JP2019184768A - ミストスクリーン形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定したミストスクリーンを得ること。【解決手段】 このミストスクリーン形成装置1000は、装置の上方にミストスクリーンSを形成するものであり、水タンク1001から供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置1と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器2と、整流後のミストを上方に所定形状で噴出させるミストガイド3と、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定形状で噴出するエアガイド4を前記ミストガイド3の両側に設けたエア噴出装置5とから構成される。形成されるミストスクリーンSは、装置上方にスクリーン状ないし膜状にミストが噴出されると共にその両側に膜状のエアが噴出されて、スクリーン厚さ方向でエア層AS、ミスト層MS、エア層ASからなる三層構造を形成する。【選択図】 図1
Description
本発明は、プロジェクターなどにより霧によるスクリーンに光を投射することで静止画又は動画を表示するミストスクリーン形成装置に関するものである。
従来から、特許文献1に開示されているようなミストディスプレイ装置が提案されている。このミストディスプレイ装置は、外乱風により液滴膜・液膜が乱れることで投影映像が乱れてしまうという課題に対し、液滴膜に投影された画像の歪みを算出する投影画像推定歪みデータ算出部と、算出された歪みを減じる補正値を算出する画像変換マトリクス生成部と、算出された補正値によって液滴膜に投影する画像を補正する補正処理部とを備えた構成により、当該課題を解決するものとしている。
しかしながら、上記従来のミストディスプレイ装置では、歪みを算出するにあたりカメラにより画像を取得したうえ、補正計算を行い、投影する画像自体に補正をかけているため、ミストディスプレイ装置自体が複雑になるうえ、現実的には効果的な補正を行うことは難しいという問題点がある。そこで、本発明では、ミストスクリーンを安定して形成できるミストスクリーン形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るミストスクリーン形成装置は、ミスト発生手段から供給を受けたミストをスクリーン状に吐出するミストスクリーン形成装置であって、一方向にミストをスクリーン状に吐出して空間上にミスト層を形成するミスト吐出手段と、ミストを含まないエアを前記ミストの吐出方向と略同一方向に且つ前記ミスト層の両側で噴出することで前記ミスト層を挟むエア層を形成するエア噴出手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、前記ミスト吐出手段は、前記ミストを吐出する帯状のミスト吐出口を有し、前記エア噴出手段は、エアを吐出すると共に前記ミスト吐出口の両側に隣接して設けた帯状のエア噴出口を有することを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、更に、筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体からなるミストガイドを、前記ミスト吐出口に連設したことを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、更に、筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体からなるエアガイドを、前記エア噴出口に連設したことを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、更に、前記ミストを貯留する貯留部と、前記ミスト発生手段から供給を受けたミストを通す通路とを有すると共に、当該通路がミストを貯留する貯留部に連通する穴を複数有し、前記ミスト吐出手段は、前記貯留部に貯留したミストをスクリーン状に吐出することを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、更に、前記複数の穴は、前記通路内のミストの流れの下流の穴が上流の穴より小さいことを特徴とする。
