JP2019178283A - 導光板用封止部材及びそれを用いた導光板の製造方法 - Google Patents

導光板用封止部材及びそれを用いた導光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化させた後は導光部材との接着性を向上させ、且つ、導光板の光学特性を十分に発揮させることが可能な導光板用封止部材の提供。【解決手段】 少なくとも、封止層及び基材を備え、封止層は、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと光重合開始剤とを含み、アクリル系グラフトポリマーのガラス転移温度(Tg)が45℃〜150℃である導光板用封止部材。【選択図】 図1

Description

本発明は、LCD、PDPなどの画像表示装置や広告、展示用ウインドウなどの照明に用いられる導光板の製造用の導光板用封止部材及びそれを用いた導光板の製造方法に関する。
導光板の一態様として、端面から受光した光を、表面に形成された複数の凹型のレンズ形状等(以降凹部とする)により反射・屈折させて、外部に出射させるものが知られている。しかしながら、凹部が形成された表面を最表面とすると、汚れの付着やキズなどにより光学特性が損なわれる懸念がある。更に、他の層と積層する場合には、凹部が形成された表面の平面部(凹部以外の領域)に、薄い空気層が入ることで、干渉縞等が生じる問題がある。
これに対し、特許文献1では、部分球面状の凹部からなる微小反射部を、封止部材を用いて空気を密封する方法が示されている。明細書中には封止部材として、薄膜の粘着剤、ホットメルト接着剤、ブロッキング性樹脂シート、又は半硬化状体を導光部材に密着して硬化した硬化体等が挙げられている。
また、特許文献2では、凹凸面を持つ光学フィルムの貼り合わせに対し、貼り合わせ前に熱もしくは活性エネルギー線を照射することで硬化した粘接剤着層を用い、凸部の一部を固定する方法が示されている。
特許6027331号 特許5517776号
しかしながら、上述の方法では、導光部材と封止部材との接着性が十分ではなく、また、導光板の光学特性が十分に発揮されない場合があった。
そこで本発明は、硬化させた後に導光部材との接着性を向上させ、且つ、導光板の光学特性を十分に発揮させることが可能な導光板用封止部材、及び、当該導光板用封止部材を用いた導光板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を行い、特定の導光板用封止部材を用いることによって、上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の通りである。
本発明は、
側面を形成する端面と、前記端面から入射した光が屈曲して出射する主面である出射面とを有し、前記出射面の反対側の表面である非出射面に複数の凹部を有する導光部材を備える導光板の製造に用いられる導光板用封止部材であり、
前記導光板用封止部材は、
少なくとも、封止層及び基材を備え、
前記非出射面の表面に前記封止層が積層され、その後前記封止層が硬化されることで、前記凹部の内部に、前記導光部材の屈折率とは異なる屈折率を有する、気体、液体又は真空の少なくともいずれかを封止することを目的として用いられ、
前記封止層は、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと光重合開始剤とを含み、
前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーのガラス転移温度(Tg)が45℃〜150℃であることを特徴とする導光板用封止部材である。
本発明は、前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーの重量平均分子量が10,000以上であることが好ましい。
本発明は、前記ラジカル重合性基が、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
本発明は、前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーの(メタ)アクリロイル基当量が300(g/eq)以上であることが好ましい。
本発明は、ラジカル重合性基が前記グラフトポリマーの側鎖末端に存在することが好ましい。
また、本発明は、端面から入射した光が屈曲して出射する主面である出射面を有し、前記出射面の反対側の表面である非出射面に複数の凹部を有する導光部材を備える導光板の製造方法であって、
前記凹部の内部に、前記導光部材の屈折率とは異なる屈折率を有する、気体、液体又は真空の少なくともいずれかを封止する状態で、請求項1〜5のいずれかに記載の導光板用封止部材を、前記非出射面の表面に、導光板用封止部材の前記封止層を積層する積層工程と、
前記積層工程後、光重合反応により前記封止層の硬化を行う硬化工程と
を含むことを特徴とする、導光板の製造方法である。
本発明によれば、硬化させた後に導光部材との接着性を向上させ、且つ、導光板の光学特性を十分に発揮させることが可能な導光板用封止部材、及び、当該導光板用封止部材を用いた導光板の製造方法が提供される。
導光板用封止部材、導光板及び導光部材の構成を示す模式図である。 導光部材内の光の進行を示す模式図である。 凹部の形状を例示した上面図及び断面図である。 導光部材における凹部構造の分布例を示す模式図である。 凹部と凹部を覆う導光板用封止部材硬化体の断面図と、表面粗さの測定箇所を示した模式図である。 導光板及び導光部材の光学特性測定の説明図である。 光学特性測定に用いた装置を示す模式図である。
