JP2019179393A - 作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法および作業支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の作業により製品を製造ラインにおけるサイクルタイムおよびラインバランスを最適化することが可能な作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法および、作業支援プログラムを提供する。【解決手段】作業支援装置100は、記憶部および作業分配部を備える。記憶部は、製造ライン150に配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報、および、複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報を格納する。作業分配部は、複数の作業を複数の工程に分配する。複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、作業分配部は、記憶部に格納された作業者情報および作業情報に基づいて、製造ライン150のサイクルタイムを算出し、サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、複数の工程に属する作業を組み換える。【選択図】図1
Description
本開示は、複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法および作業支援プログラムに関する。
LAN(Local Area Network)等の普及により、FA(Factory Automation)製造現場では電子化された作業支援情報を提供する作業支援システムが普及している。従来の作業支援システムは、予めオフラインで作業手順のシナリオを作成し、このシナリオに基づく作業手順で音声または画像による作業情報を提供するというものであった。
近年は、AI(Artificial Intelligence)技術の進化により、例えば、特開2005−346274号公報(特許文献1)および特開2016−92047号公報(特許文献2)に示されるように、作業者の習熟度を認識し、習熟度に応じて作業者に指示する作業情報を変更するように構成された作業支援システムが提案されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載される作業支援システムでは、各作業者の習熟度に合わせた作業シナリオが設定されるが、習熟度に差がある複数の作業者が従事する製造ライン等においては、ある作業者に対してその習熟度に合わせた作業指示を出しても、この作業者が配置された工程よりも前または後ろの工程において、習熟度の低い作業者が配置されている場合、習熟度の高い作業者に待ち時間が発生するという不具合が生じていた。これにより、複数の作業者が従事する製造ラインにおいては、各作業者の習熟度に合わせた作業シナリオを提供しても、必ずしも生産性の向上に繋がらないことが懸念される。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の作業により製品を製造ラインにおけるサイクルタイムおよびラインバランスを最適化することが可能な作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法および、作業支援プログラムを提供することである。
本開示に係る作業支援装置は、複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置であって、記憶部と、作業分配部とを備える。記憶部は、製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報と、複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報とを格納するように構成される。作業分配部は、複数の作業を複数の工程に分配するように構成される。複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、作業分配部は、記憶部に格納された作業者情報および作業情報に基づいて、製造ラインのサイクルタイムを算出し、サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、複数の工程に属する作業を組み換える。
本開示に係る作業支援システムは、複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置と、製造ラインに配置される複数の作業者の作業実績情報を収集するように構成された収集機器と、複数の作業者の識別情報の入力を受け付ける入力部と、複数の作業者への作業指示を表示する表示部とを備える。作業支援装置は、複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報と、複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報とを格納する記憶部と、複数の作業を複数の工程に分配するように構成された作業分配部と、収集機器によって収集される複数の作業者の作業実績情報に基づいて、記憶部に格納される各作業者の前記習熟度を更新するように構成された作業者評価部とを含む。複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、作業分配部は、記憶部に格納された作業者情報および作業情報に基づいて、製造ラインのサイクルタイムを算出し、サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、複数の工程に属する作業を組み換えるように構成される。作業支援装置は、作業指示生成部と、キッティング指示生成部とをさらに含む。作業指示生成部は、作業分配部による分配結果に基づいて、各工程に対する作業指示を生成して表示部に表示するように構成される。キッティング指示生成部は、作業分配部による分配結果に基づいて、各工程での作業に必要な部品およびその個数、ならびに使用する治工具の情報を含むキッティング指示を生成するように構成される。
本開示に係る作業支援方法は、複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援方法であって、製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報と、複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報とを記憶するステップと、複数の作業を複数の工程に分配するステップとを備える。複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、分配するステップは、記憶された作業者情報および作業情報に基づいて、製造ラインのサイクルタイムを算出し、サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、複数の工程に属する作業を組み換える。
本開示に係る作業支援プログラムは、複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置で実行される作業支援プログラムであって、製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報と、複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間とを含む作業情報を記憶するステップと、複数の作業を複数の工程に分配するステップとを実行させる。複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、分配するステップは、記憶された作業者情報および作業情報に基づいて、製造ラインのサイクルタイムを算出し、サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、複数の工程に属する作業を組み換える。
本開示によれば、複数の作業により製品を製造ラインにおけるサイクルタイムおよびラインバランスを最適化することが可能な作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法および、作業支援プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分に同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に従う作業支援システムが適用される組立作業システム1000の構成を示す概略ブロック図である。
図1は、この発明の実施の形態1に従う作業支援システムが適用される組立作業システム1000の構成を示す概略ブロック図である。
図1を参照して、組立作業システム1000は、複数の部品を組み立てて1つの製品を製造するためのシステムであり、組立ライン150と、作業支援装置100と、ディスプレイ130と、バーコードスキャナ132と、収集機器134と、キッティング台車136とを備える。