また、本発明に係るミストスクリーン形成装置は、上記発明において、更に、前記ミスト吐出手段は前記ミストを吐出する帯状のミスト吐出口を有し、当該ミスト吐出口は前記貯留部に設けられると共に、前記複数の穴は、前記ミスト吐出口の長手方向に略沿って配置されていることを特徴とする。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るミストスクリーン形成装置を示す概念図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は、本発明ミストスクリーンの形成態様を示す概念図である。このミストスクリーン形成装置1000は、装置の上方にミストスクリーンSを形成するものであり、水タンク1001から供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置1と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器2と、整流後のミストを上方の空間上に所定のスクリーン形状で吐出させるミストガイド3と、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定のスクリーン形状で前記ミストと同方向に噴出するエアガイド4を前記ミストガイド3の両側に設けたエア噴出装置5とから構成される。なお、このミストスクリーンSに対しては汎用のプロジェクターPにより画像を投射する。
図1は、本発明に係るミストスクリーン形成装置を示す概念図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は、本発明ミストスクリーンの形成態様を示す概念図である。このミストスクリーン形成装置1000は、装置の上方にミストスクリーンSを形成するものであり、水タンク1001から供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置1と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器2と、整流後のミストを上方の空間上に所定のスクリーン形状で吐出させるミストガイド3と、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定のスクリーン形状で前記ミストと同方向に噴出するエアガイド4を前記ミストガイド3の両側に設けたエア噴出装置5とから構成される。なお、このミストスクリーンSに対しては汎用のプロジェクターPにより画像を投射する。
図2に示したように、形成されるミストスクリーンSは、装置上方にスクリーン状ないし膜状にミストが噴出されると共にその両側に膜状のエアが噴出されて、スクリーン厚さ方向でエア層AS、ミスト層MS、エア層ASからなる三層構造を形成する。エア層ASでミスト層MSを挟むことで、ミストが上方(流れの下流)で拡散することを防止できるので、ミストスクリーンSを安定化でき、映像をきれいに形成できる。本発明の具体的な実施の形態を以下に示す。
図3は、本発明の実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置を示す構成図である。図4は、図3に示したミストスクリーン形成装置の側面図である。図5は、図3のA−A断面図である。図6は、図3のB−B断面図である。このミストスクリーン形成装置100は、本体筐体101の内部下方中央に配置されたミスト発生装置1と、当該ミスト発生装置1の上部に配置された前記発生させたミストを整流するミスト整流器2と、当該ミスト整流器2の上部に配置された整流後のミストを上方の空間上にスクリーン状に噴出させるミストガイド3と、前記ミスト発生装置1の両側に配置され且つエアを上方に噴出すると共に前記エアをスクリーン状に噴出するエアガイド4を前記ミストガイド3の両側に設けたエア噴出装置5とから構成される。これらは前記本体筐体に内設される。本体筐体101は、金属板で形成された全体が一方向に長い略直方体であり上部の長手方向が斜面101aとなる。エアガイド4とミストガイド3によりガイド部6が構成される。
上記各図及び図7の一部拡大断面図に示すように、前記ミスト発生装置1は、発生したミストを一時的に貯留する全体が一方向に長い直方体の筐体11と、当該筐体11の下部に配置されたミストを発生させる超音波振動子駆動ユニット12と、タンク12の上部で且つ超音波振動子13の直上に設けられると共に全体が略筒状であり、側面視にて円錐台形状で側面に超音波振動子13に噴霧液を供給させるための穴15を有し上下開口した噴霧ノズル14と、前記筐体11の側面の両側に設けた遠心ファン40とを有する。前記11の底には前記12と14が沈む程度の水位まで噴霧液が貯留され、前記14の下に取付けられた超音波振動子13によって噴霧液がミスト化される。前記筐体11内は、仕切り板15により二分割される。
図8乃至図11は、ミストスクリーン形成装置の分解図である。図8は、筐体からエア噴出装置を取り外した状態を示す三面図である。図9−1及び図9−2は、ミストガイド及びエアガイドを取り外した状態を示す外観図及び断面図である。図10は、ミスト整流器の貯留室を取り外した状態を示す外観図及び断面図である。図11は、中板を取り外した状態を示す外観図及び断面図である。
