JP2019174001A - ヒートポンプ熱源機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の回転数が大きく変動しても、冷媒吐出温度の変化を小さく抑えて負荷側出力の安定化を図る。【解決手段】室外機1は、圧縮機制御部61と膨張弁制御部62とを備える。膨張弁制御部62は、圧縮機制御部61による圧縮機7の回転数の制御に基づき膨張弁9の開度を制御する。これにより、圧縮機7の回転数が大きく変動した場合であってもそれに対応して膨張弁9の開度が素早く変化するので、前記冷媒吐出温度の変化を小さく抑えることができ、負荷側出力の安定化を図ることができる。【選択図】図4

Description

この発明は、圧縮機と膨張弁とを備えたヒートポンプ装置を有する、ヒートポンプ熱源
機に関するものである。
従来よりこの種のヒートポンプ熱源機においては、特許文献1記載のように、ヒートポ
ンプ熱源機に備えられるヒートポンプ装置において、圧縮機の回転数を、温水又は冷水の
温度変動(暖房又は冷房の負荷変動)に応じて制御するとともに、膨張弁の開度を、圧縮
機から吐出される冷媒の冷媒吐出温度に応じて制御するものがあった。
特開2017−150791号公報
この従来のものにおいては、前記のように圧縮機から吐出される冷媒の冷媒吐出温度に
応じて膨張弁開度が制御されることから、圧縮機の回転数が大きく変動した場合には、弁
開度がすばやく追従できずに冷媒吐出温度が大きく変化してしまい、負荷側出力の不安定
化を招くおそれがあった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、圧縮機、膨張弁、熱源側熱交換器
を冷媒配管で接続したヒートポンプ装置と、前記ヒートポンプ装置から前記冷媒配管を介
し冷媒の供給を受けて水との熱交換により温水又は冷水を生成する水−冷媒熱交換器と、
前記圧縮機の回転数を制御する圧縮機制御手段と、膨張弁の開度を制御する膨張弁制御手
段と、を有するヒートポンプ熱源機において、前記膨張弁制御手段は、前記圧縮機制御手
段による前記圧縮機の回転数の変化量に基づき、前記膨張弁の開度を制御するものである
また、請求項2では、前記膨張弁制御手段は、前記圧縮機制御手段の制御による前記圧
縮機の回転数の増大量に応じて、前記膨張弁の開度を開き側に変化させ、前記圧縮機制御
手段の制御による前記圧縮機の回転数の減少量に応じて、前記膨張弁の開度を閉じ側に変
化させるものである。
また、請求項3では、前記膨張弁制御手段は、前記圧縮機の回転数の変化量に対し、所
定の係数を用いて比例的に前記膨張弁の開度の変化量を増減させるものである。
また、請求項4では、前記圧縮機制御手段の制御による前記圧縮機の回転数の減少量に
応じて、前記膨張弁の開度を閉じ側に変化させる際、前記膨張弁制御手段は、前記回転数
の減少量が小さい第1範囲では、当該回転数の減少量の変動幅に対し第1変化パターンと
なるように前記開度の減少量の変動幅を減少させ、前記回転数の減少量が前記第1範囲よ
りも大きな第2範囲では、当該回転数の減少量の変動幅に対し前記第1変化パターンより
も前記開度の減少量の変動幅が小さくなる第2変化パターンとなるように前記開度の変化
量を減少量の変動幅を減少させるものである。
また、請求項5では、前記膨張弁制御手段は、前記第1範囲では、前記回転数の減少量
の変動幅に対し、第1係数を用いて比例的に前記膨張弁の開度の減少量の変動幅を減少さ
せ、前記第2範囲では、前記回転数の減少量の変動幅に対し、第1係数よりも小さな第2
係数を用いて比例的に前記膨張弁の開度の減少量の変動幅を減少させるものである。
この発明の請求項1によれば、ヒートポンプ装置と水−冷媒熱交換器とが冷媒配管によ
って接続されている。
例えば前記水−冷媒熱交換器で温水を生成する時には、ヒートポンプ装置の圧縮機から
吐出した冷媒が水−冷媒熱交換器、膨張弁、熱源側熱交換器の順で流通する。これにより
、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機で圧縮されて高温・高圧のガスと
なった後、前記水−冷媒熱交換器(この場合は凝縮器として機能)において温水に熱を放
出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁で減圧されて
低圧の液体となり蒸発しやすい状態となった後、前記熱源側熱交換器(この場合は蒸発器
として機能)において蒸発してガスに変化することで吸熱し、低温・低圧のガスとして再
び前記圧縮機へと戻る。
また例えば前記水−冷媒熱交換器で冷水を生成する時には、ヒートポンプ装置の圧縮機
から吐出した冷媒が熱源側熱交換器、膨張弁、水−冷媒熱交換器の順で流通する。これに
より、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機で圧縮されて高温・高圧のガ
スとなった後、前記熱源側熱交換器(この場合は凝縮器として機能)において熱を放出し
ながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁で減圧されて低圧
の液体となり蒸発しやすい状態となった後、前記水−冷媒熱交換器(この場合は蒸発器と
して機能)において蒸発してガスに変化することで冷水から吸熱を行い、低温・低圧のガ
スとして再び前記圧縮機へと戻る。
上記の構成において、安定的に冷水又は温水を生成するためには、ヒートポンプ装置の
圧縮機から吐出される冷媒温度を一定に保つ必要がある。そこで、請求項1によれば、圧
縮機制御手段と、膨張弁制御手段とが設けられている。
すなわち、前記水−冷媒熱交換器からの温水又は冷水の温度が変動(暖房又は冷房の負
荷が変動)すると、前記圧縮機制御手段による制御によって圧縮機の回転数を変動させ、
さらに膨張弁制御手段によって膨張弁の開度が制御される。このとき、前記膨張弁制御手
段が、前記膨張弁の開度を、前記圧縮機から吐出される冷媒の冷媒吐出温度に応じて制御
する手法とした場合、例えば前記圧縮機の回転数が大きく変動した場合には、弁開度がす
ばやく追従できず、前記冷媒吐出温度が大きく変化してしまい、負荷側出力の不安定化を
招くおそれがある。
そこで請求項1によれば、膨張弁制御手段は、圧縮機制御手段による前記圧縮機の回転
数の変化量に基づき前記膨張弁の開度を制御する(いわゆるフィードフォワード制御)。
これにより、前記圧縮機の回転数が大きく変動した場合であってもそれに対応して前記膨
張弁の開度が素早く変化するので、前記冷媒吐出温度の変化を小さく抑えることができ、
負荷側出力の安定化を図ることができる。)ことができる。
また、請求項2によれば、圧縮機の回転数が増大したら膨張弁の開度をより開き、圧縮
機の回転数が減少したら膨張弁の開度をより閉じることにより、前記冷媒吐出温度の変化
を確実に抑えることができる。
また、請求項3によれば、圧縮機の回転数の変化量に対し膨張弁の開度の変化量を比例
制御で滑らかに変化させることにより、圧縮機の回転数の変動に対して膨張弁の開度をき
め細かく追従させることができ、さらに確実に前記冷媒吐出温度の変化を抑えることがで
きる。
圧縮機の回転数の減少に応じて膨張弁の開度を閉じ側に変化させる際、蒸発器において
は冷媒蒸発による温度の急低下が生じる。その結果、前記温水生成時には熱源側熱交換器
の温度低下により着霜が生じたり、前記冷水生成時には水−冷媒熱交換器の温度低下によ
り冷温水側の配管内部の冷水に凍結が生じる可能性がある。
そこで請求項4によれば、前記膨張弁制御手段は、前記圧縮機の回転数の減少量が比較
的小さい第1範囲と、前記圧縮機の回転数の減少量が比較的大きい第2範囲と、の2つに
区分して膨張弁制御の態様を切り替える。すなわち、前記第2範囲では、前記第1範囲に
対し減少量の変動幅が小さくなる(すなわち第1範囲よりも緩やかに減少する)変化パタ
ーン(第2変化パターン)となるように、前記膨張弁の開度の減少量を変える。これによ
り、前述した、冷媒吐出温度の変化の抑制による負荷側出力の安定化を図りつつ、熱源側
熱交換器での前記着霜や前記水−冷媒熱交換器での前記凍結の発生を防止することができ
る。
また、請求項5によれば、前記圧縮機の回転数の減少に対して前記膨張弁の開度を比例
制御で滑らかに閉じ側に変化させてきめ細かく追従させる際に、熱源側熱交換器での前記
着霜や前記水−冷媒熱交換器での前記凍結の発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態の室外機を備えたヒートポンプ式温調システムの構成例の全体概略構成を示す図 メインリモコン装置の外観構造を表す図 室外機の暖房・冷房運転時における冷凍サイクルを模式的に表した図 室外機制御部の主たる機能を表す機能的構成図 暖房時において圧縮機制御部が実行する制御手順、及び、冷房時において圧縮機制御部が実行する制御手順、を表すフローチャート図 暖房時及び冷房時において膨張弁制御部の通常制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 圧縮機回転数の変化量と膨張弁開度の変化量との関係の一例を表す図 圧縮機回転数の変化量と膨張弁開度の変化量との関係の一例を概念的に表すグラフ図 暖房時及び冷房時において膨張弁制御部のフィードフォワード制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 暖房運転挙動の一例を表すシーケンス図 冷房運転挙動の一例を表すシーケンス図 本発明の第2実施形態の室外機における圧縮機回転数の変化量と膨張弁開度の変化量との関係の一例を表す図 圧縮機の回転数変化量と膨張弁開度の変化量との関係の一例を概念的に表すグラフ図 圧縮機の回転数偏差が−10[rps]である場合の膨張弁開度等の経時挙動を表す図 圧縮機の回転数偏差が−15[rps]である場合の膨張弁開度等の経時挙動を表す図 圧縮機の回転数偏差が−20[rps]である場合の膨張弁開度等の経時挙動を表す図 暖房運転挙動の一例を表すシーケンス図 冷房運転挙動の一例を表すシーケンス図
