JP2019174028A - 熱交換素子用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】気体遮蔽性と生産性とを高いレベルで両立する熱交換素子用シートを提供することを課題とする。【解決手段】カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含み、二酸化炭素遮蔽率が65%以上である、熱交換素子用シート。【選択図】なし
Description
本発明は、熱交換素子用シートに関する。
熱交換器は、住宅・建築物の換気設備の省エネルギー部材として注目されている。熱交換器は、室内と室外からの空気流路、熱交換素子、送風機からなる。この熱交換素子内にて、室内から室外へ排気される空気(排気)の「温度」と「湿度」を、室外から室内へ供給される空気(給気)に移行させ、室内に戻す構造となっている。熱交換素子の構成は、熱交換素子用シートと間隔保持部材の2種類の部材とそれらを接着固定する接着剤から形成される。その中でも熱交換素子用シートは、熱交換素子の温度交換効率、湿度交換効率、有効換気量率を高めるために熱伝達性、透湿性、気体遮蔽性が求められており、その性能を高める検討が行われている。
ここで、熱交換素子用シートとしては、カナダ標準ろ水度が150ml未満のセルロースパルプを含む熱交換素子用シートが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に開示された熱交換素子用シートで用いられているセルロースパルプのカナダ標準ろ水度は150ml未満である。ここで、本発明者らの知見によれば、セルロースパルプのカナダ標準ろ水度の値が小さいと、セルロースパルプによって形成される空隙のサイズが小さくなり、このことによって、熱交換素子用シートの気体遮蔽性は優れたものとなる。しかし、その一方で、カナダ標準ろ水度の値が小さいセルロースパルプは抄紙工程において水抜け性に著しく劣り、抄紙工程における抄紙速度が著しく低下し、結果、この熱交換素子用シートの生産性は劣ったものとなる。逆に、セルロースパルプのカナダ標準ろ水度の値が大きいと、上記とは逆に生産性に優れるが、一方で気体遮蔽性に劣るという課題がある。
そこで、本発明は、上で説明した事情に鑑み、気体遮蔽性と生産性とを高いレベルで両立する熱交換素子用シートを提供することを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決する為に、次のような特徴を有する。すなわち、
(1)カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含み、二酸化炭素遮蔽率が65%以上である、熱交換素子用シート、
(2)前記熱交換素子用シート0.01m2当たりの前記ウレタン樹脂の含有量が0.0010g以上0.1000g以下である、(1)の熱交換素子用シート、
(3)アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくとも何れか一方を含む塩を含み、
前記熱交換素子用シート1m2当たりの前記塩の含有量が2g以上9g以下である、(1)または(2)の熱交換素子用シート、
(4)前記湿式不織布の目付が10g/m2以上50g/m2以下である、(1)〜(3)の熱交換素子用シート、
(5)(1)〜(4)の何れかの熱交換素子用シートを用いた熱交換素子、
(6)分散状態のウレタン樹脂を有し、かつ、粘度が50cP以下の加工液に、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布を含浸させる工程と、前記加工液に含浸させた湿式不織布を乾燥させる工程とを、この順に有する、(1)〜(4)の何れかの熱交換素子用シートの製造方法である。
(1)カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含み、二酸化炭素遮蔽率が65%以上である、熱交換素子用シート、
(2)前記熱交換素子用シート0.01m2当たりの前記ウレタン樹脂の含有量が0.0010g以上0.1000g以下である、(1)の熱交換素子用シート、
(3)アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくとも何れか一方を含む塩を含み、
前記熱交換素子用シート1m2当たりの前記塩の含有量が2g以上9g以下である、(1)または(2)の熱交換素子用シート、
(4)前記湿式不織布の目付が10g/m2以上50g/m2以下である、(1)〜(3)の熱交換素子用シート、
(5)(1)〜(4)の何れかの熱交換素子用シートを用いた熱交換素子、
(6)分散状態のウレタン樹脂を有し、かつ、粘度が50cP以下の加工液に、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布を含浸させる工程と、前記加工液に含浸させた湿式不織布を乾燥させる工程とを、この順に有する、(1)〜(4)の何れかの熱交換素子用シートの製造方法である。
本発明によれば、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含むことで、気体遮蔽性と生産性とを高いレベルで両立する熱交換素子用シートを提供することができる。
以下、発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の熱交換素子用シートは、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含むものであり、さらに、この熱交換素子用シートの二酸化炭素遮蔽率は65%以上である。ここで、本発明の熱交換素子用シートでは、カナダ標準ろ水度が50ml以上のセルロースパルプを湿式不織布の主成分として用いているため、この熱交換素子用シートの製造方法における抄紙工程において水抜け性が優れたものとなり、抄紙工程における抄紙速度が向上し、結果、この熱交換素子用シートの生産性は優れたものとなる。一方で、カナダ標準ろ水度が50ml以上のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布は気体遮蔽性に劣ったものとなる傾向がある。しかし、本発明の熱交換素子用シートは、湿式不織布に加えウレタン樹脂を含み、かつ、この湿式不織布の主成分はカナダ標準ろ水度が150ml以下のセルロースパルプであり、この熱交換素子用シートの二酸化炭素遮蔽率は65%以上であるため、この熱交換素子用シートの気体遮蔽性は優れたものとなる。なお、上記の構成により、熱交換素子用シートの気体遮蔽性が優れたものとなるメカニズムの詳細については下記で説明する。
また、本発明の熱交換素子用シートが備える湿式不織布はカナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とするものであるが、「主成分とする」とは、熱交換素子用シートにおける上記のセルロースパルプの含有量が、60質量%超え、好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を意味することとする。
[湿式不織布]
本発明に用いる湿式不織布は、水と繊維状物質を混ぜ合わせて網状のネット上に抄き上げ、圧縮や熱などで脱水する方法であり、不織布の中でも、より均一なシートが得られることにより、気体遮蔽性が高いものを得ることができる。
本発明に用いる湿式不織布は、水と繊維状物質を混ぜ合わせて網状のネット上に抄き上げ、圧縮や熱などで脱水する方法であり、不織布の中でも、より均一なシートが得られることにより、気体遮蔽性が高いものを得ることができる。