図11(C)及び(d)に、ミスト発生装置1との隔壁となる天板を露出した状態を示す。このように、前記筐体11の上部は、ミスト発生装置1との連結のため天板16に矩形の開口17が設けられる。この開口17は、長手方向の中心軸に対して一方側に偏在する。また、当該筐体11の側面の両側に遠心ファン40を設けたのは、分割した筐体11内の各区画にそれぞれエアを送り込むためである。また、前記超音波振動子13には前記12から所定周波数の電力が供給される(図示省略)。また、筐体11の下部には給水口が接続され、当該給水口はポンプを介して噴霧液タンク1001に接続される(図示省略)。
ミスト発生装置1の上部には、ミスト整流器2が配置されている。ミスト整流器2は、図8乃至図11に示すように、通路室21と貯留室22とからなり、短手方向の断面形状が略三角形ないし山形である。ミスト整流器2は、図12の通路模式図や図9−2(d)に示すように、内部でミストの通路23を形成しており、具体的には長手方向略中央部分から左右両端方向に通路23aが形成され、その両端で折り曲げられて反転し、隔壁24を介して前記通路23aと隣接する通路23bが形成される。
換言すれば、長手方向直方体の長手方向中央に仕切り板(隔壁24)が設けられ且つ当該仕切り板が両端で開放され、ミストが中央位置から両側に流れ再び中央方向に戻る通路23を形成する。かかる通路23を形成するため、ミスト整流器2の筐体21の内部は、中央長手方向の中央に隔壁24が設けられ、その両端は筐体21の両端側面に対して空隙を形成し、且つこの筐体20の長手方向両端には水平方向に湾曲してミストの流れをよくする湾曲板25が設けられる。
より詳細には、図10(c)に示すように、筐体21の天板25の下面には、前記隔壁24が設けられる。また、隔壁24は、中板26の長手方向中央に設けられる。更に、図11(d)に示すように、中板26を取り外すと前記筐体21の底板16が露出して、前記導入口28(開口17)が露出する。
次に、前記ミスト発生装置1の開口17と連結する部分には、当該開口17に被さるように且つ所定形状の矩形のミスト導入口28が設けられた底板27が接続される。そして、前記ミスト導入口28は、底板27の長手方向隔壁の片側に位置する。また、図10(d)に示すように、筐体21の中板26には、複数の穴29が略直線状に設けられる。この穴29は、長手方向中央が小さく、両端部にいくにつれて大きくなる。これは、両端部から流れてくるミストが通路中央でぶつかることから当該通路中央での圧力が高くなるため、当該通路中央の穴29を小さくし、中央に比べて圧力が低い両端側の穴29を大きくすることで、上部に設けた貯留室22へのミストの移動を均一化するためである。
最も中央位置の穴29と最も端部側の穴29との間には、面積比で2倍から3倍の差を設けるのが好ましい。このようにすれば、圧力の差が通路23内で生じても、貯留室22へのミストの移動を均一に行える。また、本実施の形態では、穴29は長手方向左右対称に4個ずつであり、穴29と穴29との間隔は、第一の穴29aと第二の穴29bとの間隔が、第二の穴29bと第三の穴29cとの間隔、第三の穴29cと第四の穴29dとの間隔よりも広い。これは、中央に穴29を寄せると、ミストが中央に集中しすぎるためである。また、中央の第一の穴29aから第四の穴29dまで、穴29の短手方向の位置は略一致する。後述する吐出口の略直下に寄せるためである。
貯留室22は、例えば図9−2(c),(d)に示すように、断面が略三角形状でありその頂部には帯状の吐出口71が設けられる。吐出口71の短手方向の寸法(厚さ)がミストスクリーンSの投影面の厚さとなる。貯留室22は、断面を略三角形又は山形にすることで、滞留するミストが生じ難くなる。そして、吐出口71を絞ることで所望の流速を得る。吐出口71の厚さ(帯幅)は、ミストスクリーンSが形成できるだけの厚さが必要であり、反対に厚すぎるのも好ましくない。特に、背面投射型のスクリーンとして用いる場合、映像がぼやけてしまうので、吐出口71の厚さは、少なくとも投射範囲で均一な厚さになるようにすると共にミストの流速も当該厚さを保持できる速度になるように設定する。
前記エア噴出装置5は、図5に示すように、前記ミスト発生装置1の両側に配置されている。エア噴出装置5は、ミストを含まないエアを上方に噴出する装置であり、前記ミスト発生装置1に連結するように設けた筐体51と、筐体51の側面に設けた複数の軸流ファン52と、筐体51の上部に開口したエア噴出口53とから構成される。エア噴出口53は、前記本体筐体101の形状に合わせて傾斜しており、且つ、前記貯留室22の山形形状の斜面に沿った形となる。このエア噴出装置5は、ミスト発生装置1により両側に略分離した構造になるが、図6に示すように、ミスト発生装置1の遠心ファン40の周囲の空間において内部空間が連結しており、よって前記軸流ファン52による風は、両方のエア噴出装置5の筐体51内に供給される。これにより、エア噴出装置5から噴出するエアがより均一になる。
