JP2019184738A - 清掃部材、画像形成装置用ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項2に係る発明は、前記第1発泡弾性層の平均骨格径D1が、前記第2発泡弾性層の平均骨格径D2より小さいことを特徴とする請求項1に記載の清掃部材である。
請求項3に係る発明は、前記第1発泡弾性層の圧縮応力F1が10kPa以上20kPa以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の清掃部材である。
請求項4に係る発明は、前記第2発泡弾性層の圧縮応力F2が7kPa以上12kPa以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の清掃部材である。
請求項5に係る発明は、前記第2発泡弾性層の圧縮応力F2に対する前記第1発泡弾性層の圧縮応力F1の比率F1/F2が、1より大きく且つ2以下の範囲であることを特徴とする請求項3または4に記載の清掃部材である。
請求項6に係る発明は、前記被清掃部材は、被帯電体を帯電させるとともに、表面に平均間隔Smの凹凸が形成され、前記清掃部材は、前記第1発泡弾性層の平均骨格径D1が前記被清掃部材の凹凸の平均間隔Smと比較して小さく、前記第2発泡弾性層の平均骨格径D2が当該被清掃部材の凹凸の平均間隔Smと比較して大きいことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の清掃部材である。
請求項7に係る発明は、前記第1発泡弾性層が前記被清掃部材の表面から異物を削り取り、前記第2発泡弾性層が当該被清掃部材の表面の異物を均すことを特徴とする請求項1に記載の清掃部材である。
請求項8に係る発明は、前記被清掃部材は、被帯電体を帯電させ、前記清掃部材は、前記第1発泡弾性層および前記第2発泡弾性層を前記被清掃部材の表面に接触させながら回転し、当該被清掃部材の表面に当該第1発泡弾性層が接触した後に当該第2発泡弾性層が接触するまでの期間が、当該第2発泡弾性層が接触した後に当該第1発泡弾性層が接触するまでの期間と比較して短いことを特徴とする請求項7に記載の清掃部材である。
請求項9に係る発明は、芯体と、前記芯体の外周面に螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層と、前記第1発泡弾性層以上の平均骨格径を有し、当該第1発泡弾性層と比較して硬度が低く、当該第1発泡弾性層と隣接して前記芯体の外周面に螺旋状に巻き回される第2発泡弾性層とを備える清掃部材である。
請求項10に係る発明は、被清掃部材と、芯体と、当該芯体の外周面に二重螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層および第2発泡弾性層とを有し、当該第1発泡弾性層の圧縮応力F1が当該第2発泡弾性層の圧縮応力F2と比較して大きく、当該第1発泡弾性層および当該第2発泡弾性層を前記被清掃部材の表面に接触させて当該被清掃部材を清掃する清掃部材とを備える画像形成装置用ユニットである。
請求項11に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電部材と、芯体と、当該芯体の外周面に二重螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層および第2発泡弾性層とを有し、当該第1発泡弾性層の圧縮応力F1が当該第2発泡弾性層の圧縮応力F2と比較して大きく、当該第1発泡弾性層および当該第2発泡弾性層を前記帯電部材の表面に接触させて当該帯電部材を清掃する清掃部材とを備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、第1発泡弾性層の平均骨格径D1が第2発泡弾性層の平均骨格径D2以上である場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、第1発泡弾性層の圧縮応力F1が10kPa未満である場合または第1発泡弾性層の圧縮応力F1が20kPaよりも大きい場合と比べて、被清掃部材の表面における異物の増加が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、第2発泡弾性層の圧縮応力F2が7kPa未満である場合または第2発泡弾性層の圧縮応力F2が12kPaよりも大きい場合と比べて、被清掃部材の表面における異物の存在の面内ムラが抑制される。
請求項5に係る発明によれば、第2発泡弾性層の圧縮応力F2に対する第1発泡弾性層の圧縮応力F1の比率F1/F2が1以下である場合または第2発泡弾性層の圧縮応力F2に対する第1発泡弾性層の圧縮応力F1の比率F1/F2が2よりも大きい場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
