JP2019186147A - 電気化学反応単位および電気化学反応セルスタック - Google Patents

電気化学反応単位および電気化学反応セルスタック Download PDF

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Abstract

【課題】集電部材の重量の増加を抑制しつつガス室の高さを一定以上確保し、集電部材の製造容易性を向上させ、かつ、単セルの割れが発生することを効果的に抑制する。【解決手段】電気化学反応単位は、単セルと、単セルの特定電極側に配置されたインターコネクタと、インターコネクタと特定電極との間に配置された集電部材とを備える。集電部材は、インターコネクタの表面に接する板状であり、貫通孔が形成されたベース部と、第1の方向視でベース部の貫通孔と重なるように配置され、特定電極の表面に接する板状の複数のセル接触部と、各セル接触部とベース部とを結ぶ連接部とを含む。電気化学反応単位は、さらに、弾性体により構成され、第1の方向において、ベース部の貫通孔内に収容され、かつ、インターコネクタの表面から各セル接触部の表面まで延びる形状のスペーサを備える。【選択図】図7

Description

本明細書によって開示される技術は、電気化学反応単位に関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という)が知られている。SOFCの構成単位である燃料電池発電単位(以下、「発電単位」という)は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という)を備える。単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む。
また、発電単位は、隣り合う他の発電単位との電気的接続を確保しつつ反応ガスの混合を防止する板状のインターコネクタと、インターコネクタと空気極との間に配置されて両者を電気的に接続する空気極側集電部材とを備える。従来、空気極側集電部材として複数の略四角柱状の導電性部材を用い、かつ、インターコネクタと該空気極側集電部材とが一体部材とされた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成では、該一体部材の内、平板形の部分がインターコネクタとして機能し、該平板形の部分から空気極に向けて突出するように形成された複数の凸部が空気極側集電部材として機能する。
特開2018−41570号公報
発電単位において、空気極に面する空気室におけるガス拡散性の低下を抑制したり、圧損の増大を抑制したりするためには、空気室の高さをある程度以上確保することが好ましい。上記従来のインターコネクタおよび空気極側集電部材の構成において、空気室の高さをある程度以上確保するために空気極側集電部材の高さをある程度以上にすると、空気極側集電部材の重量が増加し、その結果、例えば熱容量が大きくなって装置の起動性が低下するという課題がある。また、上記従来のインターコネクタと空気極側集電部材との一体部材は、一般に、プレス加工により作製されるため、空気極側集電部材の高さをある程度以上にするためには、プレス圧を大きくしたりプレス時間を長くしたりする必要があり、製造容易性の点で課題がある。
なお、このような課題は、インターコネクタと空気極との間に配置された空気極側集電部材に限らず、インターコネクタと燃料極との間に配置された燃料極側集電部材にも共通の課題である。また、このような課題は、燃料電池発電単位に限らず、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という)の構成単位である電解セル単位にも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池発電単位と電解セル単位とをまとめて、電気化学反応単位と呼ぶ。また、このような課題は、固体酸化物形に限らず、他のタイプの電気化学反応単位にも共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される電気化学反応単位は、電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む電気化学反応単セルと、前記電気化学反応単セルの前記空気極と前記燃料極との少なくとも一方である特定電極側に配置された板状のインターコネクタと、前記インターコネクタと前記特定電極との間に配置された導電性の集電部材と、を備える電気化学反応単位において、前記集電部材は、前記インターコネクタの表面に接する板状であり、前記第1の方向に延びる貫通孔が形成されたベース部と、前記第1の方向視で前記ベース部の前記貫通孔と重なるように配置され、前記特定電極の表面に接する板状の複数のセル接触部と、各前記セル接触部の端部と前記ベース部における前記貫通孔に面する端部とを結ぶ連接部と、を含み、前記電気化学反応単位は、さらに、弾性体により構成され、前記第1の方向において、前記ベース部の前記貫通孔内に収容され、かつ、前記インターコネクタの表面から各前記セル接触部の表面まで延びる形状のスペーサを備える。
本電気化学反応単位は、板状のインターコネクタと、インターコネクタと特定電極との間に配置された導電性の集電部材とを備える。集電部材は、インターコネクタの表面に接する板状のベース部と、特定電極の表面に接する板状の複数のセル接触部と、各セル接触部とベース部とを結ぶ連接部とを含む。そのため、本電気化学反応単位によれば、連接部の長さや角度を調整することによってベース部とセル接触部との間の距離を一定以上とすることにより、集電部材の重量の増加を抑制しつつ容易にガス室の高さを一定以上確保することができる。また、このような構成の集電部材は、例えば平板材料に対する打ち抜き加工や折り曲げ加工を行うことにより容易に作製することができるため、製造容易性の点でも優れている。
ただし、このような集電部材の構成では、集電部材の各位置における剛性(変形のしにくさ)が均一ではなくなる。具体的には、連接部の位置における集電部材の剛性が、セル接触部の位置における集電部材の剛性と比較して高くなる。そのため、電気化学反応単位に対して第1の方向の荷重が与えられると、集電部材の連接部付近に応力が集中し、これに起因して電気化学反応単セルの割れが発生するおそれがある。
しかしながら、本電気化学反応単位は、弾性体により構成されたスペーサを備える。スペーサは、第1の方向において、集電部材のベース部の貫通孔内に収容されており、かつ、インターコネクタの表面から各セル接触部の表面まで延びる形状である。そのため、スペーサの存在により、集電部材の各セル接触部の剛性が補われ、その結果、連接部付近に応力が集中することを抑制することができ、電気化学反応単セルの割れが発生することを抑制することができる。
さらに、本電気化学反応単位では、スペーサは、第1の方向においてインターコネクタの表面から各セル接触部の表面まで延びるような形状となっており、ベース部と重なっていない(ベース部に乗り上げていない)。そのため、スペーサがベース部に乗り上げた構成と比較して、集電部材の各位置での応力の集中を効果的に抑制することができ、電気化学反応単セルの割れが発生することを効果的に抑制することができる。
このように、本電気化学反応単位によれば、集電部材の重量の増加を抑制しつつガス室の高さを一定以上確保することができ、また、集電部材の製造容易性を向上させることができると共に、電気化学反応単セルの割れが発生することを効果的に抑制することができる。
(2)上記電気化学反応単位において、前記第1の方向における前記ベース部の厚さは、前記第1の方向における前記電気化学反応単セルの厚さの10分の1以上である構成としてもよい。本電気化学反応単位では、第1の方向におけるベース部の厚さが比較的厚い。ベース部の厚さが比較的厚い構成において、スペーサがベース部に乗り上げていると、スペーサがベース部に乗り上げた位置付近で応力が特に集中しやすい。本電気化学反応単位では、スペーサが、第1の方向においてインターコネクタの表面から各セル接触部の表面まで延びるような形状となっており、ベース部に乗り上げていないため、ベース部の厚さが比較的厚い構成においても、集電部材の各位置での応力の集中を効果的に抑制することができ、電気化学反応単セルの割れが発生することを効果的に抑制することができる。
