JP7077562B2 - 清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成は、帯電及び露光により感光体表面に静電潜像を形成し、帯電したトナーにより静電潜像を現像してトナー像を形成し、トナー像を紙などの記録媒体に転写し定着することにより画像を形成する。この画像形成を行う画像形成装置内には、帯電、露光、転写等の各工程を行う部材のほか、これら部材の表面を清掃するための清掃部材が搭載されている。
例えば、特許文献1には、芯体と、芯体の外周面に、短冊状の弾性部材を螺旋状に巻き付けて配置された弾性層と、を有し、芯体の外周面に巻き付けられた状態における弾性層の螺旋幅方向中央部での厚みをt(mm)、芯体の外周面に巻き付ける前の短冊状の弾性部材の幅方向中央部での厚みをT(mm)としたとき、0.7<t/T<1.0を満たす画像形成装置用の清掃部材が開示されている。
特許文献2には、シャフトと、前記シャフトの外周面に螺旋状に巻き付けられた帯状の弾性発泡体とよりなる清掃部材において、前記シャフトの外周面に螺旋状に巻き付けられた帯状の弾性発泡体は、前記シャフトの外周面に対して起立した側面のうち少なくとも一つの側面が未発泡層からなることを特徴とする清掃部材が開示されている。
特開2012-014011号公報 特開2016-224360号公報
芯体、及び芯体の外周面に螺旋状に巻き回されて配置された弾性層を有する清掃部材は、繰り返し使用されると、弾性層の機械的強度の低下が進むことにより、クリーニング性が低下することがある。
本発明の課題は、芯体の外周面に螺旋状に巻き回されて配置され弾性層を有する清掃部材において、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制される清掃部材を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
に係る発明は、
芯体と、
前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、螺旋状に巻き回された弾性層と、
を備え、
前記弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有し、前記MUおよび前記MLの関係が、ML/MU≧1.5である清掃部材。
に係る発明は、
弾性層が、幅方向に2つ以上に分割されており、前記分割された弾性層のうち、幅方向の一端の部位が、前記第1の領域であり、前記一端の部位と隣り合う部位が第2の領域であるに記載の清掃部材。
に係る発明は、
前記第1の領域および前記第2の領域が接着または密着しているに記載の清掃部材。
に係る発明は、
前記第1の領域の幅が前記第2の領域の幅よりも広いのいずれか1項に記載の清掃部材。
に係る発明は、
前記第1の領域の幅をWU、前記第2の領域の幅をWLとしたとき、前記WUおよび前記WLの関係が、0.7>WL/WU>0.1であるに記載の清掃部材。
に係る発明は、
前記弾性層が、発泡弾性層であるのいずれか1項に記載の清掃部材。
に係る発明は、
被帯電体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材の表面に接触して配置され、前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材であって、のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える帯電装置。
に係る発明は、
被転写体に転写物を転写させる転写部材と、
前記転写部材の表面に接触して配置され、前記転写部材の表面を清掃する清掃部材であって、のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える転写装置。
に係る発明は、
に記載の帯電装置を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
10に係る発明は、
に記載の転写装置を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
11に係る発明は、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電するに記載の帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
12に係る発明は、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写するに記載の転写装置と、
を備える画像形成装置。
13に係る発明は、
被清掃部材と、
前記被清掃部材の表面に接触して配置され、前記被清掃部材の表面を清掃する清掃部材であって、のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える画像形成装置用のユニット。
14に係る発明は、
13に記載の画像形成装置用のユニットを少なくとも備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
15に係る発明は、
13に記載の画像形成装置用のユニットを備える画像形成装置。
に係る発明によれば、芯体の外周面に螺旋状に巻き回されて配置され弾性層を有する清掃部材において、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制される清掃部材が提供される。
に係る発明によれば、第1の領域の幅と第2の領域の幅が同じである場合、又は第1の領域の幅が第2の領域の幅よりも狭い場合に比べ、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制される清掃部材が提供される。
に係る発明によれば、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制され、弾性層が発泡弾性層である清掃部材が提供される。
に係る発明によれば、帯電装置の清掃部材が備える弾性層において、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、帯電部材の清掃不良による帯電性能の低下を抑制する帯電装置が提供される。
に係る発明によれば、転写装置の清掃部材が備える弾性層において、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、転写部材の清掃不良による転写性能の低下を抑制する転写装置が提供される。
1011121314、又は15に係る発明によれば、清掃部材が備える弾性層において、弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有するとき、ML/MUの比が1.5未満である場合に比べ、被清掃部材(帯電部材、転写部材等)の清掃不良による性能の低下を抑制するプロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成装置用のユニットが提供される。
本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略平面図である。 本実施形態に係る清掃部材の一例における弾性層を示す拡大断面図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 図7及び図8における帯電装置の周辺部分を拡大した概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。なお、同じ機能及び作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、その説明を省略する場合がある。
<清掃部材>
図1は、本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る清掃部材の一例の概略平面図である。図3は、本実施形態に係る清掃部材の一例が備える弾性層を示す拡大断面図である。図2は、図1の概略平面図であり、図3は、図2のA-A断面図、つまり、弾性層を芯体の軸方向に沿って切断した断面図である。
