JP2019177111A - 歩行支援装置 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、傾動フレームの一端部取付位置(ヒンジの回転中心)よりも前側に、電動伸縮アクチュエータの一端部を連結するためのベースの連結部を設ける必要があるため、ベースの前後方向長さが長くなってしまう。従って、前後に長い装置となってしまい、装置を旋回させたりする際等に小回りの利かない取扱い性の悪い歩行支援装置となってしまうという課題があった。
本発明は、装置の前後長さを短くでき、装置を旋回させたりする際等の取扱い性に優れた歩行支援装置を提供する。
また、支持手段は、下端がベースの前側に揺動可能に取付けられた支柱と、支柱の上端に設けられた支持部と、連結機構とを備え、支柱は、下側支柱と上側支柱とを備えて構成され、上側支柱は、上端が支持部に連結されて下端が開口する中空柱により構成され、下側支柱は、下端がベースの前側に揺動可能に取付けられて、上端側が上側支柱を構成する中空柱の下端開口より中空柱内に挿入された柱により構成され、上側支柱は、下側支柱の延長方向に沿って移動可能で、かつ、上端に取付けられた支持部の高さを変更可能なように下側支柱に取付けられ、連結機構は、管と、管の他端開口を介して当該管内に挿入されたスライド部材とを備え、一端部がベースに揺動可能に取付けられるとともに、他端部が上側支柱の下端部に揺動可能に取付けられて伸縮可能に構成され、起立動作支援時、及び、着座動作支援時において、伸縮手段の伸縮に伴って連結機構も伸縮するように構成されたので、上側支柱を上下方向に容易に移動させることができるようになり、支持部の高さ調整作業が容易な歩行支援装置となる。
また、ベースの後側には、上方に延長するように設けられた取付支柱を備え、伸縮手段の一端部が取付支柱の上端側に揺動可能に取付けられるとともに、連結機構の管の一端部が取付支柱の上端側における伸縮手段の一端部取付位置よりも上方側に揺動可能に取付けられたので、当該伸縮手段の中心軸の延長方向が水平方向に近づく状態に当該伸縮手段を設置できるようになって、伸縮手段を駆動させる駆動力を小さくできるようになり、駆動出力の小さい小型で安価な伸縮手段を使用することが可能となるため、歩行支援装置の低コスト化が図れるようになる。
また、支柱は、一端部がベースの前左側に揺動可能に設けられた左支柱と、一端部がベースの前右側に揺動可能に設けられた右支柱とを備え、当該左支柱及び右支柱の他端側に支持部が設けられ、伸縮手段は、一端部がベースの後左側に揺動可能に取付けられて他端部が左支柱に揺動可能に取付けられた左伸縮手段と、一端部がベースの後右側に揺動可能に取付けられて他端部が右支柱に揺動可能に取付けられた右伸縮手段とを備えたので、起立動作支援手段及び着座動作支援手段の動作確実性の高い歩行支援装置を提供できる。
実施形態1に係る歩行支援装置1は、図1に示すように、ベース2と、ベース2に設けられた移動手段3と、移動手段3に設けられた制動手段4と、ベース2に設けられた装置本体部5と、使用者Aが装着する例えばズボン等の装着具Bと装置本体部5とを連結する連結手段6とを備えて構成される。
装置本体部5は、支持手段7と、アクチュエータとなる伸縮手段としての例えばシリンダ8と、体重免荷手段9と、アウトリガー10と、起立動作支援手段と、着座動作支援手段と、起立動作支援時制動手段と、着座動作支援時制動手段と、使用者転倒防止手段と、弾性支持手段とを備えて構成される。
尚、以下、当該歩行支援装置1を使用する要介護者、障害者、リハビリ訓練者等の使用者Aの前側を「前」、左側を「左」、右側を「右」、後側を「後」と定義して説明する。
以下、ベースフレーム21の左側をベースフレーム左部22、ベースフレーム21の右側をベースフレーム右部23、ベースフレーム21の前側をベースフレーム前部24という。
当該旋回キャスター31は、例えば車輪32が床面等の路面Rと平行(水平)に延長する中心軸(シャフト)33を介して回転可能なようにフォーク34に取付けられ、かつ、フォーク34が路面Rと垂直に延長する中心軸(シャフト)35を介して回転可能なように取付座36を介してベースフレーム21に取付けられた構成である。
また、旋回キャスター31は、車輪32の回転を停止させる制動手段4を備える。
当該制動手段4は、例えば、電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー、ブレーキワイヤー等の動力源を利用した、電磁ブレーキ、ドラムブレーキ、キャリパーブレーキ等のブレーキにより構成される。
例えば、旋回キャスター31として、ドラムブレーキユニット付きのキャスターが使用されている。
