JP2019177779A - 乗員保護装置 - Google Patents

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【課題】衝突時に乗員の下肢が前方に移動することでエアバッグによる衝撃吸収、ベルトによる拘束を適切に行うことが困難に成り得る着座状態になることを、乗員の着座状態によらずに抑制可能な乗員保護装置を提供すること。【解決手段】シートと、シート内部において上方に向って駆動することが可能な駆動手段と、車両の衝突又は衝突可能性を検知する第1検知手段と、乗員の着座状態を検知する第2検知手段と、駆動手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、駆動手段は、駆動位置を変位させることが可能であり、制御手段は、車両の衝突又は衝突可能性が検知されると、乗員の着座状態に基づいて第1駆動位置を決定すると共に、決定された第1駆動位置とは異なる第2駆動位置において駆動手段を上方に駆動させた状態で、第1駆動位置に向かって駆動手段の駆動位置を変位させる制御を行う、乗員保護装置。【選択図】図2

Description

本発明は、乗員保護装置に関する。
従来、車両の乗員の下半身が前方へ移動するいわゆるサブマリン現象を抑制するための乗員保護装置が様々提案されてきた。例えば、乗員の大腿部の裏面を拘束することで乗員臀部の前方への移動を抑えるために、ベンチシートの座部における前端側株にエアバッグ装置が収納されて成る車両用ベンチシートなどがある(特許文献1参照)。
特開2002−079862号公報
しかしながら、上述したような乗員保護装置では、単一の着座状態にある乗員の保護は可能であったが、現実には想定した単一の着座状態だけでなく他の様々な着座状態が有り得る。想定とは異なる着座状態であると、衝突時に乗員の腰部及び臀部などが前方移動を生じてしまう可能性があった。
これに鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、衝突時に乗員の下肢が前方に移動することでエアバッグによる衝撃吸収、ベルトによる拘束を適切に行うことが困難に成り得る着座状態になることを、乗員の着座状態によらずに抑制可能な乗員保護装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る乗員保護装置は、乗員が着座可能なシートクッションを有するシートと、前記シートクッションの内部において上方に向って駆動することが可能な駆動手段と、車両の衝突又は衝突可能性を検知する第1検知手段と、前記シートクッションに着座する前記乗員の着座状態を検知する第2検知手段と、前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記駆動手段は、上方に駆動する駆動位置を変位させることが可能であり、前記制御手段は、前記第1検知手段によって車両の衝突又は衝突可能性が検知されると、前記第2検知手段によって検知された前記着座状態に基づいて第1駆動位置を決定すると共に、決定された前記第1駆動位置とは異なる第2駆動位置において前記シートクッションの内部で前記駆動手段を上方に駆動させた状態で、前記第1駆動位置に向かって前記駆動手段の駆動位置を変位させる制御を行う。
本発明に係る乗員保護装置において、前記駆動手段は、車両前後方向に沿って前記第2駆動位置から前記第1駆動位置に向かって前記駆動手段の駆動位置を変位させることが可能であることが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記制御手段は、前記第2検知手段によって検知された前記乗員の腰部又は臀部の前方に前記第1駆動位置を決定することが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記着座状態は、前記シートクッションにおける前記乗員の着座位置、及び、前記乗員の着座姿勢の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記駆動手段は、上方への駆動により座面を押圧することで上方へ向けて前記座面を突出変形させる突出部を有し、前記駆動位置を変位させることで前記突出部による前記座面の変形位置を変位させることが可能であることが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記突出部は、前記座面の下方で上方に展開することが可能なエアバッグ、又は、前記座面の下方でアクチュエータにより上方移動することが可能な構造体を有し、前記駆動手段は、前記突出部を移動させる移動部を有し、前記制御手段は、前記第2駆動位置から前記第1駆動位置に向かって、前記エアバッグの展開又は前記構造体の上方移動を行いつつ、前記移動部により前記突出部を移動させることで前記座面の変形位置を変位させる制御を行うことが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記突出部は、前記シートクッションに車両前後方向に複数並列され、前記座面の下方で上方に展開することが可能なエアバッグであり、前記制御手段は、前記第2駆動位置に配置される前記エアバッグから前記第1駆動位置に配置される前記エアバッグまで順次展開する制御を行うことが好ましい。
本発明に係る乗員保護装置において、前記駆動手段は、前記シートクッションの幅方向において前記突出部を複数有し、前記制御手段は、前記着座状態が前記シートクッションの幅方向の一方側に偏っている場合、決定された前記第1駆動位置より前記シートクッションの幅方向の一方側に前記第2駆動位置を設定することが好ましい。
本発明によると、衝突又は衝突予測の際に第2駆動位置において駆動手段をシートクッションの内部で上方に駆動させ、更に乗員の着座状態に応じた第1駆動位置に向かって駆動手段を移動させることで、乗員の腰部又は臀部の移動を規制可能となり、着座状態に応じた制御を行うことで様々な着座状態に対応することもできる。また、乗員の着座状態の矯正も可能である。これにより、衝突時の乗員の下肢の前方移動を抑制されるので、エアバッグによる衝撃吸収、ベルトによる拘束を適切に行うことが可能な着座状態とすること及び維持することが、乗員の着座状態によらずに可能となる乗員保護装置を提供することができる。
図1(a)〜(b)は本発明の一実施形態である乗員保護装置を示す概略図であり、図1(a)は乗員保護装置を示す側面図であり、図1(b)は乗員保護装置を示す平面図である。 図2は、図1に示した乗員保護装置における突出部を示す部分拡大説明図である。 図3(a)〜(b)は、図2に示した突出部の駆動形態を示す説明図であり、図3(a)は第2駆動位置において駆動状態の突出部を示す概略図であり、図3(b)は第1駆動位置において駆動状態の突出部を示す概略図である。 図4(a)〜(c)は図1に示した乗員保護装置の駆動工程を示す概略図であり、図4(a)は第2駆動位置において駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図であり、図4(b)は第1駆動位置において駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図であり、図4(c)は第1駆動位置において駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す平面図である。 図5は、図1に示した乗員保護装置を用いた乗員の着座状態の規制を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。 