JP2019178447A - 繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、PFOAの排出を抑えた環境に配慮した撥水剤を使用していながら、撥水性、制電性に優れたポリアミド系繊維含有繊維構造物を提供する。【解決手段】ポリアミド系繊維を含む繊維構造物であって、該繊維構造物表面に付着したスルホン基含有化合物および多価フェノール系化合物から選ばれた少なくとも1種を介して、フッ素系撥水剤および無機塩が付着しており、該繊維構造物の高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)によるPFOAおよびPFOSのそれぞれの測定濃度がいずれも5ng/g未満である繊維構造物であって、摩擦耐電圧が2000V以下、洗濯20回後の撥水性が3級以上であることを特徴とする繊維構造物。【選択図】なし
Description
本発明はPFOAやPFOSの排出を抑えた環境に配慮した撥水性繊維構造物であり、撥水性および制電性に優れたポリアミド系繊維含有繊維構造物に関するものである。
従来から、ポリアミド系繊維を含む繊維構造物からなる衣料用途品に対して撥水性および制電性を付与するのに、フッ素系の撥水剤と親水系の化合物を繊維構造物へ付着させる手法が提案されてきた。しかしながら、これらの撥水剤は炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有するものであったが、近年これらPFOA、PFOS等などの化合物を含まない撥水剤を使用した繊維製品が求められている。
しかしながら、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を含まない撥水剤は、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有する撥水剤にくらべ、撥水性が劣るため、制電性を付与するための親水性化合物の影響によって撥水性が阻害されることが問題となっている。
これらの問題に対して特許文献1では合成繊維布帛に親水性樹脂が吸着保持された多孔質微粒子を、制電性を有する樹脂によって固着し、その外側に撥水性樹脂の皮膜を形成する方法が提案されている。
また、特許文献2では合成繊維基材に導電性重合体形成モノマーを付着させ、酸化剤を用いて該モノマーを重合させることで合成繊維基材を導電性共重合体で被覆したのち、機能性材料を付着させることで制電性と機能剤の性質を両立させる方法が提案されている。
しかしながら特許文献1記載の手法は撥水剤に含まれるパーフルオロアルキル基について炭素数が考慮されておらず、実質的に開示されたのは炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を含む撥水剤のみで、かかる技術を単純にC8未満の撥水剤に適用しても必ずしも十分な性能は得られなかった。また、十分な制電性を得るには相応の微粒子を用いるため生地の風合いを損ないやすく、注意を要するものであった。また、特許文献2記載の手法で用いる導電性高分子は透明性が低いので該導電性高分子が付着した繊維製品の色調が悪化するといった問題があった。
本発明は、PFOAやPFOSを実質的に含まない撥水剤を使用していながら、撥水性、制電性に優れ、風合いも良好なポリアミド系繊維含有繊維構造物を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
ポリアミド系繊維を含む繊維構造物であって、該繊維構造物表面に付着したスルホン基含有化合物および多価フェノール系化合物から選ばれた少なくとも1種を介して、フッ素系撥水剤および無機塩が付着しており、該繊維構造物の高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)によるPFOAおよびPFOSのそれぞれの測定濃度がいずれも5ng/g未満である繊維構造物であって、摩擦耐電圧が2000V以下、洗濯20回後の撥水性が3級以上である繊維構造物。
本発明によればPFOAおよびPFOSを実質的に含まない撥水剤を使用していながら、撥水性、制電性に優れるとともに、風合いも良好なポリアミド系繊維含有繊維構造物を得ることができる。
本発明は前記課題について鋭意検討した結果、ポリアミド系繊維を含む繊維構造物であって、該繊維構造物表面に付着したスルホン基含有化合物および多価フェノール系化合物から選ばれた少なくとも1種を介して、フッ素系撥水剤および水和物を形成する無機塩が付着しており、該繊維構造物の高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)によるPFOAおよびPFOSのそれぞれの測定濃度がいずれも5ng/g未満とすることで、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明でいうポリアミド系繊維としては、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、芳香族ナイロンなどこれらポリアミドのホモポリマー、コポリマーなどからなる合成繊維が挙げられ、中でもナイロン6、ナイロン66、ナイロン10が好ましく挙げられる。また、ポリアミド系繊維を含む繊維構造物は、該ポリアミド系繊維単独で構成されたもの、一つのポリアミド系繊維と一種以上のその他繊維による混繊、混紡、交織、交編またはカバーリング糸として用いた繊維構造物であってよく、少なくとも1部にポリアミド系繊維が使用されていれば良い。繊維構造物中のポリアミド系繊維の比率は十分な撥水性と制電性を得るために40%以上が好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上である。ポリアミド系繊維100%であることも好ましい態様である。
