JP2019186034A - 電池モジュール及び組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層された電池セルからの放熱を効率良く行うことができる電池モジュールを提供する。【解決手段】本発明に係る電池モジュール100は、積層されている複数の電池セル10と、複数の電池セル10を内部で支持しているセルケースと、複数の電池セル10において、電池セル10の間で挟持されている放熱板70と、を備え、放熱板70は、セルケースから突出し、突出方向に沿って電池セル10よりも幅広である。【選択図】図15B

Description

本発明は、電池モジュール及び組電池に関する。
従来、複数の電池セルを有する充放電可能な電池モジュールが知られている。例えば、特許文献1には、結合された上部フレーム及び下部フレームの内部に複数の電池セルを配置する電池モジュールが開示されている。
特許第5154454号公報
このような電池モジュールでは、積層された電池セルの充放電により発生する熱が積層体内にこもる傾向にある。発生した熱量が大きくなると、電池モジュールの使用を抑制する必要性が生じたり、電池モジュールの寿命が短くなったりする。特許文献1に記載の発明では、セルカバーの横方向及び縦方向に空気等の冷却剤が流されることでセルカバー中の電池セルが冷却される。しかしながら、このような方法では放熱性が十分ではなく、電池セルから発生した熱をより効率良く逃がす方法が必要とされる。
このような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、積層された電池セルからの放熱を効率良く行うことができる電池モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の一実施形態に係る電池モジュールは、
積層されている複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを内部で支持しているセルケースと、
前記複数の電池セルにおいて、前記電池セルの間で挟持されている放熱板と、
を備え、
前記放熱板は、前記セルケースから突出し、突出方向に沿って前記電池セルよりも幅広である。
本発明の一実施形態に係る電池モジュールによれば、積層された電池セルからの放熱を効率良く行うことができる。
第1実施形態に係る組電池の構成例を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る組電池の構成例を示す外観斜視図である。 電池セルの上面図である。 電池セルの側面図である。 電池モジュールの構成例を示す分解斜視図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第1工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第2工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第3工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第4工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第5工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第6工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第7工程を示した模式図である。 電池モジュールを組み立てる代表的な第8工程を示した模式図である。 補機モジュールの構成例を示す分解斜視図である。 電池モジュールと補機モジュールとの組立例を示す斜視図である。 上部ケースの構成例を示す分解斜視図である。 下部ケースに電池モジュールが収容されている構成例を示す斜視図である。 図9のA−A断面図である。 図10の破線囲み部の拡大図である。 第2実施形態に係る電池モジュールの構成例を示す外観斜視図である。 図12の電池モジュールの上面図である。 図12の電池モジュールの底面図である。 図12の電池モジュールの構成例を示す分解斜視図である。 図9のA−A断面に対応する図12の電池モジュールの断面図である。 図9のB−B断面に対応する図12の電池モジュールの断面図である。 図14の電池セルと放熱板との配置関係を上面視で示した模式図である。 放熱板の他の第1例を拡大して示した図9のB’−B’断面に対応する拡大断面図である。 放熱板の他の第2例を模式的に示した上面図である。 放熱板の他の第2例を模式的に示した側面図である。 下部ケースに関連する構成の他の例を示した斜視図である。
以下、図面を参照しながら一実施形態について説明する。以下の説明における、前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準としている。一実施形態においては、一例として、複数の電池セル10の積層方向は上下方向であるとして説明するが、これに限られない。複数の電池セル10の積層方向は、他の任意の方向であってもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る組電池1の構成例を示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る組電池1の構成例を示す外観斜視図である。
組電池1は、内燃機関を備えた車両、又は内燃機関と電動機との双方の動力で走行可能なハイブリッド車両等の車両に搭載されて使用されてよい。組電池1は、例えば、車両の座席の下に搭載されてよい。組電池1は、例えば、車両のセンターコンソール内に搭載されてよい。組電池1は、車両用に限られず、他の用途で用いられてもよい。
図1に示されるように、組電池1は、電池モジュール100と、補機モジュール200と、下部ケース300と、上部ケース400とを有する。下部ケース300と上部ケース400とは、例えばねじ止め等の締結構造、又は、爪若しくはクリップ等による嵌合構造等によって係合されている。これにより、組電池1の内部には空間が形成されている。下部ケース300と上部ケース400とは、単にケースと総称される。電池モジュール100と補機モジュール200とは、下部ケース300と上部ケース400とによって形成されている空間内に位置する。電池モジュール100は、下部ケース300側に位置する。補機モジュール200は、上部ケース400側に位置する。すなわち、補機モジュール200は、電池モジュール100に対して上側に位置する。下部ケース300と上部ケース400は、例えば金属材料により構成されるが、樹脂材料により構成されてもよい。
