JP7000768B2 - 清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、清掃部材、帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成は、帯電及び露光により感光体表面に静電潜像を形成し、帯電したトナーにより静電潜像を現像してトナー像を形成し、トナー像を紙などの記録媒体に転写し定着することにより画像を形成する。この画像形成を行う画像形成装置内には、帯電、露光、転写等の各工程を行う部材のほか、これら部材の表面を清掃するための清掃部材が搭載されている。
例えば、特許文献1には、芯体と、芯体の外周面に、短冊状の弾性部材を螺旋状に巻き付けて配置された弾性層と、を有し、芯体の外周面に巻き付けられた状態における弾性層の螺旋幅方向中央部での厚みをt(mm)、芯体の外周面に巻き付ける前の短冊状の弾性部材の幅方向中央部での厚みをT(mm)としたとき、0.7<t/T<1.0を満たす画像形成装置用の清掃部材が開示されている。
特開2012-014011号公報
芯体、及び芯体の外周面に螺旋状に配置された弾性層を有する清掃部材では、弾性層に剥れが生じることがある。
本発明の課題は、芯体の外周面に螺旋状に配置され、弾性層の幅方向に2つ又は3つに分割された弾性層を有し、かつ分割された弾性層のそれぞれの幅が等しい清掃部材に比べ、弾性層の剥れが抑制される清掃部材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
芯体と、
前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、螺旋状に配置された弾性層と、
を備え、
前記弾性層が、幅方向に3つ以上に分割されており、分割された弾性層のうち、幅方向両端の弾性層の幅が、前記幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の幅よりも小さい清掃部材。
請求項2に係る発明は、
前記幅方向両端の弾性層の幅が2mm以上5mm未満である請求項1に記載の清掃部材。
請求項3に係る発明は、
前記幅方向両端の弾性層の幅の、前記芯体の外径に対する比率が0.2以上1.0未満である請求項1又は請求項2に記載の清掃部材。
請求項4に係る発明は、
前記幅方向両端の弾性層における幅方向縁部の厚さと最小厚さとの差が0.05mm以上0.25mm以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の清掃部材。
請求項5に係る発明は、
前記幅方向両端の弾性層の幅の差が0.5mm以下である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の清掃部材。
請求項6に係る発明は、
前記幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の幅が3.0mm以上8.0mm以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の清掃部材。
請求項7に係る発明は、
前記弾性層が、幅方向に4つ以上に分割されている請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の清掃部材。
請求項8に係る発明は、
被帯電体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材の表面に接触して配置され、前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える帯電装置。
請求項9に係る発明は、
被転写体に転写物を転写させる転写部材と、
前記転写部材の表面に接触して配置され、前記転写部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える転写装置。
請求項10に係る発明は、
請求項8に記載の帯電装置を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項11に係る発明は、
請求項9に記載の転写装置を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項12に係る発明は、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する請求項8に記載の帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項13に係る発明は、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する請求項9に記載の転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項14に係る発明は、
被清掃部材と、
前記被清掃部材の表面に接触して配置され、前記被清掃部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
を備える画像形成装置用のユニット。
請求項15に係る発明は、
請求項14に記載の画像形成装置用のユニットを少なくとも備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項16に係る発明は、
請求項14に記載の画像形成装置用のユニットを備える画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、芯体の外周面に螺旋状に配置され、弾性層の幅方向に2つ又は3つに分割された弾性層を有し、かつ分割された弾性層のそれぞれの幅が等しい清掃部材に比べ、弾性層の剥れが抑制される清掃部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、幅方向に3つ以上に分割された弾性層のうち幅方向両端の弾性層の幅が5mm以上である清掃部材に比べ、弾性層の剥れが抑制される清掃部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、幅方向に3つ以上に分割された弾性層のうち幅方向両端の弾性層の幅の芯体の外径に対する比率が1.0以上である清掃部材に比べ、弾性層の剥れが抑制される清掃部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、幅方向に3つ以上に分割された弾性層のうち幅方向両端の弾性層における幅方向縁部の厚さと最小厚さとの差が0.25mm超えである清掃部材に比べ、弾性層の剥れが抑制される清掃部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、幅方向に3つ以上に分割された弾性層のうち幅方向両端の弾性層の幅の差が0.5mm超えである清掃部材に比べ、清掃の均等性に優れた清掃部材が提供される。
請求項6に係る発明によれば、幅方向に3つ以上に分割された弾性層のうち幅方向内側の弾性層の幅が3.0mm未満である清掃部材に比べ、清掃性能に優れた清掃部材が提供される。
請求項7に係る発明によれば、幅方向に3つに分割された弾性層を備える清掃部材に比べ、清掃性能に優れた清掃部材が提供される。
請求項8、10、又は12に係る発明によれば、芯体の外周面に螺旋状に配置され、弾性層の幅方向に2つ又は3つに分割された弾性層を有し、かつ分割された弾性層のそれぞれの幅が等しい清掃部材を備える場合に比べ、帯電部材における高い清掃性を長期にわたり保持し得る帯電装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
請求項9、11、又は13に係る発明によれば、芯体の外周面に螺旋状に配置され、弾性層の幅方向に2つ又は3つに分割された弾性層を有し、かつ分割された弾性層のそれぞれの幅が等しい清掃部材を備える場合に比べ、転写部材における高い清掃性を長期にわたり保持し得る転写装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
