JP2019175274A - プラント監視制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オペレータが的確なプラント機器の監視、制御を迅速に実施することができるプラント監視制御装置を提供する。【解決手段】接近判定部1dによりプラント機器で得られる計測信号の現在値が当該計測信号に関する制限値に接近していると判定された場合には、表示データ管理部1cで編集された計測信号の経時変化を示すトレンドグラフを表示する際に、計測信号に関する制限値をガイドラインとして同時に表示することで、オペレータが制限値への接近度合を考慮した的確なプラント機器の監視制御を実現する。【選択図】図2
Description
本願は、オペレータに対して迅速で的確なプラント機器の監視、制御の実行を支援するプラント監視制御装置に関するものである。
従来のプラント監視制御装置においては、プラント機器を監視、制御するために、プラント機器に設けられた各種のセンサから得られる計測信号について、過去から現在までの経時変化をトレンドグラフとして画面表示する一方、プラント機器の運転制御に支障を来すと推測される値(上限値あるいは下限値)を予め制限値として設定しておき、計測信号の現在値が制限値へ接近するのに応じて、トレンドグラフをフリッカ表示するなど強調表示してオペレータに警告することで、プラント機器の監視、制御を容易に行えるようにしたものが提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
このように、従来のプラント監視制御装置においては、計測信号の現在値が制限値へ接近するのに応じて、計測信号に関するトレンドグラフを強調表示してオペレータに警告するようにしているものの、強調表示されたトレンドグラフと共に制限値を同時に画面表示するような構成にはなっていなかった。
そのため、オペレータは、トレンドグラフが強調表示されたことを確認した後にプラント機器の運転制御を行おうとしても、計測信号の現在値が制限値にどの程度まで接近しているかを十分に把握できず、現在値の制限値への接近度合を考慮してプラント機器の運転制御を適切に実施することができなかった。
例えば、計測信号のトレンドグラフが急峻に変化しているためにプラント機器の制御に迅速な対応が求められるような状況下において、強調表示されたトレンドグラフを確認した場合でも、計測信号の現在値が制限値にどの程度まで接近しているかを十分に把握できないため、通常の対応を実施すると、計測信号の現在値が制限値を逸脱してしまうという不具合を生じることがあった。また、計測信号の制限値に関する情報を把握するためには別画面にて制限値の情報を収集しなければならず、迅速な対応が求められる場合でも対応に余分な時間を要し、要求に十分応えられないという問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、オペレータが計測信号の現在値の制限値への接近度合を考慮して常に的確なプラント機器の運転制御を迅速に実施することができるプラント監視制御装置を提供することを目的としている。
本願に開示されるプラント監視制御装置は、プラント機器の運転状態の監視および制御を行うプラント監視制御装置であって、
表示装置への画面表示制御を行う表示制御部と、上記プラント機器から得られる計測信号を蓄積するデータ蓄積部と、上記データ蓄積部に蓄積された上記計測信号の過去から現在までの経時変化をトレンドグラフとして編集する表示データ管理部と、上記計測信号が、当該計測信号に関して予め設定された一定の制限値に接近しているかどうかを一定の条件の下で判定する接近判定部とを備え、
上記表示制御部は、上記接近判定部により上記計測信号の現在値が当該計測信号に関する上記制限値に接近していると判定された場合には、上記表示データ管理部で編集された上記トレンドグラフを表示する際に、上記計測信号に関する上記制限値の少なくとも一つをガイドラインとして同時に表示するものである。
表示装置への画面表示制御を行う表示制御部と、上記プラント機器から得られる計測信号を蓄積するデータ蓄積部と、上記データ蓄積部に蓄積された上記計測信号の過去から現在までの経時変化をトレンドグラフとして編集する表示データ管理部と、上記計測信号が、当該計測信号に関して予め設定された一定の制限値に接近しているかどうかを一定の条件の下で判定する接近判定部とを備え、
上記表示制御部は、上記接近判定部により上記計測信号の現在値が当該計測信号に関する上記制限値に接近していると判定された場合には、上記表示データ管理部で編集された上記トレンドグラフを表示する際に、上記計測信号に関する上記制限値の少なくとも一つをガイドラインとして同時に表示するものである。
本願に開示されるプラント監視制御装置によれば、プラントの監視制御用の計測信号の現在値が予め設定された制限値に接近した場合、計測信号の現在値が制限値を逸脱する前に予めそのトレンドグラフと共に制限値をガイドラインとして同時に画面表示するので、オペレータに対して計測信号の現在値が制限値を逸脱する恐れがあることを事前に警告することができる。これにより、計測信号の現在値の制限値への接近度合を考慮して的確なプラント機器の監視、制御を迅速に実施することが可能となる。
実施の形態1.