図6(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置の駆動形態とは異なる駆動形態を示す概略図であり、図6(a)は他の駆動形態において第2駆動位置で駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図であり、図6(b)は他の駆動形態において第1駆動位置で駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図である。 図7(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置の駆動形態とは異なる駆動形態を示す概略図であり、図7(a)は他の駆動形態において第2駆動位置で駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図であり、図7(b)は他の駆動形態において第1駆動位置で駆動手段が駆動した状態の乗員保護装置を示す側面図である。 図8は本発明の他の実施形態である乗員保護装置を示す側面概略図である。 図9(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置の駆動形態とは異なる駆動形態を示す平面概略図であり、図9(a)は乗員の着座状態の規制前の乗員保護装置を示す平面図であり、図9(b)は乗員の着座状態の規制後の乗員保護装置を示す平面図である。 図10は、図9に示した乗員保護装置を用いた乗員の着座状態の規制を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
本発明に係る乗員保護装置の一実施形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
なお、図1(a)〜(b)は本発明の一実施形態である乗員保護装置1を示す概略図であり、図1(a)は乗員保護装置1を示す側面図であり、図1(b)は乗員保護装置1を示す平面図である。図2は、図1に示した乗員保護装置1における突出部を示す部分拡大説明図である。図3(a)〜(b)は、図2に示した突出部の駆動形態を示す説明図であり、図3(a)は第2駆動位置P2において駆動状態の突出部を示す概略図であり、図3(b)は第1駆動位置P1において駆動状態の突出部を示す概略図である。
図1に示すように、乗員保護装置1は、シート100と、駆動手段2と、第1検知手段3と、第2検知手段4と、制御手段5とを備える。
なお、駆動手段2については図2及び図3を参照しつつ後述する。
シート100は、乗員Pが着座可能なシートクッション101と、乗員Pが背面をもたれさせることのできるシートバック102とを有する。
特に図1(b)に示すように、シートクッション101の内部において左右に一対の駆動部位(後述の突出部)が設けられている。
第1検知手段3は、車両の衝突又は衝突可能性を検知する。具体的には、第1検知手段3は、適宜のカメラ、センサなどにより車外の周辺環境の監視結果に基づいて、他車両又は障害物と自車両との衝突又は衝突可能性の有無を検知する。第1検知手段3は、検知結果を制御手段5に出力することが可能となっている。
衝突の検知は、例えば車両に搭載される加速度センサなどによって自車両に作用する衝撃を検知することで、衝突が発生したと判別することができる。
また、衝突可能性の検知は、例えば車両に搭載される車外監視用カメラ、監視用センサなどによる他車両又は障害物の監視結果と、自車両の走行速度、方向などのパラメータとを併せることで、自車両に他車両又は障害物が接触し得る可能性を導出する。更に、導出結果が適宜のしきい値を超えているか否かによって衝突可能性の高低を判別することができる。
第1検知手段3としては、例えば車載カメラ、監視用センサ、加速度センサなどと、監視結果の解析のための演算処理装置とを組合せて用いることができる。
第2検知手段4は、シートクッション101に着座する乗員Pの着座状態を検知する。具体的には、第2検知手段4は、適宜の車内監視用カメラ、センサなどにより車内の乗員Pの着座位置、及び、乗員Pの着座姿勢の少なくとも一方を検知する。第2検知手段4は、検知結果を制御手段5に出力することが可能となっている。
乗員Pの着座位置及び着座姿勢は、乗員Pの監視用カメラを用いたドライバモニタリングシステム(DMS)、シートクッション101及びシートバック102の表面に配置されて成る荷重分布を導出可能な感圧センサ、シートバック102のリクライニング角度を検出する角度センサなどを利用することで、適宜に検知することができる。
乗員Pの着座位置を第2検知手段4が検知するために様々な検知要素が挙げられるが、例えばシートクッション101において最も荷重が作用している位置を検知することで乗員Pの着座位置を定義付けすることができる。実際には図1(a)に下向きの黒色矢印で示すように乗員Pの腰部(腰椎)の下方位置、又は臀部とシートクッション101との接触位置が着座位置として定義されることができる。図1(b)には乗員Pの着座位置として、乗員Pの臀部とシートクッション101との接触領域を一点鎖線で示している。
図1に示す乗員Pの着座位置は、既存の車両に搭載されて成る乗員Pの保護デバイス、つまりフロントエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、ニーエアバッグ及びシートベルトなどによって乗員Pを保護するときに想定されている適切な着座位置である。なお、他の着座位置としては、上記適切な着座位置に対して前方、左方、右方のいずれかに乗員Pの荷重が偏った着座位置などが挙げられる。
乗員Pの着座姿勢を第2検知手段4が検知するために様々な検知要素が挙げられるが、例えば乗員Pの体の各部位の位置、体の各部位同士が成す角度などを挙げることができる。更に具体的には、乗員Pの頭部、肩部、頸部、胴部、腰部、臀部、大腿部、膝部、及び脛部などの相対角度及び相対位置、各関節の位置及び角度などが挙げられる。
図1に示す乗員Pの着座姿勢は、通常の手動運転を行う際の着座姿勢であり、乗員Pの上半身が正立した状態である。他の着座姿勢としては、シートバック102と共に上半身が後傾した状態などが挙げられる。
制御手段5は、駆動手段2の駆動を制御する。具体的には、制御手段5は、第1検知手段3及び第2検知手段4から出力された各検知結果に基づいて、駆動手段2の第1駆動位置を決定すると共に、決定した第1駆動位置とは異なる第2駆動位置において駆動手段2を駆動させる制御を行う。制御手段5は駆動手段2に対して駆動信号を出力することが可能となっている。
制御手段5としては、例えば車載用の演算処理装置であるECUなどを用いることができる。
次に、図2及び図3を参照しつつ駆動手段2について詳述する。
図1にも示したように、本実施形態に係る乗員保護装置1は、駆動手段2として左右に一対の駆動部位が並設されて成る。駆動手段2は、シートクッション101の内部において上方に向かって駆動すること、及び、上方に駆動する駆動位置を変位させることが可能である。本実施形態に係る駆動手段2は、右側突出部21R及び左側突出部21Lが設けられ、シートクッション101の下方で各突出部が駆動する領域がそれぞれ駆動部位となっている。
各駆動部位では、配置が異なる点以外は同種の部材を有しているので、突出部の構成は右側突出部21Rを一例として以下に説明する。
なお、本発明における駆動手段の第1駆動位置及び第2駆動位置は、様々に定義付けが可能であるが、例えば駆動した駆動手段により座面が突出変形する方向、つまり駆動手段が乗員の下肢を押圧する方向とすることができる。図示する実施形態についても、各エアバッグ袋体による座面の突出変形位置を第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2として説明する。
