JP2019183679A - 可変容量型オイルポンプ装置 - Google Patents

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Takahiro Sakai
孝浩 坂井
吉田 昌弘
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
西澤 博幸
Hiroyuki Nishizawa
博幸 西澤
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Abstract

【課題】制御部により可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する際における記憶部の容量の消費を抑制することが可能であるとともに、特性テーブルの作成作業を削減することが可能な可変容量型オイルポンプ装置を提供する。【解決手段】この可変容量型オイルポンプ装置100は、ポンプハウジング11と、ポンプハウジング11に収容されるとともに回転駆動されるオイルポンプロータ12と、を含む可変容量型オイルポンプ1と、ポンプハウジング11とオイルポンプロータ12との間の油圧室15にオイルOを供給するとともにオイルOの供給量を変化させることが可能な電磁弁2と、可変容量型オイルポンプ1からのオイルOの理論吐出量に基づいて、電磁弁2から油圧室15へのオイルOの供給量を制御することにより、可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を制御するECU3とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、可変容量型オイルポンプ装置に関し、特に、油圧室へのオイルの供給量を変化させることが可能な電磁弁を備える可変容量型オイルポンプ装置に関する。
従来、油圧室へのオイルの供給量を変化させることが可能な電磁弁を備えた可変容量型オイルポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、可変容量型オイルポンプと、可変容量型オイルポンプの油圧室へのオイルの供給量を変化させることが可能なリニアソレノイドバルブ(電磁弁)と、リニアソレノイドバルブの駆動を制御するコントローラとを備える可変容量型オイルポンプ装置が開示されている。コントローラは、リニアソレノイドバルブの開度を制御することにより、可変容量型オイルポンプから所定吐出量のオイルが吐出されるように制御を行う。
コントローラは、可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を、リニアソレノイドバルブに供給する電流(デューティー比)と油圧との関係を示す特性テーブルを用いて変更するように構成されている。特性テーブルは、コントローラに含まれる記憶部に記憶されている。
特開2017−180240号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された可変容量型オイルポンプ装置では、リニアソレノイドバルブに供給する電流に対する油圧が、油温およびエンジンの回転数などに応じて変動することから、油温およびエンジンの回転数などを変動させたあらゆる運転状況に対応した制御を制御部が行うためには、膨大な量の特性テーブルを記憶部に記憶する必要があり、記憶容量を大きく消費するという問題点がある。さらに、膨大な量の特性テーブルの作成(適合)を行う必要があり、特性テーブルの作成作業に非常に手間が掛かるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、制御部により可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する際における記憶容量の消費を抑制することが可能であるとともに、特性テーブルの作成作業を削減することが可能な可変容量型オイルポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における可変容量型オイルポンプ装置は、ポンプハウジングと、ポンプハウジングに収容されるとともに回転駆動されるオイルポンプロータと、を含む可変容量型オイルポンプと、ポンプハウジングとオイルポンプロータとの間の油圧室にオイルを供給するとともにオイルの供給量を変化させることが可能な電磁弁と、可変容量型オイルポンプからのオイルの理論吐出量に基づいて、電磁弁から油圧室へのオイルの供給量を制御することにより、可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する制御部とを備える。なお、理論吐出量とは、オイル漏れがない理想的な条件の下で可変容量型オイルポンプから吐出されるオイルの吐出量を意味する。