電池モジュール100は、上下方向に積層されている電池セル10の上方に位置する拘束板60を有する。拘束板60は、電池セル10に向かって下方に突出する凸部62を有する。下部ケース300は、下方に位置する底面310を有する。底面310は、電池セル10に向かって上方に突出する凸部312を有する。
図2に示されるように、組電池1は、上部ケース400において、プラス出力端子410と、マイナス出力端子420と、コネクタ430と、ガス排出部440とを有する。プラス出力端子410及びマイナス出力端子420は、電池モジュール100に含まれている電池セル10の電極タブ12(図3A及び図3B参照)に電気的に接続されている。コネクタ430は、補機モジュール200に含まれるリレー220(図6参照)等に電気的に接続されている。ガス排出部440は、ケースの内部で電池セル10から発生したガスを組電池1の外部に排出する。
図3A及び図3Bは、電池セル10単体の構成例を示す図である。図3Aは、電池セル10の上面図である。図3Bは、電池セル10の側面図である。
図3A及び図3Bに示されるように、電池セル10は、電池セル10の電解液及びセル電極等を内部に保持する外装部材16と、電池セル10の前方及び後方それぞれの側に位置する一対の負極タブ12n及び正極タブ12pとを有する。電池セル10の形状は、全体として平板状であってよい。外装部材16によって電解液及びセル電極等が内部に保持されている部分は、保持部18ともいう。外装部材16が接着、圧着、又は溶着されたりすることによって電解液等の内容物の漏洩を防ぐように封止している部分は、封止部19ともいう。封止部19の上下方向の厚みは、保持部18の上下方向の厚みよりも薄い。
外装部材16は、ラミネートフィルムを含んでよい。外装部材16の最外層は、電気絶縁性を確保するための樹脂材料を含んでよい。言い換えれば、電池セル10は、その表層に絶縁性部材を有してよい。外装部材16は、絶縁層を含んでよい。
電池セル10は、前方及び後方それぞれの側に第1外面11を有する。電池セル10は、左側及び右側それぞれに第2外面13を有する。第1外面11及び第2外面13は、外装部材16の端部として構成されてよい。電池セル10は、保持部18の上方及び下方それぞれの側に第3外面14を有する。第3外面14は、外装部材16の最外層として構成されてよい。第1外面11、第2外面13、及び第3外面14それぞれを延長した面は、互いに交差する。
負極タブ12nと正極タブ12pとは、電極タブ12と総称される。負極タブ12n及び正極タブ12pはそれぞれ、前方及び後方の第1外面11から突出してよい。負極タブ12n及び正極タブ12pは、入れ替えられてよい。負極タブ12nと正極タブ12pとは、互いに反対方向に突出してよい。負極タブ12nと正極タブ12pとは、同じ方向に突出してもよい。電池セル10は、一対の正極タブ12p及び負極タブ12nが前後方向に沿って配置された状態で、上下方向に積層されているとする。
電極タブ12は、第1外面11の中央部から突出してよい。電極タブ12は、前後方向に略平行に突出してよい。電極タブ12は、突出方向に沿ったタブ側面17を有してよい。電極タブ12は、平板状であってよい。
図4は、電池モジュール100の構成例を示す分解斜視図である。
図4に示されるように、電池モジュール100は、上下方向に積層されている複数の電池セル10を有する。電池セル10の数は、6個に限られず、5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。積層されている電池セル10は、電池セル10の間に位置する接着層15によって接着されていてよい。電池モジュール100は、積層されている電池セル10の間に、放熱板70を有してよい。放熱板70は、接着層15によって電池セル10に接着されていてよい。
放熱板70は、電池セル10からの放熱性を向上させるために、電気伝導性を有する材料によって構成される。このとき、放熱板70は、任意の方法により、電池セル10と電気的に絶縁されている。例えば、放熱板70は、電池セル10の表層を構成する絶縁層によって絶縁されていてもよい。例えば、放熱板70は、電池セル10と放熱板70との間に別途配置される絶縁シート50によって絶縁されていてもよい。例えば、放熱板70は、放熱板70の表層を構成する絶縁層によって絶縁されていてもよい。このとき、放熱板70は、例えば、表面に電気絶縁性素材が付与されている金属材によって構成される。
接着層15は、電池セル10の第3外面14に設けられていてよい。接着層15は、電池セル10の上下2つの第3外面14の一方に設けられていてよい。接着層15は、接着剤又は両面テープ、ホットメルト等の粘着剤を含んでよい。接着層15は、例えば、各電池セル10の第3外面14に接着剤を塗布する方法、又は、他の種々の方法によって形成されてよい。各構成部の間に位置する接着層15の数は、図4に例示されている2枚に限られず、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。接着層15の形状は、図4に例示されている矩形に限られず、他の種々の形状であってもよい。
電池モジュール100は、第1セルケース20及び第2セルケース30をさらに有する。第1セルケース20及び第2セルケース30が組み合わされている構成は、単にセルケースと総称される。第1セルケース20及び第2セルケース30はそれぞれ、積層されている電池セル10の左側及び右側に位置する。第1セルケース20及び第2セルケース30は、互いに係合している状態で、積層されている電池セル10を内部に収容している。より具体的には、セルケースは、積層されている電池セル10を内部で支持し、電極タブ12を配列する。第1セルケース20及び第2セルケース30はそれぞれ、側面から内側に向けて突出する仕切板23及び33を有してよい。仕切板23及び33は、第1セルケース20及び第2セルケース30が係合している状態で、各電池セル10の封止部19の間に位置する。
第1セルケース20の形状は、上方向から見て、略矩形の枠状であって、右側の辺が開いている形状である。言い換えれば、第1セルケース20の形状は、右側の辺が開いている略コの字状である。第2セルケース30の形状は、上方向から見て、略矩形の枠状であって、左側の辺が開いている形状である。言い換えれば、第2セルケース30の形状は、左側の辺が開いている略コの字状である。第1セルケース20及び第2セルケース30は、それぞれの開いている側で係合することで、上方向から見て矩形の枠状の構成となる。第1セルケース20及び第2セルケース30が係合している構成の形状は、上方向から見て略ロの字状であるともいえる。セルケースは、積層されている電池セル10を枠状の構成の中で収容している。上方向から見て枠の内側に該当する部分は、第1セルケース20及び第2セルケース30それぞれにおいて、開口部22及び開口部32というものとする。第1セルケース20は、電池セル10の積層方向の両端それぞれに、開口部22を有する。第2セルケース30は、電池セル10の積層方向の両端それぞれに、開口部32を有する。