本実施形態に係る清掃部材100は、図1及び図2に示すように、芯体102と弾性層104とを備えた部材であり、例えばロール状の部材である。
清掃部材100において、弾性層104は、芯体102の外周面に配置されている。例えば、芯体102の一端から他端にかけて、短冊状の弾性部材が、芯体102の軸方向に沿う方向に、芯体102の外周面に間隔をもって、螺旋状に配置されている。なお、清掃部材100は、軸方向の端部に、被清掃部材に対するクリーニング性能を示さなくてよい領域を有する場合がある。その場合、清掃部材100において、上記領域である端部には、弾性層104が配置されていなくてもよい。
清掃部材100は、例えば、図3に示すように、芯体102と弾性層104とが接着層106によって接着された部材である。弾性層104は、例えば、芯体102の一端から他端にかけて、芯体102の外周面に沿って、短冊状の弾性部材108(図4~図6参照)を、接着層106を介して、螺旋状に巻き付けて形成される。
清掃部材100は、例えば、図1~図3に示すように、弾性層104が、幅方向に2つに分割されている。そして、弾性層104の幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域104A、および第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域104Bの2つの領域を有している。また、弾性層104は、MLおよびMUの関係が、ML/MU≧1.5の関係を満たしている。さらに、弾性層104は、図1及び図2に示すように、弾性層104の長手方向の一端から他端にかけて、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bの2つの領域が連続して設けられている。
なお、本明細書中において、弾性層の「幅方向」とは、芯体に弾性層が巻き回された状態で、弾性層の長手方向の一方の端辺から他方の端辺に向かって、垂直に沿う方向を表す。
本明細書中において、弾性層の「幅」とは、芯体に弾性層が巻き回された状態で、弾性層全体の幅方向における一方の端辺から他方の端辺までの距離を表す。そして、弾性層の第1の領域および第2の領域の「幅」とは、それぞれの領域において、幅方向における一方の端縁から他方の端縁までの距離を表す。
具体的には、図2、図3に示すように、弾性層全体の幅はWAで表される。また、弾性層の第1の領域の幅はWU、弾性層の第2の領域の幅はWLで表される。なお、図1~図3に示す清掃部材100では、弾性層全体の幅WAは、図2に示すように、第1の領域の幅WUと弾性層の第2の領域の幅WLとの合計(WU+WL)で表される。
本明細書中において、弾性層が「分割されている」とは、弾性層が切込み部を介して、一纏まりとなっている状態、または、弾性層が2つ以上に分離して一纏まりとなっている状態であることを表す。
分割された弾性層としては、例えば、次の形態が挙げられる。
1)弾性層の幅方向の一端に第1の領域、第1の領域に隣り合って第2の領域が形成されるように、それぞれ目的とする幅に切り出した個々の短冊を準備する。そして、個々の短冊を長手方向の辺が互いに接触するように、一纏まりとした短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
2)また、弾性層の幅方向の一端に第1の領域、第1の領域に隣り合って第2の領域が形成されるように、短冊状の弾性部材に、目的とする幅となるように切断する。そして、切断した短冊の長手方向の辺を互いに接触させたままの一纏まりの短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
3)さらに、弾性層の幅方向の一端に第1の領域、第1の領域に隣り合って第2の領域が形成されるように、短冊状の弾性部材に、目的とする幅に、短冊状の切断片とならないように切込み部を設ける。そして、ひとつながりの短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
ここで、芯体に巻き回された弾性層を有する清掃部材は、例えば、荷重をかけて被清掃部材に押し付けられ、清掃部材の外周面に配置された弾性層が、被清掃部材の周面に沿って、弾性変形してニップ部(圧接部)を形成している。清掃部材の弾性層は、被清掃部材に対して圧力を付与されつつ接触している。
また、芯体に巻き回された弾性層は、弾性層の幅方向の両縁部で、長手方向に沿って突出した突出部(エッジ)が形成されている。そして、被清掃部材を清掃するときに、突出した弾性層の縁部が被清掃部材に対して接触して回転することでクリーニング性が向上する。
しかしながら、例えば、清掃部材が、繰り返し使用されると、被清掃体に対して接触して回転する度に圧力が加えられ、弾性層には負荷と除荷とが繰り返される。そのため、弾性層は疲労が進み、弾性層の機械的強度が低下する場合がある。そして、弾性層の機械的強度の低下が生じると、クリーニング性が低下することがある。
なお、弾性層の機械的強度の低下は、被清掃体がクリーニングされる環境として、特に、高温高湿環境下(例えば、温度32℃、湿度85%RH環境下)および低温低湿環境下(例えば、温度10℃、湿度15%RH環境下)が繰り返される場合に顕著になる傾向がある。
これに対し、本実施形態の清掃部材100は、図1および図2に示すように、芯体102の外周面に、螺旋状に巻き回された弾性層104が、ヤング率MUで表される第1の領域と、第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率MLで表される第2の領域とを有する。そして、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bのヤング率の関係が、ML/MU≧1.5を満たしている。この関係を満たしていることで、弾性層104は機械的強度の低下が抑制され、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制される。この理由は、次のように考えられる。
本実施形態の清掃部材100が、例えば、図1に示すように、回転方向Rに回転して、被清掃体をクリーニングするとき、弾性層104の第1の領域104Aは回転方向上流側となり、第2の領域104Bは回転方向下流側となる。第1の領域104Aのヤング率MUおよび第2の領域104Bのヤング率MLの関係が、ML/MU≧1.5を満たしているということは、第1の領域である回転方向上流側のヤング率に対して、回転方向下流側のヤング率が1.5倍以上高くなっていることを表している。そして、ML/MUがこの関係を満たしていると、清掃部材100が、被清掃体に荷重が負荷されて接触している間、第2の領域104Bが第1の領域104Aを支える。つまり、清掃部材100が、被清掃体に荷重が負荷されて接触している間に生じる第1の領域104Aの変形を、ヤング率の高い第2の領域104Bが抑える。それにより、回転方向上流側となる第1の領域104Aにおける第2の領域104B側の突出部が、局所的に圧縮されるため、被清掃体に付与する圧力を局所的に高める作用を有すると考えられる。
また、回転方向上流側となる第1の領域104Aの機械的強度の低下が進んだ場合であっても、ヤング率の低い第1の領域104Aに比べ、ヤング率の高い第2の領域104Bは、機械的強度低下の程度が小さい。そのため、繰り返し使用によって、弾性層全体のヤング率の低下が進み、弾性層全体の変形量の絶対値が大きくなっていったとしても、回転方向上流側となる第1の領域104Aの変形を、回転方向下流側となる第2の領域104Bが抑える。そのため、被清掃体に付与する圧力を局所的に高める作用が得られると考えられる。また、ヤング率の高い第2の領域104Bによるクリーニング作用の低下も抑えられると考えられる。
さらに、繰り返し使用によっても、第1の領域104Aのヤング率MUおよび第2の領域104Bのヤング率MLの関係が、ML/MU≧1.5を満たしていれば、クリーニング性の低下は抑制されると考えられる。
以上から、本実施形態の清掃部材100は、弾性層104が上記構成を有していることにより、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制されると推測される。
