JP2019182098A - 操舵制御装置 - Google Patents

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俊明 尾形
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Abstract

【課題】自動操舵から手動操舵へ切り替える際の違和感をより簡単に低減することができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】操舵制御装置40は、アシストモータ21およびVGRモータ32を制御する。アシストモータ21は操舵機構10に付与されるトルクを発生する。VGRモータ32はステアリングホイール11の操舵角θsに対する転舵輪16の転舵角θwの比であるステアリングギヤ比を変更するために操舵機構10に付与されるトルクを発生する。操舵制御装置40は、アシストモータ21の制御を通じて操舵を補助する場合、ステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θsに基づきVGRモータ32を制御する。操舵制御装置40は、外部指令に基づくアシストモータ21の制御を通じて転舵角θwを制御する場合、絶対角センサ56を通じて検出されるピニオンシャフト13の回転角θp1に基づきVGRモータ32を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、舵角可変装置および操舵アシスト力発生装置を備えた操舵装置が知られている。
舵角可変装置は、アッパステアリングシャフトおよびロアステアリングシャフトを相対的に回転させることにより、ステアリングホイールに対して左右の前輪を相対的に転舵させる。すなわち、舵角可変装置は、ステアリングギヤ比(操舵伝達比の逆数)を変化させる。また、舵角可変装置は、運転者の操舵操作の有無に関係なく左右の前輪の舵角を変化させることにより、ステアリングホイールの回転位置と前輪の舵角との関係を変更する。操舵アシスト力発生装置は、ラックバーを相対的に駆動する補助的な操舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減するとともに、舵角可変装置の作動を補助する。舵角可変装置および操舵アシスト力発生装置は、互いに共働して、運転者の操舵操作によらず左右前輪の舵角を変化させたり、ステアリングホイールの回転角度を変化させたりする。
操舵制御装置は、操舵モードとして手動操舵モードおよび自動操舵モードを有している。手動操舵モードにおいては、運転者によって操作されるステアリングホイールの操作位置に応じて操舵輪の舵角が制御される。自動操舵モードにおいては、自動操舵のための操舵輪の目標舵角が演算され、操舵輪の舵角が目標舵角になるよう舵角可変装置が制御される。自動操舵開始条件が成立するとき、操舵モードが手動操舵モードから自動操舵モードへ切り替えられる。自動操舵終了条件が成立するとき、操舵モードが自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替えられる。
自動操舵モードにおいては、ステアリングホイールの回転位置と、操舵輪の舵角から求まるステアリングホイールの回転位置とが異なる状態となることがある。そこで、操舵制御装置は、操舵モードを自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替えるとき、ステアリングホイールの回転位置と、操舵輪の舵角から求まるステアリングホイールの回転位置とのずれ量を漸減させる、いわゆる低減制御を実行する。しかし、低減制御においては、舵角可変装置を通じて操舵輪がずれ量を減少させる方向へ操舵されるため、操舵輪の舵角が意図しないかたちで変化することに起因して、運転者が違和感を覚えるおそれがある。
そこで、操舵制御装置は、操舵モードを自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える際、低減制御の実行を通じたずれ量の減少に応じて、自動操舵モードの制御ゲイン(操舵輪の舵角を自動操舵制御の目標舵角にするための操舵輪の目標舵角修正量に対する実際の舵角修正量の比)を1から0へ漸減させる。自動操舵モードの制御ゲインの漸減に伴い、自動操舵に対する手動操舵のオーバーライド度合が徐々に増大する。このため、操舵モードを自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える際において、低減制御を通じたずれ量の低減に起因する違和感、および操舵特性(操舵操作に対する操舵輪の舵角の変化の特性)の急変に起因する違和感が抑制される。