請求項6に係る発明によれば、第1発泡弾性層の平均骨格径D1が第2発泡弾性層の平均骨格径D2よりも大きい場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
請求項7に係る発明によれば、芯体に対して互いに硬度が等しい複数の発泡弾性体を螺旋状に巻き回した清掃部材を用いる場合と比べて、被清掃部材の表面に異物が増えることおよび異物の存在の面内ムラが抑制される。
請求項8に係る発明によれば、第1発泡弾性層が接触した後に第2発泡弾性層が接触するまでの期間が、第2発泡弾性層が接触した後に第1発泡弾性層が接触するまでの期間以上である場合と比べて、被清掃部材の表面に存在する異物の面内ムラがより抑制される。
請求項9に係る発明によれば、芯体に対して互いに硬度が等しい複数の発泡弾性体を螺旋状に巻き回した清掃部材を用いる場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
請求項10に係る発明によれば、芯体に対して互いに硬度が等しい複数の発泡弾性体を螺旋状に巻き回した清掃部材を用いる場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
請求項11に係る発明によれば、芯体に対して互いに硬度が等しい複数の発泡弾性体を螺旋状に巻き回した清掃部材を用いる場合と比べて、清掃性能の低下が抑制される。
(画像形成装置の構成)
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成の一例を示した図である。同図に示す画像形成装置1は、単色プリンタであり、画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10、ユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対するメッセージ等を表示するユーザインタフェース(UI)4、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部5、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3等といった外部装置に接続され、これらから受信された画像データに対して画像処理を施す画像処理部6を備えている。
また、画像形成装置1は、画像形成部10に対して記録材を供給する記録材供給部40、画像形成部10に対してトナーを供給するトナーカートリッジ45を備えている。
図1および図2に示すように、画像形成部10は、回転可能に設けられ静電潜像を形成してトナー像を保持する被帯電体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を帯電する帯電装置100、帯電装置100によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光装置14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像装置15、転写後の感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ16を備えている。なお、本実施の形態における感光体ドラム12は、不図示の回転軸を備え、その軸方向が画像形成装置1のフロント側(図中手前側)からリア側(図中奥側)に向くように配置されている。
さらに、画像形成部10は、転写ロール20によりトナー像が転写された記録材を感光体ドラム12の表面から剥離する剥離器17を備えている。
本実施の形態の画像形成部10では、感光体ドラム12、帯電装置100、現像装置15、クリーナ16および剥離器17は、一体化された画像形成モジュール11として構成されている。そして、画像形成モジュール11は、画像形成装置1に対して着脱可能に構成され、感光体ドラム12の寿命等に応じて交換される。
その後、トナー像が転写された記録材は、剥離器17により感光体ドラム12の表面から剥離され、定着装置30まで搬送される。定着装置30に搬送された記録材上のトナー像は、定着装置30によって熱および圧力による定着処理を受けて記録材上に定着される。そして定着画像が形成された記録材は、画像形成装置1の排紙積載部(不図示)に搬送される。
一方、転写後に感光体ドラム12の表面に付着しているトナー(転写残トナー)は、転写の終了後に感光体ドラム12の表面からクリーナ16によって除去される。
このようにして、プリント枚数分のサイクルだけ画像形成処理が繰り返して実行される。
続いて、本実施の形態の帯電装置100の構成について説明する。
帯電装置100は、図2に示すように、回転可能に支持され、感光体ドラム12を帯電する帯電部材または被清掃部材の一例としての帯電ロール50と、回転可能に支持され、帯電ロール50の表面を清掃する清掃部材の一例としてのクリーニングロール60とを備えている。
