JP2019183134A - プリプレグ - Google Patents
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Abstract
【課題】貼り付け・積層作業において、短時間かつ低圧力での取り扱い性に優れたプリプレグを提供する。【解決手段】マトリックス樹脂と強化繊維からなり、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率が、角周波数100rad/sのとき1.5×105〜3.0×106Paであり、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数100rad/sのとき3.0×105〜6.5×106Paであり、マトリックス樹脂の硬化後のガラス転移温度が130℃以上であるプリプレグ。【選択図】なし
Description
本発明は、スポーツ用途、航空宇宙用途、一般産業用途等に適用できる取り扱い性、特に高タック性に優れたプリプレグに関するものである。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、スポーツ用途や航空宇宙用途、一般産業用途等に広く用いられている。スポーツ用途では、ゴルフクラブ用シャフトや釣り竿、自転車フレームなど、強化繊維複合材料を管状体に成形して使用することが多く、マンドレルなどの芯材にプリプレグを巻き付けた後、加熱によりプリプレグを硬化させ、芯材を取り外して管状体を得る方法が広く知られている。
このような成形方法では、プリプレグの取り扱い性のうち、プリプレグのタック性が重要であり、これが不十分な場合、芯材とプリプレグや、プリプレグ同士の間で剥がれや浮きが生じる。特に、手作業でプリプレグを貼り付ける場合は、短時間かつ低圧力で貼り付けられることが求められている。特許文献1〜3では、プリプレグのタック性を改善する方法として、室温での粘度が比較的高い樹脂層をプリプレグ表面に配置する方法が提案されている。
特許文献1〜3の方法では、時間と圧力を十分にかけてプリプレグを貼り付ける場合には適しているが、短時間かつ低圧力でプリプレグを貼り付ける場合には不向きであった。
そこで、本発明は、貼り付け・積層作業において、短時間かつ低圧力での取り扱い性に優れたプリプレグを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は次の構成をとる。
すなわち、本発明のプリプレグは、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸されてなるプリプレグであって、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率が、角周波数100rad/sのとき1.5×105〜3.0×106Pa、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数100rad/sのとき3.0×105〜6.5×106Paであり、マトリックス樹脂の硬化後のガラス転移温度が130℃以上であるプリプレグである。
本発明によって、耐熱性に優れ、短時間かつ低圧力の条件で高タック性を発現するプリプレグが得られる。
本発明の強化繊維は、一般的に補強繊維として用いられるものであれば、その必要な強度に応じて適宜選択でき、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ケブラー、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維あるいはナイロンなどの化学繊維や天然繊維、アルミナ繊維などの金属繊維等を用いることができ、さらにこれらを組み合わせても良いし、他の有機繊維と組み合わせても良い。
中でも、炭素繊維は、強化繊維の中でも引張弾性率が高く特に好ましく用いられる。炭素繊維としては、特に限定されるものではなく、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系などの炭素繊維が用いることができ、これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。この中で、引張強度が高いプリプレグが得られやすいポリアクリロニトリル系炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明のプリプレグに用いられるマトリックス樹脂としては、耐熱性、力学特性および炭素繊維との接着性のバランスに優れていることから、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン誘導体などの中から1種以上を選択して用いることができる。
ここで、ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物の2つのフェノール性水酸基がグリシジル化されたものであり、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が挙げられる。また、単量体に限らず、複数の繰り返し単位を有する高分子量体も好適に使用することができる。
かかるビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”825、828、834、1001、1002、1003、1003F、1004、1004AF、1005F、1006FS、1007、1009、1010(以上、三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、“jER(登録商標)”505、5050、5051、5054、5057(以上、三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、ST5080、ST4000D、ST4100D、ST5100(以上、新日鐵住金化学(株)製)などが挙げられる。
かかるビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”806、807、4002P、4004P、4007P、4009P、4010P(以上、三菱ケミカル(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF2001、YDF2004(以上、新日鐵住金化学(株)製)などが挙げられる。テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、YSLV−80XY(新日鐵住金化学(株)製)などが挙げられる。
かかるビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、“エピクロン(登録商標)”EXA−154(DIC(株)製)などが挙げられる。
中でも、弾性率、靭性と耐熱性のバランスが良いことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が好ましい。
かかるアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン、アルキノール置換体、水添品などが挙げられる。
かかるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製)、YH434L(新日鐵住金化学(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱ケミカル(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、MY721(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。トリグリシジルアミノフェノールまたはトリグリシジルアミノクレゾールとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120(以上、住友化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)、“jER(登録商標)”630(三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加品として、TETRAD−X、TETRAD−C(以上、三菱ガス化学(株)製)などが挙げられる。