(3)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記スペーサは、前記第2の方向に沿った移動が規制されるように、前記ベース部の前記貫通孔の内周面に当接している構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、第2の方向におけるスペーサの位置ずれを抑制することができる。従って、本電気化学反応単位によれば、スペーサが第2の方向に位置ずれして一部のセル接触部と接しなくなり、該セル接触部に対応する連接部付近に応力が集中して電気化学反応単セルの割れが発生する、という事態の発生を抑制することができる。
(4)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記スペーサは、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に沿った移動が規制されるように、前記ベース部の前記貫通孔の内周面に当接している構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、第3の方向におけるスペーサの位置ずれを抑制することができる。スペーサが、第3の方向において連接部に近付く側にずれると、スペーサにより連接部の位置における剛性が高くなるため、連接部付近に応力が集中して電気化学反応単セルの割れが発生するおそれがある。反対に、スペーサが、第3の方向において連接部から遠ざかる側にずれると、スペーサによるセル接触部の位置における剛性の補強効果が低下するため、やはり連接部付近に応力が集中して電気化学反応単セルの割れが発生するおそれがある。本電気化学反応単位によれば、第3の方向におけるスペーサの位置ずれを抑制することができるため、電気化学反応単セルの割れが発生することを効果的に抑制することができる。
(5)上記電気化学反応単位において、前記第1の方向において、前記インターコネクタと前記セル接触部における前記連接部側の一部分との間に、前記スペーサが存在しない空間が確保されている構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、スペーサが集電部材の連接部と干渉することを確実に抑制することができ、そのような干渉によってスペーサに圧縮以外の応力(せん断応力等)が加わってスペーサが損傷することを抑制することができる。
(6)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向における各前記セル接触部の前記連接部との境界とは反対側の端部は、前記第1の方向視で、前記スペーサと重なっている構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、スペーサの存在により、集電部材のセル接触部と特定電極との間の接触性(集電性)を向上させることができ、電気化学反応単位の電気的性能を向上させることができる。
(7)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向における各前記セル接触部の前記連接部との境界とは反対側の端部は、前記第1の方向視で、前記スペーサと重なっていない構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、スペーサの厚さにばらつきがあっても、各セル接触部における連接部との境界とは反対側の端部付近において応力が集中することを抑制することができ、電気化学反応単セルの割れが発生することを抑制することができる。
(8)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、前記ベース部には、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に並んで配置された複数の前記貫通孔が形成されており、前記電気化学反応単位は、前記複数の貫通孔に対応して設けられた、互いに離間した複数の前記スペーサを備える構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、複数の貫通孔に対応して設けられた複数のスペーサが互いに連結されている構成と比較して、スペーサによりガス室におけるガスの流れが阻害されることを抑制することができ、ガス拡散性を向上させたり、圧損を低減させたりすることができる。
(9)上記電気化学反応単位において、各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、各前記セル接触部の前記第2の方向に沿った幅は、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に沿った幅より小さい構成としてもよい。本電気化学反応単位によれば、第1の方向視で集電部材の全体面積に対して、集電機能を発揮するセル接触部の面積の合計を大きくしつつ、主たるガス流路となる面積を大きくすることができるため、電気化学反応単位の性能をさらに向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応単位(燃料電池発電単位または電解セル単位)、複数の電気化学反応単位を備える電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図である。 図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。 図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図である。 図7および図8のVI−VIの位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。 図4〜図6のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 図4〜図6のVIII−VIIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。 第2実施形態における発電単位102aの構成を概略的に示す説明図である。 第1の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。 第2の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。 第3の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.装置構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1(および後述する図7および図8)のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1(および後述する図7および図8)のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を、面方向と呼ぶものとする。
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、上記配列方向(上下方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図1に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(各発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの外周の4つの角部周辺には、各層を上下方向に貫通する孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたって上下方向に延びるボルト孔109を構成している。各ボルト孔109にはボルト22が挿入されており、各ボルト22および図示しないナットによって燃料電池スタック100は締結されている。