旋回キャスター31は、例えば図1に示すように、ベースフレーム左部22の後端側、ベースフレーム右部23の後端側、及び、ベースフレーム前部24の左右側に、それぞれ1つずつ設けられている。
アウトリガー10は、歩行支援装置1が後方に傾いて転倒してしまうことを防止するための装置である。
アウトリガー10は、例えば自由蝶番11を介して、路面Rに沿った水平方向に揺動可能に取付けられ、かつ、自由蝶番11に内蔵されたばねの力によって初期状態(初期位置)に復帰するように構成されている。
従って、アウトリガー10に力が加わった場合に、アウトリガー10が揺動するので、アウトリガー10が壁等の障害物等に衝突したとしても歩行支援装置1の旋回や移動の妨げにならないようになる。
また、アウトリガー10が障害物等に衝突して路面Rに沿った方向に揺動している時以外、即ち、アウトリガー10に力が加わわらなくなった場合には、アウトリガー10は常に初期状態に復帰して、装置後方転倒防止機能を発揮できる状態となる。
左支柱71の下側支柱74は、下端(一端)がベースフレーム左部22の前側にヒンジ74aを介して前後方向に揺動可能となるように連結され、上端(他端)は支持台73から突出するように設けられた上側支柱73aを挿入するための開口74bに形成されている。
右支柱72の下側支柱74も同様に、下端(一端)がベースフレーム右部23にヒンジ74aを介して前後方向に揺動可能となるように連結され、上端(他端)は支持台73から突出するように設けられた上側支柱73aを挿入するための開口74bに形成されている。
また、下側補助支柱75と上側補助支柱73bとを備えて構成された補助支柱を備え、当該下側補助支柱75の下端側75aが下側支柱74の延長方向のほぼ中間位置に連結され、当該下側補助支柱75の上端は支持台73から突出するように設けられた上側補助支柱73bを挿入するための開口75bに形成されている。
尚、下側支柱74には、上下方向に所定の間隔を隔てて図外の複数の高さ位置決め孔が形成されているとともに、上側支柱73aにも図外の高さ位置決め孔が形成されている。従って、上側支柱73aを開口74bを介して下側支柱74の内側に挿入した後、上側支柱73aの高さ位置決め孔と下側支柱74に形成されたいずれかの高さ位置決め孔とを一致させた状態でこれら高さ位置決め孔に図外の固定ねじ等の固定手段を嵌め込むことにより、支持台73の高さを使用者Aの身長に合わせて調整できるように構成されている。即ち、上側支柱73aは、下側支柱74の延長方向に沿って移動可能に構成され、上端に取付けられた支持台73の高さを変更可能なように下側支柱74に取付けられた構成となっている。
また、下側補助支柱75の開口75b側には、例えば図外の固定ねじ等の固定手段が設けられている。即ち、当該固定ねじを下側補助支柱75に形成された図外のねじ貫通孔にねじ込んで上側補助支柱73bを押圧して当該上側補助支柱73bの外周面を下側補助支柱75の内周面に押し付けることによって、上側補助支柱73bを下側補助支柱75に固定できるように構成されている。
つまり、支持手段7は、支持台73の高さを使用者Aの身長に合わせて調整できる支持台高さ調整機構を備えている。
また、左右の下側支柱74,74は、例えば断面円形状の鉄パイプ等により形成された上下の補強桟74x,74yにより連結されている。
テーブル面76の前側の左右には、当該テーブル面76より上方に突出するように設けられた左右のハンドルグリップ77,77が設けられている。
また、テーブル面76の前側の中央側には、体重免荷手段9による体重免荷量を調整するための調整ダイヤル70A、歩行支援装置1の各電気部品への電源供給をオンオフするための電源オンオフ用の電源キースイッチ70B、歩行支援装置1に起立動作支援を行わせるか着座動作支援を行わせるかを切替えるための切替スイッチ70Cを備える。
当該昇降レバー78は、テーブル面76の前側端面の左側より前方に突出した後、上方に延長して、かつ、右側方向に水平に延長した後、さらに、下方に延長し、かつ後方に延長してテーブル面76の前側端面の右側に繋がるように形成されたパイプフレーム等により構成されている。
即ち、昇降レバー78は、テーブル面76の前側端面の左側より前方に突出する左連結部78aと、左連結部78aの前端より右側上方に延長する左立上がり部78bと、テーブル面76の前側端面の右側より前方に突出する右連結部78cと、右連結部78cの前端より左側上方に延長する右立上がり部78dと、左立上がり部78bの右端と右立上がり部78dの左端とを連結する水平部78eとを備える。
昇降レバー78は、例えば断面円形状の鉄パイプ等を組み合わせて溶接したり、断面円形状の鉄パイプ等を折曲する等して形成される。
