど、光,水,空気,熱に触れる表面積が多くなるので、劣化しやすいというデメリットがある。
この問題を解決するために、長期間の保存に耐える、葉緑素と抹茶粉を用いた葉緑素粉末の製造方法が提案されている(特許文献1)。
特開2006−254796号公報
しかし、前述した特許文献1では、緑茶の鮮度、水色、香り等を維持することは困難である。
また、粉末であるので、冷茶にするときに、ダマになって溶けにくいという問題があった。
本発明の目的は、緑茶の鮮度、水色、香り等を維持し、しかも、冷茶にしたときであっても、容易に美味しく飲むことができる氷茶の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明は、以下の解決手段を用いる。
(1)粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌工程と、前記濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍工程とを含む茶氷の製造方法である。
(2)(1)の茶氷の製造方法において、前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶を混ぜる割合を、1:0.4〜0.6にしたこと、を特徴とする茶氷の製造方法である。
(3)(2)の茶氷の製造方法において、前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶に対して、水を混ぜる割合を80〜120倍にしたこと、を特徴とする茶氷の製造方法である。
(4)(2)の茶氷の製造方法において、前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶に対して、水を混ぜる割合を2.7〜4.0倍にしたこと、を特徴とする茶氷の製造方法である。
(5)(1)の茶氷の製造方法において、前記濃縮茶液を真空包装する真空包装工程と
を具えたことを特徴とする茶氷の製造方法である。
(6)粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌装置と、前記濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍装置とを含む茶氷の製造装置である。
(7)(6)の茶氷の製造装置において、前記濃縮茶液を真空包装する真空包装装置と
を具えたことを特徴とする茶氷の製造装置である。
本発明によれば、緑茶の鮮度、水色、香り等を維持し、しかも、冷茶にしたときであっても、容易に美味しく飲むことができる氷茶の製造方法及び製造装置を提供することができる。
本発明による氷茶の製造方法の実施形態を示す工程図である。 本発明による氷茶の製造装置の実施形態を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明による氷茶の製造方法の実施形態を示す工程図である。
図2は、本発明による氷茶の製造装置の実施形態を示すブロック図である。
本実施形態に係る氷茶の製造方法は、真空撹拌工程#100と、真空包装工程#200と、急速冷凍工程#300等とを備えている。
真空撹拌工程#100は、粉末緑茶41と抹茶42との混合物(以下、粉末ブレンド43という)に水44を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液45を生成する工程であり、撹拌中に空気を脱気して、つまり空気を抜き、真空状態に極近い状態で撹拌する。
真空撹拌装置10は、撹拌槽11と、吸引ポンプ12と、撹拌機13等とを備えており、粉末緑茶41、抹茶42及び水44を撹拌槽11に投入し、撹拌槽11内に臨んだ撹拌機13の撹拌羽根を回転駆動する。
このとき、吸引ポンプ12で、22kPa以下、好ましくは、10kPa以下に脱気し、撹拌槽11内を真空状態に極近い状態(例えば、0.3気圧)にする。これにより、口あたりが滑らかで、栄養価も高い濃縮茶液45が得られる。
なお、撹拌槽11に入れる前に、粉末緑茶41、抹茶42及び水44は、予めおおかた溶かしておくことが好ましい。この理由は、撹拌槽11の中で粉末ブレンド43が舞ってしまうと、吸引ポンプ12のフィルタが詰まってしまい、故障の原因になるからである。
粉末緑茶41は、煎茶をミル等で粉砕したものであるが、煎茶をつくるときにできる粉を集めた粉茶が少量含まれていてもよい。そのため、粉末緑茶41と抹茶42の違いは、煎茶と抹茶の違いとも言える。そして、煎茶と抹茶は、栽培方法と製造方法がそれぞれ異なる。
まず、栽培方法については、抹茶は、お茶の葉を摘む前に藁や専用の黒いシートを、約40〜50日間被せて日光を遮る「覆下栽培」と呼ばれる栽培技術を用いてつくられる。日光を遮るとお茶の葉に含まれる葉緑素が増えるため、葉の緑が濃くなる。また、渋みの元とされるカテキンの生成が抑えられるので、まろやかな風味のお茶ができる。
一方、多くの煎茶は、覆下栽培を全く行わないか、抹茶と異なり1週間程しか覆下栽培を行わないので、旨味と渋みの強い、飲みごたえのあるお茶ができる。
製造方法については、煎茶は、急須で淹れて飲むようにするために、成分が溶け出しやすくなるように、揉みながら乾燥させてつくられる。
一方、抹茶は、お湯に溶かして飲むようにするために、揉まずに乾燥させて、石臼等で細かく挽いてつくられる。このため、一般的に、抹茶のほうが、粒が細かく高価である。
いずれにしても、粉末ブレンド43は、茶葉を粉末にしたものだから、お茶の中には、茶葉がまるごと含まれていることになり、カテキンなどの緑茶成分が100%入っている。これに対して、急須で淹れたお茶の場合は、茶殻の中に、約70%もの成分が残ってしまうので、30%程度の緑茶成分しか入っていない。
