JP2019176090A - 電磁波シールド板 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なく低コストで製造可能な構造で、デフロスタ機能を持たせつつ、シールド特性と透光性を両立でき、視認特性が維持された電磁波シールド板を提供する。【解決手段】電磁波シールド板1は、ガラス基板2と、このガラス基板2の一方の面にAlからなる導電層3とを有するものであり、導電層3が形成されたガラス基板2の面に、導電層3と接触しないように、かつ、導電層3と略同一高さでヒータ配線4が設けられており、導電層3およびヒータ配線4は、導電層3とヒータ配線4との境界部を除いて連続する所定パターンからなる。【選択図】図1

Description

本発明は、主にディスプレイの前面に設置し、電磁波のディスプレイへの侵入またはディスプレイから外部への放射を防止するための電磁波シールド板(電磁波シールドウィンドウ)に関する。
PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(陰極線管)、VFD(蛍光表示管)、LCD(液晶ディスプレイ)などのディスプレイでは、その前面に板状やフィルム状の電磁波シールド部材が設置されている。電磁波シールド部材により、ディスプレイから発生する電磁波が外部に漏洩することを防止し、また、ディスプレイ外部からのノイズアタックによる誤作動などを防止している。このような電磁波シールド部材には、電磁波遮断(シールド)特性に加えて、ディスプレイの視認特性を確保するために高い透光性が要求される。このシールド特性と透光性を両立させるため、透明導電性薄膜を所定のパターン(例えばメッシュ状)でガラス基材に貼りつけたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、電磁波シールド板は屋外でも使用されており、その用途に対応してデフロスタ機能を有するものが知られている。この電磁波シールド板は、一般に、プリントされたヒータ配線を埋め込んだ加熱用のガラス基板と、電磁波シールド用のガラス基板とを張り合わせて製造される。このシールド板は、ヒータ配線が加熱されることで、シールド板の曇りを防止している。
国際公開2014−148589号
しかしながら、デフロスタ機能を有する電磁波シールド板は、2枚のガラス基板を相互に張り合わせる必要があり、部品点数および作製工数が増加し、製造コストが高くなる傾向がある。また、2枚のガラス基板を重ねることで、電磁波シールド板としての透光性が低下し、視認特性が低下するおそれがある。また、仮に一枚のガラス基板にデフロスタ機能とシールド機能を持たせようとしても、ヒータ配線を目立たずに設けることは容易ではない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、部品点数が少なく低コストで製造可能な構造でデフロスタ機能を持たせつつ、シールド特性と透光性を両立でき、視認特性が維持された電磁波シールド板を提供することを目的とする。
本発明の電磁波シールド板は、ガラス基板と、このガラス基板の一方の面にAl(アルミニウム)からなる導電層とを有する電磁波シールド板であって、上記導電層が形成された上記ガラス基板の面に、上記導電層と接触しないように、かつ、上記導電層と略同一高さでヒータ配線が設けられており、上記導電層および上記ヒータ配線は、上記導電層と上記ヒータ配線との境界部を除いて連続する所定パターンからなることを特徴とする。
上記所定パターンが格子状であり、上記導電層と上記ヒータ配線との境界部に、上記格子状の格子の辺の一部が切り離された切り離し部が形成されていることを特徴とする。
上記所定パターンが不規則的な形状の複数の多角形からなり、上記導電層と上記ヒータ配線との境界部に、上記多角形の辺の一部が切り離された切り離し部が形成されていることを特徴とする。
上記切り離し部は、該切り離し部が形成された辺の延在方向に直交する方向において、該辺の両端が互いに対向するように形成されていることを特徴とする。
上記ヒータ配線がAlからなり、上記ガラス基板に設けられた該ヒータ配線の面積が、上記導電層の面積の20%未満であることを特徴とする。
本発明の電磁波シールド板は、導電層が形成されたガラス基板の面に、該導電層と接触しないように、かつ、該導電層と略同一高さでヒータ配線が設けられており、1枚のガラス基板にデフロスタ機能とシールド機能を持たせているので、部品点数が少なく低コストで製造可能であり、2枚のガラス基板を用いることによる透光性の低下を回避できる。また、導電層およびヒータ配線は、該導電層と該ヒータ配線との境界部を除いて連続する所定パターン(例えば格子状)からなるので、導電層とヒータ配線との境界が目立ちにくい。その結果、シールド特性と透光性を両立でき、視認特性が維持できる。
