JP2019181402A - 二酸化炭素回収方法用吸収液および二酸化炭素回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より多くの二酸化炭素が回収可能な二酸化炭素回収方法用吸収液を提供する。【解決手段】二酸化炭素回収方法用吸収液は、二酸化炭素回収方法用の吸収液であって、二酸化炭素回収方法は、吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含み、吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を含有する。(化学式1中、nは、1以上の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、二酸化炭素回収方法用吸収液および二酸化炭素回収方法に関する。
二酸化炭素を回収する技術は、天然ガスを原料とする水素やメタンの製造、宇宙空間や海中などの閉鎖状態にある居住環境の維持、火力発電所や製鉄所などの大量排出源からの温暖化ガス排出量の削減などに必要である。そのため、これらを対象とした二酸化炭素を回収する技術が、盛んに研究されている。二酸化炭素回収技術としては、吸収液を用いた、物理吸収法、化学吸収法、膜分離法、吸着法などが知られている。
このうち、化学吸収法は、二酸化炭素と化学反応する吸収液を用いた二酸化炭素分離技術である。例えば、二酸化炭素を含有する気体を室温付近で吸収液に接触させ、二酸化炭素を吸収液に化学的に吸収させ、二酸化炭素濃度が減少した気体と二酸化炭素を吸収した吸収液とを分離する。そして、分離した吸収液を昇温することで二酸化炭素を吸収液から放散させて二酸化炭素を回収する。また、二酸化炭素を放散した吸収液は再生され、再び二酸化炭素の分離回収に利用される。
また、物理吸収法は、物理的に二酸化炭素を吸収できる吸収液を用いた二酸化炭素分離技術であり、二酸化炭素吸収量の圧力依存性などを利用する。例えば、二酸化炭素を含有する気体を高圧下で吸収液に接触させ、吸収液に二酸化炭素を吸収させ、二酸化炭素濃度が減少した気体と二酸化炭素を吸収した吸収液とを分離する。そして、分離した吸収液を減圧することで二酸化炭素を吸収液から放散させて二酸化炭素を回収する。二酸化炭素を放散した吸収液は再生され、再び二酸化炭素の分離回収に利用される。例えば、吸収液にN−メチルヒロリドンを用いるPurisol法、メタノールを用いるRectisol法、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル溶液を用いるSelexol法、ポリプロピレンカーボネートを用いるFlour Solvenni法などが知られている。
二酸化炭素の吸収液としては、モノエタノールアミン(MEA)など、水酸基を有するアミン化合物の水溶液が知られている。例えば、特許文献1には、広く使用されるアルカノールアミンとして、MEAやメチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが開示されている。また、特許文献1では、2−(シクロペンチルアミノ)エタノールなどを水に溶解させた水溶液を吸収液として用い、大気圧下40℃で二酸化炭素を吸収させ、それを大気圧下80℃に加熱して二酸化炭素を放出させている。
特許文献2には、酸性ガス(二酸化炭素など)を含む流体からこの酸性ガスを除去するために用いる水溶液として、1−アミノ−2−ブタノール(MBA)などの式「R−NHCHCH(OH)CHCH」(Rは、Hなどである。)のアルカノールアミン又はその混合物を有効量含む水溶液が開示されている。また、メチルジエタノールアミン(MDEA)、2−(ジメチルアミノ)エタノール(別名:ジメチルエタノールアミン)(DMEA)、トリエタノールアミン(TEA)などの三級アルカノールアミンを組み合わせて用いてもよいことが開示されている。また、特許文献2では、実施例においてMBAとMDEAとの水溶液を吸収液として用い、常圧下31℃で二酸化炭素を吸収させている。また、126.7℃でオートクレーブ分解試験を行っている。
特開2012−143745号公報 特表2002−525195号公報
特許文献1、特許文献2に記載されているように、従来の二酸化炭素分離回収技術に用いられている多くの吸収液は、アミン化合物を水に溶解した水溶液である。化学吸収法では、反応機構として、アミンと二酸化炭素と水とが反応してアミンの重炭酸塩が生成したり、アミンと二酸化炭素とが反応してアミンのカーバメイトの塩が生成し、それを加熱すると二酸化炭素が解離するというものであると考えられており、塩を溶解させるために吸収液は、水溶液として用いられている。しかし、吸収液が水溶液である場合、二酸化炭素を回収し吸収液を再生する工程で、比熱容量の大きい水の昇温と水の蒸発に要する熱エネルギーが多大に掛かり、吸収液再生に要する熱エネルギーが著しく大きいという問題がある。また、用いるアミン化合物の揮発性が高いと、昇温により吸収液が揮発するため、回収器などの付属設備を設置しなければならず、過剰の設備投資が必要であった。