そして、本実施の形態では、不図示の駆動手段により駆動される感光体ドラム12の回転に従動して、帯電ロール50が矢印B方向へ回転するようになっている。さらに、帯電ロール50の回転に従動して、クリーニングロール60が矢印C方向へ回転するようになっている。
続いて、帯電ロール50について説明する。
本実施の形態の帯電ロール50は、感光体ドラム12の回転軸方向に沿って設けられ不図示の軸受けに回転可能に支持される帯電軸52と、帯電軸52の外周に設けられ、感光体ドラム12の表面に接触して感光体ドラム12を帯電する帯電層54とを備えている。
また、帯電軸52は、円柱状の形状を有しており、その両端が帯電層54の両端から突出している。そして、帯電軸52は、帯電層54から突出する両端が不図示の軸受けに回転可能に支持されるとともに、この軸受けを介して一方の端部に不図示の給電手段によって電圧が印加される。
帯電層54における導電性弾性層としては、弾性材に導電剤を添加したものを用いることができる。また、導電性弾性層には、必要に応じて、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等の、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。
また、導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
さらにまた、表面層には、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を含有させてもよい。
これに対し、本実施の形態では、クリーニングロール60に以下の構成を採用し、帯電ロール50の表面に堆積する異物が増えることを抑制しつつ、異物の存在の面内ムラを抑制し、清掃性能の低下を抑制して長期間に亘る維持性を高めている。
続いて、本実施の形態のクリーニングロール60の構成について説明する。図3は、本実施の形態が適用されるクリーニングロール60の構成を示した図である。図3は、クリーニングロール60を、感光体ドラム12の回転軸方向に直交する方向から見た図を示している。また、図4は、本実施の形態が適用されるクリーニングロール60における後述する発泡弾性層70の拡大図である。図4は、後述する芯体62に螺旋状に巻き回された発泡弾性層70の側面を、後述する軸方向Qから見た図に対応する。
本実施の形態の芯体62は、円柱状の形状を有しており、その両端が発泡弾性層70の両端から突出し不図示の軸受けに回転可能に支持されている。芯体62の外径は、例えば、φ2mm以上φ12mm以下とすることが好ましい。
本実施の形態の発泡弾性層70では、第1発泡弾性層71の圧縮応力F1が、第2発泡弾性層72の圧縮応力F2と比較して大きい。
これにより、本実施の形態の帯電装置100では、帯電ロール50の表面に異物が増えることおよび異物の存在の面内ムラが抑制される。そして、クリーニングロール60による帯電ロール50の清掃性能の低下が抑制され、清掃性能が長期間に亘って維持される。
そして、3個の試験片に対して同様に40%変形圧縮応力を測定し、これらの平均値を、発泡弾性層70(第1発泡弾性層71、第2発泡弾性層72)の圧縮応力F1、F2とする。
また、第2発泡弾性層72の圧縮応力F2は、帯電ロール50の表面に残る異物を均しやすくする観点から、7kPa以上12kPa以下であることが好ましく、8kPa以上10kPa以下であることがより好ましい。
さらに、同様の観点から、第2発泡弾性層72の圧縮応力F2に対する第1発泡弾性層71の圧縮応力F1の比率F1/F2は、1以上2以下であることが好ましく、1.5以上1.9以下であることがより好ましい。
さらに、上述した観点で、第1発泡弾性層71の平均骨格径D1は、帯電ロール50の表面における凹凸の平均間隔Smよりも小さいことが好ましい。より具体的には、第1発泡弾性層71の平均骨格径D1は、帯電ロール50の表面における凹凸の平均間隔Smに対して0.3倍以上0.8倍以下であることが好ましく、0.5倍以上0.7倍以下であることがより好ましい。
さらにまた、帯電ロール50の表面の異物を掻き取るための剛性を得るため、第1発泡弾性層71の平均骨格径D1は、帯電ロール50の表面における凹凸の平均間隔Smに対して0.3倍以上であることが好ましい。同様の理由から、第1発泡弾性層71の平均骨格径D1は、30μm以上であることが好ましい。
また、帯電ロール50の表面形状に対する追従性を得るため、第2発泡弾性層72の平均骨格径D2は、帯電ロール50の表面における凹凸の平均間隔Smに対して3.2倍以下であることが好ましい。同様の理由から、第2発泡弾性層72の平均骨格径D2は、600μm以下であることが好ましい。