即ち、手A1で水平部78e及び可動カバー78fを握ると、ばね78j,78jが縮んで可動カバー78fが水平部78eの外面に近付くことで、スイッチ接触子78gの先端がスイッチ78iに接触してスイッチ78iがオンとなるように構成されている。
また、可動カバー78fから手A1を離したり、握りを緩めたりすることによって、可動カバー78fがばね78j,78jの力で水平部78eの外面から離れる方向に移動し、スイッチ接触子78gの先端がスイッチ78iから離れてスイッチ78iがオフとなるように構成されている。
つまり、昇降レバー78は、手A1で握ることでシリンダ8を作動させ、手A1を離したり、握りを緩めたりすることによって、シリンダ8を停止させるスイッチ機構を備えた構成となっている。
シリンダ8としては、例えば、電動シリンダが用いられる。
当該電動シリンダは、例えば図外のモータと、モータにより回転するボールねじと、当該ボールねじに螺着されたボールねじナットと、これらモータ、ボールねじ、及び、ボールねじナットが収容されたケース(シリンダケース)81と、一端がボールねじナットに取付けられて他端側がケース81の他端81aから突出するように設けられたロッド(ピストンロッド)82とを備えた構成である。尚、シリンダ8として、油圧シリンダやエアシリンダ等を用いてもよい。
そして、左伸縮手段としてのシリンダ8は、ケース81の一端がベースフレーム左部22にヒンジ83を介して前後方向に揺動可能となるように連結され、ロッド82の他端が左の下側支柱74の延長方向のほぼ中間位置にヒンジ84を介して揺動可能に連結されている。
同様に、右伸縮手段としてのシリンダ8は、ケース81の一端がベースフレーム右部23にヒンジ83を介して前後方向に揺動可能となるように連結され、ロッド82の他端が右の下側支柱74の延長方向のほぼ中間位置にヒンジ84を介して揺動可能に連結されている。
即ち、左右のシリンダ8,8は、図1,図2に示す支持手段7の起立状態において、シリンダ8の中心軸が、歩行支援装置1の後側から前側に向けて傾斜して延長するように配置されて、ケース81の一端部が、支持手段7の一端部取付位置よりも歩行支援装置1の後側に位置されるベース2の後側に揺動可能に取付けられ、かつ、ロッド82の他端部が、支持手段7の下側支柱74の延長方向(上下方向)のほぼ中間位置に揺動可能に取付けられている。
このように、左右のシリンダ8,8、左右の支柱71,72よりも歩行支援装置1の後側に配置されたので、左右の支柱71,72よりも歩行支援装置1の前側にシリンダ8の取付部を設ける必要が無くなるため、ベース2の前後方向長さを短くできるようになる。従って、装置の前後長さを短くでき、装置を旋回させたりする際等に小回りの利く取扱い性に優れた歩行支援装置1を提供できるようになる。
即ち、支持手段7と、支持手段7を図3に示す倒伏状態から図2に示す起立状態、または、支持手段7を図2に示す起立状態から図3に示す倒伏状態に移動させる左右のシリンダ8,8とによって、使用者Aが着座した状態から起立する際の動作を支援する起立動作支援手段、及び、使用者Aが起立した状態から着座する際の動作を支援する着座動作支援手段が構成される。
つまり、支持手段7の左右の支柱71,72が、ベースフレーム21にヒンジ83,83を介して前後方向に揺動可能となるように取付けられた可動フレーム(傾動フレーム)として機能する。
言い換えれば、起立動作支援手段及び着座動作支援手段は、一端部がベース2の前側に揺動可能に取付けられた左右の支柱71,72と、左右の支柱71,72の他端側に設けられた支持部とを備えた支持手段7と、伸縮手段としての左右のシリンダ8,8とを備える。そして、左右のシリンダ8,8は、一端部がベース2の後側に揺動可能に取付けられて他端部が支持手段7の左右の支柱71,72に揺動可能に取付けられる。即ち、左右のシリンダ8,8が縮むことで支持手段7の上端側(他端側)が歩行支援装置1の前側から後側に倒れ込み、かつ、左右のシリンダ8,8が伸びることで支持手段7の上端側(他端側)が歩行支援装置1の後側から前側に起立するように構成されているので、装置の前後長さを短くでき、装置を旋回させたりする際等に小回りの利く取扱い性に優れた歩行支援装置1を提供できる。
尚、図示を省略しているが、シリンダ8のモータ、歩行支援装置1に装備されたその他の電気部品を駆動させるための充電式電池等の電源が、例えばベースフレーム21、支柱71,72、補強桟74x,74y等のいずれかに着脱可能に取付けられている。
支持手段7の上端側(他端側)より歩行支援装置1の後側に突出する連結手段6の他端に設けられた連結具61が、使用者Aの装着する装着具Bの連結部C(図4参照)に連結されることにより、使用者Aは、体重免荷手段9により体重負荷が軽減された状態で歩行可能となるとともに、起立動作支援手段及び着座動作支援手段によって、起立動作及び着座動作が支援されることになる。