図2に示すように駆動手段2は、駆動手段2の配置領域の前部において、右側突出部21Rと収容部210とを有する。また、右側突出部21Rは、エアバッグ袋体211及びインフレータ212を有する。
エアバッグ袋体211及びインフレータ212としては既存の車載用エアバッグで用いられるものを適用することが可能である。インフレータ212は収容部210の内部に固定的に設けられる。
収容部210は、右側突出部21Rを収容する筐体であり、シートクッション101の内部に固定的に設けられる。なお、収容部210は左右に並設されて成り、一方の収容部210が右側突出部21Rを収容すると共に、他方の収容部210が左側突出部21Lを収容する。本実施形態に係る収容部210は上方が開放されて成るので後述のエアバッグ袋体211の膨張を妨げない。
本実施形態に係る駆動手段2は、右側突出部21R及び左側突出部21Lをそれぞれ可動状態とする移動部6を有する。
移動部6は、アクチュエータ61とスライドレール62とを有する。
アクチュエータ61は、右側突出部21Rの移動を行うための駆動力を発生させる動力源として機能し、適宜のモータなどを用いることができる。
スライドレール62は、座面103の下方において車両前後方向に沿って配置されるレール状部材である。収容部210は座面103の下方で直線運動用のベアリングなどを介してスライドレール62に係合配置されることで、収容部210はスライドレール62に対して摺動可能になっている。アクチュエータ61により収容部210に対して前後進させるための力を付与することで、収容部210がスライドレール62上を移動可能となる。これにより収容部210に収容される右側突出部21Rが前後移動可能となる。
なお、乗員保護装置1における右側突出部21R及び左側突出部21Lの初期位置は、特に制限はされないが、第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2が前方側及び後方側のいずれに決定されても右側突出部21R及び左側突出部21Lを迅速に到達させ易くするために、座面103の前後方向略中央部としている。
図3(a)〜(b)に示した駆動手段2の駆動形態では、駆動手段2の第1駆動位置P1が座面103の後部に制御手段5によって決定されている。なお、第2駆動位置P2は座面103の前部となっている。
図3に示す駆動手段2の一駆動形態では、右側突出部21R及び左側突出部21Lが共に駆動するようになっている。
右側突出部21R及び左側突出部21Lは、駆動手段2の駆動により、シートクッション101の座面103を下方から押圧することで、上方へ向けて座面103を突出変形させる。
右側突出部21R及び左側突出部21Lの駆動は、先ずインフレータ212に対して制御手段5からの駆動信号が入力されることで、インフレータ212内の火薬に点火される。これによりインフレータ212においてガスが発生し、このガスがエアバッグ袋体211内に圧入されることで、エアバッグ袋体211が膨張することが可能となっている。つまり、図2に示す駆動手段2の駆動は、エアバッグ袋体211の上方への展開である。
図3(a)に示す駆動状態は、突出部21R及び21Lが第2駆動位置P2において駆動した状態である。つまり、図3(a)に示す突出部21R及び21Lは上方に駆動し始めた状態である。
第2駆動位置P2は座面103上の前端部分である。なお、図3(a)には、座面103上の前後方向中央部より後方部分に決定された第1駆動位置P1が破線で示されている。
次に図3(b)に示す駆動状態は、突出部21R及び21Lが第1駆動位置P1において駆動した状態である。つまり、図3(b)に示す突出部21R及び21Lは、乗員Pの着座状態の規制を行っている状態である。図3(a)に示す駆動状態から図3(b)に示す駆動状態に移る際に、突出部21R及び21Lが上方に突出した状態を維持しつつ、第2駆動位置P2から第1駆動位置P1へとスライドレール62に沿って後方に移動する。
第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2は、いずれも乗員Pの腰部又は臀部の前方である。
特に第1駆動位置P1は、様々に決定することが可能であるが、例えば乗員Pが保護デバイスにより適切な乗員保護を受けることができる特定の着座状態に基づいて決定されることができる。座面103の突出変形した状態を維持しつつ突出部21R及び21Lの駆動位置が変位すると、乗員Pの腰部又は臀部が突出部21R及び21Lにより押圧され、移動させられることで、乗員Pの腰部又は臀部の位置が矯正されることになる。つまり、第1駆動位置P1は、突出部21R及び21Lの押圧による案内によって、乗員Pの腰部又は臀部を案内するのが好ましい位置又は案内すべき位置(目標位置)に決定することができる。乗員Pの腰部又は臀部の好適な位置としては、各種エアバッグ及びシートベルトなどの車両の保護デバイスが駆動したときに適切な保護機能が実現する位置などが挙げられる。
通常、保護デバイスからの適切な保護を受けることのできる着座状態は、着座前後位置として乗員Pの背面及び腰部をシートバック102に当接又は近接させた状態での座面103上における腰部又は臀部の位置が好ましい。この着座前後位置は、図3(a)に第1駆動位置P1として破線で示した位置に対して後方に近接する位置であり、図3(b)に第1駆動位置P1として突出部21R及び21Lが駆動している位置に対して後方に近接する位置である。これは、いわゆる深く着座したときの乗員Pの腰部又は臀部の位置である。なお、保護デバイスからの適切な保護を受けることのできる着座左右位置としては、図3に示したように、シートクッション101の幅方向略中央部に対して左右に略均等に乗員Pの荷重が分散して成る位置が好ましい。
また、保護デバイスからの適切な保護を受けることのできる着座状態において、着座姿勢としては図1及び図3に示したように乗員Pの上体が略正立状態にある姿勢であるのが好ましい。
第2駆動位置P2は、特に制限されないが、例えば第2検知手段4により検知される乗員Pの腰部又は臀部の位置に対して前方に決定することができる。なお、第2検知手段4により検知される乗員Pの腰部又は臀部の位置と第2駆動位置P2との間隔についても特に制限されるものではないが、例えば第1検知手段3により検知される衝突又は衝突可能性に応じて、乗員Pの着座状態の規制に残された時間的猶予に基づいた間隔を設定されるのが好ましい。具体的には、時間的猶予が大きい場合は上記間隔が大きくても良く、時間的猶予が小さい場合は着座状態の規制を迅速に行う必要があるので第2検知手段4により検知される乗員Pの腰部又は臀部の位置に近接して第2駆動位置P2を決定することで上記間隔を小さくするのが良い。
続いて、図1に示した乗員保護装置1を用いて乗員Pの着座状態の規制を行う際の駆動形態、及び制御工程について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
なお、図4(a)〜(c)は図1に示した乗員保護装置1の駆動工程を示す概略図であり、図4(a)は第2駆動位置P2において駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図であり、図4(b)は第1駆動位置P1において駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図であり、図4(c)は第1駆動位置P1において駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す平面図である。図5は、図1に示した乗員保護装置1を用いた乗員Pの着座状態の規制を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