平均骨格径D1または平均骨格径D2は、以下のように測定された値である。まず、芯体62の外周面に配置された第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72の表面付近を、マイクロスコープVHX−900(KEYENCE社製)にて倍率100倍で、側面から観察する。第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72の表面から2mmまでの範囲に存在するセル70Bを特定し、隣接したセル70B間の最短の距離(隣接したセル70B間を隔てる骨格部70Aの最小の厚さ)を10点計測する。そして、その平均値を、それぞれ、第1発泡弾性層71の平均骨格径D1および第2発泡弾性層72の平均骨格径D2とする。
図5および図6(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される発泡弾性層70(第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72)の構成を示した図である。図5は、図3におけるV部の拡大図であり、図6(a)〜(b)は、クリーニングロール60を芯体62の軸方向に沿って切断した断面の要部拡大図である。ここで、図6(a)は、図3〜図5に示したクリーニングロール60の一例における断面の要部拡大図を示しており、図6(b)はクリーニングロール60の他の一例における断面の要部拡大図を示している。
第1発泡弾性層71の螺旋幅W1および第2発泡弾性層72の螺旋幅W2の下限値は、第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72の各々の機能を発現しやすくするため、それぞれ、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましい。また、第1発泡弾性層71の螺旋幅W1および第2発泡弾性層72の螺旋幅W2の上限値は、後述する螺旋角度θ1およびθ2によっても異なるが、それぞれ、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。
なお、第1発泡弾性層71の螺旋幅W1と第2発泡弾性層72の螺旋幅W2とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1発泡弾性層71の螺旋角度θ1と第2発泡弾性層72の螺旋角度θ2との差は、第1発泡弾性層71と第2発泡弾性層72とが二重螺旋を形成する点から、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
また、第1発泡弾性層71の螺旋角度θ1および第2発泡弾性層72の螺旋角度θ2は、それぞれ、2°以上75°以下が好ましく、4°以上75°以下がより好ましく、8°以上45°以下がさらに好ましい。
また第1発泡弾性層71の厚みT1と第2発泡弾性層72の厚みT2とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1発泡弾性層71の厚みT1と第2発泡弾性層72の厚みT2とが異なる場合、その厚みの差は、第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72の各々の機能の重み等に応じて決定されればよいが、一方の厚みT1またはT2に対して他方の厚みT2またはT1が1倍を超え1.2倍以下であることが好ましい。
第1発泡弾性層71と第2発泡弾性層72との離間距離dは、0mm以上10mm以下が好ましく、0mm以上5mm以下がより好ましい。すなわち、図6(b)に示すように、第1発泡弾性層71の側面(図5、図6(b)において右側の側面)と第2発泡弾性層72の側面(図5、図6(b)において左側の側面)とが軸方向Qに沿って接触するように巻き回されることで、第1発泡弾性層71と第2発泡弾性層72との離間距離dが0であってもよい。
発泡弾性層70の螺旋ピッチRは、3mm以上25mm以下であることが好ましく、15mm以上22mm以下であることがより好ましい。
したがって、発泡弾性層70の螺旋ピッチRは、第1発泡弾性層71と第2発泡弾性層72との離間距離dと比べて大きいことで、帯電ロール50の表面に存在する異物の面内ムラがより抑制されるものと考えられる。
一方、クリーニングロール60を帯電ロール50に従動回転させずに独立して回転させる場合、芯体62に対する第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72の巻き数は、特に制限されない。
接着層65としては、芯体62と発泡弾性層70とを接着することができれば特に限定されないが、例えば、両面テープやその他の接着剤により構成される。
続いて、本実施の形態が適用されるクリーニングロール60の製造方法の一例について説明する。図7(a)〜(c)は、クリーニングロール60の製造方法の工程の一例を示した図である。
また、短冊状の発泡弾性部材81および82と同じ大きさの接着面を有する両面テープからなる接着層65を準備する。そして、短冊状の発泡弾性部材81および82の片面に、接着層65となる両面テープを貼り付ける。
さらに、芯体62も準備する。
