JP2019186569A - 基板の両面に半導体膜を形成する装置 - Google Patents

基板の両面に半導体膜を形成する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】HIT太陽電池の製造では、トレイに保持された基板の表面にi層とp層等を形成した後、該トレイを一旦、大気中に取り出して、該基板を反転した後、該基板の裏面にi層とn層等を形成する。それ故、トレイからのコンタミの問題と、基板の昇温、降温調整を2回行うことからスループットの向上に課題がある。この課題を解消可能な装置を提供すること。【解決手段】少なくとも2つのトレイレス基板搬送手段を内部に備えた基板搬送室にロード室、基板の第1面用の製膜室、該基板の第2面用の製膜室及びアンロード室を接続し、前記2つのトレイレス基板搬送手段の一方が該第1面用の製膜室から搬出した基板を他方の基板搬送手段に移設し、即ち、該基板を反転し、該第2面用の製膜室へ搬入することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVD装置、触媒CVD装置及びスパッタリング装置等において、基板の両面に半導体膜を形成する装置に関する。
近年、太陽電池の分野では、光電変換効率に優れた性能を有するHIT(Heterojunction with intrinsic thin layer)構造の太陽電池を低コストで量産化可能な製膜装置が注目されている。
HIT太陽電池は、例えば、図10(a)に示すような構造を有する。即ち、図10(a)に示されるように、例えば、N型単結晶基板の第1の主面(表面)に、i型非晶質膜、p型非晶質膜、ITO膜及び電極(Ag)がこの順に積層され、該第1の主面の反対側の第2の主面(裏面)に、i型非晶質膜、n型非晶質膜、ITO膜及び電極(Al)がこの順に積層される。
HIT太陽電池の非晶質半導体膜の製造では、一般に、図10(b)に示されるように、第1の主面(表面)と該第1の主面の反対側の第2の主面(裏面)とを有する基板の該第1の主面に、例えば、i型非晶質膜とp型非晶質膜をこの順序で形成した後、該第2の主面に、例えば、i型非晶質膜とn型非晶質膜をこの順序で形成するという工程が必要である。基板の2つの主面(表面及び裏面)のそれぞれに少なくとも一つの半導体薄膜を製膜するためには、基板の表面に半導体薄膜を製膜した後に、基板を反転させる工程が必要になる。
そのため、基板の表面及び裏面に半導体膜を形成する場合には、減圧条件での製膜室で基板トレイ(基板ホルダー)に載置された基板の表面に半導体膜を形成した後に、その基板は、基板トレイに載置された状態で、一旦、減圧条件の製膜室から大気中へ取り出される。そして、大気中で基板トレイに載置されている基板を反転する。基板の表裏を反転した後、該基板が載置された基板トレイを、減圧条件の製膜室に搬入し、該基板の裏面に半導体膜が形成される。
即ち、基板の流れは、ロード室→少なくとも1つの製膜室→アンロード室→大気中で反転→ロード室→少なくとも1つの製膜室→アンロード室となる。
上記のように、製膜される基板はロード室で2回の昇温調整、アンロード室で2回の降温調整が必要である。そのため、基板の片面だけの製膜の場合に比べて、ロード室での基板の昇温及びアンロード室での基板の降温に必要な時間及び電力は約2倍になる。その結果、スループットが悪く、生産性が低下し、製造コストの増大を招き、問題になっている。
また、基板はトレイに載置された状態で複数の製膜室へ移動し、製膜されることから、該トレイに堆積した半導体膜からの不純物の吸着あるいは付着に起因する歩留まりの低下が懸念されている。該トレイは、アンロード室からリターン装置を用いてロード室へリターンして、洗浄後、繰り返して使用されるが、該リターン装置の導入費用が高いことと、クリーンルームを占拠する面積が広いことから、製造コストの増大を招き、問題になっている。
したがって、生産性の向上及び低コスト化という観点から、基板の第1の主面への半導体膜の製膜工程から第2の主面の半導体膜の製膜工程へ移行するに際し、基板を大気に曝さないということが求められる。また、トレイレス基板搬送装置を活用することが求められる。
即ち、HIT太陽電池の半導体膜の形成装置には、トレイレス基板搬送方式で、かつ、該基板を大気に曝さない状態で基板を反転する手段を備えることが求められる。
基板を反転する手段を備えた半導体膜の形成装置として、例えば、次に示す特許文献1ないし特許文献3に記載の装置がある。
特許文献1には次に示す装置が開示されている。即ち、対向する2つの主面を有する基板の開放された一方の主面上に少なくとも1つの半導体膜を減圧下で形成するための少なくとも1つの減圧反応室と、前記一方の主面上に前記少なくとも1つの半導体膜が形成された前記基板の他方の主面が開放面になるように前記基板を減圧下で反転するための基板反転用減圧室と、前記反転された基板の前記他方の主面上に少なくとも1つの半導体膜を減圧下で形成するための少なくとももう1つの減圧反応室と、前記基板を前記少なくとも1つの減圧反応室から前記基板反転用減圧室へ輸送するとともに前記基板反転用減圧室から前記少なくとももう1つの減圧反応室へ輸送するための基板輸送手段とを含むことを特徴とする基板上に半導体膜を形成するための装置。
特許文献2には次に示す装置が開示されている。即ち、ガス導入手段及び排気手段を有する成膜チャンバーと、基板を保持する基板ホルダーと、基板ホルダーを搬送する搬送手段と、前記基板ホルダーを反転させる反転手段とを備え、前記反転手段が、前記基板ホルダーの搬送中に回転軸を中心に前記基板ホルダーを搬送方向に対して180°回転させる回転手段を含み、前記回転手段が、前記基板ホルダーに設けられた1以上の第1の突起物と、前記成膜チャンバーの内部に設けられた1以上の第2の突起物とで構成され、前記基板ホルダーの搬送中にこれら第1及び第2の突起物が相互に接触することにより、前記基板ホルダーを回転させるようにしたことを特徴とする縦型化学気相成長装置。
特許文献3には次に示す装置が開示されている。即ち、 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板の前記第1の主面及び前記第2の主面の両方が露出されるように複数の前記基板を平面的に保持する基板ホルダーと、 前記基板ホルダーがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダーが前記アノード電極上に接触して、前記第2の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第1の主面が前記発生されるべき放電に対して露出するように前記基板ホルダーが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第1のガスを放電させることにより前記基板の前記第1の主面に第1の膜を成膜する前成膜室と、前記基板ホルダーがアノード電極側に搬入された際に、前記基板ホルダーが前記アノード電極上に接触して、前記第1の主面が発生されるべき放電から隔離され前記第2の主面が前記放電に対して露出するように前記基板ホルダーが載置されて、カソード電極及び前記アノード電極の間に高周波電力を印加して第2のガスを放電させることにより前記基板の前記第2の主面に第2の膜を成膜する後成膜室と、 前記前成膜室から前記後成膜室へ大気開放せずに前記基板ホルダーを搬送経路の大部分において前記第1の主面に沿った方向に搬送する搬送機構と、を備え、
前記前成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係は、前記後成膜室における前記カソード電極及び前記アノード電極の位置関係と逆になっており、前記搬送機構は、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダーを前記前成膜室から前記前成膜室及び前記後成膜室を接続する移動室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送し、前記移動室内で前記前成膜室の前記アノード電極に対応した位置から前記後成膜室の前記アノード電極に対応した位置まで前記基板ホルダーを前記第1の主面に交差する方向に移動させ、前記基板の前記第1の主面に沿って前記基板ホルダーを前記移動室から前記後成膜室へ前記第1の主面に沿った方向に搬送することを特徴とする太陽電池の製造装置。
他方、製膜室と基板搬送室を並列配置し、生産性向上を目指した大面積基板搬送手段を備えた半導体膜の製膜装置として、例えば、次に示す特許文献4及び特許文献5に記載の装置がある。
特許文献4には次に示す装置が開示されている。即ち、搬送室と、前記搬送室に接続されて基板を鉛直方向から傾斜させて支持して真空処理する複数の処理室と、 前記搬送室の内を移動するとともに、前記基板の傾斜方向を変えずに前記搬送室の内部と前記複数の処理室の内部とを移動する方向へ前記基板を平行移動させて搬送する基板搬送装置とを具備し、前記複数の処理室は、複数の右側処理室と、前記搬送室を隔てて前記右側処理室の反対側にそれぞれ配置される複数の左側処理室とから形成され、 前記基板搬送装置は、前記基板を傾斜させて支持した状態で前記搬送室の内を移動して基板を平行移動させ、全ての前記処理室に前記基板を搬出入する際に、前記基板を傾斜させて支持した状態で前記基板を平行移動させて搬出入する真空処理装置。
特許文献5には次に示す装置が開示されている。即ち、 基板上に薄膜の積層体を作製する装置であって、
a)容量結合方式のプラズマ生成手段を内部に備え、容量結合プラズマ生成時の圧力を維持するように閉鎖可能な第1の開口部を備える容量結合プラズマ成膜室と、
b) 誘導結合方式のプラズマ生成手段を内部に備え、誘導結合プラズマ生成時の圧力を維持するように閉鎖可能な第2の開口部を備える誘導結合プラズマ成膜室と、
c)前記第1開口部を通して前記容量結合プラズマ成膜室と連通すると共に前記第2開口部を通して前記誘導結合プラズマ成膜室と連通し、前記容量結合プラズマ成膜室と前記誘導結合プラズマ成膜室の間で前記基板を搬送する基板搬送手段を内部に備える基板搬送室と、
d) 前記基板搬送室内の圧力を、前記容量結合プラズマ生成時圧力と同じか又は該容量結合プラズマ生成時圧力よりも第1の所定値だけ高い第1の搬送室圧力と、前記誘導結合プラズマ生成時圧力と同じか又は該誘導結合プラズマ生成時圧力よりも第2の所定値だけ高い第2の搬送室圧力のいずれかに切り替える搬送室圧力切り替え手段と、 を備えることを特徴とする薄膜製造装置。
また、トレイを用いないで基板を搬送するトレイレス基板搬送手段に関する装置が特許文献6に開示されている。即ち、被製膜基板を搬入するためのロード室と、前記基板に目的の膜を形成する製膜室と、製膜済基板を搬出するためのアンロード室とを備えた製膜装置に用いられるトレイ無しで基板を移動可能なトレイレス基板搬送装置であって、