なお、上記エア噴出装置5及びミスト発生装置1は、本体筐体101内に構成できれば、筐体同士を個別独立したものにしても良いし、一部の板金が共用になる構造であっても良い。即ち、ミスト発生装置1の両側にエア噴出装置5を構成できれば、具体的な筐体の構造は同図に示す例に限定されない。
ミストガイド3は、図8に示すように、前記ミスト整流器2の吐出口71に連設されている。また、ミストガイド3は、図13の拡大図(同図(a)が断面図、(b)が一部平面図である。)に示すように、その両側にエア噴出装置5のエアガイド4を構成する。同図の例では、ミストガイド3及びエアガイド4が一体構成となったガイド部6として構成されており、正六角形の筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体となる。筒状体のひとつひとつがガイドの役割を備えており、本構成では、前記吐出口71の直上に位置する筒状体がミストガイド3となり(図13(b)では一点鎖線で囲った部分)、前記エア噴出口53の直上に位置する筒状体がエアガイド4となる。
ハニカム構造の厚さ(筒状体の長さ)は、乱れた状態で侵入してきたミスト及びエアをガイドして流れを整え、ガイド部6の直上に噴出できるように設定するものとする。これにより、ミストスクリーンSは、図2に示したように、エア層AS、ミスト層MS、エア層ASの三層構造となって噴出される。同図の構成では、ミスト層MSの厚さに対してエア層ASの厚さを大きくしている。具体的には、ミスト層MSの2倍以上(10倍以下)の厚さのエア層ASを形成する。ミスト層MSが厚いと背面投射による画像形成時に画像を視認し難くなるため、薄いほうが好ましい。
ミストガイド3は、断面が六角形の筒状体からなるハニカム構造に限定されない。例えば、図14(a)に示すように、断面が四角形状の筒状体61を多数規則的に並べたハニカム構造にしても良い。また、図14(b)に示すように、断面形状が三角形状の筒状体62を多数規則的に並べたハニカム構造でもよい。更に、図14(c)に示すように、内部に整流フィン63を設けた帯状の筒状体64を幅方向に連接したハニカム構造でもよい。なお、本願のハニカム構造には、少なくとも図14に示す構造を含むものとする。ミストガイド3の高さは、ミストおよびエアを安定した流れにできるだけの寸法が必要である。各筒状体の断面積は、小さくすることでガイド効果が高まるが、小さくしすぎると筒状体内に付着した水滴によってミスト流れが阻害されるため、20ミリ平方メートル〜40ミリ平方メートルとするのが好ましい。
また、このミストスクリーン形成装置100は、ミスト発生装置1のミストの発生と遠心ファン40の駆動の制御を行うミスト制御部と、エア噴出装置5の軸流ファン52の駆動制御を行うエア制御部とを有する。ミスト制御部は、前記筐体11に取付けられた水位センサ(図示省略)の出力によって筐体11内の水位を検知しながらポンプを駆動して筐体11内の水位を一定範囲内に制御すると共に、超音波振動子駆動ユニット12へ電力の供給を行いミストの発生量を調整する。また、風量調整可能な遠心ファン40の駆動を行い、吐出口71からのミスト吐出量や速度を制御する。エア制御部は、軸流ファン52の駆動を制御することでエア噴出口53から噴出するエアの量や速度を調整する。
次に、このミストスクリーン形成装置100の動作について説明する。スクリーンを形成するにあたり、まず噴霧液タンク1001からポンプを経由して筐体11内に水を供給し、超音波振動子駆動ユニット12を駆動して筐体11内でミストを発生させる。このミストは噴霧ノズル14の先端から筐体11内に噴出する。筐体11内には、遠心ファン40により強力にエアが導入されている。筐体11内のミストは、上部の開口17(ミストの導入口28)からミスト整流器2内に移動する。
ミスト整流器2内に移動したミストは、内部の通路23をまず中央付近から左右の両端に向かって流れ、当該両端の湾曲板25で滑らかに反転して再び中央に戻る。そして、両側からのミスト流は通路23の中央付近でぶつかり合う。この通路23の流れの中で、通路23の上部に設けた複数の穴29からミストが貯留室22に移動する。当該複数の穴29は、両端側のものが面積が大きく、中央にいくにしたがって小さくなるので、貯留室22には、均一にミストが供給される。ミストが貯留室22に溜まると、その内圧によりミストが吐出口71から一定の流速をもって吐出される。吐出されたミストは、ミストガイド3によりガイドされて流れがきれいになり、その上端から上方にスクリーン状に噴出される。
一方、エア噴出装置5では、多数の軸流ファン52が駆動されて筐体51内にエアが大量に導入される。導入されたエアは、筐体51の上部に開口したエア噴出口53から噴出して前記エアガイド4に至り、当該エアガイド4により流れが整えられて上端から上方に噴出される。このエアは、前記ミストによるスクリーンの両側面に噴出形成され、ミストのスクリーンをサンドイッチした状態を作る。エアの流速は、ミストの流速より早くさせるのが好ましい。流速調整は、エア制御部により軸流ファン52の駆動をそれぞれ制御することで行う。
