JP2019174635A - 感光性着色樹脂組成物、硬化物、カラーフィルタ、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような着色層の形成方法の一つとして、基板上に、色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物とを含む感光性着色樹脂組成物を塗布し、所定のマスクパターンを介して露光し、その後、現像処理することにより、パターニングされた着色層とする方法が知られている(例えば、特許文献1)。
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物の合計の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基であることを特徴とする。
(一般式(A1)において、Rは、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのRのうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。Lは直接結合又は−O−結合であり、nは2以上30以下の整数を表す。
一般式(A2)において、R’は、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるR’はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのR’のうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、複数あるR”は同一でも異なっていてもよく、L’は直接結合又は炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、n’は2以上30以下の整数を表す。)
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれる。非可視領域の波長の電磁波としては、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
また、本明細書において、C.I.ピグメントレッドを「PR」、C.I.ピグメントグリーンを「PG」、C.I.ピグメントイエローを「PY」と適宜略記する。
本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、下記一般式(A1)で表される化合物及び下記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含むケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、色材(D)とを含有し、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物の合計の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基であることを特徴とする。
(一般式(A1)において、Rは、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのRのうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。Lは直接結合又は−O−結合であり、nは2以上30以下の整数を表す。
一般式(A2)において、R’は、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるR’はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのR’のうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、複数あるR”は同一でも異なっていてもよく、L’は直接結合又は炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、n’は2以上30以下の整数を表す。)
前記一般式(A1)で表される化合物の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A1)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基であることを特徴とする。
また、本発明に係る感光性着色樹脂組成物の第2実施形態は、前記一般式(A2)で表される化合物を含むケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、色材(D)とを含有し、
前記一般式(A2)で表される化合物の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A2)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基であることを特徴とする。
また、本発明に係る感光性着色樹脂組成物の第3実施形態は、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物を含むケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、色材(D)とを含有し、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物の合計の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基であることを特徴とする。
また、特許文献2に記載されているシロキサン樹脂を含む着色組成物を用いて形成された着色層は、ポストベーク時の加熱により色味が変わってしまったり、輝度が低下する場合があり、十分な輝度を達成することが困難である。
それに対し、本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、バインダー成分として、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であるケイ素含有化合物を、光重合性化合物100質量部に対し、10.0質量部超過含有することにより、良好な現像性を有しながら、高輝度な着色層を形成可能である。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、バインダー成分として、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、反応性基を有する特定のケイ素含有化合物を特定量含有し、前記特定のケイ素含有化合物が耐熱性に優れるため、ポストベーク時の加熱によるバインダー成分の分解乃至酸化が抑制されて、バインダー成分の着色が抑制され、更に、前記特定のケイ素含有化合物が有する反応性基が架橋構造を形成することにより、ポストベーク時の加熱による塗膜の着色がより生じ難いため、高輝度な着色層を形成することができると考えられる。前記特定のケイ素含有化合物は、このようにポストベーク時の加熱による輝度の低下を抑制するものでありながら、更に良好な現像性を有するため、本発明の感光性着色樹脂組成物は、良好な現像性を有しながら、高輝度な着色層を形成可能である。
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物が耐熱性に優れるのは、主鎖にケイ素原子を含み、ケイ素原子を含む結合が酸化反応に対して安定であり、大気雰囲気下で加熱しても酸化が起こり難く、その構造が安定しているためと考えられる。更に、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物は、反応性基を有し、着色層を形成する過程で当該反応性基同士が結合して架橋構造を形成するため、当該架橋構造によって、着色層中への酸素の侵入が抑制されることにより、バインダー成分の分解乃至酸化がより抑制されると考えられる。また、当該架橋構造によって、着色層中の色材の動きが抑制されることにより、色材の分解乃至酸化も抑制されると考えられる。このように、前記特定のケイ素含有化合物を用いることにより、バインダー成分の分解乃至酸化、並びに色材の分解乃至酸化が抑制されることから、高輝度な着色層を形成することができると考えられる。
また、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物は、ケイ素原子を含むことにより、ケイ素原子と、炭素原子又は酸素原子との間に、電気陰性度の差が生じ、極性が偏っているため、同じく極性が偏っているイオン性のアルカリを吸着しやすく、良好なアルカリ現像性を有すると考えられる。更に、前記一般式(A1)で表される化合物は、主鎖のSi−O結合が、水との親和性が高いことにより、アルカリ現像性がより向上しやすいと考えられる。
以下、このような本発明の感光性着色樹脂組成物の各成分について、順に詳細に説明する。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、ケイ素含有化合物(A)として、下記一般式(A1)で表される化合物及び下記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、反応性基を有するケイ素含有化合物を含有する。下記一般式(A1)で表される化合物及び下記一般式(A2)で表される化合物は、各々1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(A2)において、R’は、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるR’はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのR’のうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、複数あるR”は同一でも異なっていてもよく、L’は直接結合又は炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、n’は2以上30以下の整数を表す。)
前記反応性基同士が互いに反応して結合するための光照射又は加熱の条件は、反応性基の種類によって適宜選択され、特に限定はされないが、前記反応性基が光照射により互いに反応して結合する場合は、例えば、後述するカラーフィルタにおいて、着色層を形成する際の露光により、前記反応性基同士を互いに結合させることができる。当該露光には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯等の光源から発せられる紫外線を好適に用いることができる。露光量は、30mJ/cm2以上200mJ/cm2以下が好ましく、40mJ/cm2以上150mJ/cm2以下がより好ましく、50mJ/cm2以上100mJ/cm2以下がより更に好ましい。前記反応性基が加熱により互いに反応して結合する場合は、例えば、後述するカラーフィルタにおいて、着色層を形成する際の露光の後、好ましくは80℃以上250℃以下、より好ましくは100℃以上240℃以下、より更に好ましくは180℃以上230℃以下、最も好ましくは200℃以上230℃以下で加熱することにより、前記反応性基同士を互いに結合させることができる。前記加熱の時間は、10分以上180分以下であることが好ましく、20分以上150分以下であることがより好ましい。
なお、前記反応性基は、同種の反応性基同士で反応して結合することができるものであれば、異種の反応性基や別の官能基とも反応して結合するものであってもよい。
また、ポストベークの温度を低減する観点からは、前記反応性基の総量100モル%のうちのチオール基の割合が、10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがより更に好ましく、前記反応性基がチオール基であることが特に好ましい。
また、前記反応性基を有する基としては、チオール基等、前記反応性基からなる基であってもよい。前記反応性基からなる基は、高密度な架橋構造を形成することができることにより、着色層の耐熱性を向上し易い点から好ましい。
また、一般式(A2)中のR’における反応性基を有する基としては、式:−(CH2)a−SiA2Hで表される基(aは1以上3以下の整数であり、Aは、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、メルカプトアルコキシ基又はグリシジルオキシ基を表す。)も好ましい。前記式において、aは1又は2であることがより好ましい。
前記反応性基を有する基としては、中でも、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基又はチオール基を有する基が、輝度及び現像性の点から好ましい。
前記一般式(A2)で表される化合物は、前記一般式(A2)中の全てのR’のうち少なくとも一部が前記反応性基を有する基であり、中でも、前記一般式(A2)で表される化合物の前記反応性基当量は、加熱による輝度の低下を抑制しやすい点から、100g/mol以上であることが好ましく、105g/mol以上であることがより好ましく、110g/mol以上であることがより更に好ましく、一方、現像性の点から、300g/mol以下であることが好ましく、250g/mol以下であることがより好ましく、200g/mol以下であることがより更に好ましい。
ここで、前記ケイ素含有化合物の反応性基当量は、下記数式(1)で表される。
数式(1)
反応性基当量(g/mol)=W(A)(g)/M(A)(mol)
(数式(1)中、W(A)は、ケイ素含有化合物の質量(g)を表し、M(A)はケイ素含有化合物W(A)(g)中に含まれる全ての反応性基の合計モル数(mol)を表す。)
前記一般式(A2)中のL’は、直接結合又は炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、中でも、炭素数1以上3以下のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
なお、L又はL’が直接結合であるとは、ケイ素原子同士が直接結合していることをいう。
(一般式(A1−1)において、Riは、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基である。
一般式(A1−2)において、Riiは、反応性基を有する基である。
