JP2019173146A - 靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents
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Abstract
【課題】マンガンの除去を行わなくとも、優れた靭性を有する球状黒鉛鋳鉄を提供する。【解決手段】質量%で、C:3〜4質量%、Si:2〜2.7質量%、Mn:0.55質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.03質量%以下、Mg:0.03〜0.06質量%、Bi:0.001〜0.01質量%、Al:0.06質量%以下、残部:Feおよび不可避不純物、からなり、基地組織のパーライト率が30%以下であり、黒鉛粒数が250〜500個/mm2であることを特徴とする、球状黒鉛鋳鉄。【選択図】なし
Description
本発明は、球状黒鉛鋳鉄に関する。
球状黒鉛鋳鉄は、引張強さ・伸びなどに優れ、片状黒鉛鋳鉄よりも数倍の引張強さを持ち、靭性(粘り強さ)が優れていることから、自動車部品や産業機械などに数多く利用されている材料である。球状黒鉛鋳鉄の製造に供される原材料としては、自動車用鋼板の鋼屑が利用されている。
最近、軽量化のために自動車用鋼板のマンガン含有量が増加している。球状黒鉛鋳鉄を製造する際にマンガンはパーライト化を促進する元素であり、球状黒鉛鋳鉄においてパーライト率が増加することにより靱性が低下することが知られている。そのため、近年では球状黒鉛鋳鉄の原材料におけるマンガン含有量の増加が問題とされ、様々な検討がなされている。
例えば、マンガン含有量の少ない銑鉄を使用する方法もある。しかしながら、銑鉄は鋼屑に比較して高価であり、コストがかかってしまう。そこで、球状黒鉛鋳鉄を製造する際にマンガンを除去することで、球状黒鉛鋳鉄におけるマンガン含有量を低下させる方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特許文献1では、複数種の鉄原料を混合した原材料群を溶融してなる鋳鉄溶湯に、酸化鉄を添加することで、溶湯面にマンガンを取り込んだスラグを浮上させて、当該スラグを溶湯中から分離することでマンガンを除去する方法が開示されている。
特許文献2では、炉内を酸素雰囲気にするとともに炉内の鋳鉄溶湯に空気を吹き込み、その鋳鉄溶湯中の炭素成分をほぼ一定に保持してマンガンの除去を行う方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、酸化鉄を添加するために炉内にノロが多く発生し、ノロの除去に手間がかかるという問題がある。特許文献2の方法では、炉内を酸素雰囲気にするため炉内耐火材料が腐食されやすく、築炉周期が短くなるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マンガンの除去を行わなくとも、優れた靭性を有する球状黒鉛鋳鉄を提供することにある。
本発明の一実施形態の球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C:3〜4質量%、Si:2〜2.7質量%、Mn:0.55質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.03質量%以下、Mg:0.03〜0.06質量%、Bi:0.001〜0.01質量%、Al:0.06質量%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる成分組成を有し、基地組織のパーライト率が30%以下であり、黒鉛粒数が250〜500個/mm2であることを特徴とする。
上記発明によれば、特定の組成とすることにより、特に、Biを特定量で含有させることにより、黒鉛粒数が増加し、基地組織のパーライトとフェライトとの割合を特定範囲にバランスさせることができる。すなわち、マンガンを多く含有する場合(ただし、Mn:0.55質量%以下)であっても、黒鉛粒数の増加と、基地組織のパーライト率の低減とにより、靭性が低下しない。これにより、マンガンを除去することなく、靭性の優れた球状黒鉛鋳鉄が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、C:3〜4質量%、Si:2〜2.7質量%、Mn:0.55質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.03質量%以下、Mg:0.03〜0.06質量%、Bi:0.001〜0.01質量%、Al:0.06質量%以下、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、基地組織のパーライト率が30%以下であり、黒鉛粒数が250〜500個/mm2である球状黒鉛鋳鉄である。