図4に示す実施形態では、乗員Pがいわゆる深く着座したときの乗員Pの腰部又は臀部に対して前方かつ近接して成る位置を駆動手段2の第1駆動位置P1として決定し、着座状態の規制を行う前の乗員Pの腰部又は臀部に対して前方かつ近接して成る位置を駆動手段2の第2駆動位置P2としている。
図4(a)に示す乗員Pは、駆動手段2の駆動前において矯正される前の着座状態となっている。この着座状態を第2検知手段4が検知することで、駆動手段2の第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2が決定可能となる。
駆動手段2が駆動すると、先ず図4(a)に示すように右側突出部21R及び左側突出部21Lの各エアバッグ袋体211が第2駆動位置P2において展開することで座面103を上方に突出変形させる。
本発明に係る乗員保護装置では、シートクッションの幅方向に複数の突出部を設ける場合、突出部による座面の突出変形位置はシートクッションの幅方向に沿って揃えることが好ましい。これにより、乗員の腰部又は臀部を、突出部によってシートクッションの幅方向に沿って偏り無く前方から支持、拘束することができる。乗員の腰部又は臀部をシートクッションの幅方向に沿って偏り無く支持、拘束することで、例えば乗員の上体を車両前後方向に正対させた状態にすることができる。乗員の上体が車両前後方向に正対した状態であると、例えば各種エアバッグが乗員に対する想定した通りの保護形態を実現可能となる。
図4(a)に示した駆動手段2の駆動状態から次に図4(b)及び図4(c)に示す駆動状態となる。このとき、駆動手段2における右側突出部21R及び左側突出部21Lの各エアバッグ袋体211が展開した状態を維持しつつ第2駆動位置P2から第1駆動位置P1に移動することで座面103における上方への突出変形部位が変位する。
次に、上記乗員保護装置1を用いる際の制御について、図5を参照しつつ説明する。
先ず、第1検知手段3が自車両の衝突又は衝突可能性の有無を判別する(ステップS1)。本工程では、第1検知手段3の検知結果に基づいて、実際に衝突が発生したと第1検知手段3が判別した場合に、次工程に移る(ステップS1のYES)。また、本工程では、第1検知手段3の検知結果に基づいて、他車両若しくは障害物が自車両に接近することで増大するリスクを第1検知手段3が導出し、該リスクが適宜のしきい値を超えていれば衝突の可能性があると第1検知手段3が判別し、この場合にも同様に次工程に移る(ステップS1のYES)。
なお、第1検知手段3の検知結果では衝突の発生が無いと第1検知手段3が判別した場合は、衝突に備える必要が無く、駆動手段2を駆動させる必要も無いので、本制御フローを完了する(ステップS1のNO)。また、他車両若しくは障害物が自車両に接近していないことで衝突の可能性が無い場合、又は、他車両若しくは障害物が自車両に接近しているが上記リスクが適宜のしきい値を超えていないことで衝突の可能性が低い場合にも、同様に本制御フローを完了する(ステップS1のNO)。
第1検知手段3の判別結果は制御手段5に出力される。
衝突の発生又は衝突可能性があると第1検知手段3により判別がなされた場合は(ステップS1のYES)、乗員Pの着座状態の検知を第2検知手段4が行う(ステップS2)。本工程では、第2検知手段4が乗員Pの着座位置、着座姿勢などの着座状態の検知を行う。本工程により、例えば図4に示す乗員Pは黒色矢印において腰部又は臀部が位置し、上体が略正立状態にある着座状態が第2検知手段4により検知されることとなる。本実施形態に係る第2検知手段4は乗員Pの着座状態を検知し続け、検知結果を制御手段5に逐次出力するようになっている。
なお、第2検知手段4による検知結果を逐次出力する形態に代えて、第2検知手段4が必要に応じて検知を行うようにしても良い。つまり、第1検知手段3からの入力に応じて、制御手段5が第2検知手段4に対して駆動信号を出力することで、乗員Pの着座位置又は着座姿勢などの着座状態の検知を第2検知手段4が行い、その検知結果を第2検知手段4から制御手段5に出力される形態であっても良い。
次いで、駆動手段2の第1駆動位置P1を制御手段5が決定する(ステップS3)。前工程を経ることで、第2検知手段4による検知結果において乗員Pの着座状態が明らかになっているので、どのように矯正すれば乗員Pが好ましい着座状態となるかを導出することが可能となっている。本工程では、乗員Pを好ましい着座状態に矯正したときの駆動手段2の駆動位置が第1駆動位置P1として制御手段5により決定される。
本工程において駆動手段2の第1駆動位置P1が決定されると、現状の乗員Pの着座位置に対して前方かつ近接する領域に駆動手段2の第2駆動位置P2が制御手段5により決定される。
つまり、第2駆動位置P2は、現状の乗員Pの着座状態、つまり第2検知手段4により実際に検知された着座状態に応じて決定される駆動手段2の駆動位置である。
これに対して、第1駆動位置P1は、現状から変化してより適切な乗員保護が実現可能な乗員Pの着座状態に応じて決定される駆動手段2の駆動位置である。
なお、第2検知手段4の検知結果が、乗員Pが乗員保護デバイスによって適切な保護を受けることができる着座状態である場合は、制御手段5が決定する第1駆動位置P1と第2駆動位置P2とは同位置に決定される。
第2駆動位置P2が決定されると、初期位置から決定した第2駆動位置P2まで突出部21を移動部6が移動させる。具体的には、突出部21R及び21Lを初期位置から第2駆動位置P2まで移動させるための駆動信号が、制御手段5からアクチュエータ61に対して出力される。これにより、第2駆動位置P2に突出部21が位置した状態となる。
次に、制御手段5が駆動手段2における右側突出部21R及び左側突出部21Lの駆動制御を行う(ステップS4)。本工程では、第2駆動位置P2に位置する突出部21R及び21Lに対して制御手段5から駆動信号が入力されることで、駆動手段2における突出部21R及び21Lが駆動することとなる。これにより、エアバッグ袋体211が上方に展開することで座面103が下方から押圧されるので、座面103が第2駆動位置P2において上方に突出変形する。
更に、制御手段5が駆動手段2における移動部6の駆動制御を行う(ステップS5)。本工程では、突出部21R及び21Lを第2駆動位置P2から第1駆動位置P1まで移動させるための駆動信号が制御手段5からアクチュエータ61に対して出力される。アクチュエータ61の駆動により、収容部210がスライドレール62に摺動することで、収容部210に収容されて成る突出部21R及び21Lがスライドレール62に沿って後方に移動することになる。このとき、エアバッグ袋体211が上方に展開した状態を維持されることで、移動部6により突出部21R及び21Lが後方に移動する際に、座面103の突出変形部位が後方に変位する。
本工程が実行されると、本制御フローは完了する。
図1及び図4に示した実施形態では、座面103の下方において上方に展開することが可能なエアバッグ装置が突出部21R及び21Lとして設けられている。また、制御手段5が駆動位置を決定することは、座面103の突出変形位置を決定することにもなる。つまり、制御手段5は、決定された座面103の突出変形位置においてエアバッグ袋体を展開し、突出変形位置を変位させる制御を行うことになる。