特開2015−137085号公報
特許文献1の操舵制御装置によれば、たしかに自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える際における運転者の違和感が抑制される。しかし、特許文献1の操舵制御装置では、ずれ量の低減制御を実行する際、舵角可変装置の目標舵角に対する修正量を演算する必要がある。また、自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える際、低減制御の実行を通じたずれ量の減少に応じて自動操舵モードの制御ゲインを漸減させる必要がある。すなわち、特許文献1の操舵制御装置では、自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える際における運転者の違和感を緩和するために、複雑で高度な演算を行う必要がある。
本発明の目的は、自動操舵制御から手動操舵制御へ切り替える際の違和感をより簡単に低減することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、車両の操舵機構に付与されるトルクを発生する第1のモータ、およびステアリングホイールの操舵角に対する転舵輪の転舵角の比であるステアリングギヤ比を変更するために前記操舵機構に付与されるトルクを発生する第2のモータを制御する制御装置を有する。前記制御装置は、前記第1のモータの制御を通じて前記ステアリングホイールの操舵を補助する手動操舵を行う場合には前記ステアリングホイールの操舵角に基づき前記第2のモータを制御する。一方、前記制御装置は、外部指令に基づく前記第1のモータの制御を通じて前記転舵輪の転舵角を変更する自動操舵を行う場合には前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量に基づき前記第2のモータを制御する。
制御装置として、自動操舵を行う場合に操舵角に応じて第2のモータを制御する構成を採用することも考えられるところ、この場合にはつぎのようなことが懸念される。
すなわち、自動操舵が行われている場合、第1のモータが発生するトルクが操舵機構に付与されることにより転舵輪の転舵角が変更されるところ、転舵角の変化に連動してステアリングホイールの操舵角も変化する。仮に制御装置が操舵角に応じて第2のモータを制御するものである場合、制御装置は操舵角の変化に応じて第2のモータを動作させるため、転舵輪の転舵角が再び変化する。自動操舵が行われている場合、制御装置は外部指令に基づき第1のモータを動作させる。このため、転舵角が変化した場合、制御装置は、外部指令に応じた転舵角を実現させるために、転舵角の変化に応じて再び第1のモータを動作させる。すると、この第1のモータの動作を通じた転舵角の変化が再びステアリングホイールの操舵角に反映される。このため、第1のモータの動作と第2のモータの動作とが継続的に繰り返されるおそれがあり(制御ループ)、制御的に不安定な状態になる。
この点、上記の構成によれば、自動運転が行われる場合、制御装置は、ステアリングホイールの操舵角に代えて、転舵輪の転舵状態が反映される状態量に基づき第2のモータを制御する。このようにすれば、第1のモータの動作に伴う操舵角の変化に応じて第2のモータが動作することを回避することができる。第1のモータの動作と第2のモータの動作とが互いに影響(干渉)し合うことが抑制されることによって、第1のモータの動作と第2のモータの動作とが継続的に繰り返されることを抑えることができ、制御的な安定性を確保することもできる。そして、自動操舵が行われている間、転舵輪の転舵状態が反映される状態量に基づき第2のモータが制御されることにより、自動運転が行われている場合の操舵角と転舵角との関係は、手動運転が行われている場合の操舵角と転舵角との関係と同じ状態に維持される。このため、操舵特性(操舵量に対する転舵角の変化の特性)が、自動操舵から手動操舵へ切り替えられる前後で同じとなる。したがって、運転者が操舵特性の変化に起因して違和感を覚えることが抑制される。