ここで、「回転方向上流側」とは、被清掃体に対して接触して回転するときに、被清掃体に対して先に接触する側を表す。また、「回転方向下流側」とは、回転方向上流側の弾性層が接触した後に接触する側を表す。例えば、弾性層が2つの領域のみで形成されている場合、被清掃体に対して接触して回転するときに、被清掃体に対して先に接触する側が、回転方向上流側である。また、清掃部材の軸方向に沿う方向に隣り合っており、回転方向上流側の弾性層が接触した後に接触し、1回転の中で最後まで接触している側が、回転方向下流側となる。
なお、本実施形態に係る清掃部材100は、図1、図2、及び図3に示すように、弾性層104が、2つに分割されているが、これに限定されるものではない。幅方向の一端が第1の領域104A、および第1の領域に隣り合って、第2の領域104Bが形成されており、上記のヤング率の関係を満たしていればよい。
例えば、図3に示す弾性層104では、第1の領域104Aと第2の領域104Bとの隣り合う端辺どうしが密接に接していない。上記ヤング率の関係を満たしていれば、例えば、第1の領域104Aと第2の領域104Bとの隣り合う端辺どうしが接着または密着されていてもよい。
また、弾性層104は、幅方向の一端が第1の領域104A、および第1の領域に隣り合って、第2の領域104Bが形成されており、上記ヤング率の関係を満たしていれば、例えば、幅方向に3つに分割されていてもよく、4つに分割されていてもよい。つまり、分割された弾性層のうち、幅方向の一端の部位が、第1の領域であり、一端の部位と隣り合う部位が第2の領域であって、上記ヤング率の関係を満たしていれば、弾性層は、幅方向に2つ以上に分割されていてもよい。
さらに、幅方向の一端が第1の領域104A、および第1の領域に隣り合って、第2の領域104Bが形成されており、上記ヤング率の関係を満たしていれば、弾性層104は、分割されていなくてもよい。つまり、弾性層104は、1つの弾性層に、第1の領域104Aと第2の領域104Bとが隣り合って形成されていてもよい。
そして、上記構成の清掃部材100を備えた帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置では、被清掃部材(帯電部材、転写部材等)の清掃不良による性能の低下が抑制される。
以下、各部材について説明する。
まず、芯体102について説明する。
芯体102に用いる材質としては、金属若しくは合金、又は樹脂等が挙げられる。
金属若しくは合金としては、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、アルミニウム、ニッケル等の金属;ステンレス鋼等の合金が挙げられる。
樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル-ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物-ジエン-シアン化ビニル-N-フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル-(エチレン-ジエン-プロピレン(EPDM))-芳香族アルケニル化合物共重合体;ポリオレフィン樹脂;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、材質及び表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。特に、芯体102が金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
次に、弾性層104について説明する。
弾性層104とは100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成される層をいう。弾性層104は、発泡弾性層であってもよいし、非発泡弾性層であってもよい。弾性層104は、清掃性(クリーニング性)向上の点から、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bともに、発泡弾性層であることがよい。なお、発泡弾性層は、気泡を有する材料(いわゆる発泡体)で構成された層である。
本実施形態の清掃部材100において、弾性層104は、第1の領域104Aのヤング率MUおよび第2の領域104Bのヤング率MLの関係が、ML/MU≧1.5の関係を満たしている。繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下をより抑制する点で、MUとMLの関係は、ML/MU≧1.7であることが好ましく、ML/MU≧2であることがより好ましい。ML/MUの上限は特に限定されないが、例えば、10以下であることが挙げられる。
第1の領域104Aのヤング率MUは、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下をより抑制する点で、0.01N/mm以上0.10N/mm以下(好ましくは0.02N/mm以上0.05N/mm以下)であることがよい。また、同様の点で、第2の領域104Bのヤング率MLは、0.015N/mm以上0.15N/mm以下(好ましくは0.03N/mm以上0.075N/mm以下)であることがよい。
第1の領域104Aのヤング率MUおよび第2の領域104Bのヤング率MLの関係を上記範囲とするための方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような方法が挙げられる。
1)ヤング率が同じ材料である弾性部材を2つ準備し、一方の弾性部材に圧縮加工を施してヤング率を高め、他方の弾性部材と隣り合うように接着または密着させる方法、
2)ヤング率が異なる2つの弾性部材を準備し、各々が隣り合うように接着または密着させる方法、
3)一つの弾性部材の一部を圧縮加工して高密度化してヤング率を高めた部分を形成する方法、
4)一つの弾性部材の一部に、予め定められた化合物(例えば、イソシアネート基を持つ化合物)を含浸処理または被覆処理により、ヤング率を高めた部分を形成する方法。
なお、2つの弾性部材を接着または密着(好ましくは接着)させることは、第2の領域が第1の領域の変形を抑える作用が高まるため好適な方法であると考えられる。
ここで、本明細書中において、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bの「接着」とは、隣り合う2つの弾性部材を接触させたときに、密接に接触しており、2つの弾性部材が離れないで接合している状態を表す。接着は、例えば、隣り合う2つの弾性部材を、接着剤、粘着剤などの接着手段(例えば、両面テープ)を介して接触させた状態が包含される。なお、接着剤、粘着剤等の接着手段の形態は限定されるのではない。
また、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bの「密着」とは、隣り合う2つの弾性部材を接触させたときに、弾性部材の芯体側から表面側に向かって密接に接触しているが、接合はしていない状態を表す。
弾性層104の第1の領域104Aのヤング率MUおよび第2の領域104Bのヤング率MLは、例えば、以下の方法で測定する。
測定対象となる清掃部材を用意する。荷重試験機MODEL-1605N(アイコーエンジニアリング社製)の測定台上に清掃部材の両端をVブロックを用いて水平となるように固定する。先端が1mm×1mm四方の測定端子を荷重試験機に取り付け、荷重ロードセルの荷重速度を1mm/分の条件で、幅方向の一端に接する位置(第1の領域)および幅方向の一端に隣り合う位置(第2の領域)の弾性層に対して、垂直方向(圧縮方向)に動かし、圧縮時の歪み量と応力(圧縮強度)を測定し、測定から求めた応力/歪み量の比(傾き)から、第1の領域のヤング率MUおよび第2の領域のヤング率ML(単位:N/mm)を求める。
なお、ヤング率の測定は、弾性層の幅方向の最も先端となる領域(先端から1mmの範囲)で測定するものとする。