かかるジグリシジルアニリン誘導体の市販品としては、GAN(ジグリシジルアニリン)、GOT(ジグリシジルトルイジン、いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
かかるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては“jER(登録商標)”152、154(以上、三菱ケミカル(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、N−770、N−775(以上、DIC(株)製)などが挙げられる。
かかるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”N−660、N−665、N−670、N−673、N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるレゾルシノール型エポキシ樹脂の具体例としては、“デナコール(登録商標)”EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
かかるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては“エピクロン(登録商標)”HP−7200、HP−7200L、HP−7200H、HP−7200HH、HP−7200HHH(以上、DIC(株)製)、“Tactix(登録商標)”558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル(株)製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”YX4000H、YX4000、YL6616(以上、三菱ケミカル(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するXAC4151、AER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348((株)ADEKA製)などが挙げられる。
かかるテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂の市販品としては、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂である“jER(登録商標)”1031(三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。
かかるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、“タクチックス(登録商標)”742(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。
かかるジグリシジルアニリン誘導体の市販品としては、GAN(ジグリシジルアニリン)、GOT(ジグリシジルトルイジン、いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
本発明のマトリックス樹脂には、プリプレグの硬化性を上げるために、硬化剤が好ましく用いられる。
かかる硬化剤としては、特に限定されるものではないが、芳香族アミンや脂環式アミンなどのアミン、フェノール樹脂、ジシアンジアミドまたはその誘導体、酸無水物、ポリアミノアミド、有機酸ヒドラジド、イソシアネートを用いてもよい。
かかる芳香族アミンとしては、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
かかるフェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、カシュー油、リグニン、レゾルシン及びカテコール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びフルフラール等のアルデヒド類との縮合により得られる樹脂が挙げられ、ノボラック樹脂やレゾール樹脂等が挙げられる。ノボラック樹脂は、シュウ酸等の酸触媒存在下で、フェノールとホルムアルデヒドとを同量又はフェノール過剰の条件で反応させることで得られる。レゾール樹脂は、水酸化ナトリウム、アンモニア又は有機アミン等の塩基触媒の存在下で、フェノールとホルムアルデヒドとを同量又はホルムアルデヒド過剰の条件で反応させることにより得られる。フェノール樹脂の市販品としては、“スミライトレジン(登録商標)”(住友ベークライト(株)製)、レヂトップ(群栄化学工業(株)製)、“AVライト(登録商標)”(旭有機材工業(株)製)等が挙げられる。
また、かかる硬化剤の総量は、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対し、活性水素基が0.6〜2.0当量の範囲となる量を含むことが好ましく、より好ましくは0.7〜1.5当量の範囲となる量を含むことである。ここで、活性水素基とは、硬化剤成分のエポキシ基と反応しうる官能基を意味し、活性水素基が0.6当量以上にすることにより、反応率、耐熱性、弾性率、塑性変形能力に優れる樹脂硬化物が得られやすく、また、ガラス転移温度、強度、耐衝撃性に優れる繊維強化複合材料が得られやすい。また、活性水素基が2.0当量以下にすることにより、反応率、耐熱性、弾性率に優れる樹脂硬化物が得られやすく、また、ガラス転移温度と強度に優れる繊維強化複合材料が得られやすい。
ゴルフシャフトや釣竿、自転車などのスポーツ用途では、低温・短時間での硬化が求められることから、硬化促進剤が好ましく用いられる。
かかる硬化促進剤としては、ウレア化合物、第三級アミンとその塩、イミダゾールとその塩、トリフェニルホスフィンまたはその誘導体、カルボン酸金属塩や、ルイス酸類やブレンステッド酸類とその塩類などが挙げられる。中でも、保存安定性と触媒能力のバランスから、ウレア化合物が好適に用いられる。
かかるウレア化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−N’−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア、トルエンビス(ジメチルウレア)、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)、3−フェニル−1,1−ジメチルウレアなどを使用することができる。かかるウレア化合物の市販品としては、DCMU99(保土ヶ谷化学(株)製)、“Omicure(登録商標)”24、52、94(以上、Emerald Performance Materials, LLC製)などが挙げられる。
かかるウレア化合物の配合量は、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して1〜6質量部含むことが好ましい。かかるウレア化合物の配合量が1質量部以上にすることにより、反応が十分に進行しやすく、弾性率と耐熱性に優れた樹脂硬化物を得られやすい。また、かかるウレア化合物の配合量が6質量部以下にすることにより、エポキシ樹脂と硬化剤との反応が進行しやすくなるため、靭性や弾性率に優れた樹脂硬化物が得られやすい。
本発明のマトリックス樹脂には、熱可塑性樹脂および無機粒子、無機フィラー等が含まれていてもよい。このような熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子等を配合することができる。エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂としては、樹脂と強化繊維との接着性改善効果が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂およびスルホニル基を有する熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
かかるアルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂を挙げることができる。アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げることができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホンは、主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有してもよい。
エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニルアセタール樹脂として、デンカブチラールおよび“デンカホルマール(登録商標)”(電気化学工業(株)製)、“ビニレック(登録商標)”(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR(登録商標)”PKHP(ユニオンカーバイド(株)製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト(登録商標)”(ヘンケル白水(株)製)、“アミラン(登録商標)”CM4000(東レ(株)製)、ポリイミドとして“ウルテム(登録商標)”(ジェネラル・エレクトリック(株)製)、“Matrimid(登録商標)”5218(チバ(株)製)、ポリスルホンとして“スミカエクセル(登録商標)”(住友化学(株)製)、“UDEL(登録商標)”(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製)、ポリビニルピロリドンとして、“ルビスコール(登録商標)”(ビーエーエスエフジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が高く、粘弾性制御のために好適に用いられる。アクリル樹脂の市販品を例示すると、“ダイヤナール(登録商標)”BRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M,M100,M500(松本油脂製薬(株)製)、“Nanostrength(登録商標)”E40F、M22N、M52N(アルケマ(株)製)などを挙げることができる。
本発明のプリプレグに用いられるマトリックス樹脂は、25℃における貯蔵弾性率が、角周波数100rad/sのとき1.5×105〜3.0×106Pa、25℃における損失弾性率が、角周波数100rad/sのとき3.0×105〜6.5×106Paであることが必要である。角周波数100rad/sのときの貯蔵弾性率を1.5×105Pa以上、角周波数100rad/sのときの損失弾性率を3.0×105Pa以上とすることで、プリプレグを取り扱う際の過剰な接着力を抑えることが出来る。また、角周波数100rad/sのときの貯蔵弾性率を3.0×106Pa以下、角周波数100rad/sのときの損失弾性率を6.5×106Pa以下とすることで、プリプレグ同士の貼り合せ時に互いの表面樹脂が接着しやすくなり、短時間・低圧力で高タック性が得られる。また、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数100rad/sのとき2.0×105〜1.5×106Paの範囲であることが好ましく、25℃における損失弾性率は、角周波数100rad/sのとき4.0×105〜4.0×106Paであることが好ましい。こうすることで、さらに高タック性を得易くなる。なお、ここでいうマトリックス樹脂の貯蔵弾性率および損失弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES G2:TA Instrument社製など)にて、パラレルプレートを用い、温度を25℃に保持し、プレート間隔1mmで測定することで得られる貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’をいう。
本発明のプリプレグに用いられるマトリックス樹脂は、130℃で120分保持し硬化させた後、−50℃から250℃まで5℃/minで昇温させて得られるDSC曲線から算出されるガラス転移温度が130℃以上である必要があり、これにより耐熱性が優れたプリプレグを提供することが出来る。本発明のマトリックス樹脂を硬化して得られる樹脂硬化物のガラス転移温度は、140℃〜230℃であることが好ましい。樹脂硬化物のガラス転移温度が140℃以上であれば、自転車リム材、自動車用部材、産業用部材に用いる場合、得られる繊維強化複合材料の耐熱性が十分である。また、ガラス転移温度が230℃以下であれば、樹脂降下物の伸度に優れ、得られる繊維強化複合材料の引張強度に優れる傾向がある。
本発明のプリプレグは、25℃環境下において、96時間放置された後のタック係数の低下率が80%以下であることが好ましい。タック係数の低下率が80%以下に抑えることで、プリプレグ表面の樹脂の樹脂がプリプレグ内部に沈み込んだ状態でも、プリプレグ同士を貼りつき易くなる。なお、ここでいう低下率とは、プリプレグを96時間25℃環境下で放置させた後のタック係数と、25℃環境下で放置する前のタック係数の差分を、放置前のタック係数で除して百分率で表した値である。ここで、放置前のタック係数とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後のタック係数である。96時間放置させた後のタック係数とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを、温度25±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置した後に測定したタック係数である。なお、ここでいうタック係数とは、タックテスター(例えば、EMX−1000N:株式会社イマダ製)を用い、18×18mm2のプリプレグ同士を0.5kgf(4.9N)の荷重で1秒間圧着し、30m/minの速度にて剥離し、剥がれる際の抵抗力を測定することで求めることができる。
本発明のプリプレグは、放置前のタック係数が1.0kgf(9.8N)以上あることが好ましく、さらには、1.5kgf(14.7N)以上あることが好ましい。そうすることで、低圧力でも容易にプリプレグ同士を貼り合せることができる。
本発明のプリプレグは、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率が、角周波数0.1rad/sのとき6.0×102〜5.0×104Paであり、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数0.1rad/sのとき3.5×103〜5.0×104Paを満たすマトリックス樹脂からなることが好ましい。角周波数0.1rad/sのときの貯蔵弾性率を6.0×102以上、角周波数0.1rad/sのときの損失弾性率を3.5×103以上とすることで、プリプレグ表面に存在するマトリックス樹脂が、プリプレグ内部への繊維層への沈み込みを抑制し易くなり、高接着性を長時間保持し易くなる。また、角周波数0.1rad/sのときの貯蔵弾性率を5.0×104以下、角周波数0.1rad/sのときの損失弾性率を5.0×104以下とすることで、プリプレグを製造する際に、繊維層へマトリックス樹脂を含浸しやすくなり、プリプレグ内部のボイドを少なくする傾向がある。また、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数0.1rad/sのとき2.0×103〜3.0×104Paであり、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数0.1rad/sのとき5.0×103〜3.5×104Paを満たすマトリックス樹脂からなることが好ましい。こうすることで、さらにマトリックス樹脂の沈み込みを抑制し易くなる。