第1セルケース20及び第2セルケース30は、例えば、一方に設けられている係合爪と、他方に設けられている係合孔とによって、互いに係合してよい。第1セルケース20及び第2セルケース30は、例えば、任意の面から突出している係合部をそれぞれ有し、突出している係合部がクリップ等の弾性部材によって挟持されることによって係合してもよい。第1セルケース20及び第2セルケース30は、例えば、ねじ止め等の種々の締結構造によって係合してもよい。第1セルケース20及び第2セルケース30は、これらの例に限られず、種々の方法によって係合してよい。このようにすることで、組電池1の組立が容易になりうる。結果として、製品の信頼性が向上しうる。
第1セルケース20及び第2セルケース30は、比較的高い剛性を有する材料を含んでよい。第1セルケース20及び第2セルケース30は、例えば、表面にPET(Polyethylene Terephthalate)樹脂等の電気絶縁性素材が付与されている金属材、又は樹脂材等によって構成されてよい。
第2セルケース30は、前後方向それぞれにスリット34を有する。電池セル10がセルケースに収容されている状態において、電池セル10の電極タブ12は、スリット34を貫通し、セルケースの外部に突出する。スリット34の数は、電池セル10の数に対応する。
電池モジュール100は、セルケースから外部に突出している電極タブ12を電気的に接続する、タブ間バスバ40、総プラスバスバ41及び総マイナスバスバ42をさらに有する。タブ間バスバ40、総プラスバスバ41及び総マイナスバスバ42は、単にバスバと総称される。
バスバは、電気伝導性を有する材料によって構成される。例えば、バスバは、金属材又は電気伝導性素材が付与されている樹脂材によって構成される。金属材は、例えばアルミニウム又は銅等を含む。バスバを構成する材料は、電極タブ12を構成する材料に応じて溶接性が確保されるように決定される。バスバの表面には、バスバと電極タブ12とを接合するレーザ溶接用のレーザ光を吸収するめっきが施されていてもよい。
電池セル10は、正極タブ12pと負極タブ12nとが交互に入れ替わるように積層されている。すなわち、1つの電池セル10の正極タブ12p及び負極タブ12nがそれぞれ前方向及び後方向を向く場合、その電池セル10の隣に積層されている電池セル10の正極タブ12p及び負極タブ12nはそれぞれ、後方向及び前方向を向く。
タブ間バスバ40は、1つの電池セル10の正極タブ12pと、その電池セル10の隣に積層されている電池セル10の負極タブ12nとを電気的に接続する。このようにすることで、積層されている電池セル10が電気的に直列に接続される。電池セル10が直列に接続している場合、上端又は下端に位置する電池セル10の正極タブ12pは、いずれの電池セル10とも接続していない状態である。上端に位置する電池セル10の正極タブ12pがいずれの電池セル10とも接続していない状態であるものとする。総プラスバスバ41は、上端に位置する電池セル10の正極タブ12pと接続する。この場合、下端に位置する電池セル10の負極タブ12nは、いずれの電池セル10とも接続していない状態である。総マイナスバスバ42は、下端に位置する電池セル10の負極タブ12nと接続する。このようにすることで、電気的に直列に接続している電池セル10の総電圧として、総プラスバスバ41と総マイナスバスバ42との間に生じる電位差が出力される。
組電池1は、電圧検出部をさらに有してよい。電圧検出部は、バスバを介して電極タブ12に電気的に接続し、各電池セル10の端子電圧を検出してよい。
電池モジュール100は、上下方向に積層されている電池セル10を上側から拘束する拘束板60をさらに有する。拘束板60は、拘束板締結部材64によって、第1セルケース20及び第2セルケース30に設けられている締結部66に締結される。図4の破線は、拘束板締結部材64と締結部66との対応関係の一例を示している。
拘束板60は、比較的高い剛性を有する材料を含んで構成されてよい。拘束板60は、例えば、金属材のみによって構成されてよい。拘束板60の構成は、これに限定されず、樹脂材であってもよいし、表面にPET樹脂等の電気絶縁性素材が付与されている金属材であってもよい。拘束板60の形状は、略平板状であってよい。拘束板60は、凸部62を有する。拘束板60の凸部62は、セルケースの開口部22及び32を通って、電池セル10の上面を加圧する。このようにすることで、積層されている電池セル10が拘束される。したがって、電池モジュール100が容易にハンドリングされうる。拘束板60がセルケースの開口部22及び32を通して電池セル10を加圧することによって、電池セル10を加圧する力がセルケースに加わりにくくなる。その結果、セルケースが劣化したり損傷したりしにくくなる。
電池モジュール100は、上下方向に積層されている電池セル10と拘束板60との間に、絶縁シート50を有してよい。すなわち、拘束板60は、絶縁シート50を介して、電池セル10に対して積層されていてよい。絶縁シート50は、電池セル10に接着層15によって接着されていてよい。絶縁シート50は、積層されている電池セル10のうち上端に位置する電池セル10の上面に当接してよい。絶縁シート50は、積層されている電池セル10のうち下端に位置する電池セル10の下面に当接してよい。絶縁シート50は、ポリエチレン(PE:polyethylene)又はポリプロピレン(PP:polypropylene)樹脂等の電気絶縁性材料を含んでよい。絶縁シート50の形状は、略平板状であってよいが、これに限られない。絶縁シート50は、拘束板60に接着層15によって接着されていてよい。絶縁シート50が設けられることによって、電池セル10の上面と、拘束板60との間の電気的な絶縁性が向上されうる。拘束板60は、絶縁シート50を介さずに、接着層15によって電池セル10に接着されていてよい。拘束板60が絶縁シート50を介さずに電池セル10に接着されている場合、電池セル10の外装部材16は、その表層等に絶縁性部材の層を含んでよい。拘束板60と電池セル10との間に位置する絶縁シート50又は絶縁性部材の層は、第1絶縁層ともいう。電池モジュール100が拘束板60と電池セル10との間に第1絶縁層を有することによって、拘束板60と電池セル10との間の電気絶縁性が向上されうる。