請求項14、15、又は16に係る発明によれば、芯体の外周面に螺旋状に配置され、弾性層の幅方向に2つ又は3つに分割された弾性層を有し、かつ分割された弾性層のそれぞれの幅が等しい清掃部材を備える場合に比べ、被清掃部材における高い清掃性を長期にわたり保持し得る画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略平面図である。 本実施形態に係る清掃部材の一例における弾性層を示す拡大断面図である。 本実施形態に係る清掃部材の他の一例における弾性層を示す拡大断面図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る清掃部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 図6及び図7における帯電装置の周辺部分を拡大した概略構成図である。
以下、発明の一例である実施形態について説明する。なお、同じ機能及び作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、その説明を省略する場合がある。
本明細書において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。
<清掃部材>
図1は、本実施形態に係る清掃部材の一例を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る清掃部材の一例の概略平面図である。図3は、本実施形態に係る清掃部材の一例が備える弾性層を示す拡大断面図である。図2は、図1の概略平面図であり、図3は、図2のA-A断面図、つまり、弾性層を芯体の軸方向に沿って切断した断面図である。
図4は、本実施形態に係る清掃部材の他の一例が備える弾性層を示す拡大断面図である。
本実施形態に係る清掃部材100は、図1及び図2に示すように、芯体102と弾性層104とを備えた部材であり、例えばロール状の部材である。そして、弾性層104は分割されている。
清掃部材100において、弾性層104は、芯体102の外周面に配置されている。例えば、芯体102の一端から他端にかけて、短冊状の弾性部材が、芯体102の軸方向に沿う方向に、芯体102の外周面に間隔をもって、螺旋状に配置されている。なお、清掃部材100は、軸方向の端部に、被清掃部材に対するクリーニング性能を示さなくてよい領域を有する場合がある。その場合、清掃部材100において、上記領域である端部には、弾性層104が配置されていなくてもよい。
清掃部材100は、例えば、図3、及び図4に示すように、芯体102と弾性層104とが接着層106によって接着された部材である。弾性層104は、例えば、芯体102の一端から他端にかけて、芯体102の外周面に沿って、短冊状の弾性部材108(図5A~図5C参照)を、接着層106を介して、螺旋状に巻き付けて形成される。
清掃部材100は、例えば、図3、及び図4に示すように、弾性層104が、切込み部110を2つ、又は3つ有する。また、弾性層104は、図1及び図2に示すように、切込み部110を、弾性層104の長手方向の一端から他端にかけて連続して有している。
そして、本実施形態に係る清掃部材100は、図3、及び図4に示すように、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aの幅W3が、幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bの幅W4よりも小さい弾性層104を有している。
なお、本明細書中において、弾性層の「幅方向」とは、芯体に弾性層が巻き回された状態で、弾性層の長手方向に対して、垂直に沿う方向を表す。
本明細書中において、弾性層の「幅」とは、芯体に弾性層が巻き回された状態で、幅方向における一方の端辺から他方の端辺までの距離を表す。
そして、分割された弾性層の「幅」とは、分割されたそれぞれの弾性層において、幅方向における一方の端辺から切込み部までの距離、一方の切込み部から他方の切込み部までの距離、及び切込み部から他方の端辺までの距離を表す。
なお、「幅」の測定は、弾性層に設けられた切込み部の深さ方向における最も先端となる領域(例えば、先端から±10%以内)で測定するものとする。切込み部の深さが接着層まで達している場合は、弾性層と接着層との境界の領域(例えば、境界から弾性層の厚さ方向に向かって±10%以内)で測定するものとする。
本明細書中において、弾性層が「分割されている」とは、弾性層が切込み部を介して、一纏まりとなっている状態であることを表す。
分割された弾性層としては、例えば、次の形態が挙げられる。
弾性層の両端用および内側用に、目的とする幅に切り出した個々の切断片を、長手方向の辺が互いに接触するように、一纏まりとした短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
また、短冊状の弾性部材に、目的とする幅となるように切込み部を設けて切断し、長手方向の辺を互いに接触させたままの一纏まりの短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
さらに、短冊状の弾性部材に、目的とする幅に、切断片とならないように切込み部を設けた、ひとつながりの短冊状の弾性部材とし、この弾性部材を、芯体に巻きつけた弾性層としてもよい。
したがって、切込み部110は、弾性層104を通過して、接着層106の少なくとも一部(例えば、50%以上)に到達していてもよい。また、切込み部110は、弾性層104の少なくとも一部に留まり、接着層106に到達していなくてもよい。
なお、切込み部110は、弾性層104の長手方向に対して斜めに(例えば、±5°以内の角度で)入っていてもよい。
切込み部110は、弾性層104の厚さ方向に対して斜めに(例えば、±10°以内の角度で)入っていてもよい。
切込み部110は、例えば、弾性層104の厚さ方向から見て(表面から見て)、直線、曲線、波線、ジグザグ線のいずれでもよい。
本明細書中において、弾性層における「最小厚さ」とは、芯体に弾性層が巻き回された状態での幅方向断面における最小となる厚さを表す。具体的には、接着層106と接触する弾性層104の境界部分から表面までの距離のうち、芯体102の径方向外側に向かう方向で、最も小さくなる距離を表す。すなわち、幅方向両端の弾性層104Aの最小厚さD1(又は内側の弾性層104Bの最小厚さD2)は、接着層106と接触する弾性層104の境界部分から、芯体102の径方向外側に沿う方向に向かって、弾性層104A(又は弾性層104B)の表面までの距離のうち、最も短くなる距離を表す。
具体的には、図3、及び図4に示すように、分割された弾性層104のそれぞれの弾性層(104A、104B)は、幅方向断面において、両縁部が芯体の径方向外側へ向かって、突出した突出部が形成されている。その一方で、分割された弾性層104のそれぞれの弾性層(104A、104B)の両縁部より内側は凹部(溝)となり、幅方向中央部で最も凹んでいる。つまり、図3、及び図4に示すように、幅方向両端の弾性層104Aの最小厚さD1、及び幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bの最小厚さD2は、分割された弾性層104のそれぞれの弾性層(104A、104B)において、幅方向中央部での厚さとなる。なお、突出部は、分割された弾性層のそれぞれの弾性層において、長手方向に沿って形成されている。
芯体に巻き回された弾性層を有する清掃部材は、例えば、荷重をかけて被清掃部材に押し付けられ、清掃部材の外周面に配置された弾性層が、被清掃部材の周面に沿って、弾性変形してニップ部(圧接部)を形成している。清掃部材の弾性層は、被清掃部材に対して圧力を付与されつつ接触している。
また、芯体に巻き回された弾性層は、弾性層の幅方向の両縁部で、長手方向に沿って突出した突出部(エッジ)が形成されている。そして、被清掃部材を清掃するときに、突出した弾性層の縁部が被清掃部材に対して接触して回転することでクリーニング性が向上する。
ここで、芯体に巻き回された弾性層を有する清掃部材では、弾性層に剥れが発生することがあった。それは以下の理由によるものと推測される。
芯体の外周面に弾性部材を巻き付けて弾性層を螺旋状に配置した清掃部材では、弾性部材を巻き付ける際に、弾性部材の長手方向に少なからず張力が付与される。弾性部材を巻き付ける際に張力を付与すると、弾性層は弾性変形をした状態(例えば、巻き付ける前の弾性部材の厚さよりも薄くなった状態)で芯体に配置される。また、弾性部材を巻き付ける際に張力を付与しない場合であっても、弾性層は芯体の曲率に応じて変形して配置されるため、やはり弾性変形が生じる。