前記基板を前記ロード室と前記製膜室を往復移動可能な台車と、前記台車を駆動させる第1の駆動装置と、前記台車に搭載され前記製膜室の基板保持装置の製膜面の法線方向に移動可能な基板把持プレートと、前記台車に固定され前記基板把持プレートを滑り対偶で支持する第1及び第2のガイドシャフトと、前記基板把持プレートを前記製膜面の法線方向に移動させる第2の駆動装置と、前記基板把持プレートに搭載され前記基板を把持し、かつ解放できる複数の爪を有し、かつ、前記製膜面に平行な方向に移動可能な一対の第1及び第2の基板把持アームと、前記第1の基板把持アームの中央部で螺合され、かつ、前記第2の基板把持アームの中央部で螺合される開閉ネジ軸と、前記基板把持プレートに固定され、前記第1及び第2の基板把持アームをそれぞれの両端で滑り対偶する第3及び第4のガイドシャフトと、前記開閉ネジ軸を回転させる第3の駆動装置を備え、
前記第3の駆動装置により回転する前記開閉ネジ軸の回転が前記第1の基板把持アームに設けられた前記爪と前記第2の基板把持アームに設けられた前記爪との間を拡縮することにより前記基板の把持及び解放がなされることを特徴とするトレイレス基板搬送装置。
特許3268965 特許5089906 特許5840095 特許4264423 特開2009−272506 特開2018−157236
従来の製膜装置は、例えば、特許文献1に記載の装置は、基板反転に際してベルトを用いた基板の回転機構を用いるので、基板及び基板トレイと該回転機構との接触により基板トレイの付着膜が剥離して破片や粉が発生し、該基板が汚染されるという問題がある。また、特許文献2に記載の装置は、基板反転に際して歯車の突起と基板トレイの突起を用いた基板の回転機構を用いるので、基板及び基板トレイと該回転機構との接触により基板トレイの付着膜が剥離して破片や粉が発生し、該基板が汚染されるという問題がある。また、特許文献3に記載の装置は、基板の搬送及び基板の並進移動に用いるニアモーター等の基板の搬送機構が製膜室に設置されるので、該製膜室のプラズマが、該基板搬送機構が発生する電磁波により攪乱され、高品質の膜の形成が困難である、という問題がある。特許文献4及び5に記載の装置は、基板を反転することができない、という問題がある。また、特許文献6に記載の装置は、基板を反転することができない、という問題がある。
即ち、従来の製膜装置では、基板の両面への半導体膜の形成という応用において、大気に曝さない状態で基板を反転し、その両面に高品質の半導体膜を製膜することができない、あるいは、減圧状態での基板の反転はできるが高品質の製膜ができないという課題がある。更に、従来の装置は基板トレイを用いることから、製膜終了後にアンロード室からロード室へ基板トレイを戻す基板トレイのリターン装置が必要で、かつ、該基板トレイに付着した膜を洗浄して除去する必要があり、その結果、製造コストを増大させるという問題を抱えている。
そこで、上記従来装置の課題に鑑みて、本発明は、プラズマCVD装置、触媒CVD装置及びスパッタ装置等の分野において、基板トレイを用いない方式で、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜することが可能な基板の両面に半導体膜を形成する装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面を有する基板の前記第1及び第2の主面に半導体膜を形成する装置において、
前記基板を搬入するための少なくとも1つのロード室と、前記基板の第1の主面に少なくとも1つの半導体膜を製膜する少なくとも1つの第1の製膜室と、前記基板の第2の主面に少なくとも1つの半導体膜を製膜する少なくとも1つの第2の製膜室と、前記基板を搬出するための少なくとも1つのアンロード室と、前記基板をトレイ無しで前記各室に搬入出する少なくとも2つのトレイレス基板搬送手段を内部に備えた基板搬送室と、を具備し、
前記ロード室、前記第1の製膜室、前記第2の製膜室及び前記アンロード室は、前記基板搬送室に真空仕切り弁を介して接続され、
前記トレイレス基板搬送手段の一つである第1のトレイレス基板搬送手段が前記第1の製膜室から前記基板を把持して前記基板搬送室へ移動し、前記基板搬送室において前記第1のトレイレス基板搬送手段が把持した前記基板を前記トレイレス基板搬送手段の他の一つである第2のトレイレス基板搬送手段に移設し、前記第2のトレイレス基板搬送手段が前記基板を前記第2の製膜室へ搬入するようにしたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の製膜室が有する基板載置手段の基板載置面と前記第2の製膜室が有する基板載置手段の基板載置面が背向して配置されることを特徴とする。
第3の発明は、第1あるいは第2の発明において、前記ロード室、前記第1の製膜室、前記第2の製膜室及び前記アンロード室が有する前記基板載置手段は、矩形台地状の基板載置台と前記基板の自重を支える基板支持ピンを備えていることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか一つの発明において、前記トレイレス基板搬送手段は、複数の前記基板をそれぞれ個別に把持する3つの爪を一対として備え、前記複数の基板のそれぞれに対応する個数の対の前記爪を有し、前記基板を把持し、解放するという動作を行うことを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか一つの発明において、前記第1の製膜室は前記基板の第1の主面にi型非晶質膜を形成する第1主面用i型製膜室と前記基板の第1の主面にp型非晶質膜を形成する第1主面用p型製膜室とを有し、前記第2の製膜室は前記基板の第2の主面にi型非晶質膜を形成する第2主面用i型製膜室と前記基板の第2の主面にn型非晶質膜を形成する第2主面用n型製膜室とを有することを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか一つの発明において、前記少なくとも1つのロード室と、前記少なくとも1つのアンロード室と、前記少なくとも1つの第1の製膜室と、前記少なくとも1つの第2の製膜室の各室からなる複数の製膜室は、前記基板搬送室の両側に略2分割して設置されることを特徴とする。
従来、第1の主面と第2の主面を有する基板の両面への製膜の応用において、該両面製膜の途中で該基板を大気に曝した状態で該基板を反転していたが、本発明により該基板を大気に曝さない状態で該基板を反転することが可能である。また、従来装置では、基板保持用トレイのリターン装置が必須であるが、本発明によりトレイレスの製膜が可能である。その結果、ロード室及びアンロード室でのトレイに保持された基板の昇温及び降温で消費する時間及び電力が半減し、さらに、トレイレスの基板搬送方式が可能であるので、トレイに起因する不純物混入問題及び基板トレイのリターン装置に関わる問題が解消され、スループットの向上及び製造コストの低減に効果を奏する。
本発明により、特に、HIT太陽電池製造分野において、生産性の向上及び製造コストの低減が図れるという効果を奏する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の構成を示す模式的構成図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置のロード室及び第1の製膜室に配置される基板載置手段を示す模式的斜視図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第1のトレイレス基板搬送手段を示す模式的斜視図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第1のトレイレス基板搬送手段の基板把持用爪の配置を示す模式的斜視図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第2のトレイレス基板搬送手段を示す模式的斜視図である。 図6は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置において、第1のトレイレス基板搬送手段が第1の製膜室の基板載置手段から基板を把持し、基板搬送室に移動し、前記基板搬送室内で前記第1のトレイレス基板搬送手段から第2のトレイレス基板搬送手段へ前記基板を移設する際の基板把持用爪の位置関係を示す模式的斜視図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の構成を示す模式的構成図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置のロード室及び第1の製膜室に配置される基板載置手段を示す模式的斜視図である。 図9は、本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置のロード室及び第1の製膜室の基板載置手段の矩形台地状基板載置台を示す模式的斜視図(a)及び正面図(b)である。 図10は、HIT太陽電池の典型的な構造の模式的説明図(a)と製膜装置で形成される非晶質膜の模式的説明図(b)である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。また、以下に示す図面は、説明の便宜上、各部材の縮尺が、実際と異なる場合がある。また、各図面間においても、縮尺が、実際と異なる場合がある。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置について説明する。先ず、第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の構成について説明する。
なお、ここでは、プラズマCVDによる半導体膜の形成への応用を前提に説明するが、触媒CVD装置及びスパッタ装置等への応用も可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の構成を示す模式的構成図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置のロード室及び第1の製膜室に配置される基板載置手段を示す模式的斜視図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第1のトレイレス基板搬送手段を示す模式的斜視図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第1のトレイレス基板搬送手段の基板把持用爪の配置を示す模式的斜視図である。
図5は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板搬送室に配置される第2のトレイレス基板搬送手段を示す模式的斜視図である。
図6は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置において、第1のトレイレス基板搬送手段が第1の製膜室の基板載置手段から基板を把持し、基板搬送室に移動し、前記基板搬送室内で前記第1のトレイレス基板搬送手段から第2のトレイレス基板搬送手段へ前記基板を移設する際の基板把持用爪の位置関係を示す模式的斜視図である。
図1おいて、符号100はロード室、符号200は基板11の第1主面用のi層製膜室、符号300は基板11の第1主面用のp層製膜室、符号500は基板11の第2主面用のi層製膜室、符号600は第2主面用のn層製膜室、符号700はアンロード室、符号1は基板搬送室である。
