JP2019172746A - ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。 - Google Patents

ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2019172746A
JP2019172746A JP2018060132A JP2018060132A JP2019172746A JP 2019172746 A JP2019172746 A JP 2019172746A JP 2018060132 A JP2018060132 A JP 2018060132A JP 2018060132 A JP2018060132 A JP 2018060132A JP 2019172746 A JP2019172746 A JP 2019172746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamic acid
polyimide
polyimide film
dianhydride
diamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018060132A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7084755B2 (ja
Inventor
真理 宇野
Mari Uno
真理 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2018060132A priority Critical patent/JP7084755B2/ja
Publication of JP2019172746A publication Critical patent/JP2019172746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7084755B2 publication Critical patent/JP7084755B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、高透明性、低複屈折を有するポリイミド、およびポリイミドの形成に用いるポリアミド酸の提供することである。【解決手段】 ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重付加反応物であるポリアミド酸であって、前記ジアミンが、m−フェニレンジアミンを含み、前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物のうち、少なくとも1種以上を含み、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下であることを特徴とするポリアミド酸および前記アミド酸より得られるポリイミドにより、上記課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、およびポリイミド膜に関する。さらに、本発明はポリイミド膜を備える積層体およびフレキシブルデバイスに関する。
ディスプレイ、太陽電池、タッチパネル等の電子デバイスにおいて、デバイスの薄型化、軽量化、およびフレキシブル化が要求されており、ガラス基板に代えてプラスチックフィルム基板の利用が検討されている。
これらの電子デバイスの製造プロセスでは、基板上に、薄膜トランジスタや透明電極等の電子素子が設けられる。電子素子の形成は高温プロセスを要するため、プラスチックフィルム基板には高温プロセスに適応可能な耐熱性が要求される。主に無機材料からなる電子素子をプラスチックフィルム基板上に形成した場合、無機材料とプラスチックフィルム基板の熱膨張係数の違いに起因して、素子形成界面に応力が生じ、基板の反りや素子の破壊が生じる場合がある。そのため、耐熱性を有しながら、基材とプラスチック基板の間に生じる応力が小さいことが求められる。素子から発せられる光がプラスチックフィルム基板を通って出射する場合(例えば、ボトムエミッション型の有機EL等)は、基板材料に透明性が求められる。
さらに、表示素子(液晶、有機ELなど)から発せられる光がプラスチックフィルム基板を通って出射されるような場合(例えば、ボトムエミッション型の有機ELなど)、基板材料には透明性が必要となる。特に、可視光領域での光透過率が高いことが要求される。また、位相差フィルムや偏光板を光が通過する場合は(例えば、液晶ディスプレイ、タッチパネルなど)透明性に加えて、光学的等方性が高いことが必要とされる。
これらデバイス作製プロセスはバッチタイプとロール・トゥ・ロールタイプに分けられる。ロール・トゥ・ロールの作製プロセスを採用するためには、後述の通りガラス基板用プロセス設備がロール・トゥ・ロールタイプに適用していないことより、新たな設備が必要となる。またさらに回転と接触に起因するいくつかの問題を克服しなければならない。
一方、バッチタイプは、ガラス基板上にコーティング樹脂溶液を塗布、乾燥し、基板形成した後、剥がすというプロセスになる。そのため、バッチタイプは、現行TFT等のガラス基板用プロセス設備を利用することができるため、コスト面で優位である。このような背景から、既存のバッチプロセス対応が可能で、耐熱性、低熱膨張性、透明性にすぐれ、さらには低複屈折を示す材料の開発が強く望まれている。
このような材料として、フッ素を含有し、透明性が高く、ディスプレイ材料用途に適応可能なポリイミドが知られており(特許文献1)、特許文献2には、フッ素を含有しない透明ポリイミドに関して記載されている。また、特許文献3には、ナノ粒子をポリイミドに複合化し、透明かつ複屈折の小さいポリイミドに関して記載がある。
特開2011−074384号公報 特開平08−225645号公報 WO2017/150377号公報
ポリイミドは、フッ素を含有させることで透過率を高くすることができるが、フッ素が含有していることが、電子材料用途にとって好ましくない場合がある。また特許文献1に記載のポリイミドは、複屈折の値が高く、限られた用途にのみ適応可能である。上記実情に鑑みて、本発明は、高透明性、低複屈折を有するポリイミド、およびポリイミドの形成に用いるポリアミド酸の提供を目的とする。
上記を達成の為に検討を重ねた結果、特定の構造のポリアミド酸を用いる事によって、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、以下の構成をなす。
