JP2019184114A - 冷凍機 - Google Patents

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長谷川 泰士
Hiroshi Hasegawa
泰士 長谷川
上田 憲治
Kenji Ueda
憲治 上田
直也 三吉
Naoya Miyoshi
直也 三吉
小林 直樹
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Abstract

【課題】液冷媒が膨張するときのエネルギを運動エネルギとして回収するとともに、排出された冷媒の運動エネルギを効率的に利用することができる冷凍機を提供する。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張機50と、膨張機50で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備える冷凍機であって、膨張機50は、凝縮器から導かれた冷媒を膨張させるとともに動力を取り出す動力回収機構53,55と、動力回収機構53,55から排出された冷媒の運動エネルギを利用して冷媒を気液分離させる気液分離機構58とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばターボ冷凍機等の冷凍機に関する。
冷凍機における動力の回収方法として、凝縮器から蒸発器までの間の膨張過程に動力回収機構を設け、高圧の液冷媒が膨張する過程で動力を回収する方法がこれまで検討されている。
前述の動力回収機構の例としては、特許文献1に開示されている膨張機がある。この膨張機は、作動流体から回転力を取り出すタービン羽根車によって動力を回収する構成とされている。
特開2007−187422号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている発明においては、圧縮比の小さい用途では動力回収の効率が低下することが考えらえる。このため、動力回収量に見合うだけのメリットを、タービン羽根車のみで回収することが難しいと考えられる。そこで、動力回収後の流体の運動エネルギを有効利用することが望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液冷媒が膨張するときのエネルギを運動エネルギとして回収するとともに、排出された冷媒の運動エネルギを効率的に利用することができる冷凍機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍機は以下の手段を採用する。
即ち、本発明の一態様に係る冷凍機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、該凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張機と、該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器とを備える冷凍機であって、前記膨張機は、前記凝縮器から導かれた冷媒を膨張させるとともに動力を取り出す動力回収機構と、前記動力回収機構から排出された冷媒の運動エネルギを利用して冷媒を気液分離させる気液分離機構とを備える。
本態様に係る冷凍機が備える膨張機は、前記凝縮器から導かれた液冷媒を膨張させるとともに動力を取り出す動力回収機構を備える。この構成によれば、冷媒の膨張過程において、液冷媒が膨張するときに発生するエネルギを動力として回収できる。この回収された動力を、例えば、発電機の駆動源に利用することで発電を行うことができる。換言すれば、冷媒が膨張するときに回収したエネルギを用いて発電を行うことができる。また、膨張機は、動力回収機構から排出された冷媒の運動エネルギを利用して、膨張過程を経た冷媒を気液分離させる気液分離機構を備える。この構成によれば、動力回収機構から排出された冷媒(気液混合冷媒)の運動エネルギを利用して効率的に液冷媒とガス冷媒とに分離させることができる。これにより、分離された液冷媒のみを取り出して膨張機から蒸発器に導くことができるので、例えば、蒸発器が、液冷媒をトレー式(箱型で底面に滴下用の孔が多数開けられたもの)の散布器から滴下して、滴下した液冷媒が伝熱管の表面を流下することで液冷媒を蒸発させる流下液膜式蒸発器である場合、熱交換器長手方向における散布器からの冷媒液の滴下量の偏在をなくすために、膨張機と蒸発器との間や蒸発器の容器内に気液分離器を設置する必要がなくなる。