組立ライン150は、複数の工程を直列に連結した構成となっており、各工程には1人ずつ作業者が配置される。図1の例では、組立ライン150は、その上流側から順番に工程A〜Nが直列に連結されており、工程A〜Nにそれぞれ対応して、作業者1〜Nが配置されている。組立ライン150は「製造ライン」の一実施例に対応する。
各工程には、ディスプレイ130、バーコードスキャナ132および収集機器134が設置される。ディスプレイ130は、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)等を用いて構成される。ディスプレイ130は、作業支援装置100により生成された、各工程に配置された作業者に対する作業指示を表示するための「表示部」の一実施例に対応する。作業指示は、各工程における組立作業手順およびチェックリスト等を含む。
バーコードスキャナ132は、作業者に関する情報(例えば、作業者ID等の識別情報)の入力を受け付けるための「入力部」の一実施例に対応する。図1の例では、入力部としてバーコードスキャナ132を用いるが、キーボードまたはマウス等の入力機器を用いてもよい。入力部は、表示部(ディスプレイ130)の表示画面上に重ねて設けられるタッチパネルを適用することも可能である。
収集機器134は、組立作業中の作業者の作業実績を示す情報(以下、「作業実績情報」とも称す)を収集するための機器である。作業実績情報には、組立作業中の作業者の組立作業時間、組立作業中の動作、および各製品の不良率または手直し率等が含まれる。収集機器134は、組立作業中の作業者の動作を検知するためのセンサおよび撮像装置等を用いて構成される。
ディスプレイ130、バーコードスキャナ132および収集機器134は、ネットワーク152を介して作業支援装置100と通信可能に接続されている。ネットワーク152は、例えばLAN、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、公衆回線網、専用回線網等を適宜組み合わせた通信ネットワークによって構成される。なお、通信ネットワークは有線、無線を問わない。
作業支援装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにより実現される。図2は、実施の形態1に従う作業支援装置100の構成を概略的に示す図である。
図2を参照して、作業支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)1と、プログラムおよびデータを格納する格納部とを含む。格納部は、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3およびHDD(Hard Disk Drive)5を含む。作業支援装置100は、さらに、通信部6、I/O(Input/Output)インターフェース4、入力部7、および表示部8を含む。入力部7は、ユーザからの作業支援装置100に対する指示を含む入力を受け付ける。入力部7は、キーボードおよびマウス等を含む。
通信部6は、作業支援装置100がディスプレイ130、バーコードスキャナ132および収集機器134を含む外部の機器と通信するためのインターフェースである。
I/Oインターフェース4は、作業支援装置100への入力または作業支援装置100からの出力のインターフェースである。図2に示すように、I/Oインターフェース4は、入力部7および表示部8に接続され、ユーザが入力部7に対して入力した情報を受け付ける。また、作業支援装置100の処理結果を表示部8へ出力する。表示部8は、LCDまたは有機ELを含み、作業支援装置100から出力される信号に従う映像または画像を表示する。
作業支援装置100の格納部は、作業支援システムにおいて、後述する処理手順をCPU1で実行させるためのアプリケーションプログラムを格納する。
図3は、実施の形態1に従う作業支援装置100の機能の構成例を説明する図である。
図3を参照して、作業支援装置100は、制御部102、記憶部108、作業指示生成部120、キッティング指示生成部122、通信部6、入力部7、および表示部8を備える。
図3を参照して、作業支援装置100は、制御部102、記憶部108、作業指示生成部120、キッティング指示生成部122、通信部6、入力部7、および表示部8を備える。
制御部102は、入力部7が受け付けた各種の操作指示等に応じて作業支援装置100を構成する各部に対して指示またはデータを転送することにより、作業支援装置100の動作を統括的に制御する。なお、制御部102、作業指示生成部120およびキッティング指示生成部122は、共通のCPU1を用いて構成することも可能である。
制御部102は、作業分配部104と、作業者評価部106とを有する。作業分配部104は、入力部7が受け付けた各種の操作指示、通信部6が受信したバーコードスキャナ132からの作業者に関する情報、および記憶部108に格納された情報に基づいて、組立ライン150を構成する複数の工程に対して組立作業を分配する。
作業者評価部106は、各工程に設けられた収集機器134により収集された作業実績情報に基づいて、組立作業中の各作業者の習熟度を定量的に評価する。例えば、作業者評価部106は、組立作業中の作業者の実作業時間、組立作業中の動作、および各製品の不良率または手直し率等に基づいて、各作業者の習熟度を評価する。そして、作業者評価部106は、必要に応じて、習熟度の評価結果に基づいて、記憶部108に格納される作業者の習熟度のデータを更新する。
記憶部108は、作業者情報DB(データベース)110と、作業情報DB112とを有する。作業者情報DB110は、各作業者に関する情報(以下、「作業者情報」とも称す)を格納する。作業者情報は、作業者を識別するための情報と、作業者の技能を示す情報とを含む。作業者を識別するための情報には、作業者IDおよび作業者氏名等が含まれる。作業者の技能を示す情報には、作業者の作業年数、作業の習熟度、最近従事した作業の履歴、各製品の不良率または手直し率、並びに、作業者が有している資格等が含まれる。作業者評価部106により評価された作業者の習熟度は、作業者情報DB110に格納される作業者の技能を示す情報にフィードバックされる。
作業情報DB112は、各工程の作業に関する情報(以下、「作業情報」とも称す)を格納する。作業情報は、組立ライン150で製造される製品、製品ごとの各組立作業の標準組立作業時間、各組立作業に必要な部品およびその個数、各組立作業に用いる治工具などを含む。本願明細書において、標準組立作業時間は、習熟度のレベルが「中」の作業者が組立作業を行なうのにかかる時間に相当する。作業情報DB112は、さらに、各作業者の習熟度に応じて生成された、各工程における作業指示を示す情報(組立作業手順、チェックリスト等)を格納する。
以上の構成を有する作業支援装置100は、1つのコンピュータを用いて実現してもよいし、複数のコンピュータを用いて実現してもよい。例えば、複数のコンピュータの間で通信ネットワークを介してデータの送受信を行ないながら、互いに連携して処理を行なうようにしてもよい。なお、コンピュータは、汎用のパーソナルコンピュータおよびサーバ等によって構成することができる。
次に、図1に示した組立作業システム1000で実現される作業支援について、図4から図8を参照して説明する。以下の説明では、図4に示される組立ライン150を用いて、実施の形態1に従う作業支援システムによる作業支援の処理手順について説明する。
図4には、4つの工程A〜Dが直列に連結されて構成された組立ライン150が例示されている。工程A〜Dの各々は、図5に示すように、複数の組立作業で構成されている。例えば、工程Aは組立作業1〜4で構成され、工程Bは組立作業5〜8で構成され、工程Cは組立作業9〜12で構成され、工程Dは組立作業13〜16で構成される。工程A〜工程Dを順次実行することによって、実質的に、組立作業1〜16が順次実行されて製品Nが製造される。言い換えれば、組立作業1〜16は、4つの工程A〜Dに分割されている。以下の説明では、このような組立ライン150に対して、6人の作業者1〜6の中から4人の作業者を選択して配置する場合を想定する。
図6には、作業者1〜6の各々が有している習熟度のレベルが示される。図6に示すように、習熟度のレベルは複数の段階で表わすことができる。図6の例では、習熟度のレベルは「高」、「中」、「低」および「初作業」の4段階で表わされている。「高」が最も習熟度が高く、「中」、「低」の順に習熟度が低下する。「初作業」とは組立ライン150での作業の経験が無いことを意味する。作業者1〜6のうち作業者1,3は習熟度が「高」であり、作業者4は習熟度が「中」であり、作業者2は習熟度が「低」である。また、作業者5,6は「初作業」であり、習熟度が不明である。図6に示す各作業者の習熟度は、記憶部108内の作業者情報DB110に格納されている。