その他の繊維としては、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、アラミド、ポリウレタン、再生セルロースなどの合成繊維や、綿、再生セルロース、ウール、麻、絹などの天然繊維を用いることが可能である。ここで挙げた繊維はあくまで一例であり他の繊維が混用されていても構わない。
本発明で用いるスルホン基含有化合物としては、α−オレフィンスルホン化物の塩やフェノールホルマリン樹脂のスルホン化物、イソフタル酸ジメチルスルホン酸ナトリウム塩などが挙げられる。より好ましくは平均炭素数12〜30であるα−オレフィンスルホン化物の塩である。また、本発明の多価フェノール系化合物としては、たとえば天然タンニンやノボラック型、レゾール型などのフェノールホルマリン樹脂のスルホン化物で代表される合成タンニンが挙げられ、その市販品としては、「TR−AN」((株)京絹化成製)が好ましく用いられる。多価フェノール系縮合物であることも好ましく、その市販品としては、「ナイロンフィックス501」(センカ(株)製)が好ましく用いられる。
これらは、アミノ基に対し親和性を有するため主にポリアミド繊維に対して使用されるが、その他の合成繊維であるポリエステルやポリウレタン弾性繊維、ポリプロピレン繊維などに対しても皮膜を形成させることができ、かかる皮膜を介することによりフッ素系撥水剤および無機塩の付着性が向上するため、撥水性および制電性が向上するものである。
該スルホン基含有化合物、多価フェノール系化合物を繊維構造物表面に付着させる(以下、前処理)方法としては特に限定されるものではないが、好ましくは該スルホン基含有化合物や多価フェノール系化合物を含有した水溶液(以下、前処理液とする)に繊維構造物を浸漬処理した後に乾燥するのが好ましく、該化合物を含有した繊維重量に対し、固形分で1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜5重量%程度である。この範囲とすることで、効果が十分に発揮され、また風合いが硬くならない傾向にある。該前処理液はpHを2〜6に調整することが該効果を得るためには好ましい。pH調整には酢酸、マレイン酸、塩酸、硫酸、ギ酸などの酸を使用すればよく、特に限定されることはない。該繊維構造物と該前処理液との浴比(重量比)は特に限定されるものではないが、繊維構造物1に対し前処理液10〜50の範囲が好ましい。前処理温度は40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃であり処理時間は10〜60分が好ましい。乾燥温度は40〜180℃が好ましく、より好ましくは60〜150℃であり乾燥時間は0.5〜5分が好ましい。
本発明において、スルホン基含有化合物および多価フェノール系化合物の少なくとも1種を介してフッ素系撥水剤および無機塩を付着させるには、前処理された繊維構造物に対してフッ素系撥水剤および無機塩を付着させることが好ましい。前処理された繊維構造物はフッ素系撥水剤および無機塩との親和性が高いため、それらを均一に付着させることができる。
本発明のフッ素系撥水剤としては、新たな製造法を用いて前記のPFOAおよびPFOSの発生を無くしたものや、従来の製造法の過程で、様々な手法を用いてPFOAおよびPFOSを回収したもの等を使用することができ、好ましくは炭素数6以下のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート共重合体である。具体的には「ユニダインTG−5601」(ダイキン工業(株)製)、「TG−5541」(ダイキン工業(株)製)、「TG−5543」(ダイキン工業(株)製)、「NKガードS−07」(日華化学(株)製)、「NKガードS−09」(日華化学(株)製)、「NKガードS−55」(日華化学(株)製)、「NKガードS−80」(日華化学(株)製)、「アサヒガードAG−E061」(旭硝子(株)製)、「アサヒガードE−081」(旭硝子(株)製)、「アサヒガードE−082」(旭硝子(株)製)、「アサヒガードE−092」(旭硝子(株)製)、「アサヒガードE−500D」(旭硝子(株)製)、「アサヒガードE−550D」(旭硝子(株)製)、「マックスガードFX−850」((株)京絹化成 製)、「マックスガードFX860」((株)京絹化成 製)、「マックスガードFX−880」((株)京絹化成 製)、「パラガードAF660」(大原パラヂウム化学(株)製)、「PF−10」(松本油脂製薬(株)製)、「PF−20」((株)京絹化成 製)、「PF−30」((株)京絹化成 製)、「NUVA2114」(クラリアントジャパン(株)製)、「スコッチガードPM3622」(スリーエム(株)製)、「スコッチガードPM490」(スリーエム(株)製)、「スコッチガードPM930」(スリーエム(株)製)などが好ましく使用でき、各々混合されることも問題はない。