基板搬送室1は断面図で見ると、長方形であり、その長辺の一方にロード室100、アンロード室700、第1主面用のi層製膜室200及びp層製膜室300及び第2主面用のi層製膜室500及びn層製膜室600が配置され、それぞれ、真空装置用の真空仕切り弁(ゲートバルブ)106、206、306、506、606、706で接続されている。
説明の便宜上、座標軸XYZを、図1に示すように定める。なお、基板搬送室1の長手方向をX軸、基板搬送室1の長手方向に直交する方向をY軸、鉛直方向をZ軸とする。
製膜対象の基板11は、第1の主面(表面)と該第1の主面の反対側の第2の主面(裏面)を有する。図1に示される本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、例えば、該基板の該第1の主面に、i型非晶質膜とp型非晶質膜をこの順序で形成した後、該第2の主面に、i型非晶質膜とn型非晶質膜をこの順序で形成するために用いられる。
基板11は、図2に示されるように、前記ロード室100、前記第1主面用のi層製膜室200、前記第1主面用のp層製膜室300、前記第2主面用のi層製膜室500、前記第2主面用のn層製膜室600、前記アンロード室700の基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aに、保持される。なお、基板11を基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aに保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aには、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段の基板把持用爪が挿入される窪み12が配置される。
基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、高純度のセラミックを使う。基板把持用の窪み12は前記基板把持用の爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、後述するように、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aに配置しても良い。
基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aは、図2に示さる基板載置面10を備えている。
ロード室100、第1主面用のi層製膜室200及び第1主面用のp層製膜室300基板載置手段101、201、301の基板載置面10と、記第2主面用のi層製膜室500、第2主面用のn層製膜室600及びアンロード室700の基板載置手段501a、601a、701aの基板載置面10aの方向は逆向き、即ち、背面関係に配置される。
各製膜室、ロード室及びアンロード室の間で基板11を搬送するトレイレス基板搬送手段として、ここでは、特許文献6に記載のトレイレス基板搬送手段を用いる。なお、これに限定することなく、他のトレイレス基板搬送手段を用いても良い。
ロード室100は、基板搬入用ゲートバルブ105と基板搬送室1への基板搬出用ゲートバルブ106とロード室用基板載置手段101と真空ポンプ107を備えている。
ロード室用基板載置手段101には、基板搬入用ゲートバルブ105が開の状態において、図示しない基板搬入ロボットにより、複数枚の基板11が、図2に示されるようにセットされる。
ロード室用基板載置手段101は、基板11の温度を50℃〜350℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段101は、図示しない赤外線ランプ、電気抵抗式ヒータ等の加熱手段と図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
ロード室100内の基板11を基板搬送室1へ移動する際は、ロード室100内部の圧力を、基板搬送室1内部の圧力に略同じになるように真空ポンプ107で減圧した後、ゲートバルブ106を開の状態にして、後述の第1のトレイレス基板搬送手段2を用いる。
ロード室用基板載置手段101の基板11が載置される面10は、後述の基板11の第1主面用のi層製膜室200及びp層製膜室300の内部に設置される第1の主面用のi層製膜室の基板載置手段201及び301の面10の方向と同じ方向を向いている。即ち、図1図示のX軸のマイナス方向を向いている。
基板11の第1主面用のi層製膜室200は、基板搬入搬出用ゲートバルブ206と第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201と真空ポンプ207とプラズマ生成用電極202とプラズマ生成用高周波電源203と原料ガス噴出装置209と、を備えている。
第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201は、図2に示されるように、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段の基板把持用爪が挿入される窪み12を備えている。
基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、例えば、セラミックを使う。また、窪み12は前記基板把持用爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、後述するように、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段201に配置しても良い。
第1主面用のi層製膜室200で基板11にi層膜を形成する場合、基板11は、基板搬入搬出用ゲートバルブ206が開の状態において、後述の第1のトレイレス基板搬送手段2により、第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201に、図2に示さるようにセットされる。なお、基板11を基板載置手段201に保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201は、基板11の温度を50℃〜350℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段201は、図示しない赤外線ランプ、電気抵抗式ヒータ等の加熱手段と図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
基板11が第1主面用のi層製膜室200と基板搬送室1の間を移動する際は、該第1製膜室200内部の圧力を、基板搬送室1内部の圧力に略同じになるように真空ポンプ207で調整した後、ゲートバルブ206を開の状態にして、該第1のトレイレス基板搬送手段2を用いる。
基板載置手段201の基板11が載置される面10は、ロード室用基板載置手段101の基板11が載置される面10の方向と同じ方向(X軸のマイナス方向)を向いている。
第1主面用のi層製膜室200で基板載置手段201にセットされた基板11に半導体膜を形成する場合、第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201と真空ポンプ207とプラズマ生成用電極202とプラズマ生成用高周波電源203と原料ガス噴出装置209を用い、原料ガスの条件、プラズマ生成の条件及び基板11の温度等を含む製膜条件を所定の値に設定し、所要の半導体膜を形成する。なお、前記製膜条件は特別な条件でなく、公知の製膜条件を用いる。
製膜が終了した後は、後述の第1のトレイレス基板搬送手段2で基板搬送室1に搬出する。
基板11の第1主面用のp層製膜室300は、基板搬入搬出用ゲートバルブ306と第1主面用のp層製膜室用基板載置手段301と真空ポンプ307とプラズマ生成用電極302とプラズマ生成用高周波電源303と原料ガス噴出装置309を備えている。
第1主面用のp層製膜室用基板載置手段301は、図2に示されるように、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2aの基板把持用爪が挿入される窪み12を備えている。
基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、例えば、セラミックを使う。また、窪み12は前記基板把持用爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段301に配置しても良い。
第1主面用のp層製膜室300でp層膜を形成する場合、基板11は、後述の第1のトレイレス基板搬送手段2により、第1主面用の第2製膜室用基板載置手段301に、図2に示すようにセットされる。なお、基板11を基板載置手段301に保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
第1主面用のp層製膜室用基板載置手段301は、基板11の温度を50℃〜350℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段301は、図示しない赤外線ランプ、電気抵抗式ヒータ等の加熱手段と図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
基板11が第1主面用のp層製膜室300と基板搬送室1の間を移動する際は、p層製膜室300内部の圧力を、基板搬送室1内部の圧力に略同じになるように真空ポンプ307で調整した後、ゲートバルブ306を開の状態にして、後述の第1のトレイレス基板搬送手段2を用いる。
基板載置手段301の基板載置手段301の基板載置面10は、ロード室用基板載置手段101の基板11が載置される面10の方向と同じ方向(X軸のマイナス方向)を向いている。
第1主面用のp層製膜室300で基板載置手段301にセットされた基板11に半導体膜を形成する場合、第1主面用のp層製膜室用基板載置手段301と真空ポンプ307とプラズマ生成用電極302とプラズマ生成用高周波電源303と原料ガス噴出装置309と、を用い、原料ガスの条件、プラズマ生成の条件及び基板11の温度等を含む製膜条件を所定の値に設定し、所要の半導体膜を形成する。なお、前記製膜条件は特別な条件でなく、公知の製膜条件を用いる。
製膜が終了した後は、第1のトレイレス基板搬送手段2で基板搬送室1に搬出する。
基板11の第2主面用のi層製膜室500は、基板搬入搬出用ゲートバルブ506と第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aと真空ポンプ507とプラズマ生成用電極502aとプラズマ生成用高周波電源503aと原料ガス噴出装置509aを備えている。
第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aは、第1主面用のi層製膜室200の場合と同様にように、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第2のトレイレス基板搬送手段2の基板把持用爪が挿入される窪み12を備えている。
なお、基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、例えば、セラミックを使う。窪み12は前記基板把持用爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段501aに配置しても良い。