また、図1〜図3に示すように、各発電単位102のZ軸方向回りの外周辺の付近には、各発電単位102を上下方向に貫通する孔が形成されており、各発電単位102に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、複数の発電単位102にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために各発電単位102に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。
図1および図2に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102の後述する空気室166に供給するガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の付近に位置する連通孔108は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出するガス流路である酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。酸化剤ガスOGとしては、例えば空気が使用される。
また、図1および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周を構成する辺の内、上述した酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102の後述する燃料室176に供給するガス流路である燃料ガス導入マニホールド171として機能し、上述した酸化剤ガス導入マニホールド161として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の連通孔108は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出するガス流路である燃料ガス排出マニホールド172として機能する。燃料ガスFGとしては、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。図2および図3に示すように、下側のエンドプレート106には、4つの流路用貫通孔107が形成されている。4つの流路用貫通孔107は、それぞれ、酸化剤ガス導入マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス導入マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172に連通している。
(ガス通路部材27等の構成)
図2および図3に示すように、燃料電池スタック100は、さらに、下側のエンドプレート106に対して複数の発電単位102とは反対側(すなわち、下側)に配置された4つのガス通路部材27を備える。4つのガス通路部材27は、それぞれ、酸化剤ガス導入マニホールド161、酸化剤ガス排出マニホールド162、燃料ガス導入マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172と上下方向に重なる位置に配置されている。各ガス通路部材27は、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107に連通する孔が形成された本体部28と、本体部28の側面から分岐した筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の分岐部29には、ガス配管(図示せず)が接続される。なお、各ガス通路部材27の本体部28とエンドプレート106との間には、絶縁シート26が配置されている。絶縁シート26は、例えばマイカシートや、セラミック繊維シート、セラミック圧粉シート、ガラスシート、ガラスセラミック複合剤等により構成される。
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図6は、後述する図7および図8のVI−VIの位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。また、図7は、図4〜図6のVII−VIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図であり、図8は、図4〜図6のVIII−VIIIの位置における発電単位102のXY断面構成を示す説明図である。
図4〜図6に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電部材134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電部材144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ軸方向回りの周縁部には、上述した各マニホールド161,162,171,172として機能する連通孔108を構成する孔や、各ボルト孔109を構成する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的接続を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止するための部材である。本実施形態では、インターコネクタ150における後述する空気極114に対向する側の表面が、導電性のコート151によって覆われている。コート151は、例えば、MnCoOやMnCo、ZnCo、ZnMnCoO、CuMnといったスピネル型酸化物により形成されている。インターコネクタ150の表面へのコート151の形成は、例えば、スプレーコート、インクジェット印刷、スピンコート、ディップコート、めっき、スパッタリング、溶射等の周知の方法で実行される。コート151の存在により、インターコネクタ150から空気極114側へのCr(クロム)の放出・拡散が抑制され、空気極114の表面にCrが付着して空気極114での電極反応速度が低下する「空気極114のCr被毒」と呼ばれる現象の発生が抑制される。以下の説明では、特記しない限り、「インターコネクタ150」は、「コート151に覆われたインターコネクタ150」を意味する。また、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、Z軸方向視で略矩形の平板形状部材であり、緻密な層である。電解質層112は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、Z軸方向視で電解質層112より小さい略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。空気極114は、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。本実施形態における空気極114は、特許請求の範囲における特定電極に相当する。燃料極116は、Z軸方向視で電解質層112と略同一の大きさの略矩形の平板形状部材であり、多孔質な層である。燃料極116は、例えば、Niと酸化物イオン伝導性セラミックス粒子(例えば、YSZ)とからなるサーメットにより形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画され、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、単セル110とセパレータ120との接合箇所付近に、空気室166と燃料室176との間をシールするシール部材(例えば、ガラスシール部材)がさらに設けられてもよい。
図4〜図7に示すように、空気極側フレーム130は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。空気極側フレーム130に形成された孔131によって、空気極114に面する空気室166が構成される。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス導入マニホールド161と空気室166とを連通する酸化剤ガス供給連通流路132と、空気室166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通流路133とが形成されている。