そのため、非水系で、従来より優れた吸収液が求められている。本発明者らは、これらの文献に記載されているアミン化合物について、水を溶媒として用いない場合の二酸化炭素吸収・放出特性を調査したところ、多くの三級アミン化合物は、常圧でほとんど二酸化炭素を吸収しないこと、これらのアミン化合物の中では2−(ジメチルアミノ)エタノール(DMEA)が優れた特性を備えることを見出した。しかしながら、実用化の観点では、前記の2−(ジメチルアミノ)エタノール(DMEA)より更に優れた特性を備える吸収液が求められる。
従って、本発明の課題は、従来より多くの二酸化炭素が回収可能な二酸化炭素回収方法用吸収液を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決すべく、さまざまなアミン化合物の吸収と放出の特性を、様々な条件下で調査したところ、二酸化炭素吸収量が低いものや、吸収量が多いものの二酸化炭素を放出しにくいものなどがある一方、特定の水酸基を有するアミン化合物は、特定の条件下で、2−(ジメチルアミノ)エタノール(DMEA)よりも二酸化炭素を吸収し易くかつ放出し易いという優れた特性を有すること発見した。本発明者は、その発見に基づいて、更に検討を行い、吸収液単位体積当たりの二酸化炭素回収量が著しく優れた、新たな二酸化炭素回収方法とそれに適した吸収液を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液は、
二酸化炭素回収方法用の吸収液であって、
前記二酸化炭素回収方法は、前記吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、前記の二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含み、
前記吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を含有する。
(化学式1中、nは、1以上の整数を表す。)
前記アミン化合物は、化学式2で示される、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンである、と好ましい。
前記吸収工程の圧力がP1であり、前記放出工程の圧力がP2であり、前記P1及びP2は、下記条件式(1)
P1>P2 ・・・(1)
を満たす、と好ましい。
前記P1は、4MPaG以上10MPaG以下である、と好ましい。
前記吸収工程の温度がT1であり、前記放出工程の温度がT2であり、前記T1及びT2は、下記条件式(2)
T1<T2 ・・・(2)
を満たすと好ましい。
前記T1は、10℃以上60℃以下である、と好ましい。
本発明の二酸化炭素回収方法は、
化学式1で示されるアミン化合物を含有する、吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、
前記の二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含む。
(化学式1中、nは、1以上の整数を表す。)
前記アミン化合物は、化学式2で示される、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンである、と好ましい。
前記吸収工程の圧力がP1であり、前記放出工程の圧力がP2であり、前記P1及びP2は、下記条件式(1)
P1>P2 ・・・(1)
を満たす、と好ましい。
前記P1は、4MPaG以上10MPaG以下である、と好ましい。
前記吸収工程の温度がT1であり、前記放出工程の温度がT2であり、前記T1及びT2は、下記条件式(2)
T1<T2 ・・・(2)
を満たす、と好ましい。
前記T1は、10℃以上60℃以下である、と好ましい。
本発明によれば、従来より多くの二酸化炭素が回収可能な二酸化炭素回収方法用吸収液が提供される。
二酸化炭素吸収試験装置(常圧)を示す図。 二酸化炭素吸収試験装置(高圧・体積膨張率測定)を示す図。 二酸化炭素吸収試験装置(高圧・ガス吸収量測定)を示す図。 吸収液の40℃における二酸化炭素吸収量の圧力依存性を示すグラフ。 吸収液の80℃における二酸化炭素吸収量の圧力依存性を示すグラフ。 二酸化炭素を40℃・各圧力で吸収し40℃・大気圧で放出する場合の二酸化炭素回収量を示すグラフ。 二酸化炭素を40℃・7MPaで吸収し40℃・各圧力で放出する場合の二酸化炭素回収量を示すグラフ。 二酸化炭素を40℃・各圧力で吸収し80℃・大気圧で放出する場合の二酸化炭素回収量を示すグラフ。 二酸化炭素を40℃・7MPaで吸収し80℃・各圧力で放出する場合の二酸化炭素回収量を示すグラフ。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液は、以下の二酸化炭素回収方法に用いる吸収液である。この二酸化炭素回収方法は、吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、その二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含む。また、吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を含有する。ここで、化学式1中、nは、1以上の整数を表す。具体的には、nとしては、1、2、3、4、5などが挙げられる。
