JP2019176793A - 細胞製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
たクローン個体やNtES細胞は、畜産や再生医療に発展する基礎研究に寄与している。
合技術がある。これは、2つ以上の細胞を融合させ、1つの細胞を形成する技術である。この方法では、細胞融合後の1つの細胞内には2つ以上の細胞に由来する細胞核と細胞質が存在する。この融合細胞は、2つ以上の融合した細胞核を有するため、医療応用が制限される。
離すことで、細胞質が移動できるようになった(例えば、非特許文献1参照)。
界集中型細胞融合(1回目)後、iPS細胞のみを切り離すことで、体性細胞の細胞質を
除去する。(2) 新たな2個目のiPS細胞と、切り離し元の標的体性細胞の電界集中型
細胞融合(2回目)後、体性細胞を切り離すことで、iPS細胞の細胞質を体性細胞へ導
入する。
の当該壁と、第2の流路の当該壁に最も近い前記ピラーの列との第2の間隔、は、前記ピラーの列同士の第3の間隔と同じか、第3の間隔より広くてもよい。前記ピラーの列同士の第3の間隔は、使用する細胞の直径と同一か、前記直径より広くてもよい。前記ピラーの列内におけるピラー同士の第4の間隔がほぼ一定であってもよい。第1の流路の第3の流路側の壁に最も近いピラーの列における前記ピラー同士の第4の間隔と、前記開口部の開口幅と、前記細胞保持部の開口幅は同一か、この順で小さくなってもよい。前記ピラーが、前記開口部に対向して設けられていてもよい。
本発明の一実施形態に係る第1の細胞の細胞質の交換方法は、第1の細胞の細胞質を除去する第1の工程と、第2の細胞の細胞質を第1の細胞へ導入する第2の工程を含む、細胞質の交換方法であって、
(1)第1の工程の後で第2の工程が行われる、または
(2)第1の細胞の細胞質の40%〜60%と、第2の細胞の細胞質の40%〜60%とが交換される第1の細胞質交換工程によって、第1の工程と第2の工程が同時に行われる、方法である。
返すことによって、第1の細胞の細胞質が第2の細胞の細胞質に交換される割合が高くなる。
ここでは、図1を用いて、上記交換方法(1)を用いて行われる、本発明の一実施形態に係る細胞の製造方法を具体的に説明するが、本発明は本実施形態に限定されない。本実施形態では、第1の流路と第2の流路を備え、第1の流路の壁と第2の流路の壁は孔で連通している流路を用い、第1の細胞の細胞核を有し、第2の細胞の細胞核を有さず、第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞を製造する。
加する電圧は、従来細胞融合に用いられることが知られている強さとすることができるが、0.1〜50Vであることが好ましく、0.5V〜20Vであることがより好ましく、1〜10Vであることがさらに好ましく、1〜3Vであることがさらに好ましく、約2V
であることがさらに好ましい。また印加する時間は、特に限定されないが、1μsec〜1msecであることが好ましく、1μsec〜500μsecであることがより好ましく、1μsec〜100μsecであることがさらに好ましいが、可能な限り短い時間であることがより好ましい。中間体1040が細胞である場合、本工程では、細胞融合後、第1の細胞1030と中間体1040の細胞質がお互いに混入する。
電界を発生させ、その中で細胞を誘導してもよい。
による電界集中により流路の壁で生じる。
加する電圧は、従来細胞融合に用いられることが知られている強さであればよいが、1〜10Vであることが好ましく、2Vであることがさらに好ましい。また印加する時間は、100μsecであることが好ましく、100μsec以下で可能な限り短い時間であることがさらに好ましい。
の流路内の流れ1120の速度より大きくし、その流速差を利用することにより行うことができる。第2の流路内の流れ1120の流速は0、つまり第2の流路内に流れのない状態であってもよい。ここで、孔1080の最大幅または最大径を、第2の細胞の核の径より小さくしておくことにより、第2の細胞1150の細胞核1140は、孔1080を通過できずに第2の流路内に残る。具体的には、孔1080の最大幅または最大径は、第2の細胞1150の種類によって適宜調整すればよいが、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがさらに好ましい。なお、移動させる細胞質の割合は特に限定されないが、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