一般式(A1−3)において、Riiiは、水素原子、又は酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基である。)
前記一般式(A1−2)中、複数あるRiiはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一であることが好ましい。各構成単位でRiiは異なっていてもよいが、架橋構造を形成しやすい点からは、前記一般式(A1−2)で表される構成単位全てにおいて、Riiは同一であることが好ましい。
前記一般式(A1−3)中、複数あるRiiiはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一であることが好ましい。各構成単位でRiiiは同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(A1−1)中のRiは、中でも、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上4以下のアルコキシ基であることがより好ましい。
前記一般式(A1−1)中のRiが反応性基を有する基である場合、Riが有する反応性基は、前記一般式(A1−2)中のRiiが有する反応性基と同一であっても異なっていてもよいが、架橋構造を形成しやすい点から、同一であることが好ましい。
(一般式(a1)中のRiは、前記一般式(A1−1)と同様であり、一般式(a2)中のRiiは、前記一般式(A1−2)と同様であり、一般式(a2)中のRiiiは前記一般式(A1−3)と同様である。n1及びn2はそれぞれ独立に、3又は4である。)
前記開環重合反応の際には、触媒を用いることが好ましい。前記触媒としては、公知のものを用いることができ、特に限定はされず、塩基性触媒又は強酸性触媒のいずれも使用することができる。前記触媒は、開環重合によって得られた生成物を中和又は水洗することにより除去することができる。前記開環重合反応の際には、必要に応じて溶媒を用いても良い。
(一般式(a4)中、Riiは前記一般式(A1−2)と同様である。n3は2以上30以下の整数を表す。)
前記テトラアルコキシシランとしては、中でも、当該テトラアルコキシシランが有するアルコキシ基の炭素数が1以上4以下であることが好ましく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等を好適に用いることができ、中でも、テトラメトキシシランが特に好ましい。
(一般式(A2−1)において、Rivは、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基である。
一般式(A2−2)において、Rvは、反応性基を有する基、水素原子、又は酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基であり、少なくとも1つのRvは反応性基を有する基であり、R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基である。
一般式(A2−3)において、Rviは、水素原子、又は酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基であり、R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基である。)
前記一般式(A2−1)中、複数あるRivはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、1つのRivが水素原子であり、残りの2つのRivが反応性基を有する基であることが好ましい。Rivにおける反応性基を有する基としては、中でも、炭素数1以上6以下の直鎖アルコキシ基の末端に、−O−結合、−O−(C=O)−結合、炭素数1以上3以下のアルキレン基又はこれらの組み合わせである2価の連結基を介して又は介さずに、前記反応性基を有する基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、メルカプトアルコキシ基又はグリシジルオキシ基がより好ましく、より具体的には、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、2−メルカプトエトキシ基、メルカプトメトキシ基又はグリシジルオキシ基が好ましい。
前記一般式(A2−2)中、複数あるRvはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一であることが好ましく、反応性基を有する基であることが好ましい。Rvにおける反応性基を有する基としては、中でも、前記式:−(CH2)a−SiA2Hで表される基(aは1以上3以下の整数であり、Aは、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、メルカプトアルコキシ基又はグリシジルオキシ基を表す。)が好ましい。前記式中のAは、中でも、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、2−メルカプトエトキシ基、メルカプトメトキシ基又はグリシジルオキシ基であることが好ましい。
前記一般式(A2−3)中、複数あるRviはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一であることが好ましく、水素原子であることが好ましい。
(一般式(a5)中のRivは反応性基を有する基であり、一般式(a6)中のR”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基である。)
中でも、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物の合計の含有量は、輝度の点から、ケイ素含有化合物(A)の総量100質量部に対し、80質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることがより好ましく、95質量部以上であることがより更に好ましい。
なお、本発明において固形分とは、溶剤以外のもの全てであり、溶剤中に溶解しているモノマー等も含まれる。
本発明の感光性着色樹脂組成物が含有する光重合性化合物(B)としては、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定はされないが、例えば、分子内に、エチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることができ、中でも、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物が好ましく、特に、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、特開2013−029832号公報に記載のもの等が挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物が含有する光開始剤(C)としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明の着色樹脂組成物に用いられる光開始剤には、光重合開始剤の他に連鎖移動剤が含まれる。
本発明において、光開始剤(C)としては、オキシムエステル系光開始剤、α−アミノケトン系光開始剤、ビイミダゾール系光開始剤、チオキサントン系光開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤、及びメルカプト系連鎖移動剤等を好適に用いることができ、中でも、感度を向上させ、前記ケイ素含有化合物との組み合わせにより着色層の輝度を向上しやすい点から、オキシムエステル系光開始剤を含むことが好ましい。また、オキシムエステル系光開始剤を用いることにより、細線パターンを形成する際に、面内の線幅のばらつきが抑制され易い。更に、オキシムエステル系光開始剤を用いることにより、現像耐性が向上し、水染み発生抑制効果が高くなる傾向がある。なお、水染みとは、アルカリ現像性を高くする成分を用いると、アルカリ現像後、純水でリンスした後に、水が染みたような跡が発生することをいう。このような水染みは、ポストベーク後に消えるので製品としては問題がないが、現像後にパターニング面の外観検査において、ムラ異常として検出されてしまい、正常品と異常品の区別がつかないという問題が生じる。そのため、外観検査において検査装置の検査感度を下げると、結果として最終的なカラーフィルタ製品の歩留まり低下を引き起こし、問題となる。
(一般式(C1)において、Xは、チオエーテル結合(−S−)、エーテル結合(−O−)又は−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基であり、Ra及びRbはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、Xがチオエーテル結合(−S−)又はエーテル結合(−O−)の場合は、Yは無結合であり、Xが−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基の場合は、Yは直接結合である。Rcは、チオエーテル結合(−S−)、エーテル結合(−O−)及びカルボニル結合(−CO−)から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい炭化水素基であり、Zは、水素原子又は−(C=O)Rdであり、Rdは酸素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭化水素基、又は、窒素原子を含まず、酸素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を含む複素環基であり、Reは、炭素数1以上10以下の炭化水素基である。)
また、前記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物を用いることにより、細線パターンを形成する際に、直線性を向上することができる。ここで、「直線性が向上する」とは、着色組成物を塗布した後の現像工程において形成される着色層の端部の凹凸が少なく、直線状または略直線状に形成されることをいう。
Ra及びRbはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、当該アルキル基としては、直鎖、分岐、環状、又はこれらの組合せのアルキル基のいずれであってもよく、例えば、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、中でも、炭素数2以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数2以上4以下のアルキル基であることがより好ましく、更に好ましくは炭素数2以上4以下の直鎖アルキル基である。
前記Rcにおける炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。前記アルキル基は直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、これらの組み合わせであっても良い。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。前記アルケニル基は直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基などを挙げることができる。前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などを挙げることができる。Rcにおける炭化水素基としては、中でも炭素数1以上14以下の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数7以上8以下のアラルキル基、及び炭素数6以上10以下のアリール基がより好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基がより更に好ましい。また、Rcにおける炭化水素基は、炭素数が2以上であると、現像性を向上する点から好ましい。また、Rcにおける炭化水素基は、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等の環状及び直鎖状のアルキル基を含む構造であると、溶剤溶解性や相溶性の点から好ましい。
また、前記Rcにおいては、前記炭化水素基が前記2価の連結基を含むことにより、溶剤溶解性や相溶性を向上することができる。前記2価の連結基としては、中でも、溶剤溶解性を向上する点から、チオエーテル結合(−S−)、又はエーテル結合(−O−)であることが好ましい。前記Rcにおいて、前記炭化水素基が前記2価の連結基を含む場合は、前記2価の連結基を介して前記炭化水素基がオキシムエステル基の炭素原子と結合していてもよいし、前記炭化水素基の炭素原子がオキシムエステル基の炭素原子と直接結合していてもよい。前記Rcにおいて、前記炭化水素基が前記2価の連結基を含み、且つ前記炭化水素基の炭素原子がオキシムエステル基の炭素原子と直接結合する場合としては、例えば、前記Rcが、炭化水素基同士を前記2価の連結基で結合した基である場合が挙げられる。炭化水素基同士を前記2価の連結基で結合した基としては、例えば、メチルチオメチル基などのアルキルチオアルキル基、アリールチオアルキル基等のチオエーテル結合(−S−)を含む構造;メトキシメチル基、メトキシシクロへキシル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基等のエーテル結合(−O−)を含む構造;アセチルメチル基、ベンゾイルメチル基、アシルアルキル基等のカルボニル結合(−CO−)を含む構造;等が挙げられる。
前記Zは、中でも、現像性及び輝度の観点からは、水素原子であることが好ましい。一方で、前記Zが−(C=O)Rdであることにより、溶剤溶解性や相溶性を向上することができる。
炭素数1以上10以下の炭化水素基としては、例えば、前記Rcで説明した炭化水素基のうち、炭素数1以上10以下のものが挙げられる。前記Reは、中でも感度が向上する点から、炭素数1以上10以下のアルキル基及び炭素数6以上10以下のアリール基が好ましく、炭素数1以上6以下のアルキル基がより好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