第1セルケース20は、左方向の側面に側面開口部25を有してよい。第2セルケース30は、右方向の側面に側面開口部35を有してよい。電池モジュール100が放熱板70を有する場合、放熱板70から左右方向に突出している部分が、側面開口部25及び35を通って、セルケースの外側に突出しうる。
図5A〜図5Hは、電池モジュール100を組み立てる代表的な第1工程〜第8工程をそれぞれ示した模式図である。電池モジュール100は、図5A〜図5Hに例示される手順に沿って、組み立てられてよい。
図5Aに示される工程において、電池モジュール100を組み立てるために治具90が用いられる。治具90は、その上に載置される電池セル10又は放熱板70等が位置合わせされるように構成されてよい。
図5Bに示される工程において、電池セル10が治具90の上に載置される。治具90は、電池セル10が位置合わせされている状態で載置されるように、電池セル10の第1外面11及び第2外面13の形状に対応した内面を有してよい。治具90は、電池セル10の第1外面11の中央部から突出している電極タブ12に対応する形状を有してよい。電池セル10の上面又は下面に、接着層15が設けられていてよい。
図5Cに示される工程において、放熱板70が治具90の上に載置される。治具90は、放熱板70等を位置合わせして載置できるように、ボス92及び段差を有してよい。放熱板70は、電池モジュール100が下部ケース300に締結される際に用いられる、突起部と孔72とを端部に有してよい。放熱板70は、突起部が治具90の段差に当接し、且つ、孔72が治具90のボス92に嵌まることによって、位置合わせされてよい。
図5Dに示される工程において、積層されている電池セル10の上面に、さらに絶縁シート50が載置されてよい。絶縁シート50の上面に、接着層15が設けられていてよい。
図5Eに示される工程において、少なくとも電池セル10が積層されている構成に対して、第2セルケース30が挿入される。その際、第2セルケース30の仕切板33は、積層されている電池セル10の封止部19の間に挿入される。電池セル10が積層されている構成は、電池セル10同士、又は、電池セル10と他の構成とが接着層15によって接着されていることによって、治具90から取り出された状態でも、位置合わせされている状態を維持しうる。
図5Fに示される工程において、電池セル10が積層されている構成に対して、第2セルケース30の反対側から第1セルケース20が挿入される。その際、第1セルケース20の仕切板23は、積層されている電池セル10の封止部19の間に挿入される。電池セル10の電極タブ12は、第2セルケース30のスリット34から外部に突出する。
図5Gに示される工程において、電極タブ12に対して、タブ間バスバ40、総プラスバスバ41及び総マイナスバスバ42が電気的に接続される。バスバと電極タブ12とは、例えば、溶接又は溶着等によって電気的に接続されてよい。隣接する電池セル10の正極タブ12p及び負極タブ12nがタブ間バスバ40に対して溶接により接合される場合、電池セル10が位置合わせされている状態を維持していることによって、精度よく接合されうる。
さらに、電池セル10が積層されている構成がセルケースに収容されている構成に対して、拘束板60が上面から取り付けられる。拘束板60の凸部62は、セルケースの開口部22及び32を通って、電池セル10が積層されている構成の上面に当接する。拘束板60は、接着層15によって電池セル10が積層されている構成に接着されてよい。
図5Hに示される工程において、拘束板60は、拘束板締結部材64によってセルケースに締結されてよい。拘束板60がセルケースに締結されることによって、電池モジュール100の組立が完了する。
図5A〜Hに例示される工程に沿って電池モジュール100が組み立てられる場合、隣接して積層されている電池セル10の電極タブ12同士の位置決めの精度が向上されうる。結果として、電極タブ12とバスバとが高い精度で容易に接合されうるとともに、組電池1の信頼性が向上されうる。
電池セル10、放熱板70、絶縁シート50、又は拘束板60等の積層されている各部が接着層15によって接着されていることによって、電池モジュール100が振動又は衝撃等を受けた場合の耐久性が向上されうる。例えば、電池モジュール100を有する組電池1が車両に搭載される場合、車両の走行時の振動又は衝撃等によって、電池モジュール100の各部の相対的な変位が低減されうる。電池モジュール100の各部が接着されることによって、振動又は衝撃等を受けた場合でも、各部が破損しにくくなる。
第1セルケース20及び第2セルケース30がそれぞれ、電池セル10の封止部19の間に位置する仕切板23及び33を有することによって、電池セル10は、互いに絶縁されやすくなる。例えば、電池セル10が経時的に劣化して変形した場合でも、隣接して積層されている電池セル10同士が互いに接触しにくくなる。
セルケースが表面に電気絶縁性素材が付与されている金属材、又は樹脂材等によって構成されることで、組電池1の内部に位置する電気部品等と、電池セル10とが、互いに電気的に絶縁されうる。
また、組電池1の下部ケース300と上部ケース400が金属製であった場合でも、電池セル10と、組電池1の外部に位置する電気部品等との絶縁を確保することができる。なお、下部ケース300、上部ケース400が樹脂材料により構成されていれば、セルケースが金属材料により構成されていても、同様に電池セル10と組電池1の外部に位置する電気部品等との絶縁を確保することができる。
図6は、補機モジュール200の構成例を示す分解斜視図である。
図6に示されるように、補機モジュール200は、補機台座210と、リレー220と、電流センサ230と、ヒューズ240と、基板260とを有する。電流センサ230は、その端子に締結孔231を有し、締結部材252によって、補機台座210の締結部212に締結される。電流センサ230の一端の締結孔231は、リレー220と電気的に接続している銅バスバ250の締結孔251と共締めされる。リレー220は、その端子に締結孔221を有し、締結部材252によって、補機台座210の締結部212に締結される。リレー220の一端の締結孔221は、電流センサ230と電気的に接続している銅バスバ250の締結孔251と共締めされる。リレー220の他端の締結孔221は、ヒューズ240と電気的に接続している銅バスバ250の締結孔251と共締めされる。ヒューズ240は、その端子に締結孔241を有し、締結部材252によって、補機台座210の締結部212に締結される。ヒューズ240の一端の締結孔241は、リレー220と電気的に接続している銅バスバ250の締結孔251と共締めされる。基板260は、例えば4隅に締結孔261を有し、締結部材262によって、補機台座210の締結部214に締結される。補機台座210は、締結孔216を有する。補機モジュール200は、電池モジュール100と合わせて下部ケース300に収容される際、締結孔216にモジュール締結部材270(図7参照)が貫通することによって、下部ケース300の締結部340(図1参照)に締結される。