胞質1130に交換することによって、第1の細胞1030の細胞核1010を有し、第2の細胞1150の細胞核1140を有さず、第1の細胞1030の細胞膜1025と第2の細胞1150の細胞質1130とを含む細胞1170の製造が完了する。
ここでは、上記交換方法(2)を用いて行われる、本発明の一実施形態に係る細胞の製造方法を具体的に説明するが、本発明は本実施形態に限定されない。本実施形態では、第1の流路と第2の流路を備え、第1の流路の壁と第2の流路の壁は孔で連通している流路を用い、第1の細胞の細胞核を有し、第2の細胞の細胞核を有さず、第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞を製造する。第1の工程から第3の工程は、実施形態Iに準じるが、中間体として、第2の細胞を用いる。第3の工程終了後、第1の細胞と第2の細胞の細胞質がお互いに混入する。このように、本実施形態では、第1の細胞の細胞質を除去する第1の工程と、第2の細胞の細胞質を第1の細胞へ導入する第2の工程が同時に行われる。この際に、第1の対を融合させたままで、長時間放置すると、第1の細胞と第2の細胞の間で細胞質が均一になるが、交換される細胞質の割合は特に限定されず、第1の細胞の細胞質の10%〜25%と、第2の細胞の細胞質の10%〜25%とが交換されることが好ましく、第1の細胞の細胞質の25%〜40%と、第2の細胞の細胞質の25%〜40%とが交換されることがより好ましく、第1の細胞の細胞質の40%〜60%と、第2の細胞の細胞質の40%〜60%とが交換されることがさらに好ましい。そして、その後、第1の細胞と中間体とを切り離す第5の工程を行う。第5の工程の詳細は、実施形態Iに準じる。
胞と第2の細胞とを切り離す第14の工程と、を行ってもよい。第11〜14の工程の詳細は、実施形態Iの第1〜3、5の工程に準じる。
以下、上記の方法を実行することができる本発明の装置の一実施態様を、図2を用いて詳細に説明する。本発明の装置は、細胞の細胞質を交換するための装置であって、第1の流路2030及び第2の流路2040と、第1の流路2030及び第2の流路2040のそれぞれ接続する、第1の細胞の細胞供給部である第1の細胞供給部2010と第2の細胞及び中間体の細胞供給部である第2の細胞供給部2020と、第1の流路の壁と第2の流路の壁との間に設けられた孔2050と、孔2050を挟んで設けられた電極2080と、第1の流路2030及び第2の流路2040の流速を調節するポンプ2011と、直流交流信号発生装置2090と、備える。装置の一要素として、顕微鏡(図示せず)を備えても良い。第1の流路2030及び第2の流路2040は、細胞質を交換する孔2050の近傍において実質的に平行に走っていることが好ましい。
は最小径を細胞質交換細胞の直径よりも若干小さくしておき、第3の流路2310内の溶液の流速を早くすることによって、細胞を歪ませて第3の流路2310内へ細胞を導入するようにすると、一旦第3の流路2310に入った細胞質交換細胞は流路外に逆流しにくくなる。第3の流路2310は、もう一端で細胞回収部2340に接続されており、孔2050を通じて作製された細胞質交換細胞を、第3の流路2310に送り込んで、細胞回収部2340で回収することにより、細胞質の交換処理をされていない細胞や処理途中の細胞から、細胞質交換細胞を分離して回収することが容易になる。
第1の流路3060の壁に平行に複数の列をなして並び、第2の流路3140内では、細胞回収流路3020側の第2の流路3140の壁に平行に複数の列をなして並ぶ。これらのピラーの構成により、第1の流路3060または第2の流路3140と、細胞回収流路3020との間の、流体の移動に伴う圧力損失の差は小さくなり、第1の流路3060または第2の流路3140と細胞回収流路3020間で生じる不要な逆流の発生を抑制できるので、安定して、効率よく、細胞を孔3070に誘導できる。