次に、本発明の実施形態を図1〜図18に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
<温調システムの一例の構成>
本実施形態のヒートポンプ熱源機を備えたヒートポンプ式温調システムの構成例の全体
概略構成を図1に示す。図1において、このヒートポンプ式温調システム100は、室外
に設置されるヒートポンプ熱源機としての室外機1と、この室外機1に対し冷温水往き管
2及び冷温水戻り管3を介して接続されて室内に設置される、少なくとも1つの室内端末
機(この例では、冷温水パネル51と、ファンコイルユニット52との2つ)とを有する
前記冷温水パネル51は、前記室外機1で加熱された温水又は冷却された冷水を用いて
、室内の空気に対し放熱又は吸熱を行い、当該室内の暖房又は冷房を行う。
前記ファンコイルユニット52は、その内部に、熱交換器(図示せず)、送風ファン(
図示せず)、熱動弁V3、室内温度を検出する室内温度センサ(図示せず)、ファンコイ
ルユニット52内を流通する温水または冷水の温度を検出する水温センサ(図示せず)、
及び端末制御部29等を備えている。端末制御部29は、ファンコイルユニット52内部
の前記室内温度センサの信号や端末用リモコン装置RC(後述)からの信号を受け、前記
送風ファンや前記熱動弁V3の駆動を制御する。これにより、ファンコイルユニット52
は、前記室外機1で加熱された温水または冷却された冷水を、内部の前記熱交換器に通水
させると共に、前記送風ファンを駆動させて室内空気と熱交換させ、室内の暖房または冷
房を行う。
前記冷温水パネル51は、居室に備えられるA室及びB室のうち、前記A室に配置され
ており、前記ファンコイルユニット52は前記B室に配置されている。そして、前記室外
機1から延びる前記冷温水往き管2の途中に1つの往きヘッダ91が設けられており、冷
温水往き管2のうち前記往きヘッダ91より上流側部分は、1つの共通往き管2Aとして
構成され、前記室外機1からの冷温水が供給される。そして、冷温水往き管2のうち前記
往きヘッダ91より下流側部分2Bは、複数(この例では2つ)の往き管、すなわち、前
記冷温水パネル51への往き管2B1と、前記ファンコイルユニット52への往き管2B
2と、に分岐する形で前記往きヘッダ91に接続されている。
同様に、前記室外機1へと延びる前記冷温水戻り管3の途中に1つの戻りヘッダ92が
設けられており、冷温水戻り管3のうち前記戻りヘッダ92より上流側部分3Bは、複数
(この例では2つ)の戻り管、すなわち、前記冷温水パネル51からの戻り管3B1と、
前記ファンコイルユニット52からの戻り管3B2と、に分かれている。そして、冷温水
戻り管3のうち前記戻りヘッダ92より下流側部分は、1つの共通戻り管3Aとして構成
され(すなわち分岐された戻り管3B1,3B2が共通戻り管3Aの上流側に集結する形
で戻りヘッダ92に接続されている)、前記戻り管3B1,3B2を介し導入された冷温
水を前記室外機1へと戻す。
そして、前記冷温水パネル51への往き管2B1には、熱動弁コントローラCVからの
駆動信号により往き管2B1を開閉可能な熱動弁V1が設けられている。
そして、この例では、前記A室に、前記室内端末機(この例では冷温水パネル51及び
ファンコイルユニット52)の冷暖房運転操作を行うための、メインリモコン装置RMと
、前記冷温水パネル51の冷暖房運転操作を行うための端末用リモコン装置RAと、が設
けられている。また、この例では、前記B室に、前記ファンコイルユニット52を遠隔制
御するためのワイヤレス式の端末用リモコン装置RCが設けられている。
なお、前記端末用リモコン装置RAに前記メインリモコン装置RMと同等の機能を付加
し当該メインリモコン装置RMを省略しても良い。
前記メインリモコン装置RMは、ユーザの操作に対応して制御信号SS1を出力する。
この制御信号SS1は、前記室外機1の制御を行う室外機制御部(後述)へと入力され、
これによって前記共通往き管2Aへ供給される冷温水の流量や温度等が制御されるととも
に、さらにこれに対応して前記室外機制御部から前記熱動弁コントローラCVに制御信号
SS2が出力され、これに応じて熱動弁コントローラCVから出力される制御信号S1に
よって熱動弁V1の開閉動作が制御可能である。また、前記端末用リモコン装置RAでの
操作に対応して出力される制御信号Saは前記熱動弁コントローラCVへと入力され、こ
れに応じて熱動弁コントローラCVから出力される制御信号S1によって前記熱動弁V1
の開閉動作が制御可能である。
一方、前記冷温水パネル51からの戻り管3B1には、戻り温度センサ54が設けられ
ている。この戻り温度センサ54は、対応する戻り管3B1における温水又は冷水の温度
(戻り温度)をそれぞれ検出し、検出結果を表す検出信号を前記熱動弁コントローラCV
へと出力する。
熱動弁コントローラCVは、前記メインリモコン装置RM及び前記端末用リモコン装置
RAの操作に対応しつつ、前記戻り温度センサ54により検出される前記戻り温度に基づ
き、前記熱動弁V1の開閉制御を行う。これにより、ユーザは、リモコン装置RM,RA
を適宜に操作することで前記冷温水パネル51及びファンコイルユニット52の運転状態
を制御可能となる。
前記端末用リモコン装置RCは、ファンコイルユニット52に室内を暖房する暖房運転
を行わせるための暖房指示手段としての暖房スイッチ24と、ファンコイルユニット52
に室内を冷房する冷房運転を行わせるための冷房指示手段としての冷房スイッチ25と、
ファンコイルユニット52の運転を停止させる停止スイッチ26と、室内温度を設定する
室内温度設定スイッチ27と、室内の設定温度や運転状態を表示する表示部28とを備え
、前記端末制御部29に対し通信可能に接続されている。
<メインリモコン装置>
次に、前記図1に示した、前記メインリモコン装置RMの詳細について、説明する。
図2に、前記メインリモコン装置RMの外観を示す。メインリモコン装置RMには、表
示部250と、前記室外機1と前記室内端末機(冷温水パネル51及びファンコイルユニ
ット52のうちの冷温水パネル51)の運転開始・停止を指示するための「運転/停止」
ボタン253と、前記室内端末機に対しタイマーによる運転を指示するための「タイマー
」ボタン254と、前記室内端末機の運転態様(冷房・暖房や通常モード・セーブモード
等)の切替を指示する「運転切替」ボタン255と、画面表示を1つ前の画面に戻すため
の「戻る」ボタン257と、「メニュー/決定」ボタン258と、上下左右方向への十字
キー259と、が備えられている。なお、前記「運転/停止」ボタン253、前記「タイ
マー」ボタン254、前記「運転切替」ボタン255、前記「戻る」ボタン257と、及
び、前記「メニュー/決定」ボタン258を、以下適宜、単に「操作ボタン253等」と
称し、さらにこれら操作ボタン253等と前記十字キー259とを総称して、単に「操作
部259等」と称する。なお、図示を省略しているが、メインリモコン装置RMには、C
PUや記憶手段としてのメモリ等が内蔵されている。
前記表示部250は、前記CPUの制御により、各種画面を切り替えて表示することが
できる。図示の例では、表示部250には、温水・冷水の温度設定や冷房・暖房切替等を
含む、図1又は図2に示した前記温調システム100全体に係わる設定を行うための設定
画面200が表示されている。この設定画面200は、中央に配置され、前記温調システ
ム100全体の運転状態を表す運転状態表示領域200Aと、右端に配置され、前記室外
機1から温調システム100全体に供給される冷温水の設定温度(温度レベルの数値に相
当。ユーザが前記操作部259等を用いて設定可能)を表示する温度設定表示領域200
Bと、を備えている。
図示の例では、前記運転状態表示領域200Aには、前記室外機1から温水が供給され
温調システム100全体として暖房運転が行われている状態を表す「温水暖房 運転中」
の表示がなされている。また前記温度設定表示領域200Bには、暖房用にユーザが予め
(可変に)設定した温水の設定温度「40℃」が表示されている。
<室外機の構成>
次に、前記室外機1の概略的なシステム構成を図3(a)に示す。図3(a)において
、室外機1は、例えばHFCなどの合成化合ガスを冷媒として循環させ室外での吸放熱を
行う冷媒循環回路21と、例えば不凍液などを前記冷温水として循環させ前記室内端末機
(冷温水パネル51及びファンコイルユニット52の2つ)での吸放熱を行う(前記冷温
水往き管2及び前記冷温水戻り管3からなる)冷温水循環回路22と、の間における熱交
換を行う、ヒートポンプ型の熱源機である。
すなわち、前記冷媒循環回路21は、前記室外機1に備えられた、前記冷媒の循環方向
を切り替える四方弁6と、前記冷媒を圧縮する圧縮機7と、前記冷媒と外気との熱交換を
行うヒートポンプ熱交換器である熱源側熱交換器8と、前記冷媒を減圧膨張させる膨張弁
9と、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3を循環する前記冷温水と前記冷媒との
熱交換を行う水−冷媒熱交換器11とを、冷媒配管15で接続して形成されている。なお
、前記冷媒配管15で互いに接続された前記四方弁6、前記圧縮機7、前記熱源側熱交換
器8、前記膨張弁9によってヒートポンプ装置が構成されている。また、前記熱源側熱交