本発明に係る導光板用封止部材は、導光部材と共に導光板の製造に用いられる部材である。より詳細には、この導光部材は、端面から入射した光が屈曲して出射する主面である出射面を有し、出射面の反対側の表面である非出射面に複数の凹部を有する構造となっている。更に、本発明に係る導光板用封止部材は、通常、塗布基材と、塗布基材上に設けられた、特定の重合性基を有するポリマー及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性組成物を乾燥させて得られる封止層と、を有する。換言すれば、導光板用封止部材の封止層は、少なくとも一部が未硬化の状態である、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分により形成されている層である。この導光板用封止部材は、導光部材の凹部の内部に、導光部材の屈折率とは異なる屈折率を有する、気体、液体又は真空の少なくともいずれか(被封止物)を封止するように、且つ、非出射面の表面に封止層を積層するように、導光部材上に積層される。次いで、光重合反応によって封止層を硬化させることで封止層硬化体を形成することが可能となる。
以下、下記項目を順番に説明する。
1.導光板用封止部材及び導光板の構成
1−1.導光板用封止部材の構成
1−2.導光板の構成
2.導光板用封止部材
2−1.封止層
2−2.塗布基材
2−3.導光板用封止部材の製造方法
3.導光板
3−1.導光部材
3−2.導光板用封止部材硬化体
3−3.導光板の製造方法
3−4.特性
3−4−1.90°剥離強度
3−4−2.算術平均粗さ(Ra)の平均値
3−4−3.光学特性(C)
4.面状光源装置又は照明装置の用途
1.導光板用封止部材及び導光板の構成
まず始めに、本発明導光板用封止部材及び導光板の構成について、図1を用いて説明する。
1−1.導光板用封止部材の構成
図1(a)に示すように、導光板用封止部材(10)は、塗布基材(12)と、塗布基材(12)に積層された封止層(11)と、を少なくとも含む構成である。
より詳細には、導光板用封止部材(10)は、塗布基材(12)上に設けられた、少なくとも一部が未硬化の状態の活性エネルギー線硬化性組成物の固形分からなる、封止層(11)を有する部材である。
導光板用封止部材(10)は、多層構造であっても構わないが、導光板用封止部材(10)において、導光部材の出射面とは反対側の表面である非出射面の表面と接する層が、少なくとも、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと、光重合開始剤とを含む組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)である封止層(11)であることが必要である。
1−2.導光板の構成
図1(b)に示すように、導光板(100)は、凹部(121)が設けられた導光部材(120)と、導光部材(120)の表面に積層され、凹部(121)を封止する導光板用封止部材硬化体(110)と、で構成される。
図1(a)の導光板用封止部材(10)は、後述するように、導光部材と貼り合わされた後に硬化工程を経ることで、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分が硬化され、図1(b)に示すように、導光板用封止部材硬化体(110)となる。このように、導光板用封止部材(10)と、導光板用封止部材硬化体(110)とは、実質的にその硬化形態のみが異なるものであり、種々の構成{例えば、原料(固形分)}に関しては相互に読み替え可能である。
2.導光板用封止部材
2−1.封止層
導光板用封止部材の封止層は、少なくとも一部が未硬化の状態である、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと光重合開始剤とを含む組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)により形成される。なお、活性エネルギー線硬化性組成物とは、電子線や、好ましくは紫外線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化可能な樹脂を含む組成物を示す。
(メタ)アクリル系グラフトポリマーは、アクリル酸又はその誘導体を含むモノマー成分の重合体を主鎖とし、側鎖として更にポリマー鎖を有する。
(メタ)アクリル系グラフトポリマーは、ラジカル重合性基を含むものであれば特に限定されない。例えば、側鎖として、(メタ)アクリル系、ポリウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、シリコーン系、(メタ)アクリルシリコーン系、フェノール系、塩化ビニル系、アルキド系、メラミン系、セルロース系などのポリマー鎖を有するポリマーが例示できる。なお、(メタ)アクリル系グラフトポリマーは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性基は、ラジカル重合可能な基であれば特に限定されず、ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基が挙げられるが、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
特に、ラジカル重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する場合、(メタ)アクリル系グラフトポリマーの(メタ)アクリロイル基当量が、300(g/eq)以上であることが好ましく、500(g/eq)以上であることがより好ましく、700(g/eq)以上であることが更に好ましい。(メタ)アクリル系グラフトポリマーの(メタ)アクリロイル基当量の上限としては、特に限定されないが、例えば、2,000(g/eq)であることが好ましい。なお、この(メタ)アクリロイル基当量は理論値であるが、場合によっては公知の方法で求められたものでもよい。
また、このようなラジカル重合性基は、グラフトポリマーの側鎖に位置していてもよく、主鎖の末端に位置していてもよいが、側鎖末端に存在することが好ましい。
