JP2019173914A - 差動装置 - Google Patents

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裕久 小田
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Abstract

【課題】デフケースを一対のケース半体で分割構成した差動装置において、一方のケース半体の内周面に対する旋削加工を利用して、ケース半体の油孔を追加工無しで形成可能とし、その油孔からデフケース内の潤滑油をデフケース外にスムーズに排出する。【解決手段】デフケースCは、各々の開口端部相互を軸方向に対向させた状態で互いに結合される一対のケース半体C1,C2より分割構成され、少なくとも一方のケース半体C2の内周面C2iは、デフケースCの回転軸線(第1軸線X1)に被加工物の回転軸線CLを一致させた旋削加工により形成されており、一方のケース半体C2は、一方のケース半体C2の内外を貫通する油孔61が前記旋削加工により形成されるよう外側面wsの位置が定められた壁部W2を有する。【選択図】 図4

Description

本発明は、差動装置、特に第1軸線回りに回転可能な中空のデフケースと、デフケース内に収容されるデフ機構と、デフケース内に外部から潤滑油を導入可能な潤滑油導入手段と、デフケース外周のフランジ部に結合されて、動力源に連なる駆動ギヤと噛合するリングギヤとを備え、デフ機構が、第1軸線と直交する第2軸線上に配置されてデフケースに支持されるピニオンシャフトと、ピニオンシャフトに回転自在に支持されるピニオンギヤと、ピニオンギヤに噛合し第1軸線回りに回転可能な一対のサイドギヤとを有するものに関する。
本発明及び本明細書において、「軸方向」とは、デフケースの軸方向(即ち第1軸線に沿う方向)をいい、また「径方向」とは、デフケースの径方向(即ち第1軸線を中心線とした円の半径方向)をいい、また「周方向」とは、デフケースの周方向(即ち第1軸線を中心線とした円の円周方向)をいう。
上記差動装置のデフケースを、各々の開放端面を合せ面として互いに結合される一対のケース半体で分割構成したものは、例えば、下記特許文献1に開示されるように既に知られている。
特開昭54−38027号公報
上記した差動装置では、デフケースを分割構成する一対のケース半体間を分離した状態で、デフ機構を組付けたり或いはデフケース内面に対し機械加工を施したりできるため、それら作業を許容するための大きな作業窓をデフケースに設ける必要が元々ない。したがって、特許文献1に示す差動装置においても、デフケースに大きな作業窓は設けられていない。
このような差動装置では、デフケースが大きな窓孔を持たないことで、デフケースの剛性確保上、有利であるが、その反面、デフケース内に導入された潤滑油のスムーズな排出が困難となり、潤滑油が早期に劣化してデフ機構の焼き付け等の不具合が起きる虞れがある。
また、上記問題を解決するために、分割型のデフケースにおいても大きな窓孔を追加工した場合には、デフケースの剛性強度が低下するばかりか、窓孔の追加工分だけコスト増となってしまう不都合がある。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来装置の上記した問題を簡単な構造で解決可能とした差動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1軸線回りに回転可能な中空のデフケースと、前記デフケース内に収容されるデフ機構と、前記デフケース内に外部から潤滑油を導入可能な潤滑油導入手段と、前記デフケース外周のフランジ部に結合されて、動力源に連なる駆動ギヤと噛合するリングギヤとを備え、前記デフ機構は、前記第1軸線と直交する第2軸線上に配置されて前記デフケースに支持されるピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの回りを回転自在なピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛合し前記第1軸線回りに回転自在な一対のサイドギヤとを有する差動装置において、前記デフケースは、各々の開口端部相互を軸方向に対向させた状態で互いに結合される一対のケース半体を含み、少なくとも一方の前記ケース半体の内周面は、被加工物の回転軸線を前記第1軸線と一致させた旋削加工により形成されており、前記一方のケース半体は、該一方のケース半体の内外を貫通する油孔が前記旋削加工により形成されるよう外側面の位置が定められた壁部を有することを第1の特徴とする。