粉末ブレンド43は、上記の利点があるものの、茶葉のお茶に比べて、光,水,空気,熱に触れる表面積が多くなるので、これらの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、前工程において、撹拌工程から真空状態にして空気を含んだ泡立ちを押さえ、後工程で専用容器46に真空充填して、急速冷凍することにより、劣化してしまう原因から粉末ブレンド43を守り、長い間お茶の風味を保ち、いつまでも美味しく飲むことができるようにした。
粉末緑茶41と抹茶42を混ぜる理由は、粉末緑茶41が抹茶42にはない強い旨味、強い渋み、強い香りを持っているので、両者を混ぜることにより、味の幅、奥行きを出すことができるからである。
そうは言っても、粉末緑茶41を単体で作ると、味(口当たり)が強くなりすぎてしまい、何杯も飲むには適さない。また、粉末緑茶41は、抹茶42と比べて粒子も2倍以上粗いので、口当たりがさらっとして、物足りない。
粉末緑茶41と抹茶42を混ぜることによって、抹茶42のもつ微細な粒子に起因する「とろみ」ある口当たりを持たせると共に、粉末緑茶41の強すぎる味を中和させることにより、マイルドな要素をプラスすることができる。
真空包装工程#200は、濃縮茶液45を真空包装する工程である。
真空充填機20は、充填・包装機21と、吸引ポンプ22等とを備えており、充填・包装機21で濃縮茶液45を専用容器46に充填してから、吸引ポンプ22で空気を抜いて、密閉にする。
真空包装をすることにより、品質劣化の原因である、酸化、細菌の増殖等を抑えることができ、濃縮茶液45、ひいては、氷茶48の良好な品質を保つことができる。
また、真空包装は、後工程で冷凍することにより効果がより発揮され、酵素の働きを抑えて細菌の増殖を防ぎ、保存期間をより延ばすことができる。
急速冷凍工程#300は、濃縮茶液45を急速凍結する工程である。
急速冷凍機30は、冷却槽31と、冷凍機32等とを備えており、冷却槽31内に茶液包装体47が入れられ、冷凍機32で急速冷凍して、氷茶48を製造する。
この急速冷凍機30では、−15℃以下まで濃縮茶液45を急速凍結する場合に、30秒以内に−5℃まで冷却することが好ましい。緩慢な冷凍をすると、凍結に伴い大きく成長する氷晶が濃縮茶液45の有用成分を傷つけて酸化を促進する。有用成分の酸化・変質を抑えて凍結するには、氷晶が成長する温度0℃〜−5℃の範囲を短時間で急速に冷却し、大きな氷晶の生成を抑制することが好ましい。
また、短時間で固まるため、濃縮茶液45中の粉末ブレンド43と水44とが分離、沈殿してしまうのを防ぐことができる。
本発明者は、冷却条件と濃縮茶液45の実温、氷晶の大きさ、各種有用成分の残存率等の関係について多くの実験を重ね、30秒以内に−5℃まで冷却させれば、有用成分(例えば、ビタミンC)が所定の残存率で残存することを見出した。
専用容器46で包装された氷茶48は、通常の家庭用冷凍庫において、−18°Cに保つことにより、長期保存することができる。
氷茶48は、専用容器46から出して、スライサーで切削したり、クラッシャーで粉砕し、水に溶かして、5〜20倍に希釈して飲むことができる。
上述した粉末緑茶41と抹茶42を混ぜる割合は、1:0.4〜0.6が好ましく、より好ましくは、1:0.45〜0.55がよい。
粉末緑茶41が多すぎると、香り、味等が強すぎてバランスが悪く、抹茶42が多すぎると、とろみが強すぎるうえ、高価になる。
粉末緑茶41と抹茶42(粉末ブレンド43)に対して、水44を混ぜる割合は、氷茶48を溶かして、ストレートで飲む場合には、80〜120倍が好ましく、より好ましくは、90〜110倍がよい。
粉末緑茶41と抹茶42(粉末ブレンド43)に対して、水44を混ぜる割合は、氷茶48を溶かして濃縮液とし、5〜20倍に希釈して飲んだり、アイスクリーム等のトッピング等に使用する場合には、2.7〜4.0倍が好ましく、より好ましくは、3.0〜3.7倍がよい。
本実施形態によれば、世界の茶の種類で中でもとりわけ生の状態に近い、前茶や抹茶等の緑茶の鮮度、独特の緑色の水色、香りを維持し、栄養成分の劣化を防ぎ、職場や自宅で手間をかけずに、容易に美味しく飲むことができる氷茶の製造方法及び製造装置を提供できる。
次に、本発明の実地例について、さらに詳しく説明する。
まず、粉末緑茶と抹茶の好適なブレンド割合を調べた。
粉末緑茶の原料としては、「ふくみどり」、「やぶきた」、「さやまかおり」、「ゆたかみどり」など狭山茶として製造された緑茶を好ましく使用できるが、ここでは、「やぶきた」を使用した。
抹茶は、狭山茶で作った狭山抹茶「明松(登録商標)」を使用した。
(実施例1)
粉末緑茶2gと抹茶1gを、水300mLに予め混ぜておき、撹拌槽11内で0.3気圧になるように脱気しながら、撹拌した。その後、冷却槽31で30秒以内に−5°Cになるように急速冷凍して、氷茶48を作製した。
作製した氷茶48をスライサーで切削して溶かし、冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、高級感のある香りと味がしっかりあり、とろみ濃度感もあり、まろやかな味わいであった。
(実施例2)
粉末緑茶1.8gと抹茶1.2gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、実施例1と比較して、香り、味がやや弱いがとろみがあって美味しいものであった。
(実施例3)
粉末緑茶1.9gと抹茶1.1gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行ったものであった。
その結果、実施例1と比較して、香りがやや弱いがとろみがあって美味しいものであった。
(実施例4)
粉末緑茶2.1gと抹茶0.9gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、実施例1と比較して、水色がうすく、とろみ感が弱いが、あっさりしていて美味しいものであった。