所定のパターンが格子状であり、導電層とヒータ配線との境界部に、格子状の格子の辺の一部が切り離された切り離し部が形成されているので、全体として1つの格子状と見えるため、上記境界部を目立ちにくくできる。また、格子状は形成が容易であり製造コストの低減が図れる。
所定のパターンが不規則的な形状の複数の多角形からなるので、規則的な形状(例えば格子状)の場合における導電層形成後のモアレ抑制のための微調整をすることなく、モアレの発生を抑制できる。
切り離し部は、その切り離し部が形成された辺の延在方向に直交する方向において、該辺の両端が互いに対向するように形成されているので、上記境界部をより目立ちにくくできる。
上記導電層およびヒータ配線がAlからなり、導電層には高いシールド性(導電性)が求められる一方、ヒータ配線には高い発熱性が求められる。この点、ガラス基板に設けられた該ヒータ配線の面積が、導電層の面積の20%未満であるので、導電層のシールド性を維持しつつ、ヒータ配線の発熱性を確保できる。
本発明の電磁波シールド板の一例を示す正面図などである。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。 ヒータ配線の構成について他の例を示した図である。 ヒータ配線の構成について他の例を示した図である。 切り離し部の他の例などを示した図である。 本発明の電磁波シールド板の他の例を示す正面図である。 他の形態におけるヒータ配線の配設部分の拡大図である。 導電層の格子状にかかわらずヒータ配線を設けた場合の図である。
本発明の電磁波シールド板の一例を図1に基づいて説明する。図1(a)は電磁波シールド板を示す正面図であり、図1(b)は導電層のX部拡大図である。図1(a)に示すように、電磁波シールド板1は、透光性のガラス基板2と、ガラス基板2の一方の面に設けられたAlからなる導電層3とを備える。導電層3は、開口部を有する所定パターンに形成されている。
図1(b)に示すように、導電層3は、規則的な形状の複数の四角形(正方形)で構成された格子状であり、該格子間が開口部6である。開口部6は、導電層の非形成部であり、ガラス基板2の表面が露出している。この格子状は、微細格子状であり、導電層分は一見して目視で透明に見える透光部となる。所定パターンを格子状とする場合、通常、線幅Wとして3μm〜100μm、ピッチ幅Pとして0.2mm〜1mm程度とする。開口率を小さくすればシールド特性は向上するが、ディスプレイの透過率が悪くなるので、要求特性に応じて開口率は決められる。また、連続した細線を用いた形状であれば、六角や縦長の長方形、ひし形、台形などの任意のパターンにできる。
また、図1(a)において、電磁波シールド板1は、導電層3が形成されたガラス基板2の面に、ヒータ配線4を有している。ヒータ配線4は、通電により発熱する熱線であり、Alで構成されている。
ヒータ配線4は、ガラス基板2の略全域にわたり配設されている。図1では、ヒータ配線4は、略矩形状に等間隔に折り曲げられた蛇行形状をしており、ガラス基板2の端部で折り返され、該両端が接続部5にそれぞれ接続されている。ここで、ヒータ配線4よりも内側、つまりヒータ配線4に囲まれた導電層を3bとし、ヒータ配線4よりも外側の導電層を3aとする。導電層3bは、閉じた領域となり外部に導通されておらず、導電層3aに比べシールド性の面で不利となる。そのため、ガラス基板上における、導電層3bの面積は、導電層3全体(導電層3aおよび導電層3b)の面積の50%未満となっており、好ましくは40%未満であり、より好ましくは30%未満である。
接続部5は、バッテリーなどの電源部(図示省略)に接続される。接続部5を介してヒータ配線4に通電することで、ヒータ配線4が発熱し、発生した熱がガラス基板2を温める。これにより、ガラス基板2に付着した結露による曇りを取り除くことができる。ヒータ配線4は、ガラス基板2の曇りを防げる程度にガラス基板2の略全域に配設されていればよく、配設形状は図1の蛇行形状に限らない。また、図1の構成では、ヒータ配線4の両端が接続部5に接続されるようにしたが、接続部の構成はこれに限らない。例えば、ガラス基板の長手方向の両端に接続部として一対のバスバーを設け、一方のバスバーから他方のバスバーへ複数のヒータ配線を接続させてもよい。