また本発明は、第1軸線回りに回転可能な中空のデフケースと、前記デフケース内に収容されるデフ機構と、前記デフケース内に外部から潤滑油を導入可能な潤滑油導入手段と、前記デフケース外周のフランジ部に結合されて、動力源に連なる駆動ギヤと噛合するリングギヤとを備え、前記デフ機構は、前記第1軸線と直交する第2軸線上に配置されて前記デフケースに支持されるピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの回りを回転自在なピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛合し前記第1軸線回りに回転自在な一対のサイドギヤとを有する差動装置において、前記デフケースは、各々の開口端部相互を軸方向に対向させた状態で互いに結合される一対のケース半体を含み、少なくとも一方の前記ケース半体の内周面は、被加工物の回転軸線を前記第1軸線と一致させた旋削加工により形成されており、前記一方のケース半体は、前記ピニオンシャフトの両端部を挿通支持するピニオンシャフト挿通支持部を各々有する一対の第1壁部と、周方向で前記一対の第1壁部間に位置する第2壁部とを備え、前記第1壁部及び前記第2壁部は、各々の内周面に対し前記旋削加工が連続的に行われる、軸方向で同一の部位において、前記回転軸線から前記第1壁部の内周面までの径方向距離よりも、前記回転軸線から前記第2壁部の外側面までの径方向距離が短く設定されており、前記旋削加工により前記第2壁部の一部が貫通して油孔が形成され、該油孔を介して前記一方のケース半体の内外が連通していることを第2の特徴とする。
また本発明は、第2の特徴に加えて、前記第1壁部の内周面は、前記旋削加工により、該第1壁部の軸方向開口端より軸方向内方側に最大径部が偏位した球面状に形成されており、前記フランジ部及び前記ピニオンシャフト挿通支持部が、前記第2軸線と直交する投影面で見て前記最大径部と重なる位置に配置され、前記油孔は、前記フランジ部の軸方向外方側に隣接配置されることを第3の特徴とする。
また本発明は、第2又は第3の特徴に加えて、前記ピニオンシャフト挿通支持部は、前記一方のケース半体の、他方の前記ケース半体との合せ面に凹設した溝部で構成されていて、該他方のケース半体との間で、軸方向の遊隙を存して前記ピニオンシャフトを挟持しており、前記ピニオンシャフトは、前記フランジ部に結合した前記リングギヤの内周部にトルク伝達可能に係合されることを第4の特徴とする。
また本発明は、第2〜第4の何れかの特徴に加えて、前記第2壁部は、前記外側面が前記ピニオンシャフトと略平行な平面であることを第5の特徴とする。
また本発明は、第2〜第4の何れかの特徴に加えて、前記第2壁部は、前記外側面が周方向に円弧状に湾曲して延びており、前記第2壁部には、前記旋削加工により、該第2壁部の内外を貫通して周方向に並ぶ複数の油孔が形成されると共に、相隣なる油孔間に各々介在する複数の補強リブが一体に設けられることを第6の特徴とする。
本発明において、壁部(第2壁部)の「外側面」とは、壁部(第2壁部)の、径方向外方側を向く側面をいう。
第1,第2の各特徴によれば、潤滑油導入手段でデフケース内に導入され且つデフ機構を潤滑した油の一部は、一方のケース半体に旋削加工で生じた油孔から、遠心力でデフケース外に排出される。これにより、デフケースに大きな窓孔を特設せずとも、デフケース内の潤滑油をケース外にスムーズに排出できて、デフ機構を潤滑する油をデフケースの内外で効率よく流通させることができるため、デフ機構各部の焼付き防止に寄与することができる。しかも潤滑油の排出路となる上記油孔は、ケース半体の内面の旋削加工に伴いケース半体の特定の壁部(第2の特徴では第2壁部)に自動的に形成されるから、油孔特設のための追加工は一切不要でコスト節減に大いに寄与することができる。
また第3の特徴によれば、ピニオンシャフト挿通支持部を有した第1壁部の内周面は、前記旋削加工により、第1壁部の軸方向開口端より軸方向内方側に最大径部が偏位した球面状に形成されており、デフケースのフランジ部及びピニオンシャフト挿通支持部が、第2軸線と直交する投影面で見て最大径部と重なる位置に配置され、油孔は、フランジ部の軸方向外方側に隣接配置されるので、油孔を第1壁部の内周面の最大径部に比較的近い部位に配置可能となって、遠心力による油孔からの油排出を効率よく行うことができる。また、油孔は最大径部の比較的近くに在っても、フランジ部に邪魔されずにケース半体に油孔を支障なく貫通形成することができる。
また第4の特徴によれば、ピニオンシャフト挿通支持部は、一方のケース半体の、他方のケース半体との合せ面に凹設した溝部で構成されていて、他方のケース半体との間で、軸方向の遊隙を存してピニオンシャフトを挟持しており、ピニオンシャフトは、フランジ部に結合したリングギヤの内周部にトルク伝達可能に係合されるので、ピニオンシャフト挿通支持部を設けるために一方のケース半体に孔加工や複雑形状の溝加工は不要となり、コスト節減に寄与することができる。
また第5の特徴によれば、第2壁部は、外側面がピニオンシャフトと略平行な平面であるので、ピニオンシャフトと外側面が略平行する一対の第2壁部の各々に油孔をバランスよく形成可能であり、油孔からの油排出もバランスよく行われる。