より具体的には、化学式1で示されるアミン化合物としては、n=1である化学式2で示される、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミン、
n=2である化学式3で示される、N−メトキシブチル−メチルエタノールアミンなどが挙げられる。
中でも、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンが好ましい。二酸化炭素回収方法用吸収液が、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンを含むものであると、特に4MPaG以上の条件下での吸収液単位体積当たりの二酸化炭素回収量に優れる。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を単独で用いることができるが、更に溶媒を含有することができる。溶媒としては特に限定されないが、トルエン、キシレン、ベンゼンなどのベンゼン系溶媒、炭化水素系溶媒、などの非極性溶媒;ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGM)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(TRGM)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGM)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)などのエーテル系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール類、などの極性溶媒;水などが挙げられる。本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を単独で用いることが好ましいが、溶媒を含む場合は、水以外の溶媒が好ましく、エーテル系溶媒がより好ましく、TEGMが特に好ましい。これらの溶媒は、低揮発性の観点、得られる吸収液の低粘度性の観点で好ましい。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液の粘度は特に限定されないが、25℃で2700mPa・s未満であると好ましく、25℃で500mPa・s未満であるとより好ましい。酸性ガス化学吸収液の粘度がこの範囲にあると、二酸化炭素吸収性・放散性の点で好ましい。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液の水分含有量は特に限定されないが、10重量%未満であると好ましく、5重量%未満であるとより好ましく、1重量%未満であると更に好ましく、0.1重量%未満であると特に好ましい。二酸化炭素回収方法用吸収液の水分含有量が少ないと、高圧での二酸化炭素の吸収量が多く、また、常圧付近で二酸化炭素と吸収液が反応して炭酸塩を生成しない傾向にあり、さらに、二酸化炭素を放出し吸収液を再生する放出工程に要するエネルギーの観点で好ましい。
(二酸化炭素回収方法)
本発明に係る二酸化炭素回収方法は、吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、その二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含む。
吸収工程において、吸収液に接触させる二酸化炭素の相は特に限定されないが、気相あるいは超臨界相であると好ましい。また、吸収工程において、吸収液に接触させて吸収させる二酸化炭素の濃度は特に限定されない。例えば、二酸化炭素ガスを含む2成分又は3成分以上の混合ガス(例えば、窒素や酸素などの他の成分を含む高濃度ないし低濃度の二酸化炭素ガス。)が挙げられる。二酸化炭素の吸収効率の観点では、二酸化炭素の濃度が高いほど好ましい。本発明における吸収液への二酸化炭素の吸収は、従来の単純な化学吸収又は物理吸収とは異なり、物理吸収の特性に近く、弱い化学吸収と考えられる。
吸収工程において、吸収液に二酸化炭素を接触させる方法は特に限定されないが、吸収液中に二酸化炭素ガスをバブリングさせる方法、二酸化炭素ガスに吸収液をスプレーする方法、吸収液を含浸又はゲル化させた材料と二酸化炭素ガスを接触させる方法などが挙げられる。
