JP2019185732A - 電源制御用半導体装置および出力電圧可変電源装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、出力電圧を変化させることができるようにしたレギュレータに関する発明としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているものがある。
この発明のレギュレータは、出力電圧を段階的に切り替えることはできるものの、出力電圧をリニアに変化させることができないという課題がある。なお、分圧回路を構成する直列抵抗およびスイッチトランジスタの数を増やすことで近似的にリニアに変化させることも考えられるが、そのようにすると、素子数が増加して実装面積が大きくなり装置の小型化が困難になるという課題が生じる。
しかしながら、この発明のレギュレータは、レギュレータICの外付け素子で出力電圧値の調整回路を構成しているため、部品点数が多く実装面積が大きくなって装置の小型化を妨げるとともに、消費電力が大きい。また、使用する調整用抵抗素子の抵抗値のバラツキにより出力電圧がばらついてしまい、出力電圧の精度が悪くなるという課題がある。
本発明の他の目的は、出力電圧の精度の高い電源制御用半導体装置および出力電圧可変電源装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、汎用のマイクロコンピュータを用いて簡単に出力電圧を制御することができる電源制御用半導体装置および出力電圧可変電源装置を提供することにある。
直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子とを備えた電源制御用半導体装置において、
前記制御回路は、
前記出力端子の出力電圧を分圧する第1分圧回路によって分圧された電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する第1誤差アンプと、
前記第1誤差アンプに入力される前記基準電圧または前記第1分圧回路による分圧電圧を、前記第1外部端子に入力される電圧に応じて変位させることで前記出力電圧を前記出力制御信号に応じた電圧に変更する出力電圧変更回路と、
を備えるように構成したものである。
また、外付け素子が不要であり、基準電圧の精度及び内部抵抗の比で出力電圧が決まるため、精度および温度特性の良効となるとともに、可変入力電圧範囲が大きく、入力電圧に対するバラつき精度が小さくなる。さらに、マイコン内蔵のD/A変換機能を使用して出力制御信号を生成するようにした場合、ソフトの変更のみで出力電圧の可変が可能となる。
前記第1外部端子に入力される電圧を分圧する第2分圧回路と、
前記第1分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードと定電位点との間に直列に接続された第1トランジスタおよび第1抵抗素子と、
前記第2分圧回路によって分圧された電圧と前記第1抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を出力する第2誤差アンプと、を備え、
前記第2誤差アンプの出力が前記第1トランジスタの制御端子に印加されるように構成する。
前記基準電圧を分圧する第3分圧回路と、
前記第3分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードと定電位点との間に直列に接続された第2トランジスタおよび第2抵抗素子と、
前記第1外部端子に入力される電圧と前記第2抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を出力する第3誤差アンプと、を備え、
前記第3誤差アンプの出力が前記第2トランジスタの制御端子に印加されるように構成する。
上記のような構成によれば、誤差アンプによる電圧−電流変換で基準電圧またはフィードバック電圧を変位させて出力電圧を変化させる構成であるため、電源ノイズの影響が少ない可変電源装置を実現することができる。
前記第1外部端子に入力される電圧が入力される第4誤差アンプと、
前記第2誤差アンプの出力が制御端子に印加される第3トランジスタと、
前記電圧入力端子に接続され前記第3トランジスタに流れる電流を転写するカレントミラー回路と、
前記第3トランジスタと直列に接続された第3抵抗素子と、
を備え、
前記第4誤差アンプは、前記第1外部端子に入力される電圧と前記第3抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を前記第3トランジスタの制御端子へ出力して前記第3トランジスタに前記電位差に応じた電流を流し、前記カレントミラー回路で転写された電流を前記第1分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードから引き抜くかまたは流し込むように構成する。
また、第1外部端子に入力される出力制御信号を分圧回路で圧縮するようなことはしないため、制御信号による出力電圧の制御精度が向上するとともに、出力電圧の可変範囲が、出力電圧変更回路を構成する抵抗素子の抵抗値だけでなく、カレントミラー回路の電流比でも変更が可能であるため、設計の自由度が高くなる。
さらに、第1外部端子に入力される出力制御信号による出力電圧の可変制御論理をカレントミラー回路の構成を変えることで切り替えることが可能となる。
前記基準電圧源および前記第1誤差アンプへ供給する動作電流を生成するバイアス回路と、
電源装置の動作を停止させるために外部から供給される制御信号が入力される第2外部端子と、を備え、
前記バイアス回路は、前記第2外部端子に入力される制御信号に応じて、前記基準電圧源および前記第1誤差アンプへの動作電流の供給を中止するように構成する。