の第1の流路3060及び第2の流路3140の長手方向の幅をピラー3100より長くしてもよい。また、細胞回収流路3020側の第1の流路3060の壁と、当該壁に最も近いピラー3080の列との第1の間隔(すなわち、第1の流路3060内の細胞回廊3090の幅)、及び細胞回収流路3020側の第2の流路3140の壁と、当該壁に最も近いピラー3080の列との第2の間隔(すなわち、第2の流路3140内の細胞回廊3090の幅)は、ピラー3080、3100の列同士の第3の間隔と同じか、第3の間隔より広くしてもよい。列内のピラー3080、3100同士の間隔は限定されないが、ピラー3080同士、およびピラー3100同士でほぼ等しいことが好ましい。
以下、図1(細胞質交換の際の孔の近傍の図)と図2(装置の全体構成図)と図3(細胞流路の詳細図)を参照しながら、上述の装置を用いた具体的な細胞質の交換方法について、さらに詳しく説明する。
維持部3050で捕捉されるため、再び、細胞せん断流路3010を経て孔3070へ戻すことができる。
交流印加条件:周波数1MHz、電圧5V
パルス印加条件:時間100μs、電圧10V
・デジタルオシロスコープ
・バイポーラ電力増幅装置
・位相差・蛍光顕微鏡
また、蛍光染色試薬は、以下のものを用いた。
・Calcein, AM - Special Packaging (Excitation/Emission (nm): 494/514 C3100MP、サーモフィッシャーサイエンティフィック社、マサチューセッツ・米国)、細胞質を緑色染
色する
・CellTraceTM Calcein Red-Orange, AM - Special Packaging (Excitation/Emission (nm): 577/590、C34851、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)、細胞質を赤色染色する
・CellstainR Hoechst 33342 solution (Excitation/Emission (nm): 350/461、346-07951、(株)同仁化学研究所、東京・日本)、細胞核を青色染色する
Jurkat細胞懸濁液(1x106個/mL、DMEM+10%FBS)とiPS細胞懸濁液(1x106個/mL、mTeSRTM1)を1mLずつ2本の15mL遠心管に加え、一方の遠心管AにCalcein AM 1μL、もう一方の遠心管BにはCalcein red-orange 1μLとHoechst33342 1μLを加えて、37℃で3分間インキュベーションして細胞質と細胞核を染色した。余分な染色試薬を除くため、遠心管をそれぞれ600rpmと1000rpmで2分間遠心した後、上清を除去した。
図2に示したようなPDMSデバイスであって、図3に示したようなピラーを有する装
置上の細胞供給口Aへ遠心管Aの細胞懸濁液(細胞A含有)を加え、細胞供給口であるサンプリングポートBへ遠心管Bの細胞懸濁液(細胞B含有)を加えた。ポンプとしてピペットマンで流路を陰圧にし、細胞懸濁液を細胞供給口から細胞供給流路へ移動させると、図4Aに示したような液体の流れが生じ、細胞が流路内を流れるようになる。
交流印加を停止して、ピペットマンで流路を陰圧にすることで、細胞Aの細胞質を細胞Bへ移動させた(図6−4)。引き続きピペットマンで流路を陰圧にすることで細胞Aから細胞Bを分離する一方、再び交流を印加することで、細胞Aの核を孔に維持した(図6−5)。
再びピペットマン1で細胞懸濁液を吸引し、別の細胞Bを細胞保持部近傍へ導いた。交流印加による誘電泳動力により細胞Bを細胞保持部内へ導いて、孔を挟んで細胞AとBの対を形成させた(図6−6:位相差;図6−7:蛍光視野)。パルスを1回以上印加しながら、パルス印加過程を位相差と蛍光視野で観察し、細胞融合による蛍光色素の移動を確認した(図6−8:蛍光視野;図6−9:位相差)。
