JP5513652B1 - 超音波式加湿器 - Google Patents

Abstract

【課題】超音波加湿器の超音波による霧化作用を促進するように構成すること。
【解決手段】給水手段である給水タンク内の水を受け取って超音波霧化手段により超音波振動子によって水を霧化し、外部(室内）に誘導し放出する超音波式加湿器であって、霧を室内に誘導する霧誘導手段である霧誘導筒に対応して複数の超音波振動子５４Ａ、５４Ｂを備え、これらの超音波振動子５４Ａ、５４Ｂは、周面に丸み５２Ｃを有する霧化水槽５２の底板に取り付けられている。
【選択図】図５

Description

本発明は、給水タンクから給水される水を超音波振動によって霧化し室内に放出して室内を加湿する超音波式加湿器の改良に関するものである。

超音波式加湿器は、超音波振動子に高周波電圧を印加して発生する高周波振動エネルギーを水面に伝達して微細な霧を発生するので、動作音が静かで快適であり、近年著しく普及している(例えば、特許文献１参照)。

特許文献１による超音波式加湿器は、１つの霧放出口３８に対応して霧化水槽２８Ａ内に１つの超音波振動子３０を備え、この超音波振動子によって霧化水槽２８Ａ内で発生した霧をファン３６によって霧放出口３８に誘導している。しかし、この加湿器は、加湿量が一般に小さく、また超音波振動子３０から受ける振動により水が霧化して得られる水粒が比較的大きく、霧を室内に広く噴霧することが難しく、床面を濡らす欠点があった。

また、特許文献１による加湿器は、単に、霧化水槽２８Ａ内で発生した霧をファン３６によって霧放出口３８に誘導しているだけであるので、外部（室内）に放出された霧が室内に有効に循環し難い欠点があった。

特開２０００−２７４７５６号

本発明が解決しようとする課題は、加湿量を増大すると共に、霧を室内に有効に拡散することができる超音波式加湿器を提供することにある。

本発明は、上記の課題を解決するために、給水手段と、前記給水手段内の水を受け取って超音波振動子によって霧化する超音波霧化手段と、
、前記給水手段と超音波霧化手段と霧誘導手段とを内部に装備する加湿器ケースとを備えた超音波式加湿器において、前記超音波霧化手段は、前記霧誘導手段の１つの霧誘導筒に対応して複数の超音波振動子を備え、前記複数の超音波振動子は、相互に振動が干渉しない程度の間隔をあけて配置され、前記霧誘導手段の霧噴出口は、前記加湿器ケースの上面の蓋の盛り上がり部分で斜め横方向に霧を放出するように設けられ、且つ前記霧誘導手段の霧噴出口に接近して前記霧噴出口から噴出された霧を室内に拡散する空気吹き出し口を有するサーキュレータを更に備えていることを特徴とする超音波式加湿器を提供することにある。

本発明の上記課題解決手段において、前記霧誘導手段は、前記超音波霧化手段で発生した霧を前記霧誘導筒に誘導する霧誘導ファンを含んでいるのが好ましい。

また、本発明の上記課題解決手段において、隣り合う超音波振動子の間隔は、振動子の中心間で測定して前記超音波振動子のパッキングから露出した部分の直径の２．５倍以上とするのが好ましく、最も好ましくは、３．３倍以上である。しかし、この間隔を大きくしすぎると、加湿器全体が大型するため、３．３倍付近が最適である。

本発明の上記課題解決手段において、前記複数の超音波振動子は、霧化水槽の底板に取り付けられているのが好ましく、特にこの底板を含む水槽の周面は、少なくとも一部に丸みを有するのが望ましい。この丸みは、前記超音波振動子の外周面の曲面に相応する曲面を有するのが更に好ましい。

本発明によれば、１つの霧誘導筒に対応して１つの超音波振動子ではなく、複数の超音波振動子が相互に振動干渉することがなく配置されているので、水の霧化が促進され、噴霧量、即ち加湿量を増大ことができる。

特に、超音波振動子が周面に丸みを有する霧化水槽の底板に取り付けられているので、矩形の霧化水槽に比べて霧化作用が一層促進され、この面からも加湿量を増大することができる。

更に、蓋の盛り上がり部分で斜めに放出するように設けられた霧噴出口に接近してサーキュレータの空気吹き出し口が設けられていると、霧が室内に有効に拡散されるので、室内全体を有効に加湿することができる。

は、本発明に係る加湿器の全体の斜視図である。 は、本発明の加湿器の蓋と側板とを取り外してその内部を示す斜視図である。 は、本発明の加湿器の給水タンクと霧拡散用ファンのケースとを取り外した状態の斜視図である。 は、図３の状態から霧誘導筒を取り外した状態の上面図である。 は、図４の状態から更に霧拡散用ファンと給水タンクの底とを取り外した状態の上面図である。 は、図５の状態の斜視図である。 は、超音波振動子の断面（Ａ）と平面（Ｂ）とを示す図である。