吸収工程における圧力は特に限定されないが、大気圧(0.1MPa(0MPaG))より高いと好ましく、4MPaG以上10MPaG以下であるとより好ましい。吸収工程における圧力が前記の範囲にあると、吸収液の二酸化炭素吸収特性が優れる。
吸収工程における温度は特に限定されないが、10℃以上60℃以下であると好ましく、50℃以下であるとより好ましく、45℃以下であると特に好ましい。吸収工程における温度が前記の範囲にあると、吸収液の二酸化炭素吸収特性が優れる。
吸収工程において、例えば、接触させて吸収させる二酸化炭素が混合ガスである場合には、二酸化炭素を吸収した吸収液の相と、二酸化炭素の濃度が減少したガス相とを分離する分離工程を行い、その後、酸化炭素を吸収した吸収液について放出工程を行うことができる。
放出工程において、二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、富吸収液と呼ぶことがある。)から二酸化炭素を放出させる方法は特に限定されない。例えば、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱又は/及び減圧することで二酸化炭素を放出させることができる、富吸収液は、二酸化炭素を放出することにより、二酸化炭素を吸収可能な吸収液に再生される。
放出工程の圧力条件は特に限定されないが、吸収工程の圧力をP1とし、放出工程の圧力をP2としたときに、下記条件式(1)
P1>P2 ・・・(1)
を満たすと好ましい。即ち、放出工程の圧力が吸収工程の圧力より小さいと好ましい。具体的には、P2とP1との差が3MPa以上であると好ましく、4MPa以上であるとより好ましく、5MPa以上であると更に好ましく、6MPa以上であると特に好ましく、6.9MPa以上であると最も好ましい。例えば、温度条件を40℃とし、放出工程の圧力P2を大気圧として、吸収工程の圧力P1を4MPa以上とすると好ましく、5MPaであるとより好ましく、6MPaであると更に好ましく、7MPaであると特に好ましい。また、例えば、温度条件を40℃とし、吸収工程の圧力P1を7MPaとし、放出工程の圧力P2を1MPa以上4MPa以下とすると好ましく、3MPaであるとより好ましく、2MPaであると更に好ましく、1MPaであると特に好ましい。
さらに、放出工程における温度は特に限定されないが、吸収工程の温度をT1とし、放出工程の温度をT2としたときに、下記条件式(2)
T1<T2 ・・・(2)
を満たすと好ましい。即ち、放出工程の温度が吸収工程の温度より高いと好ましい。例えば、T2とT1との差が40℃以上であると好ましい。より具体的には、吸収工程の温度T1を40℃とし、放出工程の温度T2を80℃とすると好ましい。
放出工程に用いる装置は、吸収した二酸化炭素が放出され、吸収液が再生されるものであれば、特に限定されない。
本発明の二酸化炭素回収方法用吸収液及び二酸化炭素回収方法によれば、吸収液単位体積当たりの二酸化炭素回収量を、従来の二酸化炭素回収方法よりも増やすことができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。測定は、以下の測定方法を用いた。圧力は、特に断りのない限り絶対圧である。
(1)二酸化炭素吸収量(常圧)
図1に示す、二酸化炭素吸収試験装置を用いて常圧で測定を行う。二酸化炭素吸収試験装置は、ガラス製の反応容器112に窒素又は二酸化炭素を導入するための、窒素又は二酸化炭素のボンベ101、減圧弁102、流量計103、バルブ104、コイル状の熱交換器105、及びバルブ106、並びに、熱媒107を入れる恒温槽108、その恒温槽108内の熱媒107の温度を測定する白金測温体109を接続した抵抗表示器110、恒温槽108内の熱媒107の温度を一定に調節する冷却水循環装置111、反応容器112内に入れた回転子113を回転させるマグネチックスターラー114を備える。
反応容器112には、栓115、ガス導入管116、放出管117を取り付けることができる。バルブ106は、反応容器112に取り付けられたガス導入管116と接続できる。熱交換器105及び反応容器112は、恒温槽108の熱媒107に浸され、冷却水循環装置111で一定の温度に保たれる。反応容器112内には、回転子113が入れてあり、マグネチックスターラー114によって、反応容器112内の酸性ガス吸収液を撹拌できる。
以下に、この二酸化炭素吸収試験装置を用いた、二酸化炭素吸収量測定フローを記載する。
1)窒素雰囲気下で、所定量(約10cc)の酸性ガス吸収液をガラス製の反応容器112に取り分け、反応容器112の口を栓115で封じる。反応容器全体の質量を分析天秤で計測し、これから風袋(反応容器112、回転子113及び栓115)の質量を差し引き、酸性ガス吸収液の質量Wを得る。
2)反応容器112にガス導入管116及び放出管117を取り付け、再度、質量を計測して反応容器全体の質量Wを得る。
3)反応容器112を恒温槽108に設置する。ガス導入管116をバルブ106に接続する。