(メタ)アクリル系グラフトポリマーのガラス転移温度(以降Tgと称す)は45℃〜150℃である。なお、(メタ)アクリル系グラフトポリマーのTgは、下限値が50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、105℃のいずれかであることが好ましく、上限値が145℃、140℃、135℃、130℃、125℃、120℃、115℃のいずれかであることが好ましい。なお、これらの下限値及び上限値は自由に組み合わせてよい。なお、このTgは理論値であるが、場合によっては公知の方法で求められたものでもよい。
(メタ)アクリル系グラフトポリマーの重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、80,000以上であることが更に好ましい。(メタ)アクリル系グラフトポリマーの重量平均分子量の上限としては、特に限定されないが、例えば、5,000,000であることが好ましい。
なお、このような(メタ)アクリル系グラフトポリマーは公知の方法に従って製造可能であり、その構造も、各種モノマーや合成条件を変更することにより適宜自由に設計可能である。
活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、(メタ)アクリル系グラフトポリマー以外の樹脂を含んでいてもよい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤を単独又は適宜組み合わせて使用することができる。
活性エネルギー線硬化性組成物には、導光板の製造において、導光板用封止部材の導光部材に対する接着性、導光部材の凹部内への埋め込み抑制効果及び凹部蓋面の平滑性の高さを損なわなければ、紫外線吸収剤、レベリング剤や帯電防止剤等、各種添加剤を含有させてもよい。これにより、封止層に紫外線吸収特性、帯電防止特性等を付与することが可能である。
本発明に係る封止層の膜厚は、50μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。封止層の膜厚の下限としては、特に限定されないが、例えば、0.1μmであることが好ましい。
本発明に係る導光板用封止部材は、Tgが45℃〜150℃である、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと、光重合開始剤と、を含む組成物を用いている。そのため、導光部材に対する高い接着強度を有するのみならず、従来のUV硬化型樹脂等に比較して、常温におけるタック性が改善され、異物の付着及び欠点の発生を防止可能であるため、導光板用封止部材硬化体を形成した際に、導光部材の光学特性を十分に発揮することが可能となる。
また、タック性が改善される結果、硬化工程(後に詳述する)前においては、導光板用封止部材の位置決め(位置ズレの修正)も容易となる。
2−2.塗布基材
塗布基材は、導光板において、封止層硬化体と共に導光部材を保護する役割を担い、導光板の一部として機能するため、透明性を有していることが好ましく、又、導光部材や封止層硬化体と同様の屈折率を有していることが好ましい。
塗布基材の厚さは特に限定されないが、製造のしやすさと、導光部材保護の役割とから、25μm〜5,000μmが好ましく、50μm〜1,000μmがより好ましく、80μm〜500μmがさらに好ましい。
2−3.導光板用封止部材の製造方法
導光板用封止部材の製造方法は、特に限定されないが、一例として、以下の工程(A1)及び(A2)を含む方法が挙げられる。
工程(A1):塗布工程;活性エネルギー線硬化性組成物を、塗布基材上に塗布する。
工程(A2):乾燥工程;塗布後、上記活性エネルギー線硬化性組成物を乾燥させて封止層を形成する(任意工程)。
まず工程(A1)に関し、活性エネルギー線硬化性組成物は、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと、光重合開始剤とを含んでいる。(メタ)アクリル系グラフトポリマー、光重合開始剤、その他の任意の添加剤等については、上述の通りである。
活性エネルギー線硬化性組成物における、(メタ)アクリル系グラフトポリマー、光重合開始剤及び任意の各種添加剤の各割合は、各材料の種類によって異なり、一義的に規定することは困難であるが、一例として、固形分の質量比で、(メタ)アクリル系グラフトポリマーが50質量%〜99質量%(より好ましくは70質量%〜99質量%、更に好ましくは90質量%〜99質量%)、光重合開始剤が0.5質量%〜10質量%、各種添加剤が49.5質量%以下とすることができる。また、活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて公知の溶媒(例えば、ベンゼン等の有機溶剤)を適宜含んでいてもよい。更にこの場合、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分濃度は、製造条件に応じて適宜自由に設計可能である。
調製した活性エネルギー線硬化性組成物を塗布基材上に塗布するには、連続生産性を考えると、ロールコーティング法、グラビアコーティング法等のコーティング法を用いることが好ましい。当該コーティング法によって、薄層となるように活性エネルギー線硬化性組成物を塗布できる。なお、活性エネルギー線硬化性組成物の塗布厚としては、硬化後に所望の封止層硬化体となるように設計すればよい。
以上より、活性エネルギー線硬化性組成物を、基材上に塗布することで、塗布基材上に、封止層が形成された導光板用封止部材を得ることができる。
続いて、工程(A2)における乾燥は、任意工程であり、作業性の観点から活性エネルギー線硬化性組成物に通常含まれる溶剤を全部又は一部揮発させ、固形分層(封止層)を形成させる工程である。このような乾燥の条件としては適宜公知の方法に従って実施可能であり、特に限定されないが、例えば、40℃〜200℃で10秒〜600秒の乾燥を行えばよい。