た炭素数6以上10以下のアルキル基であり、Zが−(C=O)Rdであって、当該Rdが窒素原子を含まず、硫黄原子を含む複素環基であり、Reが炭素数1以上4以下のアルキル基である化合物;等が好適なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤を更に組み合わせて用いることが、パターン形成する際に、ビリツキが抑制される点から好ましい。アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤は他の開始剤と比較して熱分解温度が高いため、プリベーク時の加熱による副反応が起こりにくいことにより、ビリツキが抑制されると考えられる。
α−アミノケトン系光開始剤としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えばイルガキュア907、BASF社製)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(例えばイルガキュア369、BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(イルガキュア379EG、BASF社製)等が挙げられる。α−アミノケトン系光開始剤としては、単独で又は2種以上組み合わせて用いても良く、中でも、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、及び、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンが、残膜率が向上する点から好ましく、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが、ビリツキ抑制の点からより好ましい。
ビイミダゾール系光開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。ビイミダゾール系光開始剤としては、単独で又は2種以上組み合わせて用いても良く、中でも、メルカプト系連鎖移動剤と組み合わせて用いることが塗膜硬化性向上する点から好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤としては、例えば、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3,4−ジメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−エチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤としては、単独で又は2種以上組み合わせて用いても良く、中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを用いることが、塗膜硬化性が向上する点から好ましい。
メルカプト系連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾイミダゾール、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸エチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセタート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、およびテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。メルカプト系連鎖移動剤としては、単独で又は2種以上組み合わせて用いても良く、中でも、水染み抑制効果が向上する点からは、メルカプト基を1分子中に2個以上有するものが好ましい。また、長期保存した場合にも良好な水染み抑制効果が維持され易い点からは、メルカプト基が結合する炭素原子が第2級炭素原子である2級メルカプト基を有するものが好ましく、更に当該2級メルカプト基を1分子中に2個以上有するものがより好ましい。
また、前記光開始剤(C)が、前記オキシムエステル化合物1及び前記オキシムエステル化合物2とは異なるその他の光開始剤を含む場合は、前記オキシムエステル化合物1と前記オキシムエステル化合物2との合計含有量は、前記光開始剤(C)の合計100質量部中に、30質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが更に好ましく、一方で、前記その他の光開始剤との併用効果を十分に発揮させる点から、95質量部以下であることが好ましく、85質量部以下であることがより好ましい。
前記光開始剤(C)として、メルカプト系連鎖移動剤を用いることにより水染み抑制効果を向上する点からは、感光性着色樹脂組成物の固形分全量に対するメルカプト系連鎖移動剤の含有量を、0.2質量%以上4.0質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下とすることがより好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物が含有する色材は、カラーフィルタの着色層を形成した際に所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されず、種々の有機顔料、無機顔料、分散可能な染料を、単独で又は2種以上混合して用いることができる。中でも有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物を挙げることができる。
また、前記分散可能な染料としては、染料に各種置換基を付与したり、公知のレーキ化(造塩化)手法を用いて、溶剤に不溶化することにより分散可能となった染料や、溶解度の低い溶剤と組み合わせて用いることにより分散可能となった染料が挙げられる。このような分散可能な染料と、前記分散剤とを組み合わせて用いることにより当該染料の分散性や分散安定性を向上することができる。
分散可能な染料としては、従来公知の染料の中から適宜選択することができる。このような染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、シアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、フタロシアニン染料などを挙げることができる。
なお、目安として、10gの溶剤(又は混合溶剤)に対して染料の溶解量が10mg以下であれば、当該溶剤(又は混合溶剤)において、当該染料が分散可能であると判定することができる。
(一般式(D1)中、A3及びA4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、フェニル基、N,N−ジメチルアミノ基、トリフルオロメチル基、又はシアノ基を表し、k及びk’はそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、k及びk’がそれぞれ2以上の整数の場合、複数のA3及びA4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
その他のアゾ系顔料としては、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41等が挙げられる。
前記アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントオレンジ51等が挙げられる。
前記ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224等が挙げられる。
前記赤色色材と組み合わせて用いる他の色材としては、具体的には、C.I.ピグメントオレンジ1、5、13、14、16、17、24、34、36、40、43、46、49、51、61、63、64等のオレンジ色色材;C.I.ピグメントイエロー1、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、55、60、61、65、71、73、74、81、83、93、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、126、127、128、129、138、139、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、及び185等の黄色色材等が挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン59と組み合わせて用いる、C.I.ピグメントイエロー150及びその誘導体顔料から選ばれる少なくとも一種の黄色色材としては、中でも、下記一般式(D2)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選択される少なくとも1種のアニオンとCd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,Ni,Cu及びMnからなる群から選択される少なくとも2種の金属のイオンと、下記一般式(D3)で表される化合物とを含む黄色色材(以下、黄色色材(a)という)が、輝度を向上し、且つ、コントラストを向上する点から好ましい。当該黄色色材(a)は、前記特定の2種類以上の金属イオンを含むことにより、色材の結晶成長を抑制するため、色材が樹脂組成物中で微粒化されやすいため、輝度及びコントラストを向上すると推察される。また、当該黄色色材(a)は、着色力に優れることから、P/V比を抑えても、高色濃度の着色層を作製することができる。また、着色樹脂組成物中の色材成分の合計含有量を抑えることができることから、バインダー成分の含有量を相対的に増加させることができるため、製版性が向上し、基板との密着性をより高めた着色層を形成することが可能となる。
(一般式(D2)中、Rfはそれぞれ独立して、−OH、−NH2、−NH−CN、アシルアミノ、アルキルアミノ又はアリールアミノであり、Rgはそれぞれ独立して、−OH又は−NH2である。)
(一般式(D3)中、Rhはそれぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。)
一般式(D2)中のアルキルアミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1以上6以下であることが好ましい。前記アルキル基は、例えばF、Cl、Brなどのハロゲン、−OH、−CN、−NH2、及び/又は、炭素数1以上6以下のアルコキシ基で置換されていてもよい。
一般式(D2)中のアリールアミノ基におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、これらのアリール基は、例えばF、Cl、Brなどのハロゲン、−OH、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数1以上6以下のアルコキシ基、−NH2、−NO2および−CNなどで置換されていてもよい。
前記一般式(D2)において、2つのRfは、中でも色相の点から、両方とも−OHである場合、両方とも−NH−CNである場合、又は、1つが−OHで1つが−NH−CNである場合が更に好ましく、両方とも−OHである場合がより更に好ましい。
中でも、Niと、更に、Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,CuおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属とを含むことが好ましく、より更に、Niと、更に、Zn,Cu,AlおよびFeからなる群から選択される少なくとも1種の金属とを含むことが好ましい。中でも特に、前記少なくとも2種の金属としては、NiとZnであるか、又は、NiとCuであることが好ましい。
その他の前記少なくとも1種の金属がZnを含有する場合は、中でも、色相の点から、NiとZnとをNi:Znが95:5〜10:90のモル比で含むことが好ましく、90:10〜10:90のモル比で含むことがより好ましく、80:20〜20:80のモル比で含むことがより更に好ましい。
その他の前記少なくとも1種の金属がCuを含有する場合は、中でも、色相の点から、NiとCuとをNi:Cuが97:3〜10:90のモル比で含むことが好ましく、96:4〜20:80のモル比で含むことが更に好ましい。
中でも、Rhは、水素原子であることが好ましい。
また、前記黄色色材(a)及び前記黄色色材(b)には、更に、水溶性ポリマー、例えばエチレン−プロピレンオキシド−ブロックポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル−およびエチルヒドロキシエチルセルロースのような変性セルロース等が含まれていても良い。
色材分散液中の色材の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している色材粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、色材分散液に用いられている溶剤で、色材分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分布粒径は、体積平均粒径である。
特に色材濃度が高い塗膜乃至着色層を形成する場合には、感光性着色樹脂組成物中の色材(D)の含有量は、感光性着色樹脂組成物の固形分全量100質量%中に、15質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物において、前記色材(D)は、分散剤により後述する溶剤中に分散させて用いられることが好ましい。本発明において分散剤は、従来公知の分散剤の中から適宜選択し、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子分散剤が好ましい。
(一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、Aは、2価の連結基、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、R2及びR3が互いに結合して環構造を形成してもよい。)
中でも、分散性の点から、前記一般式(I)におけるAは、−CONH−基、又は、−COO−基を含む2価の連結基であることが好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アルキル基の炭素数は、1以上18以下が好ましく、中でも、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7以上20以下が好ましく、更に7以上14以下が好ましい。