図1は本願の実施の形態1のプラント監視制御装置を含むプラント監視制御システム全体の構成図である。
図1は本願の実施の形態1のプラント監視制御装置を含むプラント監視制御システム全体の構成図である。
本システムは、プラント機器4の運転状態を監視、制御するプラント監視制御装置1、プラント機器4に設けられた図示しない各種のセンサから得られる計測信号を収集してプラント監視制御装置1に送信するとともに、プラント監視制御装置1からの制御指令に基づいてプラント機器4を制御するプラント情報処理装置2、およびプラント監視制御装置1とプラント情報処理装置2の双方向で情報、制御指令の伝達を実現するプラント制御バス3とを備えて構成されている。
図2は、本願の実施の形態1におけるプラント監視制御装置の詳細を示す構成図である。
この実施の形態1のプラント監視制御装置1は、ディスプレイなどの表示装置200への画面表示制御を行う表示制御部1a、プラント情報処理装置2から収集した各種の計測信号を所定の期間分蓄積するデータ蓄積部1b、データ蓄積部1bに蓄積された計測信号の過去から現在までの経時変化をトレンドグラフとして画面表示したり、予め設定された制限値をガイドラインとして画面表示したりするためのデータを編集、保持する表示データ管理部1c、および計測信号の現在値が制限値に接近しているかどうかを所定の条件の下で判定する接近判定部1dを備える。また、プラント監視制御装置1のハードウエア構成としては、中央演算処理装置100と記憶装置101から構成され、中央演算処理装置100は表示制御部1a、表示データ管理部1cおよび接近判定部1dの機能を実行し、記憶装置101はハードディスクなどにより構成されてデータ蓄積部1bを有している。
図3は、この実施の形態1におけるトレンドグラフとガイドラインの表示処理の手順を示すフローチャートである。
表示データ管理部1cは、データ蓄積部1bが蓄積している各種の計測信号の内から、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号を抽出して取得する(ステップS1)。ここでは、トレンドグラフの表示対象となる計測信号が全部でk種類(i=1〜k)存在するものとする。
接近判定部1dは、表示データ管理部1cの保持するトレンドグラフの表示対象となる計測信号の内から、一つの計測信号(最初はi=1)について、当該信号の現在値Diが制限値Liに接近しているかどうかを判定する(ステップS2)。なお、上記の制限値Liは、計測信号の種類(例えば水処理プラントの場合には水量、水圧などの計測信号の種類)に応じてそれぞれ適切な値になるように予め設定されている。
すなわち、ステップS2において、図4Aに示すように、一つの計測信号の現在値Diと制限値Liとの差分をΔDi(=|Di−Li|)とした場合、制限値Liを基準として予め設定した所定の判定幅Miとの大小を比較し、ΔDi≦Miならば当該信号の現在値Diが制限値Liに接近している判定する。これに対して、ΔDi>Miならば当該信号の現在値Diは制限値Liに接近していないと判定する。なお、上記の判定幅Miは、制限値Liの場合と同様、計測信号の種類に応じてそれぞれ適切な値に設定される。
そして、接近判定部1dによって計測信号の現在値Diが制限値Liに接近していると判定された場合には、表示データ管理部1cは、ガイドラインの表示/非表示用のフラグFi(これは後述のように表示色識別用のフラグを兼用している)をON(Fi=1)にし、そのフラグFi(=1)を保持する(ステップS3)。
これに対して、ステップS2において接近判定部1dによって計測信号の現在値Diが制限値Liに接近していないと判定された場合には、表示データ管理部1cはガイドラインの表示/非表示用のフラグFiをOFF(Fi=0)にし、そのフラグFi(=0)を保持する(ステップS4)。