なお、活性エネルギー線硬化性組成物中の固形分比率が高い、塗布工程後の放置時間が長い等により、封止層が自然に形成される場合には、このような乾燥工程を設けずともよい。
以上より、活性エネルギー線硬化性組成物を乾燥させることで、塗布基材上に封止層が形成された導光板用封止部材が得られる。
また、本発明封止層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、非固形分を含んでいてもよい(即ち、必ずしも完全に乾燥されていなくともよい)。
3.導光板
以下、本発明に係る導光板用封止部材を用いて製造された導光板について詳述する。なお、ここで示す構成はあくまで一例であり、本発明はこれに何ら限定されない。
3−1.導光部材
本発明に係る導光部材は、公知のものが使用できる。導光部材は、光源から発せられた光を、図1(b)の導光板(100)の、光入射端面(101)(側面側)で受光し(当該光は入射光となる)、その内部を通じて、出射面(102)側に光を出射することができる。
導光部材は、板、フィルムなどの透明部材、又は、それら部材の積層物で構成されることができる。導光部材の材質は、透明部材であればよく、例えば透明樹脂やガラスなどが挙げられるが、透明樹脂が好ましく、透明性の高い熱可塑性樹脂がより好ましい。透明性の高い熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂などが挙げられる。なかでも透明性の見地から可視光領域に波長の吸収領域がないポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。
図2に示すように、導光部材(120)の側面に設置された光源(200)から導光部材に入射した光は、導光部材内面で、全反射を繰り返しながら導光部材(120)内を進む。導光部材(120)には、光が全反射する際に、反射角度を変える、図1(c)に示すような凹部(121)が、複数設けられており、当該凹部(121)で反射角度を変えられた光は、出射面(102)より外部に出射される。
本発明に係る導光部材の、光の反射角度を変える凹部(121)形状は、凹型のレンズ形状等が挙げられる。これらの構造は単独で用いられてもよく、複数の構造を組み合せて用いることもできる。凹部の形状は特に限定されないが、例えば図3(a)〜(g)等が挙げられる。
また、凹部(121)の配列は、特に限定されず、ランダムに配置されても規則的に配置されてもよい。例えば、図4(a)に示すように、導光板の光源(200)に近い側から遠い側に離れるに従い、凹部の分布密度が高くなるよう、配置することができる。また、図4(b)に示すように、導光部材の別の側部にも光源(200)を設置する場合には、出射面内の光の均一性が向上できるため、上述した凹部の配置や分布密度は適宜調整することができる。
3−2.導光板用封止部材硬化体
導光板用封止部材硬化体は、導光板用封止部材を積層する際、導光部材の凹部内部に、気体、液体又は真空の少なくともいずれか(被封止物)を封止する。このようにすることで、凹部へのゴミの付着や、傷つきによる導光板の光学特性の低下を防止できる。
より詳細には、この導光板用封止部材硬化体を形成する際には、上述したように、少なくとも一部が未硬化の状態の活性エネルギー線硬化性組成物からなる層である封止層を、導光部材表面に、導光部材の凹部内部に、気体、液体又は真空の少なくともいずれかを封止した状態で積層(貼り合わせ)する。次いで、この封止層を硬化させることで、導光板用封止部材は、封止層硬化体を有する導光板用封止部材硬化体となる。
また、凹部を有する導光部材の凹部側表面に別の層(例えば偏光板や位相差板)を積層させる際に、貼り合わせ封止を行わない場合には、当該凹部以外の導光部材の凹部側表面と、当該別の層との間に薄い空気層が入る可能性があり、干渉縞を引き起こす場合がある。本発明の導光板用封止部材硬化体を介することで、空気層の形成を防止し、干渉縞を防止することができる。
3−3.導光板の製造方法
次に、本発明に係る導光板用封止部材を用いた導光板の具体的な製造方法について詳述する。
導光板の製造方法は、特に限定されないが、一例として、以下の工程(A3)及び(A4)を含む方法が挙げられる。
工程(A3):積層工程;導光部材の凹部の内部に、被封止物(気体、液体又は真空の少なくともいずれか)を封止した状態で、導光部材の非出射面表面に、導光板用封止部材の封止層を積層する。
工程(A4):硬化工程;積層工程後、封止層を光重合反応により硬化し、封止層硬化体とする。
まず、工程(A3)に関し、導光部材の凹部の内部に、被封止物(気体、液体又は真空の少なくともいずれか)を封止した状態で、導光部材の非出射面表面に、導光板用封止部材の封止層を積層する方法は、公知の方法を用いればよく、例えば導光用封止部材を加熱する、いわゆる熱ラミネートによる方法などが挙げられる。
続いて工程(A4)に関し、積層工程後、封止層を光重合反応により硬化し、封止層硬化体とする方法も、公知の方法を用いればよく、例えば紫外線照射による方法などが挙げられる。
紫外線照射に関しては、紫外線照射装置から紫外線を照射することで行うことができる。用いる紫外線光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを用いることができる。(メタ)アクリル系化合物を、活性エネルギー線硬化性組成物成分とする組成物を用いる場合、一般的な重合開始剤が示す吸収波長を考慮すると、400nm以下の光を多く有する高圧水銀灯又はメタルハライドランプが、紫外線光源としては好ましく用いられる。
出来上がった導光板は、導光部材と同様の透明性及び屈折率を有するもの、例えば、アクリル板等で、導光部材の厚みを増やすことができる。
3−4.特性
次に、本発明に係る導光板の特性について、硬化後に得られる導光板用封止部材硬化体に基づき説明する。
3−4−1.90°剥離強度