上記構成とすることで、マンガンの除去を行わなくとも、靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄となる。すなわち、球状黒鉛鋳鉄においてマンガン含有量が多い(例えば0.25質量%以上)場合、マンガンがパーライト化を促進するため靭性の低下が懸念されていた。本実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄においては、マンガンが多く含有されていても靭性に優れる。本実施形態の球状黒鉛鋳鉄が上記効果を奏するメカニズムは不明であるが、以下のように推測される。なお、本発明の技術的範囲は、下記メカニズムによって何ら制限されることはない。
本実施形態の球状黒鉛鋳鉄において、Biは球状黒鉛析出の核となると考えられる。Biにより球状黒鉛の析出が促進され、これにより黒鉛粒数が増加する。パーライト組織が生成する際にはCが必要となるが、Biによる球状黒鉛の析出が促進されているため、組織においてCが低減された状態となる。これにより、パーライト組織となるためのCが低減され、結果として組織のパーライト化が抑制されると考えられる。
よって、本実施形態によれば、Biを特定量で含有することにより、基地組織のパーライトとフェライトとの割合を特定範囲にバランスさせることができ、マンガンを多く含有していた場合であっても組織のパーライト化を抑制することができる。これにより、マンガンを除去しなくとも靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄となりうる。
本実施形態の球状黒鉛鋳鉄は、換言すれば、Mn含有量が0.55質量%以下であれば、Biを添加することにより黒鉛粒数の増加と基地組織のパーライト率の低減との効果が発揮される。これにより、靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄を得ることができる。なお、本実施形態において、Mnの含有量が0.25質量%以上、より好ましくは0.265質量%以上、さらに好ましくは0.28質量%以上、特に好ましくは0.29質量%以上、最も好ましくは0.30質量%以上の場合、Biの添加による黒鉛粒数の増加と基地組織のパーライト率の低減との効果がより発揮されうる。
なお、本明細書中、「低温衝撃値」とは−20℃における低温衝撃値を意味する。そして、「靭性に優れる」とは所望の引張強さ、伸び及び低温衝撃性を備えていることを意味する。
以下、本実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄の組成について説明する。
Cは、3〜4質量%で含有される。Cは黒鉛組織となる元素である。C含有量が3質量%未満の場合、黒鉛が晶出しにくくなる。そのため、パーライト組織が生成しやすくなり、所望の低温衝撃値が得られない。また、C含有量を4質量%より多くした場合、黒鉛サイズが大きくなる傾向にあり、黒鉛粒数が低減し、結果として所望の引張強さ及び伸びが得られない。また、C含有量が4%を超えると、肉厚の部品の場合にドロ巣が生じやすくなる。C含有量は、好ましくは3.0〜4.0質量%であり、より好ましくは3.2〜4.0質量%である。
Siは、2〜2.7質量%で含有される。Siは黒鉛の晶出を促進させる元素である。Si含有量が2質量%未満であると黒鉛が晶出しにくくなり、遊離セメンタイト(チル)が発生し、所望の低温衝撃値が得られない。また、Si含有量が2.7質量%を超えた場合、Siがフェライトに固溶することにより脆化し、所望の低温衝撃値が得られない。Si含有量は、好ましくは2.0〜2.7質量%であり、より好ましくは2.1〜2.5質量%である。
Mnは、0.55質量%以下で含有される。Mnはパーライト組織の安定化元素であり、Mn含有量が高い場合、基地組織のパーライト率が高くなり、低温衝撃値が低下する。本実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄においては、Mn含有量が0.55質量%以下であれば、所望の低温衝撃値が得られる。Mn含有量の下限としては、特に制限されないが、例えば好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上含有される。