本発明の１つの実施形態による超音波式加湿器１０が図１乃至図６に示されており、以下この加湿器１０をこれらの図面を参照して詳細に説明する。

この超音波式加湿器１０は、加湿器ケース２０と、給水手段３０と、サーキュレータ４０と、超音波霧化手段５０と、生成した霧を外部(室内)に誘導して放出する霧誘導手段６０とを備えている。給水手段３０とサーキュレータ４０と超音波霧化手段５０と霧誘導手段６０とは、加湿器ケース２０内に装備されている。

加湿器ケース２０は、例えば、プラスチック製の容器２２から成っており、図１に示すように、幅が奥行よりも大きく、両側周面に丸みを有する略矩形状の形態を有する。この加湿器ケース２０は、その開口を着脱自在に覆う蓋２４を有する。この蓋２４は、後に述べる給水タンクの上面を隠ぺいし、また同様に後に述べるサーキュレータ４０の空気吹き出し口の一半部に沿った形状として空気吹き出し口を露出する半円形の切欠き２４Ｈを有する。

給水手段３０は、図２に示すように、加湿器ケース２０の一半部に着脱自在に装填される給水タンク３２から成っており、加湿器ケース２０内にはこの給水タンク３２が装填された状態でその直下に位置するように、イオン交換樹脂が充填されたフィルターカートリッジ３４が配置されている。図示の実施の形態では、２つの給水タンク３２Ａ、３２Ｂを有し、加湿器ケース２０の一半部の空間の前後の空間部分に装填されているが、これらの２つの給水タンク３２Ａ、３２Ｂが一体となった１つの給水タンクから成っていてもよい。なお、図３において符号３６Ａ、３６Ｂは、給水タンク３２Ａ、３２Ｂの図示しない給水弁に対応して設けられて給水弁を開く弁開放部である。

サーキュレータ４０は、室内の空気を循環させて霧を室内に拡散して循環させるためのものである。このサーキュレータ４０は、加湿器ケース２０の他半部内に配置されたプロペラファン４２から成っており、このプロペラファン４２は、円筒状ファンケース４４内に配置され、ファンケース４４は、後に述べる超音波霧化手段の霧噴出口に接近して空気が吹き出す空気吹き出し口４６を有する筒蓋４８によって閉じられている。加湿器ケース２０の蓋２４の半円形切欠き２４Ｈは、この筒蓋４８の一半部の縁に相応してこの筒蓋４８を露出している。

超音波霧化手段５０は、加湿器ケース２０の底部に設けられた図示しない給水通路を経て霧化すべき水を所定の水位で受け取る霧化水槽５２と、この霧化水槽５２の底板５２Ｂに取り付けられて後に述べる１つの霧誘導筒に対応する複数の超音波振動子、図示の例では２つの超音波振動子５４Ａ、５４Ｂから成っている。

これらの超音波振動子５４Ａ、５４Ｂは、これらの超音波振動子が同時に駆動される場合、相互に振動が干渉しない程の間隔Ｄ(隣り合う超音波振動子の中心間で測定した間隔)をあけて配置されている。超音波振動子５４Ａ、５４Ｂ（図７では総体的には符号５４で示されている）には、パッキングから露出した部分が２１ｍｍの直径ｄを有する場合、これらの超音波振動子５４Ａ、５４Ｂの間隔Ｄは、２．５倍（５２．５ｍｍ）以上、２０倍（４２０ｍｍ）以下とするのが好ましく、更に好ましくは、３．３倍（７０ｍｍ以上）、１０倍（２１０ｍｍ）以下であるが、実用上は、３．３３倍（７０ｍｍ）程度が最も好ましい。なお、超音波振動子５４のパッキングから露出した部分とは、図７に示すように、超音波振動子５４の圧電素子５４Ｍがパッキング５４Ｐで覆われていない部分を意味し、その直径は同図に符号ｄで示されている。

また、これらの超音波振動子５４Ａ、５４Ｂが取り付けられた霧化水槽５２の外周面は、底板を有する部分を含めて丸み５２Ｃを有するのが好ましい。特に、この丸み５２Ｃは、超音波振動子５４Ａ、５４Ｂの外周面の曲面に相応する曲面(符号５２ＣＣ参照)を少なくとも部分的に有するのが一層好ましい。このように、霧化水槽５２の外周に丸み５２Ｃを付与すると、周面が矩形又は正方形である場合に比べて同じ条件で霧化量(加湿量)が著しく増加することが実験で確かめられた。

霧誘導手段６０は、霧化水槽５２の中心から立ち上がる霧誘導筒６２から成っており、この霧誘導筒６２の上端の頭部６２Ｔには、斜め横方向に霧を放出する霧噴出口６４を有する。この霧噴出口６４は、図１に示すように、加湿器ケース２０の上面の蓋２４の盛り上がり部分２４Ｒに設けられ、サーキュレータ４０の空気吹き出し孔４６に向けて指向する開口２４ＲＨに一致するように形成されている。従って、霧化水槽５２内に発生した霧は、この霧誘導等筒６２を上昇して霧噴出口６４から噴出して室内に放出される。