この発明の一の局面による可変容量型オイルポンプ装置では、理論吐出量に基づいて可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量が制御されることにより、従来のように、可変容量型オイルポンプの特性テーブルを用いることなく、可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御することができる。その結果、従来のように、膨大な量の特性テーブルを記憶する必要がないので、制御部により可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する際における記憶容量の消費を抑制することができる。また、膨大な量の特性テーブルの作成作業(適合工数)を削減することができる。以上により、制御部によって可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する際における記憶容量の消費を抑制することができるとともに、特性テーブルの作成作業を削減することができる。
上記一の局面による可変容量型オイルポンプ装置において、好ましくは、制御部は、可変容量型オイルポンプの容積効率に基づいて、理論吐出量を算出するように構成されている。なお、容積効率とは、可変容量型オイルポンプの吸込量に対する、可変容量型オイルポンプの吐出量の割合である。
このように構成すれば、容積効率に基づき理論吐出量が算出されるので、容積効率の影響を反映した形で理論吐出量をより精度よく算出することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、オイルの粘度、オイルポンプロータの回転数および目標油圧に基づいて、容積効率を算出するように構成されている。
このように構成すれば、制御時点での、吐出されたオイルの状態およびオイルポンプロータの駆動状態を制御に反映することができるので、可変容量型オイルポンプの運転状況の変化に迅速に対応可能な制御を行うことができる。
上記制御部が容積効率に基づいて理論吐出量を算出する構成において、好ましくは、制御部は、可変容量型オイルポンプからのオイルを送る給油路のチョーク流量と給油路のオリフィス流量との和により可変容量型オイルポンプからのオイルの実吐出量を算出するとともに、算出した実吐出量と、容積効率とに基づいて理論吐出量を算出するように構成されている。
このように構成すれば、容積効率に加えて、可変容量型オイルポンプ装置から吐出されたオイルの流量(チョーク流量およびオリフィス流量)を考慮して理論吐出量を算出することができるので、理論吐出量を一層精度よく算出することができる。
上記一の局面による可変容量型オイルポンプ装置において、好ましくは、制御部は、理論吐出量に基づいて、電磁弁への指示電流または駆動制御信号のデューティー比を取得するように構成されている。
このように構成すれば、指示電流または駆動制御信号のデューティー比により、制御部が電磁弁を制御してオイルの吐出量を制御することが可能となるように、可変容量型オイルポンプ装置を構成することができる。
上記一の局面による可変容量型オイルポンプ装置において、好ましくは、制御部は、理論吐出量に基づくオイルの吐出量の制御に加えて、可変容量型オイルポンプから吐出されるオイルの目標油圧と実油圧との偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより、可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御するように構成されている。
このように構成すれば、目標油圧と実油圧との偏差が制御に反映されるので、より精度よくオイルの吐出量を制御することができる。また、可変容量型オイルポンプ装置が経年劣化して理論吐出量に基づくオイルの吐出量の制御の精度が変わった場合でも、現時点での値(実油圧)を用いることによって、経年劣化により生じた誤差を抑制すること、または、誤差をなくすことができる。
なお、上記一の局面による可変容量型オイルポンプ装置において、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記一の局面による可変容量型オイルポンプ装置において、制御部は、理論吐出量に基づくオイルの吐出量の制御に加えて、可変容量型オイルポンプから吐出されるオイルの目標油圧から取得した目標流量と実油圧から取得した実流量との偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより、可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御するように構成されている。
本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプ装置が搭載されたエンジンを示した斜視図である。 本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプ装置を示した模式図である。 本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプのECUから電磁弁に送信されるパルス信号のデューティー比について説明するための図である。 本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプのECUにおける理論吐出量の算出について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプ装置100を備えるエンジン90の構成について説明する。