弾性層104の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、若しくはポリプロピレン等の発泡性の樹脂、または、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、塩素化ポリイソプレン、イソプレン、スチレン-ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、又は2種類以上を混合してなる材料が挙げられる。
なお、これらには、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、又は加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
弾性層104は、特に、擦れによる被清掃部材の表面に傷を付けない、長期に渡り千切れや破損が生じないようにする観点から、引っ張りに強い発泡ポリウレタンであることが望ましい。
発泡ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールやアクリルポリオール等)と、イソシアネート(例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートや4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、更に鎖延長剤(1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン)を反応させたものであってもよい。
そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。
発泡ポリウレタンには、発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
これらの発泡ポリウレタンの中も、エーテル系発泡ポリウレタンがよい。これは、エステル系発泡ポリウレタンは、湿熱劣化し易い傾向があるためである。エーテル系ポリウレタンは主としてシリコーンオイルの整泡剤が使用されるが、保管(特に高温高湿下での保管)にてシリコーンオイルが被清掃部材(例えば帯電ロール等)へ移行することによる画質欠陥が発生することがある。その為、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いることで、被清掃部材への整泡剤の移行が抑制され、整泡剤の移行に起因する画質欠陥が抑制される。
ここで、シリコーンオイル以外の整泡剤として具体的には、例えば、Siを含まない有機系の界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤)が挙げられる。また、シリコーン系整泡剤を用いない製法も適用し得る。
なお、エステル系発泡ポリウレタンが、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いたか否かは、成分分析により、「Si」を含むか否かで判断される。
弾性層104の全体の幅WAは、3mm以上12mm以下が好ましく、より好ましくは4mm以上10mm以下、さらに好ましくは5mm以上8mm以下である。全体の幅WA
がこの範囲であると、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制されやすい。
また、上記のML/MU≧1.5を満たしており、さらに、弾性層104の第1の領域104Aの幅WUと、弾性層の第2の領域104Bの幅WLとの関係(WL/WU)が、0.7>WL/WU>0.1(好ましくは、0.6>WL/WU>0.2)を満していることがよい。この関係を満たしていることで、回転方向上流側となる第1の領域104Aの変形を回転方向下流側となる第2の領域104Bが抑える作用が高まる。そのため、被清掃体に付与する圧力を局所的に高める作用がさらに向上すると考えられ、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下が抑制される作用がより高まると考えられる。また、WL/WUが0.7未満であることで、第1の領域の清掃作用がより発揮される傾向となるため、クリーニング性が高まると考えられる。
第1の領域104Aの幅WUは、繰り返し使用した場合であっても、クリーニング性の低下をより抑制する点で、2mm以上10mm以下(好ましくは3mm以上5mm以下)であることがよい。また、同様の点で、第2の領域104Bの幅WLは、1mm以上5mm以下(好ましくは1mm以上2mm以下)であることがよい。
なお、弾性層104を螺旋状に巻き回したときの芯体102の長手方向に沿う方向の弾性層104の幅(以下、「螺旋幅」とも称する。)は、1mm以上であることがよい。好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上である。但し、弾性層104の全体の幅WAおよび螺旋幅の上限値は、螺旋角度θによるが、弾性層が重ならない状態で螺旋状に芯体に巻きつけることが可能であれば特に制限はない。
本実施形態に係る清掃部材100は、弾性層104のうち、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bにおける幅方向中央部での厚さDは、例えば、1.5mm以上3.0mm以下であることがよい。好ましくは2.0mm以上2.5mm以下である。厚さDがこの範囲であると、良好なクリーニング性を得られやすい。
弾性層104は、例えば、芯体102の軸方向に対し、好ましくは2°以上75°以下の螺旋角度θ、より好ましくは4°以上75°以下の螺旋角度θ、さらに好ましくは8°以上45°以下の螺旋角度θをもって、短冊状の弾性部材108(短冊108)が螺旋状に巻き回された弾性層である。即ち、弾性層104は、清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に対し2°以上75°以下の角度をもって、芯体102の外周面に螺旋状に配置されていることが好ましい。
ここで、螺旋角度θとは、図2に示す通り、弾性層104の長手方向P(螺旋方向)と清掃部材の軸方向Q(芯体の軸方向)とが交差する角度(鋭角)を意味する。
ここで、弾性層104のうち、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bにおける幅方向中央部での厚さDは、次のようにして測定する。また、幅方向両端の弾性層の幅WA、WUおよびWLも同様にして測定する。
レーザー測定機(ミツトヨ社製、レーザースキャンマイクロメータ、型式:LSM6200)を用いて、測定対象となる清掃部材の周方向は固定した状態で、1mm/sのトラバース速度にて清掃部材の長手方向(軸方向)へスキャンさせて弾性層厚み(弾性層肉厚)のプロファイルの測定を行う。その後、周方向位置をずらし同様の測定を行う(周方向位置は120°間隔、3箇所)。このプロファイルを基に弾性層104における上記厚みを算出を行う。WA、WUおよびWLも同様の手順により算出する。
芯体102に対する弾性層104の巻数は、好ましくは1以上、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは2以上である。なお、弾性層104の巻数の上限は、芯体の長さによるため、特に制限されない。
弾性層104は、被覆率(弾性層104の螺旋幅/[弾性層104の螺旋幅+弾性層104の螺旋間隔W1])が5%以上90%以下であることがよく、8%以上80%以下であることが好ましく、10%以上70%以下であることがより好ましい。
螺旋間隔W1とは、図2に示す通り、弾性層104の清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った、隣り合う弾性層104間の長さを意味する。
次に、接着層106について説明する。
接着層106としては、芯体102と弾性層104とを接着し得るものであれば、特に制限はないが、例えば、両面テープ、その他接着剤により構成される。
次に、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法について説明する。
図4~図6は、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図4に示すように、目的の厚みとなるようスライス加工を施したシート状の弾性部材(発泡ポリウレタンシート等)を準備する。そして、図4に示すように、シート状の弾性部材は、第1の領域104Aとなる第1弾性部材と第2の領域104Bとなる第2弾性部材の2本を準備する。そして、第1弾性部材と第2弾性部材とは、互いに隣り合うように配置して一纏まりとする。