換器8に送風する室外ファン10がさらに設けられている。
前記四方弁6は4つのポートを備える弁であり、(前記冷媒配管15の一部を構成する
)冷媒主経路15a用の2つのポートのそれぞれに対して、(前記冷媒配管15の一部を
構成する)他の冷媒副経路15b用の2つのポートのいずれに接続するかを切り替える。
冷媒副経路15b用の2つのポートどうしはループ状に配置された冷媒副経路15bで接
続されており、この冷媒副経路15b上に前記圧縮機7が設けられている。
前記圧縮機7は、低圧ガス状態の冷媒を昇圧して高圧ガス状態にするとともに、室外機
1内における冷媒配管15全体の冷媒を循環させるポンプとしても機能する。なお、前記
圧縮機7の吐出側における前記冷媒副経路15bには、吐出温度センサ55が設けられる
。また、膨張弁9と水−冷媒熱交換器11との間の前記冷媒主経路15aには、冷媒温度
センサ57が設けられる。
また、前記四方弁6の冷媒主経路15a用の2つのポートどうしは、ループ状に配置さ
れた前記冷媒主経路15aで接続されており、この冷媒主経路15a上に前記熱源側熱交
換器8、前記膨張弁9、及び前記水−冷媒熱交換器11が順に(図3(a)に示す例では
冷媒主経路15a左回りの順に)設けられている。
前記熱源側熱交換器8は、その内部を通過する液体状態の前記冷媒の温度が室外の外気
温度より低い場合は外気の熱を冷媒に吸熱してガス状態に蒸発させる蒸発器として機能す
る。また、その内部を通過するガス状態の前記冷媒の温度が室外の外気温度より高い場合
は、その冷媒の熱を放熱して液体状態に凝縮させる凝縮器として機能する(後述の図3(
b)参照)。
前記室外ファン10は、前記熱源側熱交換器8に対して送風することで、熱源側熱交換
器8の性能を向上させる。
前記膨張弁9は、高圧液体状態の前記冷媒を減圧膨張させて低圧液体状態とするよう機
能する。
水−冷媒熱交換器11は、前記のように冷媒主経路15aに接続されてその内部に冷媒
を通過させるとともに、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3にも接続されてその
内部に冷温水を通過させる。水−冷媒熱交換器11の内部を通過するガス状態の冷媒の温
度が冷温水の温度より高い場合は、冷媒に対してその熱を冷温水に放熱し液体状態に凝縮
させる凝縮器として機能する。また、水−冷媒熱交換器11の内部を通過する液体状態の
冷媒の温度が前記冷温水の温度より低い場合は、冷媒に対して冷温水の熱を吸熱しガス状
態に蒸発させる蒸発器として機能する(後述の図3(b)参照)。
一方、前記冷温水循環回路22は、前記室外機1に備えられた、前記水−冷媒熱交換器
11、前記冷温水に循環圧力を加える循環ポンプ12、及びシスターンタンク13と、前
記室内端末機(冷温水パネル51及びファンコイルユニット52の2つ)とを、前記冷温
水往き管2(詳細には共通往き管2A)及び前記冷温水戻り管3(詳細には共通戻り管3
A)で接続して形成されている。
前記水−冷媒熱交換器11は、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3に接続され
ており、前記冷温水戻り管3上に、前記シスターンタンク13及び前記循環ポンプ12が
設けられている。
前記シスターンタンク13は、キャビテーションなどで冷温水中に生じた気泡の分離(
気水分離機能)と、前記冷温水循環回路22における膨張冷温水の吸収及び冷温水の補給
を行う。
前記循環ポンプ12は、前記冷温水往き管2及び前記冷温水戻り管3全体に冷温水を循
環させるよう機能する。
なお、この例では、前記水−冷媒熱交換器11の入口側(流入側)の前記冷温水戻り管
3(詳細には共通戻り管3A)には、戻り温度決定手段としての戻り温度センサ56Bが
設けられ、共通戻り管3Aにおける温水又は冷水の温度(以下適宜、「実戻り温度」とい
う)を検出し、検出結果を表す検出信号を後述の室外機制御部CUへと出力する。
そして、室外機1は、当該室外機1の制御を行う室外機制御部CUを備えている。この
室外機制御部CUは、主にCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構
成されている。室外機制御部CUと前記メインリモコン装置RMとの間は、双方向通信線
で接続されており、信号のやりとりを相互に行うことができる(図1参照)。これにより
、室外機制御部CUは、図1に示すように、前記メインリモコン装置RMからの前記制御
信号SS1に基づいて室外機1全体の制御を行う(詳細は後述)とともに、対応する前記
制御信号SS2を前記熱動弁コントローラCVに出力する。
なお、図1に示した構成例においては特に、前記室外機制御部CUと前記ファンコイル
ユニット52の前記端末制御部29との間が、例えば、端末制御部29からの信号を一方
向に伝える端末制御線(いわゆるE−con通信線)で接続されている(図1参照)。例
えば前記端末用リモコン装置RCの前記暖房スイッチ24(又は前記冷房スイッチ25)
がユーザにより操作され運転開始の指示がなされると、端末制御部29は、その指示信号
を受信する。そして、受信した指示信号に応じて、端末制御部29は、室外機制御部CU
に対し、暖房運転に関連する温水要求信号(または冷房運転に関連する冷水要求信号)S
Cを出力する(図3(a)及び図3(b)中の想像線参照)。なお、前記運転開始された
後当該暖房又は冷房を停止する際には、ユーザによる適宜の停止指示操作(例えば前記暖
房スイッチ24又は冷房スイッチ25が再度押される、若しくは別途設けた停止スイッチ
が押される、等)がなされることで、端末制御部29は、室外機制御部CUに対し、暖房
運転(または冷房運転)の停止要求信号(図示省略)を出力する。
なお、図1に示した構成例で前記のようにファンコイルユニット52を設ける場合、フ
ァンコイルユニット52を、前記端末用リモコン装置RCによって操作する構成には限ら
れない。すなわち、ファンコイルユニット52自体に、前記端末用リモコン装置RCのス
イッチと同等の機能を有するスイッチや表示部を設け、端末用リモコン装置RCを省略し
ても良い。この場合、そのファンコイルユニット52のスイッチ等がユーザにより操作さ
れることで運転開始の指示がなされると、前記端末制御部29がその指示信号を受信し、
室外機制御部CUに対し前記温水要求信号(または前記冷水要求信号)SCを出力する。
同様に、ファンコイルユニット52の前記スイッチ等を用いてユーザによる停止指示操作
がなされることで、前記端末制御部29は室外機制御部CUに対し暖房運転(または冷房
運転)の前記停止要求信号を出力する。
上記構成の冷媒循環回路21において、前記圧縮機7は冷媒副経路15b上において一
方向に冷媒を循環させるものであり、前記四方弁6の切り替えによって冷媒主経路15a
上の冷媒の循環方向を制御する。前記図3(a)は、図1に示した構成例における暖房運
転時の循環方向を示しており、圧縮機7から吐出した冷媒が水−冷媒熱交換器11、膨張
弁9、熱源側熱交換器8の順で流通する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態
の冷媒が前記圧縮機7で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記水−冷媒熱交換器
11(凝縮器として機能)において前記冷温水戻り管3からの温水に熱を放出しながら高
圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁9で減圧されて低圧の液体
となり蒸発しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記熱源側熱交換器8(蒸発器と
して機能)において蒸発してガスに変化することで外気から吸熱する。そして冷媒は、低
温・低圧のガスとして再び前記圧縮機7へと戻る。
このとき、前記のようにして水−冷媒熱交換器11で加熱された温水は、冷温水往き管
2から前記室内端末機(冷温水パネル51及びファンコイルユニット52の2つ)に供給
されて室内空気に対し放熱して室内を加温し、その後に前記シスターンタンク13を通過
して再び前記循環ポンプ12へ戻る。以上のような冷媒循環回路21の冷凍サイクルと冷
温水循環回路22との間で熱交換を行うことにより、室内空気の温度を上げる暖房運転が
行われる。
一方、前記図3(b)は図1に示した構成例における冷房運転時の循環方向を示してお
り、圧縮機7から吐出した冷媒が熱源側熱交換器8、膨張弁9、水−冷媒熱交換器11の
順で流通する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機7で圧
縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記熱源側熱交換器8(凝縮器として機能)にお
いて前記室外ファン10の送風で冷却されることで外気に熱を放出しながら高圧の液体に
変化する。こうして液体になった冷媒は前記膨張弁9で減圧されて低圧の液体となり蒸発
しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記水−冷媒熱交換器11(蒸発器として機
能)において蒸発してガスに変化することで前記冷温水戻り管3からの冷水から吸熱を行
う。そして冷媒は、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機7へと戻る。
このとき、前記のようにして水−冷媒熱交換器11で冷却された冷水は、冷温水往き管
2から前記室内端末機(冷温水パネル51及びファンコイルユニット52の2つ)に供給