実施の形態1に従う作業支援システムでは、作業前日もしくは作業当日の稼働前に、組立ライン150の各工程に配置予定の作業者に関する情報(以下、「編成情報」とも称す)、および組立ライン150で製造される製品Nの情報を含む作業データが、図示しない上位の生産管理システムから入力部7を通じて、制御部102内の作業分配部104に登録される。
例えば、図7に示すように、工程A〜Dに対して作業者1〜4をそれぞれ配置する予定である場合を想定する。この場合、作業分配部104では、編成情報として、工程Aに作業者1が配置され、工程Bに作業者2が配置され、工程Cに作業者3が配置され、工程Dに作業者4が配置されるという情報が登録される。
作業分配部104は、作業データ(編成情報および製品Nの情報)が登録されると、作業者情報DB110にアクセスすることにより、各工程に配置予定の作業者の技能を示す情報(作業者の習熟度等)を取得する。具体的には、作業分配部104は、作業者1〜4の作業者IDまたは氏名等に基づいて、作業者情報DB110に格納されている作業者情報から、作業者1〜4の各々の技能を示す情報を読み出す。図6に示されるように、作業者1の習熟度は「高」であり、作業者2の習熟度は「低」であり、作業者3の習熟度は「高」であり、作業者4の習熟度は「中」である。
作業分配部104は、さらに、作業情報DB112にアクセスすることにより、製品Nを製造するための複数の組立作業の各々についての標準組立作業時間を取得する。具体的には、作業分配部104は、作業情報DB112から、組立作業1〜16の各々の標準組立作業時間を読み出す。
次に、作業分配部104は、取得した作業者1〜4の技能を示す情報に基づいて、作業者1〜4がそれぞれ工程A〜Dを処理するのにかかる作業時間を算出する。具体的には、作業分配部104は、作業者1が組立作業1〜4の各々を実行するのにかかる組立作業時間を算出し、算出した組立作業時間を合計することにより、工程Aの作業時間を算出する。
なお、各組立作業の組立作業時間は、例えば、各組立作業の標準組立作業時間に対して、作業者1の習熟度に応じた係数を乗じることにより求めることができる。この係数は、例えば、習熟度が「中」のときを値「1」とし、習熟度が「高」のときを1未満の値とし、習熟度が「低」のときを1より大きい値とすることができる。
作業分配部104は、同様の方法によって、作業者2が工程Bを実行するのにかかる作業時間、作業者3が工程Cを実行するのにかかる作業時間、および作業者4が工程Dを実行するのにかかる作業時間を算出する。そして、作業分配部104は、算出した工程A〜Dの作業時間のうち最も長いものを選択することにより、製品Nを1個製造するのにかかる作業時間(以下、「サイクルタイム」とも称す)を算出する。
次に、作業分配部104は、1個の製品Nをどれだけの時間で製造しなければならないかを示す作業時間(以下、「タクトタイム」と称す)と、図7の配置例におけるサイクルタイムとを比較する。なお、タクトタイムは、作業データ(編成情報)に基づいて、サイクルタイムの目標値として定められる。タクトタイムは、例えば、一定時間(例えば、1日)の稼働時間を当該一定時間の製造予定数量で除算することにより算出することができる。一方、サイクルタイムは、上記のように、工程A〜Dの作業時間のうち最も長いものによって決まる。
図7の配置例におけるサイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、作業分配部104は、工程A〜Dに属する組立作業を組み換えることにより、工程A〜Dに対して組立作業を再分配する。このとき、サイクルタイムがタクトタイム以下になるように、作業時間が最も長い工程に属する組立作業を分割し、分割した組立作業の一部を元の工程からその前後の工程に組み換える。
図8に、作業分配部104で実行される組立作業の再分配の一例を示す。
図7の配置例では、作業者2の習熟度が「低」であるため、工程Bの作業時間が最も長くなるものとする。したがって、工程Bの作業時間がサイクルタイムとなる。
図7の配置例では、作業者2の習熟度が「低」であるため、工程Bの作業時間が最も長くなるものとする。したがって、工程Bの作業時間がサイクルタイムとなる。
その一方で、工程Bの前の工程Aでは、作業者1の習熟度が「高」であるため、作業時間は、組立作業1〜4の標準組立作業時間の合計値よりも短くなる。また、工程Bの前の工程Cにおいても、作業者3の習熟度が「高」であるため、作業時間は、組立作業9〜13の標準組立作業時間の合計値よりも短くなる。そのため、工程Aおよび工程Cの各々においては、作業時間と作業時間との間に待ち時間(いわゆる遊び時間)が生じてしまうことになる。
そこで、図8(A)に示すように、作業分配部104は、工程Bに属する組立作業5〜8のうち、先頭の組立作業5を前の工程Aに組み換えるとともに、最後の組立作業8を後の工程Cに組み換える。これによると、図8(B)に示すように、工程Aに属する組立作業は、組立作業1〜4から組立作業1〜5に増加するとともに、工程Cに属する組立作業は、組立作業9〜12から組立作業8から12に増加する。その一方で、工程Bに属する組立作業は、組立作業5〜9から組立作業6,7に減少する。
このように、組立作業の再分配は、基本的に、作業時間がタクトタイムを超過する工程に属する組立作業を分割して、分割した組立作業の一部を、作業時間にタクトタイムに対する余裕度がある工程に組み換える処理である。これによると、複数の工程間でタクトタイムに対する作業時間の偏差を平準化させることができる。この結果、タクトタイムに対する各工程の作業時間の偏差を小さくすることができるため、タクトタイムを満たしつつ、ラインバランスを向上させることができる。
ここで、図7の配置例においては、工程A〜Dのうち最も作業時間が長い工程Bの組立作業をその前後の工程A,Cの各々に組み換える構成としたが、どの工程に組立作業を組み換えるかについては、工程Bの前後に位置する工程(工程AまたはC)における、タクトタイムに対する作業時間の余裕度に応じて決めることができる。図8の例では、工程AおよびCの両方に組立作業を組み換えているが、工程AおよびCの各々の作業時間の余裕度に応じて、工程AおよびCのいずれか一方に組立作業を組み換えるようにしてもよい。
なお、工程AおよびCのいずれも、作業時間のタクトタイムに対する余裕度が小さく、組立作業の組み換えによって作業時間がタクトタイムを超過する可能性がある場合には、工程Aよりも前、または工程Cよりも後の工程(工程D)の作業時間の余裕度に応じて、組立作業をさらに組み換えることができる。例えば、図8において、工程Cの作業時間の余裕度が小さく、工程Bの組立作業8を組み換えたことで工程Cの作業時間がタクトタイムを超過してしまう場合には、図8(B)の状態から、さらに、工程Cの最後の組立作業12を工程Dに組み換えることができる。
図4に戻って、作業支援装置100は、工程A〜Dに対する組立作業の再分配を行なうと、再分配した組立作業に基づいて、各工程に対する作業指示を生成する。具体的には、作業分配部104は、再分配した組立作業を示す情報(図8(B)のテーブル)を作業指示生成部120へ送信する。作業指示生成部120は、受信した情報に基づいて、作業指示を生成する。
図8の例では、工程Aは組立作業1〜5で構成されるため、作業指示生成部120は、工程Aに対する作業指示として、組立作業1〜5を順番に処理するための組立作業手順およびチェックリスト等を含む作業指示を生成する。工程Bは組立作業6,7で構成されるため、作業指示生成部120は、工程Bに対する作業指示として、組立作業6,7を順番に処理するための組立作業手順およびチェックリスト等を含む作業指示を生成する。工程Cは組立作業8〜12で構成されるため、作業指示生成部120は、工程Cに対する作業指示として、組立作業8〜12を順番に処理するための組立作業手順およびチェックリスト等を含む作業指示を生成する。工程Dは組立作業13〜16で構成されるため、作業指示生成部120は、工程Dに対する作業指示として、組立作業13〜16を順番に処理するための組立作業手順およびチェックリスト等を含む作業指示を生成する。
なお、組立作業手順には、部品の取り付け、ねじ締め、および配線の引き回し等の作業を行なう手順が示されている。チェックリストは、これらの作業が手順に従って漏れなく実行されたことを確認するために、作業ごとにチェックすることができるように構成されている。
作業指示生成部120により生成された作業指示を示す情報は、通信部6およびネットワーク152を経由して、各工程に配置されたディスプレイ130に送信される。具体的には、工程Aのディスプレイ130には、工程Aに対する作業指示が送信され、工程Bのディスプレイ130には、工程Bに対する作業指示が送信され、工程Cのディスプレイ130には、工程Cに対する作業指示が送信され、工程Dのディスプレイ130には、工程Dに対する作業指示が送信される。各工程のディスプレイ130の表示画面には、受信した作業指示を示す画像が表示される。
ここで、作業指示生成部120においては、各工程に配置される作業者の習熟度に応じて、工程間でディスプレイ130の表示画面に表示させる作業指示の形式を変更するように構成することができる。
具体的には、作業指示生成部120は、習熟度の高い作業者が配置される工程に対しては、必要最小限であって、簡単な内容の作業指示を生成する一方で、習熟度の低い作業者が配置される工程に対しては、基礎的な指示を含む詳細な内容の作業指示を生成することができる。