第2主面用のi層製膜室500でi層膜を形成する場合、基板11は、基板搬入搬出用ゲートバルブ506が開の状態において、後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aにより、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aに、第1主面用のi層製膜室200の場合と同様にセットされる。なお、基板11を基板載置手段501aに保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aは、基板11の温度を50℃〜350℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段501aは、図示しない赤外線ランプ、電気抵抗式ヒータ等の加熱手段と図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
基板11が第2主面用のi層製膜室500と基板搬送室1の間を移動する際は、第2主面用のi層製膜室500内部の圧力を、基板搬送室1内部の圧力に略同じになるように真空ポンプ507で調整した後、ゲートバルブ506を開の状態にして、後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aを用いる。
ここで、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aの基板載置面10aは、ロード室用基板載置手段101の基板11が載置される面の方向と異なり、逆方向を向くように配置される(図1図示のX軸のプラス方向を向く)。即ち、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aは、第1主面用のp層製膜室の基板載置手段301と背向した関係で設置される。即ち、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aの基板が載置される面と第1主面用のp層製膜室の基板載置手段301の基板が載置される面は、背向した関係で配置される。
第1主面用のp層製膜室の基板載置手段301と第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aが背向して設置されることにより、基板11の反転に際し、該基板11を回転する必要が無く、後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2a間で該基板11を受け渡しするだけで基板11を反転することが可能とる。その結果、該基板11の第1の主面に対する製膜の後、基板11を大気に曝すことなく、該基板11の第2の主面に対する製膜を行うことが可能となる。
即ち、図1に示される装置は、従来装置のように、基板11を一旦、大気中に出す必要がないという特徴を有する。
第2主面用のi層製膜室500で基板載置手段501aにセットされた基板11に半導体膜を形成するに際し、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aと真空ポンプ507とプラズマ生成用電極502aとプラズマ生成用高周波電源503aと原料ガス噴出装置509aと、を用い、原料ガスの条件、プラズマ生成の条件及び基板11の温度等を含む製膜条件を所定の値に設定し、所要の半導体膜を形成する。なお、前記製膜条件は特別な条件でなく、公知の製膜条件を用いる。
製膜が終了した後は、基板を第2のトレイレス基板搬送手段2aで把持し、基板搬送室1に移動する。
基板11の第2主面用のn層製膜室600は、基板搬入搬出用ゲートバルブ606と第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aと真空ポンプ607とプラズマ生成用電極602aとプラズマ生成用高周波電源603aと原料ガス噴出装置609aを備えている。
第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aは、第1主面用のi層製膜室の場合と同様に、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持用爪が挿入される窪み12を備えている。窪み12は前記基板把持用爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。
なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段601aに配置しても良い。
基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、例えば、セラミックを使う。
第2主面用のn層製膜室600でn層膜を形成する場合、基板11は、基板搬入搬出用ゲートバルブ606が開の状態において、後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aにより、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aにセットされる。なお、基板11を基板載置手段601aに保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aは、基板11の温度を50℃〜350℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段601aは、図示しない赤外線ランプ、電気抵抗式ヒータ等の加熱手段と図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
基板11が第2主面用のn層製膜室600と基板搬送室1の間を移動する際は、該第2の製膜室600内部の圧力を、基板搬送室1内部の圧力に略同じになるように真空ポンプ607で調整した後、ゲートバルブ606を開の状態にして、該第2のトレイレス基板搬送手段2aを用いる。
ここで、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aは、基板載置手段601aの基板11が載置される面がロード室用基板載置手段101の基板が配置される面の方向と異なり、逆方向を向くように配置される。即ち、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aは、第1主面用のp層基板載置手段301と背向した配置で設置される。
第1主面用のp層基板載置手段301と第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aが背向して設置されることにより、基板11の反転に際し、該基板11を回転する必要が無く、後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2a間で該基板11を受け渡しするだけで基板11の反転が可能とる。その結果、該基板11の第1の主面に対する製膜から、該基板11の第2の主面に対する製膜を、大気に曝すことなく行うことが可能となる。
即ち、図1に示される装置は、従来装置のように、基板11を一旦、大気中に出す必要がない、という特徴を有する。
第2主面用のn層製膜室600で基板載置手段601aにセットされた基板11に半導体膜を形成するに際し、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aと真空ポンプ607とプラズマ生成用電極602aとプラズマ生成用高周波電源603aと原料ガス噴出装置609aと、を用い、原料ガスの条件、プラズマ生成の条件及び基板11の温度等を含む製膜条件を所定の値に設定し、所要の半導体膜を形成する。なお、前記製膜条件は特別な条件でなく、公知の製膜条件を用いる。
製膜が終了した後は、後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aで基板11を把持し、基板搬送室1に移動する。
アンロード室700は、基板搬送室1からアンロード室700へ基板11を移動する際に用いるゲートバルブ706と基板搬出用ゲートバルブ705とアンロード室用基板載置手段701aと真空ポンプ707を備えている。
アンロード室700の基板載置手段701aは、第1主面用のi層製膜室の場合と同様にように、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持用爪が挿入される窪み12を備えている。
基板支持用棚材13の材料は、金属、セラミック、カーボン材等から選ばれる。ここでは、例えば、セラミックを使う。また、窪み12は前記基板把持用爪の大きさによるが、形状は長穴状で、寸法は2mmx3mm程度、深さ2mm程度である。なお、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を基板載置手段701に配置しても良い。
基板11を基板搬送室1からアンロード室700へ移動する場合、該基板11は、基板搬入搬出用ゲートバルブ706が開の状態において、後述の第2のトレイレス基板搬送手段2aにより、アンロード室700の基板載置手段701aにセットされる。なお、基板11を基板載置手段701aに保持するために、図示しない静電チャックあるいは真空吸引式基板保持手段等が用いられる。
アンロード室用基板載置手段701aは、基板11の温度を室温〜80℃の範囲で、任意に調整可能な温度調整機能を有する。なお、基板載置手段701aは、図示しない冷媒を用いた冷却手段を有する。
アンロード室700内の基板11を大気側に搬出する際は、先ず、ゲートバルブ706を閉とし、次に、アンロード室700内部の圧力を、大気圧に略同じになるように図示しないリーク弁を開とし、該圧力が略大気圧になったことを確認した後、基板搬出用ゲートバルブ705を開の状態にして、図示しない基板搬出ロボットで基板11をアンロード室700から外部へ搬出する。
アンロード室用基板載置手段701aの基板11が載置される面は、ロード室用基板載置手段101の基板11が載置される面の方向と異なり、逆方向を向くように配置される。
なお、アンロード室用基板載置手段701aの基板11を受ける面とロード室用基板載置手段101の基板11を受ける面が逆方向に設置されることにより、基板11の反転に際し、該基板11を回転する必要が無く、後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2a間で該基板11を受け渡しするだけで基板11の反転が可能とる。その結果、該基板11の第1の主面に対する製膜から、該基板11の第2の主面に対する製膜を、大気に曝すことなく、行うことが可能となる。
即ち、図1に示される装置は、従来装置のように、基板11を一旦、大気中に出す必要がないという特徴を有する。
基板搬送室1は、基板搬送室1用の真空ポンプ9と第1のトレイレス基板搬送手段2と第2のトレイレス基板搬送手段2aを備えている。ここでは、第1のトレイレス基板搬送手段2と第2のトレイレス基板搬送手段2aの2つを用いるが、2つに限定されず、ロード室、アンロード室、第1及び第2の製膜室の室数が増加した場合、それに応じて増やすことができる。