次に、これらシート状の弾性部材の片面に、接着層106としての両面テープ(以下、「両面テープ106」とも称する)を貼り付け、目的とする幅および長さの短冊108(両面テープ106付き短冊状の弾性部材)を得る。なお、接着層106としての両面テープは、シート状の弾性部材から目的とする幅、長さに切り出した個々の弾性部材とした後に片面に貼り付けてもよいし、シート状の弾性部材を一纏まりとした後に片面に貼り付けてもよい。
なお、第1弾性部材と第2弾性部材とは、芯体102に巻きつけた後の弾性層104において、第1の領域104Aと第2の領域104Bとが接着するように、第1弾性部材と第2弾性部材との側面どうしを、図示しない両面テープで接着して、一纏まりとしてもよい。又は、芯体102に巻きつけた後の弾性層104において、第1の領域104Aおよび第2の領域104Bが密着するように、第1弾性部材と第2弾性部材との各々の断面形状を、例えば台形として、一纏まりとしてもよい。
次に、図5に示すように、両面テープ106が付いた面を上方にして短冊108を配置し、この状態で両面テープ106の剥離紙の一端を剥がし、当該剥離紙を剥離した両面テープ上に芯体102の一端部を載せる。
次に、図6に示すように、両面テープの剥離紙を剥がしながら、目的とする速度で芯体102を回転させて、芯体102の外周面に短冊108を螺旋状に巻き付けていき、芯体102の外周面に螺旋状に配置された分割された弾性層104を有する清掃部材100を得る。
なお、本実施形態においては、短冊108の復元力を抑制し、芯体102からの短冊108の長手方向端部の剥れを抑制する観点から、短冊108を芯体102に巻き付けるときに、短冊108の弾性変形(幅方向中央部での厚みの変化)の度合を抑えた状態で配置することが好ましい。具体的には、短冊108の厚みに応じて、短冊108を巻き付ける角度、短冊108を巻き付けるときの張力を制御することが望ましい。
ここで、弾性層104となる短冊108を芯体102に巻き付ける際、芯体102の軸方向に対して、短冊108の長手方向が目的の角度(螺旋角度)となるよう、芯体102に短冊108の位置を合わせればよい。また、芯体102の外径は、例えば、φ2mm以上φ12mm以下にすることがよい。
短冊108を芯体102に巻き付ける際に張力が付与される場合、芯体102と短冊108の両面テープ106との間に隙間が生じない程度の張力であることが好ましい。張力を付与し過ぎると、短冊108の復元力を抑制しにくくなる。また、加えて引っ張り永久伸びが大きくなり、清掃に必要な弾性層104の弾性力が落ちる傾向があるためである。具体的には、例えば、元の短冊108の長さに対して0%以上5%以下の伸びになる張力(弾性層104の長さが100%以上105%以下の長さになる張力)とすることがよい。
一方で、短冊108を芯体102に巻き付けると、短冊108が伸びる傾向がある。この伸びは、短冊108の厚さ方向で異なり、最外郭が伸びる傾向がある。このため、短冊108を芯体102に巻き付けた後における最外郭の伸びが、元の短冊108の最外郭に対して5%程度になることがよい。伸び過ぎると、弾性層104の弾性力が落ちることがある。
この伸びは、短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径と短冊108の厚みにより制御され、短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径は芯体102の外径及び短冊108の巻き付け角度(螺旋角度θ)により制御される。
短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径は、例えば、((芯体外径/2)+1mm)以上((芯体外径/2)+15mm)以下にすることがよく、望ましくは((芯体外径/2)+1.5mm)以上((芯体外径/2)+5.0mm)以下である。
なお、短冊108の長手方向先端部分に、短冊108の厚み方向に圧縮処理を施してもよい。圧縮処理を施すことで、芯体102に接着した後の短冊108の剥れが抑制される。具体的には、例えば、芯体102に接着する前の短冊108の長手方向先端部分に対して、短冊108の厚み方向に圧縮率(圧縮後の厚み/圧縮前の厚み×100)が10%以上70%以下となるように熱及び圧力を付与する圧縮処理(熱圧縮処理)を施してもよい。この圧縮処理により、短冊108の長手方向先端部分が、潰れた状態に塑性変形される。
<画像形成装置等>
以下、本実施形態に係る画像形成装置等について図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図8は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。図9は、図7及び図8における帯電装置の周辺部分を拡大した概略構成図である。
なお、本明細書において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。
図7に示す画像形成装置10は、タンデム方式且つ直接転写方式のカラーの画像形成装置である。画像形成装置10の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の色毎のプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kが備えられている。プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、画像形成装置10に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、例えば図7及び図8に示すように、感光体12、帯電部材14、現像装置19を有する。
感光体12としては、例えば、有機感光性材料等からなる感光層が表面に被覆された導電性円筒体(例えば直径25mm)が用いられ、図示しないモータにより、例えば150mm/secの速度で回転駆動される。
感光体12は、感光体12の表面に配置された帯電部材14によって表面が帯電される。感光体12は、帯電した後、感光体12の回転方向下流側において露光装置16から出射されるレーザービームによって露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
感光体12上に形成された静電潜像は、現像装置19によって現像されトナー像となる。カラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の表面には、帯電、露光、及び現像の各工程が行われ、各色の感光体12の表面には、それぞれの色に対応したトナー像が形成される。
感光体12上に形成されたトナー像は、感光体12と転写部材22とが用紙搬送ベルト20を介して接する箇所にて、用紙搬送ベルト20上を搬送される記録用紙24へ転写される。用紙搬送ベルト20は、支持ロール40及び42によって張力が付与されつつ内周面から支持されており、記録用紙24を搬送する。記録用紙24は、用紙収納容器28から取出ローラ30により取り出され、搬送ロール32及び34により用紙搬送ベルト20まで搬送される。
各色のトナー像は、4つのプロセスカートリッジの並び順、即ち、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に記録用紙24へ転写される。
トナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、定着装置64によって加熱及び加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上に排出される。両面プリントの場合には、トナー像が第一面(表面)に定着された記録用紙24は、排出ロール66の逆回転によって、両面プリント用の用紙搬送路70に搬送される。その後、記録用紙24は、用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、記録用紙24の表裏を反転した状態で、再度、用紙搬送ベルト20上へ搬送され、記録用紙24の第二面(裏面)に感光体12上からトナー像が転写される。そして、トナー像が第二面(裏面)に転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、定着装置64によってトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、両面にトナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって排出部68上に排出される。
トナー像の転写が終了した後の感光体12は、感光体12が1回転する毎に、転写が行われる箇所よりも回転方向下流側に配置された清掃ブレード80によって、感光体12表面の残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成に備える。
転写部材22は、例えば、導電性芯体の外周面に導電性弾性層を備えるロールであり、導電性芯体は画像形成装置10内で回転自在に支持されている。転写部材22の感光体12と反対側には、転写部材22の清掃部材100Aが、転写部材22に接触して配置されている。つまり、転写部材22と清掃部材100Aとが転写装置(ユニット)を構成している(図7参照)。清掃部材100Aとして、例えば図1に示す清掃部材100(本実施形態に係る清掃部材)が用いられる。清掃部材100Aは、例えば、転写部材22に常時接触し転写部材22に従動して回転する部材、転写部材22にクリーニングの際のみ接触し転写部材22に従動して回転する部材、転写部材22にクリーニングの際のみ接触し別駆動により回転する部材、のいずれでもよい。
帯電部材14は、例えば図9に示すように、導電性芯体14Aの外周面に発泡弾性層14Bを備えるロールであり、導電性芯体14Aは現像装置19内で回転自在に支持されている。帯電部材14の感光体12と反対側には、帯電部材14の清掃部材100が、帯電部材14に接触して配置されている。つまり、帯電部材14と清掃部材100とが帯電装置(ユニット)を構成している(図8及び図9参照)。清掃部材100として、本実施形態に係る清掃部材が用いられる。清掃部材100は、例えば、帯電部材14に常時接触し帯電部材14に従動して回転する部材、帯電部材14にクリーニングの際のみ接触し帯電部材14に従動して回転する部材、帯電部材14にクリーニングの際のみ接触し別駆動により回転する部材、のいずれでもよい。
帯電部材14は、例えば図9に示すように、導電性芯体14Aの両端へ荷重Fがかけられることで感光体12へ押付けられる。これにより、発泡弾性層14Bが弾性変形して感光体12の外周面に沿ったニップ部を形成する。
一方、清掃部材100は、例えば図9に示すように、芯体102の両端へ荷重F’がかけられることで帯電部材14へ押付けられる。これにより、弾性層104が弾性変形して帯電部材14の外周面に沿ったニップ部を形成する。
図9に示す構成例においては、感光体12は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体12の回転により帯電部材14が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電部材14の回転により清掃部材100が矢印Z方向に従動回転する。
以上、図7乃至図9を用いて、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの例を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。
本実施形態に係る画像形成装置は、図7に示すタンデム方式且つ直接転写方式に限られず、中間転写方式等の周知の画像形成装置が適用される。また、本実施形態に係る画像形成装置は、内部に備える装置や部材をカートリッジ化せず、それぞれを直接配置した形態であってもよい。
本実施形態に係る、帯電装置を備えたプロセスカートリッジは、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)を備え、そのほかに感光体、露光装置、現像装置、及び転写装置から選択される少なくとも一つを備えたプロセスカートリッジとしてよい。
本実施形態に係る、転写装置を備えたプロセスカートリッジは、転写装置(転写部材と清掃部材とのユニット)を備え、そのほかに感光体、露光装置、帯電装置、及び現像装置から選択される少なくとも一つを備えたプロセスカートリッジとしてよい。
本実施形態に係る清掃部材によって表面が清掃される被清掃部材は、帯電部材と転写部材とに限られない。被清掃部材としては、ほかに、感光体、用紙搬送ベルト、中間転写方式の二次転写部材(例えば二次転写ロール)、中間転写方式の中間転写体(例えば中間転写ベルト)等が挙げられる。これら被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とをユニット化し、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。
以下、本実施形態に係る清掃部材によって表面が清掃される被清掃部材の一例として、帯電部材(即ち、本実施形態に係る帯電装置が備える帯電部材)の実施形態例を説明する。
帯電部材は、例えば、芯体と弾性層とを有する。弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。弾性層は、その表面が表面処理された層でもよく、弾性層の外周面にさらに、高分子材料を含む表面層が積層されていてもよい。
芯体の材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が挙げられ、表面がメッキ処理されていてもよい。導電性を有しない材質の場合、メッキ処理等の導電化処理を行ってもよい。
弾性層は、導電性弾性層とする。導電性弾性層は、ゴム等の弾性材、及びカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤を含み、例えば、弾性材中に導電剤が分散して配合されている。弾性層は、さらに、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、滑剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などを含んでもよい。導電性弾性層は、上記材料の混合物を、導電性の芯体の外周面に被覆することにより形成される。弾性材は発泡体であってもよく、この場合、導電性弾性層は導電性発泡弾性層となる。
導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム及びこれらの混合物が挙げられる。弾性材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ-酸化アンチモン固溶体、酸化スズ-酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物;などの粉末が挙げられる。イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。導電剤の配合量は、特に制限はないが、電子導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、イオン導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
帯電部材の表面には、高分子材料を含む表面層を設けてもよい。表面層に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン等が挙げられる。共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン及び12ナイロンのいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体であり、他の重合単位として6ナイロン、66ナイロン等を含んでもよい。共重合ナイロンにおける610ナイロン、11ナイロン及び12ナイロンの含有割合は、合計10質量%以上が望ましい。