また制御装置は、手動操舵を行う場合と自動操舵を行う場合とで第2のモータを制御するために使用する状態量を、ステアリングホイールの操舵角と転舵輪の転舵状態が反映される状態量との間で切り替えるだけでよい。すなわち制御装置は、自動運転から手動運転へ切り替える際には、第2のモータを制御するために使用する状態量を、転舵輪の転舵状態が反映される状態量からステアリングホイールの操舵角へ切り替えるだけでよい。したがって、自動操舵から手動操舵へ切り替える際における運転者の違和感をより簡単に低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵機構が、前記ステアリングホイールに連動して回転するピニオンシャフト、および前記ピニオンシャフトの回転に応じて前記転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備えている場合、前記制御装置は、前記自動操舵を行うとき、前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量として、前記ピニオンシャフトの回転角を使用してもよい。
上記の操舵制御装置において、前記制御装置は、前記自動操舵を行う場合、前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量として、前記第1のモータの回転角を使用してもよい。
上記の操舵制御装置において、前記第1のモータは、前記第2のモータよりも転舵輪側に位置していることが好ましい。
本発明の操舵制御装置によれば、自動操舵から手動操舵へ切り替える際の違和感をより簡単に低減することができる。
操舵制御装置の一実施の形態が搭載される電動パワーステアリング装置の構成図。 一実施の形態において、手動操舵が行われる場合の制御(処理)の流れを示す電動パワーステアリング装置の構成図。 比較例において、自動操舵が行われる場合の制御(処理)の流れを示す電動パワーステアリング装置の構成図。 一実施の形態において、自動操舵が行われる場合の制御(処理)の流れを示す電動パワーステアリング装置の構成図。
以下、操舵制御装置を車両に搭載される電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」と略記する。)に適用した一実施の形態を説明する。
図1に示すように、EPS1は、操舵機構10、操舵補助機構20、VGR機構(Variable-Gear-Ratio/可変ギヤ比機構)30、および操舵制御装置40を有している。
操舵機構10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリングシャフト12、および車幅方向(図1中の左右方向)に沿って延びる転舵シャフト14を有している。ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11に連結される入力シャフト12aと、入力シャフト12aに対してVGR機構30を介して連結される出力シャフト12bとに分割されている。出力シャフト12bにおけるVGR機構30と反対側の端部には、ピニオンシャフト13が連結されている。ピニオンシャフト13のピニオン歯13aは、転舵シャフト14のラック歯14aに噛み合わされている。転舵シャフト14の両端には、それぞれタイロッド15,15を介して左右の転舵輪16,16が連結されている。したがって、ステアリングホイール11の回転操作に伴い転舵シャフト14が直線運動することにより、転舵輪16,16の転舵角θが変更される。
操舵補助機構20は、操舵補助力(アシスト力)を生成する構成として、アシストモータ21、および減速機構22を有している。アシストモータ21は、操舵補助力の発生源であって、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。アシストモータ21(正確には、その回転軸)は、減速機構22を介してピニオンシャフト23に連結されている。ピニオンシャフト23のピニオン歯23aは、転舵シャフト14のラック歯14bに噛み合わされている。アシストモータ21の回転は減速機構22によって減速されて、当該減速された回転力(トルク)が操舵補助力としてピニオンシャフト23を介して転舵シャフト14に付与される。
VGR機構30は、操舵性の向上を目的として、ステアリングホイール11の回転角である操舵角θと転舵輪16,16の転舵角θとの比率であるステアリングギヤ比を変化させる。VGR機構30は、ハウジング31、VGRモータ32および減速機構33を有している。ハウジング31は、入力シャフト12aに対して一体回転可能に連結されている。VGRモータ32(より正確には、モータケース)は、ハウジング31の内部に固定されている。VGRモータ32の回転軸32aは、減速機構33を介して出力シャフト12bに連結されている。