(エンジンの概略的な構成)
エンジン90は、自動車に搭載されている。エンジン90は、エンジンブロック91と、エンジンブロック91内に配置されるバルブ機構92およびピストン93と、オイルOを貯留するオイルパン94と、給油路(オイルギャラリ)95と、可変容量型オイルポンプ(以下オイルポンプと記載)1を含む可変容量型オイルポンプ装置100とを備えている。エンジンブロック91は、クランクシャフト91aが内側に配置されるクランクケース91bを下側に有している。
エンジン90は、オイルポンプ1によりオイルパン94からストレーナ94aおよび給油路94bを経てオイルOを汲み取るように構成されている。また、エンジン90は、オイルポンプ1により給油路(オイルギャラリ)95にオイルOを吐出し、オイルフィルタ95aを経て、クランクシャフト91aやピストン93などのエンジン90の各部に、潤滑や冷却などのためのオイルOを供給するように構成されている。なお、クランクシャフト91aは水平方向に延びている。
図1および図2では、クランクシャフト91aの延びる方向をX方向として図示している。また、図1では、水平方向においてX方向に直交する方向をY方向とし、上下方向をZ方向として図示している。
図2に示すように、給油路95には、オイルポンプ1から吐出されたオイルOの圧力を測定する油圧センサ96と、オイルポンプ1から吐出されたオイルOの温度を測定する油温センサ97とが設けられている。
給油路95は、オイルポンプ1側から下流側に向けて、一方側の給油路98と他方側の給油路99との2つに分岐している。一方側の給油路98の下流側端部には、オイルOを吐出するオイルジェットとして機能するオリフィス部98aが設けられている。他方側の給油路99の下流側端部には、オイルOをピストン93やクランクシャフト91aに供給するチョーク部99aが設けられている。チョーク部99aは、細長い矩形の筒形状を有している。
(可変容量型オイルポンプ装置の全体構成)
図1に示すように、本発明の一実施形態による可変容量型オイルポンプ装置100は、オイルポンプ1と、電磁弁2と、ECU(制御部)3とを備えている。
可変容量型オイルポンプ装置100は、ECU3による制御の下、電磁弁2からオイルポンプ1へのオイルの供給量を調整することにより、オイルポンプ1から吐出するオイルOの実吐出量を可変させるように構成されている。可変容量型オイルポンプ装置100は、クランクシャフト91aの回転駆動力により、オイルポンプ1を駆動するように構成されている。
ここで、本実施形態の可変容量型オイルポンプ装置100では、ECU3は、オイルポンプ1のオイルポンプ1(後述するオイルポンプロータ12)からのオイルOの理論吐出量に基づいて、電磁弁2からオイルポンプ1(後述する油圧室15)へのオイルOの供給量を制御するように構成されている。その結果、ECU3は、オイルポンプ1からのオイルOの実吐出量(実際の吐出量(ポンプ容量))を制御するように構成されている。ECU3の制御の詳細については後述する。
理論吐出量とは、理想的な条件の下でオイルポンプ1から吐出されるオイルOの吐出量を意味する。すなわち、理想的な条件とは、オイルポンプ1にオイル漏れを招く隙間がない、というオイルポンプ1の形状に関する条件である。理論吐出量は、ECU3において行われる所定の演算(算出)により導出される。なお、理論吐出量は、オイルポンプ1の1回転当たりの吐出量である。
〈オイルポンプの構成〉
図2に示すように、オイルポンプ1は、ポンプハウジング11と、ポンプハウジング11内に回転可能に設けられたオイルポンプロータ12と、オイルポンプロータ12を外周側から回転可能に保持する調整リング13と、調整リング13を付勢する圧縮コイルばね14とを備えている。
ポンプハウジング11は、凹形状のボデー11aと、ボデー11aに被せられて蓋をするカバー11b(図1参照)とを含んでいる。ポンプハウジング11には、後述する調整リング13のガイド穴13aに係合して調整リング13の移動(回動)をガイドする複数(2個)のガイドピン11cが設けられている。
オイルポンプロータ12は、ポンプハウジング11に収容されるとともに回転駆動されるように構成されている。オイルポンプロータ12は、外歯車のインナーロータ12aと、インナーロータ12aに噛み合い可能な内歯車のアウターロータ12bとを含んでいる。なお、インナーロータ12aの外歯の数は、アウターロータ12bの内歯の数よりも1枚だけ少ない。