本発明に用いる繊維状物質は、JIS P8121(1995)で規定されるカナダ標準ろ水度(以下、CSFとすることがある)が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有することが重要である。カナダ標準ろ水度を上述した下限値以上とすることで、セルロースパルプ同士の空隙を大きく、残存させることができ、湿式不織布製造の際の水抜け性が良くなり、生産効率が向上する。そのため、カナダ標準ろ水度は、より好ましくは60ml以上、更に好ましく70ml以上である。湿式不織布の製造速度(抄速)は、早ければ早いほど生産効率が向上するため好ましく、少なくとも10m/min以上、より好ましくは15m/min以上、更に好ましくは、20m/min以上である。
また、セルロースパルプのカナダ標準ろ水度の上限値について説明する。上記のとおり、熱交換素子用シートに用いられるセルロースパルプのカナダ標準ろ水度が150ml以下であり、さらに、この熱交換素子用シートがウレタン樹脂を有する。そして、上記のとおり、この特徴により、本発明の熱交換素子用シートの気体遮蔽性は優れたものとなる。そして、本発明の熱交換素子用シートの気体遮蔽性が優れたものとなる理由については、以下のとおりと考える。熱交換素子用シートはカナダ標準ろ水度が150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布とウレタン樹脂とを備える。そして、このウレタン樹脂が、上記の湿式不織布が有する細孔を、上記の湿式不織布全体にわたって均一的に閉塞するため、結果として、この全熱交換素子用シートの気体遮蔽性は優れたものとなると考える。また、湿式不織布が有する細孔が、この湿式不織布全体にわたって均一的にウレタン樹脂によって閉塞されている湿式不織布を得るための詳細については後述する。ここで、全熱交換素子用シートの気体遮蔽性がより優れたものとなるとの理由から、セルロースパルプのカナダ標準ろ水度は、より好ましくは110ml以下であることが好ましく、80ml以下であることがより好ましい。セルロースパルプのカナダ標準ろ水度は、ビーター、ディスクリファイナー、デラックスファイナー、ジョルダン、グラインダー、ビーズミル、高圧ホモジナイザーを用いて、セルロースパルプを処理することで調整できる。
また、上記のとおり、セルロースパルプの含有量は、熱交換素子用シートに対し、好ましくは60質量%超えを有していることが好ましく、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。セルロースパルプの含有量を上述した下限値を超える範囲とすることで、セルロースパルプ同士が積み重なり、セルロースパルプ間の空隙が微細化された緻密な湿式不織布とすることができ、気体遮蔽性が高くなる。
本発明に用いるセルロースパルプは、木材等の植物から得られるNパルプ(針葉樹パルプ)やLパルプ(広葉樹パルプ)等を、単独で使用、もしくは併用することができる。さらに、パルプは、熱可塑性樹脂繊維と組み合わせることがより好ましく、更に好ましくはパルプと熱可塑性樹脂からなるナノファイバーの組み合わせである。湿式不織布はナノファイバーを含むことで、湿式不織布内部で微細な孔を形成することができ、ウレタン樹脂の含有量が少なくとも気体遮蔽性を向上することができる。また、湿式不織布内部にナノファイバーを含むことで毛細管現象により、塩が吸湿した水分をシート内部で瞬時に拡散させ、裏面での発散性を促し、透湿性を向上することができる。
ここで言うナノファイバーとは、ナノメートル(nm)レベルの繊維直径を有する繊維を意味し、定義するのであれば、数平均繊維直径が1000nm未満の繊維をいう。またナノファイバーの数平均繊維直径を定義するのであれば1nm以上である。ナノファイバーにおいて、繊維断面が円形でない異形断面の場合は、同面積の円形に換算したときの繊維直径に基づくものとした。ナノファイバーの数平均繊維直径は、毛細管現象促進の観点から、好ましくは750nm以下であり、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。また、生産性とのバランスから、より好ましくは10nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上である。
本発明に用いる湿式不織布の目付は、好ましくは10g/m2以上、より好ましくは15g/m2以上、更に好ましくは20g/m2以上である。一方、50g/m2以下、より好ましくは45g/m2以下、更に好ましくは40g/m2以下である。目付を上述した下限値以上とすることで、セルロースパルプが積み重なり、セルロースパルプ間の空隙が微細化された緻密な湿式不織布とすることができ、気体遮蔽性が高くなる。また、目付を上述した上限値以下とすることで、セルロースパルプの連続した空隙を有することができ、湿式不織布の生産の際の水抜け性が良くなり、生産効率が向上する。
[ウレタン樹脂]
本発明の熱交換素子用シートは、上記のとおり、ウレタン樹脂を有することが重要である。ウレタン樹脂とはポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である。ウレタン樹脂は強靱で柔軟な物性を持っているため湿式不織布の面上にポリウレタン樹脂の皮膜を作り易く、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布に用いることで、そのセルロースパルプ間の微細な孔を閉塞することができ、熱交換素子用シートの気体遮蔽性が優れたものとなる。
本発明の熱交換素子用シートは、上記のとおり、ウレタン樹脂を有することが重要である。ウレタン樹脂とはポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である。ウレタン樹脂は強靱で柔軟な物性を持っているため湿式不織布の面上にポリウレタン樹脂の皮膜を作り易く、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布に用いることで、そのセルロースパルプ間の微細な孔を閉塞することができ、熱交換素子用シートの気体遮蔽性が優れたものとなる。
また、ウレタン樹脂は、湿式不織布の全体にわたって均一的に配置されていることが好ましい。湿式不織布の繊維間の孔を表裏層だけではなく、湿式不織布の全体にわたって均一的に、湿式不織布が備える細孔を、ウレタン樹脂が閉塞することで、高い気体遮蔽性を得ることができる。また、このように湿式不織布の全体にわたって均一的に配置されていることで、透湿性も向上するため好ましい。このウレタン樹脂を付与する方法の詳細は後述するが、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布に、加工液として低粘度のウレタン樹脂が分散した液状組成物を含浸する工程、および/または、コーティングする工程とすることで、湿式不織布の全体に均一的にウレタン樹脂を付与することができる。
また、ウレタン樹脂は、カルボン酸基(−COO−)やスルホン酸基(−SO4 −)や4級アンモニウム基(−NR2 +−)やポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)n−)を有することが好ましい。それら官能基を有することで、水系溶媒に分散しやすくなり、湿式不織布への加工用の加工液の溶媒として水を使用することができる。