本発明のプリプレグは、25℃環境下において、96時間放置された後のプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率が50%以下であることが好ましい。表面樹脂被覆率の低下率を50%以下に抑えることで、プリプレグ同士を貼り付けた際、プリプレグ表面の樹脂同士が接触する割合が増え、高タック性が得易くなる。なお、ここでいう低下率とは、プリプレグを96時間25℃環境下で放置させた後のプリプレグの表面樹脂被覆率と、25℃環境下で放置する前の表面樹脂被覆率の差分を、放置前の表面樹脂被覆率で除して百分率で表した値である。ここで、放置前の表面樹脂被覆率とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後の表面樹脂被覆率である。96時間放置させた後の表面樹脂被覆率とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを、温度25±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置した後に算出した表面樹脂被覆率である。なお、ここでいう表面樹脂被覆率とは、プリプレグの表面を撮影し、2値化法により測定した全プリプレグ面積に対する表面に樹脂が存在する面積の割合を算出した値をいう。
本発明のプリプレグは、繊維質量含有率が60%以上であることが好ましい。繊維質量含有率を60%以上とすることにより、軽量かつ強度や剛性などの力学特性に優れた強化繊維複合材料を得ることができる。
本発明のプリプレグの製造方法は、炭素繊維にマトリックス樹脂を加圧含浸させて得ることが好ましい。加圧含浸する方法として、例えばホットメルト法が挙げられる。ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接、強化繊維からなる繊維基材に含浸させる方法、または一旦エポキシ組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで前記強化繊維からなる繊維基材の両側または片側に前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより前記強化繊維からなる繊維基材に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
離型紙等の上にコーティングしたフィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、噴霧装置により一定量の樹脂を離型紙等の上に噴霧する方法や、ナイフコーターやダイコーター、リップコーターやグラビアコーターなど一定量の樹脂を吐出しながら塗布目付量を制御して塗布する方法が挙げられる。予め樹脂フィルムに作製する方法としては、前記したような離型シートにエポキシ樹脂組成物を、上記したナイフコーターやダイコーター、リップコーターやグラビアコーターなどの方法で塗布する、もしくは、ロール回転速度とロール間クリアランスで目付量を制御するリバースロールコータやトップフィードリバースロールコータなどの方法を用いることもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に記述する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
本実施例および比較例に用いたマトリックス樹脂および炭素繊維は、以下の通りである。
<エポキシ樹脂>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:189)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1001、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:475)
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”154、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:178)
・m−アミノフェノール型エポキシ樹脂(“アラルダイト(登録商標)”MY0600、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)社製、エポキシ当量:116)。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:189)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1001、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:475)
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”154、三菱ケミカル(株)製、エポキシ当量:178)
・m−アミノフェノール型エポキシ樹脂(“アラルダイト(登録商標)”MY0600、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)社製、エポキシ当量:116)。
<硬化剤>
・ジシアンジアミド(DICY7、三菱ケミカル(株)製、活性水素当量:12)。
・ジシアンジアミド(DICY7、三菱ケミカル(株)製、活性水素当量:12)。
<硬化促進剤>
・3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製)。
・3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製)。
<熱可塑性樹脂>
・ポリビニルホルマール(“ビニレック(登録商標)”K、jNC(株)製)
・S−B−M共重合体(“Nanostrength(登録商標)”M22N、アルケマ(株)製、Sがスチレン、Bが1,4−ブタジエン、Mがメタクリル酸メチル)
・ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES 5003P、住友化学(株)社製)。
・ポリビニルホルマール(“ビニレック(登録商標)”K、jNC(株)製)
・S−B−M共重合体(“Nanostrength(登録商標)”M22N、アルケマ(株)製、Sがスチレン、Bが1,4−ブタジエン、Mがメタクリル酸メチル)
・ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES 5003P、住友化学(株)社製)。
<強化繊維>
・炭素繊維(“トレカ(登録商標)”M40SC−12K、東レ(株)製、引張弾性率:382GPa、引張強度:4800MPa)
・炭素繊維(“トレカ(登録商標)”M40JB−6K、東レ(株)製、引張弾性率:377GPa、引張強度:4400MPa)。
・炭素繊維(“トレカ(登録商標)”M40SC−12K、東レ(株)製、引張弾性率:382GPa、引張強度:4800MPa)
・炭素繊維(“トレカ(登録商標)”M40JB−6K、東レ(株)製、引張弾性率:377GPa、引張強度:4400MPa)。
(1)エポキシ樹脂組成物の調製
表1に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂を用いて、エポキシ樹脂および熱可塑性樹脂を溶融混練したのち、冷却し、硬化剤および硬化促進剤を加えることにより、エポキシ樹脂組成物を得た。
表1に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂を用いて、エポキシ樹脂および熱可塑性樹脂を溶融混練したのち、冷却し、硬化剤および硬化促進剤を加えることにより、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2)貯蔵弾性率、損失弾性率の測定
動的粘弾性測定装置(ARES G2:TA Instrument社製)にて、直径8mmのパラレルプレートを用い、パラレルプレート間のエポキシ樹脂組成物の厚みを1.0mmとし、角周波数が0.1、100rad/s、測定温度が25℃のときの貯蔵弾性率と損失弾性率を測定した。
動的粘弾性測定装置(ARES G2:TA Instrument社製)にて、直径8mmのパラレルプレートを用い、パラレルプレート間のエポキシ樹脂組成物の厚みを1.0mmとし、角周波数が0.1、100rad/s、測定温度が25℃のときの貯蔵弾性率と損失弾性率を測定した。
(3)硬化物Tgの測定方法
示差走査熱量測定機(DSC Q2500:TA Instrument社製)にて、Hermetic Panを用い、130℃で120分保持し硬化させた後、−50℃から250℃まで5℃/minで昇温させて得られたDSC曲線からTg(ガラス転移温度)を算出した。