また第6の特徴によれば、第2壁部は、外側面が周方向に円弧状に湾曲して延びており、第2壁部には、前記旋削加工により、第2壁部の内外を貫通して周方向に並ぶ複数の油孔が形成されると共に、相隣なる油孔間に各々介在する複数の補強リブが一体に設けられるので、複数の油孔が周方向に分散配置されることで潤滑油排出がよりスムーズになり、またこのように複数の油孔を並設しても、それに因る強度低下を補強リブにより効果的に抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る差動装置及びその周辺機器を示す縦断面図(図2の1−1線断面図) ミッションケース、車軸、軸受及びデフ機構のギヤの図示を省略して示す上記差動装置の右側面図 上記差動装置のデフケースを単体で示す右側面図(図2対応図) (a)は、機械加工の終了直後の第2ケース半体を示す単体縦断面図(図3の4(a)−4(a)断面図)、また(b)は、第2ケース半体が機械加工される前のケース半体素材の単体縦断面図(図4(a)対応図) 第1ケース半体単体を合せ面f1側から見た斜視図 第2ケース半体及びピニオンワッシャを合せ面f2側から見た斜視図 デフケースを、デフ機構の図示を省略した状態で第2ケース半体側から見た斜視図 図1の8−8線拡大断面図 図1の9−9線拡大断面図 本発明の第2実施形態を示すものであって、デフケースを、デフ機構の図示を省略した状態で第2ケース半体側から見た斜視図(図7対応図) 第2実施形態に係る差動装置のデフケースを単体で示す右側面図(図3対応図)
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、第1実施形態を図1〜図9を参照して説明する。図1において、車両(例えば自動車)のミッションケース9内には、図示しない動力源(例えば車載のエンジン)からの動力を左右の車軸11,12に分配して伝達する差動装置Dが収容される。差動装置Dは、デフケースCと、デフケースCに内蔵されるデフ機構20とを備える。
デフケースCは、各々の開放端面を合せ面f1,f2として相互間が着脱可能に結合される左右の第1,第2ケース半体C1,C2より分割構成される。
左右の第1,第2ケース半体C1,C2は、概略半球状に形成される本体部Cm1,Cm2と、本体部Cm1,Cm2の軸方向外側部に一体に連設されて軸方向に延びる軸受ボスCb1,Cb2と、本体部Cm1,Cm2の外周部に径方向外向きに一体に形成されて、第1軸線X1を中心とした円周方向に延びるフランジ半体Cf1,Cf2とを各々備えている。
左右の軸受ボスCb1,Cb2は、それらの外周側において軸受13,14を介してミッションケース9に第1軸線X1回りに回転自在に支持される。また、左右の軸受ボスCb1,Cb2の内周面には、左右の車軸(ドライブ軸)11,12がそれぞれ回転自在に嵌合されると共に、潤滑油引込み用の螺旋溝15,16(図1参照)が設けられる。螺旋溝15,16は、軸受ボスCb1,Cb2と車軸11,12との相対回転に伴いミッションケース9内の潤滑油をデフケースC内に送り込むねじポンプ作用を発揮し得るものであって、本発明の潤滑油導入手段の一例である。
第1,第2ケース半体C1,C2は、左右の本体部Cm1,Cm2の相対向する開放端面相互が突き合わされ且つ左右のフランジ半体Cf1,Cf2の対向側面相互が重ね合わされた状態で、後述する複数のボルトBで着脱可能に結合される。左右のフランジ半体Cf1,Cf2は、互いに重ね合わせてデフケースC外周のフランジ部Cfを構成するものであり、その重ね合わせ状態で両フランジ半体Cf1,Cf2は、リングギヤRと共に複数のボルトBで共締めされる。
リングギヤRは、例えばエンジンに連なる変速装置の出力部となる駆動ギヤ8と噛合する。これにより、駆動ギヤ8からの回転駆動力は、リングギヤRを介してピニオンシャフト21及びデフケースCに伝達される。
また、リングギヤRは、本実施形態ではヘリカルギヤ状の歯部Ragを外周に有するリム部Raと、このリム部Raの内周面から一体に突出するリング板状のスポーク部Rbとを備えている。スポーク部Rbは、第2フランジ半体Cf2の外側面に設けた環状段部51に同心状に嵌合され、その嵌合状態は、スポーク部Rb及び第2フランジ半体Cf2を貫通して第1フランジ半体Cf1に螺挿、緊締される複数のボルトBにより保持される。
尚、図1において、歯部Ragは、表示を簡略化するために、歯筋に沿う断面表示とした。
デフ機構20は、デフケースCの中心部で第1軸線X1と直交する第2軸線X2上に配置されてデフケースCに支持されるピニオンシャフト21と、ピニオンシャフト21に回転自在に支持される一対のピニオンギヤ22,22と、各ピニオンギヤ22と噛合する左右のサイドギヤ23,23とを備える。左右のサイドギヤ23,23は、デフ機構20の出力ギヤとして機能するものであり、それらサイドギヤ23,23の内周面には、左右の車軸11,12の内端部がそれぞれスプライン嵌合される。
ピニオンギヤ22及びサイドギヤ23の各々の背面は、デフケースCの内面Ciにピニオンワッシャ25及びサイドギヤワッシャ26を介して回転自在に支承される。尚、デフケースCの内面Ciは、本実施形態では球面状のものを例示したが、これをテーパ面、或いは第1軸線X1又は第2軸線X2と直交する平坦面としてもよい。
ピニオンシャフト21は、中間部がデフケースCの後述するシャフト孔40に嵌挿されると共に、両端部が、リングギヤRの内周端(即ちスポークRbの内周面)に設けた係合凹部Rbiに係合することでシャフト孔40からの離脱が阻止される。
而して、リングギヤRから係合凹部Rbiを経てピニオンシャフト21に伝達された回転駆動力は、デフ機構20を介して左右の車軸11,12に対し差動回転を許容されつつ分配伝達される。尚、デフ機構20の動力分配機能は従来周知であるので、これ以上の説明を省略する。