本発明の繊維構造物中のPFOA、PFOSの量は高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)で測定したときに、PFOA、PFOSのそれぞれが、いずれも定量下限の5ng/g未満であることが必要であり、好ましくは検出下限の1ng/g未満である。
また、本発明では架橋剤としてトリアジン環含有樹脂、多官能イソシアネート系架橋剤から選ばれた少なくとも一種を含んでもよく、かかるトリアジン環含有樹脂とは、トリアジン環含有化合物を重合成分としてなる樹脂を意味し、トリアジン環含有化合物とはトリアジン環を含有し、重合性官能基を少なくとも2個有する化合物であり、例えば、下記の一般式(式中、R0〜R2は、H、OH、C6H5、Cn0H2n0+1(n0:1〜2)、COOCn1H2n1+1(n1:1〜20)、CONR3R4、NR3R4を表す、ただし、R3とR4は、H、OCn3H2n3+1、CH2COOCn3H2n3+1、(n3:1〜20)、CH2OH、CH2CH2OH、CONH2、CONHCH2OH−O−(X−O)n4−R5、(X:C2H4、C3H6、C4H8、n4:1〜1500、R5:H、CH3、C3H7)を表す)で示されるトリアジン環含有化合物が挙げられる。
上記一般式で表されるトリアジン環含有化合物以外に、上記の化合物のエチレン尿素共重合化合物、ジメチロール尿素共重合化合物、ジメチロールチオ尿素共重合化合物および酸コロイド化合物なども使用することができる。
本発明で用いられるトリアジン環含有樹脂の形成方法は次のとおりである。上記のトリアジン環含有化合物と、触媒からなる水系液を繊維上に付与した後、重合すべく熱処理を行う。
また、用いられる触媒としては、酢酸、蟻酸、アクリル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、硫酸、過硫酸、塩酸および燐酸などの酸類およびこれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、およびマグネシウム塩などが挙げられ、これらの一種以上を使用することができる。中でも、触媒として、過硫酸アンモニウムと過硫酸カリウムが好ましく用いられる。触媒の量は、モノマーの使用量に対して0.1〜20質量%で使用することが好ましい。
また、前記多官能イソシアネート系化合物とは分子中に2個以上のイソシアネート官能基を含む有機化合物であれば特に限定されるものではなく、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジクロロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。より好ましくは、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、フリセリントリレンジイソシアネートアダクトなどにブロッキング化化合物(イソシアネートアダクトとともに70〜200℃に加熱することで、イソシアネート基を再生させる化合物)である、フェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、ε−カプロラクタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネート架橋剤である。
前記トリアジン環含有樹脂は多量に使用すると架橋効果は向上するものの、風合いは硬化する傾向にある。十分な架橋効果を得る一方、柔軟な風合いを維持する観点から、繊維構造物全重量に対し、固形分で0.01〜1質量%、より好ましくは0.02〜0.5質量%付与するのが好ましい。多官能イソシアネート系架橋剤は多量に使用すると架橋効果は向上するものの、風合いの硬化、加工時の熱黄変や、染色堅牢度を低下させるなどの問題がある。十分な架橋効果を得る一方、これらの問題を防止する観点から、繊維構造物全重量に対し、固形分で0.01〜2.00質量%、より好ましくは0.03〜1.00質量%付与するのが好ましい。
本発明で用いる水和物を形成する無機塩は無機酸の水素を金属で置換してできる塩であり、水和物を形成し得るものである。具体例としては塩酸、リン酸、硝酸、酢酸、蟻酸、硫酸などの無機塩が挙げられるが酸はこれに限定するものではない。制電性の観点から20℃、40%の環境下で無機塩1モルに対して0.5モル〜10モル、より好ましくは2モル〜6モルの水和水を有するものが好ましい。この無機塩の水和水は飽和していても好ましいが、必ずしもその必要はない。ポリアミド系繊維を含む繊維構造物に対して、多価フェノール系化合物もしくはスルホン酸基含有化合物を介して付着させることで該繊維構造物に対して制電性を付与することができる。その理由は定かではないが無機塩の水和水と多価フェノール系化合物もしくはスルホン酸基含有化合物中の極性部が相まって電荷の移動が起こりやすくなり、制電性が向上すると考えられる。