図4〜図6および図8に示すように、燃料極側フレーム140は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。燃料極側フレーム140に形成された孔141によって、燃料極116に面する燃料室176が構成される。また、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料ガス供給連通流路142と、燃料室176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通流路143とが形成されている。
図4〜図7に示すように、空気極側集電部材134は、インターコネクタ150と単セル110の空気極114との間に配置された導電性部材であり、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電部材134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電部材134は、上側のエンドプレート104に接触している。空気極側集電部材134は、このような構成であるため、空気極114とインターコネクタ150(またはエンドプレート104)とを電気的に接続する。空気極側集電部材134の構成については、後にさらに詳述する。
なお、本実施形態では、空気極側集電部材134は、上述したインターコネクタ150を覆うコート151と同様の導電性のコート38によって覆われている。これにより、空気極側集電部材134からのCrの放出・拡散が抑制され、空気極114のCr被毒の発生が抑制される。以下の説明では、特記しない限り、「空気極側集電部材134」は、「コート38に覆われた空気極側集電部材134」を意味する。また、本実施形態では、空気極側集電部材134と空気極114とは、導電性の接合層138により接合されている。接合層138は、例えば、MnCoOやMnCo、ZnCo、ZnMnCoO、CuMnといったスピネル型酸化物により形成されている。接合層138は、例えば、接合層用ペーストを空気極側集電部材134に印刷し、該接合層用ペーストを空気極114の表面に押し付けた状態で所定の条件で焼成を行うことにより、形成することができる。本明細書において、空気極側集電部材134が空気極114の表面に接するとは、空気極側集電部材134と空気極114との間を接合する接合層138を介して両者が接する状態を含む。
図4〜図6および図8に示すように、燃料極側集電部材144は、インターコネクタ150と単セル110の燃料極116との間に配置された導電性部材であり、例えば、ニッケルまたはニッケル合金の箔またはメッシュ等により形成されている。燃料極側集電部材144は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面とに接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における燃料極側集電部材144は、下側のエンドプレート106に接触している。燃料極側集電部材144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)とを電気的に接続する。燃料極側集電部材144の構成については、後にさらに詳述する。
なお、燃料極側集電部材144と燃料極116とは、導電性の接合層により接合されていてもよく、その場合には、燃料極側集電部材144が燃料極116の表面に接するとは、燃料極側集電部材144と燃料極116との間を接合する接合層を介して両者が接する状態を含む。
A−2.燃料電池スタック100の動作:
図2、図4および図7に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3、図5および図8に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29、本体部28、および、下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGに含まれる酸素と燃料ガスFGに含まれる水素との電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電部材134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電部材144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
各発電単位102の空気室166から排出された酸化剤オフガスOOGは、図2、図4および図7に示すように、酸化剤ガス排出連通流路133を介して酸化剤ガス排出マニホールド162に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、酸化剤ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、各発電単位102の燃料室176から排出された燃料オフガスFOGは、図3、図5および図8に示すように、燃料ガス排出連通流路143を介して燃料ガス排出マニホールド172に排出され、さらに下側のエンドプレート106の流路用貫通孔107、燃料ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
なお、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各発電単位102では、空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向(図7に示すように、X軸正方向側からX軸負方向側に向かう方向)と燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向(図8に示すように、X軸負方向側からX軸正方向側に向かう方向)とが、略反対方向(互いに対向する方向)となっている。すなわち、本実施形態の発電単位102(燃料電池スタック100)は、カウンターフロータイプのSOFCである。
A−3.燃料極側集電部材144の詳細構成:
次に、燃料極側集電部材144の詳細構成について説明する。図4〜図6および図8に示すように、燃料極側集電部材144は、ベース部146と、複数のセル接触部145と、複数の連接部147とを有している。
燃料極側集電部材144のベース部146は、インターコネクタ150(またはエンドプレート106、以下同様)における燃料極116に対向する側の表面に接し、かつ、インターコネクタ150と電気的に接続された板状部分である。ベース部146は、例えばレーザ溶接や抵抗溶接によって、インターコネクタ150に接合されている。ベース部146には、ベース部146を厚さ方向に貫通する(すなわち、Z軸方向に延びる)複数の貫通孔40が形成されている。
燃料極側集電部材144の各セル接触部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接し、かつ、燃料極116と電気的に接続された板状部分である。Z軸方向視での各セル接触部145の形状は、略矩形である。また、複数のセル接触部145は、Z軸方向視で、X方向およびY方向に沿った格子状に配置されている。各セル接触部145は、Z軸方向においてベース部146と重なるように配置されている。
燃料極側集電部材144の各連接部147は、各セル接触部145の端部とベース部146における貫通孔40に面する端部とを結ぶ板状部分である。
このように、燃料極側集電部材144は、インターコネクタ150と電気的に接続されたベース部146と、燃料極116と電気的に接続された複数のセル接触部145と、各セル接触部145とベース部146とを結ぶ連接部147とを有するため、上述したように、燃料極116とインターコネクタ150との間を電気的に接続する。
このような構成の燃料極側集電部材144は、例えば、図8における部分拡大図に示すように、燃料極側集電部材144作製用の平板材料に対して打ち抜き加工を行うことによって、完成状態において各セル接触部145および各連接部147となる矩形領域のそれぞれの3辺に切り込みを入れ、次に、打ち抜き加工後の平板材料に対して折り曲げ加工を行うことによって各セル接触部145および各連接部147を形成することにより、作製することができる。なお、図8における部分拡大図では、燃料極側集電部材144の作製方法を示すため、一部、折り曲げ加工前の状態が示されている。