Pは、0.1質量%以下で含有される。本実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄においては、P含有量が0.1質量%を超える場合、低温衝撃値が大幅に低下する。Pの含有量は、好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。Pは不純物元素として混入する元素である。P含有量の下限としては、特に制限されないが、例えば0.005質量%以上含有される。
Sは、0.03質量%以下で含有される。Sは黒鉛球状化を妨げる元素である。本実施形態においては、球状黒鉛鋳鉄の成分組成の観点から0.03質量%以下とする。Sは、好ましくは0.025質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下で含有される。S含有量の下限としては、特に制限されないが、例えば0.005質量%以上含有される。
Mgは、0.03〜0.06質量%で含有される。Mgは黒鉛の球状化に影響する元素であり、残留Mg量が黒鉛の球状化を判断する指標となる。Mgの残留量が0.03質量%未満であると黒鉛球状化率が低下し、引張強さおよび伸びが低下する。残留Mg量が0.06質量%を超えると、遊離セメンタイト(チル)が析出しやすくなり、伸びおよび衝撃値が大幅に低下する。Mg含有量は、好ましくは0.033〜0.055質量%、より好ましくは0.035〜0.05質量%である。
Biは、0.001〜0.01質量%で含有される。Biは球状黒鉛析出の核となり、黒鉛の析出を促進する。Bi含有量が0.001質量%未満の場合、黒鉛粒数の増加効果が小さい。Bi含有量が0.003質量%を超えると、黒鉛粒数の増加効果がBi含有量に関わらず同程度となり、Bi含有量と黒鉛粒数の増加効果とに相関関係が見られない。そのため、コストの観点と所望の低温衝撃値を得るという観点からBi含有量は0.01質量%以下がよい。Biの含有量は、好ましくは0.0012〜0.009質量%であり、より好ましくは0.0014〜0.008質量%であり、さらに好ましくは0.015〜0.005質量%である。
Alは、0.06質量%以下で含有される。Alは溶湯中の窒素濃度を下げ、黒鉛化促進作用があるが、0.06質量%を超えて添加すると湯流れが悪くなる。本実施形態においては黒鉛鋳鉄を製造する際にAl含有の合金を注湯流接種にて接種するのが好ましいため、Alを含有するのが好ましい。黒鉛化促進作用、湯流れを考慮して、Alの含有量としては、好ましくは0.001〜0.05質量%であり、より好ましくは0.005〜0.03質量%である。
不可避不純物としては、Ca等が挙げられる。本実施形態においては黒鉛鋳鉄を製造する際にCa含有の合金を注湯流接種にて接種するのが好ましいため、Caが不可避不純物として含有されうる。
上記各元素の含有量の残部がFeである。
本実施形態の球状黒鉛鋳鉄は、基地組織におけるパーライト組織のフェライト組織との面積率(以下、パーライト率)が好ましくは30%以下であり、黒鉛粒数が好ましくは250〜500個/mm2である。すなわち、Biを特定量で含有させることにより、黒鉛粒数が増加し、これにより、基地組織のパーライトとフェライトとの割合を特定範囲にバランスさせることができる。そうして、微小な黒鉛が多く分布することで、衝撃値特性を向上させることができる。ここで、球状黒鉛の粒径としては、15〜25μmであるのが好ましく、15〜20μmであるのがより好ましい。球状黒鉛の粒径が上記範囲内であれば、衝撃値特性が向上する。球状黒鉛の粒径は、鋳鉄の組織写真において球状黒鉛の粒径を計測することにより算出できる。
球状黒鉛鋳鉄における黒鉛粒数は、より好ましくは270〜495個/mm2であり、さらに好ましくは280〜495個/mm2であり、特に好ましくは300〜495個/mm2である。
球状黒鉛鋳鉄の基地組織におけるパーライト率としては、より好ましくは3〜30%であり、さらに好ましくは5〜30%、特に好ましくは10〜25%、最も好ましくは10〜20%である。
本実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄を製造方法としては、
(1)球状黒鉛鋳鉄の各成分組成(ただし、Bi又はBi及びAlを除く)となるように、原材料を調整し、これを溶融炉で溶融して溶湯を得る工程;
(2)溶湯にMgを添加して黒鉛球状化処理を行う工程;
(3)溶湯にBiを添加して高靭性化処理を行う工程;及び
(4)溶湯を所定の形状に鋳込む工程、
を含むのが好ましい。
(1)球状黒鉛鋳鉄の各成分組成(ただし、Bi又はBi及びAlを除く)となるように、原材料を調整し、これを溶融炉で溶融して溶湯を得る工程;
(2)溶湯にMgを添加して黒鉛球状化処理を行う工程;
(3)溶湯にBiを添加して高靭性化処理を行う工程;及び