ところで第1,第2ケース半体C1,C2は、第1軸線X1上で互いに同心嵌合する環状凹部31及び環状凸部32を、両ケース半体C1,C2相互の合せ面f1,f2の一方と他方に有する。
本実施形態において、第1ケース半体C1の開放端面、即ち第2ケース半体C2との合せ面f1は、第1ケース半体C1の本体部Cm1の大径端部の端面と、これに面一に連続するフランジ半体Cf1の内側面とで、第1軸線X1と直交する平面に構成される。その合せ面f1の径方向内端部には、合せ面f1から軸方向外方側(図1で左側)に一段窪ませて環状凹部31が形成される。しかも環状凹部31は、合せ面f1のみならず、デフケースC(第1ケース半体C1)の内面Ciにも開口する。
一方、第2ケース半体C2の開放端面、即ち第1ケース半体C1との合せ面f2は、第2ケース半体C2の本体部Cm2の大径端部の端面と、これに面一に連続するフランジ半体Cf2の内側面とで、第1軸線X1と直交する平面に構成される。その合せ面f2の径方向内端部には、合せ面f2から軸方向外方側(図1で左側)に一段張出す環状凸部32が形成される。しかも環状凸部32の内周面は、デフケースC(第2ケース半体C2)の内面Ciの一部を構成している。
更に第1,第2ケース半体C1,C2の合せ面f1,f2の相互間には、ピニオンシャフト21が嵌挿されるシャフト孔40が形成される。このシャフト孔40は、例えば図7や図9に示されるように、第2ケース半体C2側の合せ面f2にピニオンシャフト21を挿通支持させるべく凹設された横断面U字状の溝部43と、溝部43の開放面を塞ぐ平面よりなる第1ケース半体C1側の合せ面f1とにより形成される。溝部43は、一方のケース半体(第2ケース半体C2)に設けられてピニオンシャフト21の両端部を挿通支持するピニオンシャフト挿通支持部の一例である。
また本実施形態では、図8及び図9に示すように、シャフト孔40とピニオンシャフト21との間に、シャフト孔40内でのピニオンシャフト21の軸方向(即ち第1軸線X1に沿う方向)の移動を多少許容する遊隙41bが設けられる。尚、そのような遊隙41bを設けない設定も可能である。
第2ケース半体C2の外側面には、溝部43に対応してその背面側を十分な肉厚で覆う半円筒状のボス部44が一体に突設される。このボス部44は、フランジ半体Cf2の根元部分で終わっており、フランジ半体Cf2には、ボス部44(従って溝部43)の径方向外端に連なる部位に、径方向外方側が開放された切欠部52が形成される。切欠部52は、ピニオンシャフト21の両端部外周面をデフケースC外に露出させる。尚、ボス部44を設けずに、溝部43のみを第2ケース半体C2に凹設した構成としてもよい。
そして、シャフト孔40を形成する溝部43が横断面U字状であり且つ合せ面f1が平面であることで、シャフト孔40の内面とピニオンシャフト21の外周面との間には、ピニオンシャフト21に沿って延びる隙間空間41が形成される。その隙間空間41には、溝部43の平坦な両内側面とそれらと直交する合せ面f1とに対応して形成される一対のコーナ対応空間部41aと、前記した軸方向の遊隙41bとが含まれる。
図6、図8及び図9に示されるように、環状凸部32は溝部43(ピニオンシャフト21)に対応する部位が周方向に一部切欠かれており、その切欠部32kを通してピニオンシャフト21の溝部43へのスムーズな装入が許容される。また、デフケースCの球面状をなす内面Ciには、第2軸線X2の周辺でピニオンギヤ22の背面をピニオンワッシャ25を介して支持するピニオン支持面Cipが僅かに凹状に窪ませて形成されている。
ところで第1,第2ケース半体C1,C2は、デフケースCの内面Ciとなる内周面C1i,C2iが、被加工物の回転軸線CLを第1軸線X1と一致させた旋削加工により形成されている。特に第2ケース半体C2は、第2ケース半体C2の内外を貫通する油孔61が上記旋削加工により形成されるよう外側面wsの位置(例えば径方向位置)が定められた特定の壁部W2を有する。
より具体的に言えば、第2ケース半体C2は、ピニオンシャフト21の両端部を挿通支持するピニオンシャフト挿通支持部となる溝部43(ボス部44)を各々一体に有して第2軸線X2上に間隔をおいて並ぶ一対の第1壁部W1と、周方向で一対の第1壁部W1間に在ってその間を一体に接続する第2壁部W2とを備える。第1実施形態において、第1壁部W1は、第1軸線X1を中心とした円周方向に延びる円弧状に形成され、その第1壁部W1の周方向中央部にボス部44が一体に隆起形成される。一方、第2壁部W2は、外側面wsがピニオンシャフト21と略平行な平面状に形成され、その第2壁部W2の周方向中央部に油孔61が設けられる。而して、第2壁部W2が上記した特定の壁部に相当する。
第2ケース半体C2の、上記油孔61を設けるべき所定の軸方向領域A内では、第1壁部W1及び第2壁部W2は、各々の内周面に対し前記旋削加工が連続的に行われる、軸方向で同一部位において、被加工物の回転軸線CLから第1壁部W1の内周面までの径方向距離よりも同回転軸線CLから第2壁部W2の外側面wsまでの径方向距離が短くなるように、設定される。