交流印加を停止して、ピペットマンで流路を陽圧にして、細胞Aへ細胞Bの細胞質を移動させた(図6−10)。引き続きピペットマンで流路を陽圧にして、細胞Aを細胞Bから分離した。分離した細胞Aは、細胞回収流路を経て細胞回収口へは移動し、細胞Aは細胞回収口から流路外へ回収可能となった。これにより、細胞Aの細胞核は、細胞質との関係において、細胞Bの細胞質内へ移植したのと同様の効果が得られた。
1020 第1の細胞の細胞質
1025 第1の細胞の細胞膜
1030 第1の細胞
1040 中間体
1050 溶液の流れ(第1の流路と第2の流路で流速が同じ場合)
1060 交流
1070 壁
1080 孔
1090 電圧印加
1100 第1の融合細胞
1110 第1の流路における溶液の流れ
1120 第2の流路における溶液の流れ
1130 第2の細胞の細胞質
1140 第2の細胞の細胞核
1150 第2の細胞
1160 第2の融合細胞
1170 細胞質を交換した細胞(細胞質交換細胞)
2010 第1の細胞供給部
2011 ポンプ
2020 第2の細胞供給部
2030 第1の流路
2040 第2の流路
2050 孔
2080 電極
2090 直流交流信号発生制御装置
2310 第3の流路
2330 開口部
2340 細胞回収部
3003 圧損緩衝部
3010 細胞せん断流路
3016 中間細胞
3020 細胞回収流路
3030 圧力緩衝部
3040 隔壁
3050 細胞維持部
3060 第1の流路
3070 孔
3080 壁に最も近いピラー
3090 細胞回廊
3100 ピラー
3110 細胞保持部
3120 開口部
3140 第2の流路
3150 第1の細胞
Claims (10)
- 第1の細胞の細胞核を有し、第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、
第1の流路及び第2の流路と、
第1の流路及び第2の流路の一端にそれぞれ接続する細胞供給部と、
第1の流路の壁と第2の流路の壁との間に設けられ、第1の流路及び第2の流路を貫通させる孔と、
孔を挟んで設けられた電極と、
第1の流路及び第2の流路の他端に設けられたポンプと、
前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、
第1の流路内と開口部を通じて連通し、第1の流路に平行な第3の流路と、
第3の流路の前記開口部と逆側の端に接続する細胞回収部と、
第1の流路内及び第2の流路内に設けられたピラーと、
を備える装置。 - 第3の流路と連通して前記開口部を越えて延在する第4の流路をさらに備える、請求項1に記載の装置。
- 前記孔を含み、第1の流路の壁及び第2の流路の壁に設けられた細胞保持部をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
- 複数の前記ピラーが、第1の流路内では、第3の流路側の第1の流路の壁に平行に並び、第2の流路内では、第3の流路側の第2の流路の壁に平行に並ぶ、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピラーは、第1の流路内では、第1の流路の当該壁に平行に、第2の流路内では、第2の流路の当該壁に平行に、複数の列をなして並ぶ、請求項4に記載の装置。
- 第1の流路の当該壁と、第1の流路の当該壁に最も近い前記ピラーの列との第1の間隔、及び第2の流路の当該壁と、第2の流路の当該壁に最も近い前記ピラーの列との第2の間隔は、前記ピラーの列同士の第3の間隔と同じか、第3の間隔より広い、請求項5に記載の装置。
- 前記ピラーの列同士の第2の間隔は、使用する細胞の直径と同一か、前記直径より広い、請求項6に記載の装置。
- 前記ピラーの列内におけるピラー同士の第4の間隔がほぼ一定である、請求項4〜7のいずれか1項に記載の装置。
- 第1の流路の第3の流路側の壁に最も近いピラーの列における前記ピラー同士の第4の間隔と、前記開口部の開口幅と、前記細胞保持部の開口幅は同一か、この順で小さくなる、請求項4〜8のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピラーが、前記開口部に対向して設けられている、請求項9記載の装置。
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