(4)溶湯を所定の形状に鋳込む工程、
を含むのが好ましい。
高靭性化のための接種剤として添加されるBiの形態としては、Biを直接添加してもよいし、Biを合金化して(例えば、Ca−Bi−Al合金)、当該合金を接種剤として添加してもよい。Biは融点が低いため、溶湯の温度によりBiの酸化等が生じて溶湯に吸収されないことがある。そのため、溶湯への吸収されやすさの観点から、Ca−Bi−Al合金を用いるのが好ましい。
Biを溶湯に添加する方法は、炉内添加、取鍋接種、注湯流接種、鋳型内接種(インモールド接種)等を選択することができる。炉内添加及び取鍋接種の場合、鋳型への注湯まで時間を要するため、添加したBiが酸化されやすくなり、Biが球状黒鉛析出の核となりにくいことがある。また、鋳型内接種の場合、添加したBiと溶湯との接触時間が短くなり、Biが球状黒鉛析出の核となりにくいことがありうる。そのため、Biが球状黒鉛析出の核となりやすいという観点から注湯流接種が好ましい。
すなわち、本実施形態の球状黒鉛鋳鉄の好ましい製造方法としては、鉄鋼材料(鋼屑)を溶融し溶湯を得て、当該溶湯に黒鉛球状化処理をした後、当該溶湯に対して、Ca−Al−Bi合金を注湯流接種により接種する。この際、溶湯の温度(注湯温度)は、好ましくは1380〜1650℃、より好ましくは1380〜1550℃、さらに好ましくは1380〜1450℃、特に好ましくは1380〜1410℃である。溶湯に対して注湯流接種が行われた後、所定形状の鋳型へ注湯され所定形状に鋳造される。
接種されるCa−Al−Bi合金としては、質量比で、好ましくはCa:Al:Biが、1〜20:1〜2:1〜15である。また、Ca−Al−Bi合金は、溶湯に対して、球状黒鉛鋳鉄の成分組成におけるAl含有量及びBi含有量となるように接種するのが好ましい。
上記成分組成を有する本実施形態の球状黒鉛鋳鉄は、引張強さが400N/mm2以上、伸びが15%以上、−20℃の低温衝撃値9J/cm2以上である。
このため、本実施形態の球状黒鉛鋳鉄は、より強靭性が求められる例えばステアリングナックル、ロアアーム、アッパーアーム、サスペンションなどの足回り部品や、シリンダーヘッド、クランクシャフト、ピストンなどのエンジン部品への適用が可能となる。本実施形態の球状黒鉛鋳鉄を用いた球状黒鉛鋳鉄製品も本発明に包含される。
なお、上述した引張強さ、伸び、低温衝撃値、パーライト率、黒鉛粒数の測定方法については、後述する実施例で詳細に説明する。
本発明の他の一実施形態としては、C:3〜4質量%、Si:2〜2.7質量%、Mn:0.55質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.03質量%以下、Mg:0.03〜0.06質量%、Bi:0.001〜0.01質量%、Al:0.06質量%、残部:Feおよび不可避不純物からなり、引張強さが400N/mm2以上、伸びが15%以上、−20℃の低温衝撃値9J/cm2以上である球状黒鉛鋳鉄である。本実施形態の球状黒鉛鋳鉄の詳細は、上記の実施形態と同様であるため省略する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<試料の作製>
表1及び表2に示す成分となるように、実施例1〜8及び比較例1〜11の球状黒鉛鋳鉄(試料1〜19)を製造した。なお、以下の表1〜5には化学成分として明示しないが、球状黒鉛鋳鉄は、その主成分であるFeを含有しており、表1〜表5の成分とFeと不可避不純物とにより100質量%とする。表1〜表5に示した化学成分データは、それぞれの溶湯から作製した試料1〜46を発光分光分析装置で分析した値である。
表1及び表2に示す成分となるように、実施例1〜8及び比較例1〜11の球状黒鉛鋳鉄(試料1〜19)を製造した。なお、以下の表1〜5には化学成分として明示しないが、球状黒鉛鋳鉄は、その主成分であるFeを含有しており、表1〜表5の成分とFeと不可避不純物とにより100質量%とする。表1〜表5に示した化学成分データは、それぞれの溶湯から作製した試料1〜46を発光分光分析装置で分析した値である。
(実施例1〜7)
表1に示す成分となるように、実施例1〜7の球状黒鉛鋳鉄(試料1〜7)を製造した。具体的には、表1において、鉄鋼材料(鋼屑)を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型(砂型)に注湯(1380〜1410℃)し、所定形状に鋳造した。この注湯の際には、Ca−Al−Bi合金により注湯流接種を行った。なお、各試料1〜7において、質量比でCa:Al:Bi=1〜20:1〜2:1〜15となるCa−Al−Bi合金を用いて、試料1〜3はBi含有量が0.0015質量%、試料4〜7はBi含有量が0.003質量%となるように接種した。