燃料極側集電部材144の各セル接触部145とベース部146との間には、例えばマイカ等の弾性材料(弾性体)により形成された燃料極側スペーサ149が配置されている。燃料極側スペーサ149の存在により、燃料極側集電部材144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電部材144を介した燃料極116とインターコネクタ150(またはエンドプレート106)との電気的接続が良好に維持される。
A−4.空気極側集電部材134の詳細構成:
次に、空気極側集電部材134の詳細構成について説明する。図4〜図7に示すように、空気極側集電部材134は、ベース部136と、複数のセル接触部135と、複数の連接部137とを有している。
空気極側集電部材134のベース部136は、インターコネクタ150(またはエンドプレート104、以下同様)における空気極114に対向する側の表面に接し、かつ、インターコネクタ150と電気的に接続された板状部分である。本実施形態では、ベース部136の厚さ(Z軸方向における大きさ)は、単セル110の厚さの10分の1以上である。なお、ベース部136の厚さは、空気室166の高さ(空気極114の表面からインターコネクタ150の表面までの距離)の2分の1以下であることが好ましい。ベース部136の厚さは、例えば、0.1mm〜0.5mmである。ベース部136は、例えばレーザ溶接や抵抗溶接により、インターコネクタ150に接合されている。ベース部136には、ベース部136を厚さ方向に貫通する(すなわち、Z軸方向に延びる)複数の貫通孔30が形成されている。図7に示すように、本実施形態では、ベース部136に形成された各貫通孔30は、X軸方向に長い形状の孔である。また、ベース部136において、複数の貫通孔30はY軸方向に並ぶように配置されている。
空気極側集電部材134の各セル接触部135は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接し、かつ、空気極114と電気的に接続された板状部分である。Z軸方向視での各セル接触部135の形状は、略矩形である。また、複数のセル接触部135は、Z軸方向視で、X方向およびY方向に沿った格子状に配置されている。各セル接触部135は、Z軸方向においてベース部136に形成された貫通孔30と重なるように配置されている。本実施形態では、各セル接触部135のX軸方向に沿った幅W1は、Y軸方向に沿った幅W2より小さい。また、各セル接触部135のY軸正方向側の端部33は、何にも固定・接続されていない自由端となっている。X軸方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当し、Y軸方向は、特許請求の範囲における第3の方向に相当する。
空気極側集電部材134の各連接部137は、各セル接触部135におけるY軸負方向側の端部32と、ベース部136における貫通孔30に面する端部31と、を結ぶ板状部分である。各連接部137は、セル接触部135やベース部136と平行ではない。すなわち、各連接部137は、Z軸方向に直交する仮想平面(XY平面)に交差するような板状である。また、各連接部137と各セル接触部135との境界は、X軸方向に略平行となっている。
このように、空気極側集電部材134は、インターコネクタ150と電気的に接続されたベース部136と、空気極114と電気的に接続された複数のセル接触部135と、各セル接触部135とベース部136とを結ぶ連接部137とを有するため、上述したように、空気極114とインターコネクタ150との間を電気的に接続する。
このような構成の空気極側集電部材134は、例えば、空気極側集電部材134作製用の平板部材に対して打ち抜き加工を行うことによって、完成状態において各セル接触部135および各連接部137となる部分を残しつつ各貫通孔30の外形に対応する孔をあけ、次に、孔あけ後の平板部材に対して折り曲げ加工を行うことによって各セル接触部135および各連接部137を形成することにより、作製することができる。
空気極側集電部材134の各セル接触部135とインターコネクタ150との間には、空気極側スペーサ139が配置されている。空気極側スペーサ139は、略直方体形状の部材であり、例えばマイカ等の弾性材料(弾性体)により形成されている。なお、本明細書において、弾性材料(弾性体)とは、ヤング率が100GPa以下の材料を意味する。本実施形態では、X軸方向に並ぶ複数のセル接触部135により構成されるグループのそれぞれに対して1つの空気極側スペーサ139が設けられている。セル接触部135の各グループに対応する各空気極側スペーサ139は、互いに離間している。
図6および図7に示すように、各空気極側スペーサ139は、Z軸方向において、インターコネクタ150の表面から各セル接触部135の表面まで延びるような形状となっている。各空気極側スペーサ139(より詳細には、空気極側スペーサ139におけるインターコネクタ150側の一部分)は、Z軸方向において、空気極側集電部材134のベース部136に形成された貫通孔30内に収容されている。すなわち、各空気極側スペーサ139は、Z軸方向において、空気極側集電部材134のベース部136と重なっていない(ベース部136に乗り上げていない)。
また、図7に示すように、各空気極側スペーサ139は、X軸方向において、空気極側集電部材134のベース部136に形成された貫通孔30の一方の端部から他方の端部まで延びるような形状となっている。そのため、各空気極側スペーサ139は、X軸正方向およびX軸負方向において貫通孔30の内周面に当接している。すなわち、各空気極側スペーサ139は、X軸方向に沿った移動が規制されるように、貫通孔30の内周面に当接している。なお、本明細書において、2つの部材が当接しているとは、該2つの部材が接触している態様に限られず、該2つの部材の間の距離の最小値が1mm以下であることを意味する。各空気極側スペーサ139と貫通孔30の内周面との間の距離の最小値が1mm以下であれば、各空気極側スペーサ139のX軸方向に沿った移動が規制されると言える。
また、図7に示すように、ベース部136に形成された各貫通孔30におけるY軸正方向側の部分は、X軸方向の幅が他の部分より広い幅広部34を構成しており、各空気極側スペーサ139は、Y軸方向において、貫通孔30の幅広部34の一方の端部から他方の端部まで延びるような形状となっている。そのため、各空気極側スペーサ139は、Y軸正方向において貫通孔30の幅広部34の内周面に当接し、かつ、Y軸負方向において貫通孔30の幅広部34の内周面(幅広部34と他の部分との境界面)に当接している。すなわち、各空気極側スペーサ139は、Y軸方向に沿った移動が規制されるように、貫通孔30(の幅広部34)の内周面に当接している。上述したように、本明細書において、2つの部材が当接しているとは、該2つの部材が接触している態様に限られず、該2つの部材の間の距離の最小値が1mm以下であることを意味する。各空気極側スペーサ139と貫通孔30(の幅広部34)の内周面との間の距離の最小値が1mm以下であれば、各空気極側スペーサ139のY軸方向に沿った移動が規制されると言える。