換言すれば、第1壁部W1及び第2壁部W2の、軸方向で同一部位において、回転軸線CLから第1壁部W1の内周面までの径方向距離よりも第2壁部W2の外側面wsまでの径方向距離が短くなるように、特に第2壁部W2の外側面wsの形状・位置が比較的(即ち第1壁部W1の外側面と比べて)回転軸線CL寄りに設定される。
従って、上記所定の軸方向領域A内で第1壁部W1及び第2壁部W2の各内周面が連続的に旋削加工されると、後述するように第1壁部W1及び第2壁部W2の各内周面が第2ケース半体C2の内周面C2iの一部として形成され、また特に第2壁部W2の一部(周方向中央部)が径方向に貫通して、第2ケース半体C2の内外を連通させる油孔61が形成される。
次に前記実施形態の作用を説明する。
デフケースCの第1,第2ケース半体C1,C2は、その各々が金属材料(例えばアルミ、アルミ合金、鋳鉄等)で一体成形(例えば鍛造成形、鋳造成形)され、その成形後に適宜、第1,第2ケース半体C1,C2の各部に対し機械加工が施され、製品(第1,第2ケース半体C1,C2)の最終形態に仕上げられる。
この場合、上記した機械加工には、第1,第2ケース半体C1,C2の内周面C1i,C2iに対する旋削加工(特に被加工物の回転軸線CLを第1軸線X1と一致させた旋削加工)が含まれる。
例えば、図4(b)には、第2ケース半体C2を機械加工する前の中空の第2ケース半体素材Mの一例が示される。この第2ケース半体素材Mは、外形が第2ケース半体C2の最終的な外形状に概ね近い形態で成形(例えば鍛造成形)され、その成形と同時に、第2ケース半体C2の本体部Cm2やフランジ半体部Cf2となるべき部分の一部(例えば溝部43付きボス部44や切欠部52、第1,第2壁部W1,W2の外表面等)も成形される。また第2ボス部Cb2となるべき部分の内周面及び外周面に対しても、螺旋溝16の溝加工その他の機械加工が適宜、施される。
更に第2ケース半体C2の内周面Ci2を形成するための上記旋削加工は、被加工物即ち第2ケース半体素材Mを所定の回転軸線CL回りに回転させた状態で、第2ケース半体素材M内にそれの開放端を通して旋盤の旋削工具T(例えばバイト、図4(b)参照)を回転軸線CLに沿って徐々に送りながら実行される。この場合、旋削工具Tの刃先と回転軸線CLとの径方向距離は、被旋削面が球面となるように、旋削工具Tの微小な軸方向送り量に合せて径方向距離が微小に変化する設定とされる。
上記旋削加工が終了した第2ケース半体素材Mは、最終製品である第2ケース半体C2と略同一の形状、構造となり、これに最終的な仕上げ加工が施される。
このようにして得られた第2ケース半体C2は、ピニオンシャフト挿通支持部となる溝部43(従ってボス部44)を一体に有する一対の第1壁部W1と、周方向で一対の第1壁部W1間に在ってその間を一体に接続する第2壁部W2とを備える。そして、第1壁部W1及び第2壁部W2は、各々の内周面に対して前記旋削加工が連続的に行われる、軸方向で同一の部位において、被加工物の回転軸線CLから第1壁部W1の内周面までの径方向距離よりも、同回転軸線CLから第2壁部W2の外側面wsまでの径方向距離が短く設定されている。
これにより、第1壁部W1及び第2壁部W2の各内周面に対し前記旋削加工が連続的に行われると、第1壁部W1及び第2壁部W2においては、各々の内周面が第2ケース半体C2の内周面C2iの一部として球面状に形成されるが、特に第2壁部W2においては、それの一部(即ち周方向中央部)が貫通して油孔61が形成され、この油孔61は、第2ケース半体C2の内外を連通させる。
また、差動装置Dの組立に際しては、第1,第2ケース半体C1,C2相互を分離した状態でその相互間にデフ機構20の各構成要素、即ちピニオンシャフト21、ピニオンギヤ22及びサイドギヤ23をセットしながら、第1,第2ケース半体C1,C2の合せ面f1,f2相互を重ね合わせる。その際に合せ面f1,f2の環状凹部31及び環状凸部32を嵌合させることで両ケース半体C1,C2を正しく同心配置する。
次いで、リングギヤRのスポーク部Rbの内周端部を第2ケース半体C2側面の環状段部51に同心嵌合させ、複数のボルトBでリングギヤR及びフランジ半体Cf1,Cf2を共締めする。この共締め状態でリングギヤRは、これのスポーク部Rb内周の係合凹部Rbiがピニオンシャフト21の両端に係合することで、ピニオンシャフト21のシャフト孔40からの抜け出しが阻止され且つリングギヤRとピニオンシャフト21とが直接トルク伝達できるように連結される。
そして、デフ機構20を収納したデフケースCの第1,第2軸受ボスCb1,Cb2を軸受13,14を介してミッションケース9に回転自在に支持し、更に左右の車軸11,12の内端部を第1,第2軸受ボスCb1,Cb2に挿入し且つ左右のサイドギヤ23,23の内周にスプライン嵌合することで、差動装置Dの自動車への組付けが終了する。
差動装置Dが差動機能を果たすとき、デフケースCの左右の軸受ボスCb1,Cb2と車軸11,12とが相対回転し、これに伴い、軸受ボスCb1,Cb2内周の螺旋溝15,16がミッションケース9内の潤滑油をデフケースC内に送り込むねじポンプ作用を発揮する。これにより、デフケースCに窓孔が無くても、デフケースC外の潤滑油をデフケースC内のデフ機構20へ十分に導入可能となる。