表1に示す成分となるように、実施例1〜7の球状黒鉛鋳鉄(試料1〜7)を製造した。具体的には、表1において、鉄鋼材料(鋼屑)を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型(砂型)に注湯(1380〜1410℃)し、所定形状に鋳造した。この注湯の際には、Ca−Al−Bi合金により注湯流接種を行った。なお、各試料1〜7において、質量比でCa:Al:Bi=1〜20:1〜2:1〜15となるCa−Al−Bi合金を用いて、試料1〜3はBi含有量が0.0015質量%、試料4〜7はBi含有量が0.003質量%となるように接種した。
その後、常温まで冷却した後、鋳型から取り出して所定形状の試料1〜7が得られた。
(比較例1〜3)
表1に示す成分となるように、比較例1〜3の球状黒鉛鋳鉄(試料8〜10)を製造した。具体的には、実施例1〜7のCa−Al−Bi合金による注湯流接種を行わず、比較例1ではフェロシリコン(Fe−Si)接種剤をインモールド接種し、比較例2では接種を行わず、比較例3ではフェロシリコン接種剤の注湯流接種を行った以外は実施例1〜7と同様にして、所定形状に鋳造し、試料8〜10を作製した。フェロシリコン接種剤としては、Fe:Si=25:75のものを用いた。
表1に示す成分となるように、比較例1〜3の球状黒鉛鋳鉄(試料8〜10)を製造した。具体的には、実施例1〜7のCa−Al−Bi合金による注湯流接種を行わず、比較例1ではフェロシリコン(Fe−Si)接種剤をインモールド接種し、比較例2では接種を行わず、比較例3ではフェロシリコン接種剤の注湯流接種を行った以外は実施例1〜7と同様にして、所定形状に鋳造し、試料8〜10を作製した。フェロシリコン接種剤としては、Fe:Si=25:75のものを用いた。
(比較例4)
表2に示す成分となるように、比較例4の球状黒鉛鋳鉄(試料11)を製造した。具体的には、実施例1〜7と同様にして、Ca−Al−Bi合金により注湯流接種を行った後、所定形状に鋳造し、試料11を作製した。
表2に示す成分となるように、比較例4の球状黒鉛鋳鉄(試料11)を製造した。具体的には、実施例1〜7と同様にして、Ca−Al−Bi合金により注湯流接種を行った後、所定形状に鋳造し、試料11を作製した。
(比較例5)
表2に示す成分となるように、比較例5の球状黒鉛鋳鉄(試料12)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、炉内で、Si:40質量%、Ca:14質量%、Ba:20質量%及びFe:26質量%が含まれたSi−Ca−Ba−Fe合金を0.3質量%添加した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料12を作製した。
表2に示す成分となるように、比較例5の球状黒鉛鋳鉄(試料12)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、炉内で、Si:40質量%、Ca:14質量%、Ba:20質量%及びFe:26質量%が含まれたSi−Ca−Ba−Fe合金を0.3質量%添加した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料12を作製した。
(比較例6)
表2に示す成分となるように、比較例6の球状黒鉛鋳鉄(試料13)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料13を作製した。この注湯の際には、Fe−Si−Ca−Al合金による注湯流接種を行った。
表2に示す成分となるように、比較例6の球状黒鉛鋳鉄(試料13)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料13を作製した。この注湯の際には、Fe−Si−Ca−Al合金による注湯流接種を行った。
(比較例7)
表2に示す成分となるように、比較例7の球状黒鉛鋳鉄(試料14)を製造した。具体的には、実施例1〜7と同様にしてCa−Al−Bi合金の注湯流接種を行い所定形状に鋳造し、試料14を作製した。
表2に示す成分となるように、比較例7の球状黒鉛鋳鉄(試料14)を製造した。具体的には、実施例1〜7と同様にしてCa−Al−Bi合金の注湯流接種を行い所定形状に鋳造し、試料14を作製した。
(比較例8)
表2に示す成分となるように、比較例8の球状黒鉛鋳鉄(試料15)を製造した。具体的には、実施例1〜7におけるCa−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりに、フェロシリコン接種剤の注湯流接種を行なった以外は、実施例1〜7と同様にして、所定形状に鋳造し、試料15を作製した。