上記高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。上記高分子材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。表面層に含まれる高分子材料としては、フッ素系又はシリコーン系の樹脂が望ましい。
表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。導電性材料としては、粒径が3μm以下である粉体が望ましい。抵抗値の調整を目的とした導電性材料としては、カーボンブラック、導電性金属酸化物粒子、イオン導電剤等が挙げられる。導電性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、具体的には、オリオンエンジニアドカーボンズ社製「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、同「MONARCH1300」、同「MONARCH1400」、同「MOGUL-L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
導電性金属酸化物粒子としては、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)等の、電子を電荷キャリアとする導電剤の粒子が挙げられる。
表面層は、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を含んでもよい。これら粒子によって帯電部材の表面に凹凸が形成されると、感光体との摺擦時の負担が小さくなり、帯電部材と感光体相互の耐磨耗性が向上する。
帯電部材の外径は、8mm以上16mm以下が望ましい。帯電部材のマイクロ硬度は、45°以上60°以下が望ましい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1:クリーニングロール1の作製>
厚さ2.4mmの発泡ウレタン(EP-70;イノアックコーポレーション社製)シートを幅4mm、長さ360mmの短冊になるように切り出した。また、同じ発泡ウレタンシートを幅4mm、長さ360mmの短冊をもう1つ用意し、幅方向の長さが1mmとなるように100℃に加熱した金属アルミ板2枚で挟むように圧縮加工を施した。そして、切り出したままの短冊(第1の領域)、および圧縮加工を施した短冊(第2の領域)の長手方向の端面を、厚み0.05mmの両面テープ(日東電工社製、No.5605)で貼り合わせた。さらに、貼り合せた後の短冊に対して、厚み0.05mmの同じ両面テープを、短冊全面(底面)に貼り付け、両面テープ付き短冊を得た。
得られた両面テープ付き短冊を、両面テープに貼り付けられている剥離紙が下方を向くように水平な台上に置いた。そして、短冊の長手方向先端部から長手方向における長さ1mmの範囲の厚みが他の部位の厚みの15%となるように、長手方向先端部を加熱したステンレス鋼によって上部から圧縮した。
得られた両面テープ付き短冊を、その両面テープに貼り付けられている剥離紙が上方を向くように水平な台上に置き、金属製の芯体(材質:SUM24EZ、外径:φ5.0mm、全長:338mm)へ、螺旋角度θが25°となるように、かつ短冊全長が0%~5%までの範囲で伸びるように張力を付与しつつ巻き付けた。
以上の工程により、芯体の外周面に、螺旋状に巻回され、2つに分割された弾性層を有するクリーニングロール1を得た。
弾性層のうち、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比の値は、表1に示すとおりである。
<実施例2~5:クリーニングロール2~5の作製>
表1にしたがって、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール2~5をそれぞれ得た。それぞれの値は、表1に示すとおりである。
<実施例6:クリーニングロール6の作製>
厚さ2.4mmの発泡シリコーン(TT-4101;イノアックコーポレーション社製)シートを幅4mm、長さ360mmの短冊になるように切り出した。また、厚さ2.5mmの発泡ウレタンシート(EP-70;イノアックコーポレーション社製)を幅4mm、長さ360mmの短冊をもう1つ用意し、幅方向の長さが1mmとなるように100℃に加熱した金属アルミ板2枚で挟むように圧縮加工を施した。そして、切り出したままの短冊(第1の領域)、および圧縮加工を施した短冊(第2の領域)の長手方向の端面を、厚み0.05mmの両面テープ(日東電工社製、No.5605)で貼り合わせた。さらに、貼り合せた後の短冊に対して、厚み0.05mmの同じ両面テープを、短冊全面(底面)に貼り付け、両面テープ付き短冊を得た。
そして、得られた両面テープ付き短冊を、芯体に巻き付けた以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール6を得た。
弾性層のうち、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比の値は、表1に示すとおりである。
<実施例7~8:クリーニングロール7~8の作製>
表1にしたがって、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール7~8をそれぞれ得た。それぞれの値は、表1に示すとおりである。
<実施例9:クリーニングロール9の作製>
厚さ2.4mmの発泡ウレタン(EP-70;イノアックコーポレーション社製)シートを上幅6mm/下幅4mm(断面が台形型)、長さ360mmの短冊になるように切り出した。また、同じ発泡ウレタンシートを幅4mm、長さ360mmの短冊をもう1つ用意し、幅方向の長さが1mmとなるように100℃に加熱した金属アルミ板2枚で挟むように圧縮加工を施した。そして、切り出したままの短冊(第1の領域)、および圧縮加工を施した短冊(第2の領域)の長手方向の端面を密着させながら、2つの短冊に対して、厚み0.05mmの同じ両面テープを、短冊全面(底面)に貼り付け、両面テープ付き短冊を得た。
それ以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール9を得た。それぞれの値は、表1に示すとおりである。
<比較例1:比較クリーニングロールC1の作製>
厚さ2.5mmの発泡ウレタン(EP-70;イノアックコーポレーション社製)シートを幅5mm、長さ360mmの短冊になるように切り出した。切り出した短冊に対して、厚み0.05mmの両面テープ(日東電工社製、No.5605)を、短冊全面(底面)に貼り付け、両面テープ付き短冊を得た。
実施例1と同様にして、両面テープ付き短冊を芯体に巻き付けて、比較クリーニングロールC1を得た。
弾性層のうち、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比の値は、表1に示すとおりである。
<比較例2:比較クリーニングロールC2の作製>
表1にしたがって、第1の領域における幅WUおよびヤング率MU、第2の領域における幅WLおよびヤング率ML、全体幅WA、WL/WUの比、ML/MUの比となるように変更した以外は、実施例1と同様にして、比較クリーニングロールC2を得た。それぞれの値は、表1に示すとおりである。
<評価>
各例で作製したクリーニングロールを用いて、下記評価を行った。被清掃部材として下記の帯電ロールを作製し、評価に使用した。
[帯電ロールの作製]
(弾性層の形成)
下記混合物を、オープンロールで混練し、SUS416からなる直径9mmの導電性の芯体の外周面に、厚さ1.5mmとなるように円筒状に被覆し、内径12.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨した。これにより、円筒状の導電性の弾性層を得た。