4)恒温槽108の温度を40℃に保ち、窒素のみを反応容器112に流通させ、容器内を窒素で置換する。一定時間(例えば60分)毎に反応容器全体の質量を分析天秤で測定する。測定毎の質量変化が0.001g以下になった際の、反応容器全体の質量をWとする。
5)続いて、二酸化炭素を反応容器112に流通させ、酸性ガス吸収液に二酸化炭素を吸収させる。一定時間(例えば60分)毎に反応容器全体の質量を分析天秤で測定する。測定毎の質量変化が0.001g以下になった際の、反応容器全体の質量をWとする。
6)酸性ガス吸収液に吸収された二酸化炭素の質量WCO2を下記式に基づき求める。
CO2=W−W
また、酸性ガス吸収液中のアミン化合物1モルあたりの二酸化炭素吸収量αCO2を下記式に基づき決定する。
αCO2=(WCO2/MCO2)/(W/M
ここで上記式中、MCO2は二酸化炭素の分子量であり、Mはアミン化合物の分子量である。
7)恒温槽108の温度を適宜変更し、前記5)〜6)の操作と解析を行い、各温度における二酸化炭素吸収量を決定する。その後、40℃で吸収された二酸化炭素の質量を再度計測し、再現性を確認する。
(2)二酸化炭素吸収量(高圧)
図2と3に示す試験装置を用いて、高圧条件下で二酸化炭素の吸収量を測定した。
(体積膨張率の測定)
図2の体積膨張率測定装置は、真空ポンプ201、カセトメーター202、撹拌子203、サファイアチューブセル204、永久磁石205、恒温槽206、バルブ208、バルブ209、バルブ210、サーミスター211、圧力計212、冷却水循環装置213、二酸化炭素ボンベ214を備える。207は液相高さを示す。
以下、具体的な操作を説明する。
1)十分に露点が低いグローブボックス内で、サファイアチューブセル204に、事前に十分に乾燥した吸収液を所定量(約0.6cc)仕込み、サファイアチューブセル204のバルブ208を閉じる。仕込み量(w)を電子天秤で測定する。
2)サファイアチューブセル204を、バルブ208を介してガス導入ラインに接続し、恒温槽206内部に設置し、バルブ208を閉じたまま、バルブ209とバルブ210を開け、真空ポンプ201でガス導入ライン内を十分に脱気する。その後、バルブ210を閉じ、バルブ209を開けてガス導入ラインに0.1MPa程度の二酸化炭素を導入し、バルブ209を閉じる。その後、バルブ208を開けてセル内部に二酸化炭素を導入し、吸収液を撹拌子203で1分撹拌した後、バルブ210を開けて0.05MPa程度まで減圧する。最後に、バルブ208を閉じ、ガス導入ラインを再び脱気した後、バルブ210を閉じる。以上の作業を5回繰り返す。
3)バルブ209を開けて、ガス導入ラインに0.1MPa程度の二酸化炭素を導入する。その後、バルブ209を閉じ、バルブ208を開けて、サファイアチューブセル204内に二酸化炭素を導入する。
4)サファイアチューブセル204外部の永久磁石205をモーター(図2に示していない)で上下に動かし、サファイアチューブセル204内部の撹拌子203を上下振動させ、吸収液相を撹拌する。この際、撹拌子203が液面から出ないよう、永久磁石205の位置を調整する。その後、恒温槽206の温度を40℃に保ち、撹拌を継続しつつ、サファイアチューブセル204内の圧力を圧力計212にて測定する。気液平衡状態に到達したことは、圧力変化が1時間あたり0.0001MPa以下になったことで判断する。
5)気液平衡状態に到達した後、カセトメーター202による目視で吸収液相の高さ(H)207を計測する。吸収液相の高さ(H)と吸収液相の体積(V)には直線関係があり、実験前に作成した検量線と吸収液相の高さ(H)から吸収液相の体積(V(p,T))を算出できる。この操作を、1時間ごとに、合計3回以上行い、その平均を用いて体積膨張率(ΔV)を求める。体積膨張率(ΔV)は以下の式で定義される。
ΔV=(V(p,T)−V(p,T))/V(p,T)
上記式中、V(p,T)は平衡圧力p、測定温度Tにおける吸収液相の体積、V(p,T)は大気圧(0.1MPa(二酸化炭素が存在しない))、測定温度Tにおける吸収液相の体積である。V(p,T)はAnton Paar製密度計DMA5000Mから得た密度を用いる。
6)系内の圧力および恒温槽206の温度を適宜変更し、4)と5)の操作を繰り返し、各圧力及び温度における体積膨張率を決定する。
(二酸化炭素吸収量の測定)
図3のガス吸収量測定装置は、真空ポンプ301、真空計302、高圧セル部303、ガスチャンバー部304、恒温槽305、バルブ306、バルブ307、バルブ308、バルブ309、バルブ310、サーミスター311、圧力計312、冷却水循環装置313、二酸化炭素ボンベ314を備える。高圧セル部303は、高圧セル315、スターラー316を備える。
以下、具体的な操作を説明する。