続いて、図7(c)に示すように、接着層65を構成する両面テープの剥離紙を剥離しながら、目的とする速度で芯体62を回転させて、芯体62の外周面に、短冊状の発泡弾性部材81および82を二重螺旋状に巻き付けていく。これにより、芯体62の外周面に二重螺旋状に配置された第1発泡弾性層71および第2発泡弾性層72を有するクリーニングロール60を得る。
発泡弾性部材81および82が芯体62に巻き付く曲率半径は、例えば、((芯体62の外径/2)+1mm)以上((芯体62の外径/2)+15mm)以下にすることが好ましく、((芯体62の外径/2)+1.5mm)以上((芯体62の外径/2)+5.0mm)以下にすることがより好ましい。
具体的には、芯体62に接着する前の発泡弾性部材81および82の長手方向先端部に対して、発泡弾性部材81および82の厚み方向に圧縮率((圧縮後の厚み/圧縮前の厚み×)100)が10%以上70%以下となるように、熱および圧力を付与する圧縮処理(熱圧縮処理)を施してもよい。この圧縮処理により、発泡弾性部材81および82の長手方向先端部が、潰れた状態に塑性変形される。
なお、帯電ロール50以外の被清掃部材としては、例えば、転写部材、用紙搬送ベルト、中間転写方式の二次転写部材(例えば、二次転写ロール)、中間転写方式の中間転写体(例えば、中間転写ベルト)等が挙げられる。さらに、これらの被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とをユニット化して画像形成装置用のユニットとしてもよい。
(1)発泡弾性部材の作製
<発泡弾性部材1の作製>
イノアックコーポレーション社製メラミンフォームシート(バソテクト Gタイプ)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材1を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(EP−70)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材2を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(ER−1)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材3を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−40)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材4を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−30)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材5を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−20)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材6を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−13)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材7を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−8)を用い、厚さ2.4mmのシート状の発泡弾性部材8を得た。
イノアックコーポレーション社製ウレタンシート(MF−20)を用い、厚さ2.3mmのシート状の発泡弾性部材9を得た。
<クリーニングロール1の作製>
シート状の発泡弾性部材2および発泡弾性部材6を、それぞれ、幅5mm、長さ360mmの短冊になるよう切り出した。
切り出した短冊に対して、それぞれ、厚み0.05mmの両面テープ(日東電工社製、No.5605)を、短冊の芯体への貼り付け面全面に貼り付け、2つの両面テープ付き短冊を得た。
得られたクリーニングロール1における、圧縮応力F1、F2およびこれらの比率F1/F2、平均骨格径D1およびD2、シート幅W1およびW2、螺旋角度θ1およびθ2、離間距離d、厚みT1およびT2は、下記表1に示す。
短冊になるように切り出した発泡弾性部材2および発泡弾性部材6を、それぞれ、下記表1に記載の発泡弾性部材に変えた以外は、クリーニングロール1の作製と同様にして、芯体の外周面に二重螺旋状に配置された2つの発泡弾性層を有するクリーニングロール2〜11を得た。
得られたクリーニングロール2〜11における、圧縮応力F1、F2およびこれらの比率F1/F2、平均骨格径D1およびD2、シート幅W1およびW2、螺旋角度θ1およびθ2、離間距離d、厚みT1およびT2は、下記表1に示す。
シート状の発泡弾性部材2および発泡弾性部材6を、それぞれ、幅4mm、長さ360mmの短冊になるよう切り出した。