インナーロータ12a(入力軸120)の回転中心は、アウターロータ12bの回転中心に対して一定量だけ偏心している。インナーロータ12aが回転方向に回転されると、アウターロータ12bは同じ方向に若干の遅れをもって回転される。回転の際、インナーロータ12aとアウターロータ12bとの距離の短いところでは、インナーロータ12aの外歯とアウターロータ12bの内歯とが噛み合う。これに対して、距離の遠い方ではインナーロータ12aの外歯が1枚だけ少ないために、アウターロータ12bの間にしだいに容積室が形成される。この容積室が矢印R方向への回転移動とともに拡大したり縮小したりすることによって、オイルポンプロータ12にポンプ機能が生み出される。
オイルポンプ1は、クランクシャフト91aが回転することにより、インナーロータ12aに圧入された入力軸120を介してオイルポンプロータ12が回転するように構成されている。その結果、オイルポンプ1はオイルOを吐出する。
また、オイルポンプ1は、オイルポンプロータ12の1回転毎に吐出されるオイルOの実吐出量を変更可能に構成されている。オイルポンプ1は、ポンプハウジング11とオイルポンプロータ12との間で、かつ、ポンプハウジング11と調整リング13とに囲まれた領域内に形成される油圧室15の油圧が調整されると、調整リング13をA1方向またはA2方向に変位(回動)させるように構成されている。
調整リング13は、環状に形成されており、外周側からオイルポンプロータ12を回転可能に保持している。調整リング13には、長穴状の複数(2個)のガイド穴13aが形成されている。調整リング13は、ガイド穴13aにポンプハウジング11のガイドピン11cを係合させることにより、ガイドピン11cに沿って所定の範囲を回動可能なように構成されている。
圧縮コイルばね14は、調整リング13とポンプハウジング11との間に圧縮状態で設置されている。圧縮コイルばね14は、ポンプハウジング11に対して調整リング13をA1方向に付勢している。すなわち、圧縮コイルばね14は、油圧室15内のオイルOを圧縮するA1方向に、調整リング13を付勢している。
オイルポンプ1は、電磁弁2からの油圧室15へのオイルOの供給量を調整(変更)することによって、油圧室15のオイルOの容量(貯留量)を調整(変更)するように構成されている。その結果、オイルポンプ1は、調整リング13を回動させて、吐出量(吐出圧)を変更するように構成されている。
詳細には、調整リング13が圧縮コイルばね14の付勢力に抗して矢印A2方向に回動されると、オイルポンプロータ12におけるアウターロータ12bは、インナーロータ12aの回転中心に対して所定の偏心量を保ったまま矢印A2方向へ公転される。これにより、負圧作用領域から吸込ポート110aに作用する負圧が低下するとともに、正圧作用領域から吐出ポート110bに作用する正圧も低下する。この結果、オイルポンプ1からのオイルOの吐出量(吐出圧)が小さくなる。
一方、調整リング13が矢印A1方向に回動されると、オイルポンプロータ12におけるアウターロータ12bは、インナーロータ12aの回転中心に対して所定の偏心量を保ったまま矢印A1方向へ公転される。これにより、負圧作用領域から吸込ポート110aに作用する負圧が増大するとともに、正圧作用領域から吐出ポート110bに作用する正圧も増大する。この結果、オイルポンプ1(オイルポンプロータ12)からのオイルOの吐出量(吐出圧)が大きくなる。
〈電磁弁の構成〉
図2に示す電磁弁2は、油圧室15のオイルコントロールバルブである。電磁弁2は、ポンプハウジング11とオイルポンプロータ12との間の油圧室15にオイルOを供給するとともに油圧室15へのオイルOの供給量を変化させることが可能に構成されている。電磁弁2は、給油路2aに接続され、給油路2aからオイルOが供給されるように構成されている。給油路2aは、給油路95に接続され、給油路95からオイルOが流入する。電磁弁2は、ECU3による制御の下、駆動(開閉)するように構成されている。
〈ECUの概略構成〉
図2に示すECU3は、制御回路としてのCPU(図示せず)により構成されている。ECU3には、記憶媒体としてのメモリ3aが設けられている。ECU3は、メモリ3aに記憶されている所定の制御プログラムを実行することにより、エンジン90の各部を制御するように構成されている。
ECU3は、電磁弁2を制御するように構成されている。具体的には、ECU3は、電磁弁2のオイル出口(図示せず)の開状態(ON)と閉状態(OFF)とを交互に繰り返すことにより、油圧室15へのオイルOの供給量を変更するように構成されている。すなわち、ECU3は、開状態(ON)と閉状態(OFF)との比率であるデューティー比(情報)を含むパルス信号(駆動制御信号)Sを作成して、電磁弁2に送信するように構成されている。
たとえば、ECU3は、図3(A)に示すように、1周期において、開状態(ON)のパルス幅が閉状態(OFF)のパルス幅よりも比較的狭いパルス信号Sを電磁弁2に送信している状態にあるとする。この図3(A)に示す状態から、油圧室15へのオイルOの供給量をより大きくする制御を行う場合、ECU3は、図3(B)に示すように、1周期において、図3(A)の状態よりも開状態(ON)の幅を閉状態(OFF)のパルス幅に対して大きくしたパルス信号Sを電磁弁2に送信する。これにより、油圧室15内のオイルOの量が増加して、オイルポンプ1(オイルポンプロータ12)からのオイルOの吐出量が増加する。
