JP2019180704A - 腰掛可能なステッキ - Google Patents

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Abstract

【課題】補助脚が不要で、外観的にすっきりとした腰掛可能なステッキを提供する。【解決手段】上方に取手30を、下方にステッキ部10を有し、ステッキ部の上方の取手は、上下左右方向に広がる平面31を含むステッキである。ステッキ部の上端のキャップ部12と、キャップ部の前後に、ステッキ部下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座14F及び後方台座14Bと、キャップ部の前後に取り付けられて、それぞれ前方及び後方台座20Bの上方で開閉可能な前方座面20F及び後方座面20Bを含み、前方及び後方座面が閉状態で、それぞれの上面同士が固着されて取手を形成し、開状態で、下面をそれぞれ前方及び後方台座に支持されて、上面がステッキ部下方に対して凸状となる前後一対の座面を形成し、使用者が前方台座と後方台座とを股から前後に突出させて跨ることができる腰掛可能なステッキ。【選択図】図7

Description

本発明は、椅子としても使用しうるステッキに関するものである。
従来から、座面を支柱に取り付けて、椅子や腰掛けとして利用できるようにした杖やステッキは種々考案されている。従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、椅子として機能させる場合、ステッキの支柱に装着された複数の補助脚を開脚等して安定性を得るものが多く、また座面の取り付け位置については支柱の途中への設置が多くみられる。
例えば特許文献1に係るステッキは、開脚可能な複数の脚を軸支した第1の支柱と、この複数の脚を結束するために当該脚の先端に着脱自在に取り付けられた弾性部材と、第1の支柱に折曲自在に取り付けられた第2の支柱と、この第2の支柱の側面に取り付けられた腰掛部と、第2の支柱の先端部に取り付けられたグリップとを設けたものである。全体が1本の支柱で構成されているが、その支柱の筒体内に収まる範囲内に複数の脚を装着し、腰掛け部が杖の途中に取りつけられ、腰掛使用時には脚基部を中心に脚が放射状に開いて、グリップ部を取り付けた支柱上部が腰掛け部で折れ曲がる構成である。しかし、杖として使用する際に、座面が取手のすぐ下に位置していて杖としての美観が著しく損なわれる感がある。
また、特許文献2に係る椅子になる杖は、外筒および内筒から成る筒体の上端にグリップ孔を有し、取手兼座面となるべき折りたたみ式の板状体を装着し、内筒下端部に挿入した折りたたみ式椅子脚を外筒で覆い、外筒と内筒のスライドにより杖の全長を伸縮させる機能を有する。そして、杖使用時には取手兼座面中央部を支点に二つ折りにして垂直に固定し、椅子使用時には取手を開いて水平座面となし、内筒下端部に設けた椅子脚を放射状に開き付随する補強用支えを外筒と連結して筒体を垂直に保持する。
上記特許文献1に係るステッキは、支柱部分が多脚を備えているため通常の杖と比べて重く、また上述のように美観的にも杖としては使いづらいものである。また、特許文献2に係る椅子になる杖は、座面が支柱の上端に取り付けており、外観的には通常の杖に近いものであるが、補助足を杖先に収納するため、これも重量感は否めない。
以上のような、特許文献1や特許文献2を含む従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、いずれも座面を水平に設定して、これに両尻を載せて休息することを前提とした設計であった。すなわち、従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、座面を腰掛時に地面と水平に保持する必要があり、いずれの座面も平板であるという特徴があった。そのため、腰かけた使用者が後頭部から落ちないように、椅子として用いるステッキ自身が安定して立脚しなければならないために多数の脚でバランスを確保する必要があり、重量と美観の点でデメリットがあった。
実開平5−82312号公報 特開2017−35416号公報
本発明は、ステッキ上方に取手兼座面を備えた1本の棒体とし、跨って足を休めるため補助脚が不要で、外観的にすっきりとした腰掛可能なステッキを提供する。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、上方に取手を、下方にステッキ部を有し、該ステッキ部の上方に取り付けられた該取手は、該ステッキ部と平行に上下左右方向に広がる平面を含み、該取手が含む該平面に垂直な方向を前後方向とするステッキであって、
前記ステッキ部の上端に固定されたキャップ部と、前記キャップ部の前後に、ステッキ部下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座及び後方台座から成る一対の台座と、共に上面と下面を有し、前記キャップ部の前後に取り付けられて、それぞれ前記前方台座及び前記後方台座の上方で開閉可能な前方座面及び後方座面と、を含み、
前記前方座面及び前記後方座面が、閉状態で、それぞれの前記上面同士が固着されて前記取手を形成し、開状態で、共に前記下面をそれぞれ前記前方台座及び前記後方台座に支持されて、上面が前記ステッキ部下方に対して凸状となる前後一対の座面を形成し、使用者が前記前方座面と前記後方座面とを股から前後方向に突出させて跨ることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記前方座面及び前記後方座面は、共に、短辺と長辺と2つの斜辺から成る台形状の板状体であり、該前方座面及び該後方座面の該短辺同士を前記キャップ部側で対向させて、前後一対の前記座面を形成するのが好適である。。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方座面及び前記後方座面は、前記キャップ部の前後に蝶番により取り付けられてよい。あるいは、前記前方座面及び前記後方座面は、前記前方台座及び前記後方台座の上面にそれぞれ蝶番により取り付けられてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記取手は、該取手が含む前記平面に垂直な前後方向に貫通するグリップ穴を有する。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、上方固着面と下方引掛け面とを有し、前記一対の台座の少なくともいずれか一方の台座の前記下面に該上方固着面を当接させて固着し、該下方引掛け面を前記ステッキ部下方に対して直角以下となるように配置した引掛け具を備えてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記ステッキ部は外筒と内筒を有し、該外筒と該内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を伸縮可能とし得る。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方台座と前記後方台座のそれぞれ上面に雌雄の面ファスナーが設けられ、前記台座が、閉状態で該前方台座と該後方台座とが固着され得る。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方台座と前記後方台座にN極とS極の磁石が備えられ、前記台座が、閉状態で該前方台座と該後方台座とが固着されてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキの腰掛け方法は、前記前方座面と前記後方座面とが上面同士で固着された閉状態で取手を形成した、前記記載の腰掛可能なステッキを準備するステップと、