その中でもポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂は、同じ水溶液中に透湿性を付与する塩と同浴にて扱うことが可能である。これにより、熱交換素子用シートに気体遮蔽性を付与するウレタン樹脂と透湿性を付与する塩とを一度の付与工程で、熱交換素子用シートに付与することができるため、上記のウレタン樹脂と塩とを含有量の点において、バランスよく湿式不織布に付与することができ、熱交換素子用シートの気体遮蔽性と透湿性とを高いレベルで両立することが可能となるとともに、一度の付与工程で上記のウレタン樹脂と塩とを湿式不織布に付与できるため、この熱交換素子用シートは生産性および生産コストに優れたものとなる。なお、ポリオキシエチレン基以外の官能基であるカルボン酸基やスルホン酸基や4級アンモニウム基を有するウレタン樹脂は、同じ水溶液中に塩が存在すると、ウレタン樹脂の分散状態が不安定になりウレタン樹脂が凝集するため、これらのウレタン樹脂は塩とは同浴にて扱うことができない。
本発明の熱交換素子用シートがポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂を有することで、この効果が得られるメカニズムとしては以下のとおりと考える。すなわち、ウレタン樹脂は水に不溶であるため、例えば、親水基の官能基をウレタン樹脂に付与することで、水系溶媒においてウレタン樹脂が均一的に分散し易くなる。そして、溶媒中でのウレタン樹脂の分散は、静電反発力と立体反発力の片方または両方の力により安定して分散している。ここで、カルボン酸基やスルホン酸基や4級アンモニウム基を官能基とするウレタン樹脂は、静電反発力により溶媒中で分散しているため、例えば塩化リチウムのリチウムイオンや塩化物イオンが、同じ溶媒中に存在することで静電反発力の安定性が低下し、ウレタン樹脂が凝集するものと考える。しかしながら、ポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂は立体反発力にて分散しているため、リチウムイオンや塩化物イオンにより安定性が低下することなく、ウレタン樹脂の凝集は起こりにくいためと考える。
上記の理由より、ウレタン樹脂はポリオキシエチレン基を有していれば、更に、カルボン酸基やスルホン酸基や4級アンモニウム基等を有することができる。その中でも、スルホン酸基は吸湿性が高いため好ましく、ウレタン樹脂のポリオキシエチレン基とスルホン酸基を両方含むことで、気体遮蔽性と透湿性に優れた熱交換素子用シートを得ることができる。
本発明のウレタン樹脂の熱交換素子用シートへの含有量は、好ましくは0.0010g/0.01m2以上、より好ましくは0.0050g/0.01m2以上、更に好ましくは0.0100g/0.01m2以上であり、一方、好ましくは0.1000g/0.01m2以下、より好ましくは0.0300g/0.01m2以下、更に好ましくは0.0200g/0.01m2以下である。ウレタン樹脂の熱交換素子用シートへの含有量を上述した下限値以上とすることで、湿式不織布に存在する孔を閉塞することができ、熱交換素子用シートの気体遮蔽性を向上することができる。また、ウレタン樹脂の熱交換素子用シートへの含有量を上述した上限値以下とすることで、湿式不織布の孔を吸湿した水分が拡散しやすくなり、熱交換素子用シートの透湿性を向上することができる。
本発明のウレタン樹脂は、重量平均分子量10,000以上のポリウレタン樹脂であっても良い。そのポリウレタン樹脂は融点が100℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは170℃以上である。上述した下限値以上とすることで、熱交換素子用シートを熱交換素子に成型する過程におけてコルゲート加工等の際の熱と張力に耐えうる強度を保持するものとすることができる。
[塩]
本発明の熱交換素子用シートは、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくともいずれか一方を有することが好ましい。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は吸湿性に優れており、空気中の湿度(水分)を瞬時に熱交換素子用シートに吸着させることができ、その水分が湿式不織布内部で拡散し、裏面で放散されることで、高い透湿性を有するものとなる。
本発明の熱交換素子用シートは、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくともいずれか一方を有することが好ましい。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は吸湿性に優れており、空気中の湿度(水分)を瞬時に熱交換素子用シートに吸着させることができ、その水分が湿式不織布内部で拡散し、裏面で放散されることで、高い透湿性を有するものとなる。
本発明に用いるアルカリ金属塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等、アルカリ土類金属塩は、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらの塩を単独で用いても良いが、これらの中から選ばれた2種類以上の塩が含まれていても良い。これらの中でも、吸水率の高い塩化リチウムおよび塩化カルシウムが好ましく用いられる。更に、より少ない付着量で透湿性を高めることができる、塩化リチウムが最も好ましく用いられる。
本発明の塩の熱交換素子用シートにおける含有量は、好ましくは2g/m2以上、より好ましくは4g/m2以上、更に好ましくは5g/m2以上であり、一方、好ましくは9g/m2以下、より好ましくは8g/m2以下、更に好ましくは7g/m2以下である。塩の熱交換素子用シートへの含有量を上述した下限値以上とすることで、移行させるための空気中の湿度(水分)を熱交換素子用シートに多く吸着させることができ、高い透湿性を有するものとなる。また、塩の熱交換素子用シートへの含有量を上述した上限値以下とすることで、高湿環境下における熱交換素子用シートの強度が低下するのを抑制し、接着剤との接着性も向上させることができる。
[熱交換素子用シート]
本発明の熱交換素子用シートは、高いレベルの気体遮蔽性を有するものである。この熱交換素子用シートを用いた熱交換素子は、有効換気量率に優れたものとなる。
本発明の熱交換素子用シートは、高いレベルの気体遮蔽性を有するものである。この熱交換素子用シートを用いた熱交換素子は、有効換気量率に優れたものとなる。
本発明の熱交換素子用シートの気体遮蔽性は、二酸化炭素遮蔽率65%以上である。そして、熱交換素子用シートの気体遮蔽性は、この好ましくは二酸化炭素遮蔽率70%以上であり、より好ましくは二酸化炭素遮蔽率80%以上である。熱交換素子用シートの気体遮蔽性が、大きいことで、排気する空気から給気する空気への二酸化炭素の漏洩を少なくすることが可能となる。また、熱交換素子用シートの二酸化炭素遮蔽率を上記の範囲とする手段としては、上記のとおり、湿式不織布の全体にわたって、湿式不織布が備える細孔がウレタン樹脂により閉塞された構成を採用することを挙げることができる。
本発明の熱交換素子用シートの透湿性は、透湿度50g/m2/hr以上が好ましく、より好ましくは60g/m2/hr以上、更に好ましくは70g/m2/hr以上である。熱交換素子用シートの透湿性が、大きいことで、排気する空気から給気する空気に効率よく水分を移行させることが可能となる。これは、上述した湿式不織布にアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくともいずれか一方を含有することで達成することができる。