図2に示すECU3は、エンジン90の各部から取得した各種制御パラメータに基づいて、電磁弁2を制御するように構成されている。制御パラメータを把握するために、ECU3は、エンジン90からエンジン回転数を取得して、オイルポンプ1の回転数を取得するように構成されている。また、ECU3は、油圧センサ96に接続され、オイルポンプ1から吐出されたオイルOの圧力(実油圧(実際の油圧))を、油圧センサ96から取得するように構成されている。また、ECU3は、油温センサ97に接続され、オイルポンプ1から吐出されたオイルOの温度(油温)を、油温センサ97から取得するように構成されている。
〈ECUが理論吐出量を算出する構成〉
次に、図4を参照して、ECU3が理論吐出量を算出する構成(制御構成)について説明する。なお、以下の説明の中で用いる構成の符号については、図1または図2を参照するものとする。
理論吐出量を算出する構成には、大きく分けて2つ(2段階)ある。まず、ECU3は、容積効率と実吐出量とをそれぞれ算出(演算)するように構成されている。次に、ECU3は、算出した容積効率と算出した実吐出量とに基づいて、理論吐出量を算出する。以下、詳細に説明する。
ECU3は、オイルの粘度(μ)、エンジン90の回転数(エンジン90の回転数から取得されたオイルポンプ1の回転数(Np))および目標油圧(P)に基づいて、容積効率(ηv)を算出するように構成されている。容積効率は、以下の式(1)により表される。
Figure 2019183679
ここで、αはオイルポンプ1の形状係数である。形状係数(α)とは、オイルポンプ1から実際にどの程度オイル漏れがあるかを示す係数である。形状係数(α)は、オイルポンプ1の形状に依存する係数であり、実験または解析により得られる。
容積効率(ηv)とは、オイルポンプ1の吸込量に対する、オイルポンプ1の吐出量の割合である。すなわち、容積効率(ηv)とは、オイルポンプ1がどれだけオイルOを漏らすことなく送ることができるかを示す値である。また、ECU3は、油温センサ97から取得された給油路95内の油温に基づいて、制御時点でのオイルの粘度(μ)を取得するように構成されている。
ECU3は、オイルポンプ1からのオイルOを送る給油路99のチョーク部99aにおけるチョーク流量(Qc)と、給油路98のオリフィス部98aにおけるオリフィス流量(Qo)との和によりオイルポンプ1からのオイルOの実吐出量(Qp)を算出するように構成されている。オイルOの実吐出量(Qp)は、以下の式(2)により表される。
Figure 2019183679
また、ECU3は、チョーク流量(Qc)を以下の式(3)から算出するように構成されている。
Figure 2019183679
ここで、lcはチョーク部99aの隙間(幅)であり、hcはチョーク部99aの高さであり、bcはチョーク部99aの奥行き(長さ)である。すなわち、lc×hcはチョーク部99aの縦断面における矩形状の開口面積である。
また、ECU3は、オリフィス流量(Qo)を以下の式(4)から算出するように構成されている。
Figure 2019183679
ここで、Cは流量係数であり、Aoはオリフィス部98aの開口面積であり、ρはオイルOの密度である。流量係数(C)とは、オリフィス部98aをオイルOが通過する際の流れ易さ、流れ難さを示す係数である。流量係数(C)は、オリフィス部98aの形状に依存する係数であり、実験または解析により得られる。
ECU3は、算出した実吐出量(Qp)と、容積効率(ηv)とに基づいて理論吐出量(Qpth)を算出するように構成されている。理論吐出量(Qpth)は、以下の式(5)により表される。
Figure 2019183679
なお、上記の通り理論吐出量(Qpth)は、エンジン90の1回転当たりの吐出量である。一方、実吐出量(Qp)は、エンジン90の複数回転(オイルポンプ1のNp回転)当たりの吐出量である。
そして、ECU3は、理論吐出量に基づいて、電磁弁2へのパルス信号のデューティー比を取得するように構成されている。たとえば、ECU3は、理論吐出量とデューティー比との関係をメモリ3aに記憶しておき、理論吐出量とデューティー比との関係に基づいてデューティー比を取得してもよい。
また、ECU3は、フィードバック制御を行うように構成されている。詳細には、ECU3は、理論吐出量に基づくオイルOの吐出量の制御に加えて、オイルポンプ1から吐出されるオイルOの目標油圧と実油圧との偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより、オイルポンプ1からのオイルOの吐出量を制御するように構成されている。なお、上記の通り、ECU3は、フィードバック制御に用いるために、油圧センサ96から取得された給油路95内の実油圧を取得する。