図7は、電池モジュール100と補機モジュール200との組立例を示す斜視図である。
図7に示されるように、補機モジュール200の補機台座210は、モジュール締結部材270によって、第1セルケース20及び第2セルケース30に締結されている。モジュール締結部材270は、補機モジュール200と電池モジュール100とを合わせて、下部ケース300の締結部340(図1参照)に締結しうる。電流センサ230は、リレー220と電気的に接続している側とは異なる端子において、総プラスバスバ41と電気的に接続している銅バスバ250と電気的に接続している。
組電池1は、プラス出力端子410とマイナス出力端子420とをさらに有する。ヒューズ240は、リレー220と電気的に接続している側とは異なる端子において、プラス出力端子410と電気的に接続しているプラス出力端子バスバ412と電気的に接続している。すなわち、プラス出力端子410は、直列に接続されているヒューズ240とリレー220と電流センサ230とを介して、総プラスバスバ41と電気的に接続している。マイナス出力端子420は、マイナス出力端子バスバ422を介して、総マイナスバスバ42と電気的に接続している。プラス出力端子410は、締結孔414におけるねじ止め等によって、下部ケース300の締結部330(図1参照)に締結されてよい。マイナス出力端子420は、締結孔424におけるねじ止め等によって、下部ケース300に締結されてよい。
組電池1は、タブ間バスバ40、総プラスバスバ41及び総マイナスバスバ42を覆うバスバカバー80をさらに有してよい。バスバカバー80がバスバを覆うことによって、組電池1が衝突等の衝撃を受け、変形、損傷した場合でも、バスバと下部ケース300間の電気的絶縁性が確保されるため、組電池1の信頼性がより高められうる。
リレー220は、電池セル10と、プラス出力端子410との間を接続したり、切断したりするスイッチング素子として機能する。
電流センサ230は、電池セル10からプラス出力端子410に流れる電流の大きさを検出する。電流センサ230は、検出した電流の大きさを基板260に出力してよい。
ヒューズ240は、ヒューズ本体と、ヒューズ本体を収容保持する絶縁樹脂製のハウジングと、ハウジングを覆う絶縁樹脂製のカバーとを含んでよい。ヒューズ240は、過電流が流れることによって溶断する。
基板260は、BMS(Battery Management System)を有してよい。BMSは、バッテリコントローラともいう。BMSは、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成されてよい。BMSは、電流センサ230と通信可能に接続され、電流センサ230から電流の検出結果を取得してよい。BMSは、リレー220と通信可能に接続され、リレー220の開閉を制御する情報を出力してよい。BMSは、タブ間バスバ40と電気的に接続され、タブ間バスバ40の電位を検出してもよい。BMSは、タブ間バスバ40の電位を検出するセンサと通信可能に接続され、タブ間バスバ40の電位の検出結果を取得してよい。BMSは、電池セル10に関する情報を、コネクタ430(図8参照)を通じて、外部に出力してよい。
図8は、上部ケース400の構成例を示す分解斜視図である。
図8に示されるように、上部ケース400は、コネクタ430と、ガス排出部440とを有する。コネクタ430は、補機モジュール200の基板260と通信可能に接続されている。コネクタ430は、例えば組電池1を搭載している車両のECU(Electric Control Unit)等の外部回路と接続可能であってよい。
上部ケース400は、下部ケース300の締結部320(図9参照)と締結される締結部450を有する。下部ケース300の締結部320と上部ケース400の締結部450とは、ねじ止め等によって締結されてよいし、クリップ等の弾性部材によって締結されてもよい。上部ケース400と下部ケース300とが締結されて構成されるケースは、電池モジュール100を取り囲むことによって、電池モジュール100を保護しうる。
電池セル10は、充放電を繰り返すことによって、経時的に劣化しうる。電池セル10の経時劣化に伴って、電池セル10の内部において、電解液の分解又は揮発等に起因するガスが発生しうる。電池セル10の内部のガスの圧力が所定値を上回ると、ガスは、電池セル10の封止部19の一部から外部へと放出されうる。電池セル10の内部から放出されたガスは、下部ケース300と上部ケース400とによって囲まれている、組電池1の内部の空間に溜まりうる。組電池1の内部の空間に溜まったガスは、上部ケース400のガス排出部440を通って、組電池1の外部に排出されうる。ガス排出部440は、上部ケース400の上面に設けられているが、これに限られず、上部ケース400の側面に設けられていてもよいし、下部ケース300の底面310(図10参照)又は側面に設けられていてもよい。
ガス排出部440は、ガスカバー442と、ブリーザ444とを有する。ガスカバー442は、ブリーザ444を覆うことによって、ブリーザ444を外部からの衝撃等から保護しうる。ブリーザ444は、通気性を有しつつ防水性及び防塵性も有する内圧調整膜をガスの排出経路に有する。ガス排出部440がブリーザ444を有することによって、組電池1の内部の空間に溜まっているガスが組電池1の外部に排出されるとともに、組電池1の外部から、水又は塵埃等が組電池1の内部に進入しにくくなる。結果として、組電池1の信頼性が向上されうる。
図9は、下部ケース300に電池モジュール100が収容されている構成例を示す斜視図である。
図9に示されるように、電池モジュール100は、下部ケース300に収容されている状態において、下部ケース300の締結部340(図1参照)に締結されている。補機モジュール200が電池モジュール100の上部に搭載される場合、補機台座210とセルケースとは、モジュール締結部材270(図7参照)によって、下部ケース300の締結部340にまとめて締結される。
図10は、図9のA−A断面図である。図11は、図10の破線囲み部の拡大図である。
