JP2019175656A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出の抑制されたリチウムイオン二次電池を提供すること。【解決手段】正極と負極とがセパレータを介して捲回された捲回体と、上記捲回体を収納する外装体と、を備え、上記捲回体は、複数の平面部と前記平面部を連結する曲面部とを含んでなり、上記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さをRa1、上記平面部におけるセパレータの算術平均粗さをRa2としたとき、Ra1>Ra2の関係を満たすことを特徴とするリチウムイオン二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯電話やパソコン等の電子機器の小型化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。また、このような状況下において、充放電容量が大きく、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
上記リチウムイオン二次電池は、一般的に電極体と非水電解液を備え、電極体の形状から積層型電池と捲回型電池の大きく二つに分類することが出来る。このうち、捲回型電池の電極体は、長尺なシート状の電極および長尺なシート状のセパレータを一まとめとして扁平形状に捲回して製造されることから、一巻きのロールから連続的に製造が可能で、生産性に優れるという優位点を有している。
ただし、上記捲回型電池はその構造上、電極体に平面部と曲面部が存在することとなり、この曲面部に起因する特有の問題が発生することも知られている。例えば、曲面部の応力の不均一性によって製造過程で微小短絡を生じる問題について、特許文献1では、捲回体の最外周部に余剰セパレータ領域を設けることで、曲面部における応力緩和と、電荷担体のバランスを改善し、上記問題を解決する方法が開示されている。
特開2017−10878号
しかしながら、従来技術の方法では未だ諸特性は満足されず、特に曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出の抑制が求められている。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制されたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極と負極とがセパレータを介して捲回された捲回体と、上記捲回体を収納する外装体と、を備え、上記捲回体は、複数の平面部と上記平面部を連結する曲面部とを含んでなり、上記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さをRa、上記平面部におけるセパレータの算術平均粗さをRaとしたとき、Ra>Raの関係を満たすことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
これによれば、捲回体の曲面部は作製時に隙間が生じやすく、極板間距離が空くことで充放電が不均一になりやすい。本発明に係るセパレータを用いることで、捲回体作製時のずれが抑制されるとともに、曲面部におけるセパレータの表面積が大となることで局所的な電解液の保液量が大幅に向上し、リチウムイオンが速やかに供給されることで充放電が均一に進行し、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制される。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は更に、上記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さRaが0.40μm以上であることが好ましい。
これによれば、曲面部におけるセパレータの算術平均粗さとして好適であり、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制される。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は更に、上記曲面部におけるセパレータが、上記負極と接する主面上に、セルロース誘導体を含む表面コート層を有することが好ましい。
本発明によれば、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制されたリチウムイオン二次電池が提供される。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 本実施形態に係るリチウムイオン二次電池における捲回体を展開した図である。 本実施形態に係るリチウムイオン二次電池における捲回体の端部を拡大した模式断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<リチウムイオン二次電池>
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、発電素子1と外装体2とを備える。発電素子1は、正極10と負極20とセパレータ30とを有する。図1に示す発電素子1は、正極10と負極20とが、セパレータ30を挟んで対向配置され、捲回されてなる捲回体である。正極10及び負極20のそれぞれには、外部との電気的接続のための端子15、25が設けられている。
図2は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池における捲回体を展開した図である。正極10は、板状の正極集電体12に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状の負極集電体22に負極活物質層24が設けられたものである。また正極10及び負極20の一部には、絶縁テープ40が貼られている。絶縁テープ40は、端子15、25の短絡を防ぎ、活物質層が集電体から剥離するのを抑制する。
図3は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池における捲回体の端部を拡大した模式断面図である。捲回体端部は、平面部Rと、平面部Rを連結する曲面部Rとを有する。
<正極>
正極10は、正極集電体12と、正極集電体12の両面に設けられた正極活物質層14とを有する。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、および正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )のドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の正極活物質を使用できる。上記正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、ニッケルマンガン酸リチウム、Li(NiCoMn)O(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1であり、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crから選択される少なくとも一種)で表される複合金属酸化物、Li(PO(1≦a≦4、1≦b≦2、1≦c≦3であり、MはFe,V,Co,Mn,Ni,VOから選択される少なくとも一種)で表されるポリアニオンオリビン型正極、等が挙げられる。
(正極用バインダー)
正極用バインダーは正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質層14と正極用集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂や、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン(VDF−HFP−TFE)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン(VDF−CTFE)等のビニリデンフルオライド系フッ素樹脂、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等の非フッ素樹脂を用いてもよい。