体重免荷手段9は、例えば、ボックス91内に設けられ、当該ボックス91が例えば支持台73から垂れ下がるように当該支持台73に固定されている。
逆に、使用者Aが起立した状態からベッド等に着座する際においては、図4(c)の状態から図4(b),(a)のように、シリンダ8のロッド82を徐々に縮めていくことにより、支持手段7が起立した状態から後方に倒れるので、使用者Aが起立した状態から容易に着座部Dに着座できるようになる。即ち、着座動作支援手段による着座動作支援機能によって、使用者Aが起立状態から容易に着座できるようになる。
即ち、起立動作支援時制動手段は、車輪32の回転を停止させる制動手段4と、起立動作支援時を検出するための起立動作支援時検出手段とを備え、当該起立動作支援時検出手段によって起立動作支援時であることが検出されている場合に制動手段4が作動するように構成されている。
起立動作支援時制動手段によれば、制動手段4は、起立動作支援時検出手段から起立動作支援時であることを示す信号を有線又は無線を介して入力している場合に車輪32に制動を掛けるので、起立動作支援時において、歩行支援装置1が移動手段3により路面R上を移動してしまうことを防止でき、歩行支援装置1が安定するので、使用者Aが起立動作を行う際の起立動作支援を安全に行なえるようになる。
着座動作支援時制動手段は、車輪32の回転を停止させる制動手段4と、着座動作支援時を検出するための着座動作支援時検出手段とを備え、着座動作支援時検出手段によって着座動作支援時であることが検出されている場合に制動手段4が作動するように構成されている。
着座動作支援時制動手段によれば、制動手段4は、着座動作支援時検出手段から着座動作支援時であることを示す信号を有線又は無線を介して入力している場合に車輪32に制動を掛けるので、着座動作支援時において、歩行支援装置1が移動手段3により路面R上を移動してしまうことを防止でき、歩行支援装置1が安定するので、使用者Aが着座動作を行う際の着座動作支援を安全に行なえるようになる。
この場合、使用者Aの起立動作時や着座動作時において、使用者Aの手A1が水平部78e及び可動カバー78fを握ってスイッチ78iがオンとなっている間、制動手段4の電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー、ブレーキワイヤ等の動力源が作動して車輪32に制動をかけるように構成されている。この場合、使用者Aが起立動作終了後や着座動作終了後に水平部78e及び可動カバー78fから手を離せば、制動手段4の制動が解除されるので、使用者Aは起立動作終了後にハンドルグリップ77を握って歩行できる。また、着座動作終了後に使用者Aとの連結を解除した歩行支援装置1を車輪32を転がして移動させることが可能となる。
例えば、起立動作支援時検出手段、着座動作支援時検出手段を、テーブル面76の傾斜角度を検出する角度センサにより構成した場合は、角度センサが、テーブル面76の最大傾斜角度を検出しているとき、又は、テーブル面76の最小傾斜角度を検出しているとき以外は、制動手段4の電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー、ブレーキワイヤ等の動力源が作動して車輪32に制動をかけるように構成すればよい。
また、起立動作支援時検出手段、着座動作支援時検出手段をシリンダ8のロッド82の伸縮量を検出する伸縮センサにより構成した場合は、伸縮センサが、ロッド82の最大伸長量を検出しているとき、又は、ロッド82の最大縮退量を検出しているとき以外は、制動手段4の電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー、ブレーキワイヤ等の動力源が作動して車輪32に制動をかけるように構成すればよい。
これらの場合、起立動作終了後や着座動作終了後に、制動手段4の制動が解除されるので、使用者Aは起立動作終了後にハンドルグリップ77を握って歩行できる。また、着座動作終了後に使用者Aとの連結を解除した歩行支援装置1を車輪32を転がして移動させることが可能となる。
また、電源キースイッチ70Bがオンで、かつ、切替スイッチ70Cが着座動作支援を行わせる側(図1(a)の下側)に位置されていることを検出して、着座動作支援時であることを示す信号を制動手段4に出力し、制動手段4を作動させるように構成された着座動作支援時検出手段であってもよい。
これらの場合、起立動作終了後や着座動作終了後に、電源キースイッチ70Bをオフとすることにより、制動手段4の制動が解除されるので、使用者Aは起立動作終了後にハンドルグリップ77を握って歩行できる。また、着座動作終了後に使用者Aとの連結を解除した歩行支援装置1を車輪32を転がして移動させることが可能となる。