前記前方座面と前記後方座面とを開いて、それぞれの下面を前記前方台座と前記後方台座に支持させて開状態とし、台座を形成するステップと、
前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
前記前方座面と前記後方座面とを、それぞれ前後に突出させて、前記座面に跨るステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキの使用方法は、前記前方座面と前記後方座面のそれぞれの下面が前記前方台座と前記後方台座に支持された開状態で座面を形成した、上記腰掛可能なステッキを準備するステップと、
前記前方座面と前記後方座面の上面同士を固着させた閉状態で取手を形成するステップと、
前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前方座面及び後方座面の閉状態で、杖として使用することができる。前方座面と後方座面とは、雌雄の面ファスナー等により固着されて取手として機能するが、この取手には前後方向に貫通するグリップ穴が設けられており、本発明の腰掛可能なステッキの使用者が指を通して握って使用することができる。
また、本発明に係る腰掛可能なステッキは、前方座面及び後方座面の開状態で、椅子として使用することができる。前方座面及び後方座面は、この開状態で下方に向かって凸型に開き、下方に固定された台座に支持されるので、本発明の腰掛可能なステッキの使用者は、前方座面と後方座面とを股からそれぞれ前後方向に突出させて座面に跨り、足を休めて休息をとることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、従来の椅子兼用の杖と異なり座面に跨って用いるため、ステッキ部に加えて両足を使って、全体として3脚でバランスをとることができるので、公知例のように安定性を保持するための補助脚を必要としない。そのため、ステッキ部は補助脚を収容する必要がなく、ステッキ部として通常の杖と同様の棒体を用いることができ、美観的にも重量的にも優れた効果を奏することができる。更に、前方座面及び後方座面が開状態で形成する座面は、上記のように下方に向かって凸型、即ち上方に向かって凹状となるため、前方座面及び後方座面を前後に突出させて座面に跨る使用者が安定して跨ることができる。
以上のように、本発明に係る腰掛可能なステッキは、外観上はすっきりとした杖の形状を保ち歩行を補助するステッキとして機能するが、取手を構成する前方座面と後方座面とを開いて腰掛け座面を容易に得ることができる。したがって、遊園地や万博、あるいはバス停や飲食店などで行列に並ぶ際などに手軽に座面を形成して、これに跨って小休息することができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを閉状態として、杖として使用する場合の正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として、椅子として使用する場合の正面図。 実施例に係る本発明の腰掛可能なステッキにおいて、前方座面と後方座面とを、(a)閉状態として杖として使用する場合の部分拡大正面図、 (b)開状態として椅子として使用する場合の部分拡大正面図。 他の実施例に係る本発明の腰掛可能なステッキにおいて、前方座面と後方座面とを、(a)閉状態として杖として使用する場合の部分拡大正面図、 (b)開状態として椅子として使用する場合の部分拡大正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの平面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの側面図。 実施例に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを閉状態として、杖として使用する場合の正面図。 実施例に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として、椅子として使用する場合の正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として座面を形成し、使用者がこれに跨って使用する場合の正面模式図(左)及び側面模式図(右)。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る腰掛可能なステッキの実施形態及び実施例、その使用方法について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
[腰掛可能なステッキ]
(実施形態)
図1は、杖として使用する場合の本発明に係る腰掛可能なステッキ1の正面図を表す。図1に示すように、本発明の腰掛可能なステッキ1は、上方に取手30を、下方にステッキ部10を有し、ステッキ部10の上方に取り付けられた取手30は、ステッキ部10と平行に上下左右方向に広がる平面31を含む。取手30は、この取手30が含む平面31に垂直な方向を前後方向として(図1参照)、ステッキ1の側面図である図6に示すように、この前後方向に貫通するグリップ穴32を有する。
なお、図1、図2において、上下および左右前後を便宜的に定義するが、本実施形態の腰掛可能なステッキ1は、原則的に前後及び左右に関しては対称であり、前と後及び右と左を同時に入れ替えてもステッキ1の形状は不変である。
さらに図1を参照して、本発明の腰掛可能なステッキ1は、ステッキ部10の上端に固定されたキャップ部12と、キャップ部12の前後にステッキ部10下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座14F及び後方台座14Bから成る一対の台座14とを含む。すなわち、一対の台座14は、ステッキ部10の上方に向かって180度未満の角度を成して凹型となっている(ステッキ部10の下方に向かって凸型)。この一対の台座14を構成する前方台座14F及び後方台座14Bの成す角度は、ステッキ部10の上方において120度以上180度未満が好適であるが、特に限定はされない。