本発明に係る導光板用封止部材硬化体の封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度(JIS K6854による)を、0.2N/25mm以上とすることができる。0.2N/25mm未満では、剥がれや浮きが発生する懸念がある。
3−4−2.算術平均粗さ(Ra)の平均値
図5に示すように、本発明に係る導光部材(120)の凹部表面形状内の封止層硬化体(113)の最大長方形形状(面積が最大となる長方形形状)において、当該長方形形状の中心点(114)を通り、かつ、当該長方形形状内で当該長方形の各辺に平行な線(117及び118)における算術平均粗さ(Ra、以降Raと称す)の平均値を、0.50μm以下とすることができる。
凹部(121)の前面を覆う封止層硬化体(111)の凹部に対向する表面(113)の領域は、通常封止を行う際、その一部が凹部に入り込み、その表面に凹凸が生まれやすく、この凹凸により導光板の光学特性が低下しやすい。
しかしながら、本発明の導光板は、封止層硬化体に、少なくとも、特定の(メタ)アクリル系グラフトポリマーを含むことにより、上記表面領域におけるRaの平均値を、0.50μm以下とすることで、導光板の光学特性が低下することを防止できる。Raの平均値は、0.10μm以下であることがより好ましく、0.02μm以下であることがさらに好ましい。
続いてRaの測定方法について、以下詳述する。
図5(a)、図5(b)は、凹部(121)と、凹部を覆う導光板用封止部材硬化体(110)の断面図であり、図5(c)は、表面粗さの測定箇所を示した模式図である。ここで図5においては、説明しやすくするため、導光部材凹部表面形状が、円形状であるものとして説明する。
導光部材の凹部表面形状内の、封止層硬化体(111)の表面(113)は、導光部材の凹部表面形状(ここでは円形状)に対し、中央付近よりも凹部周長内側付近に、少なからず封止層硬化体の埋め込み(入り込み)が起きやすいため、本発明に係わるRaの測定においては、この埋め込みが起きやすい箇所を除外して測定を行う。
すなわち、導光部材の凹部表面形状内の封止層硬化体(113)の最大長方形形状において、当該長方形形状の中心点(114)を通り、かつ、当該長方形形状内で当該長方形のある辺(115){短辺(115)}と、当該ある辺と隣り合う辺(116){長辺(116)}とに、それぞれに平行な線を、順に線1(117)、線2(118)とする。そして、当該線1(117)及び線2(118)の範囲内におけるRaを測定し、それぞれの値を、順にRa1、Ra2としたとき、全値の平均値を、本発明におけるRaの平均値とし、凹部蓋面の平滑性を評価する。
ここで測定装置は特に限定されず、公知の測定器を使用できる。例えば、接触型のプロファイル測定器や非接触型の共焦点レーザー顕微鏡を用いる方法等が挙げられ、ISO4287:1997に規定された測定方法に基づき、測定すればよい。
さらに上記では、説明しやすくするため、導光部材凹部表面形状が円形状であるものとして説明したが、導光部材凹部表面形状が円形状ではない場合においても、導光部材の凹部表面形状内の封止層硬化体(113)の最大長方形形状に対し、当該長方形形状の中心点を通り、かつ、当該長方形形状内で、当該長方形の各辺に平行な線を用いることにより、同様の測定方法にて、Raを求めることができる。
3−4−3.光学特性(C)
以下、光学特性について詳述する。図6に示したように、導光板(100)又は導光部材(120)の出射面(出射光と記載されている側の面)に対する法線方向を0°、光源から光が入射される導光板又は導光部材の端面に対して垂直な方向を90°と規定する。
光源を発した光が導光板又は導光部材の端面から入射し、導光板又は導光部材の内部を進行し、導光部材の凹部により反射・拡散されて、当該出射面から出射される。このとき上記規定した角度を基準に、−70°〜70°までの範囲に出射される光の輝度積分値をLaとし、110°〜250°までの範囲に出射される光(導光板又は導光部材の出射面とは反対側の表面である非出射面から出射される光)の輝度積分値をLbとする。即ち、Laは出射面の輝度積分値を表し、Lbは非出射面の輝度積分値を表す。さらに、非出射面からの出射光輝度を基準として、出射面からの出射光と、非出射面からの出射光の輝度の差がどれだけあるかを示す値、(La−Lb)/Lbを、光学特性(C)として定義する。
本発明では、導光板の光学特性を(Cx)とし、導光部材のみの光学特性(Cy)とした際、それらの比率である、光学特性比(Cx/Cy)が、0.3以上となるようにすることができる。
即ち、(Cx/Cy)が0.3未満であると、導光部材の本来の設計と比較して、出射面から出射される輝度が低く、非出射面へ出射される輝度が高くなっていることとなり、面状光源装置や照明装置としての能力が不足するおそれがある。
4.面状光源装置又は照明装置の用途
本発明による導光板用封止部材を用いて製造された導光板は、その導光板の側面の位置(端面)に一つ又は複数の光源を設けることで、面状光源装置又は照明装置として使用することができる。光源は公知のものを使用することができ、特に限定されないが、省サイズ化や消費電力の観点からLED光源が好ましい。
また、面状光源装置をバックライトとして使用する場合には、導光板の一方の面に、反射部材及び/又は拡散部材を設けることができる。反射部材や拡散部材は、特に限定されず、公知のものを使用すればよい。
面状光源装置又は照明装置は、表示用デバイスである透過型表示装置、反射型表示装置におけるエッジ型表示装置用の面状光源装置、及び、照明装置として使用される。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を説明するが、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
〔製造例1〕
化合物1の製造:
フラスコ内に、脱イオン水を500g、懸濁助剤であるリン酸水素2ナトリウムを1.5g加え、メタクリル酸メチルが100.12g(1モル)、メタクリル酸グリシジルが142.15g(1モル)、チオグリコール酸2−エチルヘキシルが2.5g、アゾビスイソブチロニトリルが3g入ったモノマー混合液を加えた後、フラスコ内を窒素置換しながらフラスコ内溶液を攪拌させて、混合溶液1とした後、攪拌を継続したまま、当該混合溶液1の温度を60℃に昇温させ、当該混合溶液1の温度を保持して攪拌した。当該混合溶液1の温度が60℃に到達してから1時間経過後に、アデカプルロニックF−68(ADEKA社製)を0.15g加え混合溶液2とした後、更に当該混合溶液2の温度を60℃に保持したまま、1時間攪拌した。引き続き、攪拌を継続したまま、当該混合溶液2の温度を80℃に昇温させ、当該混合溶液2の温度を保持したまま、5時間攪拌した。
得られた物を、全量の3倍量の脱イオン水を用いた水洗を、4回実施し、水分を乾燥することで重合体を得た。
次に、新たなフラスコ内に、得られた重合体を30g、メチルイソブチルブチルケトンを70g加え、フラスコ内溶液を攪拌させて、混合溶液3とした後、攪拌を継続したまま、当該混合溶液3の温度を80℃に昇温させた。当該混合溶液3の温度が80℃に到達してから、ハイドロキノンモノメチルエーテルが0.02g、トリフェニルホスフィンが0.05g、メチルイソブチルケトンが5g入った混合溶液を加えて、混合溶液4とし、更に混合溶液4の温度を80℃に保持したまま、1時間攪拌した。
その後、当該混合溶液4の温度を80℃に保持したまま、攪拌を継続し、フラスコ内に、アクリル酸が20g、メチルイソブチルケトンが10gからなる混合溶液を加え混合溶液5とし、引き続き混合溶液5の温度を80℃に保持したまま、フラスコ内を窒素置換して、30時間攪拌を行い、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマー(化合物1)溶液を合成した。
〔製造例2〕
化合物2の合成:
フラスコ内に、メチルイソブチルケトンを500g、メタクリル酸メチルを100.12g(1モル)加え、メタクリル酸グリシジルが142.15g(1モル)、チオグリコール酸2−エチルヘキシルが1.5g、アゾビスイソブチロニトリルが3g入ったモノマー混合溶液を加えた後、フラスコ内を窒素置換しながらフラスコ内溶液を攪拌させて、混合溶液6とした後、攪拌を継続したまま、当該混合溶液6の温度を85℃に昇温させ、当該混合溶液6の温度を保持してから、5時間攪拌させた。
続いて、攪拌は継続させたまま、フラスコ内の当該混合溶液6の温度を80℃に低下させて攪拌し、当該混合溶液6の温度を保持した。当該混合溶液6の温度が80℃に到達してから、ハイドロキノンモノメチルエーテルが0.15g、トリフェニルホスフィンが0.4g、メチルイソブチルケトンが40g入った混合溶液を加えて、混合溶液7とし、更に当該混合溶液7の温度を80℃に保持したまま、1時間攪拌した。
その後、当該混合溶液7の温度を80℃に保持したまま、攪拌を継続し、フラスコ内に、アクリル酸が160g、メチルイソブチルケトンが80gからなる混合溶液を加えて混合溶液8とし、引き続き当該混合溶液8の温度を80℃に保持したまま、フラスコ内を窒素置換して、30時間攪拌を行い、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマー(化合物2)溶液を合成した。
〔製造例3〕
化合物3の合成:
フラスコ内に加えるメタクリル酸メチルを10.12g(0.1モル)、メタクリル酸グリシジルを270.09g(1.9モル)とした以外は、製造例2と同様の方法を行い、側鎖にアクリロイル基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマー(化合物3)溶液を合成した。
〔導光部材の作製〕
130mm×90mmのサイズの0.2mmの厚みのPMMAのシートに、UV硬化アクリル樹脂(光重合開始剤含有)により10μmの厚みで塗布層を形成し、直径約40μmで高さが約10μmの凸レンズ型のドット形状を有する金型(凸型レンズ密度:約100個/mm)にてプレスを行いながら、PMMAのシートの塗布層と反対側の面からUV光線を照射して硬化することにより、本発明で用いる凹部を有する導光部材を作製した。得られた導光部材の表面をレーザー顕微鏡で観察し、大きさ(直径)が約40μmで深さが約8μmの凹レンズ型のドット形状が約100個/mmの密度で存在する凹部を有する導光部材が得られていることを確認した。
〔実施例1〕
ワイヤーバーを用いて、塗布基材{住友化学社製アクリルフィルム テクノロイ(100μm厚さ)}に、主材料であるアクリット 8KX−212(大成ファインケミカル社製)を固形分重量部で95重量部、IRUGACURE 184(BASFジャパン社製)を5重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルから構成される封止層製造用活性エネルギー線硬化性組成物(P1)を塗布した。プロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量は固形分率が30%となるよう調製し、活性エネルギー線硬化性組成物(P1)の塗布厚は、乾燥後の膜厚が7μmとなるよう調整した。乾燥炉内温度100℃に設定したクリーンオーブン内で、塗工膜を乾燥させ、導光板用封止部材を得た。
上記導光板用封止部材の封止層側の表面と、上記で作製した導光部材の凹部を有する表面とをラミネートすることによって仮固定した後、高圧水銀ランプで3.0J/cmの光照射を行い封止層内に残存していた未反応のアクリロイル基を十分に硬化反応させ、実施例1の導光板を得た。
本実施例1で使用した主材料に関し、名称、主構造、重量平均分子量、(メタ)アクリロイル基当量及びTg(℃)を、表1に示した。
〔実施例2、3〕