また、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6以上24以下が好ましく、更に6以上12以下が好ましい。なお、前記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
ヘテロ原子を含む炭化水素基とは、前記炭化水素基中の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた構造を有する。炭化水素基が含んでいてもよいヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子等が挙げられる。
また、炭化水素基中の水素原子は、炭素数1以上5以下のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子により置換されていてもよい。
前記一般式(I)で表される構成単位は、1種類からなるものであってもよく、2種以上の構成単位を含むものであってもよい。
本発明において用いられる高分子分散剤としては、色材の分散性及び分散安定性並びに樹脂組成物の耐熱性を向上し、高輝度且つ高コントラストな着色層を形成できる点から、中でも、ブロック共重合体又はグラフト共重合体が好ましく、ブロック共重合体が特に好ましい。以下、特に好ましいブロック共重合体について詳細に説明する。
前記一般式(I)で表される構成単位を含むブロックをAブロックとすると、当該Aブロックは、前記一般式(I)で表される構成単位が塩基性を有し、色材に対する吸着部位として機能する。一方、前記一般式(I)で表される構成単位を含まないBブロックは、溶剤親和性を有するブロックとして機能するようにする。本発明においてブロック共重合体の各ブロックの配置は特に限定されず、例えば、ABブロック共重合体、ABAブロック共重合体、BABブロック共重合体等とすることができる。中でも、分散性に優れる点で、ABブロック共重合体、又はABAブロック共重合体が好ましい。
(一般式(II)中、A’は、直接結合又は2価の連結基、R4は、水素原子又はメチル基、R5は、炭化水素基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]x−R8又は−[(CH2)y−O]z−R8で示される1価の基である。R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO、又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基である。
前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
xは1以上18以下の整数、yは1以上5以下の整数、zは1以上18以下の整数を示す。)
前記炭素数1以上18以下のアルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−エトキシエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
前記炭素数2以上18以下のアルケニル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
アルキル基やアルケニル基等の脂肪族炭化水素の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アラルキル基の炭素数は、7以上20以下が好ましく、更に7以上14以下が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、前記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
R9は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基であって、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
また、前記一般式(II)で表される構成単位中のR5は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
本発明における溶剤親和性のブロック部のガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。また同様に色材親和性ブロック部及びブロック共重合体のガラス転移温度も計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、溶剤親和性のブロック部はi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用することができる。
アミン価が前記範囲内であることにより、粘度の経時安定性や耐熱性に優れると共に、アルカリ現像性や、溶剤再溶解性にも優れている。本発明において、分散剤のアミン価は、分散性および分散安定性の点から、中でも、アミン価が80mgKOH/g以上であることが好ましく、90mgKOH/g以上であることがより好ましい。一方、溶剤再溶解性の点から、分散剤のアミン価は、110mgKOH/g以下であることが好ましく、105mgKOH/g以下であることがより好ましい。
アミン価は、試料1g中に含まれるアミン成分を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいい、JIS−K7237に定義された方法により測定することができる。当該方法により測定した場合には、分散剤中の有機酸化合物と塩形成しているアミノ基であっても、通常、当該有機酸化合物が解離するため、分散剤として用いられるブロック共重合体そのもののアミン価を測定することができる。
本発明に用いられる分散剤においては、塩形成前のブロック共重合体の酸価が1mgKOH/g以上であることが好ましく、2mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。現像残渣の抑制効果が向上するからである。また、塩形成前のブロック共重合体の酸価の上限としては18mgKOH/g以下であることが好ましいが、16mgKOH/g以下であることがより好ましく、14mgKOH/g以下であることがさらにより好ましい。現像密着性、及び溶剤再溶解性が良好になるからである。
なお、本発明において酸価はJIS K 0070に従って測定することができる。
分散剤のガラス転移温度は、現像密着性の点から中でも32℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。一方、精秤が容易など、使用時の操作性の観点から、200℃以下であることが好ましい。
本発明における分散剤のガラス転移温度は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)により測定することにより求めることができる。
カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有割合が、前記下限値以上であることより、現像残渣の抑制効果が発現され、前記上限値以下であることより現像密着性の悪化や溶剤再溶解性の悪化を防止できる。
なお、カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位は、前記特定の酸価となればよく、1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
ここで、重量平均分子量は(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値とし、THFを溶離液として、ショウデックスGPCシステム−21H(Shodex GPC System−21H)により測定することができる。なお、ブロック共重合体の原料となるマクロモノマーや塩型ブロック共重合体、グラフト共重合体についても、前記条件で行う。
中でも、3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体がブロック共重合体であって、前記有機酸化合物がフェニルホスホン酸やフェニルホスフィン酸等の酸性有機リン化合物であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。このような分散剤に用いられる有機酸化合物の具体例としては、例えば、特開2012−236882号公報等に記載の有機酸化合物が好適なものとして挙げられる。
また、前記ハロゲン化炭化水素としては、臭化アリル、塩化ベンジル等のハロゲン化アリル及びハロゲン化アラルキルの少なくとも1種であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。
特に色材濃度が高い着色層を形成する場合には、感光性着色樹脂組成物中の分散剤(E)の含有量は、感光性着色樹脂組成物の固形分全量100質量%中に、2質量%以上25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、必要に応じて、更に溶剤を含有していてもよい。本発明に用いられる溶剤としては、感光性着色樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であればよく、特に限定されない。溶剤は単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
溶剤の具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、i−プロピルアルコール、メトキシアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、ヒドロキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシプロピオン酸エチル、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、酪酸n−ブチル、クロヘキサノールアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート等のジアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中ではグリコールエーテルアセテート系溶剤、カルビトールアセテート系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤が他の成分の溶解性の点で好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、及び、3−メトキシブチルアセテートよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の分散性乃至溶解性や塗布適性の点から好ましい。
混合溶剤を使用する場合、第1溶剤としては、安全性が高い、適度な揮発性を持つ、適度な溶解性を持つために分散性が良好である等の理由から、前記したグリコールエーテルアセテート系溶剤を使用するのが好ましい。また、その中でも、沸点(大気圧における沸点をいう。以下同じ。)が150℃未満である2−メトキシエチルアセテート、又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が特に好ましい。
第2溶剤としてアルコール性水酸基を有する溶剤を使用すると、分散性が良好になり溶剤再溶解性が良好になりやすい。
アルコール性水酸基を有する溶剤の例としては、前記アルコール系溶剤、前記カルビトール系溶剤、前記グリコールエーテル系溶剤が挙げられ、具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃)等が挙げられる。
前記範囲内であると、分散剤の溶解性が良好になりやすく、また、分散剤の第1溶剤への溶解を阻害しなくなるため、分散安定性が良好になりやすい。
沸点150℃以上の溶剤の例としては、例えば、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点179℃)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート(沸点188℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点179℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点172℃)等が挙げられる。
