JP2019176764A - 液垂れが抑制された海藻佃煮の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】海藻佃煮の保存中および海藻佃煮をおにぎりの具芯に用いられたときに液垂れが抑制され、且つ、従来製法と比べて嵩歩留が増加、向上され、おにぎり製造時の計量適性が向上された海藻佃煮の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】工程(a):水煮処理された海藻を、増粘多糖類を含まない一次調味料に浸漬して煮熟処理する一次煮熟工程、工程(b):工程(a)により煮熟された海藻を、寒天を含む増粘多糖類を含有する二次調味料とを合わせて煮熟処理する二次煮熟工程、を含み、工程(a)により煮熟された海藻100重量部に対して、前記二次調味料が20〜60重量部であり、前記二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が、0.3〜0.8重量%濃度であることを特徴とする海藻佃煮の製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、液垂れが抑制された海藻佃煮の製造方法に関する。
日本の伝統的な保存食の一つである昆布佃煮は、ごはんの友としてよく親しまれている。昆布佃煮は、その旨辛い醤油味がおにぎりによく合い、昆布佃煮入りのおにぎりはコンビニエンスストアにおいても今なお根強い人気がある商品であり、定番商品として販売されている。
また、昆布佃煮は、保存食であるため腐敗等の微生物的な問題が少なく、おにぎりの具芯に用いた場合にも、安全で保存性に優れている一方、時間が経つと昆布佃煮に含まれる調味液がおにぎりのご飯側に流出することで、ご飯が軟化して食感が損なわれ、昆布佃煮も味が薄くなるという問題があった。
一般に市販されている昆布佃煮は、保存中の照りの消失や乾燥を防ぐために、煮熟後の昆布にまぶし液と呼ばれる調味液を混合撹拌することにより昆布表面に付着せている(特許文献1、2)。まぶし液には、増粘多糖類、寒天などが含まれ、これらにより昆布佃煮が被膜されことにより水分保持力を高め、表面の照りを増して品質を向上させている。
通常のまぶし液は粘稠性が高い液状物を用いているため、昆布佃煮をおにぎりに入れた場合には、昆布佃煮表面のまぶし液はすぐにご飯側へ吸収され、さらに、まぶし液の被膜がなくなると昆布に含まれる調味料も続いてご飯側へ吸収され流出してしまい、従来の佃煮の製法では問題を解決することができなかった。
上記課題を解決するために、様々な離水抑制剤や離水の抑制方法が提案されている。特許文献3では、海苔の佃煮等の佃煮類、イカの塩辛等の珍味食品、おにぎり等の具材を製造するときに、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調整した乾燥こんにゃく加工品を添加して離水を防止する方法が、特許文献4では、おにぎり、サンドウィッチ等の具材やフィリングなどにスクシノグリカンを添加して離水を防止する方法が報告されている。
しかしながら、これらの先行発明は、ある程度の離水防止効果は得られるものの十分ではなく、また、昆布佃煮においては付着性が高くおにぎり製造時におけるハンドリングが悪くなるという問題があった。
特開2006−187207号公報 特許第5695341号公報 特開2004−215646号公報 特開2016−131509号公報
本発明は、海藻を原料とする佃煮において、おにぎりの具芯に用いたときに液垂れが抑制された海藻佃煮、およびその製造方法を提供することを目的とする。また、従来製法と比べて海藻佃煮の嵩歩留りが増加、向上され、おにぎり製造時の計量適性が向上された海藻佃煮、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力した結果、煮熟調味された海藻と、寒天を含む増粘多糖類を含有する調味液とを合わせて撹拌しながら煮熟することによって、液垂れが抑制された海藻の佃煮を得ることができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下に関するものである。