例えば、習熟度が互いに異なる作業者が配置される2つの工程に対して、ねじ締め作業の作業指示を生成する場合を想定する。この場合、習熟度の低い作業者が配置される工程に対しては、使用する工具、ねじの種類および個数、ねじのある場所、ねじを締める箇所、ねじを締める順番、および目標作業時間等を含む作業指示を生成し、生成した作業指示をディスプレイ130の表示画面に表示させる。これに対して、習熟度の高い作業者が配置される工程に対しては、使用する工具、ねじを締める箇所、ねじを締める順番および目標作業時間などをディスプレイ130に表示させると、作業指示が冗長となり却って作業のスピードを遅くさせる可能性がある。そこで、習熟度の高い作業者が配置される工程に対しては、製品の品質に影響しないような作業指示(例えば、ねじのある場所、ねじを締める順番等)を表示させないことで、作業の迅速化を図る。
あるいは、作業指示生成部120は、各作業者の作業履歴に応じて、ディスプレイ130に表示させる作業指示の形式を変更するように構成することができる。作業者情報DB110には、作業者の技能を示す情報として、各作業者の最近従事した作業の履歴が格納されている。作業指示生成部120は、作業者情報DB110に格納される各作業者の作業履歴を参照することにより、直近に作業履歴がある作業者が配置される工程に対しては、必要最小限であって、簡単な内容の作業指示を生成する一方で、直近に作業履歴がない作業者が配置される工程に対しては、基礎的な指示を含む詳細な内容の作業指示を生成することができる。
あるいは、各作業者の組立作業の得手不得手に応じて、ディスプレイ130に表示させる作業指示の内容を変更するように構成することができる。作業者情報DB110には、作業者の技能を示す情報として、各作業者の製品の不良率または手直し率、および、作業者が有している資格が格納されている。作業指示生成部120は、作業者情報DB110に格納されるこれらの情報を参照することにより、作業ミスが少ない組立作業を担う作業者が配置される工程に対しては、必要最小限であって、簡単な内容の作業指示を生成する一方で、作業ミスが多い組立作業を担う作業者が配置される工程に対しては、基礎的な指示を含む詳細な内容の作業指示を生成することができる。
作業分配部104は、さらに、再分配した組立作業を示す情報(図8(B)のテーブル)をキッティング指示生成部122へ送信する。キッティング指示生成部122は、受信した情報に基づいて、キッティング指示を生成する。キッティング指示は、各工程での組立作業に必要な部品およびその個数、使用する治工具等の情報、およびキッティング台車136を搬送する工程の位置情報を含む。
キッティング指示生成部122により生成されたキッティング指示を示す情報は、表示部8の表示画面に表示される。キッティングを担当する作業者138(図4参照)は、表示部8の表示画面に表示されたキッティング指示に従って、工程ごとに、組立作業に必要な部品および治工具を揃えてキッティング台車136にセットする。
このとき、作業者138は、キッティング台車136にセットした部品およびその個数、ならびに治工具を示す情報を入力部7に入力する。入力部7に入力された情報は、部品情報として作業分配部104に登録される。部品情報は、さらに、記憶部108内部の作業情報DB112に格納される。
キッティング台車136は、組立作業が開始されるまでに、キッティング指示に含まれる工程の位置情報に基づいて、セットされた部品および治工具を指定の場所まで搬送する。
組立ライン150での作業開始時において、最初に、工程A〜Dにそれぞれ配置された作業者1〜4は、バーコードスキャナ132を用いて、自己の作業者IDと、自己の工程に配置されているキッティング台車136の情報とを入力する。
作業支援装置100において、作業分配部104は、入力部7に入力された作業者IDおよびキッティング台車136の情報と、上位の生産管理システムから入力部7を通じて予め登録されている、各工程に配置予定の作業者の作業者IDおよびキッティング台車136とを整合することにより、作業者の配置に間違いが無いか、およびキッティング台車136の配送ミスが無いかを確認する。
このとき、作業者の配置およびキッティング台車136の配送のいずれかに誤りがあると判断されると、作業分配部104は、組立作業システム1000を管理する管理者に対して警告を報知する。この警告により、管理者に対して、作業者またはキッティング台車136の配置の適正化、もしくは再度の組立作業の組み換えの実行を促すことができる。
管理者は、作業支援装置100の警告に従って、作業者またはキッティング台車136を予め登録されている配置に一致させるように、配置し直す。あるいは、予め登録されている作業者が現場に居ない等の理由により作業者を予定通りに配置し直すことができない場合には、管理者は、作業支援装置100に対して、現状の作業者の配置に基づいた組立作業の再分配を実行させる。
組立作業の再分配を行なう場合、作業分配部104は、現状の作業者の配置の下で、各工程に配置された作業者の習熟度および各工程に属する組立作業の標準組立作業時間に基づいて、各工程の作業時間を算出する。そして、作業分配部104は、作業時間がタクトタイムを超過する工程に属する組立作業を分割し、当該工程の前後に位置し、かつ、作業時間にタクトタイムに対する余裕度がある工程に組立作業を組み換えることにより、工程A〜Dの作業時間を平準化させる。
組立作業の再分配を行なうと、作業分配部104は、再分配した組立作業を示す情報を作業指示生成部120およびキッティング指示生成部122に送信する。作業指示生成部120は、再び、受信した情報に基づいて、各工程に対する作業指示を生成し、生成した作業指示を通信部6およびネットワーク152を経由してディスプレイ130に送信する。キッティング指示生成部122は、再び、受信した情報に基づいて、各工程のキッティング指示を生成し、生成したキッティング指示を表示部8の表示画面に表示する。
このように、組立作業の開始前において、作業支援装置100が各工程に配置された作業者およびキッティング台車136と、予め登録された配置予定の作業者およびキッティング台車136とがそれぞれ整合しているかどうかを確認することにより、作業者の習熟度のミスマッチによるサイクルタイムの遅延、および部品の取り付け間違いといった品質不良等を未然に防ぐことができる。
作業者の配置およびキッティング台車136の配送のいずれにも誤りが無いことが確認されると、組立作業システム1000は、組立ライン150の稼働を開始することが可能な状態となる。組立ライン150が稼働開始すると、各工程に配置された作業者は、ディスプレイ130に表示された組立作業指示に基づいて、組立作業を開始する。
組立作業中、各工程に設けられた収集機器134によって、各作業者の作業実績情報が収集される。収集された作業実績情報は、ネットワーク152を経由して作業支援装置100に送信される。作業支援装置100において、作業者評価部106は、受信した作業実績情報に基づいて、組立作業中の各作業者の習熟度を評価する。作業者評価部106は、必要に応じて、習熟度の評価結果に基づいて、作業者情報DB110に格納される作業者の習熟度のデータを更新する。
組立ライン150の稼働を開始してから予め定められた基準時間が経過したタイミングにおいて、作業分配部104は、収集機器134によって収集された作業実績情報に基づいて、サイクルタイムの実績値(以下、「実サイクルタイム」とも称す)を算出する。基準時間は、例えば、1日当たりの就業時間に設定することができる。基準時間における実サイクルタイムは、基準時間内に製造された複数の製品Nのサイクルタイムを統計処理することにより算出することができる。例えば、複数の製品Nのサイクルタイムの平均値、最頻値および最大値のいずれかを、製品Nの実サイクルタイムとすることができる。
作業分配部104は、算出した実サイクルタイムとタクトタイムとを比較することにより、実サイクルタイムがタクトタイムから乖離しているか否かを判定する。作業分配部104は、さらに、組立ライン150における各工程での作業時間のバランス(以下、「ラインバランス」とも称す)が予め定められた基準を満たしているか否かを判定する。
具体的には、作業分配部104は、収集機器134によって収集された作業実績情報に基づいて、ラインバランス効率を算出する。ラインバランス効率は、組立ライン150を構成する工程間の1製品当たりの作業時間のばらつきを示す割合であり、全工程で1台の製品を製造するのに要する時間を、全作業者のうち最も時間が長い作業者の作業時間に作業者の数を掛けた時間で除して算出される。つまり、ラインバランス効率=全作業者の作業時間の合計/(作業時間が最も長い作業者の作業時間×作業者数)の式で、ラインバランス効率が算出される。組立ライン150に対しては、ラインバランスの基準として、目標ラインバランス効率が予め定められている。