そして、弾性部材を芯体に巻き付けてなる弾性層には、弾性変形した状態で芯体の外周面に固定されることから、弾性層の弾性変形量に伴った反発弾性力(弾性層の復元力)が発生すると考えられる。弾性層の復元力は、弾性層の厚さが厚いほど、弾性部材の弾性係数が大きいほど、さらに芯体の曲率が大きいほど、強く働くと考えられる。
上記事象の下、弾性層に発生している反発弾性力(復元力)は、幅方向に沿って収縮する方向に働くため、結果、時間経過に伴い弾性層の幅方向端部の一方又は両方が芯体から剥れることがある。
特に、清掃部材が高温高湿(例えば45℃、95%RH)環境下に晒されると、弾性層の幅方向端部が芯体からより剥れ易くなる。
しかし、本実施形態の清掃部材によれば、弾性層104の芯体102からの剥れの発生が抑制される。その機序として、下記が推測される。
本実施形態の清掃部材100は、図1および図2に示すように、芯体102の外周面に、螺旋状に巻き回された弾性層104が、幅方向に3つ以上に分割されている。
また、本実施形態に係る清掃部材100は、図1、図2、図3、及び図4に示すように、3つ以上に分割された弾性層104が、切込み部110を介して一纏まりとなった状態で、芯体102に巻き回されている。分割された弾性層104は、前述のように、分割されたそれぞれの弾性層(104A,104B)が、幅方向の両縁部が、芯体の径方向外側に向かう方向に突出した突出部を有している。
そして、本実施形態に係る清掃部材100では、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aの幅W3が、幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bの幅W4よりも小さい弾性層104が形成されている。
そのため、この状態で巻きつけられた弾性層104は、図3、及び図4に示すように、分割された弾性層104のうち、両端の弾性層104Aにおける幅方向中央部の凹み(溝深さ)が小さくなる一方で、内側の弾性層104Bにおける幅方向中央部の凹み(溝深さ)は大きくなる。凹み(溝深さ)が小さい両端の弾性層104Aの領域では反発弾性力(復元力)が相対的に弱くなり、一方凹み(溝深さ)が大きい内側の弾性層104Bの領域では反発弾性力(復元力)が相対的に強くなる。つまり、本実施形態では、芯体102からの剥がれが生じ易い幅方向両端の弾性層104Aの領域での反発弾性力(復元力)を相対的に弱めることで、弾性層104Aに内在する芯体102から引き剥がれる方向に働く力を弱め、弾性層104の幅方向端部の一方又は両方が芯体102から剥れることを抑制し得るものと考えられる。
以上から、本実施形態の清掃部材100は、上記構成により、弾性層の剥がれの発生が抑制されると推測される。
そして、弾性層の剥がれの発生が抑制される上記構成の清掃部材100を備えた帯電装置、転写装置、画像形成装置用のユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置では、弾性層の剥がれが抑制されることに伴って長期にわたり優れたクリーニング性が保持され、その結果被清掃部材(帯電部材、転写部材等)の清掃不良による性能の低下が抑制される。
以下、各部材について説明する。
(芯体)
まず、芯体102について説明する。
芯体102に用いる材質としては、金属若しくは合金、又は樹脂等が挙げられる。
金属若しくは合金としては、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、アルミニウム、ニッケル等の金属;ステンレス鋼等の合金が挙げられる。
樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル-ジエン-芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物-ジエン-シアン化ビニル-N-フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル-(エチレン-ジエン-プロピレン(EPDM))-芳香族アルケニル化合物共重合体;ポリオレフィン樹脂;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、材質及び表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。特に、芯体102が金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
(弾性層)
次に、弾性層104について説明する。
弾性層104とは100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成される層をいう。弾性層104は、発泡弾性層であってもよいし、非発泡弾性層であってもよい。弾性層104は、清掃性(クリーニング性)向上の点から、発泡弾性層であることがよい。なお、発泡弾性層は、気泡を有する材料(いわゆる発泡体)で構成された層である。
弾性層104の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、若しくはポリプロピレン等の発泡性の樹脂、または、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、塩素化ポリイソプレン、イソプレン、スチレン-ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、又は2種類以上を混合してなる材料が挙げられる。
なお、これらには、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、又は加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
弾性層104は、特に、擦れによる被清掃部材の表面に傷を付けない、長期に渡り千切れや破損が生じないようにする観点から、引っ張りに強い発泡ポリウレタンであることが望ましい。
発泡ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールやアクリルポリオール等)と、イソシアネート(例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートや4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、更に鎖延長剤(1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン)を反応させたものであってもよい。
そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。
発泡ポリウレタンには、発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
これらの発泡ポリウレタンの中も、エーテル系発泡ポリウレタンがよい。これは、エステル系発泡ポリウレタンは、湿熱劣化し易い傾向があるためである。エーテル系ポリウレタンは主としてシリコーンオイルの整泡剤が使用されるが、保管(特に高温高湿下での保管)にてシリコーンオイルが被清掃部材(例えば帯電ロール等)へ移行することによる画質欠陥が発生することがある。その為、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いることで、被清掃部材への整泡剤の移行が抑制され、整泡剤の移行に起因する画質欠陥が抑制される。
ここで、シリコーンオイル以外の整泡剤として具体的には、例えば、Siを含まない有機系の界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤)が挙げられる。また、シリコーン系整泡剤を用いない製法も適用し得る。
なお、エステル系発泡ポリウレタンが、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いたか否かは、成分分析により、「Si」を含むか否かで判断される。
弾性層104の全体の幅W1は、11mm以上、より好ましくは14mm以上であることがよい。なお、弾性層104を螺旋状に巻き回したときの芯体102の長手方向に沿う方向の弾性層104の幅(以下、「螺旋幅」とも称する。)は、11mm超であることがよく、好ましくは14mm超である。但し、弾性層104の全体の幅W1および螺旋幅の上限値は、螺旋角度θによるが、弾性層が重ならない状態で螺旋状に芯体に巻きつけることが可能であれば特に制限はない。