前記第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2aとして、例えば、特許文献6に開示されているトレイレス基板搬送手段を用いることができる。他のトレイレス基板搬送手段を用いても良い。ここでは、特許文献6に開示されているトレイレス基板搬送手段を用いる。
基板搬送室1用の真空ポンプ9は基板搬送室1内部を減圧状態にする。該真空ポンプ9は基板搬送室1内部の圧力を、50Pa〜2000Pa程度、例えば、500Paに減圧し、それを維持する。
なお、第1及び第2の製膜室200、300、500、600の製膜時の圧力に略等しくしても良い。また、基板搬送室1の内部は、不純物の発生を極力抑制するために、図示しない基板搬送室1用ガス供給設備から高純度の水素あるいはヘリウムガス等を導入しても良い。
第1のトレイレス基板搬送手段2は、基板搬送室1からロード室100に移動し、基板載置手段101に載置された基板11を後述の手順に従い、把持して、基板搬送室1に戻る。
また、第1のトレイレス基板搬送手段2は、基板11の第1の主面に半導体膜を形成する第1の主面用のi層製膜室200及びp層製膜室300へ基板11を搬入出する。
そして、第1のトレイレス基板搬送手段2は、基板搬送室1内部において、後述の手順に従い、基板11を第1のトレイレス基板搬送手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aに移設する。
第1のトレイレス基板搬送手段2は、図3に示されるように、X軸方向移動台3と、Y軸方向移動台4と、XYZ方向へ移動可能な基板把持手段5と、を備えている。前記基板把持手段5は、ベース部50と、基板把持用プレート51を備えている。
第1のトレイレス基板搬送手段2は、図3及び図4に示されるように、基板11を把持する3つの爪52、53、54を一対として備え、基板11を把持し、解放するという操作を行うことができる。基板11が複数の場合、前記複数の基板11のそれぞれに対応できる個数の対の3つの爪52、53、54を有し、前記基板を把持し、解放するという操作を行うことができる。なお、前記3つの爪52、53、54は、それぞれ板バネ65、66、67で後述の第1及び第2の基板把持アーム55、56に固定されている。なお、板バネ65、66、67に代えて、真空装置用のゴム材を用いても良い。
即ち、第1のトレイレス基板搬送手段2は、図3に示されるように、ベース部50に搭載された3方向(XYZ軸)に移動可能な基板把持プレート51と、基板把持プレート51に搭載され基板11を把持し、かつ、解放できる一対の爪52、53、54を有する。複数の基板11に対応する場合、基板の個数と同数の対の爪52、53、54を備える。
そして、第1のトレイレス基板搬送手段2は、前記基板載置面10に平行な方向に移動可能な一対の第1及び第2の基板把持アーム55、56と、前記第1の基板把持アーム55の中央部で螺合され、かつ、前記第2の基板把持アーム56の中央部で螺合される開閉ネジ軸57と、前記基板把持プレート51に固定され、前記第1及び第2の基板把持アーム55、56をそれぞれの両端で滑り対偶する第1及び第2のガイドシャフト58、59と、前記第1及び第2のガイドシャフト58、59の両端を前記基板把持プレート51に固定する軸受け61、62、63、64と、前記開閉ネジ軸57を回転させる駆動装置60を備え、前記駆動装置60により回転する前記開閉ネジ軸57の回転が前記第1の基板把持アーム55に設けられた前記爪52と前記第2の基板把持アーム56に設けられた前記爪53、54との間を拡縮することにより前記基板11の把持及び解放することができる。
前記一対の爪52、53、54の操作は、図示しないコンピューター制御装置により制御される。また、第1のトレイレス基板搬送手段2が基板搬送室1と各室間を移動する際は、図示しないコンピューター制御装置により制御され、稼働する。
前記一対の爪52、53、54は、基板11を各室の基板載置手段101、201、301に載置する際、前述の窪み12の空間に出入りする動きを行う。なお、一対の爪52、53、54が基板を把持し、解放するという動作を行う際、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、後述するように、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を各室の基板載置手段101、201、301に配置しても良い。
第1のトレイレス基板搬送手段2が基板載置手段101、201、301に載置された基板11を把持し、他の場所へ移動する際は、図示しないコンピューター制御装置により、基板載置手段101、201、301に載置の基板11に接近し、図示しない基板載置手段101、201、301の静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、爪52、53、54による3点支持の形で把持する。
なお、基板11を把持する際は、図示しないコンピューター制御装置により、第1の基板把持アーム55と第2の基板把持アーム56の間を短縮し、爪52と爪53、54の間隔を狭める操作を行う。
第1のトレイレス基板搬送手段2が基板11を基板載置手段201、301に載置する際は、図示しないコンピューター制御装置により、基板載置手段201、301の基板載置面10に接近し、爪52、53、54による3点支持の形で把持している基板11を解放し、その開放に連動して、図示しない基板載置手段201、301の静電チャックあるいは吸引式基板固定方式等を作動させ、該基板載置面10に基板を載置する。
基板11を開放する際は、図示しないコンピューター制御装置により、第1の基板把持アーム55と第2の基板把持アーム56の間を拡張し、爪52と爪53、54の間隔を広げる操作を行う。
第2のトレイレス基板搬送手段2aは、基板11を後述する手順に従い、第1の基トレイレス板搬送手段2から受け取る。
そして、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、基板11の第2の主面に半導体膜を形成する第2の主面用のi層製膜室及びn層製膜室500、600へ基板トレイ10を搬入出する。また、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、基板搬送室1からアンロード室700へ基板を搬送する。
第2のトレイレス基板搬送手段2aは、図5に示されるように、X軸方向移動台3aと、Y軸方向移動台4aと、XYZ方向へ移動可能な基板把持手段5aと、を備えている。前記基板把持手段5aは、ベース部50aと、基板把持用プレート51aを備えている。
第2のトレイレス基板搬送手段2aは、図5に示されるように、基板11を把持する3つの爪52a、53a、54aを一対として備え、基板11を把持し、解放するという操作を行うことができる。
第2のトレイレス基板搬送手段2aの3つの爪52a、53a、54aは、第1のトレイレス基板搬送手段2の場合と異なり、3点の爪は逆三角形の構図で配置される。
基板11が複数の場合、前記複数の基板11のそれぞれに対応できる個数の対の3つの爪52a、53a、54aを有し、前記基板11を把持し、解放するという操作を行うことができる。なお、前記3つの爪52a、53a、54aは、それぞれ板バネ65a、66a、67aで後述の第1及び第2の基板把持アーム55a、56aに固定されている。
即ち、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、図5に示されるように、ベース部50aに搭載された3方向(XYZ軸)に移動可能な基板把持プレート51aと、基板把持プレート51aに搭載され基板11を把持し、かつ、解放できる一対の爪52a、53a、54aを有する。なお、複数の基板11に対応する場合、基板の個数と同数の対の爪52a、53a、54aを備える。
そして、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、前記基板載置面10に平行な方向に移動可能な一対の第1及び第2の基板把持アーム55a、56aと、前記第1の基板把持アーム55aの中央部で螺合され、かつ、前記第2の基板把持アーム56aの中央部で螺合される開閉ネジ軸57aと、前記基板把持プレート51aに固定され、前記第1及び第2の基板把持アーム55a、56aをそれぞれの両端で滑り対偶する第1及び第2のガイドシャフト58a、59aと、前記第1及び第2のガイドシャフト58a、59aの両端を前記基板把持プレート51aに固定する軸受け61a、62a、63a、64aと、前記開閉ネジ軸57aを回転させる駆動装置60aを備え、前記駆動装置60aにより回転する前記開閉ネジ軸57aの回転が前記第1の基板把持アーム55aに設けられた前記爪53a、54aと前記第2の基板把持アーム56に設けられた前記爪52aとの間を拡縮することにより前記基板11の把持及び解放することができる。
前記一対の爪52a、53a、54aの操作は、図示しないコンピューター制御装置により制御される。また、第2のトレイレス基板搬送手段2aが基板搬送室1と各室間を移動する際は、図示しないコンピューター制御装置により制御され、稼働する。
前記一対の爪52a、53a、54aは、基板11を各室の基板載置手段501a、601a、701aに載置する際、前述の窪み12の空間に出入りする動きを行う。なお、一対の爪52a、53a、54aが基板を把持し、解放するという動作を行う際、窪み12の使用は必須条件ではなく、例えば、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台を各室の基板載置手段501a、601a、701aに配置しても良い。
なお、第2のトレイレス基板搬送手段2aが基板搬送室1と各室間を移動する際は、図示しないコンピューター制御装置により制御され、稼働する。
第2のトレイレス基板搬送手段2aが基板11を基板載置手段501a、601a、701aに載置する際、図示しないコンピューター制御装置により、基板載置手段501a、601a、701aの基板載置面10aに接近し、爪52a、53a、54aによる3点支持の形で把持している基板11を解放し、その開放に連動して、図示しない基板載置手段501a、601a、701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を作動させ、該基板載置面10に基板を載置する。なお、基板11を開放する際、図示しないコンピューター制御装置により、第1の基板把持アーム55aと第2の基板把持アーム56aの間を拡張し、爪52aと爪53a、54aの間隔を広げる操作を行う。
第2のトレイレス基板搬送手段2aが、基板11を基板搬送室からアンロード室700の基板載置手段701aに載置する際、図示しないコンピューター制御装置により、基板載置手段701aに接近し、爪52a、53a、54aによる3点支持の形で把持する基板11を解放し、図示しない基板載置手段701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、基板載置手段701aに移設する。