使用者転倒防止手段は、車輪32の回転を停止させる制動手段4と、連結手段6の他端側が支持台73の外側に所定の長さだけ引き出されたことを検出する引き出し量検出手段とを備え、当該引き出し量検出手段によって連結手段6の他端側が支持台73の外側に所定の長さだけ引き出されたことが検出されている場合に制動手段4が作動するように構成されている。
即ち、使用者転倒防止手段は、連結手段6の他端側が所定の長さaだけ装置本体部5の外側に引き出されたことを検出する引き出し量検出手段(検出手段)を備え,当該検出手段は、連結手段6の他端側が所定の長さ(a1+a2)だけ装置本体部5の外側に引き出されたことが検出されている場合に、制動手段4を作動させる。
また、ばね43は、中空部73Xに設けられた前後方向に延長する筒状のばね収容部44に設置され、ばね収容部44の延長方向に伸縮可能となっている。即ち、ばね43の一端43aがばね収容部44の延長方向一端側内面に固定され、ばね43の他端43b側がばね収容部44の延長方向に沿って移動可能となっている。
規制部46は、ばね収容部44の延長方向他端側に設けられている。
可動体45は、ばね43の他端43bに固定されるとともに、ワイヤ等の線状連結体47によって第1動滑車42と連結されている。尚、線状連結体47は、規制部46に形成された貫通孔46a及びばね収容部44の延長方向他端壁に形成された貫通孔44aを通過して、一端が可動体45に連結され、他端が第1動滑車42に連結されている。
そして、連結手段6が装着具Bを介して使用者Aに連結された状態において、図5(b)に示すように、使用者Aが体勢を崩して使用者Aの装着具Bに連結された連結手段6の他端側が所定の長さ(a1+a2)だけ支持台73の外側に引き出された場合に、動滑車42が例えばスライドレール孔42aを介してばね43を引っ張る方向に距離a2だけ移動して、可動体45が規制部46に接触するとともに、規制部46に設けられた検出体が検出信号を有線又は無線を介して制動手段4に出力する。
この場合、制動手段4としては、電気制御が可能な電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー等の動力源を利用した、電磁ブレーキ、ドラムブレーキ等のブレーキを用いる。
そして、制動手段4が検出体から検出信号を入力することにより、制動手段4の電磁石、油圧シリンダー、エアシリンダー等の動力源が作動して車輪32に制動をかけるように構成されている。
この弾性支持手段は、弾性手段53と、弾性手段53の他端(連結端)53xに連結されて弾性手段53の弾性により移動可能に構成された動滑車としての第2動滑車54とを備える。
そして、第3固定滑車41cを経由した連結手段6の他端側が第2動滑車54を経由した後、連結手段6の他端が第4固定滑車41d及び出口孔73fを経由して装置本体部5の外側に引き出され、この装置本体部5の外側に引き出された連結手段6の他端に連結具61が取付けられて構成された連結手段6の他端部が装置本体部5の外側に位置される。
また、第2動滑車54は、連結手段6の他端部が装置本体部5から離れる方向に移動することによって弾性手段53の引張力に抗して例えばスライドレール孔54aを介して移動するように構成されている。
以上のように構成されることにより、弾性支持手段は、連結手段6の連結具61を備えた他端部を装置本体部5に近付く方向に引張力を付与するとともに、連結手段6の他端部を装置本体部5から離れる方向に移動可能なように連結手段6を支持する手段として機能する。
即ち、弾性手段53として線ばね(コイルばね)を用いても良いが、この場合、ばねが伸びれば伸びる程、ばねを伸ばすために必要な引張力が大きくなるため、連結手段6の他端部を装置本体部5から離れる方向に長く移動させたい場合(連結手段6の他端側を長く引き出したい場合)に、大きな力が必要となり、非力な使用者Aの場合、連結手段6の他端側を長く引き出すことが困難になる可能性がある。
一方、弾性手段53として定荷重ばねを用いた場合は、小さな力で、連結手段6の他端部を装置本体部5から離れる方向に長く移動させることが可能となる。
また、弾性手段53として定荷重ばねを用いた場合は、小径のドラム等の収容部53aに収まるため、設置スペースを小さくできるので、歩行支援装置1の小型化が図れるという利点もある。
即ち、使用者Aが着座する椅子等の着座部Dの着座位置の高さは様々であったとしても、連結手段6の連結具61を使用者Aの装着する装着具Bの連結部Cの位置に容易に移動させることが可能となるので、使用者Aは、連結手段6と装着具Bとの連結作業を容易に行えるようになる。