作業分配部104は、実サイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、または、実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低い場合には、警告を報知する。この警告により、管理者に対して、再度の組立作業の組み換えの実行を促すことができる。管理者は、警告に従って、作業支援装置100に組立作業の再分配を実行させる。
なお、実サイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、または、実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低い場合には、作業分配部104は、組立作業の再分配を自動的に実行することで、警告の報知とともに、次善の組み換え案を管理者に提示することができる。このようにすると、組立作業システム1000は、想定した組み換えが適当でなかった場合に即応することができる。
作業支援装置100は、上述した実サイクルタイムとタクトタイムとの比較および、実ラインバランス効率と目標ラインバランス効率との比較を、基準時間ごと定期的に行なうことができる。例えば、基準時間を1日当たりの就業時間に設定した場合、作業分配部104は、就業後において、その日の実サイクルタイムとタクトタイムとを比較するとともに、実ラインバランス効率と目標ラインバランス効率とを比較する。そして、作業分配部104は、比較結果に応じて、管理者に警告を報知するとともに、自動的に組立作業の再分配を実行して次善の組み換え案を管理者に提示する。これによると、組立作業システム1000は、タクトタイムを満たしながら、適正なラインバランスを保つことができる。
図9は、実施の形態1に従う作業支援装置100により実行される作業支援の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、最初に、ステップS01により、作業分配部104には、上位の生産管理システムから入力部7を通じて、作業データ(編成情報および製品の情報)が登録される。編成情報には、組立ライン150の各工程に配置予定の作業者の識別情報が含まれる。
ステップS02により、作業分配部104は、作業情報DB112にアクセスすることにより、作業データに関連する作業情報を取得する。具体的には、作業分配部104は、製品を製造するための複数の組立作業の各々についての標準組立作業時間を取得する。
ステップS03により、作業分配部104は、作業者情報DB110にアクセスすることにより、作業データに関連する作業者情報を取得する。具体的には、作業分配部104は、各作業者の識別情報に基づいて、作業者情報DB110に格納されている作業者情報から、各作業者の技能を示す情報(作業の習熟度等)を読み出す。
ステップS04では、作業分配部104は、ステップS02,S03で取得した作業情報および作業者情報に基づいて、組立作業の分配処理を実行する。図10は、図9のステップS04で実行される組立作業の分配処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図10を参照して、最初に、ステップS20により、作業分配部104は、作業情報および作業者情報に基づいて、各工程の作業時間を算出する。作業分配部104は、各工程について、配置される作業者の習熟度および、工程に属する組立作業の標準組立作業時間に基づいて、作業時間を算出する。
ステップS21では、作業分配部104は、各工程の作業時間のうち最も長いものを選択することにより、サイクルタイムを算出する。
ステップS22により、作業分配部104は、ステップS21で算出したサイクルタイムと、作業データより定められるタクトタイムとを比較する。サイクルタイムがタクトタイム以下であると判定された場合(S21のYES判定時)、作業分配部104は、処理をステップS23に進めて、ステップS20で算出した各工程の作業時間に基づいて、ラインバランス効率を算出する。ステップS23では、作業分配部104は、各工程の作業時間の合計値を、全作業者のうち最も時間が長い作業者の作業時間に作業者の数を掛けた時間で除することにより、ラインバランス効率を算出する。
ステップS24では、作業分配部104は、ステップS23で算出したラインバランス効率と、目標ラインバランス効率とを比較する。ラインバランス効率が目標ラインバランス効率以上である場合(S24のYES判定時)、作業分配部104は、処理をステップS25に進めて、現在の作業分配を分配結果として出力する。
これに対して、ステップS22にてサイクルタイムがタクトタイムより長いと判定された場合(S22のNO判定時)、または、ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低いと判定された場合(S24のNO判定時)には、作業分配部104は、処理をステップS26に進めて、組立作業の組み換えを行なう。作業分配部104は、作業時間がタクトタイムを超えている工程において、組立作業を分解して当該工程の前後の少なくとも一方の工程に組み換える。その後、作業分配部104は、処理をステップS20に戻す。これにより、組立作業が組み換えられた後の作業分配について、再びサイクルタイムおよびラインバランス効率が算出されて、タクトタイムおよび目標ラインバランス効率とそれぞれ比較される。サイクルタイムがタクトタイム以上であり、かつ、ラインバランス効率が目標ラインバランス効率以上である場合(S24のYES判定時)、組み換え後の作業分配が分配結果として出力される(S25)。
図9に戻って、ステップS05により、作業指示生成部120は、ステップ04での分配結果に基づいて、作業指示を生成する。作業指示生成部120により生成された作業指示は、各工程に配置されたディスプレイ130の表示画面に表示される。
ステップS06では、キッティング指示生成部122は、ステップS04での分配結果に基づいて、キッティング指示を生成する。キッティング指示生成部122により生成されたキッティング指示は、表示部8の表示画面に表示される。キッティングを担当する作業者138は、表示部8の表示画面に表示されたキッティング指示に従って、工程ごとに、組立作業に必要な部品および治工具を揃えてキッティング台車136にセットする。キッティング台車136は、セットされた部品および治工具を指定の場所まで搬送する。
組立ライン150が稼働開始すると、各工程に配置された作業者は、ディスプレイ130に表示された組立作業指示に基づいて、組立作業を開始する。組立作業中、ステップS13により、各工程に設けられた収集機器134によって、各作業者の作業実績情報が収集され、ネットワーク152を経由して作業支援装置100に送信される。
ステップS14では、作業者評価部106は、受信した作業実績情報に基づいて、組立作業中の各作業者の習熟度を評価し、必要に応じて、作業者情報DB110に格納される作業者の習熟度のデータを更新する。
ステップS07では、作業分配部104は、収集機器134によって収集された作業実績情報を取得する。ステップS08では、作業分配部104は、組立ライン150が稼働開始してから基準時間(例えば、1日当たりの就業時間)が経過したタイミングにおいて、ステップS07で取得された作業実績情報に基づいて、実サイクルタイムを算出する。
ステップS09により、作業分配部104は、ステップS08で算出した実サイクルタイムとタクトタイムとを比較する。実サイクルタイムがタクトタイム以下であると判定された場合(S09のYES判定時)、作業分配部104は、ステップS10により、ステップS07で取得した各工程の実作業時間に基づいて、実ラインバランス効率を算出する。作業分配部104は、各工程の実作業時間の合計値を、全作業者のうち最も時間が長い作業者の実作業時間に作業者の数を掛けた時間で除することにより、実ラインバランス効率を算出する。
ステップS11では、作業分配部104は、ステップS10で算出した実ラインバランス効率と、目標ラインバランス効率とを比較する。実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率以上である場合(S11のYES判定時)、作業分配部104は、処理をステップS07に戻す。
これに対して、実サイクルタイムがタクトタイムより長いと判定された場合(S09のNO判定時)、または、実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低いと判定された場合(S11のNO判定時)には、作業分配部104は、処理をステップS12に進めて、組立作業システム1000の管理者に警告を報知するとともに、処理をステップS02に戻すことにより、組立作業の組み換えを行なう。
具体的には、作業分配部104は、実作業時間がタクトタイムを超えている工程において、組立作業を分解して当該工程の前後の少なくとも一方の工程に組み換える。その後、作業分配部104は、組立作業が組み換えられた後の作業分配について、サイクルタイムおよびラインバランス効率を算出し、タクトタイムおよび目標ラインバランス効率とそれぞれ比較する。サイクルタイムがタクトタイム以上であり、かつ、ラインバランス効率が目標ラインバランス効率以上である場合、作業分配部104は、組み換え後の作業分配が分配結果として出力する。