そして、ECU3は、理論吐出量からデューティー比を算出するとともに、フィードバック制御を反映して、最終のデューティー比(情報)を含むパルス信号を取得する。そして、ECU3は、電磁弁2に、最終のデューティー比(情報)を含むパルス信号を送信する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、理論吐出量に基づいて可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量が制御されることにより、従来のように、可変容量型オイルポンプ1の特性テーブルを用いることなく、可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を制御することができる。その結果、従来のように、膨大な量の特性テーブルを記憶する必要がないので、ECU3により可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を制御する際における記憶容量の消費を抑制することができる。また、膨大な量の特性テーブルの作成作業(適合工数)を削減することができる。以上により、ECU3によって可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を制御する際における記憶容量の消費を抑制することができるとともに、特性テーブルの作成作業を削減することができる。
また、可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を、同じ吐出量(理論吐出量)に基づいて電磁弁2を制御することにより、可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を油圧に基づいて電磁弁2を制御する場合と比較して、油圧を変動させる際であっても油圧の変動に起因する油圧の応答遅れのない制御を行うことができる。油圧の応答遅れとは、オイルの中に混入した気泡などに起因して、非圧縮性流体であるオイルが圧縮性流体のように振る舞うことに起因して生じる応答遅れである。
また、本実施形態では、上記のように、ECU3は、可変容量型オイルポンプ1の容積効率に基づいて、理論吐出量を算出するように構成されている。なお、容積効率とは、可変容量型オイルポンプ1の吸込量に対する、可変容量型オイルポンプ1の吐出量の割合である。これにより、容積効率に基づき理論吐出量が算出されるので、容積効率の影響を反映した形で理論吐出量をより精度よく算出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU3は、オイルの粘度、オイルポンプロータ12の回転数および目標油圧に基づいて、容積効率を算出するように構成されている。これにより、制御時点での、吐出されたオイルの状態およびオイルポンプロータ12の駆動状態を制御に反映することができるので、可変容量型オイルポンプ1の運転状況の変化に迅速に対応可能な制御を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU3は、可変容量型オイルポンプ1からのオイルを送る給油路99のチョーク流量と給油路98のオリフィス流量との和により可変容量型オイルポンプ1からのオイルの実吐出量を算出するとともに、算出した実吐出量と、容積効率とに基づいて理論吐出量を算出するように構成されている。これにより、容積効率に加えて、可変容量型オイルポンプ装置100から吐出されたオイルの流量(チョーク流量およびオリフィス流量)を考慮して理論吐出量を算出することができるので、理論吐出量を一層精度よく算出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU3は、理論吐出量に基づいて、電磁弁2への指示電流またはパルス信号のデューティー比を取得するように構成されている。これにより、指示電流またはパルス信号のデューティー比により、ECU3が電磁弁2を制御してオイルの吐出量を制御することが可能となるように、可変容量型オイルポンプ装置100を構成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU3は、理論吐出量に基づくオイルの吐出量の制御に加えて、可変容量型オイルポンプ1から吐出されるオイルの目標油圧と実油圧との偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより、可変容量型オイルポンプ1からのオイルの吐出量を制御するように構成されている。これにより、目標油圧と実油圧との偏差が制御に反映されるので、より精度よくオイルの吐出量を制御することができる。また、可変容量型オイルポンプ装置100が経年劣化して理論吐出量に基づくオイルの吐出量の制御の精度が変わった場合でも、現時点での値(実油圧)を用いることによって、経年劣化により生じた誤差を抑制すること、または、誤差をなくすことができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記一実施形態では、ECUにおいてフィードバック制御を行った例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ECUにおいてフィードバック制御を行なわなくてもよい。