これらの短冊を用いた以外は、クリーニングロール1の作製と同様にして、芯体の外周面に二重螺旋状に配置された第1発泡弾性層および第2発泡弾性層を有するクリーニングロール12を得た。
得られたクリーニングロール12における、圧縮応力F1、F2およびこれらの比率F1/F2、平均骨格径D1およびD2、シート幅W1およびW2、螺旋角度θ1およびθ2、離間距離d、厚みT1およびT2は、下記表1に示す。
2つの両面テープ付き短冊を芯体に巻き付ける際、螺旋角度θ1およびθ2を各々15°に変えた以外はクリーニングロール1と同様にして、芯体の外周面に二重螺旋状に配置された第1発泡弾性層および第2発泡弾性層を有するクリーニングロール13を得た。
得られたクリーニングロール13における、圧縮応力F1、F2およびこれらの比率F1/F2、平均骨格径D1およびD2、シート幅W1およびW2、螺旋角度θ1およびθ2、離間距離d、厚みT1およびT2は、下記表1に示す。
2つの両面テープ付き短冊を芯体に巻き付ける際、2つの両面テープ付き短冊の離間距離dを2mmとした以外はクリーニングロール1と同様にして、芯体の外周面に二重螺旋状に配置された第1発泡弾性層および第2発泡弾性層を有するクリーニングロール14を得た。
得られたクリーニングロール14における、圧縮応力F1、F2およびこれらの比率F1/F2、平均骨格径D1およびD2、シート幅W1およびW2、螺旋角度θ1およびθ2、離間距離d、厚みT1およびT2は、下記表1に示す。
<帯電ロール1の作製>
(帯電層の作製)
下記の弾性層形成用混合物を、オープンロールで混錬し、SUS416からなる直径9mmの導電性の帯電軸の外周面を、厚さ1.5mmとなるように円筒状に被覆した。これを内径12.0mmの円筒形の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、表面を研磨した。これにより、帯電軸の外周面に形成された、円筒状の導電性の弾性層を得た。
・ゴム材(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、GECHRON3106:日本ゼオン社製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製) 25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) 8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) 1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製) 1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) 2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) 0.5質量部
下記の表面層形成用混合物を、ビーズミルで分散し、得られた分散液を、メタノールで希釈した。これを、上記で作製した導電性の弾性層の表面(外周面)に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥した。これにより、導電性の弾性層の表面に厚さ4μmの表面層を有する帯電ロール1を得た。
得られた帯電ロール1の表面における凹凸の平均間隔Smは、90μmであった。
・高分子材料(N−アルコキシメチル化ポリアミド、「トレジン」:ナガセケムテックス社製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラックMonarch1000:キャボット社製) 30質量部
・溶剤(メタノール) 500質量部
・溶剤(ブタノール) 240質量部
表面層の形成に用いる表面層形成用混合物を以下のように変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール2を得た。
得られた帯電ロール2の表面における凹凸の平均間隔Smは、180μmであった。
・高分子材料(N−アルコキシメチル化ポリアミド、ファインレジン:鉛市社製)
100質量部
・導電剤(カーボンブラックMonarch1000:キャボット社製) 30質量部
・溶剤(メタノール) 500質量部
・溶剤(ブタノール) 240質量部
下記の表2に従って、クリーニングロールと帯電ロールとを組み合わせて、カラー複合機DocuCentre−V C7775(富士ゼロックス社製)のドラムカートリッジに装着し、清掃性能の評価を行った。
22℃、55%RHの環境下で、A3の記録用紙上に画像濃度100%で、出力方向長さ320mm×幅30mmの帯状の画質パターンを印字し、印字1万枚ごとに、帯電ロールの画質パターン印字位置での付着物について観察を行った。
付着物の観察は、共焦点レーザー顕微鏡(OLS1100、OLYMPAS社製)を用いて、帯電ロールの表面を直接観察することで行い、清掃性能を評価した。