次に、椅子として使用する場合のステッキ1の正面図である図2を用いて説明する。図2に示すように、本発明の腰掛可能なステッキ1は、前方台座14F及び後方台座14Bの上方に、それぞれ蝶番16等によりキャップ部12の前後に取り付けられた前方座面20F及び後方座面20Bを有している。前方座面20Fと後方座面20Bとは座面20を形成し、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者は、前方座面20Fと後方座面20Bとを股からそれぞれ前後方向に突出させて座面20に跨り、ステッキ1を椅子として使用することができる。
前方座面20F及び後方座面20Bは、それぞれ上面と下面を有し、開閉可能である。上記した図1に示す取手30は、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で構成され、前方座面20F及び後方座面20Bは開状態で、図2のような座面20を構成する。
すなわち、本発明の腰掛可能なステッキ1において、前方座面20F及び後方座面20Bは、閉状態で、それぞれの上面同士が雌雄の面ファスナー24などで相互に固着されて、図3(a)のように取手30を形成する。また、前方座面20F及び後方座面20Bは、開状態で、図3(b)のように、ステッキ部10の下方に対して直角より大きい角度でキャップ部12の前後方向に開いて、共に下面をそれぞれ前方台座14Fと後方台座14Bに支持されて、上面がステッキ部10の上方に対して凹状(下方に対して凸状)となる前後一対の座面20を形成する。
図5は、開状態における前方座面20F及び後方座面20Bをステッキ部10の上方から見た平面図を表す。上述のように、使用者は前方座面20Fと後方座面20Bとをそれぞれ股から前後方向に突出させて使用できるが、このように座面20に跨る場合、使用者は、上方に対して凹状に開いた前方台座14F及び後方台座14B間の谷間に位置するキャップ部12上付近に、使用者の尻を位置させるのが好適である。この際、使用者の両足は、自ずとキャップ部12の左右方向に配置されるため、前方座面20F及び後方座面20Bは図5のように台形状の板状体であることが好ましい。短辺と長辺と2つの斜辺から成る台形状の前方座面20F及び後方座面20Bの短辺同士をキャップ部12側で対向させれば、使用者がキャップ部12上付近に尻を位置させたときに両足をスムーズにキャップ部12の左右に伸ばして座面20に跨ることができ、前後方向の両足の収まりが良くなり好適である。
図3(a)、図3(b)に示すように、本実施形態において、前方座面20F及び後方座面20Bは、前後の蝶番16によりキャップ部12に固定される。一片と他片とが開閉自在に結合された蝶番16は、その一片がそれぞれ前方座面20F及び後方座面20Bの下面に取り付けられ、他片がそれぞれキャップ部12の前後に直接螺子などで固定される。そして、前方台座14F及び後方台座14Bは、キャップ部12の前後に直接固定された前後の蝶番16の上から、螺子等を蝶番16に貫通させるなどしてキャップ部12の前後に固定される。
本発明の腰掛可能なステッキ1において、その構成要素であるステッキ部10、キャップ部12、台座14、取手30(座面20)等の材料は特に限定されない。座面20(取手30)やステッキ部10などを木製とすれば椅子や杖としての風情を出すことができるなどのメリットがあり、台座14は座面20を支持するため金属製とするのが好適であるが、これに限定されるわけではない。また、キャップ部12の材料も任意で良いが、蝶番16や台座14を螺子などで固定するのであれば、これが貫通するように、少なくともキャップ部12の前後は木製やプラスチック製とするのが好ましい。
以上説明した本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で、図1のように杖として使用することができる。前方座面20Fと後方座面20Bとは、その上面に設けた雌雄の面ファスナー24により固着され、取手30として機能する。取手30には、図6のように、前後方向に貫通するグリップ穴32が設けられており、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者が指を通して取手30を握ることができる。
また、本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、前方座面20F及び後方座面20Bの開状態で、図2のように椅子として使用することができる。すなわち、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者は、前方座面20Fと後方座面20Bとを股からそれぞれ前後方向に突出させて図9のように座面20に跨り、足を休めて休息をとることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、従来の椅子兼用の杖と異なり、座面20に跨って用いるため、ステッキ部10に加えて両足を使ってバランスをとることができるので、安定性を保持するための補助脚を必要としない。そのため、ステッキ部10は補助脚を収容する必要がなく、本発明の腰掛可能なステッキ1は、ステッキ部10として通常の杖と同様の棒体を用いることができ、美観的にも重量的にも優れた効果を奏することができる。
上記実施形態において、前方台座14F及び後方台座14Bは、キャップ部12の前後に直接固定された前後の蝶番16の上からキャップ部12の前後に固定された(図3(a)、図3(b)参照)。しかし、前方座面20F及び後方座面20Bのキャップ部12への取付け手段は蝶番16に限られず、他の取付け手段を用いても構わない。また、前方台座14F及び後方台座14Bのキャップ部12への固定方法も、上記のように蝶番16の上から螺子等を貫通させる方法に限定されない。
前方座面20F及び後方座面20Bは、図4(a)、図4(b)に示す本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1のように、前方台座14F及び後方台座14Bの上面にそれぞれ蝶番16により取り付けてもよい。本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1では、螺子などを用いて、前方台座14F及び後方台座14Bが直接キャップ部12に固定される。そして、前方座面20F及び後方座面20Bは、前方台座14F及び後方台座14Bを介して間接的にキャップ部12に固定される。