乗員Pの腰部又は臀部の前方において座面103が上方に突出し、更に第2駆動位置P2から第1駆動位置P1まで該突出変形部位が変位することで、突出した座面103、突出部21R及び21Lによって乗員Pの腰部又は臀部が前方から後方に向かって押圧される。これにより、乗員Pの腰部又は臀部を第1駆動位置P1の後方まで変位させることで着座状態の矯正を行う。また、矯正を行っている途中、及び矯正を行った後も突出部21R及び21Lにより乗員Pの腰部又は臀部を前方から支持している状態である。よって、結果として衝突時に乗員Pの下肢が前方に移動する、いわゆるサブマリン現象の発生を抑制することができる。
したがって、衝突又は衝突予測の際に乗員Pの着座状態に応じた駆動位置(第2駆動位置P2)を以て駆動手段2をシートクッション101の内部で上方に駆動させ、更により好ましい駆動位置(第1駆動位置P1)まで変位させることで、乗員Pの腰部又は臀部の移動を規制可能となる。換言すると、衝突によって前方移動しようとする乗員Pの腰部又は臀部が、突出部21R及び21Lにより後方に移動させられた上で、前方から支持、拘束されたような状態となる。これにより、乗員Pを、車両に搭載されている保護デバイスであるエアバッグによる衝撃吸収、及びベルトによる拘束を行うことが可能な、適切な着座状態とすることができる。
なお、本実施形態では第1駆動位置P1を決定した後に第2駆動位置P2を決定しているが、本発明においては第2駆動位置を決定した後に第1駆動位置を決定するようにしても良い。つまり、第2検知手段によって検知された乗員の実際の着座状態に応じて第2駆動位置を先ず決定し、その後に乗員の移動させるべき腰部又は臀部の位置を制御手段などが導出することで第1駆動位置も決定することができる。
本発明において制御手段は、シートクッションの内部で駆動手段を上方に駆動させた状態で、第2駆動位置から第1駆動位置に向かって移動させる制御を行う。上述したように、図示した実施形態において制御手段5は、先に突出部21R及び21Lを駆動させた上で、駆動状態を維持しつつ、更に突出部21R及び21Lを移動させている。
本発明においては駆動手段の駆動と移動とは順序を様々に変更することができる。具体的には、例えば駆動手段の上方への駆動と移動とを同時に始める形態、駆動手段の移動を先に開始し、次いで駆動手段が乗員の着座状態の規制が可能な位置に達したとき又は達する前に駆動手段の上方への駆動を行う形態などを採用することができる。
ここで、駆動手段2の他の駆動形態について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
なお、図6(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置1の駆動形態とは異なる駆動形態を示す概略図であり、図6(a)は他の駆動形態において第2駆動位置P2で駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図であり、図6(b)は他の駆動形態において第1駆動位置P1で駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図である。図7(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置1の駆動形態とは異なる駆動形態を示す概略図であり、図7(a)は他の駆動形態において第2駆動位置P2で駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図であり、図7(b)は他の駆動形態において第1駆動位置P1で駆動手段2が駆動した状態の乗員保護装置1を示す側面図である。
先ず図6に示す乗員Pは、シートバック102が後傾することで乗員Pの上体も後傾している状態である。また着座状態の規制前における乗員Pの着座位置は、図1及び図4に示した着座位置と略同位置である。具体的には、図6(a)に黒色矢印で示すように、乗員Pの腰部又は臀部は、シートクッション101の前後方向略中央部位に位置している。よって、図6(a)に示す乗員Pの着座状態として、着座姿勢は上体が後傾した姿勢であり、かつ着座位置はシートクッション101の略中央部で、いわゆる深過ぎずかつ浅過ぎない着座位置であることを、第2検知手段4が検知することになる。なお、このような着座位置は、図1及び図4に示した通常の運転姿勢だけでなく、図6に示すようなリラックスした姿勢でも生じ易い。
図6に示す乗員Pの着座状態である場合、駆動手段2の駆動位置について、図4に示した実施形態と同様に、乗員Pの腰部又は臀部の前方でかつ近接する部位を第2駆動位置P2として決定することができる。また、第1駆動位置P1についても図4に示した実施形態と同様に座面103の後部に決定することができる。
これにより、乗員Pの腰部又は臀部の前方において座面103が上方に向かって突出することで、突出した座面103、突出部21R及び21Lによって乗員Pの腰部又は臀部が前方から支持される。更に、座面103の突出変形部位が後方に移動することで、乗員Pの腰部又は臀部が前方から後方に押圧されて移動させられる。これにより、図6(a)に示す着座位置から図6(b)に示す着座位置となるように矯正すると共に、着座状態を前方に変化させ難くするので、結果として衝突時に乗員Pの下肢が前方に移動する、いわゆるサブマリン現象の発生を抑制することができる。
続いて図7に示す乗員Pは、シートバック102が後傾することで乗員Pの上体も後傾している状態である。また、着座状態の規制前における乗員Pの着座位置は、図1、図4及び図6に示した着座位置より前方位置である。具体的には、図7(a)に黒色矢印で示すように、乗員Pの腰部又は臀部は、シートクッション101の前方部位に位置している。よって、図7(a)に示す乗員Pの着座状態として、着座姿勢は上体が後傾した姿勢であり、かつ着座位置はシートクッション101の前方側でいわゆる浅い着座位置であることを、第2検知手段4が検知することになる。
図7に示す乗員Pの着座状態である場合、駆動手段2の駆動位置について、乗員Pの腰部又は臀部の前方で勝つ近接する部位を第2駆動位置P2として決定することができる。また、第1駆動位置P1については、図4及び図6に示した実施形態と同様に、座面103の後部に決定することができる。
これにより、乗員Pの腰部又は臀部の前方において座面103が上方に向かって突出することで、突出した座面103、突出部21R及び21Lによって乗員Pの腰部又は臀部が前方から支持される。
更に、座面103の突出変形部位が後方に移動することで、乗員Pの腰部又は臀部が前方から後方に押圧されて移動させられる。乗員Pの腰部又は臀部が図7(a)に示したように通常の運転姿勢における着座位置に比べて前方であっても、突出部21R及び21Lの突出状態での後方移動によって、乗員Pの腰部又は臀部は後方に押されて移動させられることとなる。これにより、図7(a)に示す着座位置から図7(b)に示す着座位置となるように矯正すると共に、着座状態を前方に変化させ難くするので、結果として衝突時に乗員Pの下肢が前方に移動する、いわゆるサブマリン現象の発生を抑制することができる。
図1及び図4に示したように乗員Pの上体が正立状態である場合、前方からの衝突が生じると、乗員Pの腰部及び臀部は、シートクッション101に一旦沈み込むように下方に移動した後に前方に移動し始めることがある。
図4に示す乗員Pの着座状態に起因した乗員Pの体の動きに対しては、駆動手段2の右側突出部21R及び左側突出部21Lを共に駆動することで、沈み込む乗員Pの腰部又は臀部と突出部21R及び21Lとが車両前後方向でより確実に重複する位置関係となる。これにより、前方に移動しようとする乗員Pの腰部又は臀部が駆動した駆動手段2に対して引っ掛かるように前方から支持され易い。