前記範囲内であると、乾燥ムラが発生し難く、また、乾燥時間が長くなり過ぎず生産性が良好となりやすい。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、更に酸化防止剤を含むものであってもよい。本発明の感光性着色樹脂組成物は、酸化防止剤を含むことにより、耐熱性を向上することができ、露光及びポストベーク後の輝度低下を抑制できるため輝度を向上することができる。本発明の感光性着色樹脂組成物は、中でも、前記一般式(1)で表されるオキシムエステル化合物と組み合わせて酸化防止剤を含むことが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1010、BASF社製)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(商品名:イルガノックス3114、BASF社製)、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)メシチレン(商品名:イルガノックス1330、BASF社製)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン(商品名:イルガノックス565、BASF社製)、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1035、BASF社製)、1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(商品名:イルガノックスMD1024、BASF社製)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロピオン酸オクチル(商品名:イルガノックス1135、BASF社製)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:イルガノックス1520L、BASF社製)、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド](商品名:イルガノックス1098、BASF社製)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス259、BASF社製)、1−ジメチル−2−[(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:ADK STABAO−80、アデカ製)、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロピオン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(商品名:イルガノックス245、BASF社製)、1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:イルガノックス1790、BASF社製)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(商品名:スミライザーMDP−S、住友化学製)、6,6’−チオビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(商品名:イルガノックス1081、BASF社製)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル(商品名:イルガモド195、BASF社製)、アクリル酸2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル(商品名:スミライザーGM、住友化学製)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(商品名:スミライザーWX−R、住友化学製)、6,6'−ジ−tert−ブチル−4,4'−ブチリデンジ−m−クレゾール(商品名:アデカスタブAO−40、ADEKA製)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
本発明において好適に用いられる潜在性酸化防止剤としては、耐熱性の点及び相溶性の点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤のフェノール性水酸基を加熱により脱離可能な保護基で保護した潜在性ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられ、具体例としては下記化学式(a)〜(c)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記加熱により脱離可能な保護基としては、例えば、酸無水物、酸塩化物、Boc化試薬、アルキルハライド化合物、シリルクロライド化合物、又はアリルエーテル化合物の反応残基が挙げられ、典型的には、t−ブトキシカルボニル基が挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、更に、アルカリ可溶性樹脂を含むものであってもよい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー成分として作用し、かつパターン形成する際に用いられるアルカリ現像液に可溶性であるものの中から、適宜選択して使用することができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂とは、酸価が40mgKOH/g以上であることを目安にすることができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、酸性基、通常カルボキシ基を有するポリマーであり、具体的には、カルボキシ基を有するアクリル系共重合体及びカルボキシ基を有するスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系ポリマー、カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート系ポリマー等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシ基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和結合等の光重合性官能基を有するものである。アルカリ可溶性樹脂が側鎖に光重合性官能基を含有することにより、カラーフィルタ製造時における樹脂組成物の硬化工程において、当該アルカリ可溶性樹脂同士、乃至、当該アルカリ可溶性樹脂が、前記ケイ素含有化合物又は前記光重合性化合物が有するエチレン性不飽和結合と反応して架橋結合を形成し得ることにより、輝度の低下が抑制され、硬化膜の膜強度がより向上して現像耐性が向上し、また、硬化膜の熱収縮が抑制されて基板との密着性に優れるようになる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、前記分散剤(E)で述べたものと同様のものが挙げられ、中でも、共重合性やコスト、溶解性、ガラス転移温度などの点から(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記炭化水素環の具体例としては、例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン等の脂肪族炭化水素環;ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素環;ビフェニル等の鎖状多環や、カルド構造(9,9−ジアリールフルオレン)等が挙げられる。
前記炭化水素環が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、アミド基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
なお、前記炭化水素環は、1価の基として含まれていても良いし、2価以上の基として含まれていても良い。
カルボキシ基を有する構成単位と、前記炭化水素環とを有するアクリル系共重合体は、前述の“共重合可能なその他のモノマー”として炭化水素環を有するモノマーを用いることにより調製することができる。
アルカリ可溶性樹脂は、各構成単位の仕込み量を適宜調整することにより、所望の性能を有するアルカリ可溶性樹脂とすることができる。
ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、前記アルカリ可溶性樹脂におけるエチレン性不飽和結合1モル当りの重量平均分子量のことであり、下記数式(2)で表される。
数式(2)
エチレン性不飽和結合当量(g/mol)=W(g)/M(mol)
(数式(2)中、Wは、アルカリ可溶性樹脂の質量(g)を表し、Mはアルカリ可溶性樹脂W(g)中に含まれるエチレン性不飽和結合のモル数(mol)を表す。)
本発明の感光性着色樹脂組成物においては、前記ケイ素含有化合物(A)100質量部に対し、アルカリ可溶性樹脂の含有量が、25質量部以下であることが好ましく、更に22質量部以下であることが好ましく、更に20質量部以下であることが好ましく、更に10質量部以下であることがより好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤の他、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、特開2013−029832号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、色材(D)を、必要に応じて前記分散剤を用いることにより、溶剤中に分散させた色材分散液を調製し、当該色材分散液に、ケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、必要に応じて分散補助樹脂等のその他の成分を添加し、公知の混合手段を用いて混合することにより得ることができる。色材(D)が2種以上の色材を含む場合は、必要に応じて分散剤を用いて、各色材の色材分散液を各々準備し、各々の色材分散液と、ケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、必要に応じて分散補助樹脂等のその他の成分を、公知の混合手段を用いて混合することにより得ることができる。
前記分散補助樹脂としては、前記アルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって色材粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、前記色材分散液には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させても良い。
前記色材分散液の製造方法としては、特に限定はされないが、例えば、以下の2つの製造方法のうちのいずれかとすることが好ましい。
分散機の具体例としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03mm以上3.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.05以上2.0mm以下である。
本発明に係る硬化物は、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である。
本発明に係る硬化物は、カラーフィルタの着色層として好適に用いられるものであり、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物であるため、輝度の低下が抑制されたものである。
本発明に係る硬化物は、例えば、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させたのち、露光し、必要に応じて前記ケイ素含有化合物中の反応性基同士を反応させて結合させるための加熱をし、更に必要に応じて現像することにより得ることができる。塗膜の形成、露光、加熱、及び現像の方法としては、例えば、後述する本発明に係るカラーフィルタが備える着色層の形成において用いられる方法と同様の方法とすることができる。
本発明に係るカラーフィルタは、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物、すなわち前記着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層である。
着色層は、通常、後述する基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、感光性着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明の感光性着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。なかでもスピンコート法、ダイコート法を好ましく用いることができる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、ポリマー及び光重合性化合物等を光重合反応させて硬化塗膜とする。露光には、例えば、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
前記露光後には、更に重合反応を促進させるため、及び前記ケイ素含有化合物中の反応性基同士を反応させて結合させるために、加熱処理(ポストベーク)を行ってもよい。ポストベークの加熱条件は、使用する感光性着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み、反応性基の種類等によって適宜選択され、特に限定はされないが、露光後の加熱処理における温度は、好ましくは80℃以上250℃以下、より好ましくは100℃以上240℃以下、より更に好ましくは180℃以上230℃以下、最も好ましくは200℃以上230℃以下であり、当該加熱の時間は、10分以上180分以下であることが好ましく、20分以上150分以下であることがより好ましい。前記ケイ素含有化合物(A)が反応性基としてチオール基を含む場合は、露光後の加熱処理における温度を、70℃以上150℃以下とすることができ、より好ましい態様においては、80℃以上120℃以下とすることができる。また、前記ケイ素含有化合物(A)が反応性基としてチオール基を含む場合は、露光後の加熱処理の時間は、10分以上120分以下であることが好ましい。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、感光性着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。遮光部は、スパッタリング法、真空蒸着法等によるクロム等の金属薄膜であっても良い。或いは、遮光部は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた樹脂層であってもよい。遮光性粒子を含有させた樹脂層の場合には、感光性レジストを用いて現像によりパターニングする方法、遮光性粒子を含有するインクジェットインクを用いてパターニングする方法、感光性レジストを熱転写する方法等がある。