また、第2ケース半体C2の内周面C2iに対する前述の旋削加工によれば、第2壁部W2の一部が径方向に貫通して、第2ケース半体C2の内外を連通させる油孔61が形成されている。これにより、デフケースC内に導入されデフ機構20各部を潤滑した潤滑油の一部は、遠心力で第2ケース半体C2の内周面C2i、特にデフケース内面Ciの最大径部CiMAX 近くに存する上記油孔61から、デフケースC外に排出される。これにより、デフケースCに大きな窓孔を特設せずとも、デフケースC内の潤滑油をデフケースC外に円滑に排出できて、デフ機構20を潤滑する油をデフケースCの内外で効率よく流通、入替させることができるため、デフ機構20各部の潤滑機能が良好に発揮され、デフ機構20各部の焼付き防止に寄与し得るばかりか、金属摩耗粉がデフケースC内に大量に残留するのを防止してデフ機構20の作動円滑化、耐久性向上が図られる。
しかもデフケースC外への潤滑油排出路となる上記油孔61は、第2ケース半体C2の内周面C2iの旋削加工に伴い特定の壁部、即ち第2壁部W2に自動的に形成されるので、油孔61の特設のための追加工は一切不要であるばかりか、デフケースCにおける潤滑油の排出路構造が簡素化されるため、全体として大幅なコスト節減が達成される。
また第1実施形態の第1壁部W1の内周面は、前述の旋削加工により球面状に形成されるが、その球面の最大径部CiMAX は、図1及び図4(a)に明示されるように、第1壁部W1の開口端面より軸方向内方側に偏位している。しかも第2フランジ半体Cf2(従ってフランジ部Cf)及び溝部43(即ちピニオンシャフト挿通支持部)は、第2軸線X2と直交する投影面で見て最大径部CiMAX と重なる位置に配置され、その第2フランジ半体Cf2の軸方向外方側に油孔61が隣接配置される。これにより、油孔61は、第1壁部W1内周面の最大径部CiMAX に対し比較的近い部位に配置可能となって、遠心力による油孔61からの油排出を効率よく行うことができる。またこのような油孔61の配置であっても、油孔61はフランジ部Cf(第2フランジ半体C2f)の軸方向外方側に隣接配置されるから、第2フランジ半体Cf2に邪魔されずに第2ケース半体C2に油孔61を支障なく貫通形成することができる。
なお、第2ケース半体素材Mを鍛造により成形する場合、機械加工前の内周面には抜き勾配が形成される(図4(b)参照)。すなわち、機械加工前において、第2ケース半体素材Mの内径は、合わせ面f2側の開口で最大径寸法を有し、合わせ面f2から離隔するにしたがって、径寸法が減少する。この第2ケース半体素材Mに対して、フランジ部Cf2が最大径部CiMAX を有するように球状の内周面を機械加工(旋削加工)すると、フランジ部Cf2の軸方向外方側に隣接する領域のうち、第2ボス部Cb2側の領域の方が削り代が大きくなる。したがって、本実施形態では、この削り代の大きい領域に油孔61を形成している。このようにすれば、第2ケース半体素材Mにおいて良好な鍛造成形に必要な肉厚を確保しつつ、内周面の機械加工(旋削加工)により油孔61を支障なく形成できる。
また第1実施形態のデフケースCのピニオンシャフト挿通支持部は、第2ケース半体C2に一体に形成されて第1ケース半体C1との対向面が開放された溝部43で構成されていて、第1ケース半体C1との間で、第1軸線X1に沿う方向の遊隙41bを存してピニオンシャフト21を挟持しており、ピニオンシャフト21は、フランジ部Cfに結合したリングギヤRの内周部にトルク伝達可能に係合されている。
これにより、ピニオンシャフト挿通支持部を設けるために第2ケース半体C2に孔加工や複雑形状の溝加工は不要となり、コスト節減が図られ、そのコスト節減の効果は、特に第2ケース半体C2を鍛造成形する場合には金型の複雑化を回避できる点で有利となる。しかも、リングギヤRの内周部(係合凹部Rbi)からピニオンシャフト21側へ回転トルクを直接伝達できる点と、溝部43とピニオンシャフト21との間に軸方向の遊隙41bが存する点とが相俟って、伝動時における第1,第2ケース半体C1,C2の荷重負担軽減を図ることができるため、第1,第2ケース半体C1,C2を比較的低剛性の材料(例えばアルミ、アルミ合金等)で形成する場合に特に有利である。
更に言えば、第1実施形態では、第1ケース半体C1の、第2ケース半体C2に対する合せ面f1が、第1軸線X1と直交する平面に形成されていて、その平面で溝部43(ピニオンシャフト挿通支持部)の開放面を閉じるため、加工工程が一層単純化され、更なるコスト節減が図られる。
また特に第1実施形態の第2壁部W2は、外側面wsがピニオンシャフト21と略平行な平面であるので、ピニオンシャフト21と外側面wsが略平行する一対の第2壁部W2,W2の各々に油孔61をバランスよく形成可能であり、且つ油孔61からの油排出もバランスよく行うことができる。しかも第2ケース半体C2は、一対の第2壁部W2,W2の外側面wsより径方向外側に肉がなく、それだけスリム化されているため、第2ケース半体C2の軽量化を図りながら、第2ケース半体C2の必要な剛性(特にピニオンシャフト21に対する支持剛性)を確保可能となる。