これに対して、図6及び図7に示すように乗員Pの上体が後傾している場合、前方からの衝突が生じると、乗員Pの腰部及び臀部は、シートクッション101に沈み込みが少なく、座面103上で前方に滑るように移動する可能性がある。このような衝突時における乗員Pの下肢の移動は、特に図7に示す着座状態において生じ易く、衝突時に乗員Pの着座状態の規制を迅速かつ確実に行う必要がある。
なお、図7(a)に示す着座状態は、乗員Pの下肢の前方移動が短距離でも生じると、乗員Pの腰部又は臀部が座面103より前方に外れ、シートベルトが乗員Pの腹部に食い込んでしまう可能性がある。つまり、エアバッグによる保護、ベルトによる拘束が適切に行うことが困難となるまでの距離的猶予が少ないので、乗員Pの下肢の前方移動を可能な限り抑制する必要がある。
これに鑑みて、駆動手段2の第2駆動位置P2、駆動タイミング及び上方への駆動量の少なくともいずれかを、図6(a)及び図7(a)に示す乗員Pの着座状態に起因する乗員Pの体の動きをより確実に抑制可能な形態に変更するのが好ましい。
なお、図6及び図7を参照しつつ上述したように、図6及び図7に示した駆動形態であれば乗員Pの着座状態の規制を行うことができ、乗員Pの下肢の前方移動を抑制可能ではあるが、より確実に達成するための変形例を以下に説明する。
具体的には、例えば座面103において図6及び図7では乗員Pの腰部又は臀部の前方かつ近接した部位に決定していた第2駆動位置P2を、座面103前端部に決定する形態を挙げることができる。これにより、突出部21R及び21Lが第1駆動位置P1まで移動する際に、乗員Pの腰部又は臀部を後方に押圧する前段階として、大腿部の膝側部位を上方に傾斜させ、かつ後方に押圧することになる。乗員Pの腰部又は臀部を突出部21R及び21Lが直接押す前に、可能な限り乗員Pの下肢を後方に押して移動させておくことができる。
また、例えば駆動手段2の駆動タイミングを早める形態、好ましくは衝突予測が検知された時点で駆動手段2を駆動する形態を挙げることができる。これにより、衝突によって生じ得る座面103上における乗員Pの下肢の前方移動が生じる前に第1駆動位置P1まで突出部21R及び21Lを移動させ、乗員Pの着座状態の矯正を衝突前に確実に完了しておくことができる。矯正が完了した乗員Pの着座状態は、上述したように乗員Pの腰部又は臀部がシートクッション101に沈み込むように変位し易いので、駆動手段2による前方からの支持によってサブマリン現象を抑制し易くなり、好ましい。
更に、例えば駆動手段2の上方への駆動量(突出高さ)を大きくする形態を挙げることもできる。この形態では、少なくとも図6(a)及び図7(a)に示す乗員Pの着座状態が第2検知手段4により検知されたときに、駆動手段2の上方への駆動量を大きくする。駆動手段2の上方への駆動量を大きくする、すなわち突出部21R及び21Lの上方への突出量を大きくすると、乗員Pの腰部又は臀部をより確実に後方に押圧することが可能となり、乗員Pの着座状態の矯正を確実に達成することができる。なお、第2検知手段4によって検知される着座状態に依らずに、つまり座面103における第2駆動位置P2の位置に依らずに、上方への駆動量を大きくするようにしても良い。また、駆動手段2の上方への駆動量を可変にすることで、図6(a)及び図7(a)に示す乗員Pの着座状態を第2検知手段4が検知したときのみ上方への駆動量を大きくするようにしても良い。
以上に説明したように、図1〜7に示した実施形態に係る乗員保護装置1は、駆動手段2を駆動させた状態で、駆動手段2の駆動位置を車両前後方向において第2駆動位置P2から第1駆動位置P1へと変位させることが可能である。
将来的に自動運転車両では手動運転を行っていた乗員Pがステアリングホイールから手を離して図6及び図7に示したようなリラックスした着座状態となることが可能になると考えられる。
これに対して、乗員保護装置1は、着座状態に応じた駆動位置(第2駆動位置P2)から適切な位置(第1駆動位置P1)まで移動させる駆動手段2の駆動制御を行う。これにより、様々な着座姿勢であっても乗員Pの下肢の前方移動を抑制することが可能である。エアバッグ及びシートベルトなどの車両の保護デバイスの乗員保護性能を低下させることが無い又は少ない。
次に、駆動手段について他の形態を採用して成る乗員保護装置11について、図8を参照しつつ説明する。
なお、図8は本発明の他の実施形態である乗員保護装置11を示す側面概略図である。以下においては乗員保護装置11における上記乗員保護装置1との相違点について説明することとし、共通する部材は同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示す乗員保護装置11は、上記乗員保護装置1の駆動手段2に代えて、駆動手段220を備える。駆動手段220は突出部21と収容部210と移動部60とを有する。上記駆動手段2と図8に示した駆動手段220との相違点は、突出部21の初期位置と移動部60による突出部21の移動経路とを挙げることができる。
突出部21は、初期位置としてシートクッション101前側下方に配置される。移動部60のスライドレール602は、車両上下方向に延在する上下延在部603、及び車両前後方向に延在する前後延在部604を有する。図8に示すように突出部21の初期位置には上下延在部603が座面103近傍まで延在するように設けられ、上下延在部603の上端部には前後延在部604が設けられている。
制御手段51は、移動部60に対するアクチュエータ601の駆動信号と、突出部21に対する駆動信号とを出力することが可能となっている。
乗員保護装置11を用いる際の制御としては、図5における第1駆動位置P1の決定工程(ステップS3)と第2駆動位置P2における突出部21の駆動工程(ステップS4)との間に、移動部60による突出部21の準備移動工程を実行する。この準備移動工程は、上述した突出部21を駆動させつつ第1駆動位置P1まで移動させる工程(ステップS5)とは異なる移動工程であり、突出部21の駆動前に第2駆動位置P2に突出部21を配置するための上下移動及び前後移動を用いた工程である。本工程により、決定した第2駆動位置P2まで突出部21を移動させた状態とすることができる。具体的には、先ず突出部21をシートクッション101における前側下方の初期位置から第2駆動位置P2まで移動させるための駆動信号が、制御手段51からアクチュエータ601に対して出力される。このとき突出部21は、上下延在部603に沿って座面103近傍まで上方移動した後に、決定された適宜の第2駆動位置P2まで前後延在部604に沿って後方移動する。次いで、上述したステップS4の通り、第2駆動位置P2に位置する突出部21に対して制御手段51から駆動信号が出力されることで、エアバッグ袋体211が上方に展開する。
これにより、図4、図6及び図7で示した駆動制御と同様に、乗員Pの着座状態、つまり乗員Pの着座位置及び着座姿勢に応じた第2駆動位置P2において、突出部21による座面103の上方への突出変形が可能となる。
また、突出部21の初期位置が座面103から離れてシートクッション101の下方に設定されているので、乗員Pが着座した際に駆動手段220が座面103を介して乗員Pの臀部又は大腿部などに干渉しにくくなり、乗員Pが着座時の異物感を生じることが無い。
更に、突出部21の第2駆動位置P2への準備移動工程において、先ず上下延在部603に沿って座面103近傍まで突出部21を移動させることで、乗員Pの着座状態に規制力を付与し得るエアバッグ袋体211を展開させる準備が整う。仮に、周辺環境の変化によって第1検知手段3により導出された衝突発生までの時間的猶予が急激に小さくなったとしても、突出部21を緊急的に駆動させることで座面103を迅速に突出変形させることが可能である。つまり、図8に示した実施形態は、突発的な周辺環境の変化にも対応可能である。