本発明の熱交換素子用シートの目付は、好ましくは12g/m2以上、より好ましくは17g/m2以上、更に好ましくは22g/m2以上である。一方、70g/m2以下、より好ましくは50g/m2以下、更に好ましくは45g/m2以下である。目付を上述した下限値以上とすることで、湿式不織布の目付とウレタン樹脂の含有量を多くすることができ、熱交換素子用シート内部を二酸化炭素が透過し難くなり、気体遮蔽性を向上することができる。また、目付を上述した上限値以下とすることで、湿式不織布の目付とウレタン樹脂の含有量を少なくすることができ、熱交換素子用シート内部を水分が浸透し易くなり、透湿性を向上することができる。
本発明の熱交換素子用シートの厚みは、好ましくは90μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは60μm以下である。熱交換素子用シートの厚みは、熱交換素子の温度交換効率に関係があり、薄くすることで熱交換素子の温度交換効率を向上することができる。一方、下限は厚み10μm以上が好ましい。薄すぎると熱交換素子に加工する上で、破れや皺が発生し、熱交換素子の成形が難しくなる。
本発明の熱交換素子用シートの製造方法は、湿式不織布にコーティング等の塗工やディッピング(含浸)などの浸漬による加工でウレタン樹脂及び塩を付与することができる。なかでも、加工液を湿式不織布内部まで付与でき、湿式不織布の全体にわたって均一的に、湿式不織布が備える細孔をウレタン樹脂によって閉塞することができるとの観点からは、ディッピングが好ましい。
また、湿式不織布の全体にわたって均一的に、湿式不織布が備える細孔をウレタン樹脂で閉塞することができるとの理由から、ウレタン樹脂および塩は溶媒に分散されていることが好ましい。
ここで、分散状態のウレタン樹脂を含む加工液は低粘度であることが好ましい。理由は以下のとおりである。この加工液に湿式不織布を含侵させる工程において、加工液が湿式不織布内部に均一的に浸み込み易くなり、湿式不織布の全体にわたって均一的に、湿式不織布が備える細孔をウレタン樹脂で閉塞することができることに加え、湿式不織布へのウレタン樹脂等の付与のための加工速度を速めることができ、熱交換素子用シートをより低コストで得ることができるためである。ここで、ウレタン樹脂を含む加工液の低粘は上記の効果を得る目的から、50cP以下が好ましく、10cP以下がより好ましく、5cP以下が特に好ましい。ここで、加工液の粘度はウレタン樹脂の分子量や、分散状態にあるウレタン樹脂の粒子径、加工液の固形分濃度を調整することで、所望のものとすることができる。
また、本発明の全熱交換素子の製造方法においては、上記の加工液に湿式不織布を含浸させた後、この湿式不織布を乾燥させる工程を設けることが好ましい。
ここで、上記のとおり、本発明の熱交換素子用シートは、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布とし、そのセルロースパルプ間の細孔をウレタン樹脂にて閉塞している。よって、本発明の熱交換素子用シートの製造方法は、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布に、ウレタン樹脂が分散した液状組成物を含浸する工程、および/または、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布にウレタン樹脂が分散した液状組成物をコーティングする工程を有するものであることが好ましい。
そして、これらの工程の後には、上記の液状組成物を有する多孔質シートを加熱し、乾燥させる工程を設けることが好ましい。上述したとおり、ポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂とアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、同じ水溶液中で混ぜ合わせることが可能で有り、同浴にて加工が可能となる。また、ポリオキシエチレン基を有するウレタン樹脂とアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を有する加工液は安定しているため、さらに抗菌剤、制菌剤、難燃剤等の機能剤を同時に付与することかできる。
次に、本発明の熱交換用シートについて実施例を挙げて詳細に説明する。
[測定方法]
(1)熱交換素子用シートの目付
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料の異なる箇所から100mm角の試験片を5枚採取し、温度80℃の雰囲気の乾燥機中にて2hr静置し、その後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を値(g/m2)とした。
(1)熱交換素子用シートの目付
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。試料の異なる箇所から100mm角の試験片を5枚採取し、温度80℃の雰囲気の乾燥機中にて2hr静置し、その後、それぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を値(g/m2)とした。
(2)熱交換素子用シート及び湿式不織布の厚さ
厚さは、試料(熱交換素子用シートまたは湿式不織布)の異なる箇所から200mm角の試験片を5枚採取し、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、5枚の試験片それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ製)を用いて1μmまで測定し、平均値を値(μm)とした。
厚さは、試料(熱交換素子用シートまたは湿式不織布)の異なる箇所から200mm角の試験片を5枚採取し、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気中にて24hr静置し、その後、5枚の試験片それぞれの中央と4隅の5点の厚さ(μm)を測定器(型式ID−112、(株)ミツトヨ製)を用いて1μmまで測定し、平均値を値(μm)とした。
(3)塩の含有量
3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に5枚の(1)の試験片を2分間含浸させ、取り出し、再度、5枚の試験片を別の3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に2分間浸漬させた。続いて、温度80℃の雰囲気の乾燥機中にて2hr静置し、熱交換素子用シートから塩を除去した試験片を得た。その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を塩を除去した試験片の目付(g/m2)とし、(1)で求めた熱交換素子用シートの目付から下記式より塩の含有量(g/m2)を計算した。
塩の含有量(g/m2)=(熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩を除去した試験片の目付(g/m2))×0.8。