次に、表示制御部1aは、表示データ管理部1cからトレンドグラフの表示対象となる当該計測信号およびガイドラインの表示/非表示用のフラグFiを取得する。そして、フラグFiがON(Fi=1)の場合は、表示画面5上に計測信号の経時変化を示すトレンドグラフと共に制限値Liをガイドラインとして表示する(ステップS5)。また、フラグFiがOFF(Fi=0)の場合は、ガイドラインは非表示とし、トレンドグラフのみを表示する(ステップS6)。
次に、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号について上記ステップS2〜S6の処理が完了したかどうかを判定する(ステップS7)。トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号(i=1〜k)について上記処理が未だ完了していなければ、カウント値iを一つ増やした後(ステップS8)、フラグFiをOFF(Fi=0)にした上で(ステップS9)、ステップS2に戻り、表示データ管理部1cの保持するトレンドグラフの表示対象となる次の一つの計測信号(i=2)について、上記と同じ処理を実行する。
このようにしてトレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号の処理が完了すると(i≧kでYES)、表示制御部1aは表示処理を終了する。
このようにしてトレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号の処理が完了すると(i≧kでYES)、表示制御部1aは表示処理を終了する。
なお、図4Bに示すように、ガイドラインの表示/非表示用のフラグFi(i=1〜k)は、表示色識別用のフラグも兼用しており、このフラグFi(i=1〜k)に応じて、トレンドグラフ(実線)とガイドライン(破線)の色が変更される。このため、表示画面5上にトレンドグラフとガイドラインが同時に複数存在する場合でも、互いを識別することができる。
例えば、図5に示すように、トレンドグラフの表示対象となる計測信号は全部で3種類(i=1〜3)存在するとして、表示画面5には、F1=1の場合、トレンドグラフ(実線)5aは赤色、ガイドライン(破線)5bも赤色で表示される。また、F2=1の場合、トレンドグラフ(実線)5cは青色、ガイドライン(破線)5dも青色で表示される。また、F3=0の場合、ガイドラインは表示されないが、トレンドグラフ(実線)5eは緑色で表示される。
このように、表示画面5には、計測信号のトレンドグラフ(実線)5a、5c、5eが色別で表示され、さらに計測信号の現在値が制限値に接近している場合(ΔDi≦Mi)には、この制限値を示すガイドライン(破線)5b、5dも同時に色別で表示される。
なお、ここでは、画面上にトレンドグラフおよびガイドラインが同時に複数存在する場合でも互いを識別できるように、色別で表示するようにしているが、これに限らず、例えばフリッカの点滅周期を互いに異ならせたり、実線、一点鎖線、二点鎖線、破線などのように線種を異ならせることも可能である。
以上のように、この実施の形態1によれば、計測信号の現在値が制限値へ接近すると、計測信号の経時変化を示すトレンドグラフに加えて制限値を示すガイドラインを同時に表示してオペレータに警告し、しかも表示画面上に複数のトレンドグラフおよびガイドラインが同時に存在する場合でも、これらを互いに識別できるようにしているので、オペレータは、制限値への接近度合を考慮した的確なプラント機器の監視、制御が可能となる。
実施の形態2.