表2に示す成分となるように、比較例8の球状黒鉛鋳鉄(試料15)を製造した。具体的には、実施例1〜7におけるCa−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりに、フェロシリコン接種剤の注湯流接種を行なった以外は、実施例1〜7と同様にして、所定形状に鋳造し、試料15を作製した。
(実施例8)
表2に示す成分となるように、実施例1〜7と同様にして、実施例8の球状黒鉛鋳鉄(試料16)を作製した。
表2に示す成分となるように、実施例1〜7と同様にして、実施例8の球状黒鉛鋳鉄(試料16)を作製した。
(比較例9)
表2に示す成分となるように、比較例9の球状黒鉛鋳鉄(試料17)を製造した。Ca−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりにBi金属粉を注湯流接種すること以外は、実施例1〜7と同様にして所定形状に鋳造し、試料17を作製した。なお、Bi金属粉の注湯流接種は、Biの含有量が0.003質量%となるように行った。
表2に示す成分となるように、比較例9の球状黒鉛鋳鉄(試料17)を製造した。Ca−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりにBi金属粉を注湯流接種すること以外は、実施例1〜7と同様にして所定形状に鋳造し、試料17を作製した。なお、Bi金属粉の注湯流接種は、Biの含有量が0.003質量%となるように行った。
(比較例10)
表2に示す成分となるように、比較例10の球状黒鉛鋳鉄(試料18)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料18を作製した。この注湯の際には、Ca−Al−Ba合金による注湯流接種を行った。なお、Al含有量が0.010質量%、Bi含有量が0.0010質量%となるように接種した。
表2に示す成分となるように、比較例10の球状黒鉛鋳鉄(試料18)を製造した。表2の成分を含む材料を準備して、高周波加熱誘導炉を用いて大気溶融した後、溶湯を1500〜1515℃で出湯し、取鍋内で黒鉛球状化処理を行った。その後、所定形状の鋳型に注湯温度1380〜1410℃で注湯して所定形状に鋳造し、試料18を作製した。この注湯の際には、Ca−Al−Ba合金による注湯流接種を行った。なお、Al含有量が0.010質量%、Bi含有量が0.0010質量%となるように接種した。
(比較例11)
表2に示す成分となるように、比較例11の球状黒鉛鋳鉄(試料19)を製造した。Ca−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりにCa−Al−Bi合金をインモールド接種すること以外は、実施例1〜7と同様にして所定形状に鋳造し、試料19を作製した。なお、インモールド処理は、Al含有量が0.012質量%、Bi含有量が0.0030質量%となるように行った。
表2に示す成分となるように、比較例11の球状黒鉛鋳鉄(試料19)を製造した。Ca−Al−Bi合金の注湯流接種の代わりにCa−Al−Bi合金をインモールド接種すること以外は、実施例1〜7と同様にして所定形状に鋳造し、試料19を作製した。なお、インモールド処理は、Al含有量が0.012質量%、Bi含有量が0.0030質量%となるように行った。
<測定>
試料1〜19について、下記の方法に従ってパーライト率、黒鉛粒数、引張強さ、伸び、低温衝撃値を測定した。各結果をそれぞれ表1、表2に示す。また、試料16の鋳鉄の組織写真を図1に示す。
試料1〜19について、下記の方法に従ってパーライト率、黒鉛粒数、引張強さ、伸び、低温衝撃値を測定した。各結果をそれぞれ表1、表2に示す。また、試料16の鋳鉄の組織写真を図1に示す。
(パーライト率)
パーライト率は、鋳鉄の組織において、光学顕微鏡の倍率を100倍として観察箇所を画像として取り込んだ後、その組織写真の画像処理によって、(1)黒鉛を除いた組織を抽出し、(2)黒鉛及びフェライトを除き、パーライト組織を抽出し、(パーライトの面積)/(パーライト+フェライトの面積)によって算出した。
パーライト率は、鋳鉄の組織において、光学顕微鏡の倍率を100倍として観察箇所を画像として取り込んだ後、その組織写真の画像処理によって、(1)黒鉛を除いた組織を抽出し、(2)黒鉛及びフェライトを除き、パーライト組織を抽出し、(パーライトの面積)/(パーライト+フェライトの面積)によって算出した。
(黒鉛粒数)