図10及び図11に示されるように、下部ケース300は、下方の側に底面310を有する。電池モジュール100が下部ケース300に収容されている状態において、積層されている電池セル10は、下方に位置する底面310、及び、上方に位置する拘束板60それぞれから加圧されている。言い換えれば、下部ケース300の底面310は、拘束板60が電池セル10を加圧している側とは逆の側から、電池セル10を加圧している。積層されている電池セル10は、底面310と拘束板60との間に挟持されているともいえる。積層されている電池セル10は、挟持されていることによって、下部ケース300に安定した状態で収容されうる。下部ケース300の底面310が電池セル10を下側から加圧する機能を有することによって、電池セル10を下側から加圧するためだけの部材が省略されうる。結果として、組電池1が小型・軽量化されたり、低コスト化されたりしうるとともに、電池セル10の保持構造の信頼性が向上されうる。
底面310は、絶縁シート50を介して、電池セル10の下方の面に当接してよい。絶縁シート50は、接着層15によって底面310に接着されていてよい。絶縁シート50が設けられることによって、電池セル10の下面と、下部ケース300の底面310との間の電気的な絶縁性が向上されうる。底面310は、絶縁シート50を介さずに、接着層15によって電池セル10に接着されていてよい。底面310が絶縁シート50を介さずに電池セル10に接着されている場合、電池セル10の外装部材16は、その表層等に絶縁性部材の層を含んでよい。底面310と電池セル10との間に位置する絶縁シート50又は絶縁性部材の層は、第2絶縁層ともいう。電池モジュール100が底面310と電池セル10との間に第2絶縁層を有することによって、電池セル10と下部ケース300との間の電気絶縁性が向上されうる。
底面310は、上方に突出する凸部312を有する。凸部312は、セルケースが有する開口部22及び32を通って、電池セル10の下方の面の中央を含む所定範囲に当接しうる。電池モジュール100の上方に位置する拘束板60の凸部62は、セルケースが有する開口部22及び32を通って、電池セル10の上方の面の中央を含む所定範囲に当接しうる。凸部62は、絶縁シート50等の他の構成を介して、電池セル10の上方の面に当接してよい。電池モジュール100が下部ケース300に収容されている状態において、積層されている電池セル10は、下方に位置する凸部312と、上方に位置する凸部62との間に挟持されている。積層されている電池セル10は、上下両側から挟持されていることによって、強固に拘束されている。積層されている電池セル10は、上方及び下方の面それぞれの、中央を含む所定範囲において、凸部62及び凸部312によって加圧されている。電池セル10は、保持部18の上面及び下面のうち、封止部19に近い周辺の部分よりも中央の部分において、より大きい力で加圧されうる。
電池セル10は、充放電を繰り返すことによって、経時的に劣化しうる。電池セル10の経時劣化に伴って、電池セル10の内部において、電解液の分解又は揮発等に起因するガスが発生しうる。電池セル10の内部で発生したガスは、電池セル10を膨張させうる。積層されている電池セル10は、拘束板60の凸部62及び底面310の凸部312によって、上下面から加圧されることによって、電池セル10が積層されている方向へ膨張しにくくなる。
拘束板60及び底面310は、セルケースの開口部22及び32を通して、積層されている電池セル10を加圧している。すなわち、セルケースは、拘束板60及び底面310によって直接加圧されていない。セルケースが加圧されないことによって、セルケースは撓みにくくなる。結果として、セルケースが破損しにくくなる。
拘束板60が金属材により構成されることによって、拘束板60の剛性が向上されうる。結果として、電池セル10が積層されている方向に電池セル10が膨張しにくくなるとともに、電池セル10の上下方向の位置が規制されうる。拘束板60が樹脂材又は電気絶縁性素材が付与されている金属材を含むことによって、電気絶縁性が向上されうる。拘束板60が樹脂材により構成される場合、組電池1が軽量化されうるとともに、低コストで製造されうる。
電池セル10が保持部18の上面及び下面の中央付近で加圧されることによって、電池セル10の内部で発生したガスは、封止部19に近い周辺の部分に集められうる。電池セル10の内部で発生したガスの圧力が所定値を超えた場合、ガスは、封止部19から電池セル10の外部に放出されうる。ガスが封止部19に近い周辺の部分に集められることによって、ガスが電池セル10の外部に放出されやすくなる。すなわち、電池セル10が保持部18の上面及び下面の中央付近で加圧されることによって、ガスが電池セル10の外部に放出されやすくなる。結果として、電池セル10の信頼性が向上されうる。
電池モジュール100が絶縁シート50を有することで、拘束板60と、内部の電池セル10との間の電気的な絶縁が確保されうる。
電池セル10の正極タブ12p及び負極タブ12nが前後方向に沿ってそれぞれ反対に突出することで、セルケースの対称性が向上されうる。このようにすることで、セルケースがバランスよく形成されうる。
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る電池モジュール100の構成例を示す外観斜視図である。図13Aは、図12の電池モジュール100の上面図である。図13Bは、図12の電池モジュール100の底面図である。図14は、図12の電池モジュール100の構成例を示す分解斜視図である。図15Aは、図9のA−A断面に対応する図12の電池モジュール100の断面図である。図15Bは、図9のB−B断面に対応する図12の電池モジュール100の断面図である。図16は、図14の電池セル10と放熱板70との配置関係を上面視で示した模式図である。第2実施形態に係る電池モジュール100では、放熱板70の構成が第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と同一の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図14に示されるとおり、第2実施形態に係る電池モジュール100では、放熱板70は、薄板状に形成され、積層されている複数の電池セル10において、1つの電池セル10ごとに電池セル10の間で挟持されている。すなわち、上下方向に沿って放熱板70と電池セル10とが交互に積層されている。電池セル10と放熱板70とは、接着層15によって互いに固定されている。接着層15は、電池セル10の上下2つの第3外面14の両方に設けられている。接着層15は、例えば、接着剤又は両面テープ等の粘着剤を含む。接着層15は、例えば、各電池セル10の第3外面14に接着剤を塗布する方法、又は、他の種々の方法によって形成されている。