また、各空気極側スペーサ139は上述のような構成であるため、空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137との境界とは反対側の端部(自由端)33は、Z軸方向視で空気極側スペーサ139と重なっている(図6および図7参照)。また、Z軸方向において、インターコネクタ150と空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137側の一部分との間には、空気極側スペーサ139が存在しない空間39が確保されている(図6参照)。換言すれば、Z軸方向において、インターコネクタ150と空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137側の一部分との間には空間39が存在し、該空間39には、空気極側スペーサ139を含めて何らかの部材が存在しない。すなわち、空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137側の一部分は、Z軸方向において、他の部材を介さずにインターコネクタ150に対向している(面している)。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各発電単位102は、単セル110と、インターコネクタ150と、空気極側集電部材134とを備える。単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向に互いに対向する空気極114および燃料極116とを含む。インターコネクタ150は、単セル110の空気極114側に配置された板状の部材である。空気極側集電部材134は、インターコネクタ150と空気極114との間に配置された導電性の部材である。空気極側集電部材134は、ベース部136と、複数のセル接触部135と、連接部137とを含む。ベース部136は、インターコネクタ150の表面に接する板状の部材であり、Z軸方向に延びる貫通孔30が形成されている。各セル接触部135は、Z軸方向視でベース部136の貫通孔30と重なるように配置され、かつ、空気極114の表面に接する板状の部材である。連接部137は、各セル接触部135の端部32とベース部136における貫通孔30に面する端部31とを結ぶ部材である。また、発電単位102は、さらに、弾性体により構成された空気極側スペーサ139を備える。空気極側スペーサ139は、Z軸方向において、ベース部136の貫通孔30内に収容されており、かつ、インターコネクタ150の表面から各セル接触部135の表面まで延びる形状となっている。本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各発電単位102は、上述した構成であるため、以下に説明するように、空気極側集電部材134の重量の増加を抑制しつつ空気室166の高さを一定以上確保することができ、また、空気極側集電部材134の製造容易性を向上させることができると共に、単セル110の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
発電単位102において、空気極114に面する空気室166におけるガス拡散性の低下を抑制したり、圧損の増大を抑制したりするためには、空気室166の高さをある程度以上確保することが好ましい。空気極側集電部材として複数の略四角柱状の導電性部材を用いる従来の構成において、空気室166の高さをある程度以上確保するために空気極側集電部材の高さをある程度以上にすると、空気極側集電部材の重量が増加し、その結果、例えば熱容量が大きくなって装置の起動性が低下するという課題がある。また、インターコネクタと空気極側集電部材とが一体部材とされた従来の構成では、該一体部材をプレス加工により作製する際に、空気極側集電部材の高さをある程度以上にするためには、プレス圧を大きくしたりプレス時間を長くしたりする必要があり、製造容易性の点で課題がある。
これに対し、本実施形態の発電単位102は、板状のインターコネクタ150と、インターコネクタ150と空気極114との間に配置された導電性の空気極側集電部材134とを備える。空気極側集電部材134は、インターコネクタ150の表面に接する板状のベース部136と、空気極114の表面に接する板状の複数のセル接触部135と、各セル接触部135とベース部136とを結ぶ連接部137とを含む。そのため、本実施形態の発電単位102によれば、連接部137の長さや角度を調整することによってベース部136とセル接触部135との間の距離を一定以上とすることにより、空気極側集電部材134の重量の増加を抑制しつつ容易に空気室166の高さを一定以上確保することができる。また、このような構成の空気極側集電部材134は、例えば平板材料に対する打ち抜き加工や折り曲げ加工を行うことにより容易に作製することができるため、製造容易性の点でも優れている。
ただし、本実施形態における空気極側集電部材134の構成では、空気極側集電部材134の各位置における剛性(変形のしにくさ)が均一ではなくなる。具体的には、連接部137の位置における空気極側集電部材134の剛性が、セル接触部135の(特に自由端33に近い)位置における空気極側集電部材134の剛性と比較して高くなる。そのため、発電単位102(燃料電池スタック100)に対してZ軸方向の荷重が与えられると、空気極側集電部材134の連接部137付近に応力が集中し、これに起因して単セル110の割れが発生するおそれがある。
しかしながら、本実施形態の発電単位102は、弾性体により構成された空気極側スペーサ139を備える。空気極側スペーサ139は、Z軸方向において、空気極側集電部材134のベース部136の貫通孔30内に収容されており、かつ、インターコネクタ150の表面から各セル接触部135の表面まで延びる形状である。そのため、空気極側スペーサ139の存在により、空気極側集電部材134の各セル接触部135の剛性が補われ、その結果、連接部137付近に応力が集中することを抑制することができ、単セル110の割れが発生することを抑制することができる。
さらに、本実施形態の発電単位102では、空気極側スペーサ139は、Z軸方向においてインターコネクタ150の表面から各セル接触部135の表面まで延びるような形状となっており、ベース部136と重なっていない(ベース部136に乗り上げていない)。そのため、空気極側スペーサ139がベース部136に乗り上げた構成と比較して、空気極側集電部材134の各位置での応力の集中を効果的に抑制することができ、単セル110の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
このように、本実施形態の発電単位102によれば、空気極側集電部材134の重量の増加を抑制しつつ空気室166の高さを一定以上確保することができ、また、空気極側集電部材134の製造容易性を向上させることができると共に、単セル110の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
特に、本実施形態の発電単位102では、Z軸方向における空気極側集電部材134のベース部136の厚さが、単セル110の厚さの10分の1以上と比較的厚い。ベース部136の厚さが比較的厚い構成において、空気極側スペーサ139がベース部136に乗り上げていると、空気極側スペーサ139がベース部136に乗り上げた位置付近で応力が特に集中しやすい。上述したように、本実施形態の発電単位102では、空気極側スペーサ139が、Z軸方向においてインターコネクタ150の表面から各セル接触部135の表面まで延びるような形状となっており、ベース部136に乗り上げていないため、ベース部136の厚さが比較的厚い構成においても、空気極側集電部材134の各位置での応力の集中を効果的に抑制することができ、単セル110の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の発電単位102では、空気極側スペーサ139は、X軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、各セル接触部135と各連接部137との境界の延伸方向)に沿った移動が規制されるように、ベース部136の貫通孔30の内周面に当接している。そのため、本実施形態の燃料電池発電単位102によれば、X軸方向における空気極側スペーサ139の位置ずれを抑制することができる。従って、本実施形態の燃料電池発電単位102によれば、空気極側スペーサ139がX軸方向に位置ずれして一部のセル接触部135と接しなくなり、該セル接触部135に対応する連接部137付近に応力が集中して単セル110の割れが発生する、という事態の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の発電単位102では、空気極側スペーサ139は、Y軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、各セル接触部135と各連接部137との境界の延伸方向であるX軸方向に直交する方向)に沿った移動が規制されるように、ベース部136の貫通孔30の内周面に当接している。