3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に5枚の(1)の試験片を2分間含浸させ、取り出し、再度、5枚の試験片を別の3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に2分間浸漬させた。続いて、温度80℃の雰囲気の乾燥機中にて2hr静置し、熱交換素子用シートから塩を除去した試験片を得た。その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を塩を除去した試験片の目付(g/m2)とし、(1)で求めた熱交換素子用シートの目付から下記式より塩の含有量(g/m2)を計算した。
塩の含有量(g/m2)=(熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩を除去した試験片の目付(g/m2))×0.8。
(4)樹脂の含有量
3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に、(3)にて塩を除去した5枚の試験片を2時間含浸させ、取り出し、5枚の試験片の表面および裏面を溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)を浸み込ませた不織布にて5回ずつ拭き取った。次に、再度、5枚の試験片を3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に2時間浸漬させ、取り出した。次に、再度、5枚の試験片を3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(水)に2時間浸漬させ、取り出した。続いて、温度210℃の雰囲気の乾燥機中にて1hr静置し、熱交換素子用シートから樹脂を除去した試験片を得た。その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を樹脂を除去した試験片の目付(g/m2)とし、(1)で求めた熱交換素子用シートの目付と、(3)で求めた塩の含有量から下記式より樹脂の含有量(g/m2、g/0.01m2)を計算した。
樹脂の含有量(g/m2)=熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩の含有量(g/m2)−樹脂を除去した試験片の目付(g/m2)。
樹脂の含有量(g/0.01m2)=樹脂の含有量(g/m2)×0.01。
3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に、(3)にて塩を除去した5枚の試験片を2時間含浸させ、取り出し、5枚の試験片の表面および裏面を溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)を浸み込ませた不織布にて5回ずつ拭き取った。次に、再度、5枚の試験片を3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に2時間浸漬させ、取り出した。次に、再度、5枚の試験片を3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(水)に2時間浸漬させ、取り出した。続いて、温度210℃の雰囲気の乾燥機中にて1hr静置し、熱交換素子用シートから樹脂を除去した試験片を得た。その後に、5枚の試験片それぞれの質量(g)を測定し、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表し、平均値を樹脂を除去した試験片の目付(g/m2)とし、(1)で求めた熱交換素子用シートの目付と、(3)で求めた塩の含有量から下記式より樹脂の含有量(g/m2、g/0.01m2)を計算した。
樹脂の含有量(g/m2)=熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩の含有量(g/m2)−樹脂を除去した試験片の目付(g/m2)。
樹脂の含有量(g/0.01m2)=樹脂の含有量(g/m2)×0.01。
(5)湿式不織布の目付
(1)で求めた熱交換素子用シートの目付、(3)で求めた塩の付着量および、(4)で求めた樹脂の付着量(g/m2)から下記式より湿式不織布の目付を計算した。
湿式不織布の目付(g/m2)=熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩の含有量(g/m2)−樹脂の含有量(g/m2)。
(1)で求めた熱交換素子用シートの目付、(3)で求めた塩の付着量および、(4)で求めた樹脂の付着量(g/m2)から下記式より湿式不織布の目付を計算した。
湿式不織布の目付(g/m2)=熱交換素子用シートの目付(g/m2)−塩の含有量(g/m2)−樹脂の含有量(g/m2)。
(6)ウレタン樹脂の特定と含有量
3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に、(3)にて塩を除去した5枚の試験片を2時間浸漬させた後、この溶媒から試験片を取り除き樹脂成分の抽出液を得た。次いでガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)で樹脂に含まれている成分と、その含有量を求めた。そして、その樹脂を構成する全成分の含有量に対するウレタン樹脂の含有量の比率(ウレタン樹脂の含有量/樹脂を構成する全成分の含有量)を算出し、(4)で求めた樹脂の含有量に上記の比率を乗算して、ウレタン樹脂の含有量とした。
3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に、(3)にて塩を除去した5枚の試験片を2時間浸漬させた後、この溶媒から試験片を取り除き樹脂成分の抽出液を得た。次いでガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)で樹脂に含まれている成分と、その含有量を求めた。そして、その樹脂を構成する全成分の含有量に対するウレタン樹脂の含有量の比率(ウレタン樹脂の含有量/樹脂を構成する全成分の含有量)を算出し、(4)で求めた樹脂の含有量に上記の比率を乗算して、ウレタン樹脂の含有量とした。
(7)ウレタン樹脂の官能基
3L容量の容器に充填され、溶液温度80℃に温めた2.5Lの溶媒(N-メチル−2−ピロリドン)に、(3)にて塩を除去した5枚の試験片を2時間浸漬させた後、この溶媒から試験片を取り除き樹脂成分の抽出液を得た。次いで、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ウレタン樹脂を分取し、そのウレタン樹脂を用いてフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、および核磁気共鳴分光法(1H−NMR、13C−NMR)、およびガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)にて含まれる官能基を求めた。
(8)塩の特定
3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に5枚の(1)の試験片を2分間含浸させ、この溶媒から試験片を取り除き、溶媒を蒸発させ、抽出物を得た。次いでエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて、抽出物に含まれる成分を求めた。
3L容量の容器に充填された2.5Lの溶媒(水)に5枚の(1)の試験片を2分間含浸させ、この溶媒から試験片を取り除き、溶媒を蒸発させ、抽出物を得た。次いでエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて、抽出物に含まれる成分を求めた。