本発明における無機酸は水和性の高さから、第2族元素の塩化物であることが好ましく、取り扱いの面から塩化カルシウムであることがより好ましい。
該繊維構造物表面におけるフッ素と無機塩由来の金属元素のエネルギー分散型X線分析装置で測定した際の原子数濃度比が100:0.2〜2.0、より好ましくは100:0.5〜1.0であることが好ましい。フッ素系に対する金属元素の原子数濃度比がこの範囲にあることで極めて優れた制電性と撥水性が両立できる点で望ましい。
本発明では風合いや引き裂き強力を向上させるためにシリコーン樹脂を含むことが好ましい。シリコーン樹脂は、通常の化合物を使用することができるが、好ましくはメチルハイドロジェンポリシロキサンからなるシリコーン化合物やアミノ変成シリコーン化合物、ジメチルシリコーン化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、フッ素系撥水剤とシリコーン樹脂の混合比は、固形分重量比でフッ素系化合物1.0に対して0.001〜1.0であることが好ましく、さらには0.01〜0.5が好ましい。0.001より少ないと風合いや引き裂き強力への寄与が乏しく、また多すぎると、撥水性を阻害する傾向がある。
かくして得られる本発明の繊維構造物は、PFOAおよびPFOSを実質的に含まない撥水剤を使用していながら、撥水性、制電性に優れるとともに、風合いも良好なので、衣料用の繊維構造物としてきわめて有用である。
以下、実施例により、本発明の繊維構造物について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。実施例中の品質評価は、次の方法で実施した。
(撥水性)
JIS L1092「繊維製品の防水性試験方法」(1998年)に規定される方法でスプレー法により評価を行い、級判定を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%である。
JIS L1092「繊維製品の防水性試験方法」(1998年)に規定される方法でスプレー法により評価を行い、級判定を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%である。
(制電性)
JIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」に規定される摩擦帯電圧測定法により評価を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%であり、対象布には綿布を用いた。
JIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」に規定される摩擦帯電圧測定法により評価を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%であり、対象布には綿布を用いた。
(PFOAおよびPFOSの量)
試料の前処理および試料液の調製
繊維構造物20gを共栓付遠心分離管にとり、0.2mol/L炭酸緩衝液(pH10)25ml及び0.1mol/L TBA溶液5 ml及びt−ブチルメチルエーテル(以下「MTBE」とする)50mlを加え30分間振とう抽出し、遠心分離(2500rpm、5分)を行った。上層を分取し下層にMTBE30mlを加え軽く振とう後、同様に遠心分離及び分取の操作を行った。分取したMTBE溶液に無水硫酸ナトリウム10gを加え10分間放置し脱水した。脱脂綿を詰めたロートでろ過し200mlのフラスコに受け、ろ液を40℃で減圧濃縮し窒素ガスを通じて乾固させ、残留物をヘキサン8mlに溶解させた。ヘキサン溶液4mlを分取し、液・液抽出用ケイソウ土カラムに負荷し5分間放置した。アスピレーターで20分間吸引しヘキサンを除去した後、5%含水アセトニトリル20mlでPFOS及びPFOAを溶出させた。溶出液を100mlのフラスコにとり、40℃で減圧濃縮し、窒素ガスで乾固させた。残留物に0.004mol/L炭酸緩衝液5mlを加え、超音波で十分に分散させた後、固相抽出カートリッジ(OASIS HLB)にピペットを用いて負荷して自然落下させ、フラスコを0.004mol/L炭酸緩衝液5mlで洗い負荷する。落下後、精製水5mlでカートリッジを洗浄し、カートリッジ内の間隙水をアスピレーターで20分間吸引して除いた後、OASIS HLB下部にOASIS MCXを接続し、アセトニトリル10mlでPFOS及びPFOAを溶出させる。溶出液を50mlの遠心分離管にとり、40℃で減圧濃縮し窒素ガスで乾固させる。残留物をメタノール:水の混液(1:1)1ml(最終液量)に溶解しオートサンプラー用バイヤルにろ過したものを試験溶液とした。
試料の前処理および試料液の調製