そのため、本実施形態の燃料電池発電単位102によれば、Y軸方向における空気極側スペーサ139の位置ずれを抑制することができる。空気極側スペーサ139が、Y軸方向において連接部137に近付く側(Y軸負方向側)にずれると、空気極側スペーサ139により連接部137の位置における剛性が高くなるため、連接部137付近に応力が集中して単セル110の割れが発生するおそれがある。反対に、空気極側スペーサ139が、Y軸方向において連接部137から遠ざかる側(Y軸正方向側)にずれると、空気極側スペーサ139によるセル接触部135の位置における剛性の補強効果が低下するため、やはり連接部137付近に応力が集中して単セル110の割れが発生するおそれがある。本実施形態の燃料電池発電単位102によれば、Y軸方向における空気極側スペーサ139の位置ずれを抑制することができるため、単セル110の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の発電単位102では、Z軸方向において、インターコネクタ150と空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137側の一部分との間に、空気極側スペーサ139が存在しない空間39が確保されている。そのため、本実施形態の発電単位102によれば、空気極側スペーサ139が空気極側集電部材134の連接部137と干渉することを確実に抑制することができ、そのような干渉によって空気極側スペーサ139に圧縮以外の応力(せん断応力等)が加わって空気極側スペーサ139が損傷することを抑制することができる。
また、本実施形態の発電単位102では、Y軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、各セル接触部135と各連接部137との境界の延伸方向であるX軸方向に直交する方向)における各セル接触部135の連接部137との境界とは反対側の端部(自由端)33は、Z軸方向視で、空気極側スペーサ139と重なっている。そのため、本実施形態の発電単位102によれば、空気極側スペーサ139の存在により、空気極側集電部材134のセル接触部135と空気極114との間の接触性(集電性)を向上させることができ、発電単位102の電気的性能を向上させることができる。
また、本実施形態の発電単位102では、空気極側集電部材134のベース部136に、Y軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、各セル接触部135と各連接部137との境界の延伸方向であるX軸方向に直交する方向)に並んで配置された複数の貫通孔30が形成されており、発電単位102は、複数の貫通孔30に対応して設けられた、互いに離間した複数の空気極側スペーサ139を備える。そのため、本実施形態の発電単位102によれば、複数の貫通孔30に対応して設けられた複数の空気極側スペーサ139が互いに連結されている構成と比較して、空気極側スペーサ139により空気室166におけるガスの流れが阻害されることを抑制することができ、ガス拡散性を向上させたり、圧損を低減させたりすることができる。
また、本実施形態の発電単位102では、空気極側集電部材134の各セル接触部135のX軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、各セル接触部135と各連接部137との境界の延伸方向)に沿った幅W1は、Y軸方向(Z軸方向に直交する方向の内、X軸方向に直交する方向)に沿った幅W2より小さい。そのため、本実施形態の発電単位102によれば、Z軸方向視で空気極側集電部材134の全体面積に対して、集電機能を発揮するセル接触部135の面積の合計を大きくしつつ、主たるガス流路(X軸方向に並ぶ複数のセル接触部135により構成されるグループ間に位置するX軸方向に延びる空間)となる面積を大きくすることができるため、発電単位102の性能をさらに向上させることができる。
B.第2実施形態:
図9は、第2実施形態における発電単位102aの構成を概略的に示す説明図である。図9には、第2実施形態の発電単位102aにおける空気極側集電部材134および空気極側スペーサ139の一部分の構成が示されている。以下では、第2実施形態の発電単位102aの構成の内、上述した第1実施形態の発電単位102の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図9に示すように、第2実施形態の発電単位102aは、主として、空気極側集電部材134のベース部136の構成と、空気極側スペーサ139の構成とが、第1実施形態の発電単位102と異なっている。具体的には、第2実施形態の発電単位102aでは、ベース部136に形成された各貫通孔30の幅広部34におけるY軸正方向側の縁が、空気極側集電部材134の各セル接触部135における連接部137との境界とは反対側の端部(自由端)33よりY軸負方向側に位置する。なお、第1実施形態の発電単位102と同様に、空気極側スペーサ139は、Y軸方向において、貫通孔30の幅広部34の一方の端部から他方の端部まで延びるような形状となっている。そのため、第2実施形態の発電単位102aでは、空気極側集電部材134の各セル接触部135における端部(自由端)33は、Z軸方向視で空気極側スペーサ139と重なっていない。
第2実施形態の発電単位102aは上記構成であるため、空気極側スペーサ139の厚さにばらつきがあっても、各セル接触部135における端部(自由端)33付近において応力が集中することを抑制することができ、単セル110の割れが発生することを抑制することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
図10は、第1の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。図10に示すように、空気極側集電部材134の各セル接触部135が、連接部137との接続位置から、Y軸方向ではなく、Y軸に交差する方向(Y軸およびX軸に交差する方向やX軸に平行な方向)に延伸していてもよい。
図11は、第2の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。図11に示すように、空気極側集電部材134のベース部136から各連接部137および各セル接触部135が延伸する方向は、すべて同一である必要はなく、互いに異なる(例えば、Z軸方向視で、一部の連接部137等はベース部136からY軸負方向側に延伸し、他の一部の連接部137等はベース部136からY軸正方向側に延伸する)としてもよい。
図12は、第3の変形例における空気極側集電部材134の構成を概略的に示す説明図である。図12に示すように、空気極側集電部材134のベース部136において、貫通孔30を挟んだ両側の端部から連接部137およびセル接触部135が延伸しているとしてもよい。
また、上記実施形態(および変形例、以下同様)の発電単位102または燃料電池スタック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態における空気極側集電部材134や空気極側スペーサ139の構成(形状や材料等)は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、インターコネクタ150がコート151により覆われているが、インターコネクタ150がコート151により覆われていないとしてもよい。同様に、上記実施形態では、空気極側集電部材134がコート38により覆われているが、空気極側集電部材134がコート38により覆われていないとしてもよい。また、上記実施形態では、空気極側集電部材134と空気極114との間に接合層138が介在しているが、空気極側集電部材134と空気極114との間に接合層138が介在しないとしてもよい。