このような本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1も、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で図4(a)のように取手30を形成し、開状態で図4(b)のようにステッキ部10の下方に対して前後に凸状に開いて、前後一対の座面20を形成することができる。
本実施例2に係る腰掛可能なステッキ1の構成は、基本的に上記実施形態及び実施例1と同様で、ステッキ部10、キャップ部12、台座14、取手30(座面20)等の構成要素が有機的に結合し、前方座面20F及び後方座面20Bを開閉させることにより、杖及び椅子として機能させることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、本実施例2に示すように、図7、図8のような引掛け具40を取り付けてもよい。引掛け具40は、図7に示すように、上方固着面42Uと下方引掛け面42Dとを有し、一対の台座14の少なくともいずれか一方の台座14の下面に上方固着面42Uを当接させて固着し、下方引掛け面42Dをステッキ部10下方に対して直角以下となるように配置するのが好適である。
図7を参照すると、引掛け具40は、前方台座14F及び後方台座14Bの下方に、それぞれ設けられている。前後それぞれの引掛け具40は、前方台座14F及び後方台座14Bのそれぞれの台座14の下面に上方固着面42Uが当接し、いずれも下方引掛け面42Dがステッキ部10に対して直角未満の角度を成すようにステッキ部10に固定されている。そのため、引掛け具40の下方引掛け面42Dを棚や横棒、手摺などの水平な物に引掛けて、場所を取らずにステッキ1を片付けることができる。
また、図7、図8において、後方の引掛け具40には貫通孔が設けられている。この貫通孔には、小型懐中電灯や鍵などを挿入して収納することができ、外出に必要な小物を携帯することができる。
本実施例3では、上記実施例2で用いた図7、図8を用いて、本発明に係る腰掛可能なステッキ1に付加し得る機能を更に説明する。
実施例3に係る腰掛可能なステッキ1では、ステッキ部10を外筒10outと内筒10inとで構成し、外筒10outと内筒10inのスライドによりステッキ部10の全長を伸縮可能とした。内筒10inを外筒10outへ挿入する程度により、ステッキ部10の全長を雄螺子などの固定具により何段階かに調節し、その長さを、座面20に跨る使用者に適合させることができる。
また、上記実施形態、実施例では、前方座面20F及び後方座面20Bのそれぞれ上面に雌雄の面ファスナー24を設け、前方座面20Fと後方座面20Bとを面ファスナー24により固着したが、前方座面20F及び後方座面20BにそれぞれN極とS極の磁石を備える構成としてもよい。例えば前方座面20Fに、その上面側にN極が向くように磁石を埋め込み、後方座面20Bにはその上面側にS極が向くように磁石を埋め込んで、前方座面20Fと後方座面20Bとを閉状態で磁力により固着させる構成としてもよい。

[腰掛可能なステッキの使用方法]
本発明に係る腰掛可能なステッキ1の腰掛け方法は、
(A1)前方座面20Fと後方座面20Bとが上面同士で固着された閉状態で取手30を形成した、腰掛可能なステッキ1を準備するステップと、
(A2)前方座面20Fと後方座面20Bとを開いて、それぞれの下面を前方台座14Fと後方台座14Bに支持させて開状態とし、座面20を形成するステップと、
(A3)ステッキ部10の外筒と内筒のスライドによりステッキ部10の全長を調節するステップと、
(A4)前方座面20Fと後方座面20Bとを、それぞれ前後に突出させて、台座14に跨るステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1の杖としての使用方法は、
(B1)前方座面20Fと後方座面20Bのそれぞれの下面が前方台座14Fと後方台座14Bに支持された開状態で座面20を形成した、腰掛可能なステッキ1を準備するステップと、
(B2)前方座面20Fと後方座面20Bの上面同士を固着させた閉状態で取手30を形成するステップと、
(B3)ステッキ部10の外筒と内筒のスライドによりステッキ部10の全長を調節するステップと、
を含む。
以上、本発明に係る腰掛可能なステッキについて説明したが、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではない。本発明に係るを構成する材料、材質、種類等は特に限定されず、その寸法、厚さも適宜変更可能である。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、通常は杖として利用できる他、遊園地や万博、あるいはバス停や飲食店などで行列に並ぶ際などに手軽に座面を形成して、これに跨って小休息する際に椅子として利用することができる。
1:本発明に係る腰掛可能なステッキ
10:ステッキ部
10out:外筒
10in:内筒
12:キャップ部
14:台座
14F:前方台座
14B:後方台座
16:蝶番
20:座面
20F:前方座面
20B:後方座面
22F:前方グリップ穴
22B:後方グリップ穴
24:雌雄の面ファスナー
30:取手
31:平面
32:グリップ穴
40:引掛け具
42U:上方固着面
42D:下方引掛け面



本発明は、椅子としても使用しうるステッキに関するものである。
従来から、座面を支柱に取り付けて、椅子や腰掛けとして利用できるようにした杖やステッキは種々考案されている。従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、椅子として機能させる場合、ステッキの支柱に装着された複数の補助脚を開脚等して安定性を得るものが多く、また座面の取り付け位置については支柱の途中への設置が多くみられる。
例えば特許文献1に係るステッキは、開脚可能な複数の脚を軸支した第1の支柱と、この複数の脚を結束するために当該脚の先端に着脱自在に取り付けられた弾性部材と、第1の支柱に折曲自在に取り付けられた第2の支柱と、この第2の支柱の側面に取り付けられた腰掛部と、第2の支柱の先端部に取り付けられたグリップとを設けたものである。全体が1本の支柱で構成されているが、その支柱の筒体内に収まる範囲内に複数の脚を装着し、腰掛け部が杖の途中に取りつけられ、腰掛使用時には脚基部を中心に脚が放射状に開いて、グリップ部を取り付けた支柱上部が腰掛け部で折れ曲がる構成である。しかし、杖として使用する際に、座面が取手のすぐ下に位置していて杖としての美観が著しく損なわれる感がある。