されて室内空気から吸熱して室内を冷却し、その後に前記シスターンタンク13を通過し
て再び前記循環ポンプ12へ戻る。以上のような冷媒循環回路21の冷凍サイクルと冷温
水循環回路22との間で熱交換を行うことにより、室内空気の温度を下げる冷房運転が行
われる。
<室外機制御部>
次に、前記室外機制御部CUの主たる機能的構成を図4により説明する。
上記図3(a)及び図3(b)に示す回路構成を備えた室外機1において、安定的に冷
水又は温水を生成するためには、圧縮機7から吐出される冷媒温度を一定に保つ必要があ
る。そこで、図4に示すように、前記室外機制御部CUは、圧縮機制御手段としての圧縮
機制御部61と、膨張弁制御部62と、を機能的に備えている。
<圧縮機制御部>
圧縮機制御部61は、図4に示すように、戻り温度制御部61Bを備えている。戻り温
度制御部61Bは、前記戻り温度センサ56Bにより検出された温水又は冷水の前記実戻
り温度に応じて前記圧縮機7の回転数を制御する、いわゆる戻り温度制御を行う。
<暖房運転時の圧縮機制御部の制御>
まず、暖房運転時の前記戻り温度制御部61Bによる制御手順を図5(a)のフローチ
ャートに示す。図5(a)において、まずステップS10で、圧縮機制御部61は、前記
室外機1が運転開始状態となったか否かを判定する。具体的には、運転開始状態とは、例
えば、前記メインリモコン装置RMや前記端末用リモコン装置RA,RCを介しユーザに
よる適宜の室外機1の運転開始操作がなされることで停止状態から起動される場合、若し
くは、運転停止後から再起動して室外機1の運転が再び開始される場合(詳細は後述)、
である。運転開始状態となるまではステップS10の判定が満たされず(S10:NO)
ループ待機し、運転開始状態となるとステップS10の判定が満たされ(S10:YES
)、ステップS15に移る。
ステップS15では、圧縮機制御部61は、室外機1が運転終了状態となったか否かを
判定する。すなわち、後述のような回転数の制御の下で暖房運転を行って暖房負荷が小さ
くなると、前記室外機1を動作させずとも、前記戻り温度センサ54で検出される前記戻
り温度がいずれも前記目標戻り温度以上に達する場合がある。この場合は、前記室外機制
御部CUによる公知の制御により室外機1が停止され、待機状態となる(すなわち、いっ
たん室外機1の運転が終了される)。ステップS15では、圧縮機制御部61は、室外機
1がこの待機状態となったか否かを判定するものである。運転終了状態(すなわち待機状
態)となっていた場合はステップS15の判定が満たされ(S15:YES)、このフロ
ーを終了する。一方、運転終了状態(すなわち待機状態)となっていない間はステップS
15の判定は満たされず(S15:NO)、ステップS155に移る。
ステップS155では、圧縮機制御部61は、前記戻り温度制御部61Bにより、温水
の設定温度(この場合は、メインリモコン装置RMで前記操作部259等の操作により適
宜に設定された温度。前記図3に示した例では40℃)に基づき、公知の適宜の手法によ
り(例えば、予め定められた、前記設定温度から目標戻り温度を一意的に決定する所定の
規則に基づき)、対応する前記目標戻り温度を算出する。
以上のようにして前記目標戻り温度を算出したら、ステップS35に移る。ステップS
35では、圧縮機制御部61は、前記戻り温度制御部61Bにより、この時点で前記戻り
温度センサ56Bから検出された前記実戻り温度が、前記ステップS155で設定された
前記目標戻り温度を下回っているか否かを判定する。戻り温度が目標戻り温度を下回って
いる場合、判定が満たされ(S35:YES)、ステップS40に移る。
ステップS40では、圧縮機制御部61は、前記戻り温度制御部61Bにより、前記圧
縮機7の回転数を増大する。その後、前記ステップS15に戻って同様の手順を繰り返す
前記ステップS35の判定において、前記戻り温度が前記目標戻り温度以上である場合
、判定は満たされず(S35:NO)、ステップS45に移る。ステップS45では、圧
縮機制御部61は、前記戻り温度制御部61Bにより、前記圧縮機7の回転数を低減する
。その後、前記ステップS15に戻って同様の手順を繰り返す。
以上のようにして、冷温水パネル51の暖房運転時、ステップS35、ステップS40
、ステップS45の処理により、前記戻り温度が前記目標戻り温度に一致するよう圧縮機
7の回転数を制御する戻り温度制御が、前記戻り温度制御部61Bによって行われる。
<冷房運転時の圧縮機制御部の制御>
次に、冷房運転時の圧縮機制御部61による制御手順を図5(b)のフローチャートに
示す。図5(b)に示すように、このフローでは、前記図5(a)のフローにおけるステ
ップS35が、不等号の向きが逆になったステップS35Aに置き換えられている。すな
わち、ステップS35Aでは、圧縮機制御部61の前記戻り温度制御部61Bは、この時
点で前記戻り温度センサ56Bから検出された冷水の前記実戻り温度が前記ステップS1
55で設定された前記目標戻り温度を上回っているか否かを判定する。戻り温度が目標戻
り温度を上回っている場合は判定が満たされて(S35A:YES)前記ステップS40
に移り、前記往き温度が前記目標往き温度以下である場合は判定は満たされず(S35A
:NO)、前記ステップS45に移る。
上記以外の手順は前記図5(a)と同様であり、説明を省略する。
以上のようにして、冷温水パネル51の冷房運転時、ステップS35A、ステップS4
0、ステップS45の処理により、前記戻り温度が前記目標戻り温度に一致するよう圧縮
機7の回転数を制御する戻り温度制御が、前記戻り温度制御部61Bによって行われる。
<圧縮機回転数に対する膨張弁開度の制御>
例えば前記水−冷媒熱交換器11からの温水又は冷水の温度が変動(暖房又は冷房の負
荷が変動)すると、前記戻り温度制御部61Bによる前記図5(a)や図5(b)に示し
た制御によって圧縮機7の回転数が変動する。ここで、例えば、前記膨張弁制御部62が
、前記膨張弁9の開度を、この種のヒートポンプ装置において通常行われるような、前記
圧縮機7から吐出される冷媒の冷媒吐出温度に応じて制御するようにした場合、例えば前
記圧縮機7の回転数が大きく変動した場合には、前記膨張弁9の弁開度がすばやく追従で
きず、前記冷媒吐出温度が大きく変化してしまい、負荷側出力の不安定化を招くおそれが
ある。
そこで本実施形態では、膨張弁制御部62が、通常制御部62Aにより、通常の状況(
圧縮機7の回転数変化量が小さい状況)においては冷媒吐出温度が目標温度になるように
膨張弁の開度を制御する通常の制御を行うのに加え、フィードフォワード制御部62B(
膨張弁制御手段に相当)により、特異な状況(圧縮機7の回転数変化量が大きくなる状況
)が発生した場合においては、圧縮機制御部61による前記圧縮機7の回転数の制御に応
じて前記膨張弁9の開度を制御する(いわゆるフィードフォワード制御)。このとき特に
、本実施形態では、フィードフォワード制御部62Bは、圧縮機7の回転数の変化量に対
し、所定の係数を用いて比例的に前記膨張弁9の開度を変化させる制御を行う。
<通常制御部による前記通常の制御>
膨張弁制御部62の前記通常制御部62Aは、前記図4に示すように、前記吐出温度セ
ンサ55の検出結果を入力し(煩雑防止のため前記図3(a)及び図3(b)では図示省
略)、検出された前記冷媒吐出温度が、例えば前記メインリモコン装置RMの操作に対応
して適宜に設定(詳細は省略)される適宜の目標吐出温度となるように、前記膨張弁9の
弁開度を制御する。この前記通常制御部62Aの制御内容を、図6のフローチャートを用
いて順を追って説明する。
<制御内容>
前記通常制御部62Aによる暖房運転時の前記膨張弁9の制御内容を図6のフローチャ
ートにより説明する。図6において、まずステップS160で、通常制御部62Aは、前
記室外機1が運転開始状態となったか否かを判定する。具体的には、運転開始状態とは、
例えば、前記メインリモコン装置RMや前記端末用リモコン装置RA,RCを介しユーザ
による適宜の室外機1の運転開始操作がなされることで停止状態から起動される場合、若
しくは、運転停止後から再起動して室外機1の運転が再び開始される場合、である。運転
開始状態となるまではステップS160の判定が満たされず(S160:NO)ループ待
機し、運転開始状態となるとステップS160の判定が満たされ(S160:YES)、
ステップS165に移る。
ステップS165では、通常制御部62Aは、前記室外機1が運転終了状態となったか
否かを判定する。すなわち、後述のような回転数の制御の下で暖房運転を行って暖房負荷
が小さくなると、前記室外機1を動作させずとも、前記戻り温度センサ56Bで検出され
る前記実戻り温度が目標戻り温度(詳細は後述)以上に達する場合がある。この場合は、
前記室外機制御部CUによる公知の制御により室外機1が停止され、待機状態となる(す
なわち、いったん室外機1の運転が終了される)。運転終了状態(すなわち待機状態)と
なっていた場合はステップS165の判定が満たされ(S165:YES)、このフロー
を終了する。一方、運転終了状態(すなわち待機状態)となっていない間はステップS1
65の判定は満たされず(S165:NO)、ステップS170に移る。
ステップS170では、通常制御部62Aは、この時点で前記吐出温度センサ55から
検出された前記冷媒吐出温度が前記目標吐出温度を下回っているか否かを判定する。冷媒
吐出温度が目標吐出温度を下回っている場合、判定が満たされ(S170:YES)、ス
テップS175に移る。
ステップS175では、通常制御部62Aは、前記膨張弁9の弁開度を減少させる。そ