・ゴム材(エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、GECHRON3106:日本ゼオン社製)・・・・・・・・・・・・100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製)・・・・・25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製)・・・・・・・・・・・・8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製)・・・・・・・・・・・1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製)・・・・・・・・2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製)・・・・・・・・0.5質量部
(表面層の形成)
下記混合物を、ビーズミルにて分散し、得られた分散液を、メタノールで希釈し、導電性の弾性層の表面(外周面)に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥した。これにより、厚さ4μmの表面層を有する帯電ロールを得た。
・高分子材料(共重合ナイロン、アミランCM8000:東レ社製)・・・100質量部
・導電剤(アンチモンドープ酸化スズ、SN-100P:石原産業社製)・・30質量部
・溶剤(メタノール)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・500質量部
・溶剤(ブタノール)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・240質量部
<評価>
各例で作製したクリーニングロールについて、クリーニング性の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、クリーニング性の具体的な評価方法は、以下のようにして行った。
[クリーニング性評価]
上記各実施例及び各比較例で作製したクリーニングロール帯電ロールをカラー複合機DocuCentre-V C7775:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジに装着し、クリーニング性評価試験を行った。なお、各実施例及び比較例1を除く各比較例で作製したクリーニングロールは、第1の領域に該当する部位を回転方向上流側となるように、上記のカラー複合機のドラムカートリッジに装着した。
評価試験は、32℃、85%RHの環境下で、A3の記録用紙上に画像濃度100%で出力方向長さ320mm×幅30mmの帯状の画質パターンを50,000枚印字した後、帯電ロール14の画質パターン印字位置での表面状態の観察により、付着物のクリーニング性評価を行った。さらに、同一のものを使用して、10℃、15%RHの環境下で、同一の画質パターンをさらに50,000枚印字(合計100,000枚印字)した後、上記と同様にして表面状態の観察により、付着物のクリーニング性評価を行った。帯電ロールの観察は、共焦点レーザー顕微鏡(OLS1100、OLYMPAS社製)を用いて直接表面を観察し、以下の基準に基づいてクリーニング性を評価した。なお、G0.5までが許容範囲である。
-クリーニング性評価:判断基準-
G0 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり10%以下の範囲で見られる。
G0.5:帯電ロール表面に付着物が1μm当たり10%より大きく20%以下の範囲で見られる。
G1 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり20%より大きく30%以下の範囲で見られる。
G2 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり30%より大きく50%以下の範囲で見られる。
G3 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり50%より大きい範囲で見られる。
Figure 0007077562000001
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、繰り返し使用しても、クリーニング性が良好であることがわかる。
10 画像形成装置、12 感光体、14 帯電部材、14A 導電性芯体、14B 発泡弾性層、16 露光装置、19、19Y、19M、19C、19K 現像装置、20 用紙搬送ベルト、22 転写部材、24 記録用紙、64 定着装置、66 排出ロール、68 排出部、70 用紙搬送路、72 搬送ロール、80 清掃ブレード、100、100A 清掃部材、102 芯体、104 弾性層、104A 第1の領域、104B 第2の領域、106 接着層(両面テープ)、108 弾性部材

Claims (14)

  1. 芯体と、
    前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、螺旋状に巻き回された弾性層と、
    を備え、
    前記螺旋状に巻き回された弾性層が互いに離間しており、
    前記弾性層が、幅方向の一端にヤング率がMUで表される第1の領域、及び前記第1の領域に隣り合って設けられ、ヤング率がMLで表される第2の領域を有し、
    前記第1の領域および前記第2の領域が接着または密着しており、
    前記MUおよび前記MLの関係が、ML/MU≧1.5であり、
    前記第1の領域の幅が前記第2の領域の幅よりも広い清掃部材。
  2. 弾性層が、幅方向に2つ以上に分割されており、前記分割された弾性層のうち、幅方向の一端の部位が、前記第1の領域であり、前記一端の部位と隣り合う部位が第2の領域である請求項1に記載の清掃部材。
  3. 前記芯体の外周面に対する前記弾性層の被覆率が、5%以上90%以下である請求項1又は請求項2に記載の清掃部材。
  4. 前記第1の領域の幅をWU、前記第2の領域の幅をWLとしたとき、前記WUおよび前記WLの関係が、0.7>WL/WU>0.1である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の清掃部材。
  5. 前記弾性層が、発泡弾性層である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の清掃部材。
  6. 被帯電体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材の表面に接触して配置され、前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える帯電装置。
  7. 被転写体に転写物を転写させる転写部材と、
    前記転写部材の表面に接触して配置され、前記転写部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える転写装置。
  8. 請求項に記載の帯電装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  9. 請求項に記載の転写装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する請求項に記載の帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  11. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する請求項に記載の転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  12. 被清掃部材と、
    前記被清掃部材の表面に接触して配置され、前記被清掃部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える画像形成装置用のユニット。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置用のユニットを少なくとも備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  14. 請求項12に記載の画像形成装置用のユニットを備える画像形成装置。
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