更に、エア噴出装置5は、エア層ASによりミスト層MSを挟み込んでミスト層MSのミストの拡散を防止する。即ち、エア層ASによりスクリーン状の空間を形成し、その内部にミストを閉じ込める。このようにすれば、ミスト層MSの拡散が防止され、所望の高さまでミスト層MSの厚さを維持できる。この結果、ミスト層MSに投影する画像を上下方向(ミストの流れ方向)で安定させることができる。また、エア層ASがミスト層MSに対して厚いことから、使用環境での周囲のエアの流れ、例えばエアコンや人が移動したときに生じる風を受けても、エア層ASの表層で当該風を吸収すると共に流れに取り込むことができるので、ミスト層MSが使用環境のエアの状態に影響を受けにくい。特に、エア層ASの流れが速く、厚いことでより効果が高まる。
このように形成したミストスクリーンSに対し、プロジェクターPにより映像を投射する。この投射光は、ミストスクリーンSのエア層ASを通過して、ミスト層MSの当該プロジェクターP設置側の表面で反射し、所望の画像や映像を形成する。
(実施の形態2)
図15は、本発明の実施の形態2に係るミストスクリーン形成装置を示す概念構成図である。図16は、図15に示したミストスクリーン形成装置を示す概念図である。このミストスクリーン形成装置100は、下方向にミストスクリーンSを形成するものであり、装置上側から、水タンクから供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置210と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器220と、整流後のミストを上方に所定の形状で噴出させるミストガイド203と、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定形状で噴出するエアガイド204を前記ミストガイド203の両側に設けたエア噴出装置205とを配置して構成される。このミストスクリーンSに対しては汎用のプロジェクターにより画像を投射する。エアガイド204とミストガイド203とにより、ガイド部206が構成される。
図15は、本発明の実施の形態2に係るミストスクリーン形成装置を示す概念構成図である。図16は、図15に示したミストスクリーン形成装置を示す概念図である。このミストスクリーン形成装置100は、下方向にミストスクリーンSを形成するものであり、装置上側から、水タンクから供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置210と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器220と、整流後のミストを上方に所定の形状で噴出させるミストガイド203と、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定形状で噴出するエアガイド204を前記ミストガイド203の両側に設けたエア噴出装置205とを配置して構成される。このミストスクリーンSに対しては汎用のプロジェクターにより画像を投射する。エアガイド204とミストガイド203とにより、ガイド部206が構成される。
ミスト発生装置210は、発生したミストを一時的に貯留する全体が一方向に長い直方体の筐体211と、当該筐体211の底面及び側面と仕切板212とで囲まれた噴霧液を貯留するタンク部201と、当該タンク201の底面に配置された超音波振動子駆動ユニット213と、超音波振動子駆動ユニット213の直上に設けられると共に全体が略筒状であり側面視にて円錐台形状で上下開口した噴霧ノズル230と、前記筐体211の側面に設けた遠心ファン240とを有する。 なお噴霧ノズル230と超音波振動子駆動ユニット213の接続部には超音波振動子が取付けられており(図示省略)、噴霧ノズル230の側面には超音波振動子に噴霧液が供給させるように穴を有する(図示省略)。
前記筐体211の下部の底板は、ミスト整流器220との連結のため開口している。また、前記超音波振動子駆動ユニット213は、所定周波数の電力を供給する駆動装置に接続される(図示省略)。また、タンク201の下部には、給水口が接続される。給水口はポンプを介して噴霧液タンクに接続される(図示省略)。
ミスト発生装置210の下部には、通路室221と貯留室222とからなるミスト整流器220が配置されている。ミスト整流器220は、図16に示すように、短手方向の断面形状が略逆三角形ないし逆山形である。ミスト整流器220は、内部でミストの通路223を形成しており、前記筐体211の底板の下部に設けた開口が導入口228として連通している。通路223は、具体的には長手方向一端から他端方向に通路223が形成され、その他端で折り曲げられて反転し、隔壁224を介して前記通路と隣接する通路223が形成される。当該他端には水平方向に湾曲してミストの流れをよくする湾曲板225が設けられている。