基板としては、後述する透明基板やシリコン基板、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、TFT等のトランジスタ、回路等が形成されていてもよい。本発明の感光性着色樹脂組成物において、前記ケイ素含有化合物(A)が有する前記反応性基がチオール基を含む場合は、ポストベークの温度を低減できることから、前記基板として、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板、シリコン基板等の高温で変形しやすい基板を好ましく用いることができる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm以上1mm以下程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、前記基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や配向突起、柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルタを有することを特徴とする。本発明において表示装置の構成は特に限定されず、従来公知の表示装置の中から適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置や、有機発光表示装置などが挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の表示装置の一例を示す概略図であり、液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、前記カラーフィルタ10と前記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明に係る有機発光表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の表示装置の他の一例を示す概略図であり、有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
なお、以下において、合成したケイ素含有化合物の構造は、GC/MSと1H−NMRにより分析した。
また、以下において、重量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液として、ショウデックスGPCシステム−21H(Shodex GPC System−21H)を用いて測定した。
エステルアダプター、冷却管、及び温度計を備えた500mlガラスフラスコにα、ω-ジヒドロキシジアクリロエトキシシロキサン165.4g(0.1モル)及びテトラメトキシシラン15.2g(0.1モル)を仕込み、窒素雰囲気下で、120℃で3時間反応させた。エステルアダプターには脱メタノール反応によるメタノールの留出がみられた。反応終了後、分析により、得られた化合物の反応性基(エチレン性不飽和結合)のモル当量は、159g/molであり、分子量が1,904であり、下記一般式(i)において、Aが2−アクリロイルオキシエトキシ基(−O−(CH2)2−O−C(=O)−CH=CH2)であるSi含有化合物Aであることを確認した。
攪拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを備えた1,000mlの四つ口フラスコに、ビス(トリビニルシリル)エタン98.4g(0.4モル)、及び塩化白金酸のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(Pt換算濃度0.5質量%)1.0gを仕込み攪拌しながら90℃に昇温した。次いでジアクリロエトキシクロロシラン598.5g(2.64モル)を滴下ロートにより90℃〜100℃で2時間かけて滴下した後、90〜100℃で3時間熟成を行った。冷却後、減圧蒸留した。
次に、攪拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを備えた1,000mlの四つ口フラスコにトルエン150g、LiAlH430.1g(0.79モル)を仕込み、攪拌しながらTHF300gを滴下ロートにより滴下した後、減圧蒸留により得られた留分596g(0.35モル)とトルエン500gの混合液を滴下ロートにより滴下した。30℃以下で2時間熟成した後、酢酸エチル80gを滴下ロートにより滴下し、次いで反応物を1N塩酸3L中に添加、水洗後、分液により上層のみ取り出し、芒硝脱水後ろ過し、ろ液を減圧蒸留した。分析より、得られた化合物の反応性基(エチレン性不飽和結合)のモル当量は、148g/molであり、分子量が1,779であり、下記一般式(ii)において、A’が2−アクリロイルオキシエトキシ基(−O−(CH2)2−O−C(=O)−CH=CH2)であるSi含有化合物Bであることを確認した。
合成例1において、α、ω-ジヒドロキシジアクリロエトキシシロキサンに代えて、α、ω-ジヒドロキシジエトキシチオシロキサンを等モル用いた以外は、合成例1と同様にした。分析により、得られた化合物の反応性基(チオール基)のモル当量は、127g/molであり、分子量が1,525であり、前記一般式(i)においてAが2−メルカプトエトキシ基(−O−(CH2)2−SH)であるSi含有化合物Cであることを確認した。
合成例2において、ジアクリロエトキシクロロシランに代えて、ジメトキシチオクロロシランを等モル用いた以外は、合成例2と同様にした。分析により、得られた化合物の反応性基(チオール基)のモル当量は、122g/molであり、分子量が1,468であり、前記一般式(ii)において、A’がメルカプトメトキシ基(−O−CH2−SH)であるSi含有化合物Dであることを確認した。
合成例1において、α、ω-ジヒドロキシジアクリロエトキシシロキサンに代えて、α、ω-ジヒドロキシジグリシジルオキシシロキサンを等モル用いた以外は、合成例1と同様にした。分析により、得られた化合物の反応性基(エポキシ基)のモル当量は、117g/molであり、分子量が1,400であり、前記一般式(i)においてAがグリシジルオキシ基であるSi含有化合物Eであることを確認した。
合成例2において、ジアクリロエトキシクロロシランに代えて、ジグリシジルオキシクロロシランを等モル用いた以外は、合成例2と同様にした。分析により、得られた化合物の反応性基(エポキシ基)のモル当量は、118g/molであり、分子量が1,419であり、前記一般式(ii)において、A’がグリシジルオキシ基であるSi含有化合物Fであることを確認した。
(1)中間体A1の合成
フルオレン0.60mol、水酸化カリウム2.4mol及びよう化カリウム0.06molを窒素雰囲気下で無水ジメチルスルホキシド500mlに溶解させて15℃で維持し、ブロモブタン1.33molを2時間で徐々に加えて反応物を15℃で1時間撹拌した。その後反応物に蒸溜水2Lを加えて30分程度撹拌した後、ジクロロメタン2Lで生成物を抽出して、抽出した有機層を蒸溜水2Lで2回洗った。次いで、回収した有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧蒸溜して得た生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒;エチルアセテート:n−ヘキサン=1:20)で精製することにより、下記中間体A1を得た。
前記中間体A1(0.11mol)をジクロロメタン500mlに溶解させて−5℃まで冷却した後、AlCl3 0.13molを徐々に加え、反応物の温度が昇温されないように、ジクロロメタン15mlとシクロヘキシル塩化プロピオニル0.13molからなる溶液を1時間で徐々に滴下し、−5℃で1時間撹拌した。その後反応物を氷水500mlに徐々に注いで30分間撹拌した後、有機層を蒸溜水200mLで洗った。次いで、回収した有機層を減圧蒸溜して得た生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒;エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4)で精製することにより、下記中間体A2を得た。
前記中間体A2(0.042mol)をテトラヒドロフラン(THF)200mlに溶解させ、1,4−ジオキサンに溶解された4N HCl25mlと亜硝酸イソブチル0.063molを順に加えて反応物を25℃で6時間撹拌した。その後反応溶液にエチルアセテート200mlを加えて30分間撹拌して有機層を分離した後、蒸溜水200mlで洗った。次いで、回収した有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧蒸溜して得た生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒;エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4)で精製することにより、下記中間体A3を得た。
前記中間体A3(0.056mol)を窒素雰囲気下でN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)200mlに溶解させて−5℃で維持し、トリエチルアミン0.068molを加えて反応溶液を30分間撹拌した。その後、アセチルクロリド0.068molとN−メチル−2−ピロリジノン10mlからなる溶液を30分間で徐々に加え、反応物が昇温されないように30分間撹拌した。その後蒸溜水200mlを反応物に徐々に加えて30分間撹拌して有機層を分離した。次いで、回収した有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧蒸溜して得た生成物を、エタノール1Lを使用して再結晶した後乾燥することにより、下記開始剤aを得た。
(1)中間体B1の合成
9H−フルオレン−2−イル−(フェニル)メタノン0.030molをジクロロメタン45mlに溶解させて−5℃まで冷却し、無水AlCl3 0.033molを加えた後、ジクロロメタン9mlと塩化プロピオニル0.033molからなる溶液を反応物の温度が昇温されないように1時間で徐々に加えて−5℃で1時間撹拌した。その後、氷水250gに反応物を徐々に注いで30分間撹拌した後、有機層を分離して、蒸溜水100mlで洗った。次いで、回収した有機層を減圧蒸溜して得た生成物を、トルエン: エチルアセテート(5:1)の混合溶液20mlで再結晶することにより、下記中間体B1を得た。
前記中間体B1(0.010mol)をテトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解させ、1,4−ジオキサンに溶解された4N HCl4.5mlと亜硝酸イソペンチル0.015molを順に加えて反応物を25℃で24時間撹拌した。 その後、反応溶液にエチルアセテート20mlと蒸溜水50mlを加えて有機層を抽出した。抽出した有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧蒸溜して得た生成物を、エタノール:エチルアセテート(5:1)の混合溶媒30mlを使用して再結晶した後乾燥することにより、下記中間体B2を得た。
前記中間体B2(0.006mol)を窒素雰囲気下でエチルアセテート25mlに溶解させて反応物を−5℃で維持し、トリエチルアミン0.007mmolを加えて反応溶液を30分間撹拌した後、アセチルクロリド0.007molとエチルアセテート5mlからなる溶液を、反応物が昇温されないように30分間で徐々に加え、30分間撹拌した。その後、蒸溜水100mlを反応物に徐々に加えて30分程度撹拌し、有機層を分離した。次いで、回収した有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧蒸溜することにより、下記開始剤bを得た。
(1)中間体C1の合成
500mlの四口フラスコ中に、ジフェニルチオエーテル0.2molと、粉砕したAlCl3 0.22molと、ジクロロエタン150mlとを投入して攪拌し、アルゴンガスを流して氷浴で冷却して温度が0℃まで低下した時に、シクロヘキシル塩化プロピオニル0.22molとジクロロエタン42gからなる溶液を滴下し始め、温度を10℃以下に調整しながら約1.5時間かけて添加した。温度を15℃に上昇して、引き続き2時間攪拌した後、反応液を排出した。氷400gと濃塩酸65mlとを配合した希塩酸中に、攪拌下で反応液を徐々に投入した後、分液漏斗で下層を分液し、上層を50mlのジクロロエタンで抽出した後、抽出液と下層液とを合わせた。その後、NaHCO310gと水200gとを配合したNaHCO3溶液で洗浄し、更にpH値が中性を呈するまで200mlの水で3回洗浄し、60gの無水MgSO4で乾燥して水分を除去した後、回転蒸発によりジクロロエタンを蒸発させた。回転蒸発瓶中に残った固体粉末を石油エーテル200mlに入れ、吸引ろ過を行い、更に150mlの無水エタノールに投入して加熱し、還流した。その後室温まで冷却し、更に氷で2時間冷却し、吸引ろ過した後、50℃のオーブン中で2時間乾燥することにより、下記中間体C1を得た。
500mlの四口フラスコ中に、前記中間体C 142gと、テトラヒドロフラン400gと、濃塩酸200gと、亜硝酸イソアミル24.2gとを投入して、常温で5時間攪拌した後、反応液を排出した。反応液を大ビーカーに入れ、水1000mlを加えて攪拌した後、一晩静置することにより分層し、黄色の粘稠状液体を得た。粘稠状液体をジクロロエタンで抽出し、50gの無水MgSO4を投入して乾燥した後、吸引ろ過を行い、ろ液を回転蒸発させて溶剤を除去し、油状粘稠物を得た。続いて、該粘稠物を石油エーテル150mlに入れ、攪拌、析出し、吸引ろ過を行って、白色粉末状固体を得た。その後、60℃で5時間乾燥して、下記中間体C2を得た。
1000mlの四口フラスコ中に、前記中間体C2 34gと、ジクロロエタン350mlと、トリエチルアミン12.7gとを投入して攪拌し、氷浴で冷却して、温度が0℃まで低下した時に酢酸クロリド15.7gとジクロロエタン15gからなる溶液を滴下し始め、約1.5時間かけて添加した。引き続いて1時間攪拌した後、冷水500mlを滴下し、分液漏斗で分層した。5%NaHCO3溶液200mlで1回洗い、更にpH値が中性を呈するまで200ml水で2回洗い、その後、濃塩酸20gと水400mlとを配合した希塩酸で一1回洗い、続いて200ml水で3回洗った後、100gの無水MgSO4で乾燥し、溶剤を回転蒸発させて除去し、粘稠状液体を得た。該粘稠状液体に適量のメタノールを投入して析出した白色固体を、ろ過、乾燥して、下記開始剤cを得た。
メタクリル酸ベンジル(BzMA)40質量部、メタクリル酸メチル(MMA)15質量部、メタクリル酸(MAA)25質量部、及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3質量部の混合液を、PGMEA 150質量部を入れた重合槽中に、窒素気流下、100℃で、3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に100℃で、3時間加熱し、重合体溶液を得た。この重合体溶液の重量平均分子量Mwは、7000であった。