また、特許文献2に係る椅子になる杖は、外筒および内筒から成る筒体の上端にグリップ孔を有し、取手兼座面となるべき折りたたみ式の板状体を装着し、内筒下端部に挿入した折りたたみ式椅子脚を外筒で覆い、外筒と内筒のスライドにより杖の全長を伸縮させる機能を有する。そして、杖使用時には取手兼座面中央部を支点に二つ折りにして垂直に固定し、椅子使用時には取手を開いて水平座面となし、内筒下端部に設けた椅子脚を放射状に開き付随する補強用支えを外筒と連結して筒体を垂直に保持する。
上記特許文献1に係るステッキは、支柱部分が多脚を備えているため通常の杖と比べて重く、また上述のように美観的にも杖としては使いづらいものである。また、特許文献2に係る椅子になる杖は、座面が支柱の上端に取り付けており、外観的には通常の杖に近いものであるが、補助足を杖先に収納するため、これも重量感は否めない。
以上のような、特許文献1や特許文献2を含む従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、いずれも座面を水平に設定して、これに両尻を載せて休息することを前提とした設計であった。すなわち、従来の腰掛け兼用のステッキないし杖は、座面を腰掛時に地面と水平に保持する必要があり、いずれの座面も平板であるという特徴があった。そのため、腰かけた使用者が後頭部から落ちないように、椅子として用いるステッキ自身が安定して立脚しなければならないために多数の脚でバランスを確保する必要があり、重量と美観の点でデメリットがあった。
実開平5−82312号公報 特開2017−35416号公報
本発明は、ステッキ上方に取手兼座面を備えた1本の棒体とし、跨って足を休めるため補助脚が不要で、外観的にすっきりとした腰掛可能なステッキを提供する。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、上方に取手を、下方にステッキ部を有し、
該ステッキ部の上方に取り付けられた該取手は、該ステッキ部と平行に上下左右方向に広がる平面を含み、該取手が含む該平面に垂直な方向を前後方向とするステッキであって、
前記ステッキ部の上端に固定されたキャップ部と、
前記キャップ部の前後に、前記ステッキ部下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座及び後方台座から成る一対の台座と、
共に上面と下面を有し、前記キャップ部の前後に取り付けられて、それぞれ前記前方台座及び前記後方台座の上方で開閉可能な前方座面及び後方座面と、
を含み、
前記前方座面及び前記後方座面が、
閉状態で、それぞれの前記上面同士が固着されると共に、それぞれの前記下面が前記ステッキ部と平行に上下左右方向に広がる平面を含むように前記取手を形成し、
開状態で、共に前記下面をそれぞれ前記前方台座及び前記後方台座に支持されて、上面が前記ステッキ部下方に対して凸状となる前後一対の座面を形成し、
使用者が前記前方座面と前記後方座面とを股から前後方向に突出させて跨ることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記前方座面及び前記後方座面は、共に、短辺と長辺と2つの斜辺から成る台形状の板状体であり、該前方座面及び該後方座面の該短辺同士を前記キャップ部側で対向させて、前後一対の前記座面を形成するのが好適である。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方座面及び前記後方座面は、前記キャップ部の前後に蝶番により取り付けられてよい。あるいは、前記前方座面及び前記後方座面は、前記前方台座及び前記後方台座の上面にそれぞれ蝶番により取り付けられてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記取手は、該取手が含む前記平面に垂直な前後方向に貫通するグリップ穴を有する。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、上方固着面と下方引掛け面とを有し、前記一対の台座の少なくともいずれか一方の台座の前記下面に該上方固着面を当接させて固着し、該下方引掛け面を前記ステッキ部下方に対して直角以下となるように配置した引掛け具を備えてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキにおいて、前記ステッキ部は外筒と内筒を有し、該外筒と該内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を伸縮可能とし得る。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方台座と前記後方台座のそれぞれ上面に雌雄の面ファスナーが設けられ、前記台座が、閉状態で該前方台座と該後方台座とが固着され得る。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前記前方台座と前記後方台座にN極とS極の磁石が備えられ、前記台座が、閉状態で該前方台座と該後方台座とが固着されてもよい。
本発明に係る腰掛可能なステッキの腰掛け方法は、前記前方座面と前記後方座面とが上面同士で固着された閉状態で取手を形成した、前記記載の腰掛可能なステッキを準備するステップと、
前記前方座面と前記後方座面とを開いて、それぞれの下面を前記前方台座と前記後方台座に支持させて開状態とし、台座を形成するステップと、
前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
前記前方座面と前記後方座面とを、それぞれ前後に突出させて、前記座面に跨るステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキの使用方法は、前記前方座面と前記後方座面のそれぞれの下面が前記前方台座と前記後方台座に支持された開状態で座面を形成した、上記腰掛可能なステッキを準備するステップと、
前記前方座面と前記後方座面の上面同士を固着させた閉状態で取手を形成するステップと、
前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、前方座面及び後方座面の閉状態で、杖として使用することができる。前方座面と後方座面とは、雌雄の面ファスナー等により固着されて取手として機能するが、この取手には前後方向に貫通するグリップ穴が設けられており、本発明の腰掛可能なステッキの使用者が指を通して握って使用することができる。