繊維構造物20gを共栓付遠心分離管にとり、0.2mol/L炭酸緩衝液(pH10)25ml及び0.1mol/L TBA溶液5 ml及びt−ブチルメチルエーテル(以下「MTBE」とする)50mlを加え30分間振とう抽出し、遠心分離(2500rpm、5分)を行った。上層を分取し下層にMTBE30mlを加え軽く振とう後、同様に遠心分離及び分取の操作を行った。分取したMTBE溶液に無水硫酸ナトリウム10gを加え10分間放置し脱水した。脱脂綿を詰めたロートでろ過し200mlのフラスコに受け、ろ液を40℃で減圧濃縮し窒素ガスを通じて乾固させ、残留物をヘキサン8mlに溶解させた。ヘキサン溶液4mlを分取し、液・液抽出用ケイソウ土カラムに負荷し5分間放置した。アスピレーターで20分間吸引しヘキサンを除去した後、5%含水アセトニトリル20mlでPFOS及びPFOAを溶出させた。溶出液を100mlのフラスコにとり、40℃で減圧濃縮し、窒素ガスで乾固させた。残留物に0.004mol/L炭酸緩衝液5mlを加え、超音波で十分に分散させた後、固相抽出カートリッジ(OASIS HLB)にピペットを用いて負荷して自然落下させ、フラスコを0.004mol/L炭酸緩衝液5mlで洗い負荷する。落下後、精製水5mlでカートリッジを洗浄し、カートリッジ内の間隙水をアスピレーターで20分間吸引して除いた後、OASIS HLB下部にOASIS MCXを接続し、アセトニトリル10mlでPFOS及びPFOAを溶出させる。溶出液を50mlの遠心分離管にとり、40℃で減圧濃縮し窒素ガスで乾固させる。残留物をメタノール:水の混液(1:1)1ml(最終液量)に溶解しオートサンプラー用バイヤルにろ過したものを試験溶液とした。
試験条件
装置:LC−MS/MSタンデム型質量分析計TSQ−7000(サーモエレクトロン)
高速液体クロマトグラフLC−10Avp(島津製作所)
カラム:Capcellpak C8 100mm×2mmi.d.(5μm)
移動層:A;0.5mmol/L酢酸アンモニウム
B;アセトニトリル
流速:0.2mL/min、試料注入量:3μL
イオン化電圧:4.5kv、イオンマルチ:1300v
イオン化法:ESI−Negative
装置:LC−MS/MSタンデム型質量分析計TSQ−7000(サーモエレクトロン)
高速液体クロマトグラフLC−10Avp(島津製作所)
カラム:Capcellpak C8 100mm×2mmi.d.(5μm)
移動層:A;0.5mmol/L酢酸アンモニウム
B;アセトニトリル
流速:0.2mL/min、試料注入量:3μL
イオン化電圧:4.5kv、イオンマルチ:1300v
イオン化法:ESI−Negative
PFOAおよびPFOS濃度の算出
繊維構造物中のPFOAおよびPFOS濃度(ng/g)=(検出量(pg)/試料注入量(μl))×(8ml(中間定容)/4ml(分取))×(最終液量(1ml)/繊維構造物重量(g))
繊維構造物中のPFOAおよびPFOS濃度(ng/g)=(検出量(pg)/試料注入量(μl))×(8ml(中間定容)/4ml(分取))×(最終液量(1ml)/繊維構造物重量(g))
(フッ素/金属元素比)
繊維構造物を約5mmの正方形にカットしSEM−EDX((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400N)を用いて以下の測定条件でフッ素/金属元素比を定量した。
検出器:EMAX X−ACT((株)堀場製作所製)、真空度:高真空(0Pa以下)、信号:BSE、加速電圧:15kV、WD:10mm、プローブ電流:70、対物可動絞り:4
繊維構造物を約5mmの正方形にカットしSEM−EDX((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400N)を用いて以下の測定条件でフッ素/金属元素比を定量した。
検出器:EMAX X−ACT((株)堀場製作所製)、真空度:高真空(0Pa以下)、信号:BSE、加速電圧:15kV、WD:10mm、プローブ電流:70、対物可動絞り:4
(風合い)
風合いは以下の5段階で評価を行った。ここで言いう風合いとは繊維構造物を素手で円を描くように触った際の手触りの感じである。
◎:非常に良い
〇:良い
△:どちらとも言えない
×:あまり良くない
××:良くない
風合いは以下の5段階で評価を行った。ここで言いう風合いとは繊維構造物を素手で円を描くように触った際の手触りの感じである。
◎:非常に良い
〇:良い
△:どちらとも言えない
×:あまり良くない
××:良くない
(引裂き強力)
JIS L1096(2010)「一般織物試験方法」D 法(ペンジュラム法)により規定される方法で試験を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%である。
JIS L1096(2010)「一般織物試験方法」D 法(ペンジュラム法)により規定される方法で試験を行った。測定環境は室温20℃、相対湿度40%である。
(試験用基布1)
経糸にナイロン6からなる22dtex、24フィラメントの生糸、緯糸にナイロン6からなる50番手の紡績糸を使用して織密度233×105本/inch(2.54cm)の平織物を製織した。次いで、得られた織物について、95℃の温度で連続式精錬機により常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、織密度247×107本/inch(2.54cm)の黒色織物とした。