示差走査熱量測定機(DSC Q2500:TA Instrument社製)にて、Hermetic Panを用い、130℃で120分保持し硬化させた後、−50℃から250℃まで5℃/minで昇温させて得られたDSC曲線からTg(ガラス転移温度)を算出した。
(4)タック係数の低下率の算出方法
タックテスター(EMX−1000N:株式会社イマダ製)を用い、18×18mm2のプリプレグを4.9Nの荷重で0.1秒間プリプレグ同士を圧着し、30m/minの速度にて剥離し、剥がれる際の抵抗力を5回測定し、その平均値をタック係数とした。測定に用いたプリプレグは、96時間放置させたプリプレグと、放置前のプリプレグの2種類であり、これらのタック係数の差分を、放置前のタック係数で除して、百分率として算出した。なお、放置前のタック係数とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後のプリプレグ同士のタック、96時間放置させたタック係数とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを温度25℃±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置させた後のプリプレグ同士のタック係数とした。
タックテスター(EMX−1000N:株式会社イマダ製)を用い、18×18mm2のプリプレグを4.9Nの荷重で0.1秒間プリプレグ同士を圧着し、30m/minの速度にて剥離し、剥がれる際の抵抗力を5回測定し、その平均値をタック係数とした。測定に用いたプリプレグは、96時間放置させたプリプレグと、放置前のプリプレグの2種類であり、これらのタック係数の差分を、放置前のタック係数で除して、百分率として算出した。なお、放置前のタック係数とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後のプリプレグ同士のタック、96時間放置させたタック係数とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを温度25℃±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置させた後のプリプレグ同士のタック係数とした。
(5)表面樹脂被覆率の低下率の算出方法
マイクロスコープ(VHX−5000:KEYENCE社製)用い、プリプレグの表面を200倍で10mm×10mmの範囲を撮影し、2値化法により測定した全プリプレグ面積に対する表面に樹脂が存在する面積の割合を算出した。算出に用いたプリプレグは、96時間放置させたプリプレグと、放置前のプリプレグの2種類であり、これらの表面樹脂被覆率の差分を、放置前の表面樹脂被覆率で除して、百分率として算出した。なお、放置前の表面樹脂被覆率とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後のプリプレグ表面の樹脂被覆率、96時間放置させた表面樹脂被覆率とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを温度25℃±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置させた後の表面樹脂被覆率とした。
マイクロスコープ(VHX−5000:KEYENCE社製)用い、プリプレグの表面を200倍で10mm×10mmの範囲を撮影し、2値化法により測定した全プリプレグ面積に対する表面に樹脂が存在する面積の割合を算出した。算出に用いたプリプレグは、96時間放置させたプリプレグと、放置前のプリプレグの2種類であり、これらの表面樹脂被覆率の差分を、放置前の表面樹脂被覆率で除して、百分率として算出した。なお、放置前の表面樹脂被覆率とは、プリプレグ製造直後、もしくはその製造に際しプリプレグの表面を外気から遮断するためフィルム状のもので覆う場合、そのカバーフィルムを剥離した直後のプリプレグ表面の樹脂被覆率、96時間放置させた表面樹脂被覆率とは、カバーフィルムを剥離したプリプレグを温度25℃±2℃、湿度50±5%RHの環境下で、96時間放置させた後の表面樹脂被覆率とした。
<実施例1>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.7×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき9.6×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.1×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき9.2×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、132℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は60%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、38%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.7×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき9.6×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.1×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき9.2×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、132℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は60%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、38%であった。
<実施例2>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.0×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.0×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、5.5×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき5.9×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、134℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.3kgf(12.7N)であり、低下率は76%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、46%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.0×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.0×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、5.5×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき5.9×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、134℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.3kgf(12.7N)であり、低下率は76%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、46%であった。