の後、前記ステップS165に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、前記ステップS170の判定において、前記冷媒吐出温度が前記目標吐出温度以
上である場合、判定は満たされず(S170:NO)、ステップS180に移る。
ステップS180では、通常制御部62Aは、前記膨張弁9の弁開度を増大させる。そ
の後、前記ステップS165に戻って同様の手順を繰り返す。
以上のようにして、ステップS170、ステップS175、及びステップS180の処
理により、前記冷媒吐出温度が前記目標吐出温度に一致するよう膨張弁9の弁開度を制御
する、通常の冷媒吐出温度制御が行われる。
なお、冷房運転時の前記膨張弁9の制御内容も、前記図6のフローチャートと同様の制
御で足りるので、説明を省略する。
<膨張弁制御部による前記フィードフォワード制御>
図7に、前記膨張弁制御部62が実行する前記フィードフォワード制御における、圧縮
機7の回転数変化量と膨張弁9の開度の変化量の関係の一例を表にして示す。図7におい
て、この例では、回転数の変化量は、例えば周期的に制御内容が更新される場合において
、ある制御タイミングにおける圧縮機7の今回の回転数指示値と、その制御タイミングか
ら1周期前における前回の制御タイミングにおける前回の圧縮機7の回転数指示値を差し
引いた偏差(以下適宜、「回転数偏差」という)で表されている。そして、そのように圧
縮機7の回転数が変化したときの前記回転数偏差を受けて、膨張弁制御部62が膨張弁9
に対して実行する今回の開度変化量指示値の一例を、示している。但しこの例では、膨張
弁9の開度及び前記開度変化量指示値を、膨張弁9の開閉動作を行うアクチュエータのス
テッピングモータの駆動制御量であるパルス数及びその偏差(以下適宜、パルス数偏差)
で代用して表している。なお、本実施形態では、公知の手法により、パルス数偏差の正の
値は膨張弁9の開度変化量指示値の正の値に対応しており、パルス数偏差の負の値は膨張
弁9の開度変化量指示値の負の値に対応づけられている。
図7に示すように、本実施形態では、圧縮機7の回転数指示値(以下適宜、単に「圧縮
機7の回転数」という)が30[rps]以上の値だけ増大した場合には、膨張弁9の開
度が、ステッピングモータの120[パルス]相当の大きさだけ増大するように制御され
る(以下適宜、単に「開度が120パルス増大するように制御される」等により説明する
)。圧縮機7の回転数が20[rps]以上30[rps]未満だけ増大した場合には、
膨張弁9の開度は80[パルス]増大するように制御される。同様に、圧縮機7の回転数
が15[rps]以上20[rps]未満だけ増大した場合には、膨張弁9の開度は60
[パルス]増大するように制御され、圧縮機7の回転数が10[rps]以上15[rp
s]未満だけ増大した場合には、膨張弁9の開度は40[パルス]増大するように制御さ
れる。
また、圧縮機7の回転数が10[rps]未満だけ増大するか、回転数が同じ値に維持
されるか、回転数が10[rps]未満だけ減少した場合には、膨張弁9の開度は略増減
なしとなるように制御される。
また、圧縮機7の回転数が10[rps]以上15[rps]未満だけ減少した場合に
は、膨張弁9の開度は40[パルス]減少するように制御され、圧縮機7の回転数が15
[rps]以上20[rps]未満だけ減少した場合には、膨張弁9の開度は60[パル
ス]減少するように制御される。同様に圧縮機7の回転数が20[rps]以上30[r
ps]未満だけ減少した場合には、膨張弁9の開度は80[パルス]減少するように制御
され、圧縮機7の回転数が30[rps]を超えて減少した場合には、膨張弁9の開度は
120[パルス]減少するように制御される。
以上のように、膨張弁9の開度は、前記圧縮機7の回転数の増大量に応じて開き側に制
御されるとともに、前記圧縮機7の回転数の減少量に応じて閉じ側に制御される。
図8は、上記図7の制御内容を膨張弁制御部62が実行したときの、膨張弁9挙動を概
念的に表したグラフである。すなわち、前記図7で説明したように、実際は膨張弁の開度
は段階的に変化するように制御されるが、当該段階をある程度多数個設けることで図8の
グラフとほぼ同等の挙動を実現することができる。この図8のグラフでは、横軸に圧縮機
7の回転数の変化量[rps]、縦軸に膨張弁9の開度[パルス]の変化量をとって表し
たものである。図示のように、この場合、膨張弁9の開度(但し[パルス]代用による表
記)の変化量は、圧縮機7の回転数の変化量に対し、係数k1(この例ではk1≒4)を
乗じた変化パターンとなるように、比例的に制御されることとなる。
<フィードフォワード制御部による制御>
前記した膨張弁制御部62のフィードフォワード制御部62Bによる制御手順を、図9
のフローチャートに示す。なお、暖房運転時も冷房運転時も同様の制御内容となる。図9
において、まずステップS60で、フィードフォワード制御部62Bは、前記図5(a)
のステップS10と同様にして、前記室外機1が運転開始状態となったか否かを判定する
。運転開始状態となるまではステップS60の判定が満たされず(S60:NO)ループ
待機し、運転開始状態となるとステップS60の判定が満たされ(S60:YES)、ス
テップS65に移る。
ステップS65では、フィードフォワード制御部62Bは、前記図5(a)のステップ
S15と同様にして、前記室外機1が運転終了状態となったか否かを判定する。運転終了
状態(すなわち待機状態)となっていた場合はステップS65の判定が満たされ(S65
:YES)、このフローを終了する。一方、運転終了状態(すなわち待機状態)となって
いない間はステップS65の判定は満たされず(S65:NO)、ステップS68に移る
ステップS68では、フィードフォワード制御部62Bは、この時点で前記圧縮機7の
今回回転数が前回回転数より所定範囲(前述の例では±10[rps]未満)以上に増減
したか否を判定する。圧縮機7の今回回転数が±10[rps]で増大又は低減している
かあるいは増減していない場合には、判定が満たされ(S68:YES)、ステップS6
9に移る。
ステップS69では、フィードフォワード制御部62Bは、前記膨張弁9の弁開度を、
増大も低減もせず、維持する(すなわち制御的には何もしない)。その後、前記ステップ
S65に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、前記ステップS68で、圧縮機7の今回回転数が増大又は低減していた場合、判
定が満たされ(S69:YES)、ステップS70に移る。ステップS70では、フィー
ドフォワード制御部62Bは、この時点で前記圧縮機7の今回回転数が前回回転数より低
減したか否を判定する。圧縮機7の今回回転数が低減した場合、判定が満たされ(S70
:YES)、ステップS75に移る。
ステップS75では、フィードフォワード制御部62Bは、前記膨張弁9の弁開度を、
前記の図7に従って前記圧縮機7の今回回転数の低減に応じた量だけ減少させる(前記図
8も参照)。その後、前記ステップS65に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、前記ステップS70の判定において、前記圧縮機7の今回回転数が前回回転数か
ら増大した場合、判定は満たされず(S70:NO)、ステップS80に移る。
ステップS80では、フィードフォワード制御部62Bは、前記膨張弁9の弁開度を、
前記の図7に従って圧縮機7の回転数増大に応じた量だけ増大させる。その後、前記ステ
ップS65に戻って同様の手順を繰り返す(前記図8も参照)。
以上のようにして、ステップS70、ステップS75、及びステップS80の処理によ
り、前記膨張弁9の開度が、圧縮機制御部61による前記圧縮機7の回転数の制御に応じ
て制御される。
以上のような膨張弁制御部62による膨張弁9の制御により、前記のように圧縮機7の
回転数が大きく変動した場合であってもそれに対応して膨張弁9の開度が素早く変化する
ので、冷媒吐出温度の変化を小さく抑えることができ、負荷側出力の安定化を図ることが
できる。
<暖房運転挙動の例>
次に、前記のような圧縮機制御部61及び膨張弁制御部62による制御が行われた際の
、ヒートポンプ式温調システム100の暖房運転時における概念的挙動の一例を図10に
より説明する。
図示において、図10(a)は、前記冷温水戻り管3における前記実戻り温度(「実水
温」と表記)の経時推移を示している(なお、本実施形態では前記戻り温度センサ56B
によって実際に検出されている)。図10(b)は、圧縮機7から出る前記冷媒吐出温度
の経時推移を示している。図10(c)は、前記熱源側熱交換器8に流入する冷媒の温度
(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)の経時推移を示している。図10(d)は、前
記圧縮機制御部61の制御による前記圧縮機7の回転数の経時推移を示している。図10
(e)は、前記膨張弁制御部62の制御による膨張弁9の開度の経時推移を示している。
図10(f)は、前記冷温水パネル51及び前記ファンコイルユニット52による暖房運
転時の実出力の経時推移を(目標出力とともに)示している。
図10において、前記のように戻り温度制御が行われ、前記実戻り温度が前記目標戻り
温度(この例では40[℃])となるように圧縮機7の回転数が制御されている。
ここで、例えば図示しない別系統の熱源によって前記A室やB室の加温が行われた等に
より暖房負荷が減少し、このヒートポンプ式温調システム100で行わねばならない暖房
出力(目標出力)が小さくなり(図10(f)の時間t1〜t2参照)、その結果、前記
実戻り温水温度が徐々に上昇して目標戻り温度40℃から離れ始める(図10(a)の時