また、上記実施形態では、ボルト孔109が、各マニホールド用の連通孔108とは独立して設けられているが、独立したボルト孔109を設けず、各マニホールド用の連通孔108がボルト孔としても用いられるとしてもよい。また、上記実施形態では、空気室166における酸化剤ガスOGの主たる流れ方向と燃料室176における燃料ガスFGの主たる流れ方向とが略反対方向であるカウンターフロータイプを例に挙げて説明しているが、本発明は、他のタイプ(上記2つの流れ方向が略同一方向であるコフロータイプや上記2つの流れ方向が交差するクロスフロータイプ等)にも適用可能である。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。また、上記実施形態において、空気極114と電解質層112との間に中間層が配置されていてもよい。また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、インターコネクタ150と空気極114との間に配置された空気極側集電部材134および空気極側集電部材134付近に配置された空気極側スペーサ139の構成を説明したが、燃料極116側についても、空気極側集電部材134および空気極側スペーサ139と同様の構成の集電部材およびスペーサが用いられてもよい。その場合には、燃料極116は、特許請求の範囲における特定電極に相当する。
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本発明は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解セル単位や、複数の電解セル単位を備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016−81813号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、連通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、連通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解セル単位および電解セルスタックにおいても、上記実施形態と同様の構成の集電部材およびスペーサを用いると、集電部材の重量の増加を抑制しつつガス室の高さを一定以上確保することができ、また、集電部材の製造容易性を向上させることができると共に、電解単セルの割れが発生することを効果的に抑制することができる。
22:ボルト 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 30:貫通孔 31:端部 32:端部 33:端部 34:幅広部 38:コート 39:空間 40:貫通孔 100:燃料電池スタック 102:燃料電池発電単位 104:エンドプレート 106:エンドプレート 107:流路用貫通孔 108:連通孔 109:ボルト孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:酸化剤ガス供給連通流路 133:酸化剤ガス排出連通流路 134:空気極側集電部材 135:セル接触部 136:ベース部 137:連接部 138:接合層 139:空気極側スペーサ 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料ガス供給連通流路 143:燃料ガス排出連通流路 144:燃料極側集電部材 145:セル接触部 146:ベース部 147:連接部 149:燃料極側スペーサ 150:インターコネクタ 151:コート 161:酸化剤ガス導入マニホールド 162:酸化剤ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料ガス導入マニホールド 172:燃料ガス排出マニホールド 176:燃料室 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス

Claims (11)

  1. 電解質層と前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する空気極および燃料極とを含む電気化学反応単セルと、
    前記電気化学反応単セルの前記空気極と前記燃料極との少なくとも一方である特定電極側に配置された板状のインターコネクタと、
    前記インターコネクタと前記特定電極との間に配置された導電性の集電部材と、
    を備える電気化学反応単位において、
    前記集電部材は、
    前記インターコネクタの表面に接する板状であり、前記第1の方向に延びる貫通孔が形成されたベース部と、
    前記第1の方向視で前記ベース部の前記貫通孔と重なるように配置され、前記特定電極の表面に接する板状の複数のセル接触部と、
    各前記セル接触部の端部と前記ベース部における前記貫通孔に面する端部とを結ぶ連接部と、
    を含み、
    前記電気化学反応単位は、さらに、
    弾性体により構成され、前記第1の方向において、前記ベース部の前記貫通孔内に収容され、かつ、前記インターコネクタの表面から各前記セル接触部の表面まで延びる形状のスペーサを備える、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  2. 請求項1に記載の電気化学反応単位において、
    前記第1の方向における前記ベース部の厚さは、前記第1の方向における前記電気化学反応単セルの厚さの10分の1以上である、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    前記スペーサは、前記第2の方向に沿った移動が規制されるように、前記ベース部の前記貫通孔の内周面に当接している、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    前記スペーサは、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に沿った移動が規制されるように、前記ベース部の前記貫通孔の内周面に当接している、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    前記第1の方向において、前記インターコネクタと前記セル接触部における前記連接部側の一部分との間に、前記スペーサが存在しない空間が確保されている、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向における各前記セル接触部の前記連接部との境界とは反対側の端部は、前記第1の方向視で、前記スペーサと重なっている、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向における各前記セル接触部の前記連接部との境界とは反対側の端部は、前記第1の方向視で、前記スペーサと重なっていない、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    前記ベース部には、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に並んで配置された複数の前記貫通孔が形成されており、
    前記電気化学反応単位は、前記複数の貫通孔に対応して設けられた、互いに離間した複数の前記スペーサを備える、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    各前記セル接触部と各前記連接部との境界は、前記第1の方向に直交する第2の方向に略平行であり、
    各前記セル接触部の前記第2の方向に沿った幅は、前記第1の方向と前記第2の方向との両方に直交する第3の方向に沿った幅より小さい、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位において、
    前記電気化学反応単セルは、燃料電池単セルである、
    ことを特徴とする電気化学反応単位。
  11. 前記第1の方向に並べて配列された複数の電気化学反応単位を備える電気化学反応セルスタックにおいて、
    前記複数の電気化学反応単位の少なくとも1つは、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の電気化学反応単位であることを特徴とする、電気化学反応セルスタック。
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