7)十分に露点が低いグローブボックス内で、高圧セル315に、事前に十分に乾燥した吸収液を所定量(約10cc)仕込み、高圧セル315を閉じ、さらにバルブ306を閉じ、電子天秤で吸収液の仕込み量を測定する。高圧セル315を、バルブ306で装置に接続し、バルブ306、307、308、309、310を開け、真空ポンプ301で系内を脱気する。系内の圧力は圧力計312と真空計302で計測し、圧力計の表示が0.0000MPa、真空計の指示が2Pa以下に到達した後、さらに6時間以上脱気操作を続ける。その後、バルブ308と310を閉じ、12時間以上放置し、圧力計の表示値の変化が0.0001MPa/12h以下であることを確認する。
8)バルブ306と309を閉じ、バルブ308を開けて二酸化炭素を6.0MPa程度導入する。続いて、バルブ308を閉じ、恒温槽305の温度を40℃に保ち、圧力を圧力計312で計測する。また、高圧セル315内部を、撹拌子(図3に示していない)を回転させ、撹拌する。撹拌子の回転にはスターラー316を使用し、以降、撹拌は測定終了まで継続する。
9)圧力変化が1時間あたり0.0001MPa以下になった際、ガスチャンバー部304が熱平衡に到達したと見なし、圧力を圧力計312で測定する。その後、温度と圧力から二酸化炭素のモル体積(v)を決定し、これとガスチャンバー部304の容積から二酸化炭素の物質量(n)を求める。本測定では、モル体積は、NIST REFPROP Ver.9.0を利用して求める。この操作を、1時間ごとに、合計3回以上繰り返し、その平均値を物質量(n)として採用する。
10)バルブ309、バルブ306の順に開け、二酸化炭素を吸収液に吸収させる。圧力変化が1時間あたり0.0001MPa以下になった際、気液平衡状態に到達したと見なし、圧力を圧力計312で測定する。温度と圧力から二酸化炭素のモル体積(v)を決定し、下式を用いて、吸収液に吸収された二酸化炭素の物質量(n)を決定する。
=n−[V−V(T)×(1+ΔV(T,p))]/v(T,p)
上記式中、nはガスチャンバーに導入された二酸化炭素の物質量を、v(T,p)は二酸化炭素のモル体積を、ΔV(T,p)は吸収液の体積膨張率を意味する。また、Vはガスチャンバー部304(容積:V)と高圧セル部303(容積:V)の容積の合計であり、nは下式から求める。
=V/v(T,p)
上記式中、v(T,p)は平衡圧力p、測定温度Tにおける二酸化炭素のモル体積である。なお、モル体積はガスの種類、温度、圧力のみで決定される。V(T)は二酸化炭素を吸収する前の吸収液の体積であり、以下の式で求められる。
(T)=wρ(T)
上記式中、wは吸収液の仕込み量であり、上記操作7)で決定する。ρ(T)は吸収液の密度、Tは測定温度である。ΔV(T,p)は吸収液の体積膨張率であり、体積膨張率の測定結果から決定する。この操作を、1時間ごとに、合計3回以上繰り返し、その平均値を吸収液に吸収された二酸化炭素の物質量(n)として採用する。
11)系内の圧力および恒温槽の温度を適宜変更し、8)から10)の操作を繰り返し、各圧力及び温度における、吸収液に吸収された二酸化炭素の物質量を決定する。
12)吸収液中の二酸化炭素のモル分率(xCO2)は下記式から決定する。
CO2=n/(n+n
はアミン化合物の物質量であり、吸収液の仕込み量wを、吸収液に含まれるアミン化合物の分子量Mで除することで得られる。
(実施例1)
アミン化合物として、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンを用い、吸収液E1とした。吸収液E1について、温度40℃と温度80℃で、常圧から圧力8MPa程度まで約1MPaの間隔で二酸化炭素吸収量を測定した。得られた測定値から近似曲線を算出し、表1の各圧力(絶対圧力)における二酸化炭素吸収量を計算した(以下の比較例も同様である。)。結果を表1、図4及び図5に示す。なお、表中、下線の数値は外挿した値である(以下の比較例も同様である。)。図4と図5は、吸収液E1の40℃と80℃における二酸化炭素吸収量の圧力依存性を示すグラフである。後述する比較例1に比べると、40℃では4MPaを越える圧力で二酸化炭素吸収量が大きく、80℃では8MPa未満で二酸化炭素吸収量が小さい。また、二酸化炭素吸収液E1の二酸化炭素の吸脱着反応は可逆反応であったため、この結果に基づいて、40℃で特定の圧力で吸収し40℃で特定の圧力で放出した場合と、40℃で特定の圧力で吸収し80℃で特定の圧力で放出した場合の二酸化炭素回収量を計算した。結果を表1及び図6〜図9に示す。
40℃で4MPaを越える各圧力下、二酸化炭素を吸収して、40℃乃至80℃で大気圧で二酸化炭素を放出(回収)する場合、吸収液単位体積当たりの二酸化炭素回収量が比較例1に比べると非常に優れており、二酸化炭素を吸収する際の圧力が高いほど回収量が多くなる傾向にある(図6、図8)。また、40℃乃至80℃で7MPaの圧力下で二酸化炭素を吸収し40℃・各圧力で二酸化炭素を放出(回収)する場合も吸収液単位体積当たりの二酸化炭素回収量が比較例1に比べると非常に優れており、二酸化炭素を放出する際の圧力が低いほど回収量が多くなる傾向にある(図7、図9)。
(比較例1)