このようにして、実サイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、または、実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低い場合には、作業分配部104は、組立作業の再分配を実行し、警告の報知とともに、次善の組み換え案を管理者に提示する。
以上説明したように、実施の形態1に係る作業支援システムによれば、複数の組立作業が複数の工程に分割され、かつ、複数の工程に複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、作業支援装置100は、作業者情報DB110および作業情報DB112に格納される情報に基づいて組立ライン150のサイクルタイムを算出する。そして、算出されたサイクルタイムがタクトタイムを超えるときには、作業支援装置100は、作業時間がタクトタイムを超過する工程に属する組立作業を分割し、分割した組立作業の一部を、作業時間にタクトタイムに対する余裕度がある工程に組み換える。これによると、複数の工程間でタクトタイムに対する作業時間の偏差を平準化させることができるため、タクトタイムを満たすことができるとともに、ラインバランスを向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、組立作業システム1000で実現される作業支援の一例として、各工程に配置される作業者の習熟度が判っている場合における作業支援について説明したが、組立作業システム1000においては、いずれかの工程に初作業(すなわち、習熟度が不明である)の作業者が配置される場合も想定される。
実施の形態1では、組立作業システム1000で実現される作業支援の一例として、各工程に配置される作業者の習熟度が判っている場合における作業支援について説明したが、組立作業システム1000においては、いずれかの工程に初作業(すなわち、習熟度が不明である)の作業者が配置される場合も想定される。
実施の形態2では、初作業の作業者が工程に配置された場合における作業支援について説明する。なお、実施の形態2に従う作業支援システムの構成は、図1から図3に示した実施の形態1に従う作業支援システムの構成と同じであるため、詳細な説明は繰返さない。
次に、図4に示される組立ライン150を用いて、実施の形態2に従う作業支援システムによる作業支援の処理手順について説明する。以下の説明では、組立ライン150に対して、図6に示した作業者1〜6の中から4人の作業者を選択して配置するものとする。例えば、図11に示すように、組立ライン150の工程A〜Dに対して、初作業の作業者5,6を含む4人の作業者1,3,5,6を配置する予定である場合を想定する。
この場合、作業分配部104では、編成情報として、工程Aに作業者1が配置され、工程Bに作業者5が配置され、工程Cに作業者3が配置され、工程Dに作業者6が配置されるという情報が登録される。
作業分配部104は、組立ライン150の編成情報および製品Nの情報が登録されると、作業者情報DB110にアクセスすることにより、各工程に配置予定の作業者の技能を示す情報(作業者の習熟度等)を取得する。具体的には、作業分配部104は、作業者1,3,5,6の作業者IDまたは氏名等に基づいて、作業者情報DB110に格納されている作業者情報から、作業者1,3,5,6の各々の技能を示す情報を読み出す。なお、図6に示されるように、作業者1の習熟度は「高」であり、作業者3の習熟度は「高」であり、作業者5,6の習熟度は「初作業」である。
作業分配部104は、さらに、作業情報DB112にアクセスすることにより、製品Nを製造するための複数の組立作業1〜16の各々についての標準組立作業時間を取得する。
次に、作業分配部104は、取得した作業者1,3,5,6の各々の習熟度に基づいて、作業者1,5,3,6がそれぞれ工程A〜Dを実行するのにかかる作業時間を算出する。ここで、作業分配部104は、「初作業」の作業者5,6については、習熟度が不明であるため、習熟度を「低」と仮定する。
作業分配部104は、作業者1が組立作業1〜4の各々を実行するのにかかる作業時間を算出し、算出した作業時間を合計することにより、工程Aの作業時間を算出する。作業分配部104は、同様の方法によって、作業者5が工程Bを実行するのにかかる作業時間、作業者3が工程Cを実行するのにかかる作業時間、および作業者6が工程Dを実行するのにかかる作業時間を算出する。そして、作業分配部104は、算出した工程A〜Dの作業時間のうち最も長いものを選択することにより、製品Nを1個製造するのにかかるサイクルタイムを算出する。
次に、作業分配部104は、タクトタイムと、図11の配置例におけるサイクルタイムとを比較する。サイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、作業分配部104は、工程A〜Dに属する組立作業を組み換えることにより、工程A〜Dに対して組立作業を再分配する。このとき、サイクルタイムがタクトタイム以下になるように、サイクルタイムが最も長い工程に属する組立作業を分割し、一部の組立作業を元の工程からその前後の工程に組み換える。
図12に、作業分配部104にて行なわれる組立作業の再分配の一例を示す。
図11の配置例では、作業者5,6の習熟度が「低」と仮定されているため、工程B,Dの作業時間が工程A,Cの作業時間よりも長くなるものとする。したがって、工程Bの作業時間および工程Dの作業時間のうちの長い方がサイクルタイムとなる。工程Aおよび工程Cの各々においては、作業時間と作業時間との間に遊び時間が生じてしまうことになる。
図11の配置例では、作業者5,6の習熟度が「低」と仮定されているため、工程B,Dの作業時間が工程A,Cの作業時間よりも長くなるものとする。したがって、工程Bの作業時間および工程Dの作業時間のうちの長い方がサイクルタイムとなる。工程Aおよび工程Cの各々においては、作業時間と作業時間との間に遊び時間が生じてしまうことになる。
そこで、図12(A)に示すように、工程Bに属する組立作業5〜8のうち、先頭の組立作業5を前の工程Aに移動させるとともに、工程Dに属する組立作業13〜16のうち、先頭の組立作業13を前の工程Cに移動させる。これによると、図12(B)に示すように、工程Aを構成する組立作業は、組立作業1〜4から組立作業1〜5に増加するとともに、工程Cを構成する組立作業は、組立作業9〜12から組立作業9〜13に増加する。一方で、工程Bを構成する組立作業は、組立作業5〜9から組立作業6〜8に減少するとともに、工程Dを構成する組立作業は、組立作業13〜16から組立作業14〜16に減少する。
作業支援装置100は、組立作業の再分配を行なうと、再分配した組立作業に基づいて、各工程に対する作業指示を生成する。具体的には、作業分配部104は、再分配した組立作業を示す情報を作業指示生成部120へ送信する。作業指示生成部120は、受信した情報に基づいて、作業指示(組立作業手順およびチェックリスト等)を生成する。
作業指示生成部120により生成された作業指示を示す情報は、通信部6およびネットワーク152を経由して、各工程に配置されたディスプレイ130に送信される。なお、実施の形態1で説明したように、作業指示生成部120は、各工程に配置される作業者の習熟度、作業履歴および組立作業の得手不得手のいずれかに応じて、ディスプレイ130の表示画面に表示させる作業指示の形式を変更することができる。
作業分配部104は、さらに、再分配した組立作業を示す情報をキッティング指示生成部122へ送信する。キッティング指示生成部122は、受信した情報に基づいて、キッティング指示を生成する。キッティング指示生成部122により生成されたキッティング指示を示す情報は、表示部8の表示画面に表示される。キッティングを担当する作業者138は、表示部8の表示画面に表示されたキッティング指示に従って、工程ごとに、組立作業に必要な部品および治工具を揃えてキッティング台車136にセットする。
このとき、作業者138は、セットした部品およびその個数、ならびに治工具を示す情報(部品情報)を入力部7に入力する。入力部7に入力された部品情報は、作業分配部104に登録されるとともに、作業情報DB112に格納される。キッティング台車136は、組立作業が開始されるまでに、キッティング指示に含まれる工程の位置情報に基づいて、セットされた部品および治工具を指定の場所まで搬送する。
組立ライン150の稼働を開始するとき、最初に、工程A〜Dにそれぞれ配置された作業者1,5,3,6は、バーコードスキャナ132を用いて、自己の作業者IDと、工程に配置されているキッティング台車136の情報とを入力する。
作業支援装置100において、作業分配部104は、入力部7に入力された作業者IDおよびキッティング台車136の情報と、上位の生産管理システムから入力部7を通じて予め登録されている、各工程に配置予定の作業者の作業者IDおよびキッティング台車136とを整合することにより、作業者の配置に間違いが無いか、およびキッティング台車136の配送ミスが無いかを確認する。