また、装着具Bを装着した使用者Aが、連結手段6の他端に設けられた連結具61と装着具Bの連結部Cとを連結した後、使用者Aが姿勢を崩して倒れようとして、連結手段6の他端側が所定の長さ(a1+a2)だけ支持台73の外側に引き出された場合に、制動手段4は引き出し量検出部の検出体からの検出信号を入力して車輪32に制動をかけるので、使用者Aが歩行又は起立している際において、姿勢を崩して倒れようとした場合に、歩行支援装置1が移動手段3により路面R上を移動してしまうことを防止でき、歩行支援装置1が安定するので、使用者Aが姿勢を崩して倒れかけた状態で歩行支援装置1が動いてしまうことに伴って使用者Aが転倒してしまうことを防止できるようになる。つまり、歩行中又は起立中において使用者Aの転倒を防止できる歩行支援装置1を提供できる。
尚、使用者Aが歩行又は起立している際において、姿勢を崩して倒れようとした場合、最初に弾性手段53が作動して連結手段6の他端部が装置本体部5から離れる方向に距離a1だけ移動した後に、ばね43が作動してばね43の他端43bが距離a2だけ移動することによって、連結手段6の他端部が装置本体部5の出口孔73fから距離(a1+a2)だけ離れる方向に移動した場合に、制動手段4が引き出し量検出部の検出体からの検出信号を入力して車輪32に制動をかけるように構成されている。
即ち、使用者転倒防止手段は、連結手段6の他端部が装置本体部5の出口孔73fから距離(a1+a2)だけ装置本体部5の外側に引き出された場合に、制動手段4のブレーキワイヤ49を引っ張ることで制動手段4を作動させる。
ブレーキワイヤ49の他端は、固定滑車52を経由して後方に導かれて可動体50の連結部51に連結されている。
尚、図6において、図5と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
従って、使用者Aが倒れようとした場合に、歩行支援装置1が移動手段3により路面R上を移動してしまうことを防止でき、使用者Aが転倒してしまうことを防止できる。
また、本発明の起立動作支援時制動手段、着座動作支援時制動手段、使用者転倒防止手段、弾性支持手段は、体重免荷手段9を備えない構成の歩行支援装置にも適用可能である。
この場合、起立動作支援時制動手段、着座動作支援時制動手段、弾性支持手段は、実施形態1と同様に構成される。
また、使用者転倒防止手段は、図7に示すように、連結手段6の一端が、上述したばね43の他端に固定された可動体45に連結された構成としたり、図8に示すように、連結手段6の一端が、上述したばね43の他端側に固定された可動体50に連結された構成とすればよい。
尚、図7において、図5と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
同様に、図8において、図6と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
即ち、体重免荷手段9を備えない構成の歩行支援装置であっても、起立動作支援時制動手段、着座動作支援時制動手段、使用者転倒防止手段、弾性支持手段を設けることが可能である。
実施形態1,2では、下側補助支柱75と上側補助支柱73bとを有して構成された補助支柱を備えた構成としたが、当該補助支柱を備えた構成の場合、下側補助支柱75と下側支柱74とがV字となるように連結されているため、下側補助支柱75に挿入された上側補助支柱73bと下側支柱74に挿入された上側支柱73aとを上下方向に移動させることが困難となる可能性がある。
実施形態1,2においては、例えば、上側支柱73aの外径寸法が下側支柱74の内径寸法よりも極端に小さくて、かつ、上側補助支柱73bの外径寸法が下側補助支柱75の内径寸法よりも極端に小さい場合、上側支柱73a、上側補助支柱73bがガタついてしまう。そこで、実施形態1,2においては、上側支柱73aの外径寸法が下側支柱74の内径寸法より若干小さく、かつ、上側補助支柱73bの外径寸法が下側補助支柱75の内径寸法よりも若干小さくなるようにして、上側支柱73aが下側支柱74内に嵌め込まれるとともに、上側補助支柱73bが下側補助支柱75内に嵌め込まれるように構成している。つまり、上側支柱73aを下側支柱74内で摺動させるとともに、上側補助支柱73bを下側補助支柱75内で摺動させるようにして、上下方向に移動させる構成とすることで、上側支柱73a、上側補助支柱73bにガタつきが発生しないように構成されている。