また、本発明の一態様に係る冷凍機において、前記動力回収機構は、前記凝縮器から導かれた液冷媒を膨張させる膨張タービンと、前記膨張タービンによって回転される発電機とを備える。
本態様に係る冷凍機の構成によれば、冷媒の膨張過程において、膨張タービンによって液冷媒が膨張するときに発生するエネルギを回転エネルギとして回収でき、更に、膨張タービンによって回収した回転エネルギを発電機の駆動源とすることができる。
また、本発明の一態様に係る冷凍機において、前記気液分離機構は、前記膨張タービンの冷媒流れ下流側の端部の周囲を囲う内壁面を有する気液分離容器を備える。
本態様に係る冷凍機の構成によれば、回転している膨張タービンから排出された気液混合冷媒は、膨張タービンの回転による遠心力によって周囲に飛散する。周囲に飛散した気液混合冷媒は、周囲を囲う気液分離容器の内壁面に衝突する。この衝突により気液混合冷媒を衝突分離させることで、効率的に液冷媒とガス冷媒とに分離させることができる。分離された液冷媒のみを膨張機から蒸発器に導くことで、例えば、蒸発器が、主として液冷媒をトレー式の散布器から滴下して、伝熱管群を流下させつつ蒸発させる流下液膜式蒸発器である場合、熱交換器長手方向における散布器からの冷媒液の滴下量の偏在をなくすために、膨張機と蒸発器との間や蒸発器内に気液分離器を設置する必要がなくなる。
また、本発明の一態様に係る冷凍機において、前記気液分離容器は、分離された液冷媒を貯留する貯留部を前記膨張タービンの下方に備える。
本態様に係る冷凍機の構成によれば、膨張タービンの下方の貯留部に、分離された液冷媒を貯留できるので、液冷媒のみを膨張機から蒸発器に導くことができる。
また、本発明の一態様に係る冷凍機において、前記蒸発器は、流下液膜式蒸発器とされる。
本態様に係る冷凍機の構成によれば、液冷媒のみが流下液膜式蒸発器に導かれた場合、蒸発器の容器内に気液分離器を設置する必要がないので、構造の簡便化が実現できる。また、容器内に気液分離器が設置されている蒸発器に比べると、容器内に気液分離器が設置されていない蒸発器の方が、容器内にスペースが空くので、その分だけ蒸発器の容積を小さくすることが可能となる。
本発明に係る冷凍機によれば、液冷媒が膨張するときのエネルギを運動エネルギとして回収するとともに、排出された冷媒の運動エネルギを効率的に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る冷凍機の冷媒回路の例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る冷凍機が備える膨張機を示した図である。 本発明の一実施形態に係る冷凍機が備える蒸発器の例を示した図である。 蒸発器の比較例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る冷凍機が備える膨張機の変形例を示した図である。
以下に本発明の一実施形態に係る冷凍機について、図1乃至5を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る冷凍機の冷媒回路1について説明する。
冷媒回路1は、例えば、ターボ冷凍機が備える冷媒回路とされ、冷媒回路1内に充填された冷媒を圧縮するターボ圧縮機10(以下、単に「圧縮機10」と言う。)と、圧縮機10で圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器12と、凝縮器12で凝縮された冷媒を膨張させる膨張機50と、膨張機50で膨張された冷媒の一部を蒸発させる蒸発器14とを備える。
これらの機器が冷媒配管によって接続されることで冷媒回路1を構成している。具体的には、圧縮機10の冷媒出口と凝縮器12の冷媒入口とは、冷媒配管P1によって接続されている。凝縮器12の冷媒出口と膨張機50の冷媒入口とは、冷媒配管P2によって接続されている。膨張機50の液冷媒出口管(後述)と蒸発器14の冷媒入口とは、液冷媒配管P3Aによって接続されている。また、蒸発器14の冷媒出口と圧縮機10の冷媒入口とは、冷媒配管P4によって接続されている。冷媒配管P2と液冷媒配管P3Aとは、バルブ20が設けられたバイパス冷媒配管P5によって接続されている。また、膨張機50のガス冷媒出口管(後述)と冷媒配管P4とは、ガス冷媒配管P3Bによって接続されている。
次に、冷媒回路1に充填された冷媒の流れについて、圧縮機10を始点に説明する。
電動機によって駆動されるインペラ等の圧縮部によって冷媒を圧縮する圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管P1を流通して凝縮器12に導かれる。