減速機構33としては、たとえば遊星歯車機構などの差動機構が採用される。減速機構33は、太陽歯車(sun gear)、遊星キャリヤ(planetary carrier)、内歯車(outer gear)、および複数の遊星歯車(planetary gear)を有している。太陽歯車は、VGRモータ32の回転軸32aに連結される。内歯車は、出力シャフト12bに連結される。遊星歯車は、太陽歯車と内歯車との間に設けられて太陽歯車を中心として自転しながら公転する。遊星キャリヤは、遊星歯車を自転可能に支持し遊星歯車とともに公転する。
このため、ステアリングホイール11の回転操作に伴う入力シャフト12aの回転にVGRモータ32の回転軸32aの回転が減速機構33を介して上乗せされて出力シャフト12bに伝達される。入力シャフト12aに対する出力シャフト12bの相対的な回転角θsgは、次式(A)で表される。
θsg=θ+θ・α…(A)
ただし、「θ」は操舵角である。「θ」はVGRモータ32(回転軸32a)の回転角である。「α」は減速機構33の減速比である。
したがって、VGRモータ32の回転角θを制御することにより、任意のステアリングギヤ比を実現することができる。
操舵制御装置40は、第1のECU41、および第2のECU42を有している。
第1のECU41は、アシストモータ21に対する通電制御を通じて操舵補助力を発生させるアシスト制御(手動操舵制御)を実行する。第1のECU41は、車両に設けられる車速センサ51、トルクセンサ52および回転角センサ53の検出結果に応じて、アシストモータ21を制御する。車速センサ51は車速Vを検出する。トルクセンサ52は、出力シャフト12bに設けられていて、操舵トルクTを検出する。回転角センサ53はアシストモータ21に設けられていて、アシストモータ21の回転角θを検出する。第1のECU41は、車速V、操舵トルクT、および回転角θに基づき目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力を操舵補助機構20に発生させるための駆動電力をアシストモータ21に供給する。
第2のECU42は、車両に設けられる車速センサ51、ステアリングセンサ54および回転角センサ55の検出結果に応じて、VGRモータ32を制御する。ステアリングセンサ54は、入力シャフト12aにおけるVGR機構30とステアリングホイール11との間に設けられていて、入力シャフト12aの回転角をステアリングホイール11の回転角である操舵角θとして検出する。回転角センサ55は、VGRモータ32に設けられていて、VGRモータ32の回転角θを検出する。第2のECU42は、操舵角θおよび車速Vに基づきVGRモータ32の目標回転角を演算する。第2のECU42は、回転角センサ55を通じて検出されるVGRモータ32の実際の回転角θを目標回転角に一致させるフィードバック制御を通じて、VGRモータ32に対する給電を制御する。
ちなみに、第2のECU42は、車速Vが速くなるほど、ステアリングギア比がより大きな値となるようにVGRモータ32の目標回転角を設定する。ステアリングギア比が大きいほど、ステアリングホイール11を操作したときの転舵輪16,16の転舵角θがより小さく緩慢(スロー)になる。また、第2のECU42は、車速Vが遅くなるほど、ステアリングギア比がより小さな値となるようにVGRモータ32の目標回転角を設定する。ステアリングギア比が小さいほど、ステアリングホイール11を操作したときの転舵輪16,16の転舵角θがより大きく機敏(クイック)になる。
ここで、近年では、システムが運転を代替する自動運転機能を実現するための自動運転システムの開発が盛んに行われている。ただし、自動運転システムには、車両の安全性あるいは利便性をより向上させるための様々な運転支援機能を実現するための運転支援システムが含まれることがある。車両に自動運転システムが搭載される場合、車両においては、操舵制御装置40と他の車載システムの制御装置との協調制御が行われる。協調制御とは、複数種の車載システムの制御装置が互いに連携して車両の動き(挙動)を制御する技術をいう。
車両には、たとえば各種の車載システムの制御装置を統括制御する上位ECU60が搭載される。上位ECU60は、その時々の車両の状態に基づき最適な制御方法を求め、その求められる制御方法に応じて各種の車載制御装置に対して個別の制御を指令する。上位ECU60は、操舵制御装置40により実行される制御に介入する。上位ECU60は、運転席などに設けられる図示しないスイッチの操作を通じて、自己の自動運転制御機能をオン(有効)とオフ(無効)との間で切り替える。
上位ECU60は、たとえば車両に目標車線上を走行させるための指令値Sとして付加角度指令値を演算する。付加角度指令値は、その時々の車両の走行状態に応じて、車両を車線に沿って走行させるために必要とされる転舵角θの目標値(現在の転舵角θに付加すべき角度)、あるいは転舵角θが反映される状態量の目標値である。操舵制御装置40は、上位ECU60により演算される指令値Sを使用してアシストモータ21を制御する。