間t1〜t2参照)。したがって、圧縮機制御部61の前記戻り温度制御により、圧縮機
7の回転数は、それまでの90[rps]から75[rps]に低下するよう制御される
(図10(d)の時間t2参照)。そしてこの15[rps]分の回転数の低下に対応し
、膨張弁制御部62の制御により、膨張弁9の開度が、300[パルス]から240[パ
ルス]まで一気に低下するよう制御されている(図10(e)の時間t2参照)。これに
より、前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれている(図10(b)の時間t1〜t2参照
)。
しかしながら、この例では、時間t2を過ぎてもまだ前記実戻り温度の上昇が続いてい
ることから(図10(a)の時間t2〜t3参照)、圧縮機制御部61の前記戻り温度制
御により、圧縮機7の回転数が前記75[rps]からさらに55[rps]に低下する
よう制御され(図10(d)の時間t3参照)、この20[rps]分の回転数の低下に
対応し、膨張弁制御部62の制御により膨張弁9の開度が前記240[パルス]からさら
に160[パルス]まで一気に低下するよう制御される(図10(e)の時間t3参照)
。これにより、引き続き前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれている(図10(b)の時
間t2〜t3参照)。
このような制御により時間t3を過ぎた後に前記実戻り温度は低下に転じるが、この例
では、その後時間t4まで来ると前記目標戻り温度40[℃]を下回ってしまったため、
圧縮機制御部61の前記戻り温度制御により、再び圧縮機7の回転数が前記55[rps
]から70[rps]に上昇するよう制御される(図10(d)の時間t4参照)。これ
に伴い、この15[rps]分の回転数の上昇に対応し、膨張弁制御部62の制御により
膨張弁9の開度が再び前記160[パルス]から220[パルス]まで上昇するよう制御
される(図10(e)の時間t4参照)。これにより、引き続き前記冷媒吐出温度はほぼ
一定に保たれている(図10(b)の時間t3〜t4参照)。そして、前記実戻り温度は
、その後の時間t41で前記目標戻り温度(この例では40[℃])となり、その後は安
定する。
<冷房運転挙動の例>
次に、前記のような圧縮機制御部61及び膨張弁制御部62による制御が行われた際の
、ヒートポンプ式温調システム100の冷房運転時における概念的挙動の一例を図11に
より説明する。
図示において、図11(a)は、前記図10(a)と同様に前記実戻り温度(「実水温
」と表記)の経時推移を示し、図11(b)は、前記図10(b)と同様に前記冷媒吐出
温度の経時推移を示し、図11(c)は、水−冷媒熱交換器11に流入する冷媒の温度(
図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)の経時推移を示している。また、図11(d)は
、前記図10(d)と同様に前記圧縮機7の回転数の経時推移を示し、図11(e)は、
前記図10(e)と同様に前記膨張弁9の開度の経時推移を示している。そして、図11
(f)は、前記冷温水パネル51及び前記ファンコイルユニット52による冷房運転時の
実出力の経時推移を(目標出力とともに)示している。
図11において、前記のように戻り温度制御が行われ、前記実戻り温度が前記目標戻り
温度(この例では10℃)となるように圧縮機7の回転数が制御されている。
ここで、前記図10と同様に冷房負荷が減少し、このヒートポンプ式温調システム10
0で行わねばならない冷房出力(目標出力)が小さくなり(図11(f)の時間t1〜t
2参照)、その結果、前記実戻り温水温度が徐々に低下して目標戻り温度10℃から離れ
始める(図11(a)の時間t1〜t2参照)。したがって、圧縮機制御部61の前記戻
り温度制御により、圧縮機7の回転数は、それまでの90[rps]から75[rps]
に低下するよう制御される(図11(d)の時間t2参照)。そしてこの15[rps]
分の回転数の低下に対応し、前記図10と同様、膨張弁制御部62の制御により、膨張弁
9の開度が、300[パルス]から240[パルス]まで一気に低下するよう制御され(
図11(e)の時間t2参照)、この結果、前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれる(図
11(b)の時間t1〜t2参照)。
その後、時間t2を過ぎてもまだ前記実戻り温度の低下が続いていることから(図11
(a)の時間t2〜t3参照)、前記図10と同様に前記戻り温度制御により圧縮機7の
回転数が前記75[rps]からさらに55[rps]に低下するよう制御され(図11
(d)の時間t3参照)、膨張弁制御部62の制御により膨張弁9の開度が前記240[
パルス]からさらに160[パルス]まで低下するよう制御される(図11(e)の時間
t3参照)。これにより、引き続き前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれる(図11(b
)の時間t2〜t3参照)。
時間t3を過ぎた後に前記実戻り温度は上昇に転じるが、この例では、その後時間t4
まで来ると前記目標戻り温度10[℃]を上回ってしまったため、前記戻り温度制御によ
り、前記図10と同様、再び圧縮機7の回転数が前記55[rps]から70[rps]
に上昇するよう制御される(図11(d)の時間t4参照)。これに伴い、膨張弁制御部
62の制御により膨張弁9の開度が再び前記160[パルス]から220[パルス]まで
上昇するよう制御され(図11(e)の時間t4参照)、この結果引き続き前記冷媒吐出
温度はほぼ一定に保たれる(図11(b)の時間t3〜t4参照)。そして、前記実戻り
温度は、その後の時間t41で前記目標戻り温度(この例では10[℃])となり、その
後は安定する。
<第1実施形態の効果>
本実施形態の室外機1において、安定的に冷水又は温水を生成するためには、圧縮機7
から吐出される冷媒温度を一定に保つ必要があることから、圧縮機制御部61と膨張弁制
御部62とが設けられる。前記水−冷媒熱交換器11からの温水又は冷水の温度が変動(
暖房又は冷房の負荷が変動)すると、前記圧縮機制御部61による制御によって圧縮機7
の回転数を変動させる。そして、膨張弁制御部62のフィードフォワード制御部62Bが
、圧縮機制御部61による前記圧縮機7の回転数の変化量に基づき前記膨張弁9の開度を
制御する(いわゆるフィードフォワード制御)。これにより、前記圧縮機7の回転数が大
きく変動した場合であってもそれに対応して前記膨張弁9の開度が素早く変化するので、
前記冷媒吐出温度の変化を小さく抑えることができ、負荷側出力の安定化を図ることがで
きる。
また、本実施形態では特に、前記膨張弁制御部62のフィードフォワード制御部62B
は、図7及び図8に示したように、前記圧縮機制御部61の制御による前記圧縮機7の回
転数の増大量に応じて前記膨張弁9の開度を開き側に変化させるとともに、前記圧縮機制
御部61の制御による前記圧縮機7の回転数の減少量に応じて前記膨張弁9の開度を閉じ
側に変化させる。このように、圧縮機7の回転数が増大したら膨張弁9の開度をより開き
、圧縮機7の回転数が減少したら膨張弁9の開度をより閉じることにより、前記冷媒吐出
温度の変化を確実に抑えることができる。
また、本実施形態では特に、前記膨張弁制御部62のフィードフォワード制御部62B
は、前記図8に示したように、前記圧縮機7の回転数の変化量に対し、所定の係数(第1
係数k1)を用いて比例的に前記膨張弁9の開度を変化させる(=比例制御)。このよう
に、圧縮機7の回転数の変化量に対し膨張弁9の開度を比例制御で滑らかに変化させるこ
とにより、圧縮機7の回転数の変動に対して膨張弁9の開度をきめ細かく追従させること
ができ、さらに確実に前記冷媒吐出温度の変化を抑えることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図12〜図18に基づいて説明する。本実施形態は、前
記第1実施形態において図7を用いて説明した、圧縮機7の回転数変化量と膨張弁9の開
度の変化量の関係を、前記回転数偏差のマイナス側の領域の一部において変更した場合の
実施形態である。
図12は、第1実施形態の前記図7に対応する図であり、前記同様、本実施形態の前記
膨張弁制御部62の前記フィードフォワード制御部62Bが実行する制御における、圧縮
機7の回転数変化量と膨張弁9の開度の変化量の関係の一例である。図12に示す表にお
いて、図7と異なる点は、圧縮機7の回転数が20[rps]以上30[rps]未満だ
け減少した場合には、膨張弁9の開度は65[パルス]減少(前記図7では80[パルス
]減少)するように制御され、圧縮機7の回転数が30[rps]を超えて減少した場合
には、膨張弁9の開度は75[パルス]減少(前記図7では120[パルス]減少)する
ように制御される点である。上記以外の回転数区分においては、図7と同様の値となって
いる。
図13は、前記図8と同様、上記図12の制御内容をフィードフォワード制御部62B
が実行したときの膨張弁9の挙動を概念的に表したグラフであり、前述と同様、横軸に圧
縮機7の回転数の変化量[rps]、縦軸に膨張弁9の開度の変化量[パルス]をとって
表したものである。図示のように、この場合、圧縮機7の回転数の減少量が小さい第1範
囲(この例では、0[rps]以上15[rps]以下だけ減少する範囲)では、前記回
転数の減少量の変動幅に対し第1実施形態と同様の係数k1(この例ではk1≒4。第1
係数に相当)を乗じた、膨張弁9の開度減少量の変動幅が相対的に大きい変化パターン(