本願の実施の形態2を図6、図7、図8に基づいて説明する。
上記の実施の形態1では、計測信号の現在値が制限値へ接近すると、トレンドグラフに加えて制限値を示すガイドラインを同時に表示するようにしたが、画面上に複数のトレンドグラフおよびガイドラインを表示する場合には、注目すべきグラフが目立たず、オペレータの確認が遅れる場合が考えられる。
本願の実施の形態2を図6、図7、図8に基づいて説明する。
上記の実施の形態1では、計測信号の現在値が制限値へ接近すると、トレンドグラフに加えて制限値を示すガイドラインを同時に表示するようにしたが、画面上に複数のトレンドグラフおよびガイドラインを表示する場合には、注目すべきグラフが目立たず、オペレータの確認が遅れる場合が考えられる。
そこで、この実施の形態2では、接近判定部1dの判定条件を段階的な条件とし、かつ、表示データ管理部1cに強調表示のフラグと接近度合の情報を備えることで、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じて段階的にグラフを強調して表示するようにしている。
なお、この実施の形態2において、プラント監視制御装置を含むプラント監視制御システム全体の構成図(図1)、プラント監視制御装置の詳細を示す構成図(図2)は実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
なお、この実施の形態2において、プラント監視制御装置を含むプラント監視制御システム全体の構成図(図1)、プラント監視制御装置の詳細を示す構成図(図2)は実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
図6は、この実施の形態2におけるトレンドグラフとガイドラインの表示処理の手順を示すフローチャートである。
表示データ管理部1cは、データ蓄積部1bが蓄積している各種の計測信号の内から、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号を抽出して取得する(ステップS11)。ここでは、トレンドグラフとして画面表示の対象となる計測信号が全部でk種類(i=1〜k)存在するものとする。
接近判定部1dは、表示データ管理部1cの保持するトレンドグラフの表示対象となる計測信号の内から一つの計測信号(最初はi=1)について、当該信号の現在値Diの制限値Liへの接近度合を判定する(ステップS12、S13)。この場合の制限値Liへの接近度合は、判定条件を段階的な条件とすることで判定可能とする。
すなわち、図7Aに示すように、一つの計測信号の現在値Diと制限値Liとの差分をΔDi(=|Di−Li|)とした場合、制限値Liを基準として予め設定した所定の判定幅Mai、Mbi(ただし、Mai<Mbi)との大小を比較する。
この場合、ΔDi≦Maiならば当該信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合が大きいと判定する(図6のステップS12でYES)。また、Mai<ΔDi≦Mbiならば、当該信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合は比較的小さいと判定する(図6のステップS12でNOだがステップS13でYES)。さらに、Di>Mbiならば当該信号の現在値Diは制限値Liに未だ接近しておらず制限値Liから十分に離れていると判定する(図6のステップS13でNO)。
なお、上記の判定幅Mai、Mbiは、制限値Liの場合と同様、計測信号の種類に応じてそれぞれ適切な値に設定されている。
なお、上記の判定幅Mai、Mbiは、制限値Liの場合と同様、計測信号の種類に応じてそれぞれ適切な値に設定されている。
そして、接近判定部1dは、計測信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合が大きいと判定した場合(ステップS12でYESの場合)、表示データ管理部1cは、制限値Liをガイドラインとして強調表示するためのフラグFai(これは後述のように表示色識別用のフラグを兼用している)をON(Fai=1)にし、そのフラグFai(=1)を保持する(ステップS14)。
また、接近判定部1dは、計測信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合が比較的小さいと判定した場合(ステップS13でYESの場合)、表示データ管理部1cは、制限値Liをガイドラインとして強調表示するためのフラグFbi(これは後述のように表示色識別用のフラグを兼用している)をON(Fbi=1)にし、そのフラグFbi(=1)を保持する(ステップS15)。