また、本発明に係る腰掛可能なステッキは、前方座面及び後方座面の開状態で、椅子として使用することができる。前方座面及び後方座面は、この開状態で下方に向かって凸型に開き、下方に固定された台座に支持されるので、本発明の腰掛可能なステッキの使用者は、前方座面と後方座面とを股からそれぞれ前後方向に突出させて座面に跨り、足を休めて休息をとることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、従来の椅子兼用の杖と異なり座面に跨って用いるため、ステッキ部に加えて両足を使って、全体として3脚でバランスをとることができるので、公知例のように安定性を保持するための補助脚を必要としない。そのため、ステッキ部は補助脚を収容する必要がなく、ステッキ部として通常の杖と同様の棒体を用いることができ、美観的にも重量的にも優れた効果を奏することができる。更に、前方座面及び後方座面が開状態で形成する座面は、上記のように下方に向かって凸型、即ち上方に向かって凹状となるため、前方座面及び後方座面を前後に突出させて座面に跨る使用者が安定して跨ることができる。
以上のように、本発明に係る腰掛可能なステッキは、外観上はすっきりとした杖の形状を保ち歩行を補助するステッキとして機能するが、取手を構成する前方座面と後方座面とを開いて腰掛け座面を容易に得ることができる。したがって、遊園地や万博、あるいはバス停や飲食店などで行列に並ぶ際などに手軽に座面を形成して、これに跨って小休息することができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを閉状態として、杖として使用する場合の正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として、椅子として使用する場合の正面図。 実施例に係る本発明の腰掛可能なステッキにおいて、前方座面と後方座面とを、(a)閉状態として杖として使用する場合の部分拡大正面図、 (b)開状態として椅子として使用する場合の部分拡大正面図。 他の実施例に係る本発明の腰掛可能なステッキにおいて、前方座面と後方座面とを、(a)閉状態として杖として使用する場合の部分拡大正面図、 (b)開状態として椅子として使用する場合の部分拡大正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの平面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの側面図。 実施例に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを閉状態として、杖として使用する場合の正面図。 実施例に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として、椅子として使用する場合の正面図。 本発明に係る腰掛可能なステッキの前方座面と後方座面とを開状態として座面を形成し、使用者がこれに跨って使用する場合の正面模式図(左)及び側面模式図(右)。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る腰掛可能なステッキの実施形態及び実施例、その使用方法について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
[腰掛可能なステッキ]
(実施形態)
図1は、杖として使用する場合の本発明に係る腰掛可能なステッキ1の正面図を表す。図1に示すように、本発明の腰掛可能なステッキ1は、上方に取手30を、下方にステッキ部10を有し、ステッキ部10の上方に取り付けられた取手30は、ステッキ部10と平行に上下左右方向に広がる平面31を含む。取手30は、この取手30が含む平面31に垂直な方向を前後方向として(図1参照)、ステッキ1の側面図である図6に示すように、この前後方向に貫通するグリップ穴32を有する。
なお、図1、図2において、上下および左右前後を便宜的に定義するが、本実施形態の腰掛可能なステッキ1は、原則的に前後及び左右に関しては対称であり、前と後及び右と左を同時に入れ替えてもステッキ1の形状は不変である。
さらに図1を参照して、本発明の腰掛可能なステッキ1は、ステッキ部10の上端に固定されたキャップ部12と、キャップ部12の前後にステッキ部10下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座14F及び後方台座14Bから成る一対の台座14とを含む。すなわち、一対の台座14は、ステッキ部10の上方に向かって180度未満の角度を成して凹型となっている(ステッキ部10の下方に向かって凸型)。この一対の台座14を構成する前方台座14F及び後方台座14Bの成す角度は、ステッキ部10の上方において120度以上180度未満が好適であるが、特に限定はされない。
次に、椅子として使用する場合のステッキ1の正面図である図2を用いて説明する。図2に示すように、本発明の腰掛可能なステッキ1は、前方台座14F及び後方台座14Bの上方に、それぞれ蝶番16等によりキャップ部12の前後に取り付けられた前方座面20F及び後方座面20Bを有している。前方座面20Fと後方座面20Bとは座面20を形成し、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者は、前方座面20Fと後方座面20Bとを股からそれぞれ前後方向に突出させて座面20に跨り、ステッキ1を椅子として使用することができる。
前方座面20F及び後方座面20Bは、それぞれ上面と下面を有し、開閉可能である。上記した図1に示す取手30は、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で構成され、前方座面20F及び後方座面20Bは開状態で、図2のような座面20を構成する。
すなわち、本発明の腰掛可能なステッキ1において、前方座面20F及び後方座面20Bは、閉状態で、それぞれの上面同士が雌雄の面ファスナー24などで相互に固着されて、図3(a)のように取手30を形成する。また、前方座面20F及び後方座面20Bは、開状態で、図3(b)のように、ステッキ部10の下方に対して直角より大きい角度でキャップ部12の前後方向に開いて、共に下面をそれぞれ前方台座14Fと後方台座14Bに支持されて、上面がステッキ部10の上方に対して凹状(下方に対して凸状)となる前後一対の座面20を形成する。
図5は、開状態における前方座面20F及び後方座面20Bをステッキ部10の上方から見た平面図を表す。上述のように、使用者は前方座面20Fと後方座面20Bとをそれぞれ股から前後方向に突出させて使用できるが、このように座面20に跨る場合、使用者は、上方に対して凹状に開いた前方台座14F及び後方台座14B間の谷間に位置するキャップ部12上付近に、使用者の尻を位置させるのが好適である。この際、使用者の両足は、自ずとキャップ部12の左右方向に配置されるため、前方座面20F及び後方座面20Bは図5のように台形状の板状体であることが好ましい。短辺と長辺と2つの斜辺から成る台形状の前方座面20F及び後方座面20Bの短辺同士をキャップ部12側で対向させれば、使用者がキャップ部12上付近に尻を位置させたときに両足をスムーズにキャップ部12の左右に伸ばして座面20に跨ることができ、前後方向の両足の収まりが良くなり好適である。