作業者の配置およびキッティング台車136の配送のいずれにも誤りが無いことが確認され、その後、組立ライン150が稼働開始すると、各工程に配置された作業者は、ディスプレイ130に表示された組立作業指示に基づいて、組立作業を実行する。
組立作業中、各工程に設けられた収集機器134によって、各作業者の作業実績を示す情報(作業実績情報)が収集される。収集された作業実績情報は、ネットワーク152を経由して作業支援装置100に送信される。作業支援装置100において、作業者評価部106は、受信した作業実績情報に基づいて、組立作業中の各作業者の習熟度を評価し、必要に応じて、作業者情報DB108に格納される作業者の習熟度のデータを更新する。
ここで、上述したように、「初作業」の作業者5,6の習熟度は「低」と仮定されている。作業者評価部106は、作業実績に基づいた作業者5,6の習熟度の評価結果が「中」または「高」である場合には、作業者情報DB110に格納されている作業者5,6の習熟度を「低」から「中」または「高」に更新する。
組立作業を開始してから予め定められた試用時間が経過したタイミングにおいて、作業分配部104は、組立作業の再分配を行なう。この再分配は、試用時間内に更新された作業者の習熟度に基づいて行なわれる。試用時間は、例えば、1日の始業時刻から休憩時刻までの時間に設定することができる。作業分配部104は、休憩時間の間に、組立作業を再分配し、その分配結果を管理者に提示する。
例えば、試用期間中、作業者5の作業実績情報に基づいて作業者5の習熟度が「低」から「中」または「高」に更新された場合、工程Bでは、実作業時間が作業時間の仮定値よりも短くなっているため、遊び時間が生じてしまう。その結果、実ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低下してしまうことが懸念される。そこで、図12(C)に示すように、工程Aに属する組立作業1〜5のうち、最後の組立作業5を工程Bに組み換えることで、工程Bの遊び時間を低減させる。
このように、習熟度が不明である初作業の作業者が工程に配置された場合には、作業支援装置100は、当該作業者の習熟度を仮定して組立作業を分配し、試用時間、作業を実行した後に、試用時間中の作業実績情報に基づいて組立作業の分配を見直す。このようにすると、初作業の作業者が配置された場合であっても、タクトタイムを満たしつつ、適正なラインバランス効率を確保することができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1および2では、作業前日または当日に上位の生産管理システムにより予め登録される、組立ライン150の編成情報および製品の情報に基づいて、各工程に組立作業を分配する処理について説明したが、作業の当日に、生産管理システムから、製造する製品の情報および製品の製造予定数量を示す情報が登録される場合においても、作業支援装置100は、各工程に組立作業を分配する処理を行なうことができる。
上述した実施の形態1および2では、作業前日または当日に上位の生産管理システムにより予め登録される、組立ライン150の編成情報および製品の情報に基づいて、各工程に組立作業を分配する処理について説明したが、作業の当日に、生産管理システムから、製造する製品の情報および製品の製造予定数量を示す情報が登録される場合においても、作業支援装置100は、各工程に組立作業を分配する処理を行なうことができる。
実施の形態3では、作業データとして製造する製品および製造予定数量の情報が登録される場合における組立作業の分配について説明する。
図13は、実施の形態3に従う作業支援装置100により実行される作業支援の処理手順を説明するためのフローチャートである。図13に示すフローチャートは、図9に示したフローチャートと比較して、ステップS30〜S33が追加されている点が異なる。
図13を参照して、最初に、ステップS30により、作業分配部104には、上位の生産管理システムから入力部7を通じて、作業データ(製造される製品の情報および製品の製造予定数量)が登録される。
ステップS31により、作業分配部104は、登録された作業データに基づいて、組立ライン150のタクトタイムを算出する。例えば、タクトタイムは、一定時間(例えば、1日)の稼働時間/当該一定時間の製造予定数量の式で算出される。
ステップS32では、作業分配部104は、ステップS32で算出されたタクトタイムに基づいて、組立ライン150を構成する全工程の数(すなわち、作業者の数)を算出する。具体的には、作業分配部104は、製品を製造するための全組立作業の標準作業時間を加算することにより、合計時間を算出する。この合計時間は、組立ライン150の工程全体の1製品当たりの所要時間を示す。作業分配部104は、合計時間をタクトタイムで除算することにより、全工程数を算出する。
ステップS33では、作業分配部104は、ステップS32で算出された全工程数(作業者数)に基づいて、組立ライン150を編成する。作業分配部104は、組立ライン150の各工程を構成する組立作業を決定するとともに、各工程に配置する作業者を決定する。各工程数を構成する組立作業は、全組立作業を全工程数で分割することで決定される。
組立ライン150が編成されると、作業分配部104は、ステップS02以降の処理を実行する。すなわち、作業分配部104は、ステップS33で編成された組立ライン150のサイクルタイムを算出し、算出したサイクルタイムとステップS31で算出されたタクトタイムとを比較する。作業分配部104は、また、編成された組立ライン150のラインバランス効率を算出し、算出したラインバランス効率と目標ラインバランス効率とを比較する。サイクルタイムがタクトタイムよりも長い場合、または、ラインバランス効率が目標ラインバランス効率よりも低い場合、作業分配部104は、組立作業の組み換えを行なう(ステップS02〜S04および図10参照)。
次に、作業指示生成部120は、組立作業の分配結果に基づいて作業指示を生成し、生成した作業指示を、各工程に配置されたディスプレイ130の表示画面に表示させる(ステップS05)。キッティング指示生成部122は、組立作業の分配結果に基づいて、キッティング指示を生成し、生成したキッティング指示は、表示部8の表示画面に表示させる。表示部8の表示画面に表示されたキッティング指示に従って、工程ごとに、組立作業に必要な部品および治工具がキッティング台車136にセットされた後、キッティング台車136によって指定の場所まで搬送する。
以上説明したように、実施の形態3によれば、作業データとして製品の製造予定数量が登録された場合には、一定時間内に製造予定数量の製品を製造するためのタクトタイムが定められ、このタクトタイムを満たすように、組立ライン150が編成される。そして、編成された組立ライン150のサイクルタイムがタクトタイム以下になるように、複数の工程に対して組立作業が分配される。
このようにすると、組立ライン150には、タクトタイムを満たすのに必要な数の作業者が配置されるとともに、作業者間の作業時間が平準化するように、複数の工程間で組立作業の組み換えが実行される。したがって、適正なラインバランスを保ちつつ、一定時間内に製造予定数量の製品が製造することができる。
実施の形態3によれば、製造予定数量が多い場合には、組立ライン150の全工程数を多くして、多数の作業者を配置することで、タクトタイムを満たすことができる。その一方で、製造予定数量が少ない場合には、組立ライン150の全工程数を少なくして、配置される作業者数を減らすことで、タクトタイムを満たしつつ、余剰の作業者を別の作業に配置することができる。
なお、実施の形態1から3では、作業支援装置100およびそれを備える作業支援システムとして発明を説明した。しかし、これに限定されず、作業支援装置100で図9および図10または図13の処理を実行させて製造ラインにおける作業を支援する作業支援方法、作業支援装置100に図9および図10または図13の処理を実行させて製造ラインにおける作業を支援する作業支援プログラム、および作業支援プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として発明を捉えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 I/Oインターフェース、5 HDD、6 通信部、7 入力部、8 表示部、100 作業支援装置、102 制御部、104 作業分配部、106 作業者評価部、108 記憶部、120 作業指示生成部、122 キッティング指示生成部、130 ディスプレイ、132 バーコードスキャナ、134 収集機器、136 キッティング台車、150 組立ライン、152 ネットワーク、1000 組立作業システム。
Claims (12)
- 複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置であって、
前記製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報、および前記複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報を格納する記憶部と、