[1]工程(a):水煮処理された海藻を、増粘多糖類を含まない一次調味料に浸漬して煮熟処理する一次煮熟工程、工程(b):工程(a)により煮熟された海藻を、寒天を含む増粘多糖類を含有する二次調味料とを合わせて煮熟処理する二次煮熟工程、を含み、工程(a)により煮熟された海藻100重量部に対して、前記二次調味料が20〜60重量部であり、前記二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が、0.3〜0.8重量%濃度であること、を特徴とする海藻佃煮の製造方法に関する。
[2]工程(b)において、工程(b)を経て得られた前記海藻佃煮が、海藻佃煮全重量に対して寒天を0.05〜0.3重量%含有されるように調整されることを特徴とする請求項1記載の海藻佃煮の製造方法に関する。
[3]前記海藻佃煮の原料が、昆布、わかめ、ひじき、もずくである、請求項1、2記載の海藻佃煮の製造方法に関する。
本発明によれば、海藻佃煮の製造において、煮熟調味された海藻と、寒天を含む増粘多糖類を含有する調味液とを煮熟することによって、液垂れが抑制された海藻佃煮を提供することができる。また本発明により得られた海藻佃煮は、液垂れが抑制されるだけでなく、嵩高く歩留りが増加、向上され、さらにおにぎりの製造時においても、付着性が低く計量適性に優れるため、生産性を向上させることができる。
本発明の製法の一実施例を示すフローチャートである。
本発明における海藻佃煮の原料は、海藻であれば特に限定されないが、昆布、わかめ(めかぶ)、ひじき、もずく、アラメ、ホンダワラなどを用いることができ、特に藻体に厚みがあり風味も優れる昆布、わかめ、ひじき、およびもずくを原料として用いることが好ましい。
本発明で使用する昆布は、真昆布、利尻昆布、日高昆布、長昆布、猫足昆布、ラウス昆布などいずれの種類であってもよく、その種類は問わない。また、使用部位についても、葉昆布、根昆布のいずれの部位であってもよい。また、本発明で使用するわかめおよびひじきの使用部位ついては、わかめは葉体、茎(中芯)、めかぶのいずれの部位であってもよく、ひじきは、芽ひじき、長ひじきのいずれの部位であってもよい。
以下、本発明を実施するための形態として、海藻佃煮の原料として昆布を用いた昆布佃煮の一実施形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。図1は、昆布佃煮の製造方法の一実施例を示すフローチャートである。まず、昆布を軟化させるために適当な濃度の酢酸溶液に漬け、前処理(St1)を行う。
使用する昆布の状態は、乾燥昆布であっても良く、生昆布、冷凍昆布、塩蔵昆布のいずれであっても良い。乾燥昆布を用いる場合は、該前処理の後に水戻しを行う。水戻しに使用する水は、常温水、温水、または熱水のいずれであっても良い。
次に、前処理された昆布を適宜の大きさに切断する(St2)。昆布は、例えば、2〜3cm四方形、または幅2〜3mm長さ3〜6cmの細切りに切断しても良い。
次に、酢酸や昆布に付着する異物を取り除くため、洗浄処理(St3)を行う。該洗浄処理は、常温水、温水、または熱水によって行うが、異物を効率的に除去するために温水または熱水を用いることが好ましい。
次に、洗浄処理された昆布を軟化させるために水煮処理(St4)を行う。該水煮処理よって昆布を十分に軟化させることにより、次工程の調味煮熟で調味料をよく吸収させることができる。該水煮処理の処理条件は、短時間で軟化させるためには80℃以上で10分以上行うことが好ましく、より好ましくは90以上で10分以上行う。なお、該水煮処理は単独の工程とする必要はなく、前工程の該洗浄処理と同時に行うことができ、前工程により昆布が十分に軟化していれば省略することができる。
〔工程(a)〕