しかしながら、このように、上側支柱73a及び上側補助支柱73bを摺動させるようにして上下方向に移動させる構成とした場合、支持台の高さ調整を行うために上側支柱73a及び上側補助支柱73bを上下方向に移動させる際に、上側支柱73a及び上側補助支柱73bが少しでも傾いていると、上側支柱73aの外面と下側支柱74の内面との摩擦抵抗、及び、上側補助支柱73bの外面と下側補助支柱75の内面との摩擦抵抗が増大してしまって、支持台の高さ調整を行うために上側支柱73a及び上側補助支柱73bを上下方向に移動させる作業が困難となってしまう。
そこで、補助支柱を備えない構成として、下側支柱74に対して上側支柱73aを上下方向に移動させることで、支持台73の高さを使用者Aの身長に合わせて調整できる支持台高さ調整機構を備えた構成とすれば、下側支柱74に対して上側支柱73aを上下方向に移動させることが容易となる。
即ち、左支柱71及び右支柱72は、それぞれ、下側支柱74と上側支柱73aとを備えて構成され、下側支柱74は、下端部(一端部)がベース2の前側にヒンジ74aを介して揺動可能に取付けられ、上側支柱73aは、下側支柱74の延長方向に沿って移動可能に構成され、上端側(他端側)に取付けられた支持部の高さを変更可能なように下側支柱74に取付けられた構成とした。
しかしながら、実施形態3の構成であっても、上側支柱73aが傾いている状態で上側支柱73aを上下方向に移動させると、上側支柱73aの外面と下側支柱74の内面との摩擦抵抗が大きくなり、支持台73の高さ調整を行うために上側支柱73aを上下方向に移動させる作業が困難となってしまう可能性がある。
そこで、次に説明する実施形態4のような構成とすることで、支持台73の高さ調整作業を容易にできるようにした。
実施形態4の歩行支援装置1を図9,図10に基づいて説明する。尚、図9,図10において、連結手段6、弾性支持手段、使用者転倒防止手段、体重免荷手段9、ハンドルグリップ77、昇降レバー78、アウトリガー10等の図示は省略している。また、図9,図10において、図1と同一部分については、同一符号を付し、説明を省略する。
実施形態3の歩行支援装置1は、左右の支柱71A;72Aが、それぞれ上側支柱93と下側支柱94とを備える。
上側支柱93は、上端側(他端側)が支持部の支持台73の下面に連結されて下端が開口するパイプなどの中空柱により構成される。
下側支柱94は、下端部(一端部)がベース2の前側にヒンジ74aを介して揺動可能に取付けられて、上端側(他端側)が上側支柱93を構成する中空柱の下端開口より中空柱内に挿入された柱で構成される。
つまり、上側支柱93は、下側支柱94の延長方向に沿って移動可能で、かつ、上端側に取付けられた支持台73の高さを変更可能なように下側支柱94に取付けられた構成とした。
即ち、下側支柱94に中心軸94Cに沿って所定の間隔を隔てて設けられた図外の複数の高さ位置決め孔のうちのいずれかの高さ位置決め孔と上側支柱93に設けられた図外の高さ位置決め孔とを一致させた状態でこれら高さ位置決め孔に図外の固定ねじ等の固定手段を嵌め込むことにより、支持台73の高さを使用者Aに身長に合わせて調整できるように構成された支持台高さ調整機構を備えている。
そして、アクチュエータとなる伸縮手段としての左右のシリンダ8,8の中心軸8Cの延長方向が水平方向に近づく状態に当該シリンダ8を設置できるように、当該シリンダ8の一端部、即ち、ケース81の一端部が取付支柱95の上端側にヒンジ8aを介して揺動可能に取付けられ、かつ、当該シリンダ8の他端部、即ち、ロッド82の他端部が下側支柱94の延長方向のほぼ中間位置にヒンジ8bを介して揺動可能に取付けられた構成とした。
このように、当該シリンダ8の一端部が取付けられる取付支柱95をベース2から立ち上がるように設けたので、シリンダ8の中心軸8Cの延長方向が水平方向に近づく状態に当該シリンダ8を設置できるようになって、シリンダ8のロッド82を駆動させる駆動力を小さくできるようになり、駆動出力の小さい小型で安価なシリンダ8を使用することが可能となるので、歩行支援装置1の低コスト化が図れるようになる。
つまり、シリンダ8の中心軸8Cの延長方向が垂直方向に近づくほど、ロッド82を上方に移動させる際に重力に反して移動させるための大きな駆動力が必要となり、駆動出力の大きい大型で高価なシリンダを使用しなければならなくなるが、シリンダ8の中心軸8Cの延長方向が水平方向に近づく状態に当該シリンダ8を設置した場合、ロッド82を移動させる際に重力の影響が小さくなるため、シリンダ8のロッド82を駆動させる駆動力を小さくできるようになり、駆動出力の小さい小型で安価なシリンダ8を使用することが可能となる。
当該連結機構96は、例えば、一端部が取付支柱95におけるシリンダ8の一端部取付位置(ヒンジ8a)よりも上方側にヒンジ97aを介して揺動可能に取付けられた管97と、一端部が上側支柱93の下端部にヒンジ98aを介して揺動可能に取付けられて他端側が管97の他端開口97bを介して当該管97内に挿入されたスライド部材98とを備えて伸縮可能に構成されている。