上位ECU60は、第1のECU41および第2のECU42に対する状態フラグFを生成する。状態フラグFは、自動運転制御機能がオンであるかオフであるかを示す情報である。上位ECU60は、自動運転制御機能がオンであるときには状態フラグの値を「1」に、自動運転制御機能がオフであるときには状態フラグの値を「0」にセットする。なお、上位ECU60、第1のECU41および第2のECU42は、CAN(Controller Area Netwok)などの車載ネットワーク(通信バス)61を介して、互いに各種の情報を授受する。
ここで、自動運転システムが車両に搭載される場合、つぎのようなことが懸念される。
たとえば、上位ECU60の自動運転制御機能がオンされた場合、ステアリングホイール11の操作の実行主体が運転者ではなく自動運転システムの上位ECU60となる。このため、運転者による積極的なステアリングホイール11の操作が行われない。すなわち、運転者はステアリングホイール11に対して手を添えるだけである状況、あるいはステアリングホイール11から手を放した状況であることが想定される。このような状況においては、操舵性を確保する必要がないため、VGR機構30を通じたステアリングギヤ比の制御は不要である。したがって、自動運転が行われる場合、VGR機構30の動作を停止させることも考えられる。
しかし、VGR機構30が動作しているときと停止しているときとでは、操舵角θと転舵角θとの関係が異なる。すなわち、VGR機構30が停止しているときには、操舵角θと転舵角θとの関係は一定である。たとえば操舵角θと転舵角θとは、一対一で対応する。これに対し、VGR機構30が動作しているときには、操舵角θと転舵角θとの関係は一対一で対応することなく常に変化する。
このため、VGR機構30を停止した状態で自動運転が行われる場合、ステアリングホイール11の回転位置と、転舵輪16,16の転舵角θから求まるステアリングホイール11の回転位置とが異なる状態が発生するおそれがある。すなわち、ステアリングホイール11の回転位置(操舵角θ)と、転舵輪16,16の転舵角θとの関係が、VGR機構30が動作する手動操舵時の関係と異なる状態になる。したがって、VGR機構30が停止された状態で自動運転が行われていた場合、自動運転から手動運転へ切り替えられたとき、ステアリングホイール11の操作量に対する転舵輪16,16の転舵量が通常の手動運転時と異なることに起因して、運転者が違和感を覚えるおそれがある。
そこで、第2のECU42は、自動運転が行われる場合であれ、VGR機構30を手動運転時と同様に継続して動作させる。このようにすれば、自動運転されている場合においても、ステアリングホイール11の回転位置と、転舵輪16,16の転舵角θとの関係は、手動運転時にVGR機構30が動作しているときと同じ関係に維持される。このため、手動運転時と自動運転時とで、ステアリングホイール11の回転位置と、転舵輪16,16の転舵角θとの関係が変わることがない。すなわち、操舵特性(ステアリングホイール11の操作量に対する操舵輪16,16の転舵角θの変化の特性)は、自動操舵から手動操舵へ切り替えられる前後で同じになる。したがって、自動運転から手動運転へ切り替えられた際の運転者の違和感を抑えることができる。
ところが、自動運転中にVGR機構30を継続して動作させる場合、つぎのようなことが懸念される。
上位ECU60の自動運転制御機能がオフされている場合、ステアリングホイール11の操作の実行主体は運転者であって、第1のECU41は通常のアシスト制御(手動操舵制御)を実行する。図2に矢印X1で示すように、手動運転時には、ステアリングホイール11側から転舵シャフト14側へ向けて制御(処理)が流れる。すなわち、ステアリングホイール11の操作に応じて操舵角θが変化する。第2のECU42は、ステアリングセンサ54を通じて操舵角θを取得し、この取得される操舵角θに基づきVGRモータ32を制御する。VGRモータ32の回転量は、ピニオンシャフト13の回転量、ひいては転舵輪16,16の転舵角θに反映される。
これに対し、上位ECU60の自動運転制御機能がオンされている場合、ステアリングホイール11の操作の実行主体は上位ECU60であって、第1のECU41は上位ECU60からの指令に基づくアシストモータ21の制御を通じて転舵輪16,16を転舵させる転舵制御(自動操舵制御)を実行する。
図3の比較例に矢印X2で示すように、自動運転時には、手動運転時の制御を継続すると、転舵シャフト14側からステアリングホイール11側へ向けて制御(処理)が流れる。