経糸にナイロン6からなる22dtex、24フィラメントの生糸、緯糸にナイロン6からなる50番手の紡績糸を使用して織密度233×105本/inch(2.54cm)の平織物を製織した。次いで、得られた織物について、95℃の温度で連続式精錬機により常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、織密度247×107本/inch(2.54cm)の黒色織物とした。
(試験用基布2)
経糸、緯糸ともにナイロン6と綿が80:20の割合で混紡された50番手の紡績糸を使用して織密度113×105本/inch(2.54cm)の平織物を製織した。次いで、得られた織物について、95℃の温度で連続式精錬機により常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、織密度116×107本/inch(2.54cm)の黒色織物とした。
経糸、緯糸ともにナイロン6と綿が80:20の割合で混紡された50番手の紡績糸を使用して織密度113×105本/inch(2.54cm)の平織物を製織した。次いで、得られた織物について、95℃の温度で連続式精錬機により常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、織密度116×107本/inch(2.54cm)の黒色織物とした。
(実施例1)
試験用基布1を液流染色機を使用し、前処理として下記に示した加工液で浴比1:20に調整し、常温から80℃まで2℃/分で昇温し、30分間浴中処理した。次いで50℃まで降温した後、排液、水洗、脱水後にピンテンターを用いて140℃で乾燥した。
・ナイロンフィックス501(センカ(株)製 多価フェノール系縮合物):5%owf
かかる試験用基布1を使用し、各薬剤を下記に示した濃度に蒸留水を用いて調整した加工液に浸漬し、絞り率75%になるようにマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で1分間セットした。
・アサヒガードE−550D(旭硝子(株)製炭素数6以下フッ素系撥水剤):40g/L
・エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有):7.5g/L
・ベッカミンM−3(DIC(株)メラミン樹脂):5g/L
・キャタリストACX(DIC(株)触媒:3g/L
・メイカネートCX(明成化学(株)多官能性イソシアネート架橋剤):20g/L
試験用基布1を液流染色機を使用し、前処理として下記に示した加工液で浴比1:20に調整し、常温から80℃まで2℃/分で昇温し、30分間浴中処理した。次いで50℃まで降温した後、排液、水洗、脱水後にピンテンターを用いて140℃で乾燥した。
・ナイロンフィックス501(センカ(株)製 多価フェノール系縮合物):5%owf
かかる試験用基布1を使用し、各薬剤を下記に示した濃度に蒸留水を用いて調整した加工液に浸漬し、絞り率75%になるようにマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で1分間セットした。
・アサヒガードE−550D(旭硝子(株)製炭素数6以下フッ素系撥水剤):40g/L
・エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有):7.5g/L
・ベッカミンM−3(DIC(株)メラミン樹脂):5g/L
・キャタリストACX(DIC(株)触媒:3g/L
・メイカネートCX(明成化学(株)多官能性イソシアネート架橋剤):20g/L
得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOA含有量についても5ng/g未満であった。
(実施例2)
試験用基布2に対して実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
試験用基布2に対して実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
(実施例3)
試験用基布1に対して前処理液をTR−AN((株)京絹化成製、スルホン酸基含有化合物):5%owfとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して前処理液をTR−AN((株)京絹化成製、スルホン酸基含有化合物):5%owfとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
(比較例1)
試験用基布1に対して前処理を行わずに、実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物はPFOAおよびPFOSの含有量は5ng/g未満であったものの、洗濯20回後の撥水度および摩擦帯電圧は低いものであった。