(9)カナダ標準ろ水度(CSF)
カナダ標準ろ水度は、JIS P8121(1995)カナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
カナダ標準ろ水度は、JIS P8121(1995)カナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
(10)透湿性
透湿性は、JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定した。使用したカップは、直径60mmで深さ25mmである。試験片は、直径70mmの円形のものを5枚用意した。試験片は、温度20℃、湿度65%RHで24hr放置した。次に、その試験片を、水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製、品番030−25305)の入ったカップに設置し、初期質量(T0)を測定し、温度20℃、湿度65%RHに設定した恒温恒湿槽内で5時間静置し、その際の質量(T1)を測定した。下記式により透湿度を求め、5枚の平均値を値(g/m2/hr)とした。
透湿度(g/m2/hr)=(T1−T0) /(0.03×0.03×3.14)/5
(11)気体遮蔽性
気体遮蔽性は、下記の二酸化炭素遮蔽率の方法により測定した。幅0.36m、長さ0.60m、高さ0.36m(0.078m3)のボックスの開口部(20cm×20cm)に試験片(25cm×25cm)を、この開口部を閉塞するように貼り、ボックス内の二酸化炭素濃度が5,000ppmとなるように二酸化炭素注入口から二酸化炭素をボックス内に注入し、1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度(ppm)を測定した。下記式により二酸化炭素遮蔽率を求め、2枚の平均値を値(%)とした。二酸化炭素濃度は、測定機(testo535((株)テストー))を用いて評価した。
二酸化炭素遮蔽率(%)={(1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)/(ボックス内の初期二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)}×100
(12)溶液の粘度
溶液の粘度は、TVB15形粘度計(東機産業株式会社)を用いて測定した。110mlスクリュー管に25℃の塗液を80ml入れ、ロータM−1、回転数50rpm、測定時間60秒間にて測定し、3回測定した平均値を値(cP)とした。また、ロータM−1にて測定限界になる場合は、ロータM−2を用いて、同条件にて測定した。
透湿性は、JIS Z0208(1976)透湿度(カップ法)の方法により測定した。使用したカップは、直径60mmで深さ25mmである。試験片は、直径70mmの円形のものを5枚用意した。試験片は、温度20℃、湿度65%RHで24hr放置した。次に、その試験片を、水分測定用塩化カルシウム(和光純薬工業製、品番030−25305)の入ったカップに設置し、初期質量(T0)を測定し、温度20℃、湿度65%RHに設定した恒温恒湿槽内で5時間静置し、その際の質量(T1)を測定した。下記式により透湿度を求め、5枚の平均値を値(g/m2/hr)とした。
透湿度(g/m2/hr)=(T1−T0) /(0.03×0.03×3.14)/5
(11)気体遮蔽性
気体遮蔽性は、下記の二酸化炭素遮蔽率の方法により測定した。幅0.36m、長さ0.60m、高さ0.36m(0.078m3)のボックスの開口部(20cm×20cm)に試験片(25cm×25cm)を、この開口部を閉塞するように貼り、ボックス内の二酸化炭素濃度が5,000ppmとなるように二酸化炭素注入口から二酸化炭素をボックス内に注入し、1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度(ppm)を測定した。下記式により二酸化炭素遮蔽率を求め、2枚の平均値を値(%)とした。二酸化炭素濃度は、測定機(testo535((株)テストー))を用いて評価した。
二酸化炭素遮蔽率(%)={(1時間後のボックス内の二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)/(ボックス内の初期二酸化炭素濃度−ボックス外の二酸化炭素濃度)}×100
(12)溶液の粘度
溶液の粘度は、TVB15形粘度計(東機産業株式会社)を用いて測定した。110mlスクリュー管に25℃の塗液を80ml入れ、ロータM−1、回転数50rpm、測定時間60秒間にて測定し、3回測定した平均値を値(cP)とした。また、ロータM−1にて測定限界になる場合は、ロータM−2を用いて、同条件にて測定した。
(実施例1)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF50mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速10m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が24g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が61%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF50mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速10m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が24g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が61%であった。
ウレタン樹脂として、官能基にポリオキシエチレン基を有するポリウレタン水分散体(第一工業製薬製“スーパーフレックス”300、融点178℃)を水溶液中に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例2)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF60mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速15m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が22g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が59%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF60mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速15m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が22g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が59%であった。