複数の電池セル10を含む積層体の積層方向における両端は外部と電気的に絶縁されている。より具体的には、複数の電池セル10を含む積層体の上下両端それぞれは、電池セル10とセルケースとの間に配置されている絶縁シート50によって外部と電気的に絶縁されている。絶縁方法はこれに限定されない。積層体の上下両端それぞれは、拘束板60によって外部と電気的に絶縁されていてもよい。このとき、拘束板60は、樹脂材又は表面に電気絶縁性素材が付与されている金属材により構成される。積層体の上下両端それぞれは、開口部22及び32を有さないセルケース自体によって外部と電気的に絶縁されていてもよい。積層体の上下両端それぞれは、絶縁シート50、拘束板60、及びセルケースのうち少なくともいずれか一つによって外部と電気的に絶縁されていればよい。
図12、図13A、図13B、及び図15Bに示されるように、放熱板70は、セルケースから突出する。より具体的には、放熱板70の右端部は、第2セルケース30の側面開口部35から外方に突出する。放熱板70の左端部は、第1セルケース20の側面開口部25から外方に突出する。放熱板70の左右両端部は、セルケースの各側面開口部から外方に突出して電池モジュール100を収容している下部ケース300の内部に露出している。放熱板70の突出方向における両端は、セルケースの両端よりも内側に配置されている。
図16に示されるように、放熱板70は、突出方向、すなわち左右方向に沿って電池セル10よりも幅広である。放熱板70は、上面視において、セル電極を内部に保持している保持部18の全体と重畳している。充放電の際には、電池セル10の電極タブ12におけるバスバとの接触抵抗によって、電極タブ12近傍で熱が発生する。電極タブ12近傍で発生した熱は、セル電極の中心に向かって保持部18の内部を伝わろうとする。このとき、電池セル10と隣接する放熱板70の存在によって、電池セル10において発生した熱は、放熱板70を介してその左右方向の外側に伝わる。結果、放熱板70において下部ケース300の内部に露出している部分から放熱が行われる。
以上のような第2実施形態に係る電池モジュール100によれば、積層された電池セル10からの放熱が効率良く行われる。より具体的には、放熱板70が突出方向に沿って電池セル10よりも幅広であることで、突出方向に沿って熱が逃げやすくなる。加えて、放熱板70がセルケースから突出することで、電池セル10において発生した熱が放熱板70を介して下部ケース300の内部へと逃げやすくなる。これにより、電池セル10の温度上昇が抑制されるので、電池セル10の寿命が長くなる。
放熱板70の突出方向における両端がセルケースの両端よりも内側に配置されていることで、放熱板70と下部ケース300との干渉が抑制される。これにより、接触による各部品の破損及び絶縁性の低下が抑制される。加えて、放熱板70と下部ケース300の内面との間に空隙が形成されるので、放熱性が向上する。
放熱板70が保持部18の全体と重畳していることで、拘束板60による電池セル10の加圧の際に、電池セル10が放熱板70を介して均一に加圧される。放熱板70の端部が保持部18の第3外面14に接触することもないので、放熱板70の端部による電池セル10の破損も抑制される。結果、電池モジュール100の信頼性が向上する。
複数の電池セル10を含む積層体の積層方向における両端が電気的に絶縁されていることで、積層方向に沿った積層体からの放熱が抑制される。これにより、放熱板70を介して、積層方向と直交する左右方向に沿って熱が逃げやすくなる。したがって、放熱板70を用いて放熱が効率良く行われる。
電池セル10と放熱板70とが粘着剤によって互いに固定されていることで、電池セル10及び放熱板70を積層する際の作業性が向上する。同様に、電池セル10及び放熱板70の積層体をセルケースに挿入する際においても、その挿入性が向上し、組み立てに関する作業性が向上する。結果、組電池1の組み立て作業に関する全体の作業効率が向上する。
放熱板70が1つの電池セル10ごとに電池セル10の間で挟持されていることで、複数の電池セル10を含む積層体からの放熱性が向上する。各電池セル10から同様に放熱が行われるので、電池モジュール100内の電池セル10ごとの温度ばらつきが抑制される。結果、電池モジュール100の寿命が長くなる。放熱板70が1つの電池セル10ごとに電池セル10の間で挟持されている場合であっても、放熱板70が薄板状に形成されているため、電池モジュール100の過剰な高背化が抑制される。
図17は、放熱板70の他の第1例を拡大して示した図9のB’−B’断面に対応する拡大断面図である。図18Aは、放熱板70の他の第2例を模式的に示した上面図である。図18Bは、放熱板70の他の第2例を模式的に示した側面図である。図19は、下部ケース300に関連する構成の他の例を示した斜視図である。
第2実施形態に係る電池モジュール100では、放熱板70の形状は上述した内容に限定されない。例えば、図17に示されるように、放熱板70は、複数の電池セル10の積層方向に沿って中心部に向かうほど突出方向に沿って幅広であってもよい。より具体的には、積層されている6つの電池セル10に対して配置される5つの放熱板70のうち、積層方向に沿って積層体の最も外方に位置する放熱板70が最も幅狭である。5つの放熱板70のうち、積層方向に沿って積層体の最も中心に位置する放熱板70が最も幅広である。このような放熱板70の構成により、積層体の中心部に熱がよりこもりやすいような場合であっても、効率良く放熱が行われ、電池セル10ごとの温度の均一性が向上する。結果、電池モジュール100の寿命が長くなる。
例えば、図18A及び図18Bに示されるように、放熱板70の突出方向における端縁部は、電池セル10の積層方向の一方側に向けて傾斜する部分と他方側に向けて傾斜する部分とを交互に含んでもよい。例えば、放熱板70の左端縁部において前方から後方に向けて7つの縁部A1乃至A7を定めた場合、縁部A1、A3、A5、及びA7は下方に傾斜する。例えば、縁部A2、A4、及びA6は上方に傾斜する。この他にも、放熱板70の突出方向における端縁部が例えば正弦波形状を有してもよい。このような放熱板70の構成により、放熱板70の端縁部での表面積が増大し、放熱性がさらに向上する。
ケースは、金属材又は金属材と一体成形された樹脂材により構成されてもよい。例えば、図19に示されるように、下部ケース300は、金属材350と一体成形された樹脂材により構成されてもよい。これにより、電池モジュール100から発生した熱が効率良く外部に放出される。
組電池1は、例えば、ケースの内部に配置され、放熱板70に向けて送風する送風部360を有してもよい。このとき、送風部360からの送風によってケース内の空気が循環し、ケースを介して組電池1の内部から外部に熱が放出される。これにより、電池モジュール100の放熱性がさらに向上する。放熱板70が図18A及び図18Bに示されるような形状を有する場合、送風部360からの送風によってケース内を循環する空気と、放熱板70との接触面積が増大する。したがって、熱交換が促進される。放熱板70の形状と送風部360とによる相乗効果で、電池モジュール100の放熱性がさらに向上する。