実施例1に記載のアクリット 8KX−212を、順に上記化合物1又は化合物2にそれぞれ変更し、また、有機溶剤を、各樹脂に対して溶解性を有するものに変更することの他は実施例1と同じ製法で、順に実施例2、3の導光板を得た。
本実施例2、3で使用した主材料に関し、名称、主構造、重量平均分子量、(メタ)アクリロイル基当量及びTg(℃)を、表1に示した。
〔比較例1〜3〕
実施例1に記載のアクリット 8KX−212を、順に上記化合物3、8UH−4005(大成ファインケミカル社製)又はアロニックスM305(東亞合成社製)にそれぞれ変更することの他は実施例1と同じ製法で、順に比較例1〜3の導光板を得た。
本比較例1〜3で使用した主材料に関し、名称、主構造、重量平均分子量、(メタ)アクリロイル基当量及びTg(℃)を、表1に示した。
〔比較例4〕
比較例3と同様にして調製した封止層製造用活性エネルギー線硬化性組成物を、乾燥後の膜厚が7μmとなるよう調整して塗布し、乾燥炉内温度100℃に設定したクリーンオーブン内で、塗工膜を乾燥させた。続いて高圧水銀ランプで0.2J/cmの光照射を行い、封止層を、少なくとも一部が未硬化の状態、とさせることで、導光板用封止部材を得た。その後、実施例1〜3及び比較例1〜3と同様に、上記導光板用封止部材の封止層側の表面と、導光部材の凹部を有する表面とを、ラミネートすることによって仮固定した後、高圧水銀ランプで3.0J/cmの光照射を行い封止層内に残存していた未反応のアクリロイル基を完全に硬化反応させ、比較例4の導光板を得た。
本比較例4で使用した主材料、主構造及び主構造のTg(℃)を、表1に示した。また、本比較例4では、重量平均分子量及び(メタ)アクリロイル基当量は測定不可であった。
Figure 2019178283
上記実施例及び比較例で得られた導光板を評価した。
〔封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度〕
上記実施例及び比較例の各々で得られた導光板を25mm幅に断裁し、JIS K6854に準拠する方法で、導光部材を固定しながら導光板用封止部材硬化体を引っ張ることにより、導光板用封止部材硬化体における封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度を測定した。
〔封止層硬化体の算術平均粗さ(Ra)の平均値(表面粗さ)〕
上記実施例及び比較例の各々で得られた導光板を、封止層硬化体と、導光部材との界面で剥離し、露出した封止層硬化体の表面上に、真空蒸着装置(サンユー電子社製SC−701AT)を使用して、金粒子を15nmの厚さで真空蒸着させた。このサンプルに対し、共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス社製OLS3000)を使用して、サンプル表面の観察を行い、導光部材の凹部の表面形状内の長方形のうち、面積が最大になる長方形の中心点を通り、かつ該長方形の各辺に平行な線分それぞれのRaの平均値を算出した。
〔導光板及び導光部材の光学特性比〕
図7(a)及び(b)は、導光板の光学特性評価に用いた測定装置の一例の模式図が示される。この測定装置により、実施例及び比較例の各々で得られた導光板の光学特性を、下記の方法により評価した。
まず、図7(a)のように、LED光源(200)を、実施例及び比較例の導光板(100)の光入射端面(101)に、裏面からの反射光を抑えるために黒色フェルトシート(140、和気産業社製黒色フェルトシートFU−714、厚み2mm)を、実施例及び比較例の非出射面(図7(a)の導光板(100)における下面)に、それぞれ設置した。
続いて輝度計(300)(村上色彩技術研究所社製GP−5)を用い、導光板(100)内での入射した光の進行方向(図7(a)における左から右に向かう方向)を90°、導光板出射面に対する法線方向(図7(a)における下から上に向かう方向)を0°とした際、当該規定角度を基準として、−70°〜70°までの範囲で出射面に出射される光の輝度積分値(La)を測定した。なお出射方向は、出射面法線方向を0°と規定した際の、輝度計(300)から見て光入射端面(101)の方向を−(マイナス)、その反対方向を+(プラス)とした。
次に、図7(b)に示されるように、実施例及び比較例の導光板(100)を、図7(a)とは上下逆向きに配置し、黒色フェルトシート(140)を、出射面((図7(b)の導光板(100)における下面)に、それぞれ設置した他は、図7(a)と同様に設置した。尚、規定角度は、上記図7(a)における角度を基準とした。
上記規定角度を基準として、同様に110°〜250°までの範囲で、非出射面に出射される光の輝度積分値(Lb)を測定した。なお出射方向は、非出射面の法線方向を、上記規定角度基準により180°とし、輝度計(300)から見て、光入射端面(101)の方向を−(マイナス)、その反対方向を+(プラス)とした。
以上より、非出射面からの出射光輝度を基準として、出射面からの出射光と、非出射面からの出射光の輝度との差が、どれだけあるかを示す値(La−Lb)/Lbを、光学特性(C)とし、実施例及び比較例で得られた導光板の光学特性(Cx)と、導光板用封止部材硬化体を設けていない導光部材(120)の光学特性(Cy)との比率(Cx/Cy)の値により、導光板及び導光部材の光学特性比を評価した。
〔導光板用封止部材のタックフリー性(引張りせん断接着強さ)〕
上記実施例及び比較例の各々で得られた導光板用封止部材の、導光板用封止層と、塗布基材との引張せん断接着強さを、JIS K6850に準拠した方法で測定し、これを導光板用封止部材のタックフリー性とした。
以上より得られた、実施例及び比較例の各評価結果を、表2に示した。尚、表2における評価基準は以下の通りとした。
「封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度」
○ 0.5N/25mm以上
△ 0.2N/25mm以上0.5N/25mm未満
× 0.2N/25mm未満