前記経路223の筐体211の底板には、複数の穴229が設けられる。この穴229は、通路223の下流側が小さくなるように形成される。これは、ミストが、通路末端で壁にぶつかり当該通路末端での圧力が高くなるため、当該通路末端の穴229を小さくし且つ上流側の穴229を大きくすることで、さらに下部に設けた貯留室222へのミストの移動を均一化する。
貯留室222は、断面が略三角形状でありその下頂部には帯状の吐出口271が設けられる。吐出口271の短手方向の寸法(厚さ)がミストスクリーンSの投影面の厚さとなる。貯留室222は、断面を略逆三角形又は逆山形にすることで、滞留するミストが生じない。そして、吐出口271を絞ることで所望の流速が得られる。吐出口271の厚さは、実施の形態1と同様の観点で設定する。
エア噴出装置205は、前記ミスト発生装置210の両側に一定間隔だけ離れて配置されている。エア噴出装置205は、エアを下方に噴出する構造であり、箱型の筐体251と、当該筐体251の側面に設けた複数の軸流ファン252と、前記筐体251の下部に開口したエア噴出口253とから構成される。
ミストガイド203は、前記ミスト整流器220の吐出口271に連設されている。また、エアガイド204は、前記エア噴出装置205のエア噴出口253に連設されている。更に、前記ミストガイド203及びエアガイド204は、図17(a)に示すように、ミストガイド3の両側に一定間隔離れてエアガイド204を構成する。同図の例では、ミストガイド203及びエアガイド204が一体構成となっており、正六角形の筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体となる。筒状体のひとつひとつがガイドの役割を備えており、本構成では、図17(b)に示すように、前記吐出口271の直下に位置する筒状体がミストガイド203となり、前記エア噴出口253の直下に位置する筒状体がエアガイド204となる。ミストガイド203とエアガイド204との間には、筒状体は設けられていない(ガイドなし領域260)。
ハニカム構造の厚さ(筒状体の長さ)は、乱れた状態で侵入してきたミスト及びエアをガイドして流れを整え、ミストガイド203の直下に噴出させるように設定するものとする。これによりミストスクリーンSは、図17(c)に示すように、エア層AS、中間層TS、ミスト層MS、中間層TS、エア層ASの五層構造となる。前記中間層TSは、ミスト層MSとエア層ASとの間に生じるエアの流れを積極的に生じさせていない空間領域である。
同図の構成では、ミスト層MSの厚さに対してエア層ASの厚さを大きくしている。具体的には、ミスト層MSの2倍以上(10倍以下)の厚さのエア層ASを形成する。ミスト層MSが厚いと背面投射による画像形成時に画像を視認し難くなるため、薄いほうが好ましい。なお、ミストガイド203は、断面が六角形の筒状体からなるハニカム構造に限定されない。
次に、このミストスクリーン形成装置200の動作について説明する。噴霧液タンクからタンク201に水を供給し、超音波振動子を駆動してタンク内でミストを発生させる。このミストは噴霧ノズル203の先端から筐体211内に噴出される。筐体211内は、遠心ファン204により強力にエアが導入されている。
筐体211内のミストは、下部の開口(ミストの導入口228)からミスト整流器220内に移動する。ミスト整流器220内に移動したミストは、通路223の一端から進み、他端の湾曲板225できれいに反転して戻るように流れ、一端の壁にぶつかる。そして、当該通路223を流れてきたミストは、通路223の下部に設けた複数の穴229から貯留室222に移動する。当該複数の穴229は、上流側が面積が大きく、下流になるほど小さくなるので、貯留室222には、均一にミストが供給される。ミストが貯留室222に溜まると、その内圧によりミストが吐出口271から一定の流速をもって吐出される。吐出されたミストは、ミストガイド203によりガイドされて流れが均一化され、下方にスクリーン状に噴出する。
一方、エア噴出装置205では、多数の軸流ファン252が駆動されて筐体251内にエアが大量に導入される。導入されたエアは、筐体251下部に開口したエア噴出口253から噴出して前記エアガイド204に至る。噴出したエアは、エアガイド204により流れが整えられてエアガイド204の下端から下方に噴出される。このエアは、前記ミストによるスクリーンの両側面に噴出形成され、ミストのスクリーンを中間層TSを介して挟んだ状態を形成する。エアの流速はミストの流速と略一致させるのが好ましい。流速調整は、エア制御部により軸流ファン252の駆動をそれぞれ制御することで行う。