次に、得られた重合体溶液に、グリシジルメタクリレート(GMA) 20質量部、トリエチルアミン0.2質量部、及びp−メトキシフェノール0.05質量部を添加し、110℃で10時間加熱し、反応溶液中に、空気をバブリングさせた。得られたアルカリ可溶性樹脂Aは、BzMAとMMA、MAAの共重合により形成された主鎖にGMAを用いてエチレン性二重結合を有する側鎖を導入した樹脂であり、固形分42.6質量%、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量Mwは12000であった。酸価は、JIS K 0070に基づいて測定した。
550gの蒸留水の中に、23.1gのジアゾバルビツール酸および19.2gのバルビツール酸を導入した。次いで、水酸化カリウム水溶液を用いてアゾバルビツール酸(0.3モル)となるように調整し、750gの蒸留水と混合した。5gの30%の塩酸を滴下により添加した。その後、38.7gのメラミンを導入した。次いで、0.57モルの塩化ニッケル(II)溶液と0.03モルの塩化銅溶液を混合して添加し、80℃の温度で8時間撹拌した。濾過により顔料を単離し、洗浄し、120℃で乾燥させ、乳鉢で磨砕し、Azo誘導体1(Ni:Cu=95:5(モル比)のazo顔料)を得た。
合成例11において、0.57モルの塩化ニッケル溶液と0.03モルの塩化銅溶液の代わりに、0.39モルの塩化ニッケル(II)溶液と0.21モルの塩化亜鉛(II)溶液を用いた以外は、合成例11と同様にして、Azo誘導体2(Ni:Zn=65:35(モル比)のazo顔料)を得た。
アゾバルビツール酸96gに82℃で5000gの蒸留水を添加した。その後、252.2gのメラミンを導入した。次いで、0.70モルの30%塩化ニッケル(II)溶液、0.05モルの30%塩化亜鉛(II)溶液、および0.167モルの20%塩化ランタン(III)溶液の混合物を滴下により添加した。82℃で3時間経過してから、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを5.5とした。それに続けて、約1000gの蒸留水を用い、90℃で希釈した。次いで、113gの30%塩酸を滴下により添加し、その混合物を90℃で12時間にわたり加熱処理した。その後、水酸化カリウム水溶液を使用してpHを5とした。次いで、吸引ロート上で顔料を単離し、洗浄し、真空乾燥キャビネット内において80℃で乾燥させ、標準的な実験室用ミル内で約2分間かけて摩砕し、Azo誘導体3(Ni:Zn:La=81:6:13(モル比)のazo顔料)を得た。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコにTHF250質量部、塩化リチウム0.6質量部を加え、充分に窒素置換を行った。反応フラスコを−60℃まで冷却した後、ブチルリチウム4.9質量部(15質量%ヘキサン溶液)、ジイソプロピルアミン1.1質量部、イソ酪酸メチル1.0質量部を、シリンジを用いて注入した。Bブロック用モノマーのメタクリル酸1−エトキシエチル(EEMA)3.3質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)18.2質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)4.2質量部、メタクリル酸n−ブチル(BMA)7.0質量部、メタクリル酸ベンジル(BzMA)24.7質量部、メタクリル酸メチル(MMA)13.3質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。30分後、Aブロック用モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA)30.8質量部を20分かけて滴下した。30分間反応させた後、メタノール1.5質量部を加えて反応を停止させた。得られた前駆体ブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、PGMEAで希釈し固形分30質量%溶液とした。水を32.5質量部加え、100℃に昇温し7時間反応させ、EEMA由来の構成単位を脱保護しメタクリル酸(MAA)由来の構成単位とした。得られたブロック共重合体PGMEA溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、前記一般式(I)で表される構成単位を含むAブロックとカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位を含み親溶剤性を有するBブロックとを含むブロック共重合体A(酸価12mgKOH/g、Tg44℃)を得た。このようにして得られたブロック共重合体Aの重量平均分子量Mwは8100であった。また、アミン価は110mgKOH/gであった。
100mL丸底フラスコ中でPGMEA29.35質量部に、ブロック共重合体Aを29.35質量部溶解し、フェニルホスホン酸(東京化成製)1.59質量部(フェニルホスホン酸がブロック共重合体AのDMMAユニット1モルに対し、0.1モル)加え、反応温度30℃で20時間攪拌することにより、塩型ブロック共重合体A(分散剤a)溶液(固形分51.3質量%)を得た。
塩形成後のアミン価は、塩形成前のアミン価110mgKOH/gから、DMMAユニットの0.10モル分のアミン価(11mgKOH/g)を差し引いて、99mgKOH/gと算出することができる。塩形成後のブロック共重合体Aの酸価は塩形成前ブロック共重合体Aと同じである。塩形成後のブロック共重合体Aの酸Tgは46℃であった。
なお、塩形成前のブロック共重合体の酸価は、JIS K 0070に記載の方法に準ずる方法により求め、塩形成前のブロック共重合体のアミン価は、JIS K 7237に記載の方法に準ずる方法により求めた。
塩形成前のブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、前述の本発明の測定方法に従って、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算値として求めた。
塩形成前及び塩形成後のブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に記載の方法に準ずる方法により、示差走査熱量測定(DSC)(SIIナノテクノロジー社製、EXSTAR DSC 7020)を用いて測定した。
(1)色材分散液R1の製造
分散剤として分散剤a溶液(固形分51.3質量%)を6.23質量部、色材としてC.I.ピグメントレッド254(商品名:Hostaperm Red D2B−COF LV3781、CLARIANT製)を13.0質量部、PGMEAを14.59質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)にて1時間振とうし、次いで粒径2.0mmジルコニアビーズを取り出し、粒径0.1mmのジルコニアビーズ200質量部を加えて、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて4時間分散を行い、色材分散液R1(固形分47.9質量%、色材濃度38.4質量%)を得た。
前記(1)で得られた色材分散液R1を11.29質量部、Si含有化合物Aを1.25質量部、合成例10で得られたアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分42.6質量%)を0.63質量部、光重合性化合物(多官能モノマー、商品名アロニックスM−403、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(DPHA)、東亞合成(株)社製)を1.25質量部、開始剤aを0.15質量部、PGMEAを9.77量部加え、感光性着色樹脂組成物R1を得た。
(3)着色層の形成
前記(2)で得られた感光性着色樹脂組成物R1を、厚み0.7mmで100mm×100mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。塗布量は、ポストベーク後の着色層の色度が、x=0.650となるように調整した。その後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥して塗膜を形成した。この塗膜に、開口寸法90μm×300μmの独立細線内に20μm×20μmのクロムマスクを配置したパターンフォトマスク(クロムマスク)を介して、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射し、更に230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークすることにより、着色層R1を形成した。なお、着色層の色度(x、y)は、大塚電子製分光特性測定装置LCF−1500Mを用いて測定した。
実施例2〜14及び比較例1〜3は、実施例1で用いた色材分散液R1と同じ色材分散液を用い、感光性着色樹脂組成物R2〜14、RC1〜RC3を以下のようにして製造した。
実施例2〜6では、実施例1の(2)において、Si含有化合物Aに代えて、それぞれ表1に示すSi含有化合物を、表1に示す量で用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R2〜R6を得た。
実施例7では、実施例1の(2)において、開始剤aの添加量を0.40質量部に変え、更に開始剤bを0.40質量部添加し、PGMEAの量を11.19質量部となるように調整した以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R7を得た。
実施例8では、実施例1の(2)において、開始剤aに代えて、開始剤bを用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R8を得た。
実施例9では、実施例1の(2)において、Si含有化合物Aに代えて、Si含有化合物Fを、表1に示す量で用い、更に開始剤aに代えて、開始剤cを用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R9を得た。
実施例10では、実施例1の(2)において、開始剤aの添加量を0.40質量部に変え、更に開始剤cを0.40質量部添加し、PGMEAの量を11.19質量部となるように調整した以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R10を得た。
実施例11では、実施例1の(2)において、開始剤aの添加量を0.40質量部に変え、更にメルカプト系連鎖移動剤(ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(商品名:カレンズMTPE1、昭和電工製))を0.30質量部添加し、PGMEAの量を12.05質量部となるように調整した以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R11を得た。
実施例12では、実施例1の(2)において、更にヒンダードフェノール系酸化防止剤としてペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1010、BASF社製)を0.30質量部添加した以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R12を得た。
実施例13では、実施例1の(2)において、開始剤aに代えて、下記化学式(d)で表されるOXE−02(BASF社製)を用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物R13を得た。
比較例1では、実施例1の(2)において、Si含有化合物Aを用いなかった以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物RC1を得た。
比較例2では、実施例1の(2)において、Si含有化合物Aを用いず、更に開始剤aに代えて、前記化学式(d)で表されるOXE−02(BASF社製)を用いた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物RC2を得た。
比較例3では、実施例1の(2)において、Si含有化合物Aの添加量を0.10質量部に変え、光重合性化合物の添加量を2.05質量部に変えた以外は、実施例1の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物RC3を得た。
(1)色材分散液G1の製造
分散剤として分散剤a溶液(固形分51.3質量%)を13.3質量部、色材としてC.I.ピグメントグリーン59(商品名:FASTOGEN GREEN C100、DIC(株)製)を11.0質量部と、C.I.ピグメントイエロー150(商品名:LEVASCREEN YELLOW G01、ランクセス(株)製)を2.0質量部と、PGMEAを63.7質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)にて1時間振とうし、次いで粒径2.0mmジルコニアビーズを取り出し、粒径0.1mmのジルコニアビーズ200質量部を加えて、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて4時間分散を行い、色材分散液G1(固形分22.0質量%、色材濃度14.4質量%)を得た。
前記(1)で得られた色材分散液G1を287.0質量部、Si含有化合物Aを23.0質量部、合成例10で得られたアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分42.6質量%)を12.0質量部、多官能モノマー(商品名アロニックスM−403、東亞合成(株)社製)を23.0量部、開始剤aを5.1質量部、PGMEAを84.63質量部加え、感光性着色樹脂組成物G1を得た。
(3)着色層の形成
前記(2)で得られた感光性着色樹脂組成物G1を、厚み0.7mmで100mm×100mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。塗布量は、ポストベーク後の着色層の色度がy=0.370となるように調整した。その後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥して塗膜を形成した。この塗膜に、開口寸法90μm×300μmの独立細線内に20μm×20μmのクロムマスクを配置したパターンフォトマスク(クロムマスク)を介して、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射し、更に230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークすることにより、着色層G1を形成した。なお、着色層の色度(x、y)は、大塚電子製分光特性測定装置LCF−1500Mを用いて測定した。