なお、本発明においては、突出部21が移動部60によって初期位置から一旦上方移動することを、駆動手段の上方に向かって駆動することに含めることとしても良い。つまり、図8に示す実施形態では、移動部60による突出部21の上方移動と、突出部21自体の上方へのエアバッグ袋体211の展開との、2段階の上方への駆動形態が採用されていることとなる。
更に、図4、図6及び図7に示した駆動手段とは別の駆動形態を採用した乗員保護装置12について、図9及び図10を参照しつつ説明する。
なお、図9(a)〜(b)は図4に示した乗員保護装置1の駆動形態とは異なる駆動形態を示す平面概略図であり、図9(a)は乗員Pの着座状態の規制前の乗員保護装置12を示す平面図であり、図9(b)は乗員Pの着座状態の規制後の乗員保護装置12を示す平面図である。図10は、図9に示した乗員保護装置12を用いた乗員Pの着座状態の規制を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
図9に示す乗員保護装置12は、制御手段52以外は、図1に示した乗員保護装置1と同一部材を備えている。制御手段52については、上記制御手段5に対して制御内容が異なるので、図10を参照しつつ後述する。
なお、乗員保護装置12を用いるのに好適な状況としては、例えば乗員Pの着座状態がシートクッション101の幅方向の一方側に偏っている状況が挙げられる。例えば図9(a)に一点鎖線で示すように、乗員Pからの荷重がシートクッション101に対して最も作用する部位が、図4に示した着座状態に比べて左方に偏っていることがある。これは、乗員Pが足を組んでいる着座状態、アームレストに上体をもたれさせている着座状態などによって生じる着座状態の偏りである。
図10に示す乗員保護装置12を用いる際の制御フローでは、第1検知手段3による衝突の発生又は衝突可能性の増大の有無を判別する工程(ステップS1)と、第2検知手段4による乗員Pの着座状態の検知工程(ステップS2)とは、図5に示したものと同様に実行される。
乗員Pの着座状態の検知工程(ステップS2)の後に、着座状態の検知結果において乗員Pの着座状態がシートクッション101の幅方向の一方側に偏っているか否かを、第2検知手段4が判別する(ステップS6)。本工程では、第2検知手段4が、シートクッション101の幅方向略中央部に対して左右に均等に乗員Pの荷重が作用しているか否かを、座面103に作用する圧力分布、車内監視用カメラによる乗員Pの着座位置及び着座姿勢などを用いて導出する。
乗員Pの着座状態がシートクッション101の幅方向の一方側に偏っていないと第2検知手段4が判別した場合(ステップS6のNO)、駆動手段2の第1駆動位置P1の決定工程(ステップS3)と、併せて第2駆動位置P2の決定工程と、第2駆動位置P2における突出部21の駆動工程(ステップS4)と、突出部21の駆動を維持した状態での突出部21の第2駆動位置P2から第1駆動位置P1までの移動工程(ステップS5)とは、図5に示した制御フローと同様に実行され、本制御フローは完了する。なお、突出部21の駆動工程(ステップS4)では、右側突出部21R及び左側突出部21Lが同時に駆動される。
乗員Pの着座状態がシートクッション101の幅方向の一方側に偏っていると第2検知手段4が判別した場合(ステップS6のYES)、着座状態の偏り状態の検知を第2検知手段4が行う(ステップS7)。着座状態の偏り状態の検知要素としては、例えばシートクッション101の幅方向略中央部に対して偏っている側(左右のいずれか)、幅方向略中央部に対する偏りの大きさ(距離)などを挙げることができる。本工程で得られる着座状態の偏り状態に係る詳細な検知結果は、駆動手段2の駆動位置及び駆動順序などを決定するためのパラメータとして用いることができる。図9に示した乗員Pの着座状態では、着座前後位置は図1及び図4に示した着座状態と略同位置であるが、シートクッション101の幅方向略中央部に対して左側に偏っていると検知される。
着座状態の偏り状態に係る検知結果は第2検知手段4から制御手段52に出力される。
続いて、前々工程(ステップS2)において第2検知手段4により検知された乗員Pの着座状態に応じた駆動手段2の第1駆動位置P1を制御手段52が決定する(ステップS3)。本工程は、着座状態に偏りが無いと判別された場合(ステップS6のNO)における、上述した第1駆動位置P1の決定工程(ステップS3)と同一工程である。このとき、第2駆動位置P2も併せて決定される。上述したように、図9に示した乗員Pの着座前後位置は図1及び図4に示した着座状態と略同位置であるので、第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2は図1及び図4に示した位置と同位置に決定される。
なお、次工程に移る前に、制御手段52が移動部60に駆動信号を出力することで、右側突出部21Rを決定した第1駆動位置P1まで移動させると共に、左側突出部21Lを決定した第2駆動位置P2まで移動させておくのが良い。
次に、決定された第2駆動位置P2において、シートクッション101の幅方向の一方側の突出部を駆動させる(ステップS31)。本工程では、着座状態の偏在側(上記一方側)に位置する左側突出部21Lに対して制御手段52が駆動信号を出力することで、第2駆動位置P2に配置されて成る左側突出部21Lのエアバッグ袋体211が上方に展開する。なお、本工程では右側突出部21Rに対して制御手段52からの駆動信号は出力されない。つまり、図9(a)に示すように、左側突出部21Lは乗員Pの前方かつ近接した第2駆動位置P2において駆動することで座面103を左側(上記一方側)のみ局所的に突出変形させると共に、右側突出部21Rは第1駆動位置P1において駆動しないことで座面103の右側(上記他方側)は突出変形しない。
本工程により、シートクッション101の幅方向の一方側に偏在する着座状態となっている乗員Pの腰部又は臀部の前方かつ近接した領域において、左側突出部21Lが座面103を上方に突出変形させる。これにより、乗員Pの着座状態の規制を行う準備が整うことになる。
次いで、シートクッション101の幅方向の一方側の突出部の駆動状態を維持しつつ、第2駆動位置P2から第1駆動位置P1まで突出部を移動させる(ステップS51)。本工程では、前工程で駆動状態となった着座状態の偏在側(上記一方側)の左側突出部21Lに付設される移動部60に対して制御手段52が駆動信号を出力する。これにより、エアバッグ袋体211の展開という駆動形態を維持した状態の左側突出部21Lが、第2駆動位置P2から第1駆動位置P1まで移動する。なお、本工程でも右側突出部21Rに対して制御手段52からの駆動信号は出力されない。つまり、荷重の作用形態が左側に偏っている乗員Pの腰部又は臀部を、左側突出部21Lが後方に押圧して第1駆動位置P1まで移動させる。なお、右側突出部21Rは、第1駆動位置P1において未だ駆動しないことで座面103の右側(上記他方側)は突出変形しない。
続いて、図9(b)に示すように、第1駆動位置P1において、シートクッション101の幅方向の一方側から他方側に向かって座面103を順次変形させる(ステップS8)。具体的には、第1駆動位置P1において着座状態の偏在側(上記一方側)の左側突出部21Lが既に駆動状態であるので、第1駆動位置P1において着座状態の非偏在側(上記他方側)の右側突出部21Rを駆動させる。