試験用基布1に対して前処理を行わずに、実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物はPFOAおよびPFOSの含有量は5ng/g未満であったものの、洗濯20回後の撥水度および摩擦帯電圧は低いものであった。
(比較例2)
実施例1の炭素数C6以下フッ素系撥水剤をマックスガード247(京絹化成(株)製炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系撥水剤 固形分20%):60g/Lに変えた以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。しかし、PFOAおよびPFOS含有量については45.5ng/gであった。
実施例1の炭素数C6以下フッ素系撥水剤をマックスガード247(京絹化成(株)製炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系撥水剤 固形分20%):60g/Lに変えた以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表1に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。しかし、PFOAおよびPFOS含有量については45.5ng/gであった。
(実施例4)
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)を2.8g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)を2.8g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
(実施例5)
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株) 第2族元素塩化物含有)を14.1g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株) 第2族元素塩化物含有)を14.1g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであった。また、PFOAおよびPFOS含有量についても5ng/g未満であった。
(比較例3)
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株) 第2族元素塩化物含有)を0.94g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示したが、摩擦帯電圧は高いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株) 第2族元素塩化物含有)を0.94g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示したが、摩擦帯電圧は高いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
(比較例4)
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)を23.4g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は摩擦帯電圧も低いものであったが、撥水度は低いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)を23.4g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は摩擦帯電圧も低いものであったが、撥水度は低いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
(比較例5)
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)の代わりにスノーテックスOL(日産化学工業(株)コロイダルシリカ分散体)を10g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水性を示したが、摩擦帯電圧は高いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
試験用基布1に対して、エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有)の代わりにスノーテックスOL(日産化学工業(株)コロイダルシリカ分散体)を10g/Lとした以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の特性を表2に示す。得られた繊維構造物は高い撥水性を示したが、摩擦帯電圧は高いものであった。なお、PFOAおよびPFOS含有量については5ng/g未満であった。
(実施例6)
実施例1と同様の前処理を行った試験用基布1に対して、各薬剤を下記に示した濃度に蒸留水を用いて調整した加工液に浸漬し、絞り率75%になるようにマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で1分間セットした。