給水タンク３２、図示の形態では２つの給水タンク３２Ａ、３２Ｂは、霧化水槽５２及び霧誘導筒６２の前後の一半部を逃げて霧化水槽５２と霧誘導筒６２が入り込む空間Ｓを囲む壁を有しており、従って、霧誘導筒６２は、加湿器ケース２０内に装填された給水タンク３２Ａ、３２Ｂに囲まれた状態となる。

霧誘導手段６０は、霧化水槽５２で発生した霧が霧誘導筒６２内を上昇するように搬送する空気流を発生する霧誘導ファン６６を含み、この霧誘導ファン６６は、サーキュレータ４０のプロペラファン４２の下方に配置されている。図示していないが、この霧誘導ファン６６からの空気流は、図示しない経路を経て霧化水槽５２及び霧誘導筒６２に流入されて霧を上昇させる機能を有する。

上記実施の形態による加湿器１０は、給水タンク３２Ａ、３２Ｂ内の水が図示しない内部給水経路を経て霧化水槽５２内に所定の水位で供給され、超音波振動子５４の駆動によって発生する高周波振動エネルギーによって霧を発生し、この霧は、霧誘導ファン６６からの空気流によって霧誘導筒６２内を上昇し、霧噴出口６４から室内に噴出される。一方、サーキュレータ４０のプロペラファン４２を駆動すると、空気吹き出し口４６から空気が吹き出し、霧噴出口６４から噴出する霧を室内に拡散し、室内を有効に加湿することができる。

霧化水槽内に霧誘導筒に対応して配置された複数の超音波振動子によって霧化が促進され、また超音波振動子が取り付けられる霧化水槽及びその底板の周面に丸みを有することによって周面が矩形等の霧化水槽に比べて霧化作用が一層促進され、加湿量を著しく増大することができ、また霧の室内での拡散がサーキュレータによって促進されるので、産業上の利用性が向上する。

１０ 超音波式加湿器
２０ 加湿器ケース
２２ プラスチック製の容器
２４ 蓋
２４Ｈ 半円形切欠き
２４Ｒ 盛り上がり部分
２４ＲＨ 開口
３０ 給水手段３０
３２、３２Ａ、３２Ｂ 給水タンク
３４ フィルターカートリッジ
３６Ａ、３６Ｂ 弁開放部
４０ サーキュレータ
４２ プロペラファン
４４ ファンケース
４６ 空気吹き出し口
４８ 筒蓋
５０ 超音波霧化手段
５２ 霧化水槽
５２Ｃ 丸み
５２ＣＣ 曲面
５４、５４Ａ、５４Ｂ 超音波振動子
５４Ｍ 圧電素子
５４Ｐ パッキング
６０ 霧誘導手段
６２ 霧誘導筒
６２Ｔ 霧誘導筒の頭部
６４ 霧噴出口
６６ 霧誘導ファン
Ｓ 霧化水槽と霧誘導筒が入り込む空間
Ｄ 超音波振動子の間隔
ｄ 超音波振動子のパッキングから露出した部分の寸法（直径）

Claims (6)

1. 給水手段と、前記給水手段内の水を受け取って超音波振動子によって霧化する超音波霧化手段と、前記超音波霧化手段で発生した霧を外部に誘導する霧誘導手段と、前記給水手段と超音波霧化手段と霧誘導手段とを内部に装備する加湿器ケースとを備えた超音波式加湿器において、前記超音波霧化手段は、前記霧誘導手段の１つの霧誘導筒に対応して複数の超音波振動子を備え、前記複数の超音波振動子は、相互に振動が干渉しない程度の間隔をあけて配置され、前記霧誘導手段の霧噴出口は、前記加湿器ケースの上面の蓋の盛り上がり部分で斜め横方向に霧を放出するように設けられ、且つ前記霧誘導手段の霧噴出口に接近して前記霧噴出口から噴出された霧を室内に拡散する空気吹き出し口を有するサーキュレータを更に備えていることを特徴とする超音波式加湿器。
2. 請求項１に記載の超音波式加湿器であって、前記霧誘導手段は、前記超音波霧化手段で発生した霧を前記霧誘導筒に誘導する霧誘導ファンを含んでいることを特徴とする超音波式加湿器。
3. 請求項１又は２に記載の超音波式加湿器であって、隣り合う超音波振動子の間隔は、振動子の中心間で測定して、前記超音波振動子のパッキングから露出する部分の直径の２．５倍以上であることを特徴とする超音波式加湿器。
4. 請求項３に記載の超音波式加湿器であって、前記隣り合う超音波振動子の間隔は、前記超音波振動子のパッキングから露出する部分の直径の３．３倍以上であることを特徴とする超音波式加湿器。
5. 請求項１乃至４のいずれかに記載の超音波式加湿器であって、前記複数の超音波振動子は、霧化水槽の底板に取り付けられ、前記霧化水槽は、周面の少なくとも一部に丸みを有することを特徴とする超音波式加湿器。
6. 請求項５に記載の超音波式加湿器であって、前記霧化水槽の周面の丸みは、前記の超音波振動子の外周面の曲面に相応する曲面を有することを特徴とする超音波式加湿器。

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