<実施例3>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.6×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.6×102Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.5×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.2×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、135℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は63%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、58%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.6×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.6×102Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.5×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.2×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、135℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は63%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、58%であった。
<実施例4>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.1×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.7×102Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.9×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.9×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、138℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.5kgf(14.7N)であり、低下率は60%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、52%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.1×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.7×102Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.9×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.9×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、138℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.5kgf(14.7N)であり、低下率は60%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、52%であった。
<実施例5>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.8×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.3×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.6×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.0×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、154℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は72%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、55%であった。 <実施例6>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.2×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.7×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.3×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき6.3×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、148℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は65%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、43%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.8×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.3×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.6×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.0×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、154℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は72%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、55%であった。 <実施例6>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.2×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.7×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.3×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき6.3×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、148℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.6kgf(15.7N)であり、低下率は65%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、43%であった。
<実施例7>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.6×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき8.5×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、9.1×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.7×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.3kgf(12.7N)であり、低下率は70%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、45%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.6×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき8.5×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、9.1×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき4.7×103Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は1.3kgf(12.7N)であり、低下率は70%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、45%であった。
<比較例1>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.3×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.7×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.8×107Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.6×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.5kgf(4.9N)であり、低下率は80%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、35%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、3.3×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき7.7×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、1.8×107Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.6×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.5kgf(4.9N)であり、低下率は80%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、35%であった。
<比較例2>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.0×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.0×104Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、7.9×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.8×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.6kgf(5.9N)であり、低下率は83%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、28%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、2.0×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.0×104Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、7.9×106Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき2.8×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、140℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.6kgf(5.9N)であり、低下率は83%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、28%であった。
<比較例3>
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、9.6×104Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.3×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.4×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.0×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、130℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.9kgf(8.8N)であり、低下率は53%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、53%であった。
表1に示す成分を混合させ、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物の25℃における貯蔵弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、9.6×104Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.3×103Paであった。また、25℃における損失弾性率は、角周波数が100rad/sのとき、4.4×105Paであり、角周波数が0.1rad/sのとき3.0×104Paであった。なお、前記(3)の方法で硬化後のTgを測定した結果、130℃であった。得られたエポキシ樹脂組成物を用い、コーターを使用して離型紙上に塗布し、エポキシ樹脂フィルムを作製した。単位面積あたりの質量が75g/m2の炭素繊維に、前記エポキシ樹脂フィルムを加圧含浸させ、繊維質量含有率が63%となるように一方向プリプレグを作製した。作製したプリプレグを用いて、前記(4)の方法に従ってプリプレグのタック係数を測定した結果、放置前のタック係数は0.9kgf(8.8N)であり、低下率は53%であった。また、前記(5)の方法でプリプレグの表面樹脂被覆率の低下率を算出したところ、53%であった。
本発明のプリプレグは、短時間かつ低圧力における高タック性に優れることから、特に、成形時に手作業での貼り付けが多い、スポーツ用途において、取り扱い性に優れているため、好ましく用いられる。
Claims (6)
- 強化繊維にマトリックス樹脂が含浸されてなるプリプレグであって、マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率が、角周波数100rad/sのとき1.5×105〜3.0×106Pa、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数100rad/sのとき3.0×105〜6.5×106Paであり、マトリックス樹脂の硬化後のガラス転移温度が130℃以上であるプリプレグ。
- 25℃環境下にて、96時間放置された後のタック係数の低下率が80%以下である請求項1に記載のプリプレグ。
- マトリックス樹脂の25℃における貯蔵弾性率が、角周波数0.1rad/sのとき6.0×102〜5.0×104Paであり、マトリックス樹脂の25℃における損失弾性率が、角周波数0.1rad/sのとき3.5×103〜5.0×104Paである請求項1または2に記載のプリプレグ。
- 25℃環境下にて、96時間放置された後の表面樹脂被覆率の低下率が50%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
- 繊維質量含有率が60%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
- 強化繊維が炭素繊維である請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
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