かかる構成によれば、外部からの制御信号で電源制御用半導体装置の動作を停止させることができ、マイコンのI/O機能による電源装置の停止制御が可能となる。
前記制御装置から前記前記第1外部端子へ入力される信号に応じて出力電圧が変化されるように出力電圧可変電源装置を構成する。
かかる構成を有する出力電圧可変電源装置によれば、外部からの第1外部端子への制御信号の入力で出力電圧をリニアに変化させることできるとともに、第2外部端子を設けた場合には、外部からの制御信号で電源制御用半導体装置の動作を停止させることができ、マイコンのI/O機能による電源装置の停止制御が可能となる。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した出力電圧可変電源装置としてのシリーズレギュレータの第1実施形態を示す。なお、図1において、一点鎖線で囲まれた部分は、単結晶シリコンのような半導体チップ上に半導体集積回路(レギュレータIC)10として形成され、該レギュレータIC10の出力端子OUTにコンデンサCoが接続されることで図示しないモータやLEDランプなどの負荷へ安定な直流電圧を出力する出力電圧可変電源装置として機能する。
この誤差アンプ14bは、制御対象のMOSトランジスタM2と抵抗R3との接続ノードN2の電圧V2が反転入力端子に入力されることで負帰還がかかり、イマジナリ・ショートの動作で、ノードN2の電圧V2がノードN3の電圧V3と同一となるような電流を抵抗R3に流すようにトランジスタM2を駆動する。
Vout=((R1+R2)/R1)*Vref+(V2/R3)*R2 ……(1)
で表わされ、ノードN3の電圧V3は、次式(2)
V3=(R4/(R4+R5))*Vadj ……(2)
で表わされる。ここで、V2=V3であるので、上記式(1),(2)より、Voutは、
Vout=((R1+R2)/R1)*Vref+((R4*R2)/R3*(R4+R5))*Vadj……(3)
となる。
また、出力制御信号Vadjが0Vのときの出力電圧Voutは、上記式(3)の第2項が「0」となることから、抵抗R1とR2の比および基準電圧Vrefにより設定されることがわかる。具体的には、例えば基準電圧Vrefが1.5Vの場合、R1とR2の比を1:1とすることで、Vadj=0Vで出力電圧Voutを3Vに設定することができる。これにより、例えば最低電圧3V以上で動作するモータに対する電源電圧を供給する電源装置を設計する場合に、モータを確実に動作させるとともに出力制御信号Vadjを高くすることで回転数を増大させることができる。
図4(A)は汎用のマイコンとしてD/A変換回路を内蔵しているものを使用する場合の電源装置の構成例で、図4(B)は汎用のマイコンとしてD/A変換回路を内蔵していないものを使用する場合の電源装置の構成例である。
さらに、マイコン内蔵のD/A変換機能を使用して出力制御信号を生成するようにした場合、ソフトの変更のみで出力電圧の可変が可能となるとともに、マイコンのI/O機能により、2段階での出力電圧の切替えが可能となる。
次に、前記実施形態のレギュレータIC10の変形例について、図6を用いて説明する。
図6に示す変形例は、前記実施形態のレギュレータIC10の出力制御端子ADJに接続されている分圧回路14aを構成する抵抗R4,R5を省き、代わりに基準電圧源15により生成される基準電圧Vrefを分圧する抵抗R6,R7からなる分圧回路17を設け、抵抗R6,R7によって分圧された電圧Vref’を誤差アンプ11へ入力する。また、抵抗R6とR7との接続ノードN4と接地点との間に、出力電圧変更回路14を構成するMOSトランジスタM2および抵抗R3を直列に接続するとともに、出力制御端子ADJへ入力される出力制御信号Vadjを誤差アンプ14bの非反転入力端子へ直接入力するように構成したものである。
Vref'=(1/R6+R7)*(R6*Vref−(R6*R7/R3)*Vadj) ……(4)
で表わされる。従って、出力電圧Voutは、
Vout=((R1+R2)/R1)*Vref'
=((R1+R2)/R1*(R6+R7))*(R6*Vref−(R6*R7/R3)*Vadj)
……(5)
となる。
上記式(5)より、出力電圧Voutは内部抵抗の相対精度により決まるため、精度良く設定可能であることが分かる。また、出力制御端子ADJへ入力する制御信号Vadjを変化させることで出力電圧Voutを変化させることができる。
図7は、本発明を適用した出力電圧可変電源装置としてのシリーズレギュレータを構成するレギュレータIC10の第2実施形態を示す。
本実施形態の出力電圧可変電源装置は、図1に示す第1実施形態の出力電圧変更回路14における分圧回路14aを設ける代わりに、図7に示すように、互いにベース端子同士が結合されたトランジスタTr1,Tr2からなる第1のカレントミラー回路17Aと、互いにベース端子同士が結合されたトランジスタTr3,Tr4からなる第2のカレントミラー回路17Bを設けたものである。
また、誤差アンプ14bによって駆動される電圧−電流変換手段としてのトランジスタM2は、フィードバック電圧VFBを生成する分圧回路12を構成する抵抗R2,R1の接続ノードではなく第1のカレントミラー回路17Aを構成するトランジスタTr1と直列となるように接続され、トランジスタM2の電流がカレントミラー回路17Aと17Bで転写されて、抵抗R2,R1の接続ノードN1から電流を引き抜くように構成されている。
図7の第2実施形態のレギュレータICを使用したレギュレータにおいては、カレントミラー回路17Aと17Bの電流比をそれぞれ1:1に設定した場合、出力電圧Voutは、
Vout=((R1+R2)/R1)*Vref+(Vadj/R3)* R2 ……(6)
で表わされる。