具体的には、付着物の観察は、帯電ロールの表面層における軸方向の両端より10mm内側の位置の2点と、この2点間距離を等間隔で4分割する3点とにおいて行った。そして、下記基準のG3に到達するまでの感光体ドラムの回転数を求めた。
また、帯電ロールの表面層における上記の5点について、その点の中心と中心から±1mmの範囲の2か所との計3か所ずつにおいて付着物を観察した。そして、5点のうちいずれかの点において3か所間での付着物の範囲の最大さが40%以上に到達したときの感光体ドラムの回転数を求めた。
この2つの指標において、どちらかに到達したときの感光体ドラムの回転数により、清掃性能を評価した。感光体ドラムの感光体数が多いほど、清掃性能に優れることが判る。
G0 :帯電ロール表面に付着物が1μm2当たり10%以下の範囲で見られる。
G0.5:帯電ロール表面に付着物が1μm2当たり10%より大きく20%以下の範囲で見られる。
G1 :帯電ロール表面に付着物が1μm2当たり20%より大きく30%以下の範囲で見られる。
G2 :帯電ロール表面に付着物が1μm2当たり30%より大きく50%以下の範囲で見られる。
G3 :帯電ロール表面に付着物が1μm2当たり50%より大きい範囲で見られる。
Claims (11)
- 芯体と、当該芯体の外周面に二重螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層および第2発泡弾性層とを有し、当該第1発泡弾性層の圧縮応力F1が当該第2発泡弾性層の圧縮応力F2と比較して大きく、当該第1発泡弾性層および当該第2発泡弾性層を被清掃部材の表面に接触させて当該被清掃部材を清掃する清掃部材。
- 前記第1発泡弾性層の平均骨格径D1が、前記第2発泡弾性層の平均骨格径D2より小さいことを特徴とする請求項1に記載の清掃部材。
- 前記第1発泡弾性層の圧縮応力F1が10kPa以上20kPa以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の清掃部材。
- 前記第2発泡弾性層の圧縮応力F2が7kPa以上12kPa以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の清掃部材。
- 前記第2発泡弾性層の圧縮応力F2に対する前記第1発泡弾性層の圧縮応力F1の比率F1/F2が、1より大きく且つ2以下の範囲であることを特徴とする請求項3または4に記載の清掃部材。
- 前記被清掃部材は、被帯電体を帯電させるとともに、表面に平均間隔Smの凹凸が形成され、
前記清掃部材は、前記第1発泡弾性層の平均骨格径D1が前記被清掃部材の凹凸の平均間隔Smと比較して小さく、前記第2発泡弾性層の平均骨格径D2が当該被清掃部材の凹凸の平均間隔Smと比較して大きいことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の清掃部材。 - 前記第1発泡弾性層が前記被清掃部材の表面から異物を削り取り、前記第2発泡弾性層が当該被清掃部材の表面の異物を均すことを特徴とする請求項1に記載の清掃部材。
- 前記被清掃部材は、被帯電体を帯電させ、
前記清掃部材は、前記第1発泡弾性層および前記第2発泡弾性層を前記被清掃部材の表面に接触させながら回転し、当該被清掃部材の表面に当該第1発泡弾性層が接触した後に当該第2発泡弾性層が接触するまでの期間が、当該第2発泡弾性層が接触した後に当該第1発泡弾性層が接触するまでの期間と比較して短いことを特徴とする請求項7に記載の清掃部材。 - 芯体と、
前記芯体の外周面に螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層と、
前記第1発泡弾性層以上の平均骨格径を有し、当該第1発泡弾性層と比較して硬度が低く、当該第1発泡弾性層と隣接して前記芯体の外周面に螺旋状に巻き回される第2発泡弾性層と
を備える清掃部材。 - 被清掃部材と、
芯体と、当該芯体の外周面に二重螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層および第2発泡弾性層とを有し、当該第1発泡弾性層の圧縮応力F1が当該第2発泡弾性層の圧縮応力F2と比較して大きく、当該第1発泡弾性層および当該第2発泡弾性層を前記被清掃部材の表面に接触させて当該被清掃部材を清掃する清掃部材と
を備える画像形成装置用ユニット。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電部材と、
芯体と、当該芯体の外周面に二重螺旋状に巻き回される第1発泡弾性層および第2発泡弾性層とを有し、当該第1発泡弾性層の圧縮応力F1が当該第2発泡弾性層の圧縮応力F2と比較して大きく、当該第1発泡弾性層および当該第2発泡弾性層を前記帯電部材の表面に接触させて当該帯電部材を清掃する清掃部材と
を備える画像形成装置。
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