第1変化パターンに相当)となるように膨張弁9の開度を変化させる。そして、圧縮機7
の回転数の減少量が前記第1範囲よりも大きな第2範囲(この例では、15[rps]を
超えて減少する範囲)では、前記第1変化パターンと異なる変化パターン(この例では、
第2係数としての、k1よりも小さな約1である係数k2を乗じた変化パターン、すなわ
ち膨張弁9の開度減少量の変動幅が相対的に小さい変化パターン。第2変化パターンに相
当)となるように膨張弁9の開度を変化させる。この場合も、前記第1実施形態と同様、
膨張弁9の開度は、前記圧縮機7の回転数の増大量に応じて開き側に制御されるとともに
、前記圧縮機7の回転数の減少量に応じて閉じ側に制御されることに変わりはない。
<本実施形態の膨張弁開度制御の意義>
前記第1実施形態では、前記したように、圧縮機7の回転数の変化量に対し、回転数が
減少する場合も、回転数が増加する場合と同じ前記第1係数k1を用いた変化パターンで
比例的に圧縮機7の開度を変化させている。
このため、例えば前記図10に示した暖房運転時において、前記熱源側熱交換器8に流
入する冷媒の温度(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)が、時間t4以降において−
5[℃]〜−10[℃]程度の低い温度が続き、当該時間t4以降の区間A(図10中2
点鎖線参照)で着霜が生じて除霜動作を要する場合がある。また、時間t3〜t41の区
間B(図10中2点鎖線参照)においては、前記のようにして熱源側熱交換器8で十分に
吸熱できないことに由来して水−冷媒熱交換器11でも十分に熱交換ができず、結果とし
て暖房出力(図示では「実出力」と表記)が低下している(図10(f)参照)。
同様に、前記図11に示した冷房運転時において、時間t3〜t4の区間Cの間、前記
水−冷媒熱交換器11に流入する冷媒の温度が最低で−10[℃]に達する0[℃]以下
の状態が続き、結果として水−冷媒熱交換器11の冷温水側の配管内部の冷水に凍結が生
じる恐れがある。
本実施形態では、上記を改善するために、前記したように、圧縮機7の回転数の減少量
が小さい前記第1範囲では、前記第1実施形態と同様に当該回転数の減少量の変動幅に対
し前記係数k1(この例ではk1≒4)を用いた、開度減少量の変動幅が相対的に大きな
変化パターンで膨張弁9の開度を変化させつつ、圧縮機7の回転数の減少量が大きな前記
第2範囲では、当該回転数の減少量の変動幅に対し前記係数k2(この例ではk1≒1)
を用いた、開度減少量の変動幅が相対的に小さくやや緩い変化パターンで膨張弁9の開度
を変化させる。
図14、図15、図16は、前記暖房運転時において、本実施形態における前記膨張弁
9の開度の制御の具体例を、前記第1実施形態における前記膨張弁の開度の制御と対比さ
せて示す図である。
例えば図14では、ある制御タイミングにおける圧縮機7の今回回転数と、その制御タ
イミングから1周期前における前回の制御タイミングにおける圧縮機7の回転数を差し引
いた、前記回転数偏差が−10[rps]であった場合(言い換えれば圧縮機回転数が1
0[rps]低下した場合、以下同様)における、前記フィードフォワード制御部62B
の制御による膨張弁9の開度、圧縮機7から出る前記冷媒吐出温度、前記熱源側熱交換器
8に流入する冷媒の温度(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)、の経時挙動を表す図
である。なお、本実施形態の挙動を実線で、前記第1実施形態の挙動を破線で示している
(後述の図15、図16も同様)。
図14において、この場合は第2実施形態における制御挙動と第1実施形態における制
御挙動とは同一となる。すなわち、例えば前記のように暖房負荷が減少して前記戻り温度
制御により時間T1において圧縮機7の回転数が90[rps]から80[rps]へと
低下するように制御されると、これに対応して膨張弁9の開度は200[パルス]から1
60[パルス]へと低下するように制御される。これにより、前記目標吐出温度は、時間
T2で90[℃]から少し低下するもののその後上昇に転じ、その後の時間T3で90[
℃]に復帰し、以後、安定的に維持される。
また、例えば図15は、例えば暖房負荷がさらに大きく減少することで前記回転数偏差
が−15[rps]となった場合を示している。図15において、この場合も、第2実施
形態における制御挙動と第1実施形態における制御挙動とは同一となる。すなわち、前記
図14と同様に時間T1において圧縮機7の回転数が90[rps]から75[rps]
へと低下すると、これに対応して膨張弁9の開度は200[パルス]から140[パルス
]へと低下する。前記目標吐出温度は、前記図14と同様、時間T2で90[℃]から少
し低下するもののその後上昇に転じ、その後の時間T3で90[℃]に復帰し、以後、安
定的に維持される。
また、例えば図16は、例えば暖房負荷がさらに大きく減少することで前記回転数偏差
が−20[rps]となった場合を示している。この場合、第2実施形態における制御挙
動は第1実施形態における制御挙動と異なる。
すなわち、前記図14と同様に時間T1において圧縮機7の回転数が90[rps]か
ら70[rps]へと低下すると、第1実施形態の手法では、冷媒吐出温度を90[℃]
に維持するために前記膨張弁9の開度が200[パルス]から120[パルス]へと一気
に大きく低下するよう制御される(破線参照。以下同様)。この結果、前記熱源側熱交換
器8に流入する冷媒の温度(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)が急激に低下して直
後の時間T11で−5[℃]に達し、それ以降も温度低下が続いて着霜が生じるため、別
途除霜動作が必要となる場合がある。
これに対して、この第2実施形態の手法では、実線で示すように、時間T1において圧
縮機7の回転数が90[rps]から70[rps]へと低下したとき、前記膨張弁9の
開度は200[パルス]から135[パルス]まで低下するのにとどめる(なお、この例
では時間T1以降は通常制御部62Aにより冷媒吐出温度が目標温度となる前記通常の制
御が行われ、前記膨張弁9の開度が135[パルス]から若干段階的に下がっている)。
この結果、目標吐出温度は、時間T2で90[℃]から少し低下するものの、その後上昇
に転じ、その後の時間T3で90[℃]に復帰する。この際、前記熱源側熱交換器8から
出る冷媒の温度の低下は緩やかにとどまり、時間T2で0[℃]まで下がった後は、この
状態でほぼ安定する。
<暖房運転挙動の例>
以上のような本実施形態の制御により実現される、本実施形態のヒートポンプ式温調シ
ステム100の暖房運転時における概念的挙動の一例を、前記図10に対応する図17に
示す。前記図10(a)〜(f)と同様、図17(a)は前記実戻り温度(「実水温」と
表記)の経時推移を示し、図17(b)は前記冷媒吐出温度の経時推移を示し、図17(
c)は前記熱源側熱交換器8に流入する冷媒の温度(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表
記)の経時推移を示し、図17(d)は前記圧縮機7の回転数の経時推移を示し、図17
(e)は前記膨張弁9の開度の経時推移を示し、図17(f)は暖房運転時の実出力の経
時推移を(目標出力とともに)示している。
図17において、時間t1〜t2の挙動は前記の図10と同様である。すなわち、前記
の暖房負荷の減少により前記実戻り温水温度が目標戻り温度40℃から離れ始め(図17
(a)の時間t1〜t2参照)、圧縮機7の回転数は90[rps]から75[rps]
に低下する(図17(d)の時間t2参照)。これに対応し、フィードフォワード制御部
62Bの制御により膨張弁9の開度が、300[パルス]から240[パルス]まで低下
する(図17(e)の時間t2参照)ことで、前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれる(
図17(b)の時間t1〜t2参照)。
そして、時間t2を過ぎて前記実戻り温度の上昇が続いている(図17(a)の時間t
2〜t3参照)ことに対応し、前記戻り温度制御により圧縮機7の回転数が前記75[r
ps]からさらに55[rps]に低下すると(図17(d)の時間t3参照)、本実施
形態では、この20[rps]分の回転数の低下に対応し、膨張弁制御部62の制御によ
り膨張弁9の開度が前記240[パルス]からさらに175[パルス]まで低下するよう
制御される(図17(e)の時間t3参照)。これにより、引き続き前記冷媒吐出温度は
ほぼ一定に保たれる(図17(b)の時間t2〜t3参照)。
この際、前記第1実施形態と異なり膨張弁9の開度の下げ幅を小さくすることで、前記
熱源側熱交換器8に流入する冷媒の温度(「冷媒温度(蒸発)」と表記)は時間t1〜t
3の間大きく低下することなく約0[℃]に維持される(時間t3以降も同様)。この結
果、前記図10と異なり水−冷媒熱交換器11にて十分に熱交換ができることから、暖房
出力(図示では「実出力」と表記)の低下が抑制され(図17(f)参照)、時間t3以
降は目標出力とほぼ等しくなった状態で推移する。
また、圧縮機制御部61の前記戻り温度制御によって圧縮機7の回転数は前記55[r
ps]にそのまま維持され(図17(d)の時間t3〜t4及びそれ以降参照)、膨張弁
9の開度も前記175[パルス]で維持される(図18(e)の時間t3〜t4及びそれ
以降参照)。これにより、前記実戻り温度は前記目標戻り温度(40[℃])に速やかに
復帰し、以降は安定化する(図17(b)の時間t3〜t4及びそれ以降参照)。
<冷房運転挙動の例>