本発明の電磁波シールド板は、一枚のガラス基板を用いて構成され、デフロスタ機能とシールド機能を備えたシールド板となっている。このシールド板において、ヒータ配線は、導電層が形成されたガラス基板の面に、該導電層と接触しないように、かつ、該導電層と略同一高さで設けられている。略同一高さとは、ガラス基板の面方向において、導電層に対して、ヒータ配線の一部または全部が重なっている状態であり、例えば、導電層とヒータ配線とが異なる層として積層されている状態は含まれない。ここで、ヒータ配線を導電層と接触しないように配設する構成として、例えば図9に示す構成が挙げられる。図9では、格子状の導電層3に隙間11が形成され、その隙間11にヒータ配線4が配設されている。ヒータ配線4から導電層3までの距離は、ある程度離す必要がある。このような構成では、導電層3とヒータ配線4との境界が目立ってしまい、視認特性の点から好ましくない。
これに対して、本発明の電磁波シールド板では、導電層(シールド機能を有する部分)と、ヒータ配線(デフロスタ機能を有する部分)とを、連続する所定パターンから構成し、絶縁が必要な境界部のみ、そのパターンを非連続とした(微細ギャップで切り離した)ことを特徴としている。なお、図1では、説明の便宜上、ヒータ配線4を際立たせて記載しているが、導電層3およびヒータ配線4が、これらの境界部を除いて連続する所定パターンから構成されるため、実際には、一見して全体が連続した1つの所定パターンで形成されているように見える。これについて、図2および図3に基づき説明する。なお、以下の図2〜図5では、導電層を実線で示し、ヒータ配線を点線で示している。
図2および図3は、それぞれ図1におけるA部およびB部の拡大図である。いずれの図においても、導電層3の所定パターンが格子状であり、導電層3とヒータ配線4との境界部には、格子の辺の一部が切り離された切り離し部7が形成されている。
図2に示す部位(A部)では、図中の左側の導電層3aと図中右側の導電層3bとの間に、ヒータ配線4が導入されている。導電層3aとヒータ配線4との境界部、および導電層3bとヒータ配線4との境界部に形成された切り離し部7によって、導電層およびヒータ配線が非接触の状態となっている。図2において、ヒータ配線4は、格子状の格子の一部を繋いで構成されている。具体的には、ヒータ配線4は、一本の配線で構成され、格子の2つの辺を繰り返し単位としてジグザグ状に蛇行して形成されている。なお、この繰り返し単位は、図2(2辺)に限らず、1辺や3辺以上とすることができる。また、繰り返し単位は一定でなく、可変とすることができる。
図3に示す部位(B部)は、図1においてヒータ配線4が直角に曲がって配設された部位である。この部位においても、図2と同様に、導電層3a、3bとヒータ配線4との境界部に形成された切り離し部7によって、導電層とヒータ配線が非接触の状態となっている。図3では、格子における切り離し部の形成パターンを変更することで、ヒータ配線の配設方向を変更している。図2および図3の構成では、ヒータ配線4が主に一本の配線で構成されるので、後述するように発熱性の点で好ましい。
ヒータ配線4の構成について、他の例を図4および図5に示す。図2(および図3)では、ヒータ配線4を格子状の格子の一部で構成、つまり各格子の辺を繋いで構成したが、図4では、辺を共有して隣接する格子同士を繋いで構成している。具体的には、ヒータ配線4は、複数の配線で構成され、3つの格子を繰り返し単位としてジグザグ状に蛇行して形成されている。また、図5では、頂点を共有する格子同士を繋いで直線状に構成している。図4および図5の構成では、ヒータ配線4が格子同士を繋ぎ複数の配線で構成されるので、格子の一部が断線してもヒータ配線全体としての導通を確保できる。
ここで、格子の辺において切り離し部を形成する位置は、特に限定されない。例えば図2〜図4に示すように、格子の辺の略中央位置に形成してもよく、また、ヒータ配線寄りの位置や導電層寄りの位置などに形成してもよい。しかし、ヒータ配線の構成によっては、切り離し部の位置が固定されることで、導電層とヒータ配線との境界が目立ってしまうことも考えられる。例えば、図5では、導電層3bとヒータ配線4との境界部における切り離し部7は、すべてヒータ配線4寄りの位置に形成されている。この場合、切り離し部7が規則的に配列され、導電層3bとヒータ配線4との境界部が直線状に形成されるため目立つおそれがある。これに対し、例えば、導電層3aとヒータ配線4との境界部では、切り離し部の位置として、導電層3寄りの位置(7a)、略中央位置(7b)、ヒータ配線4寄りの位置(7c)の3つの位置が設定され、切り離し部が各位置に順に形成されている。これにより、切り離し部の位置が適度に分散され、上記境界部を一層目立たなくすることができる。