なお、基板11を解放する際は、図示しないコンピューター制御装置により、第1の基板把持アーム55aと第2の基板把持アーム56aの間を拡大し、爪52aと爪53a、54aの間隔を広める操作を行う。
次に、基板搬送室1内に配置される第1のトレイレス基板搬送手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aへ基板11を移設する手順について説明する。この手順に従って、第1及び第2のトレイレス基板搬送手段2、2aは図示しないコンピューター制御装置により制御され、稼働する。
なお、該第1のトレイレス基板搬手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aへ基板11を移設する機能は基板11を反転させる機能の実現ために、重要である。
第1のトレイレス基板搬送手段2は、第1主面用のp層製膜室300から受け取った基板11を、基板搬送室1内部で第2のトレイレス基板搬送手段2aに、次に示す手順で移設する。
図1に示される基板搬送室1の内部において、先ず、基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2と、それを受け取る第2のトレイレス基板搬送手段2aを接近させる。
両者が接近した際に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54と第2のトレイレス基板搬送手段2aの爪52a、53a、54aを、図6示されているように、前者は三角形の構図で、後者は逆三角形の構図で配置され、互いに接触しない位置関係に、予め設定されている。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54で把持されている基板11を、第2のトレイレス基板搬送手段2aの爪52a、53a、54aで挟む。この際、爪52a、53a、54aはそれぞれ、板バネ65a、66a、67aで第1及び第2の基板把持アーム55a、56aに固定されているので、ソフトタッチで把持可能である。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54から基板11を解放する。そうすると、基板11は第2の基板搬送2aの爪52a、53a、54aに把持される。
即ち、基板11は第1のトレイレス基板搬送手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aへ移設される。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2と第2のトレイレス基板搬送手段2aは互いに離反する方向へ移動する。
第1のトレイレス基板搬送手段2は、ロード室100、第1の主面用のi層製膜室200及びp層製膜室300でのワークを行う。
第2のトレイレス基板搬送手段2aは、第1の主面用のi層製膜室500、n層製膜室600及びアンロード室700でのワークを行う。
次に、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置を用いて、図10(b)に示されるHIT構造太陽電池の第1の主面(表面)21にi型非晶質膜とp型非晶質膜をこの順に製膜し、第2の主面(裏面)22に、i型非晶質膜とn型非晶質膜をこの順に製膜する方法を説明する。
先ず、基板搬送室1内部の圧力を、真空ポンプ9を用いて、例えば、500Paに設定し、維持する。基板11の第1主面用のi層製膜室200、基板11の第1主面用のp層製膜室300、基板11の第2主面用のi層製膜室500、基板11の第2主面用のn層製膜室600及びアンロード室700の内部の圧力を、それぞれ、各室に備えられている真空ポンプ207、307、507、607、707を用いて、例えば、500Paに設定し、維持する。ロード室100の圧力は大気圧に保つ。
次に、基板搬入用ゲートバルブ105を開いて、基板11を図示しない基板搬入ロボットにより、ロード室用基板載置手段101にセットする。なお、前記図示しない基板搬入ロボットを用いないで、人手でセットしても良い。
その後、基板搬入用ゲートバルブ105を閉じて、ロード室100内部の圧力を、一旦、0.01Pa〜0.01Pa程度、例えば、0.01Paに減圧する。そして、基板11の温度を100℃〜200℃、例えば、170℃に設定し、維持する。
そして、基板11の温度が所定の温度に設定された後、図示しないアルゴンガス供給設備あるいは水素ガス供給設備から、例えば、水素ガスをロード室100内部に導入して、ロード室100内部の圧力を、基板搬送室1の内部と略同じ圧力に設定し、それを維持する。
次に、以下に示す手順で、基板11をロード室100から基板搬送室1へ移動する。
ロード室100内部の圧力が基板搬送室1内部と略同じに維持されていることを確認後、基板搬出用ゲートバルブ106を開にする。
次に基板搬出用ゲートバルブ106が開の状態で、第1のトレイレス基板搬送手段2を基板搬送室1からロード室100へ移動し、第1のトレイレス基板搬送2の基板把持手段5で基板11を把持する。そして、第1のトレイレス基板搬送手段2は、基板11を把持して、基板搬送室1に移動する。
第1のトレイレス基板搬送手段2が基板搬送室1に移動したことを確認後、基板搬出用ゲートバルブ106を閉にする。
なお、基板搬出用ゲートバルブ106を閉になったら、ロード室100は、次の基板11の搬入に備えて、ロード室100内部の圧力を大気圧に戻す。
次に、以下に示す手順で、基板11を基板搬送室1から基板11の第1主面用のi層製膜室200に移動させる。
基板11の第1主面用のi層製膜室200の圧力を、基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置209から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第1主面用のi層製膜室200へ導入しても良い。
第1主面用のi層製膜室200の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、基板搬入搬出用ゲートバルブ206を開にする。基板搬入搬出用ゲートバルブ206が開の状態において、基板搬送室1から基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2を第1主面用のi層製膜室200に移動させる。そして、第1のトレイレス基板搬送手段2の基板把持手段5が把持している基板11を、第1主面用のi層製膜室用基板載置手段201に移設する。この際、基板把持手段5と、図示しない基板載置手段701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、基板載置手段701aに移設する。
その後、第1のトレイレス基板搬送手段2は第1主面用のi層製膜室200から基板搬送室1へ戻る。第1のトレイレス基板搬送手段2が第1主面用のi層製膜室200から基板搬送室1へ戻ったことを確認後、ゲートバルブ206を閉にする。
次に、第1主面用のi層製膜室200での基板11の第1の主面のi型非晶質膜形成の製膜条件を設定する。該製膜条件は公知の条件で良い。そして、所要の製膜を行う。
製膜が終了後、第1主面用のi層製膜室200の圧力を基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置209から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第1主面用のi層製膜室200へ導入しても良い。
第1主面用のi層製膜室200の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、基板搬入搬出用ゲートバルブ206を開にする。基板搬入搬出用ゲートバルブ206が開の状態において、第1主面用のi層製膜室200の基板載置手段201から基板11を第1のトレイレス基板搬送手段2の基板把持手段5に移設する。この際、第1のトレイレス基板搬送手段2の基板把持手段5と、図示しない基板載置手段701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、第1のトレイレス基板搬送手段2に移設する。
そして、基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2は第1主面用のi層製膜室200から基板搬送室1へ移動する。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段が第1主面用のi層製膜室200から基板搬送室へ移動したことを確認後、ゲートバルブ206を閉にする。
なお、ゲートバルブ206が閉の状態になった後、第1主面用のi層製膜室200の圧力を一旦、0.01Pa〜0.01Pa程度、例えば、0.01Paに減圧する。
次に、以下に示す手順で、基板11を基板搬送室1から基板11の第1主面用のp層製膜室300の基板載置手段201に搬送し、載置する。
基板11の第1主面用のp層製膜室300の圧力を、基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置309から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第1主面用のp層製膜室300へ導入しても良い。
第1主面用のp層製膜室300の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ306を開にする。ゲートバルブ306が開の状態において、基板搬送室1から基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2を第1主面用のp層製膜室300に移動させる。そして、第1のトレイレス基板搬送手段2の基板把持手段5が把持している基板11を、第1主面用のp層製膜室用基板載置手段301に移設する。この際、基板把持手段5と、図示しない基板載置手段701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、基板載置手段701aに移設する。
その後、第1のトレイレス基板搬送手段2は、第1主面用のp層製膜室300から基板搬送室1へ戻る。第1のトレイレス基板搬送手段2が第1主面用のp層製膜室300から基板搬送室1へ戻ったことを確認後、ゲートバルブ306を閉にする。
次に、第1主面用のp層製膜室300での基板11の第1の主面のp型非晶質膜形成の製膜条件を設定する。該製膜条件は公知の条件で良い。そして、所要の製膜を行う。
製膜が終了後、第1主面用のp層製膜室300の圧力を基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置309から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第1主面用のp層製膜室300へ導入しても良い。
第1主面用のp層製膜室300の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ306を開にする。ゲートバルブ306が開の状態において、第1主面用のp層製膜室300から基板11を第1のトレイレス基板搬送手段2の基板把持手段5に移設する。この際、基板把持手段5と、図示しない基板載置手段701aの静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、第1のトレイレス基板搬送手段2に移設する。