弾性層104は、例えば、芯体102の軸方向に対し、好ましくは2°以上75°以下の螺旋角度θ、より好ましくは4°以上75°以下の螺旋角度θ、さらに好ましくは8°以上45°以下の螺旋角度θをもって、短冊状の弾性部材108(短冊108)が螺旋状に巻き回された弾性層である。即ち、弾性層104は、清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に対し2°以上75°以下の角度をもって、芯体102の外周面に螺旋状に配置されていることが好ましい。
ここで、螺旋角度θとは、図2に示す通り、弾性層104の長手方向P(螺旋方向)と清掃部材の軸方向Q(芯体の軸方向)とが交差する角度(鋭角)を意味する。
本実施形態の清掃部材100において、弾性層104の分割数は3つ以上である。なお、清掃性(クリーニング性)向上の点から、弾性層104の分割数は4つ以上であることがよく、つまり突出部(エッジ)の数が増えるほど好ましい。分割数の上限は特に限定されないが、清掃性(クリーニング性)を考慮しつつ、弾性層104の全体の幅W1によって決定すればよい。具体的には、分割数の上限は、例えば、7つ以下であることが挙げられる。
本実施形態に係る清掃部材は、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aの幅W3は、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、2mm以上5mm未満であることがよい。
一方、内側の弾性層104Bの幅W4は、弾性層104全体としての幅を確保することで清掃性(クリーニング性)を向上させるとの観点で、3.0mm以上8.0mm以下であることがよい。
本実施形態に係る清掃部材は、幅方向両端の弾性層104Aの幅W3が、内側の弾性層104Bの幅W4よりも小さい。弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、幅W4と幅W3との比(W4/W3)は、1.2以上(好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上)であることがよい。幅W4と幅W3との比(W4/W3)の上限は特に限定されない。幅方向両端の弾性層の幅W3が、内側の弾性層104Bの幅W4より小さくなるように、内側の弾性層104Bを分割し得る幅となるように決定すればよい。具体的には、例えば、幅W4と幅W3との比(W4/W3)の上限は3.0以下であることが挙げられる。
本実施形態に係る清掃部材は、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aの幅W3の芯体102の外径に対する比率が、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、0.2以上1.0未満(好ましくは0.2以上0.8以下)であることがよい。
一方、内側の弾性層104Bの幅W4の芯体102の外径に対する比率は、弾性層104全体としての幅を確保することで清掃性(クリーニング性)を向上させるとの観点で、0.5以上1.3以下であることがよい。
本実施形態に係る清掃部材は、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aのそれぞれの幅(つまり幅方向の一方の端の弾性層104Aの幅W3と、他方の端の弾性層104Aの幅W3)の差が小さいほど好ましい。両端の弾性層104Aのそれぞれの幅の差が小さいことで、清掃(クリーニング)の均等性が高められる。この観点から、両端の弾性層104Aの幅の差は、0.5mm以下であることがよく、0mmに近いほど好ましい。
本実施形態に係る清掃部材は、幅方向両端の弾性層104Aの最小厚さD1が、幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bの最小厚さD2よりも小さいことが、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で好ましい。
幅方向両端の弾性層104Aの最小厚さD1と両端の弾性層より内側の弾性層104Bの最小厚さD2との比(D2/D1)は、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、0.85以上0.98以下(好ましくは0.90以上0.95以下)であることがよい。
本実施形態に係る清掃部材は、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aにおける最小厚さD1(幅方向中央部での厚さD1)は、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、1.7mm以上3.2mm以下であることがよい。好ましくは2.2mm以上2.7mm以下である。
また、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bにおける最小厚さD2(幅方向中央部での厚さD2)は、弾性層104の清掃性(クリーニング性)向上の点で、1.5mm以上3.0mm以下であることがよい。好ましくは2.0mm以上2.5mm以下である。
また、本実施形態に係る清掃部材は、弾性層104の剥がれの発生を抑制する点で、幅方向両端の弾性層104Aにおける縁部の厚さD4と最小厚さD1との差ΔD41(溝深さ)が、0.05mm以上0.25mm以下(好ましくは0.05mm以上0.15mm以下)であることがよい。
また、幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bにおける縁部の厚さD4と最小厚さD2との差ΔD42(溝深さ)は、清掃性(クリーニング性)向上の点で、0.1mm以上0.3mm以下(好ましくは0.2mm以上0.3mm以下)であることがよい。
なお、ΔD41(両端の弾性層104Aにおける溝深さ)はΔD42(内側の弾性層104Bにおける溝深さ)より小さくなる。
なお、弾性層の縁部の厚さD4は、接着層106と接触する弾性層104の境界部分から、芯体102の径方向外側に沿う方向に向かって、突出した縁部の先端までの距離のうち、最も大きいものを表す。
ここで、分割された弾性層104のうち、幅方向両端の弾性層104Aにおける最小厚さD1及び内側の弾性層104Bにおける最小厚さD2、並びに、弾性層の縁部の厚さD4は、例えば、次のようにして測定する。また、幅方向両端の弾性層の幅W3、及び内側の弾性層104Bの幅W4も同様にして測定する。
レーザー測定機(株式会社ミツトヨ製、レーザースキャンマイクロメータ、型式:LSM6200)を用いて、測定対象となる清掃部材の周方向は固定した状態で、1mm/sのトラバース速度にて清掃部材の長手方向(軸方向)へスキャンさせて弾性層厚み(弾性層肉厚)のプロファイルの測定を行う。その後、周方向位置をずらし同様の測定を行う(周方向位置は120°間隔、3箇所)。このプロファイルを基に弾性層104における上記厚みD1及びD2、並びにD4の算出を行う。W3及びW4も同様にして算出する。
芯体102に対する弾性層104の巻数は、好ましくは1以上、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは2以上である。なお、弾性層104の巻数の上限は、芯体の長さによるため、特に制限されない。
弾性層104の切込み部110の深さD3は、清掃性(クリーニング性)向上の点から、弾性層104の厚さに対して深いほうがよい。例えば、弾性層104の両縁部の厚さD4に対して50%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上)であることがよい。切込み部110の深さD3の上限は特に限定されないが、弾性層の両縁部の厚さD4に対して100%でもよい。また、切込み部110の深さD3は、接着層106の少なくとも一部に達していてもよい。切込み部110の深さD3は、例えば、接着層106の厚さの10%以上に達していてもよく、接着層106の厚さの50%以上に達していてもよく、接着層106の厚さの100%に達していてもよい。
弾性層104は、被覆率(弾性層104の螺旋幅/[弾性層104の螺旋幅+弾性層104の螺旋間隔W2])が5%以上90%以下であることがよく、8%以上80%以下であることが好ましく、10%以上70%以下であることがより好ましい。