以上、図2〜図5のいずれにおいても、シールド機能を有する導電層と、デフロスタ機能を有するヒータ配線とが、これらの境界部を除いて連続する格子状とされており、全体として1つの格子状と見えるため、該境界部を目立ちにくくできる。
図6(a)には、図2で示した切り離し部の拡大図を示す。図6(a)の切り離し部7において、該辺の一方の端部8は、突き合わせ部8aと、突き合わせ部8aから該辺の延在方向に突出したリップ部8bとを有する。該辺の他方の端部8’は、リップ部8bに対向する突き合わせ部8a’と、突き合わせ部8a’から該辺の延在方向に突出して突き合わせ部8aと対向するリップ部8b’とを有する。これらは、相補的に対応するように形成されている。この場合、一対のリップ部8b、8b’は、辺の延在方向と直交する方向で互いに対向するように形成される。また、この形態では、辺の延在方向と交差する方向で切った断面のいずれにおいても、辺の両端部8、8’のうち少なくともいずれか一方の端部が確認されるように形成されている。
切り離し部7の形状は、図6(a)の形状に限定されず、導電層3とヒータ配線4とが非接触の状態となるように、格子の辺の一部を切り離す形状であれば特に制限されない。例えば、辺の延在方向に対して直交する方向で分割した形状であってもよく(図6(b))、辺の延在方向に対して斜めに交差する方向で分割した形状であってもよい(図6(c))。図6(c)の場合、一対の両端部は、辺の延在方向と直交する方向で互いに対向するように形成される。導電層とヒータ配線の境界部をより目立たなくできることから、図6(a)や図6(c)の形状が好ましい。なお、図6(c)における辺の中心軸に対する交差角度は適宜設定可能であり、ヒータ配線の構成や、辺における切り離し部の位置などを加味して、導電層とヒータ配線との境界が目立たなくなるように調整するとよい。
切り離し部7における格子の切り離し幅W(図6参照)は、3μm〜100μmであることが好ましい。より好ましくは5μm〜50μmである。この切り離し幅Wのより好ましい範囲(5μm〜50μm)は、格子のピッチ幅P(図1(b)参照)との比で表すと、該ピッチ幅Pが0.2mm〜1mmである場合、W/P=(1/200)〜(1/4)となる。このような範囲内とすることで、境界部をより目立ちにくくできる。
図1〜図6の形態において、ヒータ配線4の幅は3μm〜100μm程度であり、導電層の格子の線幅Wと略同一であることが好ましい。また、ヒータ配線4の厚みは500nm〜5000nmが適当であり、導電層の膜厚と略同一であることが好ましい。つまり、ヒータ配線4は、導電層3と同寸法のAl薄膜で形成される金属薄膜であることが好ましく、導電層3と同様のAl薄膜を接続部5に接続することでデフロスタとして利用している。
上述したように、電磁波シールド板1は、導電層およびヒータ配線がAl薄膜で形成されている。ここで、デフロスタ機能を有するシールド板としては、導電層に高い導電性が求められる一方、ヒータ配線に高い発熱性が求められる。つまり、導電層ではAl薄膜の抵抗が小さいことが望ましく、ヒータ配線ではAl薄膜の抵抗が大きいことが望ましい。電磁波シールド板1では、ガラス基板に設けられたヒータ配線4の面積が、ガラス基板上の導電層3全体の面積に対して20%未満であり、好ましくは10%未満であり、より好ましくは5%未満である。ヒータ配線の面積の割合を上記数値範囲とすることで、導電層では導電性を高くしてシールド性を維持でき、ヒータ配線では発熱性を高くしてデフロスタ機能を確保できる。
本発明の電磁波シールド板に用いるガラス基板は、透光性絶縁基板であり、ソーダライムガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラス、アルカリ成分を含まない無アルカリガラスなどを採用できる。本発明では、高い透過率を有し、かつ、一般建材の窓ガラスに使用され非常に安価であることから、ソーダライムガラスを用いることが好ましい。また、ガラス基板2の厚みは、0.2〜1.8mm程度、好ましくは0.5〜1.2mm程度である。
本発明に用いる導電層はAlからなるAl薄膜である。導電層は、Alの固体ターゲット(蒸着材)を用いて、真空プロセスである、真空蒸着またはスパッタリングにより形成される。特に、均一な膜の形成が可能であり、安定的なシールド特性および視認特性を確保しやすいことから、スパッタリングによる成膜を行なうことが好ましい。スパッタリングは、上記固体ターゲットに加速したアルゴンイオンを衝突させて、ターゲット表面から飛び出した原子または分子をガラス基板上に付着して成膜する。