更に、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物と、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩とを複合化させたもの等が挙げられる。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤としては、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物が挙げられる。また、正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層14は導電助剤を含んでいなくても良い。
<負極>
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22の両面に設けられた負極活物質層24と、を有する。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、および負極用導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )のドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の負極活物質を使用できる。上記負極活物質としては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと合金を形成することが出来る金属、酸化シリコン、酸化スズ等の非晶質の酸化物、チタン酸リチウム(LiTi12)、等が挙げられる。
(負極用バインダー)
負極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した正極用バインダーと同様のものを用いることができる。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した正極用導電助剤と同様のものを用いることができる。
<セパレータ>
セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質構造を有する。上記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの単層体あるいは積層体や、セルロース、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等からなる繊維不織布が挙げられる。
また、上記セパレータは、その表面を無機化合物や有機化合物で被覆されていても良い。上記無機化合物としては、アルミナやベーマイト等の絶縁性金属酸化物、上記有機化合物としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリエチレンオキシド(PEO)等を用いることが出来る。
以下で、本実施形態に係るセパレータについて、更に詳しく記載する。
本実施形態に係るセパレータは、曲面部Rにおけるセパレータの算術平均粗さをRa、平面部Rにおけるセパレータの算術平均粗さをRaとしたとき、Ra>Raである。
これによれば、捲回体の曲面部は作製時に隙間が生じやすく、極板間距離が空くことで充放電が不均一になりやすい。本実施形態に係るセパレータを用いることで、捲回体作製時のずれが抑制されるとともに、曲面部におけるセパレータの表面積が大となることで局所的な電解液の保液量が大幅に向上し、リチウムイオンが速やかに供給されることで充放電が均一に進行し、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制される。
本実施形態に係るセパレータは更に、上記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さRaが0.40μm以上であることが好ましい。
これによれば、曲面部におけるセパレータの算術平均粗さとして好適であり、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制される。
算術平均粗さを上記既定の範囲に調整する方法としては、例えば、無機フィラーと高分子樹脂から成る保護層を塗布する方法が挙げられる。特に、無機フィラーの粒径や粒子形状を適当なものとすることで、任意の算術平均粗さのセパレータを得ることが出来る。上記無機フィラーとしては特に限定はされないが、アルミナやベーマイト等を用いることができ、上記高分子樹脂としても特に限定はされないが、PVDF、PTFE、ポリエチレンオキシド(PEO)等、一般的な材料を用いることが出来る。
本実施形態に係るセパレータは更に、上記曲面部におけるセパレータが負極と接する主面上に、セルロース誘導体を含む表面コート層を有することが好ましい。
これによれば、曲面部におけるセパレータの負極と接する主面上に、セルロース誘導体を含む表面コート層を有することで、セパレータ−負極間の界面抵抗が減少し、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出がより抑制される。
<電解液>
本発明に係る電解液は、溶媒および電解質から主に構成されるものである。
(溶媒)
上記溶媒としては、一般にリチウムイオン二次電池に用いられている溶媒を任意の割合で混合して使用することが出来る。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート化合物、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)等の鎖状カーボネート化合物、γ−ブチロラクトン(GBL)等の環状エステル化合物、プロピオン酸プロピル(PrP)、プロピオン酸エチル(PrE)、酢酸エチル等の鎖状エステル化合物が挙げられる。
(電解質)
電解質は、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩であれば特に限定は無く、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビスオキサレートボラート等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、(CFSONLi、(FSONLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
Li(Ni0.80Co0.15Al0.05)O85質量部、アセチレンブラック5質量部、PVDF10質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、正極活物質層形成用のスラリーを調整した。このスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム金属箔の一面に、正極活物質の塗布量が9.0mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、正極を作製した。
(負極の作製)
鱗片状人造黒鉛90質量部、アセチレンブラック5質量部、PVDF5質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、負極活物質層形成用のスラリーを調整した。上記スラリーを、厚さ20μmの銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が6.0mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、負極を作製した。
(セパレータの作製)
セパレータとして、厚み16μm、空孔率60%のポリエチレン製多孔質フィルムを準備した。無機フィラーとしてα−Al(平均粒径1.0μm)95質量部、高分子樹脂としてPVDF5質量部を水に分散させたスラリーを、上記セパレータに塗布し、60℃で真空乾燥することで保護層を形成した。その後、油圧式加熱プレスを用い、平面部に当たる領域を温度60℃、圧力400kPaで、曲面部に当たる領域を温度40℃、圧力100kPaでそれぞれ加圧成型した。
上記で作製したセパレータに、カルボキシメチルセルロース1wt%を水:メチルエチルケトン(MEK)=70:30(vol%)に溶解させた溶液を、塗布量が0.1mg/cmとなるように塗布して表面コート層を形成した。
(算術平均粗さの測定)
上記で作製したセパレータについて、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製 VK−9710)にて表面を観察し、解析ソフト(キーエンスソフトウェア株式会社製 VK―Analyzer)を用いてJIS B0601:1994に準じた条件で、曲面部におけるセパレータの算術平均表面粗さRaおよび平面部におけるセパレータの算術平均粗さRaを求めた。結果を表1に示す。
(捲回体の作製)
上記で作製した正極、負極およびセパレータの一端側を軸としてこれらを巻き取り、捲回体を作製した。ここで、上記負極と接する主面上に上記セパレータの表面コート層が配置されるように捲回体を作製した。