図3(a)、図3(b)に示すように、本実施形態において、前方座面20F及び後方座面20Bは、前後の蝶番16によりキャップ部12に固定される。一片と他片とが開閉自在に結合された蝶番16は、その一片がそれぞれ前方座面20F及び後方座面20Bの下面に取り付けられ、他片がそれぞれキャップ部12の前後に直接螺子などで固定される。そして、前方台座14F及び後方台座14Bは、キャップ部12の前後に直接固定された前後の蝶番16の上から、螺子等を蝶番16に貫通させるなどしてキャップ部12の前後に固定される。
本発明の腰掛可能なステッキ1において、その構成要素であるステッキ部10、キャップ部12、台座14、取手30(座面20)等の材料は特に限定されない。座面20(取手30)やステッキ部10などを木製とすれば椅子や杖としての風情を出すことができるなどのメリットがあり、台座14は座面20を支持するため金属製とするのが好適であるが、これに限定されるわけではない。また、キャップ部12の材料も任意で良いが、蝶番16や台座14を螺子などで固定するのであれば、これが貫通するように、少なくともキャップ部12の前後は木製やプラスチック製とするのが好ましい。
以上説明した本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で、図1のように杖として使用することができる。前方座面20Fと後方座面20Bとは、その上面に設けた雌雄の面ファスナー24により固着され、取手30として機能する。取手30には、図6のように、前後方向に貫通するグリップ穴32が設けられており、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者が指を通して取手30を握ることができる。
また、本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、前方座面20F及び後方座面20Bの開状態で、図2のように椅子として使用することができる。すなわち、本発明の腰掛可能なステッキ1の使用者は、前方座面20Fと後方座面20Bとを股からそれぞれ前後方向に突出させて図9のように座面20に跨り、足を休めて休息をとることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、従来の椅子兼用の杖と異なり、座面20に跨って用いるため、ステッキ部10に加えて両足を使ってバランスをとることができるので、安定性を保持するための補助脚を必要としない。そのため、ステッキ部10は補助脚を収容する必要がなく、本発明の腰掛可能なステッキ1は、ステッキ部10として通常の杖と同様の棒体を用いることができ、美観的にも重量的にも優れた効果を奏することができる。
上記実施形態において、前方台座14F及び後方台座14Bは、キャップ部12の前後に直接固定された前後の蝶番16の上からキャップ部12の前後に固定された(図3(a)、図3(b)参照)。しかし、前方座面20F及び後方座面20Bのキャップ部12への取付け手段は蝶番16に限られず、他の取付け手段を用いても構わない。また、前方台座14F及び後方台座14Bのキャップ部12への固定方法も、上記のように蝶番16の上から螺子等を貫通させる方法に限定されない。
前方座面20F及び後方座面20Bは、図4(a)、図4(b)に示す本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1のように、前方台座14F及び後方台座14Bの上面にそれぞれ蝶番16により取り付けてもよい。本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1では、螺子などを用いて、前方台座14F及び後方台座14Bが直接キャップ部12に固定される。そして、前方座面20F及び後方座面20Bは、前方台座14F及び後方台座14Bを介して間接的にキャップ部12に固定される。
このような本実施例1に係る腰掛可能なステッキ1も、前方座面20F及び後方座面20Bの閉状態で図4(a)のように取手30を形成し、開状態で図4(b)のようにステッキ部10の下方に対して前後に凸状に開いて、前後一対の座面20を形成することができる。
本実施例2に係る腰掛可能なステッキ1の構成は、基本的に上記実施形態及び実施例1と同様で、ステッキ部10、キャップ部12、台座14、取手30(座面20)等の構成要素が有機的に結合し、前方座面20F及び後方座面20Bを開閉させることにより、杖及び椅子として機能させることができる。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1は、本実施例2に示すように、図7、図8のような引掛け具40を取り付けてもよい。引掛け具40は、図7に示すように、上方固着面42Uと下方引掛け面42Dとを有し、一対の台座14の少なくともいずれか一方の台座14の下面に上方固着面42Uを当接させて固着し、下方引掛け面42Dをステッキ部10下方に対して直角以下となるように配置するのが好適である。
図7を参照すると、引掛け具40は、前方台座14F及び後方台座14Bの下方に、それぞれ設けられている。前後それぞれの引掛け具40は、前方台座14F及び後方台座14Bのそれぞれの台座14の下面に上方固着面42Uが当接し、いずれも下方引掛け面42Dがステッキ部10に対して直角未満の角度を成すようにステッキ部10に固定されている。そのため、引掛け具40の下方引掛け面42Dを棚や横棒、手摺などの水平な物に引掛けて、場所を取らずにステッキ1を片付けることができる。
また、図7、図8において、後方の引掛け具40には貫通孔が設けられている。この貫通孔には、小型懐中電灯や鍵などを挿入して収納することができ、外出に必要な小物を携帯することができる。
本実施例3では、上記実施例2で用いた図7、図8を用いて、本発明に係る腰掛可能なステッキ1に付加し得る機能を更に説明する。
実施例3に係る腰掛可能なステッキ1では、ステッキ部10を外筒10outと内筒10inとで構成し、外筒10outと内筒10inのスライドによりステッキ部10の全長を伸縮可能とした。内筒10inを外筒10outへ挿入する程度により、ステッキ部10の全長を雄螺子などの固定具により何段階かに調節し、その長さを、座面20に跨る使用者に適合させることができる。
また、上記実施形態、実施例では、前方座面20F及び後方座面20Bのそれぞれ上面に雌雄の面ファスナー24を設け、前方座面20Fと後方座面20Bとを面ファスナー24により固着したが、前方座面20F及び後方座面20BにそれぞれN極とS極の磁石を備える構成としてもよい。例えば前方座面20Fに、その上面側にN極が向くように磁石を埋め込み、後方座面20Bにはその上面側にS極が向くように磁石を埋め込んで、前方座面20Fと後方座面20Bとを閉状態で磁力により固着させる構成としてもよい。