黒鉛粒数は、鋳鉄の組織において、光学顕微鏡の倍率を100倍として観察箇所を画像として取り込んだ後、画像解析システムにより2値化を行ない、マトリクスより暗い部分(黒鉛に相当)の個数の測定を行なった。測定結果は5か所の観察箇所についての平均値とした。
黒鉛粒数は、鋳鉄の組織において、光学顕微鏡の倍率を100倍として観察箇所を画像として取り込んだ後、画像解析システムにより2値化を行ない、マトリクスより暗い部分(黒鉛に相当)の個数の測定を行なった。測定結果は5か所の観察箇所についての平均値とした。
(引張強さと伸び)
所定形状の試料1〜19を切断し、旋盤加工によりJIS Z 2241に準拠した引張試験片(4号試験片)を作製し、アムスラー万能試験機を用いてJIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、室温(23℃±5℃)での引張強さと伸びとを測定した。
所定形状の試料1〜19を切断し、旋盤加工によりJIS Z 2241に準拠した引張試験片(4号試験片)を作製し、アムスラー万能試験機を用いてJIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、室温(23℃±5℃)での引張強さと伸びとを測定した。
(低温衝撃値)
低温衝撃値として、−20℃での低温衝撃試験を行った。所定形状の試料1〜19からJIS Z 2242に準拠したUノッチ付衝撃試験片を作製し、シャルピー衝撃試験機を用いて−20℃(−20℃±2℃)での衝撃試験を行い、衝撃値を測定した。
低温衝撃値として、−20℃での低温衝撃試験を行った。所定形状の試料1〜19からJIS Z 2242に準拠したUノッチ付衝撃試験片を作製し、シャルピー衝撃試験機を用いて−20℃(−20℃±2℃)での衝撃試験を行い、衝撃値を測定した。
試料1〜7(実施例1〜7)の結果から、Ca−Al−Bi合金の注湯流接種により所望の靭性を有する球状黒鉛鋳鉄が得られていることがわかる。一方、試料8〜10(比較例1〜3)の結果により、Mn含有量が同程度で、Ca−Al−Bi合金の注湯流接種を行っていない場合、得られた球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数が明らかに少なく、所望の低温衝撃値が得られていない。
試料15と試料16とは、Mnを0.5質量%程度含有する試料である。そして、試料15と試料16とは、試料16にはBi及びAlが含有されていること以外、その成分組成がほぼ同じである。しかしながら、試料16は、試料15に比べて、黒鉛粒数が増加し、パーライト率が低い。そうして、試料15は所望の低温衝撃値が得られていないのに対して、試料16は所望の低温衝撃値が得られている。すなわち、Bi等の添加により、その球状黒鉛鋳鉄の組織が変わり、靭性が向上したものと考えられる。
以上のように、球状黒鉛鋳鉄において、Bi含有による黒鉛粒数の増加と、パーライト率の低減との効果は明らかである。
<Bi含有による効果の検討>
次に、黒鉛粒数や低温衝撃値等へ対するMn及びBiの含有量との関係について、試料20〜46を製造し検討した。
次に、黒鉛粒数や低温衝撃値等へ対するMn及びBiの含有量との関係について、試料20〜46を製造し検討した。
(Mn含有量と低温衝撃値との相関性)
表3に示す成分となるように、表3に記載の製造法に従って、各試料20〜24(比較例12〜14、実施例9)を製造した。そして、各試料20〜24を用いて、低温衝撃値を測定した。表3において、低温衝撃値が9J/cm2以上の場合、低温衝撃性の評価を「○」とし、9J/cm2未満の場合、低温衝撃性の評価を「×」とした。なお、実施例9の試料24については、パーライト率が30%以下、黒鉛粒数が250〜500個/mm2の範囲内であり、引張強さが400MPa以上、伸びが15%以上であることを確認した。
表3に示す成分となるように、表3に記載の製造法に従って、各試料20〜24(比較例12〜14、実施例9)を製造した。そして、各試料20〜24を用いて、低温衝撃値を測定した。表3において、低温衝撃値が9J/cm2以上の場合、低温衝撃性の評価を「○」とし、9J/cm2未満の場合、低温衝撃性の評価を「×」とした。なお、実施例9の試料24については、パーライト率が30%以下、黒鉛粒数が250〜500個/mm2の範囲内であり、引張強さが400MPa以上、伸びが15%以上であることを確認した。
各試料20〜24を用いて、Mn含有量と低温衝撃値との関係を調べた。各試料20〜24の低温衝撃値の測定結果に基づき、Mn含有量に対する低温衝撃値をプロットし、グラフで示した(図2)。図2において、○が実施例であり、▲が比較例のプロットである。図2に示されるように、Mn含有量が同程度の場合、Biの添加により低温衝撃値が顕著に改善される。