また、上記一実施形態では、目標油圧と実油圧との偏差に基づいてフィードバック制御を行った例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、目標油圧から取得した目標流量と実油圧から取得した実流量との偏差に基づくフィードバック制御を行ってもよい。このように油圧を流量に変換することにより、制御部は、油圧を変動させる際に油圧の応答遅れのない制御を行うことができる。
また、上記一実施形態では、ECUとメモリとを別々に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ECUがメモリを含んでいてもよい。
また、上記一実施形態では、本発明の制御部をECUにより構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明の制御部をECUとは別個に設けられた理論吐出量を算出するための専用の制御部により構成してもよい。
また、上記一実施形態では、ECUから電磁弁にデューティー比(情報)を含むパルス信号を送信して電磁弁を制御した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ECUから指示電流を送って電磁弁を制御してもよい。
また、上記一実施形態では、エンジンを備えた自動車に可変容量型オイルポンプ装置を搭載した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自動車以外の内燃機関を備える設備機器に可変容量型オイルポンプ装置を搭載してもよい。
また、上記一実施形態では、単一のオリフィス部のオリフィス流量と、単一のチョーク部のチョーク流量との和から、実吐出量を算出した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数(n個)のオリフィス部のオリフィス流量(Qo)と、複数(m個)のチョーク部のチョーク流量(Qc)との和から、実吐出量(Qp)を算出してもよい。すなわち、Qp=n×Qo+m×Qcとしてもよい。
1 可変容量型オイルポンプ
2 電磁弁
3 ECU(制御部)
11 ポンプハウジング
12 オイルポンプロータ
98 (下流側にオリフィス部が設けられる)給油路
99 (下流側にチョーク部が設けられる)給油路
100 可変容量型オイルポンプ装置
S パルス信号(駆動制御信号)

Claims (6)

  1. ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに収容されるとともに回転駆動されるオイルポンプロータと、を含む可変容量型オイルポンプと、
    前記ポンプハウジングと前記オイルポンプロータとの間の油圧室にオイルを供給するとともにオイルの供給量を変化させることが可能な電磁弁と、
    前記可変容量型オイルポンプからのオイルの理論吐出量に基づいて、前記電磁弁から前記油圧室へのオイルの供給量を制御することにより、前記可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御する制御部とを備える、可変容量型オイルポンプ装置。
  2. 前記制御部は、前記可変容量型オイルポンプの容積効率に基づいて、前記理論吐出量を算出するように構成されている、請求項1に記載の可変容量型オイルポンプ装置。
  3. 前記制御部は、オイルの粘度、前記オイルポンプロータの回転数および目標油圧に基づいて、前記容積効率を算出するように構成されている、請求項2に記載の可変容量型オイルポンプ装置。
  4. 前記制御部は、前記可変容量型オイルポンプからのオイルを送る給油路のチョーク流量と前記給油路のオリフィス流量との和により前記可変容量型オイルポンプからのオイルの実吐出量を算出するとともに、算出した前記実吐出量と、前記容積効率とに基づいて前記理論吐出量を算出するように構成されている、請求項2または3に記載の可変容量型オイルポンプ装置。
  5. 前記制御部は、前記理論吐出量に基づいて、前記電磁弁への指示電流または駆動制御信号のデューティー比を取得するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変容量型オイルポンプ装置。
  6. 前記制御部は、前記理論吐出量に基づく前記オイルの吐出量の制御に加えて、前記可変容量型オイルポンプから吐出されるオイルの目標油圧と実油圧との偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより、前記可変容量型オイルポンプからのオイルの吐出量を制御するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変容量型オイルポンプ装置。
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