当該支持台高さ調整機構を備えていることにより、上側支柱93を上下方向に移動させると、連結機構96のスライド部材98の一端部、及び、管97の一端が揺動するため、上側支柱93の中心軸93Cと下側支柱94の中心軸94Cとが一致するようになって、上側支柱93の内面と下側支柱94の外面との摩擦抵抗が小さくなり、図10の矢示Hで示すように、上側支柱93を上下方向に容易に移動させることができるようになるため、支持台高さ調整作業が容易となる。
また、図10の矢示Rで示すように、起立動作支援時、着座動作支援時において、シリンダ8の伸縮に伴ってスライド部材98が管97内を管97の中心軸97Cに沿った方向に移動して連結機構96も伸縮する。
従って、実施形態4によれば、支持台73の高さ調整作業を容易にできるようになるという面で大きな意義のある歩行支援装置1を提供できるようになる。
即ち、連結機構96は、管97と、管97の他端開口97bを介して当該管97内に挿入されたスライド部材98とを備え、一端部がベース2に揺動可能に取付けられるとともに、他端部が上側支柱93の下端部に揺動可能に取付けられて伸縮可能に構成され、起立動作支援時、及び、着座動作支援時において、シリンダ8の伸縮に伴って連結機構96も伸縮するように構成されていればよい。
7 支持手段、8 シリンダ(伸縮手段)、71,71A 左支柱、
72,72A 右支柱、93 上側支柱、94 下側支柱、95 取付支柱、
96 連結機構、97 管、98 スライド部材、A 使用者、B 装着具。
Claims (4)
- 使用者の歩行を支援する歩行支援装置であって、
ベースと、ベースに設けられた移動手段と、ベースに設けられた装置本体部と、使用者が装着する装着具と装置本体部とを連結する連結手段とを備え、
装置本体部は、使用者が着座した状態から起立する際の動作を支援する起立動作支援手段、及び、使用者が起立した状態から着座する際の動作を支援する着座動作支援手段を備え、
起立動作支援手段及び着座動作支援手段は、一端部がベースの前側に揺動可能に取付けられて他端側に使用者を支持するための支持部を備えた支持手段と、アクチュエータとを備え、
アクチュエータは、一端部が支持手段の一端部取付位置よりも歩行支援装置の後側に位置されるベースの後側に揺動可能に取付けられて他端部が支持手段に揺動可能に取付けられた伸縮手段により構成され、
伸縮手段が縮むことで支持手段の他端側が歩行支援装置の前側から後側に倒れ込み、かつ、伸縮手段が伸びることで支持手段の他端側が歩行支援装置の後側から前側に起立するように構成されたことを特徴とする歩行支援装置。 - 支持手段は、下端がベースの前側に揺動可能に取付けられた支柱と、支柱の上端に設けられた支持部と、連結機構とを備え、
支柱は、下側支柱と上側支柱とを備えて構成され、
上側支柱は、上端が支持部に連結されて下端が開口する中空柱により構成され、
下側支柱は、下端がベースの前側に揺動可能に取付けられて、上端側が上側支柱を構成する中空柱の下端開口より中空柱内に挿入された柱により構成され、
上側支柱は、下側支柱の延長方向に沿って移動可能で、かつ、上端に取付けられた支持部の高さを変更可能なように下側支柱に取付けられ、
連結機構は、管と、管の他端開口を介して当該管内に挿入されたスライド部材とを備え、一端部がベースに揺動可能に取付けられるとともに、他端部が上側支柱の下端部に揺動可能に取付けられて伸縮可能に構成され、
起立動作支援時、及び、着座動作支援時において、伸縮手段の伸縮に伴って連結機構も伸縮するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。 - ベースの後側には、上方に延長するように設けられた取付支柱を備え、
伸縮手段の一端部が取付支柱の上端側に揺動可能に取付けられるとともに、連結機構の管の一端部が取付支柱の上端側における伸縮手段の一端部取付位置よりも上方側に揺動可能に取付けられたことを特徴とする請求項2に記載の記載の歩行支援装置。 - 支柱は、一端部がベースの前左側に揺動可能に設けられた左支柱と、一端部がベースの前右側に揺動可能に設けられた右支柱とを備え、当該左支柱及び右支柱の他端側に支持部が設けられ、
伸縮手段は、一端部がベースの後左側に揺動可能に取付けられて他端部が左支柱に揺動可能に取付けられた左伸縮手段と、一端部がベースの後右側に揺動可能に取付けられて他端部が右支柱に揺動可能に取付けられた右伸縮手段とを備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の歩行支援装置。
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