図9(b)には、左側突出部21L及び右側突出部21の駆動順序を番号で図示している。
シートクッション101の幅方向における着座状態が偏っている側(一方側)から偏っていない側(他方側)に向かって左右の突出部を順次駆動することで、乗員Pの腰部又は臀部は、着座状態の偏っていない側に突出部21L及び21Rによって押圧される。これにより、偏っていた乗員Pの着座状態を、図4に示した着座状態、具体的にはシートクッション101の幅方向略中央部に対して左右に均等な着座状態に近付けることができる。つまり、シートクッション101の幅方向に沿った駆動手段2の駆動によって、乗員Pの着座状態の矯正を行うことができる。
なお、前工程により車両前後方向に乗員Pの腰部又は臀部を押圧した左側突出部21Lの駆動を一度解除することで座面103の突出変形を一旦無くし、偏在側の左側突出部21Lと非偏在側の右側突出部21Rとを順次駆動しても良い。つまり、左側突出部21Lは、第2駆動位置P2での駆動、第1駆動位置P1への後方移動、及び第1駆動位置P1での駆動解除を経て、第1駆動位置P1での再度の駆動が実行されることになる。このような形態であれば、シートクッション101の幅方向に沿って順次駆動する突出部21L及び21Rから乗員Pに対して確実に幅方向への押圧力を作用させることができる。結果として、乗員Pの着座状態の左右の偏りをより確実に解消することができるようになる。
なお、先に駆動する左側突出部21Lは、第1駆動位置P1における駆動によって座面103を上方に突出変形させた後に、少なくとも右側突出部21Rの駆動が完了するまで駆動状態を維持するのが良い。好ましくは、衝突時の乗員保護デバイスの駆動が完了するまでは、左側突出部21Lは、駆動状態を維持して座面103を突出させ続けるのが良い。これにより、左右の突出部21L及び21Rが協働して乗員Pの下肢の前方移動を抑制することができるので、乗員Pの着座状態の矯正と、矯正して適切なものとなった着座状態の維持とを両立することができる。
図1〜図10において駆動手段は上方に展開するエアバッグ袋体を有する突出部として図示及び説明を行ったが、本発明における駆動手段は、塊状の発泡樹脂などから成る構造体が適宜のアクチュエータにより上方移動することで座面を下方から押圧して突出変形させる形態であっても良い。
なお、図9に示す駆動手段220の駆動形態では、右側突出部21Rを駆動させない状態で第1駆動位置P1まで予め移動させておく形態であった。
これに代えて、先ず左側突出部21Lと右側突出部21Rとを第2駆動位置P2に配置し、左側突出部21Lのみを駆動させて座面103の左側を突出変形させ、更に左側突出部21L及び右側突出部21Rを共に第1駆動位置P1まで移動させ、次いで第1駆動位置P1において右側突出部21Rを駆動させる形態を採ることもできる。
この形態では、左側突出部21Lと右側突出部21Rとを独立して別の位置まで移動させる制御が不要となるので、制御手段52による駆動手段220の駆動制御の簡略化を図ることができ、好ましい。
また、左側突出部21Lの駆動状態での移動により乗員Pの腰部又は臀部を第2駆動位置P2から第1駆動位置P1まで移動させる間に、乗員Pの着座姿勢などが変化して着座状態の左右の偏りが解消する可能性もある。この場合には、左側突出部21L及び右側突出部21Rを共に移動させつつ、移動途中で右側突出部21Rのエアバッグ袋体211も展開させることで、上述した突出部21R及び21Lの移動工程(ステップS5)と同様の駆動形態となるので、乗員Pの着座状態の矯正を問題なく行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1、11及び12:乗員保護装置、2及び220:駆動手段、21:突出部、21R:右側突出部、21L:左側突出部、211:エアバッグ袋体、212:インフレータ、210:収容部、3:第1検知手段、4:第2検知手段、5、51及び52:制御手段、6及び60:移動部、61及び601:アクチュエータ、62及び602:スライドレール、603:上下延在部、604:前後延在部、100:シート、101:シートクッション、102:シートバック、103:座面、P:乗員

Claims (8)

  1. 乗員が着座可能なシートクッションを有するシートと、
    前記シートクッションの内部において上方に向って駆動することが可能な駆動手段と、
    車両の衝突又は衝突可能性を検知する第1検知手段と、
    前記シートクッションに着座する前記乗員の着座状態を検知する第2検知手段と、
    前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、
    前記駆動手段は、上方に駆動する駆動位置を変位させることが可能であり、
    前記制御手段は、前記第1検知手段によって車両の衝突又は衝突可能性が検知されると、前記第2検知手段によって検知された前記着座状態に基づいて第1駆動位置を決定すると共に、決定された前記第1駆動位置とは異なる第2駆動位置において前記シートクッションの内部で前記駆動手段を上方に駆動させた状態で、前記第1駆動位置に向かって前記駆動手段の駆動位置を変位させる制御を行う、
    乗員保護装置。
  2. 前記駆動手段は、車両前後方向に沿って前記第2駆動位置から前記第1駆動位置に向かって前記駆動手段の駆動位置を変位させることが可能である、
    請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記制御手段は、前記第2検知手段によって検知された前記乗員の腰部又は臀部の前方に前記第1駆動位置を決定する、
    請求項1又は2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記着座状態は、前記シートクッションにおける前記乗員の着座位置、及び、前記乗員の着座姿勢の少なくとも一方を含む、
    請求項1〜3のいずれかに記載の乗員保護装置。
  5. 前記駆動手段は、上方への駆動により座面を押圧することで上方へ向けて前記座面を突出変形させる突出部を有し、前記駆動位置を変位させることで前記突出部による前記座面の変形位置を変位させることが可能である、
    請求項1〜4のいずれかに記載の乗員保護装置。
  6. 前記突出部は、前記座面の下方で上方に展開することが可能なエアバッグ、又は、前記座面の下方でアクチュエータにより上方移動することが可能な構造体を有し、
    前記駆動手段は、前記突出部を移動させる移動部を有し、
    前記制御手段は、前記第2駆動位置から前記第1駆動位置に向かって、前記エアバッグの展開又は前記構造体の上方移動を行いつつ、前記移動部により前記突出部を移動させることで前記座面の変形位置を変位させる制御を行う、
    請求項5に記載の乗員保護装置。
  7. 前記突出部は、前記シートクッションに車両前後方向に複数並列され、前記座面の下方で上方に展開することが可能なエアバッグであり、
    前記制御手段は、前記第2駆動位置に配置される前記エアバッグから前記第1駆動位置に配置される前記エアバッグまで順次展開する制御を行う、
    請求項5に記載の乗員保護装置。
  8. 前記駆動手段は、前記シートクッションの幅方向において前記突出部を複数有し、
    前記制御手段は、前記着座状態が前記シートクッションの幅方向の一方側に偏っている場合、決定された前記第1駆動位置より前記シートクッションの幅方向の一方側に前記第2駆動位置を設定する、
    請求項5〜7のいずれかに記載の乗員保護装置。
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