凝縮器12に導かれた高温高圧のガス冷媒は、凝縮器12の容器内に設けられている伝熱管群16によって、凝縮器12の外部から供給された冷却水と熱交換されることで凝縮され高圧の液冷媒になり、冷媒配管P2を流通して膨張機50に導かれる。
膨張機50に導かれた高圧の液冷媒は、膨張機50によって膨張され、低温低圧の気液混合冷媒となり、更に、気液分離されて、液冷媒とガス冷媒とに分けられる。膨張機50の詳細については後述する。
膨張機50によって気液分離された冷媒のうち、液冷媒は、液冷媒配管P3Aを流通して蒸発器14に導かれる。
蒸発器14に導かれた低温低圧の液冷媒は、例えば、流下液膜式蒸発器とされた蒸発器14の容器内に設けられた散布トレー22に一時的に貯められる。散布トレー22は、液冷媒配管P3Aを流通して蒸発器14に導かれた液冷媒を一時的に受けた後、蒸発器14の容器内に設けられている伝熱管群16に向けて液冷媒を滴下して散布させることができる。散布された低温の液冷媒は、蒸発器14の容器内に設けられている伝熱管群16を流下することによって、蒸発器14の外部から供給された水と熱交換されることで蒸発して低圧のガス冷媒になり、冷媒配管P4を流通して圧縮機10の吸入口に導かれる。伝熱管群16によって低温の液冷媒と熱交換して冷却された冷水は、図示しない空調設備などの冷房運転に使用される。
また、膨張機50によって気液分離された冷媒のうち、ガス冷媒は、ガス冷媒配管P3Bを流通して冷媒配管P4に導かれ、圧縮機10に吸入される。
冷媒配管P2を流通する液冷媒を、バイパス冷媒配管P5と液冷媒配管P3Aとを介して蒸発器14に導くこともできる。このとき、バイパス冷媒配管P5に設けられているバルブ20の開度を調節することによってバイパスされる液冷媒の流量が調節され、膨張機50に導かれる冷媒量を適量に調節することができる。バルブ20の開度は、例えば、図示しない制御部によって制御される。
次に、図2を参照して、膨張機50の構造について詳細に説明する。
図2に示す膨張機50は、ケーシング51と、その下部に取り付けられた気液分離容器(気液分離機構)58と、それらの内部に設けられた膨張タービン(動力回収機構)53と、冷媒配管P2(図1参照)に接続されケーシング51内に液冷媒を導く液冷媒供給管52と、液冷媒供給管52の端部に設けられたノズル52’、発電機(動力回収機構)55とを備える。
ケーシング51は、図2で示す上下方向に延在する空間を形成する金属製の容器とされる。
ケーシング51内の下部には、膨張タービン53が設置されている。膨張タービン53は、図2で示す上下方向を回転軸線方向とするシャフト54の下端に、回転軸線周りに回転可能に取り付けられている。なお、シャフト54は、ロータ56(後述)の上下端側に設置された軸受62によって回転軸線周りに回転自在に支持されている。
ケーシング51内の上部には、発電機55が設置されている。発電機55は、ロータ56とステータ57とを備えており、ロータ56がシャフト54を介して膨張タービン53と接続されている。
ケーシング51の下部には、気液分離容器(気液分離機構)58が取り付けられている。気液分離容器58は、膨張タービン53の下端(冷媒が排出される側の端部)の周囲を内壁面59で囲うとともに、ケーシング51の下部の周囲に空間を形成するような容器とされる。気液分離容器58内の下部には、液冷媒を貯留できる貯留部60が形成されている。貯留部60には、貯留された液冷媒の取り出し口とされた液冷媒出口管65が接続されている。また、貯留部60の上方の空間には、ガス冷媒の取り出し口とされたガス冷媒出口管64が接続されている。
ケーシング51の側面には、凝縮器12からの液冷媒を導く複数の液冷媒供給管52が、側面を貫通するような形態で形成されている。液冷媒供給管52のケーシング51内に位置する端部には、冷媒を効率的に膨張させるために先細りのノズル52’が設けられている。このとき、液冷媒供給管52は、端部に設けられたノズル52’が膨張タービン53の上端(冷媒を取り込む側である上流側の端部)に向くように、上方から下方へと傾斜するように設置されている。
次に、本発明の一実施形態に係る冷凍機に設けられた膨張機50における冷媒の流れと膨張機50の動作について詳細に説明する。
液冷媒供給管52に設けられたノズル52’から、膨張タービン53に向けられて供給された高圧の液冷媒は、膨張タービン53の上流側(図2において膨張タービン53の上方)に導かれる。
膨張タービン53に導かれた高圧の液冷媒は、膨張タービン53のハブ53Aとシュラウド53Bとの間に形成された複数枚の翼53Cの間を通過しつつ膨張することで、低温低圧の気液混合冷媒になる。また、この膨張によって発生する力を膨張タービン53の翼53Cが受けることで、膨張タービン53は回転軸線周りに回転する。膨張タービン53の回転に伴い、シャフト54を介して膨張タービン53と接続された発電機55のロータ56も回転軸線周りに回転する。