[腰掛可能なステッキの使用方法]
本発明に係る腰掛可能なステッキ1の腰掛け方法は、
(A1)前方座面20Fと後方座面20Bとが上面同士で固着された閉状態で取手30を形成した、腰掛可能なステッキ1を準備するステップと、
(A2)前方座面20Fと後方座面20Bとを開いて、それぞれの下面を前方台座14Fと後方台座14Bに支持させて開状態とし、座面20を形成するステップと、
(A3)ステッキ部10の外筒と内筒のスライドによりステッキ部10の全長を調節するステップと、
(A4)前方座面20Fと後方座面20Bとを、それぞれ前後に突出させて、台座14に跨るステップと、
を含む。
本発明に係る腰掛可能なステッキ1の杖としての使用方法は、
(B1)前方座面20Fと後方座面20Bのそれぞれの下面が前方台座14Fと後方台座14Bに支持された開状態で座面20を形成した、腰掛可能なステッキ1を準備するステップと、
(B2)前方座面20Fと後方座面20Bの上面同士を固着させた閉状態で取手30を形成するステップと、
(B3)ステッキ部10の外筒と内筒のスライドによりステッキ部10の全長を調節するステップと、
を含む。
以上、本発明に係る腰掛可能なステッキについて説明したが、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではない。本発明に係るを構成する材料、材質、種類等は特に限定されず、その寸法、厚さも適宜変更可能である。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
本発明に係る腰掛可能なステッキは、通常は杖として利用できる他、遊園地や万博、あるいはバス停や飲食店などで行列に並ぶ際などに手軽に座面を形成して、これに跨って小休息する際に椅子として利用することができる。
1:本発明に係る腰掛可能なステッキ
10:ステッキ部
10out:外筒
10in:内筒
12:キャップ部
14:台座
14F:前方台座
14B:後方台座
16:蝶番
20:座面
20F:前方座面
20B:後方座面
22F:前方グリップ穴
22B:後方グリップ穴
24:雌雄の面ファスナー
30:取手
31:平面
32:グリップ穴
40:引掛け具
42U:上方固着面
42D:下方引掛け面

Claims (11)

  1. 上方に取手を、下方にステッキ部を有し、
    該ステッキ部の上方に取り付けられた該取手は、該ステッキ部と平行に上下左右方向に広がる平面を含み、該取手が含む該平面に垂直な方向を前後方向とするステッキであって、
    前記ステッキ部の上端に固定されたキャップ部と、
    前記キャップ部の前後に、ステッキ部下方に対してそれぞれ直角より大きい角度で固定された前方台座及び後方台座から成る一対の台座と、
    共に上面と下面を有し、前記キャップ部の前後に取り付けられて、それぞれ前記前方台座及び前記後方台座の上方で開閉可能な前方座面及び後方座面と、
    を含み、
    前記前方座面及び前記後方座面が、
    閉状態で、それぞれの前記上面同士が固着されて前記取手を形成し、
    開状態で、共に前記下面をそれぞれ前記前方台座及び前記後方台座に支持されて、上面が前記ステッキ部下方に対して凸状となる前後一対の座面を形成し、
    使用者が前記前方座面と前記後方座面とを股から前後方向に突出させて跨ることができる、腰掛可能なステッキ。
  2. 前記前方座面及び前記後方座面は、共に、短辺と長辺と2つの斜辺から成る台形状の板状体であり、
    該前方座面及び該後方座面の該短辺同士を前記キャップ部側で対向させて、前後一対の前記座面を形成した、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  3. 前記前方座面及び前記後方座面は、前記キャップ部の前後に蝶番により取り付けられた、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  4. 前記前方座面及び前記後方座面は、前記前方台座及び前記後方台座の上面にそれぞれ蝶番により取り付けられた、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  5. 前記取手は、該取手が含む前記平面に垂直な前後方向に貫通するグリップ穴を有する、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  6. 上方固着面と下方引掛け面とを有し、
    前記一対の台座の少なくともいずれか一方の台座の前記下面に該上方固着面を当接させて固着し、該下方引掛け面を前記ステッキ部下方に対して直角以下となるように配置した引掛け具を備えた、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  7. 前記ステッキ部は外筒と内筒を有し、該外筒と該内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を伸縮可能とした、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  8. 前記前方座面と前記後方座面のそれぞれ上面に雌雄の面ファスナーが設けられ、前記座面が、閉状態で該前方座面と該後方座面とが固着される、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  9. 前記前方座面と前記後方座面にN極とS極の磁石が備えられ、前記座面が、閉状態で該前方座面と該後方座面とが固着される、請求項1に記載の腰掛可能なステッキ。
  10. 前記前方座面と前記後方座面とが上面同士で固着された閉状態で取手を形成した、請求項1に記載の腰掛可能なステッキを準備するステップと、
    前記前方座面と前記後方座面とを開いて、それぞれの下面を前記前方台座と前記後方台座に支持させて開状態とし、座面を形成するステップと、
    前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
    前記前方座面と前記後方座面とを、それぞれ前後に突出させて、前記座面に跨るステップと、
    を含む、腰掛可能なステッキの腰掛け方法。
  11. 前記前方座面と前記後方座面のそれぞれの下面が前記前方台座と前記後方台座に支持された開状態で前記座面を形成した、請求項1に記載の腰掛可能なステッキを準備するステップと、
    前記前方座面と前記後方座面の上面同士を固着させた閉状態で取手を形成するステップと、
    前記ステッキ部の外筒と内筒のスライドにより該ステッキ部の全長を調節するステップと、
    を含む、腰掛可能なステッキの使用方法。
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