螺旋間隔W2とは、図2に示す通り、弾性層104の清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った、隣り合う弾性層104間の長さを意味する。
弾性層104は、3つ以上に分割された弾性層のうち、幅方向両端の弾性層104Aと幅方向両端の弾性層104Aより内側の弾性層104Bの材質が異なっていてもよく、同じでもよい。また、材質が同じでも、異なる物性(例えば、硬度、発泡倍率、圧縮反発力等の物性)を有していてもよい。
(接着層)
次に、接着層106について説明する。
接着層106としては、芯体102と弾性層104とを接着し得るものであれば、特に制限はないが、例えば、両面テープ、その他接着剤により構成される。
(製造方法)
次に、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法について説明する。
図5A~図5Cは、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、図5Aに示すように、目的の厚みとなるようスライス加工を施したシート状の弾性部材(発泡ポリウレタンシート等)を準備する。このシート状の弾性部材の片面に、接着層106としての両面テープ(以下、「両面テープ106」とも称する)を貼り付け、目的とする幅および長さの短冊108(両面テープ106付き短冊状の弾性部材)を得る。なお、接着層106としての両面テープは、シート状の弾性部材から目的とする幅、長さに切り出した弾性部材とした後に片面に貼り付けてもよいし、シート状の弾性部材に切込みを入れた後に片面に貼り付けてもよい。
次に、切込みを入れる前の短冊108において、両面テープが付いていない側の面(以下「オモテ面」ともいう。)に切込みを入れて切込み部110を設ける。
図5Aは、右下に、短冊状の弾性部材108のオモテ面を示し、その上に、短冊状の弾性部材108の両面テープが付いている側の面を示す。
切込み部110は、短冊状の弾性部材108の長手方向に対して斜めに(例えば、±5°以内の角度で)入れてもよい。
切込み部110は、短冊状の弾性部材108の厚さ方向に対して斜めに(例えば、±10°以内の角度で)入れてもよい。
切込み部110は、例えば、弾性層104の厚さ方向から見て(表面から見て)直線、曲線、波線、ジグザグ線のいずれでもよい。
切込み部110は、短冊108を3つ以上の部材に切断しないように入れてもよく、3つ以上の部材に切断するように入れてもよい。
次に、図5Bに示すように、両面テープ106が付いた面を上方にして短冊108を配置し、この状態で両面テープ106の剥離紙の一端を剥がし、当該剥離紙を剥離した両面テープ上に芯体102の一端部を載せる。
次に、図5Cに示すように、両面テープの剥離紙を剥がしながら、目的とする速度で芯体102を回転させて、芯体102の外周面に短冊108を螺旋状に巻き付けていき、芯体102の外周面に螺旋状に配置された分割された弾性層104を有する清掃部材100を得る。
なお、本実施形態においては、短冊108の復元力を抑制し、芯体102からの短冊108の長手方向端部及び幅方向端部の剥れを抑制する観点から、短冊108を芯体102に巻き付けるときに、短冊108の弾性変形(幅方向中央部での厚みの変化)の度合を抑えた状態で配置することが好ましい。具体的には、短冊108の厚みに応じて、短冊108を巻き付ける角度、短冊108を巻き付けるときの張力を制御することが望ましい。
ここで、弾性層104となる短冊108を芯体102に巻き付ける際、芯体102の軸方向に対して、短冊108の長手方向が目的の角度(螺旋角度)となるよう、芯体102に短冊108の位置を合わせればよい。また、芯体102の外径は、例えば、φ2mm以上φ12mm以下にすることがよい。
短冊108を芯体102に巻き付ける際に張力が付与される場合、芯体102と短冊108の両面テープ106との間に隙間が生じない程度の張力であることが好ましい。張力を付与し過ぎると、短冊108の復元力を抑制しにくくなる。また、加えて引っ張り永久伸びが大きくなり、清掃に必要な弾性層104の弾性力が落ちる傾向があるためである。具体的には、例えば、元の短冊108の長さに対して0%以上5%以下の伸びになる張力(弾性層104の長さが100%以上105%以下の長さになる張力)とすることがよい。
一方で、短冊108を芯体102に巻き付けると、短冊108が伸びる傾向がある。この伸びは、短冊108の厚さ方向で異なり、最外郭が伸びる傾向がある。このため、短冊108を芯体102に巻き付けた後における最外郭の伸びが、元の短冊108の最外郭に対して5%程度になることがよい。伸び過ぎると、弾性層104の弾性力が落ちることがある。
この伸びは、短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径と短冊108の厚みにより制御され、短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径は芯体102の外径及び短冊108の巻き付け角度(螺旋角度θ)により制御される。
短冊108が芯体102に巻き付く曲率半径は、例えば、((芯体外径/2)+1mm)以上((芯体外径/2)+15mm)以下にすることがよく、望ましくは((芯体外径/2)+1.5mm)以上((芯体外径/2)+5.0mm)以下である。
なお、短冊108の長手方向先端部分に、短冊108の厚み方向に圧縮処理を施してもよい。圧縮処理を施すことで、芯体102に接着した後の短冊108の剥れが抑制される。具体的には、例えば、芯体102に接着する前の短冊108の長手方向先端部分に対して、短冊108の厚み方向に圧縮率(圧縮後の厚み/圧縮前の厚み×100)が10%以上70%以下となるように熱及び圧力を付与する圧縮処理(熱圧縮処理)を施してもよい。この圧縮処理により、短冊108の長手方向先端部分が、潰れた状態に塑性変形される。
<画像形成装置等>
以下、本実施形態に係る画像形成装置等について図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図7は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。図8は、図6及び図7における帯電装置の周辺部分を拡大した概略構成図である。
図6に示す画像形成装置10は、タンデム方式且つ直接転写方式のカラーの画像形成装置である。画像形成装置10の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の色毎のプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kが備えられている。プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、画像形成装置10に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kは、例えば図6及び図7に示すように、感光体12、帯電部材14、現像装置19を有する。
感光体12としては、例えば、有機感光性材料等からなる感光層が表面に被覆された導電性円筒体(例えば直径25mm)が用いられ、図示しないモータにより、例えば150mm/secの速度で回転駆動される。
感光体12は、感光体12の表面に配置された帯電部材14によって表面が帯電される。感光体12は、帯電した後、感光体12の回転方向下流側において露光装置16から出射されるレーザービームによって露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
感光体12上に形成された静電潜像は、現像装置19によって現像されトナー像となる。カラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の表面には、帯電、露光、及び現像の各工程が行われ、各色の感光体12の表面には、それぞれの色に対応したトナー像が形成される。
感光体12上に形成されたトナー像は、感光体12と転写部材22とが用紙搬送ベルト20を介して接する箇所にて、用紙搬送ベルト20上を搬送される記録用紙24へ転写される。用紙搬送ベルト20は、支持ロール40及び42によって張力が付与されつつ内周面から支持されており、記録用紙24を搬送する。記録用紙24は、用紙収納容器28から取出ローラ30により取り出され、搬送ロール32及び34により用紙搬送ベルト20まで搬送される。