具体的には、本実施形態の出力電圧可変電源装置におけるオン・オフ制御端子CNTへの入力信号ON/OFFと、出力制御端子ADJへ入力される制御信号Vadjと、出力電圧Voutとの関係を示すと、図9(A)のようになる。図9(A)より、制御信号Vadjを例えば0〜3.3Vの範囲で変化させると、出力電圧VoutをV1〜Vinの範囲で変化させることができることが分かる。なお、制御信号Vadjの可変範囲の0〜3.3Vは一例であって、これに限定されるものではない。
さらに、第2実施形態によれば、制御信号Vadjによる出力電圧Voutの可変制御論理をカレントミラー回路17Bの有無で切り替えることが可能となる。
Vout=((R1+R2)/R1)*Vref−(R1*Vadj/R3) ……(7)
で表わされる。この式より、第1実施形態とは論理が逆、すなわち制御信号Vadjを低くすると出力電圧Voutが高くなることが分かる。
本変形例の出力電圧可変電源装置におけるオン・オフ制御端子CNTへの入力信号ON/OFFと、出力制御端子ADJへ入力される制御信号Vadjと、出力電圧Voutとの関係を示すと、図9(B)のようになる。図9(B)より、制御信号Vadjを例えば0〜3.3Vの範囲で変化させると、出力電圧VoutをVin〜V1の範囲で変化することが分かる。なお、制御信号Vadjの可変範囲の0〜3.3Vは一例であって、これに限定されるものではない。
また、前記実施例においては、本発明をシリーズレギュレータ方式の出力電圧可変電源装置に適用した場合について説明したが、本発明はシャントレギュレータ方式の電源装置にも利用することができる。
Claims (7)
- 直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子とを備えた電源制御用半導体装置であって、
前記制御回路は、
前記出力端子の出力電圧を分圧する第1分圧回路によって分圧された電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する第1誤差アンプと、
前記第1誤差アンプに入力される前記基準電圧または前記第1分圧回路による分圧電圧を、前記第1外部端子に入力される電圧に応じて変位させることで前記出力電圧を前記出力制御信号に応じた電圧に変更する出力電圧変更回路と、
を備えるように構成されていることを特徴とする電源制御用半導体装置。 - 前記出力電圧変更回路は、
前記第1外部端子に入力される電圧を分圧する第2分圧回路と、
前記第1分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードと定電位点との間に直列に接続された第1トランジスタおよび第1抵抗素子と、
前記第2分圧回路によって分圧された電圧と前記第1抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を出力する第2誤差アンプと、を備え、
前記第2誤差アンプの出力が前記第1トランジスタの制御端子に印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源制御用半導体装置。 - 前記出力電圧変更回路は、
前記基準電圧を分圧する第3分圧回路と、
前記第3分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードと定電位点との間に直列に接続された第2トランジスタおよび第2抵抗素子と、
前記第1外部端子に入力される電圧と前記第2抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を出力する第3誤差アンプと、を備え、
前記第3誤差アンプの出力が前記第2トランジスタの制御端子に印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源制御用半導体装置。 - 前記出力電圧変更回路は、
前記第1外部端子に入力される電圧が入力される第4誤差アンプと、
前記第2誤差アンプの出力が制御端子に印加される第3トランジスタと、
前記電圧入力端子に接続され前記第3トランジスタに流れる電流を転写するカレントミラー回路と、
前記第3トランジスタと直列に接続された第3抵抗素子と、
を備え、
前記第4誤差アンプは、前記第1外部端子に入力される電圧と前記第3抵抗素子により電流−電圧変換された電圧との電位差に応じた電圧を前記第3トランジスタの制御端子へ出力して前記第3トランジスタに前記電位差に応じた電流を流し、前記カレントミラー回路で転写された電流を前記第1分圧回路によって分圧された電圧が取り出されるノードから引き抜くかまたは流し込むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源制御用半導体装置。 - 前記基準電圧を生成する基準電圧源と、
前記基準電圧源および前記第1誤差アンプへ供給する動作電流を生成するバイアス回路と、
電源装置の動作を停止させるために外部から供給される制御信号が入力される第2外部端子と、を備え、
前記バイアス回路は、前記第2外部端子に入力される制御信号に応じて、前記基準電圧源および前記第1誤差アンプへの動作電流の供給を中止するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電源制御用半導体装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の電源制御用半導体装置と、
前記第1外部端子または前記第1外部端子および第2外部端子へ入力する信号を出力する制御装置と、を備え、
前記制御装置から前記前記第1外部端子へ入力される信号に応じて出力電圧が変化されるように構成されていることを特徴とする出力電圧可変電源装置。 - 前記電源制御用半導体装置の前記出力端子に接続される負荷が直流モータであることを特徴とする請求項6に記載の出力電圧可変電源装置。
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