また、本実施形態のヒートポンプ式温調システム100の冷房運転時における概念的挙
動の一例を図18に示す。図示において、図18(a)は、前記図17(a)と同様に前
記実戻り温度(「実水温」と表記)の経時推移を示し、図18(b)は、前記図17(b
)と同様に前記冷媒吐出温度の経時推移を示し、図18(c)は、水−冷媒熱交換器11
に流入する冷媒の温度(図示では「冷媒温度(蒸発)」と表記)の経時推移を示している
。また、図18(d)は、前記図17(d)と同様に前記圧縮機7の回転数の経時推移を
示し、図18(e)は、前記図17(e)と同様に前記膨張弁9の開度の経時推移を示し
ている。そして、図18(f)は、前記冷温水パネル51及び前記ファンコイルユニット
52による冷房運転時の実出力の経時推移を(目標出力とともに)示している。
図18において、時間t1〜t2の挙動は前記の図11と同様である。すなわち、前記
の冷房負荷の減少により前記実戻り温水温度が目標戻り温度10℃から離れ始め(図18
(a)の時間t1〜t2参照)、圧縮機7の回転数は90[rps]から75[rps]
に低下する(図18(d)の時間t2参照)。これに対応し、膨張弁制御部62の制御に
より膨張弁9の開度が、300[パルス]から240[パルス]まで低下する(図18(
e)の時間t2参照)ことで、前記冷媒吐出温度はほぼ一定に保たれる(図18(b)の
時間t1〜t2参照)。
そして、時間t2を過ぎて前記実戻り温度の低下が続いている(図18(a)の時間t
2〜t3参照)ことに対応し、前記戻り温度制御により圧縮機7の回転数が前記75[r
ps]からさらに55[rps]に低下すると(図18(d)の時間t3参照)、膨張弁
制御部62の制御により膨張弁9の開度が前記240[パルス]からさらに175[パル
ス]まで低下する(図18(e)の時間t3参照)。これにより、引き続き前記冷媒吐出
温度はほぼ一定に保たれる(図18(b)の時間t2〜t3参照)。
前記同様、膨張弁9の開度の下げ幅が小さいことで、前記水−冷媒熱交換器11に流入
する冷媒の温度(「冷媒温度(蒸発)」と表記)は時間t1〜t3の間大きく低下するこ
となく約0[℃]に維持され(時間t3以降も同様)。冷房出力(図示では「実出力」と
表記)の低下が抑制され(図18(f)参照)、時間t3以降は目標出力とほぼ等しくな
った状態で推移する。
また、前記同様、圧縮機7の回転数は前記55[rps]にそのまま維持され(図18
(d)の時間t3〜t4及びそれ以降参照)、膨張弁9の開度も前記175[パルス]で
維持される(図18(e)の時間t3〜t4及びそれ以降参照)。これにより、前記実戻
り温度は前記目標戻り温度(10[℃])に速やかに復帰し、以降は安定化する(図18
(b)の時間t3〜t4及びそれ以降参照)。
<第2実施形態の効果>
以上説明した本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の効果を得る。
また、上記に加え、本実施形態によれば、前記圧縮機制御部61の制御による前記圧縮
機7の回転数の減少に応じて、前記膨張弁9の開度を閉じ側に変化させる際、前記フィー
ドフォワード制御部62Bは、圧縮機7の回転数の減少量が小さい第1範囲(この例では
、0[rps]以上20[rps]未満だけ減少する範囲)では、前記回転数の減少量の
変動幅に対し第1実施形態と同様の変化パターン(第1変化パターン)となるように膨張
弁9の開度を変化させる。そして、圧縮機7の回転数の減少量が前記第1範囲よりも大き
な第2範囲(この例では、20[rps]以上減少する範囲)では、前記回転数の減少量
の変動幅に対し前記第1変化パターンよりも緩い変化パターン、すなわち開度減少量の変
動幅が小さいパターン(第2変化パターン)となるように膨張弁9の開度を変化させる。
すなわち、前記圧縮機7の回転数の減少量が比較的小さい前記第1範囲と、前記圧縮機
7の回転数の減少量が比較的大きい前記第2範囲と、の2つに区分して膨張弁9の制御態
様を切り替え、前記第2範囲では、前記第1範囲よりも開度減少量の変動幅が小さい、緩
やかな変化パターン(前記第2変化パターン)となるように、前記膨張弁9の開度を変化
させる。これにより、前述した、冷媒吐出温度の変化の抑制による負荷側出力の安定化を
図りつつ、熱源側熱交換器8での前記着霜や前記水−冷媒熱交換器11での前記凍結の発
生を防止することができる。
また、本実施形態では特に、前記フィードフォワード制御部62Bは、前記第1範囲で
は、前記回転数の減少量の変動幅に対し、第1係数k1(前記の例ではk1≒4)を用い
て比例的に前記膨張弁9の開度の変動幅を減少させ、前記第2範囲では、前記回転数の減
少量の変動幅に対し、第1係数k1よりも小さな第2係数k2(前記の例ではk2≒1)
を用いて比例的に前記膨張弁9の開度の変動幅を減少させる。これにより、前記圧縮機7
の回転数の減少に対して前記膨張弁9の開度を比例制御で滑らかに閉じ側に変化させてき
め細かく追従させる際に、熱源側熱交換器8での前記着霜や前記水−冷媒熱交換器11で
の前記凍結の発生を防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲
で種々の変更が可能である。例えば、以上の第1実施形態及び第2実施形態では、前記水
−冷媒熱交換器11の入口側(流入側)の前記冷温水戻り管3(詳細には共通戻り管3A
)に前記戻り温度センサ56Bを設けて、前記戻り温度センサ56Bにより検出された温
水又は冷水の前記実戻り温度に応じて、前記圧縮機7の回転数を制御する、いわゆる戻り
温度制御を行ったが、前記水−冷媒熱交換器11の出口側(流出側)の前記冷温水往き管
2(詳細には共通往き管2A)に往き温度センサ56A(図3(a)及び図3(b)中2
点鎖線参照)を設けて、前記往き温度センサ56Aにより検出された温水又は冷水の前記
戻り温度に応じて、前記圧縮機7の回転数を制御する、いわゆる往き温度制御を行っても
よい。
また、上記においては、熱交換端末として、冷温水パネル51及びファンコイルユニッ
ト52が接続される場合を例にとって説明したが、これに限られず、冷房・暖房機能のう
ち少なくとも一方を備えた他の端末(吸熱・放熱端末)、例えば暖房パネル、床暖房パネ
ル、ラジエータ、コンベクター等を接続する場合に本発明を適用してもよい。また、上記
実施形態では、2台の熱交換端末が接続される場合を例にとって説明したが、これに限ら
れない。すなわち3台以上の熱交換端末や1台の熱交換端末のみが接続される構成でも良
い。
1 室外機(ヒートポンプ熱源機)
7 圧縮機
8 熱源側熱交換器
9 膨張弁
11 水―冷媒熱交換器
15 冷媒配管
61 圧縮機制御部(圧縮機制御手段)
62 膨張弁制御部
62A 通常制御部
62B フィードフォワード制御部(膨張弁制御手段)
k1 第1係数(所定の係数)
k2 第2係数(所定の係数)

Claims (5)

  1. 圧縮機、膨張弁、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ装置と、
    前記ヒートポンプ装置から前記冷媒配管を介し冷媒の供給を受けて水との熱交換により
    温水又は冷水を生成する水−冷媒熱交換器と、
    前記圧縮機の回転数を制御する圧縮機制御手段と、
    膨張弁の開度を制御する膨張弁制御手段と、
    を有するヒートポンプ熱源機において、
    前記膨張弁制御手段は、前記圧縮機制御手段による前記圧縮機の回転数の変化量に基づ
    き、前記膨張弁の開度を制御する
    ことを特徴とするヒートポンプ熱源機。
  2. 前記膨張弁制御手段は、
    前記圧縮機制御手段の制御による前記圧縮機の回転数の増大量に応じて、前記膨張弁の
    開度を開き側に変化させ、
    前記圧縮機制御手段の制御による前記圧縮機の回転数の減少量に応じて、前記膨張弁の
    開度を閉じ側に変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ熱源機。
  3. 前記膨張弁制御手段は、
    前記圧縮機の回転数の変化量に対し、所定の係数を用いて比例的に前記膨張弁の開度の
    変化量を増減させる
    ことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ熱源機。
  4. 前記圧縮機制御手段の制御による前記圧縮機の回転数の減少量に応じて、前記膨張弁の
    開度を閉じ側に変化させる際、前記膨張弁制御手段は、
    前記回転数の減少量が小さい第1範囲では、当該回転数の減少量の変動幅に対し第1変
    化パターンとなるように前記開度の減少量の変動幅を減少させ、
    前記回転数の減少量が前記第1範囲よりも大きな第2範囲では、当該回転数の減少量の
    変動幅に対し前記第1変化パターンよりも前記開度の減少量の変動幅が小さくなる第2変
    化パターンとなるように前記開度の減少量の変動幅を減少させる
    ことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ熱源機。
  5. 前記膨張弁制御手段は、
    前記第1範囲では、前記回転数の減少量の変動幅に対し、第1係数を用いて比例的に前
    記膨張弁の開度の減少量の変動幅を減少させ、
    前記第2範囲では、前記回転数の減少量の変動幅に対し、第1係数よりも小さな第2係
    数を用いて比例的に前記膨張弁の開度の減少量の変動幅を減少させる
    ことを特徴とする請求項4記載のヒートポンプ熱源機。
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