さらに、計測信号の現在値Diは制限値Liに未だ接近しておらず制限値Liから十分に離れていると判定した場合(ステップS13でNOの場合)、表示データ管理部1cはガイドライン非表示用のフラグFci(このフラグは後述のように表示色識別用のフラグを兼用している)をON(Fci=1)にし、そのフラグFci(=1)を保持する(ステップS16)。
次に、表示制御部1aは、表示データ管理部1cから表示対象となる当該計測信号およびガイドライン表示用のいずれかのフラグFai、Fbi、Fciを取得する。そして、フラグFaiがON(Fai=1)の場合は、計測信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合が大きいので、表示画面5上に計測信号の経時変化を示すトレンドグラフおよび制限値Liを示すガイドラインを例えば太線で示すなどして強調表示する(ステップS17)。
また、フラグFbiがON(Fbi=1)の場合は、計測信号の現在値Diの制限値Liに対する接近度合が比較的小さいので、表示画面5上に計測信号の経時変化を示すトレンドグラフおよび制限値Liを示すガイドラインを例えば太線よりも線幅の小さい中太線などで強調表示する(ステップS18)。
また、フラグFciがON(Fci=1)の場合は、計測信号の現在値Diは制限値Liに未だ接近しておらず制限値Liから十分に離れているので、ガイドラインは非表示とし、かつトレンドグラフは強調表示せずに通常の細線などで表示する(ステップS19)。
次に、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号について上記処理が完了したかどうかを判定する(ステップS20)。トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号(i=1〜k)について上記処理が未だ完了していなければ、カウント値iを一つ増やした後(ステップS21)、全てのフラグFai、Fbi、FciをOFF(Fai、Fbi、Fci=0)にした上で(ステップS22)、ステップS12に戻り、表示データ管理部1cの保持するトレンドグラフの表示対象となる次の一つの計測信号(i=2)について、上記と同じ処理を実行する。
このようにして、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号の処理が完了すると(ステップS20でYES)、表示制御部1aは表示処理を終了する。
このようにして、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号の処理が完了すると(ステップS20でYES)、表示制御部1aは表示処理を終了する。
なお、図7Bに示すように、ガイドラインの強調表示用のフラグFai、Fbi(i=1〜k)、およびガイドラインの非表示用のフラグFciは、表示色識別用のフラグを兼用しており、このフラグFai、Fbi、Fci(i=1〜k)に応じて、トレンドグラフ(実線)とガイドライン(破線)の色が変更される。このため、表示画面5上にトレンドグラフとガイドラインが同時に複数存在する場合でも、互いを識別することができる。
例えば図8に示すように、トレンドグラフとして画面表示の対象となる計測信号は全部で3種類(i=1〜3)存在するとして、表示画面5には、Fa1=1の場合、トレンドグラフ(実線)5aは青色でかつ太線で強調表示されるとともに、ガイドライン(破線)5bも青色でかつ太線で強調表示される。また、Fb2=1の場合、トレンドグラフ(実線)5cは赤色でかつ太線よりも線幅の小さい中太線などで強調表示されるとともに、ガイドライン(破線)5dも赤色かつ太線よりも線幅の小さい中太線などで強調表示される。さらに、Fc3=0の場合、ガイドラインは表示されないが、トレンドグラフ(実線)5eは緑色で、かつ強調表示でない通常の細線などで表示される。
なお、ここでは、画面上にトレンドグラフとガイドラインが同時に複数存在する場合でも互いを識別できるように、トレンドグラフとガイドラインを色別で表示することに加えて、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じて段階的にグラフの線幅を変更することで強調表示するようにしているが、強調表示の仕方は、線幅を変えるだけでなく、例えばフリッカの点滅周期を互いに異ならせたり、実線、一点鎖線、二点鎖線、破線などのように線種を異ならせたり、二重線あるいは枠表示などを変更することで対処することが可能である。
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加えて、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じてトレンドグラフおよびガイドラインを強調表示することが可能となるので、オペレータは注目すべきグラフをひと目で確認することができる。このため、より一層迅速なプラント機器の監視、制御が可能となる。
実施の形態3.