このようにすれば、エア層ASにより、エアコンや人が移動したときに生じる使用環境における風を受けても、エア層ASの表層で当該風を吸収すると共に流れに取り込むことができるので、使用環境の風の流れに影響を受けにくい。更に、エア層ASとミスト層MSとの間には中間層TSが形成されているので、当該部分がバッファとなって、エア層ASの乱れの影響をミスト層MSが受け難くなる。
このように形成したミストスクリーンSに対し、プロジェクターPにより映像を投射する。この投射光は、ミストスクリーンSのエア層ASを通過して、ミスト層MSの当該プロジェクターP設置側の表面で反射し、所望の画像や映像を形成する。
(実施の形態3)
図18は、本発明の実施の形態3に係るミストスクリーン形成装置を示す一部構成図である。このミストスクリーン形成装置は、上記実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置100と略同一の構成であるが、形成するエア層ASをミスト層MSの両側でそれぞれ二層に形成する点に特徴がある。
図18は、本発明の実施の形態3に係るミストスクリーン形成装置を示す一部構成図である。このミストスクリーン形成装置は、上記実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置100と略同一の構成であるが、形成するエア層ASをミスト層MSの両側でそれぞれ二層に形成する点に特徴がある。
同図には、エア層ASを二層に形成するためのガイド部の平面図を示す。このガイド部360は、実施の形態1に示したガイド部6と略同一の構成であってエア噴出装置5のエア噴出口53に配置されるところ、ミスト層MS側の内エア層ASを形成する内領域350と、外側になる外エア層ASを形成する外領域351とを備え、噴出の結果として形成される中間層TSに対応する中間領域352には、前記筒状体は設けられない。即ち、実施の形態1のガイド部6のエアガイド4に相当する部分に、中間領域352を設けて当該中間領域352に筒状体を設けず(蓋をするのと同様の状態)を作り、エア噴出装置5のエア噴出部53からエアを噴出する。その他の構成は、実施の形態1と同様であるので図示及び説明を省略する。なお、内領域350と外領域351を形成する各筒状体の大きさを異なるものとしても良いし、長さを異なるものとしても良い。ミスト層MSを形成する部分は、ミスト層形成領域353である。
図19は、図18に示したガイド部により形成したミストスクリーンSの構造を示す模式図である。このガイド部360を用いてミスト整流器2からミストスクリーンSを形成し、この両側にガイド部の内領域350により内エア層AS1を形成する。この状態で、実施の形態1と略同様にミスト層MSの両側に内エア層AS1を形成して当該ミスト層MSを挟んだ状態を形成する。内エア層AS1は、上記実施の形態1のエア層ASと同様の作用効果を備えている。すなわち、内エア層AS1によりミスト層MSを挟み込んでミスト層MSのミストの拡散を防止し、所望の高さまでミスト層MSの厚さを維持できる。この結果、ミスト層MSに投影する画像を上下方向(ミストの流れ方向)で安定させることができる。
更に、外領域により外エア層AS2を形成する。外エア層AS2は、外部のエアコンや扇風機の風の流れを吸収して上方に押し上げる。外エア層AS2と内エア層AS1との間にはバッファとなる中間層TSが形成されるので、外エア層AS2の流れの乱れの影響を受けにくい。中間層TSの厚さ(幅)は、大きくするほど外部環境の風による影響を抑制できる。
(実施の形態4)
図20は、本発明の実施の形態4に係るミストスクリーン形成装置を示す構成図である。前記実施の形態3の構成における前記中間層TSを無くし(内エア層AS1と外エア層AS2とを隣接させ)、更に、内エア層AS1と外エア層AS2とのそれぞれにエアを噴出するエア噴出装置5とエア噴出口53を個別に設けても良い。同図に示すように、このミストスクリーン形成装置では、上記実施の形態と略同一構成となるエア噴出装置5a、エア噴出装置5bがミスト発生装置及びミスト整流器2の両側にそれぞれ設けられる。
図20は、本発明の実施の形態4に係るミストスクリーン形成装置を示す構成図である。前記実施の形態3の構成における前記中間層TSを無くし(内エア層AS1と外エア層AS2とを隣接させ)、更に、内エア層AS1と外エア層AS2とのそれぞれにエアを噴出するエア噴出装置5とエア噴出口53を個別に設けても良い。同図に示すように、このミストスクリーン形成装置では、上記実施の形態と略同一構成となるエア噴出装置5a、エア噴出装置5bがミスト発生装置及びミスト整流器2の両側にそれぞれ設けられる。
エア噴出装置5aのエア噴出口とエア噴出装置5bのエア噴出口とは、吐出口71の両側に併設されている。ガイド部6は、上記同様、断面が六角形の筒状体を多数並べたハニカム構造である。前記吐出口71の直上に位置する筒状体がミストガイド3となり、前記エア噴出口53aの直上に位置する筒状体が内エア層AS1用のエアガイド4aとなる。前記エア噴出口53bの直上に位置する筒状体が外エア層AS2用のエアガイド4bとなる。