アミン化合物として、2−(ジメチルアミノ)エタノール(DMEA)を用い、吸収液R1とした。実施例1と同様に、吸収液R1の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表2、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表2及び図6〜図9に示す。
(比較例2)
アミン化合物として、N−メチルジエタノールアミン(MDEA)を用い、吸収液R2とした。実施例1と同様に、吸収液R2の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表3、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて、実施例1と同様に各条件での二酸化炭素回収量を計算した。結果を表3及び図6〜図9に示す。
(比較例3)
アミン化合物として、N−エチルジエタノールアミン(EDEA)を用い、吸収液R3とした。実施例1と同様に、吸収液R3の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表4、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表4及び図6〜図9に示す。
(比較例4)
アミン化合物として、N−メトキシエチル−ジエタノールアミンを用い、吸収液R4とした。実施例1と同様に、吸収液R4の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表5、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表5及び図6〜図9に示す。
(比較例5)
アミン化合物として、N−メトキシエトキシエチル−ジエタノールアミンを用い、吸収液R5とした。実施例1と同様に、吸収液R5の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表6、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表6及び図6〜図9に示す。
(比較例6)
アミン化合物として、N−メトキシエトキシエトキシエチル−ジエタノールアミンを用い、吸収液R6とした。実施例1と同様に、吸収液R6の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表7に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表7及び図6〜図9に示す。
(比較例7)
アミン化合物として、N−メトキシエトキシエチル−メチルエタノールアミンを用い、吸収液Rとした。実施例1と同様に、吸収液R7の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表8、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表8及び図6〜図9に示す。
(比較例8)
アミン化合物として、N−メトキシエトキシエトキシエチル−メチルエタノールアミンを用い、吸収液R8とした。実施例1と同様に、吸収液R8の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表9、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表9及び図6〜図9に示す。
(比較例9)
アミン化合物として、2−(エチルアミノ)エタノール(別名:N−エチルエタノールアミン)(EEA)を用い、吸収液R9とした。実施例1と同様に、吸収液R9の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表10に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表10に示す。
(比較例10)
アミン化合物として、2−(ブチルアミノ)エタノール(別名:N−ブチル−エタノールアミン)(BEA)を用い、吸収液R10とした。実施例1と同様に、吸収液R10の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表11に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表11に示す。
(比較例11)
アミン化合物として、トリエタノールアミン(TEA)を用い、吸収液R11とした。吸収液R11の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表12に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表12に示す。
(比較例12)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGM)を吸収液R12とした。実施例1と同様に、吸収液R12の二酸化炭素吸収量を測定した。結果を表13、図4及び図5に示す。また、この結果に基づいて二酸化炭素回収量を計算した。結果を表13及び図6〜図9に示す。