また、上述したように、ヒータ配線が導電層と同じAl薄膜である場合には、ヒータ配線および導電層は、スパッタリングなどによって同時に形成される。ヒータ配線と導電層との境界部に形成される切り離し部は、後述の湿式エッチングにより開口部とともに形成される。この方法によれば、別途の工程を必要とせず、簡便に上述の電磁波シールド板を製造できる。
導電層の膜厚は、500nm〜5000nmが適当である。500nm未満であると、所望のシールド特性を確保できない場合がある。一方、5000nmをこえると、シールド特性には優れるものの、工数が増えて製造コストが高くなる。より好ましくは800nm〜3500nmである。
また、本発明の電磁波シールド板は、ガラス基板と導電層との間に中間層が形成されることが好ましい。この場合、中間層は、(1)Cr、Mo、Wから選ばれる少なくとも1つの金属を含む薄膜である。この中間層は、可視光の干渉により入射光を吸収して黒色に見える層(黒色層)である。Al導電層は、可視光(波長約400〜700nm)の反射率が極めて高く、ギラツキを生じやすいため、ガラス基板上にAl導電層のみを形成する場合では、ディスプレイの視認特性を著しく低下させるおそれがある。そのため、上記中間層を、ガラス基板とAl導電層との間に介在させることで、可視光の反射率を低減させることが好ましい。
中間層は、上述のAl薄膜の形成と同様に、スパッタリングなどにより形成できる。また、中間層には、(2)Alの酸化物およびTiの酸化物から選ばれる少なくとも1つの酸化物を所定量含むことが好ましい。Tiの酸化物としてはTiOが、Alの酸化物としてはAlがそれぞれ挙げられる。これら酸化物を所定量含むことで、反射率の更なる低減が図れる。中間層の膜厚は、5nm〜500nmが適当である。5nm未満であると、十分な黒色化が図れず、反射率の低減を図れない場合がある。一方、500nmをこえると、可視光の干渉効果による反射光低減効果が得られないおそれがある。より好ましくは、50nm〜200nmである。この膜厚は、中間層材料の屈折率に応じて材料毎に決められる。
図1に示す、導電層3の開口部6(中間層を有する構成では、導電層および中間層の開口部)は、湿式エッチングにより形成される。一例として、エッチングパタンのマスク層をレジスト材料を用いてスクリーン印刷などにより形成し、所定のエッチング液を用いて湿式エッチングにより開口部に相当する部分を除去することで得られる。エッチング液としては、中間層を有する構成では、導電層および中間層の両材料を同時にエッチングできる液を選択すると製造効率に優れる。例えば、りん酸系エッチング液が好適である。
本発明の電磁波シールド板の他の例を図7に基づいて説明する。図7は、電磁波シールド板の他の例を示す平面図であり、図1と同様に、電磁波シールド板1’は、ガラス基板2と導電層3とヒータ配線4と接続部5を有する。電磁波シールド板1’において、導電層3の所定パターンは不規則(ランダム)に形状が異なる複数の多角形からなっている。それぞれの多角形において、その内部領域が開口部(導電層3の非形成部)であり、その多角形の辺が導電層3の形成部分である。ここで、図7の所定パターンを構成する多角形は、正多角形以外の任意の頂点数の多角形とすることが好ましい。また、所定パターンを構成する多角形の角をR形状としてもよい。
図示は省略するが、図7においても、図1と同様に、導電層3(導電層3aおよび導電層3b)とヒータ配線4との境界部に、多角形の辺を切り離す切り離し部が形成されている。この場合、導電層3とヒータ配線4とが、これらの境界部を除いて連続する不規則な多角形とされており、全体として不規則な形状となっているため、該境界部を目立ちにくくできる。
多角形の寸法や形状は、透光性などの電磁波シールド板として要求される所望特性を満たす範囲であれば特に限定されない。例えば、多角形は、その辺の幅が3μm〜100μmであり、1辺の長さ(ピッチ)が0.2mm〜1mmとする。
図7に示す例では、導電層およびヒータ配線の所定パターンを不規則な形状の多角形で構成し、所定パターンの規則性を低くすることを特徴としている。例えば、所定パターンの規則性が高い格子状の導電層の場合、LCDなどに貼り合わせると表示画面上にモアレが発生しやすい。従来の格子状の導電層では、モアレの発生を抑制するため、格子のパターン形状を微調整する工程が必要となるため、作製工数の増加が欠点であった。これに対し、図7に示す形態では、所定パターンをランダム型にすることで、張り合わせるディスプレイ(例えば、LCD)の種類によらずモアレを防止できる。これにより、パターン形状を微調整する必要がなくなり、作製工数の削減が図れる。また、所定パターンをランダム型にすることで、切り離し部が規則的に配列されることが回避され、境界部が目立つことを防げる。