そして、基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2は第1主面用のp層製膜室300から基板搬送室1へ移動する。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2が第1主面用のp層製膜室300から基板搬送室1へ移動したことを確認後、ゲートバルブ306を閉にする。
なお、基板搬入搬出用ゲートバルブ306が閉の状態になった後、第1主面用のp層製膜室300の圧力を一旦、0.01Pa〜0.01Pa程度、例えば、0.01Paに減圧する。
次に、基板搬送室1に戻った第1のトレイレス基板搬送手段2に把持されている基板11を、次に示す手順で、第1のトレイレス基板搬送手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aに移設する。
なお、該第1のトレイレス基板搬送手段2から第2の基板搬送手段2aへ基板11を移設する機能は基板11を反転させる機能の実現ために、重要である。
先ず、基板11を把持している第1のトレイレス基板搬送手段2と第2のトレイレス基板搬送手段2aを接近させる。両者を接近した際に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54と第2のトレイレス基板搬送手段2aの爪52a、53a、54aを、図6示されているように、前者は三角形の構図で、後者は逆三角形の構図で配置され、互いに接触しない位置関係に予め設定されている。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54で把持されている基板11を、第2のトレイレス基板搬送手段2aの爪52a、53a、54aで挟む。この際、爪52a、53a、54aはそれぞれ、板バネ65a、66a、67aで第1及び第2の基板把持アーム55a、56aに固定されているので、ソフトタッチで把持可能である。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2の爪52、53、54から基板11を解放する。そうすると、基板11は第2の基板搬送2aの爪52a、53a、54aに把持される。即ち、基板11は第1のトレイレス基板搬送手段2から第2のトレイレス基板搬送手段2aへ移設される。
次に、第1のトレイレス基板搬送手段2と第2のトレイレス基板搬送手段2aは互いに離反する方向へ移動する。
次に、以下に示す手順で、基板11を基板搬送室1から基板11の第2主面用のi層製膜室500に移動させる。
基板11の第2主面用のi層製膜室500の圧力を、基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置509から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第2主面用のi層製膜室500へ導入しても良い。
第2主面用のi層製膜室500の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ506を開にする。ゲートバルブ506が開の状態において、基板搬送室1から基板11を把持している第2のトレイレス基板搬送手段2aを第2主面用のi層製膜室500に移動させる。そして、第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持手段5aが把持している基板11を、第2主面用のi層製膜室用基板載置手段501aに移設する。
その後、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、第2主面用のi層製膜室500から基板搬送室1へ戻る。第2のトレイレス基板搬送手段2aが第2主面用のi層製膜室500aから基板搬送室1へ戻ったことを確認後、ゲートバルブ506を閉にする。
次に、第2主面用のi層製膜室500での基板11の第2の主面のi型非晶質膜形成の製膜条件を設定する。該製膜条件は公知の条件で良い。そして、所要の製膜を行う。
製膜が終了後、第2主面用のi層製膜室500の圧力を基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置509から水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第2主面用のi層製膜室500へ導入しても良い。
第2主面用のi層製膜室500の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ506を開にする。基板搬入搬出用ゲートバルブ506が開の状態において、第2主面用の基板載置手段501aから基板11を第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持手段5aに移設する。
そして、基板11を把持している第2のトレイレス基板搬送手段2aは、第2主面用のi層製膜室500から基板搬送室1へ移動する。
次に、第2のトレイレストレイレス基板搬送手段2aが第2主面用のi層製膜室500から基板搬送室1へ移動したことを確認後、ゲートバルブ506を閉にする。
なお、ゲートバルブ506が閉の状態になった後、第2主面用のi層製膜室500の圧力を一旦、0.01Pa〜0.01Pa程度、例えば、0.01Paに減圧する。
次に、以下に示す手順で、基板11を基板搬送室1から基板11の第2主面用のn層製膜室600に移動させる。
基板11の第2主面用のn層製膜室600の圧力を、基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置609aから水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第2主面用のn層製膜室600へ導入しても良い。
第2主面用のn層製膜室600の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ606を開にする。基板搬入搬出用ゲートバルブ606が開の状態において、基板搬送室1から基板11を把持している第2のトレイレス基板搬送手段2aを第2主面用のn層製膜室600に移動させる。そして、第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持手段5aが把持している基板11を、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aに移設する。
その後、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、第2の主面用のn層製膜室600から基板搬送室1へ戻る。
第2のトレイレス基板搬送手段2aが第2主面用のn層製膜室600から基板搬送室1へ戻ったことを確認後、基板搬入搬出用ゲートバルブ606を閉にする。
次に、第2主面用のn層製膜室600での基板11の第2の主面のn型非晶質膜形成の製膜条件を設定する。該製膜条件は公知の条件で良い。そして、所要の製膜を行う。
製膜が終了後、第2主面用のn層製膜室600の圧力を基板搬送室1の圧力と略同じにする。この場合、原料ガス噴出装置609aから水素ガスのみを導入して、圧力調整しても良い。また、図示しない水素ガス供給設備から、水素ガスを第2主面用のn層製膜室600へ導入しても良い。
第2主面用のn層製膜室600の圧力が基板搬送室1の圧力と略同じになったことを確認後、ゲートバルブ606を開にする。ゲートバルブ606が開の状態において、第2主面用のn層製膜室用基板載置手段601aから基板11を第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持手段5aに移設する。
そして、基板11を把持している第2のトレイレス基板搬送手段2aは第2主面用のn層製膜室600から基板搬送室1へ移動する。
次に、第2のトレイレス基板搬送手段2aが、第2主面用のn層製膜室600から基板搬送室1へ移動したことを確認後、基板搬入搬出用ゲートバルブ606を閉にする。
なお、基板搬入搬出用ゲートバルブ606が閉の状態になった後、第2主面用のn層製膜室600の圧力を一旦、0.01Pa〜0.01Pa程度、例えば、0.01Paに減圧する。
次に、以下に示す手順で、基板11を基板搬送室1からアンロード室700へ移動する。
先ず、アンロード室700内部の圧力を基板搬送室1内部と略同じにする。次に、アンロード室700内部の圧力が基板搬送室1内部と略同じに維持されていることを確認後、アンロード室のゲートバルブ706を開にする。
次に、ゲートバルブ706が開の状態で、第2のトレイレス基板搬送手段2aを基板搬送室1からアンロード室700へ移動し、第2のトレイレス基板搬送手段2aの基板把持手段5aで基板11をアンロード室用基板載置手段701aに移設する。この際、基板把持手段5と、基板載置手段701aの図示しない静電チャックあるいは吸引式基板固定手段等を連動して作動させ、基板載置手段701aに移設する。
そして、第2のトレイレス基板搬送手段2aは、基板搬送室1に移動する。
第2のトレイレス基板搬送手段2aが基板搬送室1に移動したことを確認後、基板搬出用ゲートバルブ106を閉にする。
次に、アンロード室700の内部の圧力を大気圧にする。この際は、図示しないリーク弁を用いる。
次に、アンロード室700内部の圧力が大気圧になっていることを確認後、基板搬出用ゲートバルブ705を開にする。
基板搬出用ゲートバルブ705が開の状態で、図示しない基板搬出用のロボットで基板11を搬出する。
アンロード室700から基板11が搬出されたことを確認後、基板搬出用ゲートバルブ705を閉にする。
そして、アンロード室700の圧力を、一旦、0.1Pa〜10Pa程度に減圧し、その後、基板搬送室1の圧力と同じ圧力、例えば、500Paに維持する。
以上の説明で示したように、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、基板トレイを使用しないトレイレス方式により、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜することが可能である。このことは、HIT太陽電池製造分野において、生産性の向上及び低コスト化に著しく貢献できるという効果を奏する。
また、一般に、電子デバイス等の製造に用いられるプラズマCVD装置、触媒CVD装置及びスパッタ装置等において、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜するというニーズに対して貢献できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置について、図7を用いて説明する。図1ないし図6も参照する。
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、図1ないし図6に示されるロード室100、基板11の第1主面用のi層製膜室200、基板11の第1主面用のp層製膜室300、基板11の第2主面用のi層製膜室500、第2主面用のn層製膜室600、アンロード室700及び基板搬送室1が用いられる。