膨張タービン53によって膨張され、低温低圧の気液混合冷媒となった冷媒は、膨張タービン53の下端から排出される。このとき、膨張タービン53は、回転軸線周りに回転しているので、排出された気液混合冷媒には、膨張タービン53の回転による遠心力が作用して、膨張タービン53の冷媒排出側の端部の周囲にある内壁面59に向かって飛散する。
内壁面59に向かって飛散した気液混合冷媒は、そのまま内壁面59に衝突する。このとき、衝突した気液混合冷媒は、その衝撃によって衝突分離されて、液冷媒とガス冷媒とに分離される。換言すれば、飛散した気液混合冷媒が持っている運動エネルギを気液分離に利用することとなる。
内壁面59によって分離した液冷媒とガス冷媒のうち、液冷媒は、その自重によって内壁面59を伝い、気液分離容器58内の下部にある貯留部60へ流れる。また、ガス冷媒は、貯留部60の上方にある気液分離容器58内の空間に貯留される。
このように分離された液冷媒とガス冷媒とをそれぞれを別々に取り出すことで、液冷媒のみを蒸発器14へ、ガス冷媒のみを圧縮機10側へと供給することができる。
本実施形態においては、以下の効果を奏する。
膨張タービン53と、膨張タービン53によって回転する発電機55とによって、冷媒が膨張するときに回収したエネルギを用いて発電を行うことができる。
また、回転する膨張タービン53から排出され周囲に飛散する気液混合冷媒を、気液分離容器58内の内壁面59に衝突させることで、その衝撃によって気液分離させることができる。
つまり、液冷媒を膨張させる過程で、膨張タービン53の回転によって動力を回収するとともに、その膨張タービン53の回転によって飛散した気液混合冷媒が持つ運動エネルギを気液分離に利用することができる。
仮に、蒸発器14が、流下液膜式の蒸発器であった場合、本実施形態のように予め気液分離させておくことで、貯留部60に貯留された液冷媒のみを蒸発器14に供給することができる。このため、図3に示すように、蒸発器14の内部に気液分離部18を設置(図4参照)する必要がないので、蒸発器14の容積を小さくすることが可能となる。
なお、図5に示すように、ケーシング51に飛散防止部63を取り付けた構成としても良い。飛散防止部63は、その上流端が、ケーシング51において膨張タービン53が設置されている部分の下端に固定され、膨張タービン53の冷媒排出側の端部の周囲を囲むように設けられた板状の部材とされる。また、飛散防止部の63の内径は、下方に向かって拡大している。この飛散防止部63によって、膨張タービン53の下端から飛散した気液混合冷媒が、ガス冷媒の取り出し口とされたガス冷媒出口管64側に飛散することを防ぐことができる。
1 冷媒回路
10 圧縮機
12 凝縮器
14 蒸発器
16 伝熱管群
18 気液分離部
50 膨張機
51 ケーシング
53 膨張タービン(動力回収機構)
55 発電機(動力回収機構)
58 気液分離容器(気液分離機構)
59 内壁面
60 貯留部
P1,P2,P4 冷媒配管
P3A 液冷媒配管
P3B ガス冷媒配管

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、
    該凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張機と、
    該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    を備える冷凍機であって、
    前記膨張機は、前記凝縮器から導かれた冷媒を膨張させるとともに動力を取り出す動力回収機構と、前記動力回収機構から排出された冷媒の運動エネルギを利用して冷媒を気液分離させる気液分離機構と、を備える冷凍機。
  2. 前記動力回収機構は、前記凝縮器から導かれた液冷媒を膨張させる膨張タービンと、前記膨張タービンによって回転される発電機と、を備える請求項1に記載の冷凍機。
  3. 前記気液分離機構は、前記膨張タービンの冷媒流れ下流側の端部の周囲を囲う内壁面を有する気液分離容器を備える請求項2に記載の冷凍機。
  4. 前記気液分離容器は、前記膨張タービンの下方に、分離された液冷媒を貯留する貯留部を備える請求項3に記載の冷凍機。
  5. 前記蒸発器は、流下液膜式蒸発器とされる請求項1乃至4のいずれかに記載の冷凍機。
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