続いて洗浄、水煮処理後昆布を、醤油および甘味料を含み、増粘多糖類を含まない一次調味料に浸漬して煮熟処理する一次煮熟処理(St5)を行う。
該一次調味料は、醤油および甘味料を含むものであって、例えば、醤油、砂糖、鰹等の出汁、みりん、酒等を含むものがあげられるが、粘度を付与する増粘多糖類やでん粉、例えば寒天、キサンタンガムなどは使用されない。
該一次煮熟処理において、該一次調味料に増粘多糖類を用いた場合には、昆布への調味料の吸収、浸透が遅延する。また、煮熟時に液の泡立ちが多くなり吹きこぼれが発生しやすくなり、これを避けるために蒸気圧を下げて煮熟することになり、水分蒸発が効率的に行えず煮熟時間が長くなる。その結果、メイラードによる焦げ臭や苦味が生じて最終製品の品質が損なわれ、生産性が悪くなる。
また、該一次煮熟処理は、該水煮処理後昆布を該一次調味料に浸漬して加熱処理することにより、昆布内部まで充分に調味料を浸透させて昆布に味を付与し、さらに佃煮の特性である保存性を付与することを目的に行われる。
例えば、該一次煮熟処理を経て得られる一次煮熟後昆布は、通常、塩分3〜10重量%、Bx40〜70であり、食味および保存性を考慮すると好ましくは塩分4〜7重量%、Bx50〜65に調整される。
該一次煮熟処理における煮熟時間は、特に限定されないが、該水煮処理後昆布を投入し沸騰後30〜120分間煮熟する。
該一次煮熟処理における煮熟方法は、特に限定されないが、昆布と昆布に対して多量の調味液とを合わせて煮熟する製法、または真空煮熟釜を使用する減圧濃縮浸漬製法を用いることにより、昆布に調味料を多く含ますことができ最終製品の歩留りを高めることができるため好ましい。
〔工程(b)〕
続いて該一次煮熟後昆布と、醤油および甘味料を含み、寒天を含む増粘多糖類を含有する二次調味料とを合わせて、上部開口のある平釜などの煮熟釜を用いて二次煮熟処理(St6)を行う。
該二次煮熟処理においては、該一次煮熟後昆布と該二次調味料とが適宜撹拌しながら煮熟されることにより、昆布同士が接合せずに昆布の表面全体に該二次調味料を隈なく行き渡らせることができる。そのため煮熟終了後、冷却した場合には、本発明における昆布佃煮には、昆布の表面全体に該二次調味液に含有させた寒天を含む増粘多糖類からなるゲル状の被膜物を形成させることができ、これにより昆布佃煮の液垂れを抑制することができる。
従来の昆布佃煮の製法においては、煮熟後昆布とまぶし液とを混合するのみで煮熟していないため、煮熟後昆布およびまぶし液のそれぞれにおける水分値、浸透圧が異なることにより煮熟後昆布とまぶし液との間で水分移行が生じて、保存中およびおにぎりの具芯に使用したときに液垂れが発生する。そのため、煮熟後昆布にまぶし液を多くまぶした場合には、さらに液垂れが増えるため、従来の昆布佃煮の製法では、煮熟後昆布に対してまぶし液を増やすことができず、製品歩留りを向上させることができない。
また、従来の昆布佃煮の製法においては、煮熟後昆布をそのまま、または一旦冷却した後にまぶし液と混合しているが、煮熟後昆布は増粘多糖類を添加していない状態であっても粘着性があり昆布同士が結着しており、さらにまぶし液は昆布佃煮の照りの消失および乾燥を防ぐ目的で増粘剤を含み液粘度が高いことにより、撹拌を十分に行った場合であっても混合ムラが生じ、煮熟後昆布にまぶし液を均一にまぶすことは困難であった。そのため、おにぎりの具芯に使用した場合には、煮熟後昆布に吸収された調味料が離水しやすく、まぶし液とともに液垂れを生じていた。また、仮にまぶし液を均一にまぶすことができた場合にあっても煮熟後昆布とまぶし液との間で水分移行が生じるため、液垂れを抑制することは困難であった。
また、従来の昆布佃煮の製法においては、煮熟後昆布にまぶし液をまぶした場合には、煮熟後昆布に付着するまぶし液量は、煮熟後昆布100重量部に対して、多くとも10〜13重量部までであり、歩留りを向上させることができない。
一方、本発明による昆布佃煮においては、該二次煮熟処理によって、該一次煮熟後昆布と該二次調味料との間で水分および調味成分の移行が十分になされ浸透圧が同一化されているため、該一次煮熟後昆布と該二次調味液からなるゲル状の被膜物との間で離水が生じないため、昆布佃煮の液垂れを抑制することができる。