本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置と、本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の相違点は、各室の配置にある。前者は、基板搬送室1の一方の側面に各室が接続されているが、後者は、基板搬送室1の両サイドに各室が接続されている。
本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置に比べて、基板搬送室1の容積が小さいので真空ポンプの費用が安いことと、基板搬送室1の長さが短いので、第1及び第2の基板搬送手段2、2aの作動距離が短く、作業効率が高い、というメリットがある。
本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の構成部材及び使用方法は、上記本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置と同様である。
以上の説明で示したように、本発明の第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、基板トレイを使用しないトレイレス方式により、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜することが可能である。このことは、HIT太陽電池製造分野において、生産性の向上及び低コスト化に著しく貢献できるという効果を奏する。
また、一般に、電子デバイス等の製造に用いられるプラズマCVD装置、触媒CVD装置及びスパッタ装置等において、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜するというニーズに対して貢献できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置について、図8及び図9を用いて説明する。図1、図3ないし図6を参照する。
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、図1に示されるロード室100、基板11の第1主面用のi層製膜室200、基板11の第1主面用のp層製膜室300、基板11の第2主面用のi層製膜室500、第2主面用のn層製膜室600、アンロード室700及び基板搬送室1が用いられる。
本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置と、本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の相違点は、各室に配置される基板載置手段の構造の違いにある。前者は、基板11を支持する基板支持用棚材13と後述の第1及び第2のトレイレス基板搬送手段の基板把持用爪が挿入される窪み12を備えた基板載置手段101、201、301、501a、601a、701aを用いる。後者は、図8に示されるように、基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台20と、基板11の自重を支える基板支持ピン21a、21bと、凹部22を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の基板載置手段801は、図8に示されるように、基板載置面802に基板11のサイズより一回り小さいサイズの矩形台地状基板載置台20と、基板支持ピン21a、21bと、凹部22が配置される。
矩形台地状基板載置台20は、第1及び第2の基板搬送手段の基板把持手段5、5aが搬送する基板11と接触する面である。
矩形台地状基板載置台20の高さ(基板載置面802の法線方向の厚み)は、基板把持用の爪53、54、52aの基板載置面802の法線方向の動きに自由度を与える機能を有する。即ち、矩形台地状基板載置台20の高さは、本発明の第1及び第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置における窪み12と同様の機能を有する。即ち、基板把持用の爪52、53a、54aの鉛直方向及び基板載置面802の法線方向の動きに自由度を与える機能を有する。
基板支持ピン21a、21bは、第1及び第2の基板搬送手段の基板把持手段5、5aが搬送する基板11を略鉛直方向で支持する機能を有する。基板支持ピン21a、21bは、図9(a)、(b)に示されるように、第1の基板搬送手段の基板把持手段2の一対の爪52、52、54から基板11を受け取る際に、該基板11を支持する機能を有する。また、基板支持ピン21a、21bは、第2の基板搬送手段の基板把持手段2aの一対の爪52a、53a、54aから基板11を受け取る際に、該基板11を支持する機能を有する。即ち、基板支持ピン21a、21bは、本発明の第1及び第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置における基板支持用棚材13と同様の機能を有する。
凹部22は、本発明の第1及び第2の実施形態における窪み12の役割を演じる。即ち、基板把持用の爪53、54、52aの鉛直方向及び水平方向の動きに自由度を与える機能を有する。
本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置の使用方法は、上記本発明の第1の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置と同様である。
本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、プラズマCVDによる非晶質シリコン膜の形成への応用において、本発明の第1及び第2の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置に比べて、プラズマ生成の一様化に与える影響が小さいことと、基板載置手段の製作費用が安い、というメリットがある。
以上の説明で示したように、本発明の第3の実施形態に係わる基板の両面に半導体膜を形成する装置は、基板トレイを使用しないトレイレス方式により、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜することが可能である。このことは、HIT太陽電池製造分野において、生産性の向上及び低コスト化に著しく貢献できるという効果を奏する。
また、一般に、電子デバイス等の製造に用いられるプラズマCVD装置、触媒CVD装置及びスパッタ装置等において、基板を大気に曝さない状態で該基板の第1の主面と第2の主面を反転し、その両面に半導体膜を製膜するというニーズに対して貢献できる。
1・・・基板搬送室、
2、2a・・・第1及び第2の基板搬送手段、
3、3a・・・第1及び第2の基板搬送手段のX軸方向移動台、
4、4a・・・第1及び第2の基板搬送手段のY軸方向移動台、
5、5a・・・第1及び第2の基板把持手段、
11・・・基板、
12・・・基板把持用の窪み、
13・・・基板支持用棚材、
20・・・矩形台地状基板載置台、
21a、21b・・・基板支持ピン、
22・・・基板把持用の凹部、
51、51a・・・基板把持プレート、
52、53、54、52a、53a、54a・・・基板把持手段の爪、
55、56・・・第1及び第2の基板把持アーム、
57・・・開閉ネジ軸、
60・・・開閉ネジ軸57を回転させる駆動装置、
101、201、301、501、601、701・・・基板載置手段、
100・・・ロード室、
200・・・基板の第1主面用のi層製膜室、
300・・・基板の第1主面用のp層製膜室、
500・・・基板の第2主面用のi層製膜室、
600・・・基板の第2主面用のn層製膜室、
700・・・アンロード室。

Claims (6)

  1. 第1の主面と前記第1の主面の反対側の第2の主面を有する基板の前記第1及び第2の主面に半導体膜を形成する装置において、
    前記基板を搬入するための少なくとも1つのロード室と、前記基板の第1の主面に少なくとも1つの半導体膜を製膜する少なくとも1つの第1の製膜室と、前記基板の第2の主面に少なくとも1つの半導体膜を製膜する少なくとも1つの第2の製膜室と、前記基板を搬出するための少なくとも1つのアンロード室と、前記基板をトレイ無しで前記各室に搬入出する少なくとも2つのトレイレス基板搬送手段を内部に備えた基板搬送室と、を具備し、
    前記ロード室、前記第1の製膜室、前記第2の製膜室及び前記アンロード室は、前記基板搬送室に真空仕切り弁を介して接続され、
    前記トレイレス基板搬送手段の一つである第1のトレイレス基板搬送手段が前記第1の製膜室から前記基板を把持して前記基板搬送室へ移動し、前記基板搬送室において前記第1のトレイレス基板搬送手段が把持した前記基板を前記トレイレス基板搬送手段の他の一つである第2のトレイレス基板搬送手段に移設し、前記第2のトレイレス基板搬送手段が前記基板を前記第2の製膜室へ搬入するようにしたことを特徴とする基板の両面に半導体膜を形成する装置。
  2. 前記第1の製膜室が有する基板載置手段の基板載置面と前記第2の製膜室が有する基板載置手段の基板載置面が、背向して配置されることを特徴とする請求項1に記載の基板の両面に半導体膜を形成する装置。
  3. 前記ロード室、前記第1の製膜室、前記第2の製膜室及び前記アンロード室が有する前記基板載置手段は、矩形台地状の基板載置台と前記基板の自重を支える基板支持ピンを備えていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の基板の両面に半導体膜を形成する装置。
  4. 前記トレイレス基板搬送手段は、複数の前記基板をそれぞれ個別に把持する3つの爪を一対として備え、前記複数の基板のそれぞれに対応する個数の対の前記爪を有し、前記基板を把持し、解放するという動作を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板の両面に半導体膜を形成する装置。
  5. 前記第1の製膜室は前記基板の第1の主面にi型非晶質膜を形成する第1主面用i型製膜室と前記基板の第1の主面にp型非晶質膜を形成する第1主面用p型製膜室とを有し、前記第2の製膜室は前記基板の第2の主面にi型非晶質膜を形成する第2主面用i型製膜室と前記基板の第2の主面にn型非晶質膜を形成する第2主面用n型製膜室とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板の両面に半導体膜を形成する装置。
  6. 前記少なくとも1つのロード室と、前記少なくとも1つのアンロード室と、前記少なくとも1つの第1の製膜室と、前記少なくとも1つの第2の製膜室の各室からなる複数の製膜室は、前記基板搬送室の両側に略2分割して設置されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板の両面に半導体膜を形成する装置。
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