本願の実施の形態3を図9、図10、図11に基づいて説明する。
上記の実施の形態1、2は、表示画面上にトレンドグラフに加えて制限値を示すガイドラインを同時表示することで、オペレータは、計測信号の現在値が制限値にどの程度まで接近しているかを容易に確認することができる。ところで、例えば計測信号が制限値に到達までの時間などを把握したい場合には、計測信号の現在値または制限値の具体的数値をトレンドグラフのメモリ、あるいはトレンドグラフとは別のデータ表などで確認し、計測信号の制限値到達までの時間を演算する必要がある。
本願の実施の形態3を図9、図10、図11に基づいて説明する。
上記の実施の形態1、2は、表示画面上にトレンドグラフに加えて制限値を示すガイドラインを同時表示することで、オペレータは、計測信号の現在値が制限値にどの程度まで接近しているかを容易に確認することができる。ところで、例えば計測信号が制限値に到達までの時間などを把握したい場合には、計測信号の現在値または制限値の具体的数値をトレンドグラフのメモリ、あるいはトレンドグラフとは別のデータ表などで確認し、計測信号の制限値到達までの時間を演算する必要がある。
そこで、この実施の形態3では、図9に示すように、プラント機器の監視、制御に有用な関連データをトレンドグラフ上に表示可能とするために、プラント監視制御装置1内に計測信号に関連した関連データを演算する関連データ演算部1eを設け、接近判定部1dが計測信号の現在値が制限値に接近していると判定した場合、これに応じて、表示データ管理部1cは、トレンドグラフに加えてガイドラインの表示処理を行うとともに、関連データ演算部1eで得られた関連データも同時に表示するようにしたものである。
すなわち、図10に示すこの実施の形態3のフローチャートにおいて、トレンドグラフとガイドラインの表示処理は、基本的に実施の形態2の場合(図6に示すフローチャート)と同じであるが、制限値Liをガイドラインとして強調表示するためのフラグFai、あるいはFbiがON(Fai=1、またはFbi=1)となり、計測信号の現在値Diが制限値Liに接近していると判定された場合には、関連データ演算部1eが表示データ管理部1cの保持する計測信号に基づいて有用な関連データを演算する(ステップS43、S44)。この場合の関連データとしては、例えば計測信号の現在値が制限値に到達するまでの予測時間、あるいは計測信号の現在値の制限値との間の差分(マージン)情報などが挙げられる。
そして、表示制御部1aは、表示画面5にトレンドグラフ5a、5cと共にガイドライン5b、5dを強調表示する際に、図11に示すように、関連データ演算部1eで得られた関連データ5f、5gも同時に表示する(ステップS37、S38)。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1、2の効果に加えて、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じてトレンドグラフおよびガイドラインを強調表示することに加えて、オペレータはプラント機器の制御に有用な関連データも画面上で同時に確認することができる。このため、さらに一層迅速なプラント機器の監視、制御が可能となる。
実施の形態4.
本願の実施の形態4を図12、図13に基づいて説明する。
上記の実施の形態1〜3では、プラント機器の運転制御に支障を来すと推測される制限値Liは、各計測信号の種類に応じて予め固定された値としているが、計測信号が得られる時期あるいは時間帯等によっては、制限値Liを柔軟に変更することが望ましい。
本願の実施の形態4を図12、図13に基づいて説明する。
上記の実施の形態1〜3では、プラント機器の運転制御に支障を来すと推測される制限値Liは、各計測信号の種類に応じて予め固定された値としているが、計測信号が得られる時期あるいは時間帯等によっては、制限値Liを柔軟に変更することが望ましい。
そこで、この実施の形態4では、図12に示すように、プラント監視制御装置1内に制限値演算部1hを設け、過去から現在までの計測信号に基づいて適正な制限値Liを定期的に演算するようにしている。
すなわち、図13に示すこの実施の形態4のフローチャートにおいて、計測信号の経時変化を示すトレンドグラフと制限値を示すガイドラインの表示処理は、基本的に実施の形態1の場合(図3に示すフローチャート)と同じであるが、この実施の形態4では、表示データ管理部1cがトレンドグラフの表示対象となる各種の計測信号の内から、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号を抽出して取得した後(ステップS1)、このトレンドグラフの表示対象となる計測信号の内から、一つの計測信号に関して、制限値演算部1hが過去から現在までの計測信号に基づいて適正な制限値Liを演算する(ステップS50)。
例えば、水処理プラントのような場合には、梅雨時のような特定時期、あるいは、昼夜などの時間帯などを考慮し、一定期間内での平均値を算出するなどして適正な制限値Liを演算する。
そして、接近判定部1dは、制限値演算部1hで演算された制限値Liを用いて、この計測信号の現在値Diが制限値Liに接近しているかどうかを判定する(ステップS2)、以下の処理は、実施の形態1の場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
なお、この実施の形態4(図13)では、実施の形態1(図3)の処理を前提として説明したが、実施の形態2(図6)、あるいは実施の形態3(図10)を前提とした各処理についても、この実施の形態4を同様に適用することができるのは勿論である。
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1〜3の効果に加えて、計測信号に対する制限値Liが過去データを加味して定期的に更新されることで、時期、時間帯等によって適切な制限値Liを用いてプラント機器を監視および制御することが可能となる。
実施の形態5.