「封止層硬化体の算術平均粗さ(Ra)の平均値(表面粗さ)」
○ 0.10μm未満
△ 0.10μm以上0.50μm未満
× 0.50μm以上
「導光板及び導光部材の光学特性比」
○ 0.8以上
△ 0.3以上0.8未満
× 0.3未満
「導光板用封止部材のタックフリー性(引張りせん断接着強さ)」
○ 0.01MPa以上
× 0.01MPa未満
Figure 2019178283
表2に示すように、本発明実施例1〜3においては、十分なタックフリー性を有する導光板用封止部材を、導光部材と封止して硬化させた本発明導光板の、封止層硬化体が、導光部材に対し、十分な剥離強度を有し、かつ、十分な導光部材凹部蓋面に対する平滑性を有しており、導光板であっても、導光部材に対し、光学特性低下が少ない。特に実施例1は、表2記載の全ての評価項目において、優れた評価結果を示した。
封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度に関し、実施例1〜3は、いずれも(メタ)アクリルポリマーを主構造としたグラフトポリマーであるが、表1に示したように、実施例2及び3は、実施例1と比較して、(メタ)アクリロイル基当量が高く、かつ、主構造のTgが高い。このため、90°剥離強度が、実施例2及び3と比較して、高くなったものと考えられる。
また、封止層硬化体のRaの平均値に関し、実施例2、3は、上記で述べたように、いずれも(メタ)アクリルポリマーを主構造としたグラフトポリマーであり、表1における(メタ)アクリロイル基当量も同値であるが、重量平均分子量は、実施例3に対し、実施例2の値が高い。このため、実施例2の導光板用封止部材は、実施例3に対し、圧力による変形に強くなる故、封止層硬化体のRaの平均値が低くなったものと考えられる。
比較例1は、実施例1〜3と同じく、(メタ)アクリルポリマーを主構造としたグラフトポリマーであるが、表1に示すように、実施例1〜3に対し、比較例1は、(メタ)アクリロイル基当量が低く、かつ、Tgが、低くなっている。そのため、表2に示すように、硬化後における樹脂の凝集力が低く、剥離強度が低下したものと考えられる。
比較例2は、ウレタンポリマーを主構造としたグラフトポリマーであるが、表1に示すように、重量平均分子量及び(メタ)アクリロイル基当量が、他の実施例及び比較例に対し、高いもののの、Tgが低い。そのため、表2に示すように、導光板用封止部材がタック性を有し、封止層硬化体のRaの平均値が高く、導光部材に対し、導光板とした際の光学特性比が悪くなったものと考えられる。
比較例3は、主構造がアクリルモノマーであるため、導光板用封止部材は、常温下においてもタック性が発現し、さらに圧力による変形に弱いため、封止層硬化体Raの平均値が高くなり、導光部材に対し、導光板とした際の光学特性比が悪くなったものと考えられる。
比較例4は、アクリルモノマーを、光照射により半硬化させた導光板用封止部材を用いているため、表1に示すようにTgが、高くなっている。このことにより、封止層硬化体と、導光部材との界面における90°剥離強度が低くなったものと考えられる。
10 導光板用封止部材
11 封止層
12 塗布基材
100 導光板
101 光入射端面
102 出射面
110 導光板用封止部材硬化体
111 封止層硬化体
120 導光部材
121 凹部
140 黒色フェルトシート
200 LED光源
300 輝度計

Claims (6)

  1. 側面を形成する端面と、前記端面から入射した光が屈曲して出射する主面である出射面とを有し、前記出射面の反対側の表面である非出射面に複数の凹部を有する導光部材を備える導光板の製造に用いられる導光板用封止部材であり、
    前記導光板用封止部材は、
    少なくとも、封止層及び基材を備え、
    前記非出射面の表面に前記封止層が積層され、その後前記封止層が硬化されることで、前記凹部の内部に、前記導光部材の屈折率とは異なる屈折率を有する、気体、液体又は真空の少なくともいずれかを封止することを目的として用いられ、
    前記封止層は、ラジカル重合性基を有する(メタ)アクリル系グラフトポリマーと光重合開始剤とを含み、
    前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーのガラス転移温度(Tg)が45℃〜150℃であることを特徴とする導光板用封止部材。
  2. 前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーの重量平均分子量が10,000以上であることを特徴とする請求項1に記載の導光板用封止部材。
  3. 前記ラジカル重合性基が、(メタ)アクリロイル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導光板用封止部材。
  4. 前記(メタ)アクリル系グラフトポリマーの(メタ)アクリロイル基当量が300(g/eq)以上であることを特徴とする請求項3に記載の導光板用封止部材。
  5. 前記ラジカル重合性基が前記グラフトポリマーの側鎖末端に存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光板用封止部材。
  6. 端面から入射した光が屈曲して出射する主面である出射面を有し、前記出射面の反対側の表面である非出射面に複数の凹部を有する導光部材を備える導光板の製造方法であって、
    前記凹部の内部に、前記導光部材の屈折率とは異なる屈折率を有する、気体、液体又は真空の少なくともいずれかを封止する状態で、請求項1〜5のいずれかに記載の導光板用封止部材を、前記非出射面の表面に、導光板用封止部材の前記封止層を積層する積層工程と、
    前記積層工程後、光重合反応により前記封止層の硬化を行う硬化工程と
    を含むことを特徴とする、導光板の製造方法。
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