すなわち、アシストモータ21の回転は、減速機構22、ピニオンシャフト23、転舵シャフト14、ピニオンシャフト13、出力シャフト12b、VGRモータ32、入力シャフト12aの順でステアリングホイール11に伝達される。この力の伝達過程において、入力シャフト12aが回転するところ、この入力シャフト12aの回転はステアリングセンサ54により検出される。すると、第2のECU42は、ステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θに応じてVGRモータ32を動作させる。このVGRモータ32の回転は、ステアリングホイール11が操作される手動運転時と同様に、出力シャフト12b、ピニオンシャフト13の順に転舵シャフト14に伝達される。これにより、転舵輪16,16の転舵角θが再び変化する。
すると第1のECU41は、上位ECU60からの指令値S(ここでは、付加角度指令値)に基づきアシストモータ21を動作させるため、このアシストモータ21の動作が再びステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θに反映される。このようにVGRモータ32の動作とアシストモータ21の動作とが継続して繰り返し行われるおそれがあり(制御ループ)、制御的に不安定な状態になる。
そこで、本実施の形態では、自動運転中における、いわゆる制御ループを抑えるために、つぎの構成を採用している。
図1に示すように、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路において、VGR機構30よりも転舵シャフト14側に位置するピニオンシャフト13には、絶対角センサ56が設けられている。絶対角センサ56は、ピニオンシャフト13の360°を超える多回転にわたる回転角θp1を絶対値で検出する。
第2のECU42は、上位ECU60により生成される状態フラグFに基づき、自動運転が行われるのかどうかを判定する。第2のECU42は、状態フラグFの値が「1」であるとき、自動運転が行われることを認識する。第2のECU42は、状態フラグFの値が「0」であるとき、自動運転が行われないこと、すなわち手動運転が行われることを認識する。
自動運転が行われる場合、第2のECU42は、ステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θに代えて、絶対角センサ56を通じて検出されるピニオンシャフト13の回転角θp1を使用してVGRモータ32の回転角θを制御する。
ここでは、ステアリングホイール11には運転者による操舵トルクTが付与されていない状況を想定している。このため、入力シャフト12a、ひいてはステアリングホイール11は、VGRモータ32の回転角θに応じて回転する。このとき、自動運転時にステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θに基づきVGRモータ32を動作させる場合と異なり、アシストモータ21の動作に伴う操舵角θの変化に応じてVGRモータ32が動作することはない。このため、VGRモータ32の動作とアシストモータ21の動作とが互いに影響(干渉)し合うことが抑制される。すなわち、図4に矢印X3で示すように、いわゆる制御ループが解消されることにより、制御的な安定性を確保することができる。したがって、自動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係は、手動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係と同じ状態に維持される。
たとえば手動操舵時、操舵角θが50°だけ変化したとき、VGRモータ32の動作を通じて転舵角θが5°だけ変化する場合を例に挙げる。この場合、自動運転時、指令値Sに基づくアシストモータ21の動作を通じて転舵角θが5°だけ変化したとき、VGRモータ32の動作を通じて操舵角θは50°だけ変化する。すなわち、手動運転時において、ステアリングホイール11を50°だけ回転操作することにより転舵角θが5°だけ転舵するのであれば、自動運転時に転舵角θを5°だけ転舵させるときには、この転舵角θに合わせて操舵角θも変化させる。このように、自動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係が、手動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係と同じになる。これにより、操舵特性(ステアリングホイール11の操作量に対する操舵輪16,16の転舵角θの変化の特性)は、自動操舵から手動操舵へ切り替えられる前後で同じである。このため、運転者が操舵特性の変化に起因して違和感を覚えることが抑制される。