さらに、該二次煮熟処理においては、該二次煮熟処理により、昆布の表面全体に該二次調味液に含有させた寒天を含む増粘多糖類によってゲル状の被膜物が形成されるため、昆布の見かけの嵩高が大きくなり、さらに歩留りを向上させることができる。
該二次調味料の投入量は、該一次煮熟後昆布100重量部に対して、該二次調味料20〜60重量部まで投入することができ、好ましくは20〜40重量部である。
なお、該二次調味料の投入量が該一次煮熟後昆布100重量部に対して20重量部未満である場合には、昆布の表面全体に該二次調味料を隈なく行き渡らせることができないため好ましくなく、一方、該二次調味料の投入量が60重量部より多い場合には、昆布に付着しきれない調味料ゲルの塊が発生し、最終生産物である昆布佃煮の見た目が悪くなり、また、保存中の液垂れが多くなるため好ましくない。
また、該二次調味料は、該一次調味料と同様に醤油および甘味料を含むものであって、寒天を含む増粘多糖類を含有している。
本発明で使用される増粘多糖類は、寒天または寒天を含む他の増粘多糖類の混合物であり、寒天以外に使用される増粘多糖類は、特に限定されないが、タマリンドシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、グアガム、タラガム、ローカストビーンガム、アルギン酸等が例示される。
該二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量は、0.3〜0.8重量%濃度であり、好ましくは0.4〜0.7重量%濃度である。
上記の添加濃度の範囲においては、該二次調味料は煮熟終了後、冷却したときに、適度な硬さのゲル状物となるため、最終生産物である昆布佃煮がゼリー状の一体化物とはならずになめらかな状態にすることができるため、昆布佃煮として食感および見栄えが優れたものを得ることができる。
なお、該二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が0.3重量%濃度より少ない場合には、煮熟終了後、冷却したときに、該二次調味料からなるゲル状の被膜物が形成されず、最終生産物である昆布佃煮から液垂れが生じる。
一方、該二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が0.8重量%濃度を超える場合には、煮熟終了後、冷却したときに、最終生産物である昆布佃煮がゼリー状の一体化物となり、昆布佃煮としての見栄えを呈さない場合や、食べたときにゼリー状物の食感が残り違和感が生じることがあり好ましくない。
該二次煮熟処理の煮熟時間は、該一次煮熟後昆布と該二次調味料の浸透圧が同一化され、かつ、該二次調味料が冷却後にゲル化する濃度になるまで煮詰めることができればよく、特に限定されないが、該一次煮熟後昆布を投入し、沸騰後少なくとも5分以上煮熟することで該一次煮熟後昆布と該二次調味料の浸透圧が同一化される。該二次煮熟処理は好ましくは10〜40分間とすることがよく、苦味の発生の防止等の品質維持および生産性を考慮すると20〜30分間煮熟することがさらに好ましい。
なお、煮熟時間が短い場合には、該二次煮熟処理中に、昆布の表面全体に該二次調味料を隈なく行き渡らせることができず、一方、煮熟時間が長い場合は、最終生産物である昆布佃煮に苦味が生じるため好ましくない。
該二次調味料のBxの調整においては、特に限定されないが、該一次煮熟後昆布と該二次調味料とのBx差が20%以内、好ましくは10%以内にすることで、該二次煮熟処理において該一次煮熟後昆布と該二次調味料との浸透圧が速やかに同一化される。該二次調味液のBxは、該一次煮熟後昆布Bxと略同一であればよく、Bx40〜70であり、好ましくはBx50〜65に調整される。