上述した電磁波シールド板では、ヒータ配線としてAlを用いたが、これに限らず、銅、ニッケル、モリブデン、タンタル、タングステン、ニッケル−クロム系、鉄−クロム−アルミ系などの導電性の金属または合金を用いることができる。
また、本発明の電磁波シールド板は、ガラス基板上に、ヒータ配線が導電層と接触しないように、かつ、導電層と略同一高さで、目立たないように設けられる構成であればよく、上記の形態に限定されない。例えば、図8には、他の形態の電磁波シールド板における、ヒータ配線の配設部分の拡大図を示している。図8に示すように、この形態では、導電層が所定パターン形状(格子状)に形成され、その格子状に沿って、ヒータ配線が配設されている。具体的には、ヒータ配線は、格子形状に沿いつつ、切り離し部を介して隣接する格子同士の内部領域を繋ぐように配設されている。
図8には、格子状の各格子を構成する四角形9a、9b、9cを示している。これら四角形は、四角形9aと四角形9bが互いに隣接しており、四角形9bと四角形9cが互いに隣接している。これら四角形9a、9b、9cは、各辺を分割する切り離し部7をそれぞれ有している。具体的には、四角形9aと四角形9bの共通の辺9abに切り離し部7が形成され、四角形9bと9cの共通の辺9bcに切り離し部7が形成されている。切り離し部7は、該辺における一対の端部が相互に離れた部位であり、ヒータ配線4は、各切り離し部7を介して隣接する四角形同士の内部領域を繋ぐように配設される。なお、切り離し部7の形状は、図6の説明で示したとおりであり、ここでは図6(a)を採用している。この形状により、該切り離し部が形成された辺の延在方向に沿った通路が形成され、該辺と略平行な通路にヒータ配線4を配設できるので、ヒータ配線を一層目立ちにくくできる。図8では、四角形9a、9b、9cの各内部領域、および各切り離し部7が、ヒータ配線4の通路となる。
このように、図8の形態では、ヒータ配線が、格子形状に沿いつつ、各切り離し部を介して格子間を繋ぐように配設されるので、ヒータ配線を目立たずに設けることができる。なお、導電層の所定パターンは格子状に限らず、図7に示すような不規則的な形状の複数の多角形で構成されていてもよい。
本発明の電磁波シールド板は、部品点数が少なく低コストで製造可能な構造でデフロスタ機能を持たせつつ、シールド特性と透光性を両立でき、視認特性が維持できるので、電磁波の遮断を必要とする任意の箇所に使用でき、特に、屋外で使用されるPDP、CRT、VFD、LCDなどのディスプレイの前面に設置する用途に好適に利用できる。
1、1’ 電磁波シールド板
2 ガラス基板
3 導電層
4 ヒータ配線
5 接続部
6 開口部
7 切り離し部
8、8’ 端部
9 格子

Claims (5)

  1. ガラス基板と、このガラス基板の一方の面にAlからなる導電層とを有する電磁波シールド板であって、
    前記導電層が形成された前記ガラス基板の面に、前記導電層と接触しないように、かつ、前記導電層と略同一高さでヒータ配線が設けられており、
    前記導電層および前記ヒータ配線は、前記導電層と前記ヒータ配線との境界部を除いて連続する所定パターンからなることを特徴とする電磁波シールド板。
  2. 前記所定パターンが格子状であり、
    前記導電層と前記ヒータ配線との境界部に、前記格子状の格子の辺の一部が切り離された切り離し部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド板。
  3. 前記所定パターンが不規則的な形状の複数の多角形からなり、
    前記導電層と前記ヒータ配線との境界部に、前記多角形の辺の一部が切り離された切り離し部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド板。
  4. 前記切り離し部は、該切り離し部が形成された辺の延在方向に直交する方向において、該辺の両端が互いに対向するように形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の電磁波シールド板。
  5. 前記ヒータ配線がAlからなり、前記ガラス基板に設けられた該ヒータ配線の面積が、前記導電層の面積の20%未満であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の電磁波シールド板。
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