図10及び図11には、本発明の第2実施形態が示される。第2実施形態においても、第2ケース半体C2′は、ピニオンシャフト21の両端部を挿通支持する溝部43(ピニオンシャフト挿通支持部)を各々有する一対の第1壁部W1′と、周方向で一対の第1壁部W1′間に位置する第2壁部W2′とを備えており、第2壁部W2′が特定の壁部に相当する。そして、第1実施形態と同様、第1壁部W1′及び第2壁部W2′は、各々の内周面に対し前記旋削加工が連続的に行われる、軸方向で同一部位において、被加工物の回転軸線CLから第1壁部W1′の内周面までの径方向距離よりも、同回転軸線CLから第2壁部W2′の外側面ws′までの径方向距離が短く設定されている。
但し、第2実施形態の第2壁部W2′は、第1実施形態とは異なり、外側面ws′が周方向に円弧状に湾曲して延びている。この第2壁部W2′には、被加工物の回転軸線CLを第1軸線X1と一致させた旋削加工により、第2壁部W2′の内外を貫通して周方向に並ぶ複数の油孔71が形成されると共に、相隣なる油孔71間に各々配置されて且つ軸方向及び径方向に延びる複数の補強リブ72が一体に設けられる。
その他の構成は、基本的に第1実施形態と同様であるので、各構成要素には、第1実施形態の対応する構成要素と同様の参照符号を付すに止め、これ以上の説明は省略する。
この第2実施形態によれば、第1実施形態の前記した作用効果と同等の作用効果を発揮し得るばかりか、更に次のような作用効果も達成可能である。
即ち、第2実施形態においては、複数の油孔71が周方向に分散配置されることで潤滑油の排出がよりスムーズになる。また、このように複数の油孔71を並設しても、それに因る強度低下を、周方向に相隣なる油孔71間に介在して軸方向及び径方向に延びる複数の補強リブ72により効果的に抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、差動装置Dを車両用差動装置に実施したものを示したが、本発明では、差動装置Dを車両以外の種々の機械装置に実施してもよい。
また、前記実施形態では、デフケースCのフランジ部CfとリングギヤRとの結合を複数のボルトBで結合するものを例示したが、本発明では、フランジ部CfとリングギヤRとの結合を溶接(例えばレーザ溶接、電子ビーム溶接等)するようにしてもよい。
また前記実施形態では、リングギヤRの歯部Ragをヘリカルギヤ状としたものを示したが、本発明のリングギヤは、実施形態に限定されず、例えば、ベベルギヤ、ハイポイドギヤ、スパーギヤ等でもよい。
また前記実施形態では、シャフト孔40を一方のケース半体C1の合せ面f1(平面)と、他方のケース半体C2の合せ面f2の溝部43とにより形成したものを示したが、合せ面f1側にも、溝部43と対向する溝部を凹設して、両合せ面f1,f2の溝部相互間でシャフト孔40を形成するようにしてもよい。
また前記実施形態では、軸受ボスCb1,Cb2の内周面に設けた潤滑油引込み用の螺旋溝15,16を潤滑油導入手段の一例として示したが、潤滑油導入手段は、実施形態に限定されない。例えば、螺旋溝15,16に代えて又は加えて、車軸11,12や、サイドギヤ23の背面に長く延設してデフケースC外に延びるサイドギヤボス等に潤滑油導入手段となる潤滑油路や、螺旋溝を設けてもよい。或いは、ミッションケース9の天井部や側壁部から溝部43(ピニオンシャフト挿通支持部)の外端開口部に向けて潤滑油を噴射又は滴下させる手段を潤滑油導入手段としてもよい。
また第1実施形態では、第2壁部W1の外側面wsをピニオンシャフト21と略平行な平面としたものを示したが、第2壁部W1の外側面wsは、必ずしも平面とする必要はない。例えば、外側面wsを平面と湾曲面を組み合わせた形状としてもよく、或いは外側面ws全体をピニオンシャフト21側に凹曲させた湾曲面としてもよい。
A・・・・・・・第2ケース半体(一方のケース半体)の所定の軸方向領域
C・・・・・・・デフケース
C1・・・・・・第1ケース半体(他方のケース半体)
C2,C2′・・第2ケース半体(一方のケース半体)
C2i・・・・・第2ケース半体(一方のケース半体)の内周面
Cf・・・・・・フランジ部
Ci・・・・・・デフケースの内面
CiMAX ・・・・最大径部
D・・・・・・・差動装置
M・・・・・・・第2ケース半体素材(被加工物)
R・・・・・・・リングギヤ
X1,X2・・・第1,第2軸線
W1,W1′・・第1壁部
W2,W2′・・第2壁部(壁部)
ws,ws′・・外側面
8・・・・・・・駆動ギヤ
15,16・・・螺旋溝(潤滑油導入手段)
20・・・・・・デフ機構
21・・・・・・ピニオンシャフト
22・・・・・・ピニオンギヤ
23・・・・・・サイドギヤ
41b・・・・・軸方向の遊隙
43・・・・・・溝部(ピニオンシャフト挿通支持部)
61,71・・・油孔
72・・・・・・補強リブ

Claims (6)

  1. 第1軸線(X1)回りに回転可能な中空のデフケース(C)と、
    前記デフケース(C)内に収容されるデフ機構(20)と、
    前記デフケース(C)内に外部から潤滑油を導入可能な潤滑油導入手段(15,16)と、
    前記デフケース(C)外周のフランジ部(Cf)に結合されて、動力源に連なる駆動ギヤ(8)と噛合するリングギヤ(R)とを備え、