本願の実施の形態5を図14、図15に基づいて説明する。
上記の実施の形態2により、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じてトレンドグラフおよびガイドラインを強調表示し、また、実施の形態3ではこれに加えてさらに関連データも同時に表示することが可能となるが、計測信号の種類によっては、特に制限値を設ける必要はなく、したがってトレンドグラフに対してガイドラインを表示する必要がない場合がある。また、計測信号の種類によっては、制限値Liへの接近度合による重要度が異なるため、制限値Liを基準とした所定の判定幅Mai、Mbiの大きさも計測信号の種類、時期、時間帯などに応じて柔軟に設定し直せるようにすることが好ましい。
本願の実施の形態5を図14、図15に基づいて説明する。
上記の実施の形態2により、計測信号の現在値の制限値に対する接近度合に応じてトレンドグラフおよびガイドラインを強調表示し、また、実施の形態3ではこれに加えてさらに関連データも同時に表示することが可能となるが、計測信号の種類によっては、特に制限値を設ける必要はなく、したがってトレンドグラフに対してガイドラインを表示する必要がない場合がある。また、計測信号の種類によっては、制限値Liへの接近度合による重要度が異なるため、制限値Liを基準とした所定の判定幅Mai、Mbiの大きさも計測信号の種類、時期、時間帯などに応じて柔軟に設定し直せるようにすることが好ましい。
そこで、この実施の形態5では、図14に示すように、プラント監視制御装置1内にオペレータからの設定値の入力を受け付ける設定入力部1g、および設定入力部1gに入力された設定内容を保持する設定管理部1fを設けて、トレンドグラフおよびガイドラインの表示機能あるいは判定条件をカスタマイズ可能とする。
ここでは、一例として、実施の形態3(図10)の場合を前提としたフローチャートに基づく処理を基本として説明する。
この実施の形態5では、図15のフローチャートに示すように、オペレータは予めトレンドグラフの表示対象となる計測信号ごとに設定情報を初期値として設定入力部1gに入力し(ステップS61)、この設定情報を設定管理部1fに保存する(ステップS62)。
この実施の形態5では、図15のフローチャートに示すように、オペレータは予めトレンドグラフの表示対象となる計測信号ごとに設定情報を初期値として設定入力部1gに入力し(ステップS61)、この設定情報を設定管理部1fに保存する(ステップS62)。
この場合の設定情報としては、トレンドグラフに対してガイドラインを表示するか非表示とするかの情報(例えば、ガイドラインの表示の場合はフラグG=1、非表示の場合はフラグG=0)、計測信号の種類に応じた制限値Liおよび判定幅Mai、Mbiの設定情報などが含まれる。
次に、表示データ管理部1cは、トレンドグラフの表示対象となる全ての計測信号を抽出して取得した後(ステップS63)、設定管理部1fの保持する設定情報に基づいて、これら抽出した各々の計測信号について、ガイドラインを表示すべき信号か(フラグG=1)、非表示とする信号か(フラグG=0)を選別し、この情報を保持する(ステップS64)。
表示データ管理部1cは、設定管理部1fの保持するトレンドグラフの表示対象となる一つの計測信号について、当該信号がガイドラインの表示対象となる信号かどうか(フラグGが1か0か)を判定し(ステップS65)、ガイドラインの表示対象(G=1)となる計測信号であるならば、図10のステップS32に移行する。これに対して、ガイドラインの非表示対象(G=0)となる計測信号であるならば、図10のステップS36に移行する。
以下の処理は、実施の形態3(図10)の場合と基本的に同じであるので、詳しい説明は省略するが、実施の形態3の場合と異なる点は、接近判定部1dの判定条件(制限値Liおよび判定幅Mai、Mbiの大きさ)は、設定管理部1fで管理されている設定情報に基づいて決定される。
なお、この実施の形態5では、実施の形態3(図10)の処理を前提として説明したが、実施の形態1(図3)、実施の形態2(図6)、あるいは実施の形態4(図13)を前提とした各処理についても、この実施の形態5を同様に適用することができるのは勿論である。
以上のように、この実施の形態5によれば、実施の形態1〜4の効果に加えて、計測信号の種類によって各機能の有無あるいは接近判定の条件をカスタマイズすることが可能となり、オペレータにとって不要な表示を制限することができるので、利便性が高まる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 プラント監視制御装置、1a 表示制御部、1b データ蓄積部、
1c 表示データ管理部、1d 接近判定部、1e 関連データ演算部、
1f 設定管理部、1g 設定入力部、1h 制限値演算部、
2 プラント情報処理装置、3 プラント制御バス、4 プラント機器、
100 中央演算処理装置、101 記憶装置、200 表示装置。
1c 表示データ管理部、1d 接近判定部、1e 関連データ演算部、