本発明の吸収液は、室温近傍における二酸化炭素吸収量に優れ、100℃以下の低温で、吸収した大部分の酸性ガスを放散し、回収できるアミン化合物を含む。また、この吸収液を利用した二酸化炭素回収方法は、二酸化炭素を選択的に分離するプロセスの、二酸化炭素除去効率を向上させ、さらに、プロセス全体の消費エネルギーを低減可能であり、従来技術の課題を解決できる。そのため、本発明は、例えば、化学工場や製鉄所などの排気ガス中に含まれる酸性ガスの分離、脱炭酸によるエネルギー資源(天然ガス、バイオガス、合成ガス)の製造、自動車等の分散型排出源における脱硝、生活環境の維持(二酸化炭素濃度の管理)等、産業部門から民生部門まで利用できるが、これら例示された分野に限定されない。
101 窒素又は二酸化炭素のボンベ
102 減圧弁
103 流量計
104 バルブ
105 熱交換器
106 バルブ
107 熱媒
108 恒温槽
109 白金測温体
110 抵抗表示器
111 冷却水循環装置
112 反応容器
113 回転子
114 マグネチックスターラー
115 栓
116 ガス導入管
117 放出管
201 真空ポンプ
202 カセトメーター
203 撹拌子
204 サファイアチューブセル
205 永久磁石
206 恒温槽
207 液相高さ
208、209、210 バルブ
211 サーミスター
212 圧力計
213 冷却水循環装置
214 二酸化炭素ボンベ
301 真空ポンプ
302 真空計
303 高圧セル部
304 ガスチャンバー部
305 恒温槽
306、307、308、309、310 バルブ
311 サーミスター
312 圧力計
313 冷却水循環装置
314 二酸化炭素ボンベ
315 高圧セル
316 スターラー

Claims (12)

  1. 二酸化炭素回収方法用の吸収液であって、
    前記二酸化炭素回収方法は、前記吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、前記の二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含み、
    前記吸収液は、化学式1で示されるアミン化合物を含有する、二酸化炭素回収方法用吸収液。
    (化学式1中、nは、1以上の整数を表す。)
  2. 前記アミン化合物は、化学式2で示される、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンである、請求項1に記載の二酸化炭素回収方法用吸収液。
  3. 前記吸収工程の圧力がP1であり、前記放出工程の圧力がP2であり、前記P1及びP2は、下記条件式(1)
    P1>P2 ・・・(1)
    を満たす、請求項1又は2に記載の二酸化炭素回収方法用吸収液。
  4. 前記P1は、4MPaG以上10MPaG以下である、請求項3に記載の二酸化炭素回収方法用吸収液。
  5. 前記吸収工程の温度がT1であり、前記放出工程の温度がT2であり、前記T1及びT2は、下記条件式(2)
    T1<T2 ・・・(2)
    を満たす、請求項1から4のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収方法用吸収液。
  6. 前記T1は、10℃以上60℃以下である、請求項5に記載の二酸化炭素回収方法用吸収液。
  7. 化学式1で示されるアミン化合物を含有する、吸収液に二酸化炭素を接触させて吸収させる吸収工程と、
    前記の二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させる放出工程とを含む、二酸化炭素回収方法。
    (化学式1中、nは、1以上の整数を表す。)
  8. 前記アミン化合物は、化学式2で示される、N−メトキシエチル−メチルエタノールアミンである、請求項7に記載の二酸化炭素回収方法。
  9. 前記吸収工程の圧力がP1であり、前記放出工程の圧力がP2であり、前記P1及びP2は、下記条件式(1)
    P1>P2 ・・・(1)
    を満たす、請求項7又は8に記載の二酸化炭素回収方法。
  10. 前記P1は、4MPaG以上10MPaG以下である、請求項9に記載の二酸化炭素回収方法。
  11. 前記吸収工程の温度がT1であり、前記放出工程の温度がT2であり、前記T1及びT2は、下記条件式(2)
    T1<T2 ・・・(2)
    を満たす、請求項7から10のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収方法。
  12. 前記T1は、10℃以上60℃以下である、請求項11に記載の二酸化炭素回収方法。
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