(電解液の作製)
体積比でEC:DEC=30:70となるように混合し、これに1.0mol/Lの濃度となるようにLiPFを溶解し、電解液を作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した捲回体を、収容空間が形成されているアルミラミネートフィルムの外装体内に収納し、上記で作製した電解液を注入し、真空シールを行って評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
(電池化)
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池を、充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、25℃の恒温槽内で充電レート0.2Cの定電流充電で電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行った後、放電レート0.2Cの定電流放電で電池電圧が2.8Vとなるまで放電を行った。ここで、X(C)とは、25℃で定電流充電を行ったときに1/X時間で充電終了となる電流値を示す。
(サイクル経過後リチウム析出の確認)
上記で電池化した評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の恒温槽内で充電レート2.0Cの定電流充電で電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行い、続いて、放電レート1.0Cの定電流放電で電池電圧が2.8Vとなるまで放電を行った。上記充放電パターンを1サイクルとし、100サイクルの充放電を行った。100サイクル経過後の電池について、グローブボックス中、不活性雰囲気化で電池を解体して負極曲面部の確認を行ったところ、リチウム析出は確認されなかった。
[実施例2]
(セパレータの作製)
無機フィラーとしてα−Al(平均粒径3.0μm)を使用した以外は実施例1と同様として、実施例2のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例3]
(セパレータの作製)
無機フィラーとしてベーマイト(平均粒径4.0μm)を使用した以外は実施例1と同様として、実施例3のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例3の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例4]
(セパレータの作製)
セパレータの作製において、曲面部に当たる領域を温度40℃、圧力200kPaで加圧成型した以外は実施例1と同様にして、実施例4のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例4の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例5]
(セパレータの作製)
セパレータの作製において、メチルセルロース1wt%を水:MEK=50:50(vol%)に溶解させ、塗布量が0.1mg/cmとなるように塗布して表面コート層を形成した以外は実施例1と同様として、実施例5のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例5の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例6]
(セパレータの作製)
セパレータの作製において、エチルセルロース1wt%を水:MEK=50:50(vol%)に溶解させ、塗布量が0.1mg/cmとなるように塗布して表面コート層を形成した以外は実施例1と同様として、実施例6のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例6の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例7]
(セパレータの作製)
セパレータの作製において、ヒドロキシエチルセルロース1wt%を水:MEK=70:30(vol%)に溶解させ、塗布量が0.1mg/cmとなるように塗布して表面コート層を形成した以外は実施例1と同様として、実施例7のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例7の評価用リチウム二次電池を作製した。
[実施例8]
(セパレータの作製)
セパレータの作製において、セパレータの曲面部に当たる領域のみに保護層を間欠塗布した以外は実施例1と同様の方法で、実施例8のセパレータを作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例8の評価用リチウム二次電池を作製した。
[比較例1]
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
保護層および表面コート層を形成しなかった未処理のセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の評価用リチウム二次電池を作製した。
[比較例2]
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
表面コート層のみ形成したセパレータを用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例2の評価用リチウム二次電池を作製した。
(算術平均粗さの測定)
実施例2〜8および比較例1〜2で作製したセパレータについて、実施例1と同様の方法で曲面部におけるセパレータの算術平均表面粗さRaおよび平面部におけるセパレータの算術平均粗さRaを求めた。結果を表1に示す。
(サイクル経過後リチウム析出の確認)
実施例2〜8、および比較例1〜2で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、実施例1と同様の方法でサイクル経過後のリチウム析出を確認した。結果を表1に示す。なお、表中において、「◎」はリチウム析出が全くない状態、「○」はリチウム析出が僅かに確認された状態(負極曲面部の総面積に対して1%以下)、「△」はリチウム析出が確認された状態(負極曲面部の総面積に対して5%以下)、「×」はリチウム析出が多く確認された状態(負極曲面部の総面積に対して10%以下)であることを示す。
実施例1〜8はいずれも、曲面部および平面部におけるセパレータの算術平均粗さを最適化しなかった比較例1〜2よりも、繰り返し充放電時の負極曲面部におけるリチウム析出が改善することが確認された。
実施例1〜4の結果から、表面コート層としてカルボキシメチルセルロースを有する場合、繰り返し充放電時の負極曲面部におけるリチウム析出がより改善することが確認された。
Figure 2019175656
本発明により、曲面部における繰り返し充放電時の金属リチウム析出が抑制されたリチウムイオン二次電池が提供される。
1…発電素子、2…外装体、10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、15…端子、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、25…端子、30…セパレータ、40…絶縁テープ、100…リチウムイオン二次電池、R…平面部、R…曲面部



Claims (3)

  1. 正極と負極とがセパレータを介して捲回された捲回体と、
    前記捲回体を収納する外装体と、を備え、
    前記捲回体は、複数の平面部と前記平面部を連結する曲面部とを含んでなり、
    前記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さをRa、前記平面部におけるセパレータの算術平均粗さをRaとしたとき、Ra>Raの関係を満たすことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記曲面部におけるセパレータの算術平均粗さRaが、0.40μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記曲面部におけるセパレータが、前記負極と接する主面上に、セルロース誘導体を含む表面コート層を有することを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。

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