前記複数の作業を複数の工程に分配するように構成された作業分配部とを備え、
前記複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、前記複数の工程に前記複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、前記作業分配部は、
前記記憶部に格納された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記製造ラインのサイクルタイムを算出し、前記サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、作業支援装置。 - 前記作業分配部は、さらに、前記記憶部に格納された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記複数の工程間の作業時間のばらつきを示すラインバランス効率を算出し、前記サイクルタイムが前記タクトタイムを超えるとき、または、前記ラインバランス効率が目標ラインバランス効率未満であるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、請求項1に記載の作業支援装置。
- 前記作業分配部は、分配結果に従って行なわれた前記複数の工程の実作業時間に基づいて、前記製造ラインの実サイクルタイムを算出し、前記実サイクルタイムが前記タクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に対して前記複数の作業を再分配する、請求項1に記載の作業支援装置。
- 前記作業分配部は、分配結果に従って行なわれた前記複数の工程の実作業時間に基づいて、前記製造ラインの実サイクルタイムおよび実ラインバランス効率を算出し、前記実サイクルタイムが前記タクトタイムを超えるとき、または、前記実ラインバランス効率が前記目標ラインバランス効率未満であるときに、前記複数の工程に対して前記複数の作業を再分配する、請求項2に記載の作業支援装置。
- 前記複数の作業者が初作業の作業者を含む場合、前記作業分配部は、前記記憶部に格納された前記作業者情報における前記初作業の作業者の習熟度を仮定した上で、前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記サイクルタイムを算出する、請求項1に記載の作業支援装置。
- 前記作業分配部による分配結果に従って行なわれた前記複数の作業者の作業実績情報に基づいて、前記記憶部に格納される前記各作業者の前記習熟度を更新するように構成された作業者評価部をさらに備え、
前記作業分配部は、前記作業者評価部によって更新された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記サイクルタイムを再算出し、再算出された前記サイクルタイムが前記タクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に対して前記複数の作業を再分配する、請求項5に記載の作業支援装置。 - 一定時間の前記製品の製造予定数量が設定された場合において、前記作業分配部は、
前記一定時間内の前記製造ラインの予め定められた稼働時間を、前記製造予定数量で除して前記タクトタイムを算出するとともに、前記記憶部に格納された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記サイクルタイムを算出し、前記サイクルタイムが算出された前記タクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、請求項1に記載の作業支援装置。 - 前記作業分配部は、さらに、前記記憶部に格納された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記複数の工程間の作業時間のばらつきを示すラインバランス効率を算出し、前記サイクルタイムが算出された前記タクトタイムを超えるとき、または、前記ラインバランス効率が目標ラインバランス効率未満であるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、請求項7に記載の作業支援装置。
- 前記作業分配部による分配結果に基づいて、各工程に対する作業指示を生成するように構成された作業指示生成部と、
前記作業分配部による分配結果に基づいて、前記各工程での作業に必要な部品およびその個数、ならびに使用する治工具の情報を含むキッティング指示を生成するキッティング指示生成部とをさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の作業支援装置。 - 複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置と、
前記製造ラインに配置される前記複数の作業者の作業実績情報を収集するように構成された収集機器と、
前記複数の作業者の識別情報の入力を受け付ける入力部と、
前記複数の作業者への作業指示を表示する表示部とを備え、
前記作業支援装置は、
前記複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報、および前記複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報を格納する記憶部と、
前記複数の作業を複数の工程に分配するように構成された作業分配部と、
前記収集機器によって収集される前記複数の作業者の前記作業実績情報に基づいて、前記記憶部に格納される前記各作業者の前記習熟度を更新するように構成された作業者評価部とを含み、
前記複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、前記複数の工程に前記複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、前記作業分配部は、
前記記憶部に格納された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記製造ラインのサイクルタイムを算出し、前記サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換えるように構成され、
前記作業支援装置は、
前記作業分配部による分配結果に基づいて、各工程に対する作業指示を生成して前記表示部に表示するように構成された作業指示生成部と、
前記作業分配部による分配結果に基づいて、前記各工程での作業に必要な部品およびその個数、ならびに使用する治工具の情報を含むキッティング指示を生成するキッティング指示生成部とをさらに含む、作業支援システム。 - 複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援方法であって、
前記製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報、および前記複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報を記憶するステップと、
前記複数の作業を複数の工程に分配するステップとを備え、
前記複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、前記複数の工程に前記複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、前記分配するステップは、記憶された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記製造ラインのサイクルタイムを算出し、前記サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、作業支援方法。 - 複数の作業により製品を製造する製造ラインでの作業を支援する作業支援装置で実行される作業支援プログラムであって、
前記製造ラインに配置される複数の作業者に関する情報であって、少なくとも各作業者の習熟度を含む作業者情報、および前記複数の作業に関する情報であって、少なくとも各作業の標準作業時間を含む作業情報を記憶するステップと、
前記複数の作業を複数の工程に分配するステップとを実行させ、
前記複数の作業が複数の工程に分割され、かつ、前記複数の工程に前記複数の作業者がそれぞれ配置された場合において、前記分配するステップは、記憶された前記作業者情報および前記作業情報に基づいて、前記製造ラインのサイクルタイムを算出し、前記サイクルタイムがタクトタイムを超えるときに、前記複数の工程に属する作業を組み換える、作業支援プログラム。
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JP2021170240A (ja) * | 2020-04-16 | 2021-10-28 | 株式会社豊田中央研究所 | 工程編成の装置、その方法およびそのプログラム |
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