ちなみに、手動運転時においては、動力伝達方向からみて、ステアリングホイール11側が上流、転舵シャフト14側が下流となる。これに対し、自動運転時においては、動力伝達方向からみて、転舵シャフト14側が上流、ステアリングホイール11側が下流となる。すなわち、自動運転時に使用される絶対角センサ56は、動力伝達方向からみて上流側に位置する。このため、図2の矢印X1および図4の矢印X3で示されるように、手動運転時と自動運転時とでは制御の流れが逆になるだけであって、操舵角θと転舵角θとの関係を維持するための下記(B1),(B2)の制御は、同様の考え方に基づくものであるといえる。
(B1)手動運転時にステアリングセンサ54を通じて検出される操舵角θに基づきVGRモータ32を動作させることによって、動力伝達方向における下流側に位置するピニオンシャフト13、ひいては転舵輪16,16の転舵角θを制御すること。
(B2)自動運転時に絶対角センサ56を通じて検出されるピニオンシャフト13の回転角θp1に基づきVGRモータ32を動作させることによって、動力伝達方向における下流側に位置するステアリングホイール11の操舵角θを制御すること。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)自動運転が行われているときにおいてもVGRモータ32の動作を通じて、自動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係が、手動運転時における操舵角θと転舵角θとの関係と同じ状態に維持される。このため、操舵特性(ステアリングホイール11の操作量に対する操舵輪16,16の転舵角θの変化の特性)が、自動操舵から手動操舵へ切り替えられる前後で同じとなる。したがって、運転者が操舵特性の変化に起因して違和感を覚えることが抑制される。
(2)自動運転が行われる場合、第2のECU42は、ステアリングホイール11の操舵角θに代えて、絶対角センサ56を通じて検出されるピニオンシャフト13の回転角θp1に基づき、VGRモータ32を制御する。ちなみに、ピニオンシャフト13の回転角θp1は、転舵輪16,16の転舵状態が反映される状態量の一つである。このようにすれば、自動運転時において、アシストモータ21の動作に伴う操舵角θの変化に応じてVGRモータ32が動作することを回避することができる。すなわち、アシストモータ21の動作とVGRモータ32の動作とが互いに影響(干渉)し合うことが抑制されることによって、制御ループを抑えることができ、制御的な安定性を確保することもできる。
(3)第2のECU42は、手動操舵を行う場合と自動操舵を行う場合とでVGRモータ32を制御するために使用する状態量を、ステアリングホイール11の操舵角θとピニオンシャフト13の回転角θp1との間で切り替える。たとえば、第2のECU42は、自動運転から手動運転へ切り替える際には、VGRモータ32を制御するために使用する状態量を、ピニオンシャフト13の回転角θp1からステアリングホイール11の操舵角θへ切り替えるだけでよい。したがって、自動運転から手動運転へ切り替える際における運転者の違和感を緩和するために、第2のECU42において複雑で高度な演算を行う必要はない。
(4)自動運転が行われる場合、第2のECU42は、絶対角センサ56を通じて検出されるピニオンシャフト13の回転角θp1を使用して、VGRモータ32を制御する。このため、第2のECU42は、より正確なピニオンシャフト13の回転角θp1を使用したVGRモータ32の制御の実行を通じて、操舵角θと転舵角θとの関係をより正確な関係に維持することができる。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・操舵制御装置40は、互いに独立した第1のECU41および第2のECU42を有していたが、第1のECU41および第2のECU42を単一のECUとして構成してもよい。
・上位ECU60は、製品仕様などに応じて、指令値Sとして、アシストモータ21が発生するトルクに対する指令値、あるいはアシストモータ21に供給される電流に対する指令値を生成するものであってもよい。
・EPS1として、トルクセンサ52および絶対角センサ56の位置を入れ替えた構成を採用してもよい。