各色のトナー像は、4つのプロセスカートリッジの並び順、即ち、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に記録用紙24へ転写される。
トナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、定着装置64によって加熱及び加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上に排出される。両面プリントの場合には、トナー像が第一面(表面)に定着された記録用紙24は、排出ロール66の逆回転によって、両面プリント用の用紙搬送路70に搬送される。その後、記録用紙24は、用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、記録用紙24の表裏を反転した状態で、再度、用紙搬送ベルト20上へ搬送され、記録用紙24の第二面(裏面)に感光体12上からトナー像が転写される。そして、トナー像が第二面(裏面)に転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、定着装置64によってトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、両面にトナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって排出部68上に排出される。
トナー像の転写が終了した後の感光体12は、感光体12が1回転する毎に、転写が行われる箇所よりも回転方向下流側に配置された清掃ブレード80によって、感光体12表面の残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成に備える。
転写部材22は、例えば、導電性芯体の外周面に導電性弾性層を備えるロールであり、導電性芯体は画像形成装置10内で回転自在に支持されている。転写部材22の感光体12と反対側には、転写部材22の清掃部材100Aが、転写部材22に接触して配置されている。つまり、転写部材22と清掃部材100Aとが転写装置(ユニット)を構成している(図6参照)。清掃部材100Aとして、例えば図1に示す清掃部材100(本実施形態に係る清掃部材)が用いられる。清掃部材100Aは、例えば、転写部材22に常時接触し転写部材22に従動して回転する部材、転写部材22にクリーニングの際のみ接触し転写部材22に従動して回転する部材、転写部材22にクリーニングの際のみ接触し別駆動により回転する部材、のいずれでもよい。
帯電部材14は、例えば図8に示すように、導電性芯体14Aの外周面に発泡弾性層14Bを備えるロールであり、導電性芯体14Aは現像装置19内で回転自在に支持されている。帯電部材14の感光体12と反対側には、帯電部材14の清掃部材100が、帯電部材14に接触して配置されている。つまり、帯電部材14と清掃部材100とが帯電装置(ユニット)を構成している(図7及び図8参照)。清掃部材100として、本実施形態に係る清掃部材が用いられる。清掃部材100は、例えば、帯電部材14に常時接触し帯電部材14に従動して回転する部材、帯電部材14にクリーニングの際のみ接触し帯電部材14に従動して回転する部材、帯電部材14にクリーニングの際のみ接触し別駆動により回転する部材、のいずれでもよい。
帯電部材14は、例えば図8に示すように、導電性芯体14Aの両端へ荷重Fがかけられることで感光体12へ押付けられる。これにより、発泡弾性層14Bが弾性変形して感光体12の外周面に沿ったニップ部を形成する。
一方、清掃部材100は、例えば図8に示すように、芯体102の両端へ荷重F’がかけられることで帯電部材14へ押付けられる。これにより、弾性層104が弾性変形して帯電部材14の外周面に沿ったニップ部を形成する。
図8に示す構成例においては、感光体12は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体12の回転により帯電部材14が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電部材14の回転により清掃部材100が矢印Z方向に従動回転する。
以上、図6乃至図8を用いて、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの例を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。
本実施形態に係る画像形成装置は、図6に示すタンデム方式且つ直接転写方式に限られず、中間転写方式等の周知の画像形成装置が適用される。また、本実施形態に係る画像形成装置は、内部に備える装置や部材をカートリッジ化せず、それぞれを直接配置した形態であってもよい。
本実施形態に係る、帯電装置を備えたプロセスカートリッジは、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)を備え、そのほかに感光体、露光装置、現像装置、及び転写装置から選択される少なくとも一つを備えたプロセスカートリッジとしてよい。
本実施形態に係る、転写装置を備えたプロセスカートリッジは、転写装置(転写部材と清掃部材とのユニット)を備え、そのほかに感光体、露光装置、帯電装置、及び現像装置から選択される少なくとも一つを備えたプロセスカートリッジとしてよい。
本実施形態に係る清掃部材によって表面が清掃される被清掃部材は、帯電部材と転写部材とに限られない。被清掃部材としては、ほかに、感光体、用紙搬送ベルト、中間転写方式の二次転写部材(例えば二次転写ロール)、中間転写方式の中間転写体(例えば中間転写ベルト)等が挙げられる。これら被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とをユニット化し、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。
以下、本実施形態に係る清掃部材によって表面が清掃される被清掃部材の一例として、帯電部材(即ち、本実施形態に係る帯電装置が備える帯電部材)の実施形態例を説明する。
帯電部材は、例えば、芯体と弾性層とを有する。弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。弾性層は、その表面が表面処理された層でもよく、弾性層の外周面にさらに、高分子材料を含む表面層が積層されていてもよい。
芯体の材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が挙げられ、表面がメッキ処理されていてもよい。導電性を有しない材質の場合、メッキ処理等の導電化処理を行ってもよい。
弾性層は、導電性弾性層とする。導電性弾性層は、ゴム等の弾性材、及びカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤を含み、例えば、弾性材中に導電剤が分散して配合されている。弾性層は、さらに、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、滑剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などを含んでもよい。導電性弾性層は、上記材料の混合物を、導電性の芯体の外周面に被覆することにより形成される。弾性材は発泡体であってもよく、この場合、導電性弾性層は導電性発泡弾性層となる。
導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム及びこれらの混合物が挙げられる。弾性材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ-酸化アンチモン固溶体、酸化スズ-酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物;などの粉末が挙げられる。イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。導電剤の配合量は、特に制限はないが、電子導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、イオン導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