また、該二次調味料は、該一次煮熟後昆布100重量部に対して20〜60重量部と少なく煮詰まるのが早いため、事前に加熱溶解し調整されるが、該一次煮熟後昆布のBxよりも該二次調味料のBxが低くなるように調整されることが好ましい。
該二次煮熟処理の開始初期において、該二次調味料のBxが、該一次煮熟後昆布のBxよりも低くなるように調整されていることによって、該一次煮熟後昆布と該二次調味料が均一化してBxを上げることができるが、該二次調味料のBxの方が高い場合には、該二次調味液だけが先に煮詰まり該一次煮熟後昆布のBxが上がらない場合が生じる。
続いて、該二次煮熟処理終了後、煮熟釜内にある昆布佃煮を、煮熟釜内に残った調味液ごと冷却装置に移し、40℃以下になるまで撹拌しながら冷却処理する(St7)。該冷却処理において撹拌することにより、煮熟釜内に残った調味液が余ることなく昆布佃煮に均一に付着する。
また、従来の製法では、煮熟終了後冷却した後、まぶし液をまぶす工程を必要とするが、本発明における製法ではまぶし工程が不要となり、省力化とコスト削減を図ることができる。
その後、上記で得られた昆布佃煮を袋詰め(St8)し、本発明の製品が完成する。
また、本発明の製品においては、該一次煮熟後昆布100重量部に対して該二次調味料を20〜60重量部を含み、且つ該二次調味液に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が0.3〜0.8重量%濃度であることから、本発明により得られた昆布佃煮の製品1重量部中には、寒天を含む増粘多糖類が0.05〜0.3重量%含まれている。
一方、従来製法による昆布佃煮においては、後述の実施例によれば、煮熟後昆布100重量部に対してまぶし液12.4重量部を含み、増粘多糖類の添加量が0.5重量%濃度であり、従来製法の昆布佃煮の製品1重量部中には、増粘多糖類が0.055重量%含まれている。
従って、本発明による昆布佃煮は、該一次煮熟後昆布と該二次調味料とを煮熟し連続して撹拌冷却され、且つ従来製法と比べて寒天を含む増粘多糖類を略同等以上多く含んでいることにより、液垂れを抑制することができる。
つぎに、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔材料および条件〕
下記の実施例および比較例は、特記しない限り、下記の材料および条件を用いて行った。
長昆布の乾燥昆布32kgを酢酸溶液に漬けた後、軟化した昆布を幅2mm長さ50mmの細切りに切断し、切断後の昆布を90℃10分間水煮処理した。
水煮処理後の昆布と、表1に示す一次調味料256kgとを合わせて、煮熟終了時にBx52となるように120分間煮熟して、一次煮熟後昆布113kgを得た。
次に、得られた一次煮熟後昆布を用い、一次煮熟後昆布5.65kgと、表2または表5のいずれかに示す二次調味料とを合わせて、煮熟終了時にBx55となるように約15分間撹拌しながら煮熟した後、撹拌しながら冷却して目的の昆布佃煮を得た。
〔実施例1〜4、比較例1〜3〕: 二次調味液の寒天添加量の検討
一次煮熟後昆布100重量部に対して二次調味料が60重量部となるように調整された表2に示す二次調味料、および表4に示す寒天添加量の条件で、一次煮熟後昆布と二次調味料とを撹拌煮熟した後、撹拌しながら冷却して昆布佃煮を得た。得られた昆布佃煮について、重量測定および官能評価をした後、下記方法で保存中の液垂れ量を測定した。
また、比較例1(対照〔従来製法〕)として、一次煮熟後昆布100重量部に対してまぶし液が12.4重量部となるように調整された表3に示すまぶし液の条件で、一次煮熟後昆布とまぶし液を混合して得られた昆布佃煮について、同様に重量測定および官能評価と保存中の液垂れ量を測定した。
〔官能評価〕
昆布佃煮の官能評価は、訓練された官能評価パネラー10名によって、従来製法の昆布佃煮を比較対象として、見栄えと食感(舌触り)について下記評価基準に基づき3段階評価した。人により結果が異なることがほとんどなかったため、最も人数が多かったもの総合評価とした。
〔見栄えの評価基準〕
○:対照と比べて、見栄えに遜色なく、昆布佃煮の表面が滑らかである。