(実施例5)
粉末緑茶2.2gと抹茶0.8gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、実施例1と比較して、水色がうすく、とろみ感も弱いが、あっさりしていて美味しいものであった。
(参考例1)
粉末緑茶1gと抹茶2gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香りが失われているが、水色がとてもよく、とろみ濃度感もあるが、味が弱いものであった。
(参考例2)
粉末緑茶3gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香り、味ともによいが、水色は少し黄色く、とろみが少なく、口当たり、まろやかさに欠くものであった。
(参考例3)
抹茶3gを、水300mLに予め混ぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、水色はよいが、香り、味ともに弱く、とろみが強いものであった。
(参考例4)
粉末緑茶1.5gと、抹茶1.5gを、水300mLに予めぜた以外は、実施例1と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、高級感が少し感じにくく、中途半端な印象のものであった。
次に、本発明による氷茶を、ストレートで飲む場合の粉末ブレンドと水の好適な混合液の濃度について調べた。
(実施例6)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド1gに、水100mLを予め混ぜておき、撹拌槽11内で0.3気圧になるように脱気しながら、撹拌した。その後、冷却槽31で30秒以内に−5°Cになるように急速冷凍して、氷茶48を作製した。
作製した氷茶48をスライサーで切削して、水で希釈しない冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、香り、水色、味、とろみのバランスがよく、ストレートで飲むのに非常に満足のいく濃さであった。ただし、やや溶けにくいものであった。
(実施例7)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド1gに、水80mLを予め混ぜた以外は、実施例6と同様な方法で、氷茶48を作製したのち、水で希釈しない冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、実施例6と比較して、水色、味はやや弱いが満足のいく濃さであった。ただし、やや溶けにくいものであった。
(実施例8)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド1gに、水90mLを予め混ぜた以外は、実施例6と同様な方法で、氷茶48を作製したのち、水で希釈しない冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、実施例6と比較して、水色はやや弱いが、香り、味、とろみが強く、満足のいく濃さであった。ただし、やや溶けにくいものであった。
(実施例9)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド1gに、水110mLを予め混ぜた以外は、実施例6と同様な方法で、氷茶48を作製したのち、水で希釈しない冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、実施例6と比較して、香り、とろみがやや弱いが、水色、味が強く、満足のいく濃さであった。ただし、溶けやすいものであった。
(実施例10)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド1gに、水120mLを予め混ぜた以外は、実施例6と同様な方法で、氷茶48を作製したのち、水で希釈しない冷茶を得て、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、実施例6と比較して、水色はよく、香り、味、とろみがやや弱いが、バランスがよく、満足のいく濃さであった。ただし、溶けやすいものであった。
(参考例5)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド0.5gに、水100mLを混ぜたものに対して、実施例6と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、ストレートで飲んで薄いものであった。水で割るともっと薄い。ただし、溶けやすいものであった。
(参考例6)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド2gに、水50mLを混ぜたものに対して、実施例6と同様な方法で、氷茶を作製したのち、冷茶を作製して、香り、水色、味、とろみの官能検査及び水への溶けやすさを調べた。
その結果、とろみが強く、味が強いが濃すぎて味のバランスが悪い。ただし、非常に溶けにくいものであった。
次に、本発明の氷茶を、濃度の高い液(濃縮液)として作製して、アイスクリームのトッピングとして使用する場合の粉末ブレンドと水の好適な混合液の濃度について調べた。
(実施例11)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド30gに、水100mLを混ぜたものに対して、実施例6と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香りも色もよく、味、とろみが強く、とても濃厚で、他で味わったことのないような旨味が広がった。