・製品仕様などに応じて、EPS1として絶対角センサ56が割愛された構成が採用されることも考えられる。この場合、第2のECU42は、アシストモータ21に設けられた回転角センサ53を通じて検出されるアシストモータ21の回転角θに基づき、VGRモータ32の回転角θを制御するようにしてもよい。アシストモータ21は、減速機構22、ピニオンシャフト23、および転舵シャフト14を介してピニオンシャフト13に連結されている。このため、アシストモータ21の回転角θとピニオンシャフト13の回転角θp1(ピニオンシャフト23の回転角θp2)との間には相関関係がある。この相関関係を利用してアシストモータ21の回転角θからピニオンシャフト13の回転角θp1(ピニオンシャフト23の回転角θp2)を求めることができる。また、アシストモータ21の回転角θと転舵シャフト14の移動量との間にも相関関係がある。すなわち、アシストモータ21の回転角θは、転舵輪16,16の転舵角θを反映する値でもある。なお、アシストモータ21の回転角θ以外にも、転舵輪16,16の転舵角θを反映する状態量であれば、VGRモータ32の制御に使用することが可能である。
・本実施の形態では、EPS1として、アシストモータ21のトルクを、ピニオンシャフト23を介して転舵シャフト14に伝達するタイプを例に挙げたが、転舵シャフト14と同軸にアシストモータを設けたタイプであってもよい。また、EPS1は、アシストモータが転舵シャフトと平行に設けられるタイプであってもよい。このタイプでは、アシストモータのトルクは、ベルトを介して転舵シャフトのボールねじに伝達される。また、EPS1は、ステアリングシャフト12(出力シャフト12b)にアシストモータのトルクを伝達するタイプであってもよい。動力伝達経路におけるVGR機構30と転舵輪16,16との間にトルクを付与するタイプのEPSであればよい。
<他の技術的思想>
つぎに、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)ステアリングホイールの操舵角を検出するステアリングセンサは、第2のモータよりもステアリングホイール側に設けられていること。この構成を採用する場合、前述した、いわゆる制御ループが発生しやすい。
(ロ)ピニオンシャフトの回転角を検出する絶対角センサは、第2のモータよりも転舵輪側に設けられていること。
10…操舵機構、13…ピニオンシャフト、14…転舵シャフト、16…転舵輪、21…アシストモータ(第1のモータ)、32…VGRモータ(第2のモータ)、40…操舵制御装置、41…第1のECU、42…第2のECU、S…指令値(外部指令)、θ…回転角、θp1…回転角、θ…操舵角、θ…転舵角。

Claims (4)

  1. 車両の操舵機構に付与されるトルクを発生する第1のモータ、およびステアリングホイールの操舵角に対する転舵輪の転舵角の比であるステアリングギヤ比を変更するために前記操舵機構に付与されるトルクを発生する第2のモータを制御する制御装置を有する操舵制御装置であって、
    前記制御装置は、前記第1のモータの制御を通じて前記ステアリングホイールの操舵を補助する手動操舵を行う場合には前記ステアリングホイールの操舵角に基づき前記第2のモータを制御する一方、
    外部指令に基づく前記第1のモータの制御を通じて前記転舵輪の転舵角を変更する自動操舵を行う場合には前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量に基づき前記第2のモータを制御する操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵機構は、前記ステアリングホイールに連動して回転するピニオンシャフト、および前記ピニオンシャフトの回転に応じて前記転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備え、
    前記制御装置は、前記自動操舵を行う場合、前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量として、前記ピニオンシャフトの回転角を使用する操舵制御装置。
  3. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記制御装置は、前記自動操舵を行う場合、前記転舵輪の転舵状態が反映される状態量として、前記第1のモータの回転角を使用する操舵制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記第1のモータは、前記第2のモータよりも転舵輪側に位置している操舵制御装置。
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