△:対照と比べて、昆布佃煮の表面に寒天の小さな粒状物があるが問題がない範囲。
×:対照と比べて、昆布佃煮の表面に寒天の大きな粒状物があり、見栄えが劣る。
〔食感(舌触り)の評価基準〕
○:対照と比べて、食感に遜色ない。寒天の食感は感じられない。
△:対照と比べて、寒天の食感をわずかに感じるが問題がない範囲。
×:対照と比べて、寒天の食感をはっきりと感じ、違和感がある。
〔保存中の液垂れ量の測定〕
昆布佃煮の保存中の液垂れ量は以下の方法により行った。得られた昆布佃煮の各サンプル100gを蓋付容器の半分に詰め、昆布佃煮のある方を上になるようにして水平面から約60度に傾けて静置し、液垂れが下方に落ちるような状態にして30℃で24時間保存した。24時間後に容器下部に溜まった液垂れ量の質量を測定し、液垂れ量の質量(g)÷各サンプル量100g×100%を液垂れ率(%)とした。また、液垂れ率について下記評価基準で評価した。
〔液垂れ量の評価基準〕
○:液垂れ率が、5%未満である。
△:対照と比べて液垂れ率が少なく、液垂れ率が5%以上8%未満である。
×:液垂れ率が、8%以上である。
Figure 2019176764

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Figure 2019176764
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二次調味料の寒天の添加量が0.3〜0.8重量%濃度である場合には、比較例1(従来製法)と比べて、見栄えおよび食感が遜色なく、歩留りが改善され、液垂れが抑制されることが分かった。
〔実施例5〜8、比較例4〕: 二次調味液の投入量の検討
一次煮熟後昆布100重量部に対して二次調味料が20〜80重量部となるように調整された表5に示す二次調味料の条件で、一次煮熟後昆布と寒天0.4重量%含む二次調味料とを撹拌煮熟した後、撹拌しながら冷却して昆布佃煮を得た。得られた昆布佃煮について、段落〔0050〕の二次調味液の寒天添加量の検討と同様にして、重量測定した後、保存中の液垂れ量を測定した。



Figure 2019176764
Figure 2019176764
二次調味料の投入量が20〜60重量部である場合には、歩留りが改善され、液垂れが抑制されることが分かった。
本発明の方法によって製造される海藻類の佃煮は、おにぎりの具芯に用いたときに、液垂れが抑制されているため、ご飯の食感が損なわれず佃煮の味も薄くならず、食感、風味に優れたおにぎりを提供することができる。
また、本発明による方法は、従来製法と比べて海藻類の佃煮の歩留を向上させることができるため、海藻類の佃煮の生産性を高めることができる。
さらに、本発明の海藻類の佃煮は、液垂れが抑制されているだけでなく、付着性が低い寒天を使用していることにより計量適性に優れるため、おにぎり製造時においても生産性を向上させることができる。

Claims (3)

  1. 工程(a):水煮処理された海藻を、増粘多糖類を含まない一次調味料に浸漬して煮熟処理する一次煮熟工程、
    工程(b):工程(a)により煮熟された海藻を、寒天を含む増粘多糖類を含有する二次調味料とを合わせて煮熟処理する二次煮熟工程、を含み、
    工程(a)により煮熟された海藻100重量部に対して、前記二次調味料が20〜60重量部であり、前記二次調味料に含まれる寒天を含む増粘多糖類の添加量が、0.3〜0.8重量%濃度であること、を特徴とする海藻佃煮の製造方法。
  2. 工程(b)において、工程(b)を経て得られた前記海藻佃煮が、海藻佃煮全重量に対して寒天を0.05〜0.3重量%含有されるように調整されることを特徴とする請求項1記載の海藻佃煮の製造方法。
  3. 前記海藻佃煮の原料が、昆布、わかめ、ひじき、もずくである、請求項1、2記載の海藻佃煮の製造方法。
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