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものを水溶液中に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例3)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF80mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速20m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が26g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が56%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF80mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速20m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が26g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が56%であった。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものを水溶液中に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例4)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF110mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速35m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が31g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が49%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF110mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速35m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が31g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が49%であった。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものを水溶液に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例5)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF150mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速40m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が35g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が45%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF150mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速40m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、湿式不織布は透湿度が35g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が45%であった。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものを水溶液に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例6)
湿式不織布として、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例7)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表1に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例8)
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例9)
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂として、官能基にカルボン酸基を有するポリウレタン水分散体(三洋化成工業製“ユーコート”UWS−145)を水溶液中に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例10)
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例3で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂として、官能基にスルホン酸基を有するポリウレタン水分散体(三洋化成工業製“ユープレン”UXA−307)を水溶液中に分散させ、加工液を作成した。加工液の粘度は、4cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性に優れるものであった。
(実施例11)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、3cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例12)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、3cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例13)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、3cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例14)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、5cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例15)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、6cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(実施例16)
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
湿式不織布として、実施例2で用いたものと同様のものを用いた。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものと、塩として、塩化リチウムを水溶液中で混合し、加工液を作成した。加工液の粘度は、12cPであった。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表3に示すとおりであり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものであった。
(比較例1)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF10mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、湿式不織布の抄き上げを行ったが、水抜け性が悪いため地合が低下し、均一な湿式不織布を得ることができなかった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF10mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、湿式不織布の抄き上げを行ったが、水抜け性が悪いため地合が低下し、均一な湿式不織布を得ることができなかった。
(比較例2)
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF200mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速60m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、紙は透湿度が38g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が18%であった。
針葉樹パルプを水に分散し、ビーターによりCSF200mlとなるように叩解した。上記で得られたパルプを抄き上げ部に準備し、丸網抄紙機を用いて、抄速60m/minにて目付35.0g/m2の湿式不織布を得た。ここで、紙は透湿度が38g/m2/hr、二酸化炭素遮蔽率が18%であった。
ウレタン樹脂は、実施例1で用いたものと同様のものを水溶液に分散させ、加工液を作成した。上記湿式不織布を上記加工液に含浸加工し、乾燥することで熱交換素子用シートを得た。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性に劣るものであった。
(比較例3)
湿式不織布として、実施例1で用いたものと同様のものを用い、この湿式不織布自体を熱交換素子用シートとした。この熱交換素子用シートはウレタン樹脂を有しない。
湿式不織布として、実施例1で用いたものと同様のものを用い、この湿式不織布自体を熱交換素子用シートとした。この熱交換素子用シートはウレタン樹脂を有しない。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性に劣るものであった。
(比較例4)
湿式不織布として、実施例5で用いたものと同様のものを用い、この湿式不織布自体を熱交換素子用シートとした。この熱交換素子用シートはウレタン樹脂を有しない。
湿式不織布として、実施例5で用いたものと同様のものを用い、この湿式不織布自体を熱交換素子用シートとした。この熱交換素子用シートはウレタン樹脂を有しない。
熱交換素子用シートは、表2に示すとおりであり、気体遮蔽性に劣るものであった。
表1および2には、カナダ標準ろ水度(CSF)の異なるセルロースパルプの湿式不織布にウレタン樹脂を分散させた加工液を加工して得られた熱交換素子用シートについてまとめた。具体的には、実施例1〜5、9、10は、CSFが50〜150mlのセルロースパルプを有する湿式不織布であるため、抄紙速度が10m/min以上となり、生産性に優れるものである。また、更にウレタン樹脂を含む熱交換素子用シートであることで、二酸化炭素遮蔽率が65%以上であり気体遮蔽性に優れるものである。その一方で、比較例1は、CSF10mlと低くし過ぎたセルロースパルプを用いたため、水抜け性が悪く、地合が低下し、均一な湿式不織布を得ることができなかった。また、比較例2は、CSF200mlと高くし過ぎたセルロースパルプを用いたため、ウレタン樹脂を有していても、二酸化炭素遮蔽率が28%となり、気体遮蔽性に劣るものであった。また、比較例3及び4は、CSFが50mlと150mlであるが、ウレタン樹脂を有しないため、二酸化炭素遮蔽率が61%と45%であり、気体遮蔽性に劣るものであった。
また、実施例6〜8は、CSFが50〜150mlのセルロースパルプを有する湿式不織布とウレタン樹脂と塩を含む熱交換素子用シートであることで、二酸化炭素遮蔽率が65%以上であり、かつ、透湿度が65g/m2/hr以上であり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものである。
表3には、ウレタン樹脂の付着量が異なる熱交換素子用シートについてまとめた。具体的には、実施例7、11〜16は、CSFが60mlのセルロースパルプを有する湿式不織布と、0.01m2当たりのウレタン樹脂の含有量が0.0005〜0.1000gであり、かつ塩を含む熱交換素子用シートであることで、二酸化炭素遮蔽率が65%以上であり、かつ、透湿度が49g/m2/hr以上であり、気体遮蔽性と透湿性に優れるものである。
Claims (6)
- カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを主成分とする湿式不織布と、ウレタン樹脂とを含み、
二酸化炭素遮蔽率が65%以上である、熱交換素子用シート。 - 前記熱交換素子用シート0.01m2当たりの前記ウレタン樹脂の含有量が0.0010g以上0.1000g以下である、請求項1に記載の熱交換素子用シート。
- アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の少なくとも何れか一方を含む塩を含み、
前記熱交換素子用シート1m2当たりの前記塩の含有量が2g以上9g以下である、請求項1または2に記載の熱交換素子用シート。 - 前記湿式不織布の目付が10g/m2以上50g/m2以下である、請求項1〜3の何れかに記載の熱交換素子用シート。
- 前記請求項1〜4の何れかに記載の熱交換素子用シートを用いた熱交換素子。
- 分散状態のウレタン樹脂を有し、かつ、粘度が50cP以下の加工液に、カナダ標準ろ水度が50ml以上150ml以下のセルロースパルプを有する湿式不織布を含浸させる工程と、
前記加工液に含浸させた湿式不織布を乾燥させる工程とを、この順に有する、請求項1〜4の何れかに記載の熱交換素子用シートの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2018061425A JP2019174028A (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 熱交換素子用シート |
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JP2018061425A JP2019174028A (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 熱交換素子用シート |
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JP2020200543A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | セイコーエプソン株式会社 | 繊維体成形方法および繊維結着処理液 |
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2018
- 2018-03-28 JP JP2018061425A patent/JP2019174028A/ja active Pending
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