    前記デフ機構(20)は、前記第1軸線(X1)と直交する第2軸線(X2)上に配置されて前記デフケース(C)に支持されるピニオンシャフト(21)と、前記ピニオンシャフト(21)の回りを回転自在なピニオンギヤ(22)と、前記ピニオンギヤ(22)に噛合し前記第1軸線(X1)回りに回転自在な一対のサイドギヤ(23)とを有する差動装置において、
    前記デフケース(C)は、各々の開口端部相互を軸方向に対向させた状態で互いに結合される一対のケース半体(C1,C2,C2′)を含み、
    少なくとも一方の前記ケース半体(C2,C2′)の内周面(C2i)は、被加工物の回転軸線(CL)を前記第1軸線(X1)と一致させた旋削加工により形成されており、 前記一方のケース半体(C2,C2′)は、該一方のケース半体(C2,C2′)の内外を貫通する油孔(61,71)が前記旋削加工により形成されるよう外側面(ws,ws′)の位置が定められた壁部(W2,W2′)を有することを特徴とする差動装置。
  2. 第1軸線(X1)回りに回転可能な中空のデフケース(C)と、
    前記デフケース(C)内に収容されるデフ機構(20)と、
    前記デフケース(C)内に外部から潤滑油を導入可能な潤滑油導入手段(15,16)と、
    前記デフケース(C)外周のフランジ部(Cf)に結合されて、動力源に連なる駆動ギヤ(8)と噛合するリングギヤ(R)とを備え、
    前記デフ機構(20)は、前記第1軸線(X1)と直交する第2軸線(X2)上に配置されて前記デフケース(C)に支持されるピニオンシャフト(21)と、前記ピニオンシャフト(21)の回りを回転自在なピニオンギヤ(22)と、前記ピニオンギヤ(22)に噛合し前記第1軸線(X1)回りに回転自在な一対のサイドギヤ(23)とを有する差動装置において、
    前記デフケース(C)は、各々の開口端部相互を軸方向に対向させた状態で互いに結合される一対のケース半体(C1,C2,C2′)を含み、
    少なくとも一方の前記ケース半体(C2,C2′)の内周面(C2i)は、被加工物の回転軸線(CL)を前記第1軸線(X1)と一致させた旋削加工により形成されており、 前記一方のケース半体(C2,C2′)は、前記ピニオンシャフト(21)の両端部を挿通支持するピニオンシャフト挿通支持部(43)を各々有する一対の第1壁部(W1,W1′)と、周方向で前記一対の第1壁部(W1,W1′)間に位置する第2壁部(W2,W2′)とを備え、
    前記第1壁部(W1,W1′)及び前記第2壁部(W2,W2′)は、各々の内周面に対し前記旋削加工が連続的に行われる、軸方向で同一の部位において、前記回転軸線(CL)から前記第1壁部(W1,W1′)の内周面までの径方向距離よりも、前記回転軸線(CL)から前記第2壁部(W2,W2′)の外側面(ws,ws′)までの径方向距離が短く設定されており、
    前記旋削加工により前記第2壁部(W2,W2′)の一部が貫通して油孔(61,71)が形成され、該油孔(61,71)を介して前記一方のケース半体(C2,C2′)の内外が連通していることを特徴とする、差動装置。
  3. 前記第1壁部(W1,W1′)の内周面は、前記旋削加工により、該第1壁部(W1,W1′)の軸方向開口端より軸方向内方側に最大径部(CiMAX )が偏位した球面状に形成されており、
    前記フランジ部(Cf)及び前記ピニオンシャフト挿通支持部(43)が、前記第2軸線(X2)と直交する投影面で見て前記最大径部(CiMAX )と重なる位置に配置され、 前記油孔(61)は、前記フランジ部(Cf)の軸方向外方側に隣接配置されることを特徴とする、請求項2に記載の差動装置。
  4. 前記ピニオンシャフト挿通支持部(43)は、前記一方のケース半体(C2,C2′)の、他方の前記ケース半体(C1)との合せ面(f2)に凹設した溝部で構成されていて、該他方のケース半体(C1)との間で、軸方向の遊隙(41b)を存して前記ピニオンシャフト(21)を挟持しており、
    前記ピニオンシャフト(21)は、前記フランジ部(Cf)に結合した前記リングギヤ(R)の内周部にトルク伝達可能に係合されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の差動装置。
  5. 前記第2壁部(W2)は、前記外側面(ws)が前記ピニオンシャフト(21)と略平行な平面であることを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の差動装置。
  6. 前記第2壁部(W2′)は、前記外側面(ws′)が周方向に円弧状に湾曲して延びており、
    前記第2壁部(W2′)には、前記旋削加工により、該第2壁部(W2′)の内外を貫通して周方向に並ぶ複数の油孔(71)が形成されると共に、相隣なる油孔(71)間に各々介在する複数の補強リブ(72)が一体に設けられることを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の差動装置。
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