ミスト発生装置で発生したミストはミスト整流器2で整流され、吐出口71からミストガイド3によりスクリーン状に吐出される。エア噴出装置5aとエア噴出装置5bとは、それぞれエアをエア噴出口53a及びエア噴出口53bから噴出し、内エア層AS1及び外エア層AS2を形成する。この内エア層AS1及び外エア層AS2は、ミスト層MSをサンドイッチした状態を作る。
また、外エア層AS2の流速を内エア層AS1の流速より早くするように、エア噴出装置5aとエア噴出装置5bとの軸流ファンが駆動制御される。外エア層AS2の流速を内エア層AS1の流速より早くすることで、ミストスクリーン上部におけるエア層AS1の拡散を防止し、それに伴って内部のミスト層MSの拡散が防止され、その結果、ミスト層MSに投影する画像を上下方向(ミストの流れ方向)でより安定させることができる。
更に、エア噴出装置5a内の筐体51内部へ湿度の高いエア供給するための加湿器を設け(図示省略)、ミストにはならない程度の湿度の高いエアを吐出することで前記内エア層AS1を形成しても良い。このように、ミスト層MSを高湿度の内エア層AS1で挟まれることになり、内エア層AS1に通常のエアを吐出した場合に比べ、ミスト層MSと内エア層AS1の湿度勾配が少なくなってミスト層MSの拡散が防止され、その結果、ミスト層MSに投影する画像を上下方向(ミストの流れ方向)でより安定させることができる。
100 ミストスクリーン形成装置
101 本体筐体
1 ミスト発生装置
2 ミスト整流器
3 ミストガイド
4 エアガイド
5 エア噴出装置
6 ガイド部
101 本体筐体
1 ミスト発生装置
2 ミスト整流器
3 ミストガイド
4 エアガイド
5 エア噴出装置
6 ガイド部
Claims (7)
- ミスト発生手段から供給を受けたミストをスクリーン状に吐出するミストスクリーン形成装置であって、
一方向にミストをスクリーン状に吐出して空間上にミスト層を形成するミスト吐出手段と、
ミストを含まないエアを前記ミストの吐出方向と略同一方向に且つ前記ミスト層の両側で噴出することで前記ミスト層を挟むエア層を形成するエア噴出手段と、
を備えたことを特徴とするミストスクリーン形成装置。 - 前記ミスト吐出手段は、前記ミストを吐出する帯状のミスト吐出口を有し、前記エア噴出手段は、エアを吐出すると共に前記ミスト吐出口の両側に隣接して設けた帯状のエア噴出口を有することを特徴とする請求項1に記載のミストスクリーン形成装置。
- 更に、筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体からなるミストガイドを、前記ミスト吐出口に連設したことを特徴とする請求項1又は2に記載のミストスクリーン形成装置。
- 更に、筒状体を多数規則的に並べたように形成したハニカム構造体からなるエアガイドを、前記エア噴出口に連設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のミストスクリーン形成装置。
- 更に、前記ミストを貯留する貯留部と、前記ミスト発生手段から供給を受けたミストを通す通路とを有すると共に、当該通路がミストを貯留する貯留部に連通する穴を複数有し、
前記ミスト吐出手段は、前記貯留部に貯留したミストをスクリーン状に吐出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のミストスクリーン形成装置。 - 更に、前記複数の穴は、前記通路内のミストの流れの下流の穴が上流の穴より小さいことを特徴とする請求項5に記載のミストスクリーン形成装置。
- 更に、前記ミスト吐出手段は前記ミストを吐出する帯状のミスト吐出口を有し、
当該ミスト吐出口は前記貯留部に設けられると共に、
前記複数の穴は、前記ミスト吐出口の長手方向に略沿って配置されていることを特徴とする請求項6に記載のミストスクリーン形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018073951A JP2019184768A (ja) | 2018-04-06 | 2018-04-06 | ミストスクリーン形成装置 |
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KR102258777B1 (ko) * | 2019-12-05 | 2021-06-01 | 주식회사 셀코스 | 안개 스크린 장치 |
-
2018
- 2018-04-06 JP JP2018073951A patent/JP2019184768A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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