放熱板70と下部ケース300との絶縁性が確保されているのであれば、放熱板70の左右方向の両端が下部ケース300の内面と接触してもよい。これにより、電池モジュール100の放熱性がさらに向上する。このとき、放熱板70の左右両端部が下部ケース300の内面に沿って屈曲し、屈曲部分が下部ケース300の内面と接触してもよい。これにより、下部ケース300との接触面積が増大し、電池モジュール100の放熱性がさらに向上する。放熱板70の屈曲部分と下部ケース300の内面との接触部分にグリス等の充填剤を塗布することで、隙間が充填剤により充填される。これにより、互いの接触性が向上し、電池モジュール100の放熱性がさらに向上する。
本発明は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。発明の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
例えば、上述した各構成部の形状、配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
例えば、電池モジュール100の組立方法は、上述した方法に限定されない。電池モジュール100の組立方法は、その機能が発揮されるように組み立てることができるのであれば、任意の方法であってもよい。例えば、上述した電池モジュール100の組立方法における各工程は、論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の工程を1つに組み合わせたり、又は分割したりすることが可能である。
第1セルケース20と第2セルケース30との係合方向は左右方向に限定されない。第1セルケース20と第2セルケース30とは、その機能が発揮されるように係合するのであれば、任意の方向に沿って係合してもよい。
電池モジュール100の下面側にも拘束板60が配置されていてもよい。これにより、上下両方向から剛性の高い拘束板60によって電池セル10が狭持されているので、加圧保持性がさらに向上する。
1 組電池
10 電池セル
11 第1外面
12(12p、12n) 電極タブ(正極タブ、負極タブ)
13 第2外面
14 第3外面
15 接着層
16 外装部材
17 タブ側面
18 保持部
19 封止部
20 第1セルケース
22 開口部
23 仕切板
25 側面開口部
30 第2セルケース
32 開口部
33 仕切板
34 スリット
35 側面開口部
40 タブ間バスバ
41 総プラスバスバ
42 総マイナスバスバ
50 絶縁シート
60 拘束板
62 凸部
64 拘束板締結部材
66 締結部
70 放熱板
72 孔
80 バスバカバー
90 治具
92 ボス
100 電池モジュール
200 補機モジュール
210 補機台座
212、214 締結部
216 締結孔
220 リレー
221 締結孔
230 電流センサ
231 締結孔
240 ヒューズ
241 締結孔
250 銅バスバ
251 締結孔
252 締結部材
260 基板
261 締結孔
262 締結部材
270 モジュール締結部材
300 下部ケース
310 底面
312 凸部
320、330、340 締結部
350 金属材
360 送風部
400 上部ケース
410 プラス出力端子
412 プラス出力端子バスバ
414 締結孔
420 マイナス出力端子
422 マイナス出力端子バスバ
424 締結孔
430 コネクタ
440 ガス排出部
442 ガスカバー
444 ブリーザ
450 締結部
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7 縁部

Claims (12)

  1. 積層されている複数の電池セルと、
    前記複数の電池セルを内部で支持しているセルケースと、
    前記複数の電池セルにおいて、前記電池セルの間で挟持されている放熱板と、
    を備え、
    前記放熱板は、前記セルケースから突出し、突出方向に沿って前記電池セルよりも幅広である、
    電池モジュール。
  2. 前記放熱板の前記突出方向における両端は、前記セルケースの両端よりも内側に配置されている、
    請求項1に記載の電池モジュール。
  3. 前記電池セルは、セル電極を内部に保持している保持部を有し、
    前記放熱板は、前記電池セルの積層方向から見た平面視において、前記保持部の全体と重畳している、
    請求項1又は2に記載の電池モジュール。
  4. 前記複数の電池セルを含む積層体の積層方向における両端は外部と電気的に絶縁されている、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池モジュール。
  5. 前記両端それぞれは、前記セルケース自体、並びに前記電池セルと前記セルケースとの間に配置されている絶縁シート及び拘束板のうち少なくともいずれか1つによって外部と電気的に絶縁されている、
    請求項4に記載の電池モジュール。
  6. 前記拘束板は、樹脂材又は表面に電気絶縁性素材が付与されている金属材により構成される、
    請求項5に記載の電池モジュール。
  7. 前記電池セルと前記放熱板とは、粘着剤によって互いに固定されている、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電池モジュール。
  8. 複数の前記放熱板を備え、
    前記放熱板は、1つの前記電池セルごとに前記電池セルの間で挟持されている、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電池モジュール。
  9. 前記放熱板は、前記複数の電池セルの積層方向に沿って中心部に向かうほど前記突出方向に沿って幅広である、
    請求項8に記載の電池モジュール。
  10. 前記放熱板の前記突出方向における端縁部は、前記電池セルの積層方向の一方側に向けて傾斜する部分と他方側に向けて傾斜する部分とを交互に含む、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電池モジュール。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電池モジュールを収容しているケースと、
    前記ケースの内部に配置され、前記放熱板に向けて送風する送風部と、
    を備える、
    組電池。
  12. 前記ケースは、金属材又は金属材と一体成形された樹脂材により構成される、
    請求項11に記載の組電池。
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