実施例16〜20においては、実施例15で用いた色材分散液G1と同じ色材分散液を用い、実施例15の(2)において、Si含有化合物Aに代えて、それぞれ表2に示すSi含有化合物を、表2に示す量で用いた以外は、実施例15の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物G2〜G6を得た。次いで、実施例15の(3)において、感光性着色樹脂組成物G1の代わりに、それぞれ前記感光性着色樹脂組成物G2〜G6を用いた以外は、実施例15の(3)と同様にして、着色層G2〜G6を得た。
分散剤として分散剤a溶液(固形分51.3質量%)を13.3質量部、色材としてC.I.ピグメントグリーン59(商品名:FASTOGEN GREEN C100、DIC(株)製)を11.0質量部と、合成例11で得られたAzo誘導体1を2.0質量部と、PGMEAを63.7質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工(株)製)にて1時間振とうし、次いで粒径2.0mmジルコニアビーズを取り出し、粒径0.1mmのジルコニアビーズ200質量部を加えて、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて4時間分散を行い、色材分散液G7(色材濃度14質量%)を得た。
次いで、実施例15の(2)において、色材分散液G1に代えて、前記色材分散液G7を用いた以外は、実施例15の(2)と同様にして、感光性着色樹脂組成物G7を得た。
次いで、実施例15の(3)において、感光性着色樹脂組成物G1の代わりに、前記感光性着色樹脂組成物G7を用いた以外は、実施例15の(3)と同様にして、着色層G7を得た。
実施例21において、合成例11で得られたAzo誘導体1に代えて、合成例12で得られたAzo誘導体2を用いた以外は、実施例21と同様にして、色材分散液G8(色材濃度14質量%)を得た。次いで、実施例21において、色材分散液G7に代えて、前記色材分散液G8を用いた以外は、実施例21と同様にして、感光性着色樹脂組成物G8及び着色層G8を得た。
実施例21において、合成例11で得られたAzo誘導体1に代えて、合成例13で得られたAzo誘導体3を用いた以外は、実施例21と同様にして、色材分散液G9(色材濃度14質量%)を得た。次いで、実施例21において、色材分散液G7に代えて、前記色材分散液G9を用いた以外は、実施例21と同様にして、感光性着色樹脂組成物G9及び着色層G9を得た。
実施例15、21、22及び23において、Si含有化合物Aを用いなかった以外は、それぞれ実施例15、21、22及び23と同様にして、比較色材分散液GC1、GC2、GC3及びGC4を得た。次いで、実施例15、21、22及び23において、色材分散液G1、G7、G8及びG9に代えて、前記比較色材分散液GC1、GC2、GC3及びGC4を用いた以外は、それぞれ実施例15、21、22及び23と同様にして、比較感光性着色樹脂組成物GC1、GC2、GC3及びGC4、並びに着色層GC1、GC2、GC3及びGC4を得た。
<光学性能評価>
実施例及び比較例で得られた着色層の輝度(Y)を、大塚電子製分光特性測定装置LCF−1500Mを用いて測定した。
実施例及び比較例で得られた着色層を光学顕微鏡により観察し、下記評価基準により、ビリツキについて評価した。
[ビリツキ]
A:着色層に形成された微小孔の周縁部の十点平均粗さが0.1より小さい
B:着色層に形成された微小孔の周縁部の十点平均粗さが0.1以上0.5以下
C:着色層に形成された微小孔の周縁部の十点平均粗さが0.5より大きい
なお、十点平均粗さは、JIS B0601に準拠して測定した。
実施例1〜14及び比較例1〜3では、着色層を形成する際の露光時に使用したクロムマスクの開口幅90μmに当たる部分の着色層の細線パターンの幅を光学顕微鏡で5箇所測定し、線幅のばらつきをもって直線性を評価した。
A:ばらつきが±0.1μm以内
B:ばらつきが±0.1μm超過±0.3μm以内
C:ばらつきが±0.3μm超過
[現像残渣]
A:光学顕微鏡による観察で着色層に形成された微小孔内部に着色が観察されない
B:光学顕微鏡による観察で着色層に形成された微小孔内部に着色が観察される
実施例及び比較例において、着色層を形成する際に、露光後且つポストベーク前の硬化膜の色度(L0、a0、b0)と、ポストベーク後の着色層の色度(L1、a1、b1)をそれぞれ測定し、下記式により、ポストベーク前後の硬化膜の色度変化を評価した。
ΔEab={(L1−L0)2+(a1−a0)2+(b1−b0)2}1/2
なお硬化膜(着色層)の色度(L1、a1、b1)はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
PR254:C.I.ピグメントレッド254商品名:Hostaperm Red D2B−COF LV3781、CLARIANT製)
PG59:C.I.ピグメントグリーン59(商品名:FASTOGEN GREEN C100、DIC(株)製)
PY150:C.I.ピグメントイエロー150(商品名:LEVASCREEN YELLOW G01、ランクセス(株)製)
メルカプト系:メルカプト系連鎖移動剤(ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート、商品名:カレンズMTPE1、昭和電工(株)製)
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(商品名イルガキュアOXE−02、BASF社製)
Irganox1010:ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:IRGANOX1010、BASF社製)
表の結果から、前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である特定のケイ素含有化合物を、光重合性化合物100質量部に対し、10.0質量部超過含有した実施例1〜23の感光性着色樹脂組成物は、良好な現像性を有しながら、ポストベーク時の加熱による色味の変化が抑制され、高輝度な着色層を形成可能であることが明らかにされた。
中でも、光開始剤として、前記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物において、前記一般式(C1)中のXが−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基であり、Yが直接結合であるオキシムエステル化合物と、前記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物において、前記一般式(C1)中のXがチオエーテル結合(−S−)であり、Yが無結合であるオキシムエステル化合物とを組み合わせて用いた実施例10は、感光性着色樹脂組成物の現像性に優れ、着色層のパターン内に形成した微小孔周縁部のビリツキがより抑制されていた。
また、実施例15〜23の中では、黄色色材としてC.I.ピグメントイエロー150の誘導体顔料を用いた実施例21〜23が、特に高輝度な着色層を形成することができた。
一方、比較例1、2、4〜7の感光性着色樹脂組成物は、前記特定のケイ素含有化合物を含有しないものであったため、比較例3の感光性着色樹脂組成物は、前記特定のケイ素含有化合物の添加量を、光重合性化合物100質量部に対し、10質量部以下としたため、それぞれ現像性に劣り、ポストベーク時の加熱による色味の変化が大きく、着色層の輝度も劣っていた。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置
Claims (13)
- 下記一般式(A1)で表される化合物及び下記一般式(A2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含むケイ素含有化合物(A)と、光重合性化合物(B)と、光開始剤(C)と、色材(D)とを含有し、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物の合計の含有量が、前記光重合性化合物(B)100質量部に対し、10.0質量部超過であり、
前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物が有する反応性基が、光照射又は加熱により架橋構造を形成し得る基である、感光性着色樹脂組成物。
(一般式(A1)において、Rは、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのRのうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。Lは直接結合又は−O−結合であり、nは2以上30以下の整数を表す。
一般式(A2)において、R’は、水素原子、酸素原子を有していてもよく、反応性基を有しない炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は反応性基を有する基であり、複数あるR’はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、全てのR’のうち少なくとも一部が反応性基を有する基である。R”は、炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、複数あるR”は同一でも異なっていてもよく、L’は直接結合又は炭素数1以上3以下のアルキレン基であり、n’は2以上30以下の整数を表す。) - 前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物は、前記反応性基当量が、100g/mol以上である、請求項1に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記一般式(A1)で表される化合物及び前記一般式(A2)で表される化合物において、前記一般式(A1)中のRにおける反応性基を有する基、及び前記一般式(A2)中のR’における反応性基を有する基が、チオール基、エチレン性不飽和結合及びエポキシ基の少なくとも1種を有する基である、請求項1又は2に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記光開始剤(C)が、下記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物を含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光性着色樹脂組成物。
(一般式(C1)において、Xは、チオエーテル結合(−S−)、エーテル結合(−O−)又は−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基であり、Ra及びRbはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であり、Xがチオエーテル結合(−S−)又はエーテル結合(−O−)の場合は、Yは無結合であり、Xが−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基の場合は、Yは直接結合である。Rcは、チオエーテル結合(−S−)、エーテル結合(−O−)及びカルボニル結合(−CO−)から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい炭化水素基であり、Zは、水素原子又は−(C=O)Rdであり、Rdは酸素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭化水素基、又は、窒素原子を含まず、酸素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種を含む複素環基であり、Reは、炭素数1以上10以下の炭化水素基である。) - 前記光開始剤(C)が、カルバゾール骨格を有しないオキシムエステル化合物を2種以上含む、請求項4に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記光開始剤(C)が、前記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物において、前記一般式(C1)中のXが−C(Ra)(Rb)−で表される2価の基であり、Yが直接結合であるオキシムエステル化合物と、前記一般式(C1)で表されるオキシムエステル化合物において、前記一般式(C1)中のXがチオエーテル結合(−S−)であり、Yが無結合であるオキシムエステル化合物とを含む、請求項4又は5に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記光開始剤(C)が、更に、α−アミノケトン系光開始剤、ビイミダゾール系光開始剤、チオキサントン系光開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤、及びメルカプト系連鎖移動剤から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 更に酸化防止剤を含有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤のフェノール性水酸基を加熱により脱離可能な保護基で保護した潜在性ヒンダードフェノール系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記色材(D)が、C.I.ピグメントグリーン59と、C.I.ピグメントイエロー150及びその誘導体顔料から選ばれる少なくとも一種の黄色色材とを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至10のいずれか一項に記載の感光性着色樹脂組成物の硬化物。
- 基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが前記請求項11に記載の硬化物である、カラーフィルタ。
- 前記請求項12に記載のカラーフィルタを有する、表示装置。
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