(実施例12)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド30gに、水80mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香り、とろみが強く、とても濃厚な旨味が広がった。
(実施例13)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド30gに、水90mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、色がやや弱い以外は、実施例11と同様な旨味があった。
(実施例14)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド30gに、水110mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香りがやや弱い以外は、実施例11と同様な旨味があった。
(実施例15)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド30gに、水120mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、香り、味がやや弱い以外は、実施例11と同様な旨味があった。
(参考例7)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド20gに、水40mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、全体として、香り、色、味、とろみが強すぎてバランスが悪いものであった。
(参考例8)
粉末緑茶と抹茶を2:1の割合で混ぜた粉末ブレンド20gに、水40mLを混ぜたものに対して、実施例11と同様な方法で、氷茶を作製したのち、スライサーで切削して溶かし、プレーンなバニラアイスクリームにかけて、香り、水色、味、とろみの官能検査を行った。
その結果、全体として、香り、色、味、とろみが弱くインパクトに欠けるものであった。
なお、実施例11〜15及び参考例7,8では、かなり濃く、水への溶けやすさは、あまりよくなく、差も少ないので、評価はしていない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。
なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
実施形態の氷茶の製造装置は、工業用のものを想定して説明したが、家庭用の装置としてもよい。家庭用装置では、消費者が粉末緑茶と抹茶の割合を自分好みに調整してもよいし、包装をせずに氷茶を作製して、家庭用の冷凍庫に保存してもよい。
粉末緑茶は、狭山茶として製造された緑茶を用いた例で説明したが、他産地の品種、例えば、「さえみどり」、「かなやみどり」、「あさつゆ」等を使用してもよい。また、末茶についても、宇治市(京都府)、城陽市(京都府)、京田辺市(京都府)、西尾市(愛知県)、八女市(福岡県)等の産地のものを使用してもよい。
また、上記実施例では、粉末緑茶は、単独品種で用いた例で説明したが、緑茶は、品種や産地により、香り、水色、味などが異なるので、いくつかの品種をブレンドすることにより、旨味の幅を広げることができる。例えば、ふくみどり0.25g、やぶきた0.25g、さやまかおり0.5gをブレンドしたものが好適に使用できる。
また、本実施形態の茶氷は、ストレート又は希釈して飲むだけでなく、スライスしたものをそのまま溶かして、アイスクリームの他に、ケーキ、あんみつ等のスイーツにトッピングしてもよい。
#100 真空撹拌工程
#200 真空包装工程
#300 急速冷凍工程
10 真空撹拌装置
20 真空包装装置
30 急速冷凍装置
41 粉末緑茶
42 抹茶
43 粉末ブレンド
44 水
45 濃縮液茶
46 専用容器
47 茶液包装体
48 氷茶

Claims (7)

  1. 粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌工程と、
    前記濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍工程と
    を含む茶氷の製造方法。
  2. 請求項1に記載の茶氷の製造方法において、
    前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶を混ぜる割合を、1:0.4〜0.6にしたこと、
    を特徴とする茶氷の製造方法。
  3. 請求項2に記載の茶氷の製造方法において、
    前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶に対して、水を混ぜる割合を80〜120倍にしたこと、
    を特徴とする茶氷の製造方法。
  4. 請求項2に記載の茶氷の製造方法において、
    前記真空撹拌工程は、前記粉末緑茶と前記抹茶に対して、水を混ぜる割合を2.7〜4.0倍にしたこと、
    を特徴とする茶氷の製造方法。
  5. 請求項1に記載の茶氷の製造方法において、
    前記濃縮茶液を真空包装する真空包装工程と
    を具えたことを特徴とする茶氷の製造方法。
  6. 粉末緑茶及び抹茶に水を加え、真空状態で撹拌して濃縮茶液を生成する真空撹拌装置と、
    前記濃縮茶液を急速凍結する急速冷凍装置と
    を含む茶氷の製造装置。
  7. 請求項6に記載の茶氷の製造装置において、
    前記濃縮茶液を真空包装する真空包装装置と
    を具えたことを特徴とする茶氷の製造装置。
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