帯電部材の表面には、高分子材料を含む表面層を設けてもよい。表面層に含まれる高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン等が挙げられる。共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン及び12ナイロンのいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体であり、他の重合単位として6ナイロン、66ナイロン等を含んでもよい。共重合ナイロンにおける610ナイロン、11ナイロン及び12ナイロンの含有割合は、合計10質量%以上が望ましい。
上記高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。上記高分子材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。表面層に含まれる高分子材料としては、フッ素系又はシリコーン系の樹脂が望ましい。
表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。導電性材料としては、粒径が3μm以下である粉体が望ましい。抵抗値の調整を目的とした導電性材料としては、カーボンブラック、導電性金属酸化物粒子、イオン導電剤等が挙げられる。導電性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、具体的には、オリオンエンジニアドカーボンズ社製「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、同「MONARCH1300」、同「MONARCH1400」、同「MOGUL-L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
導電性金属酸化物粒子としては、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)等の、電子を電荷キャリアとする導電剤の粒子が挙げられる。
表面層は、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を含んでもよい。これら粒子によって帯電部材の表面に凹凸が形成されると、感光体との摺擦時の負担が小さくなり、帯電部材と感光体相互の耐磨耗性が向上する。
帯電部材の外径は、8mm以上16mm以下が望ましい。帯電部材のマイクロ硬度は、45°以上60°以下が望ましい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1:クリーニングロールA1の作製>
厚さ2.4mmの発泡ウレタン(EP-70;株式会社イノアックコーポレーション社製)シートを幅13mm、長さ360mmの短冊になるように切り出した。切り出した短冊に対して、厚み0.05mmの両面テープ(日東電工社製、No.5605)を、短冊全面に貼り付け、両面テープ付き短冊を得た。
両面テープ付き短冊を発泡ウレタンシートが上方を向くように台上に置いた。次に、両面テープ付き短冊の長手方向の一方の先端部から他方の先端部にかけて、片刃ナイフで、両面テープ付き短冊の表面に対し垂直に沿う方向に、切り込み深さが弾性層の厚さに対して90%になるように切込みを入れた。これにより、軸方向に発泡ウレタンシートが3分割(端部3mm/内側5mm/端部3mmに分割)された両面テープ付き短冊を得た。
得られた両面テープ付き短冊を、両面テープに貼り付けられている剥離紙が下方を向くように水平な台上に置いた。そして、短冊の長手方向先端部から長手方向における長さ1mmの範囲の厚みが他の部位の厚みの15%となるように、長手方向先端部を加熱したステンレス鋼によって上部から圧縮した。
得られた両面テープ付き短冊を、その両面テープに貼り付けられている剥離紙が上方を向くように水平な台上に置き、金属製の芯体(材質:SUM24EZ、外径:φ5.0mm、全長:338mm)へ、螺旋角度θが25°となるように、かつ短冊全長が0%~5%までの範囲で伸びるように張力を付与しつつ巻き付けた。
以上の工程により、芯体の外周面に、螺旋状に巻回され、3つに分割された弾性層を有するクリーニングロールA1を得た。分割された弾性層のうち、幅方向両端の幅(W3)、及び幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の幅(W4)の割合(W3/W4/W3)は、3mm/5mm/3mmの割合に3分割されている。
また、分割された弾性層のうち、幅方向両端の弾性層の幅(W3)の芯体外径に対する比率、幅方向両端の弾性層の最小厚さ(D1)、幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の最小厚さ(D2)、幅方向両端の弾性層における縁部の厚さ(D4)と最小厚さ(D1)との差(溝深さ)(ΔD41)、及び幅方向両端の弾性層より内側の弾性層における縁部の厚さ(D4)と最小厚さ(D2)との差(溝深さ)(ΔD42)は、表1に示すとおりである。
<実施例2:クリーニングロールA2の作製>
準備する発泡ウレタンシートの幅を変更し、かつ形成する切込みを「3分割(端部4mm/内側5mm/端部4mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールA2を得た。
<実施例3:クリーニングロールA3の作製>
準備する発泡ウレタンシートの幅を変更し、かつ形成する切込みを「4分割(端部3mm/内側5mm/内側5mm/端部3mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールA3を得た。
<実施例4:クリーニングロールA4の作製>
芯体の外径が異なるクリーニングロールを作製した。
具体的には、芯体を(材質:SUM24EZ、外径:φ8.0mm、全長:338mm)に変更した。また、準備する発泡ウレタンシートの幅及び長さを変更し、かつ形成する切込みを「3分割(端部4mm/内側8mm/端部4mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールA4を得た。
<比較例1:クリーニングロールB1の作製>
準備する発泡ウレタンシートの幅を変更し、かつ形成する切込みを「2分割(端部5mm/端部5mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールB1を得た。
<比較例2:クリーニングロールB2の作製>
準備する発泡ウレタンシートの幅を変更し、かつ形成する切込みを「3分割(端部5mm/内側5mm/端部5mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールB2を得た。
<比較例3:クリーニングロールB3の作製>
準備する発泡ウレタンシートの幅を変更し、かつ形成する切込みを「3分割(端部5mm/内側5mm/端部6mmに分割)」となるよう変更したこと以外は、クリーニングロールA1と同様にして、クリーニングロールB3を得た。
[帯電ロールの作製]
(弾性層の形成)
下記混合物を、オープンロールで混練し、SUS416からなる直径9mmの導電性の芯体の外周面に、厚さ1.5mmとなるように円筒状に被覆し、内径12.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨した。これにより、円筒状の導電性の弾性層を得た。
・ゴム材(エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、GECHRON3106:日本ゼオン(株)製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製) 25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) 8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム)・1質量部
・加硫剤(硫黄、200メッシュ:鶴見化学工業社製) 1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) 2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) 0.5質量部
(表面層の形成)