1f 設定管理部、1g 設定入力部、1h 制限値演算部、
2 プラント情報処理装置、3 プラント制御バス、4 プラント機器、
100 中央演算処理装置、101 記憶装置、200 表示装置。
Claims (5)
- プラント機器の運転状態の監視および制御を行うプラント監視制御装置であって、
表示装置への画面表示制御を行う表示制御部と、上記プラント機器から得られる計測信号を蓄積するデータ蓄積部と、上記データ蓄積部に蓄積された上記計測信号の過去から現在までの経時変化をトレンドグラフとして編集する表示データ管理部と、上記計測信号が、当該計測信号に関して予め設定された一定の制限値に接近しているかどうかを一定の条件の下で判定する接近判定部とを備え、
上記表示制御部は、上記接近判定部により上記計測信号の現在値が当該計測信号に関する上記制限値に接近していると判定された場合には、上記表示データ管理部で編集された上記トレンドグラフを表示する際に、上記計測信号に関する上記制限値の少なくとも一つをガイドラインとして同時に表示する、プラント監視制御装置。 - 上記接近判定部は、上記計測信号の現在値の上記制限値への接近度合を段階的に判定するものであり、上記表示制御部は、上記接近判定部による上記接近度合の判定に応じて上記トレンドグラフおよび上記ガイドラインを段階的に強調表示する、請求項1に記載のプラント監視制御装置。
- 上記接近判定部により上記計測信号の現在値が上記制限値に接近していると判定された場合には、当該計測信号に関連する関連データを演算する関連データ演算部を備え、上記表示制御部は、上記トレンドグラフおよび上記ガイドラインを表示する際に、上記関連データ演算部で演算された上記関連データを同時に表示する、請求項1または請求項2に記載のプラント監視制御装置。
- 上記データ蓄積部に蓄積された一定期間内の上記計測信号に基づいて定期的に上記制限値を演算する制限値演算部を備え、上記接近判定部は、上記制限値演算部で演算して得られた上記制限値を用いて上記計測信号の上記制限値への接近を判定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラント監視制御装置。
- 上記接近判定部による判定条件、および上記表示制御部による上記ガイドラインの表示条件を上記計測信号について個別に設定する設定入力部と、上記設定入力部で設定された設定条件を管理する設定管理部とを備え、
上記接近判定部および上記表示制御部は、上記設定管理部に登録された上記設定条件に基づいて上記ガイドラインの表示の有無を実行する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラント監視制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018064765A JP2019175274A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | プラント監視制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018064765A JP2019175274A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | プラント監視制御装置 |
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JP2019175274A true JP2019175274A (ja) | 2019-10-10 |
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ID=68170390
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2019175274A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023050478A (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-11 | 横河電機株式会社 | 監視装置、監視方法、および監視プログラム |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018064765A patent/JP2019175274A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023050478A (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-11 | 横河電機株式会社 | 監視装置、監視方法、および監視プログラム |
JP7452509B2 (ja) | 2021-09-30 | 2024-03-19 | 横河電機株式会社 | 監視装置、監視方法、および監視プログラム |
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