(黒鉛粒数及びパーライト率による低温衝撃値との相関性)
表4に示す成分となるように、表4に記載の製造法に従って、各試料25〜38(実施例10〜18、比較例16〜20)を製造した。そして、各試料25〜38のパーライト率、黒鉛粒数、引張強さ、伸び、低温衝撃値を測定した。
表4に示す成分となるように、表4に記載の製造法に従って、各試料25〜38(実施例10〜18、比較例16〜20)を製造した。そして、各試料25〜38のパーライト率、黒鉛粒数、引張強さ、伸び、低温衝撃値を測定した。
また、実施例10〜18及び比較例16〜20の試料25〜38を用いて、黒鉛粒数とパーライト率との関係を調べた。試料25〜38の黒鉛粒数とパーライト率の測定結果に基づき、黒鉛粒数に対するパーライト率を、−20℃での低温衝撃値が所定値(9J/cm2)を達成した場合は○でプロットし、達成しなかった場合は×でプロットして、グラフで示した(図3)。
図3に示されるように、−20℃での低温衝撃値が所定値(9J/cm2)を達成したのは黒鉛粒数が250〜500個/mm2でパーライト率が30%以下である実施例に相当する試料25,28〜35であった。
(Bi含有量と黒鉛粒数との相関性)
表5に示す成分となるように、実施例1〜7と同様にしてCa−Al−Bi合金の注湯流接種を行い、各試料39〜46(実施例19〜23、比較例21〜23)を製造し、パーライト率、黒鉛粒数、低温衝撃値を測定した。なお、実施例の試料39〜41,45,46については、引張強さが400MPa以上、伸びが15%以上、低温衝撃値が9J/cm2であることを確認した。
表5に示す成分となるように、実施例1〜7と同様にしてCa−Al−Bi合金の注湯流接種を行い、各試料39〜46(実施例19〜23、比較例21〜23)を製造し、パーライト率、黒鉛粒数、低温衝撃値を測定した。なお、実施例の試料39〜41,45,46については、引張強さが400MPa以上、伸びが15%以上、低温衝撃値が9J/cm2であることを確認した。
各試料39〜46を用いて、Bi含有量と黒鉛粒数との関係を調べた。各試料39〜46の黒鉛粒数の測定結果に基づき、Bi含有量に対する黒鉛粒数をプロットし、グラフで示した(図4)。
図4に示されるように、黒鉛粒数はBiの添加により増加していることがわかる。また、Biの含有量が0.003質量%を超えると、Biの添加量と黒鉛粒数の増加効果との間に相関関係が見られないことが示された。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
Claims (3)
- 質量%で、
C: 3〜4質量%、
Si: 2〜2.7質量%、
Mn: 0.55質量%以下、
P: 0.1質量%以下、
S: 0.03質量%以下、
Mg: 0.03〜0.06質量%、
Bi: 0.001〜0.01質量%、
Al: 0.06質量%以下、
を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる成分組成を有し、
基地組織のパーライト率が30%以下であり、
黒鉛粒数が250〜500個/mm2であることを特徴とする、球状黒鉛鋳鉄。 - 質量%で、
C: 3〜4質量%、
Si: 2〜2.7質量%、
Mn: 0.55質量%以下、
P: 0.1質量%以下、
S: 0.03質量%以下、
Mg: 0.03〜0.06質量%、
Bi: 0.001〜0.01質量%、
Al: 0.06質量%以下、
を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる成分組成を有し、
引張強さが400N/mm2以上、伸びが15%以上、−20℃の低温衝撃値9J/cm2以上であることを特徴とする、球状黒鉛鋳鉄。 - 請求項1又は2に記載の球状黒鉛鋳鉄を用いた球状黒鉛鋳鉄製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018066020A JP2019173146A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112921230A (zh) * | 2021-01-15 | 2021-06-08 | 西安合力汽车配件有限公司 | 一种螺钉渗碳件的改进方法 |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018066020A patent/JP2019173146A/ja active Pending
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