下記混合物を、ビーズミルにて分散し、得られた分散液を、メタノールで希釈し、導電性の弾性層の表面(外周面)に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥した。これにより、厚さ4μmの表面層を有する帯電ロールを得た。
・高分子材料(共重合ナイロン、アミランCM8000:東レ社製) 100質量部
・導電剤(アンチモンドープ酸化スズ、SN-100P:石原産業社製) 30質量部
・溶剤(メタノール) 500質量部
・溶剤(ブタノール) 240質量部
<評価>
各例で作製したクリーニングロールについて、クリーニング性及び弾性層の剥がれの評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、クリーニング性及び弾性層の剥がれの評価は、次のようにして行った。
[クリーニング性評価]
上記各実施例及び各比較例で作製したクリーニングロールと帯電ロールとをカラー複合機DocuCentre-V C7775:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジに装着し、クリーニング性評価試験を行った。
評価試験は、10℃、15%RHの環境下で、A3の記録用紙上に画像濃度100%で出力方向長さ320mm×幅30mmの帯状の画質パターンを75,000枚印字した後、帯電ロールの画質パターン印字位置での表面状態の観察により、付着物のクリーニング性評価を行った。帯電ロールの観察は、共焦点レーザー顕微鏡(OLS1100、OLYMPAS社製)を用いて直接表面を観察し、以下の基準に基づいてクリーニング性を評価した。
-クリーニング性評価:判断基準-
G0 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり10%以下の範囲で見られる。
G0.5:帯電ロール表面に付着物が1μm当たり10%より大きく20%以下の範囲で見られる。
G1 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり20%より大きく30%以下の範囲で見られる。
G2 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり30%より大きく50%以下の範囲で見られる。
G3 :帯電ロール表面に付着物が1μm当たり50%より大きい範囲で見られる。
[弾性層の剥がれ評価]
各実施例及び各比較例で作製したクリーニングロールを、弾性層に何も接触しない状態で芯体両端を保持可能な治具を用いて、高温高湿環境(温度45℃、相対湿度95%RH)下に1カ月、次いで低温低湿環境(温度10℃、相対湿度15%RH)下に1カ月放置した。その後、クリーニングロールの弾性層の幅方向端部の剥れの有無を目視にて確認し、剥がれが生じている場合にはその芯体周方向長さを測定して、下記のとおり分類した。
-弾性層の剥がれ評価:判断基準-
G0 :剥れの発生なし。
G1 :周方向長さ0.1mm未満の剥れが発生した。
G1.5:周方向長さ0.1mm以上0.3mm未満の剥れが発生した。
G2 :周方向長さ0.3mm以上の剥れが発生した。
Figure 0007000768000001

Figure 0007000768000002

なお、表1中、両端の弾性層の縁部厚さと最小厚さとの差(溝深さ)「ΔD41」は、両端の弾性層における縁部の厚さ(D4)と最小厚さ(D1)との差を、内側の弾性層の縁部厚さと最小厚さとの差(溝深さ)「ΔD42」は、両端よりも内側の弾性層の縁部の厚さ(D4)と最小厚さ(D2)との差を、それぞれ表す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、弾性層の剥がれが抑制されることがわかる。
10 画像形成装置、12 感光体、14 帯電部材、14A 導電性芯体、14B 発泡弾性層、16 露光装置、19、19Y、19M、19C、19K 現像装置、20 用紙搬送ベルト、22 転写部材、24 記録用紙、64 定着装置、66 排出ロール、68 排出部、70 用紙搬送路、72 搬送ロール、80 清掃ブレード、100、100A 清掃部材、102 芯体、104 弾性層、106 接着層(両面テープ)、108 弾性部材、110 切込み部

Claims (16)

  1. 芯体と、
    前記芯体の外周面に、前記芯体の一端から他端にかけて、巻き回されて螺旋状に配置された弾性層と、
    を備え、
    前記弾性層が、幅方向に3つ以上に分割されており、分割された弾性層のうち、幅方向両端の弾性層の幅が、前記幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の幅よりも小さく、
    前記幅方向は、前記芯体の前記外周面に前記弾性層が巻き回された状態で、前記弾性層の長手方向に対して、垂直に沿う方向であり、
    前記弾性層の幅は、前記芯体の前記外周面に前記弾性層が巻き回された状態で、前記幅方向における一方の端辺から他方の端辺までの距離である、
    清掃部材。
  2. 前記幅方向両端の弾性層の幅が2mm以上5mm未満である請求項1に記載の清掃部材。
  3. 前記幅方向両端の弾性層の幅の、前記芯体の外径に対する比率が0.2以上1.0未満である請求項1又は請求項2に記載の清掃部材。
  4. 前記幅方向両端の弾性層における幅方向縁部の厚さと最小厚さとの差が0.05mm以上0.25mm以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の清掃部材。
  5. 前記幅方向両端の弾性層の幅の差が0.5mm以下である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の清掃部材。
  6. 前記幅方向両端の弾性層より内側の弾性層の幅が3.0mm以上8.0mm以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の清掃部材。
  7. 前記弾性層が、幅方向に4つ以上に分割されている請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の清掃部材。
  8. 被帯電体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材の表面に接触して配置され、前記帯電部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える帯電装置。
  9. 被転写体に転写物を転写させる転写部材と、
    前記転写部材の表面に接触して配置され、前記転写部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える転写装置。
  10. 請求項8に記載の帯電装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  11. 請求項9に記載の転写装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  12. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する請求項8に記載の帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  13. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する請求項9に記載の転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  14. 被清掃部材と、
    前記被清掃部材の表面に接触して配置され、前記被清掃部材の表面を清掃する清掃部材であって、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の清掃部材と、
    を備える画像形成装置用のユニット。
  15. 請求項14に記載の画像形成装置用のユニットを少なくとも備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  16. 請求項14に記載の画像形成装置用のユニットを備える画像形成装置。
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