・アサヒガードE−550D(旭硝子(株)製炭素数6以下フッ素系撥水剤):40g/L
・エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有):7.5g/L
・ベッカミンM−3(DIC(株)メラミン樹脂):5g/L
・キャタリストACX(DIC(株)触媒:3g/L
・メイカネートCX(明成化学(株)多官能性イソシアネート架橋剤):20g/L
・ハイソフターKB1000(明成化学(株)アミノ変性シリコーン):10g/L
実施例1と同様の前処理を行った試験用基布1に対して、各薬剤を下記に示した濃度に蒸留水を用いて調整した加工液に浸漬し、絞り率75%になるようにマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で1分間セットした。
・アサヒガードE−550D(旭硝子(株)製炭素数6以下フッ素系撥水剤):40g/L
・エフコールAS−9(松本油脂製薬(株)第2族元素塩化物含有):7.5g/L
・ベッカミンM−3(DIC(株)メラミン樹脂):5g/L
・キャタリストACX(DIC(株)触媒:3g/L
・メイカネートCX(明成化学(株)多官能性イソシアネート架橋剤):20g/L
・ハイソフターKB1000(明成化学(株)アミノ変性シリコーン):10g/L
得られた繊維構造物の特性を表3に示す。得られた繊維構造物は高い撥水度を示すとともに、摩擦帯電圧も低いものであり、PFOA含有量についても5ng/g未満であった。さらに風合いについても官能評価において非常に良好であった。
(比較例6)
試験用基布1に対して、ハイソフターKB1000(明成化学(株)アミノ変性シリコーン)の添加量を30g/Lとした以外は実施例6と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の摩擦帯電圧も低いものであり、PFOA含有量についても5ng/g未満であった。さらに風合いについても官能評価において非常に良好であったが、撥水度は低いものであった。
試験用基布1に対して、ハイソフターKB1000(明成化学(株)アミノ変性シリコーン)の添加量を30g/Lとした以外は実施例6と同様の処理を行った。得られた繊維構造物の摩擦帯電圧も低いものであり、PFOA含有量についても5ng/g未満であった。さらに風合いについても官能評価において非常に良好であったが、撥水度は低いものであった。
本発明のポリアミド系繊維含有繊維構造物は、環境問題に配慮したフッ素系撥水剤を使用しており、且つ高い撥水性と制電性を有するため衣料用の繊維構造物として好適に用いることができる。
Claims (4)
- ポリアミド系繊維を含む繊維構造物であって、該繊維構造物表面に付着したスルホン基含有化合物および多価フェノール系化合物から選ばれた少なくとも1種を介して、フッ素系撥水剤および無機塩が付着しており、該繊維構造物の高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)によるPFOAおよびPFOSのそれぞれの測定濃度がいずれも5ng/g未満である繊維構造物であって、摩擦耐電圧が2000V以下、洗濯20回後の撥水性が3級以上であることを特徴とする繊維構造物。
- 該無機塩が第2族元素の塩化物である請求項1に記載の繊維構造物。
- 該繊維構造物表面におけるフッ素と金属元素の原子数濃度比が100:0.2〜2.0であることを特長とする請求項1〜2に記載の繊維構造物。
- シリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の繊維構造物。
Priority Applications (1)
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JP2018067707A JP2019178447A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 繊維構造物 |
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JP2018067707A JP2019178447A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 繊維構造物 |
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JP2018067707A Pending JP2019178447A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 繊維構造物 |
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- 2018-03-30 JP JP2018067707A patent/JP2019178447A/ja active Pending
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