1).ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重付加反応物であるポリアミド酸であって、
前記ジアミンが、m−フェニレンジアミンを含み、
前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物のうち、少なくとも1種以上を含み、
テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下であることを特徴とするポリアミド酸。
2).ポリアミド酸におけるテトラカルボン酸二無水物成分の全量100mol%に対するs−BPDA、a−BPDAおよびBPAFの合計が、90mol%以上であることを特徴とする1)に記載のポリアミド酸。
3).1)または2)に記載のポリアミド酸と有機溶媒とを含有する、ポリアミド酸溶液。
4).ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重縮合反応物であるポリイミドであって、前記ジアミンが、m−フェニレンジアミンを含み、
前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物をテトラカルボン酸無水物のうち、少なくとも1種以上を含み、
テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下であることを特徴とするポリイミド。
5).ポリアミド酸におけるテトラカルボン酸二無水物成分の全量100mol%に対するs−BPDA、a−BPDAおよびBPAFの合計が、90mol%以上であることを特徴とする4)に記載のポリイミド。
6).4)または5)に記載のポリイミドを含むポリイミド膜。
7).黄色度が10以下であり、面内の屈折率のうち最大のものをnx、最小のものをnyとし、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx−ny<0.001、且つ、(nx+ny)/2−nz<0.020の関係を満たすことを特徴とする6)に記載のポリイミド膜。
8).基材上に6)または7)に記載のポリイミド膜が設けられた積層体。
9).6)または7)に記載のポリイミド膜上に電子素子を備えるフレキシブルデバイス。
10).3)に記載のポリアミド酸溶液を基材に塗布して、基材上に膜状のポリアミド酸が設けられた積層体を形成し、前記積層体を加熱してポリアミド酸をイミド化するポリイミド膜の製造方法。
11).10)に記載の方法によりポリイミド膜を形成し、前記基材と前記ポリイミド膜を剥離することを特徴とするポリイミド膜の製造方法。
12).レーザー照射により、前記基材とポリイミド膜との剥離が行われる、11)に記載のポリイミド膜の製造方法。
本発明のポリイミド膜は、透明性および光学等方性(低複屈折)に優れ、フレキシブルデバイス用基板等に好適である。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの重付加反応によりポリアミド酸が得られ、ポリアミド酸の脱水閉環反応によりポリイミドが得られる。すなわち、ポリイミドはテトラカルボン酸二無水物とジアミンの重縮合反応物である。本発明のポリアミド酸およびポリイミドは、ジアミン成分としてメタフェニレンジアミン(以下、m−PDAと称することがある)を含み、テトラカルボン酸二無水物成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと称することがある)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと称することがある)および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物(以下、BPAFと称することがある)のうち、少なくとも1種以上を含み、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下である。
(テトラカルボン酸二無水物成分)
酸二無水物成分としてs−BPDA、a−BPDAまたは、BPAFを有するポリイミドは、比較的剛直な構造を有するため、高耐熱性を示しながら、さらに高い透明性をも示す。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いて共重合してもよい。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は、フッ素、スルホニル結合を含まないため、電子材料用途に好適に用いることができる。さらに脂環構造を有していないため、高温プロセスに対応可能な耐熱性を示す。
ポリアミド酸およびポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物成分としてs−BPDA、a−BPDAおよびBPAF以外の成分を含んでいてもよい。これら以外のテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、9,9’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3’,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、パラテルフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、メタテルフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、(1S,2R,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(シス、シス、シス−1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物)、(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、等が挙げられる。
高透明性と低熱膨張性とを両立させる観点から、ポリアミド酸およびポリイミドにおけるテトラカルボン酸二無水物成分の全量100mol%に対するs−BPDA、a−BPDAおよびBPAFの合計は、90mol%以上が好ましく、92%mol以上がより好ましく、95mol%以上がさらに好ましい。
また、光学等方性を発現させる観点から、a−BPDAおよびBPAFの少なくとも1種と含有していることがより好ましく、このとき、a−BPDAおよびBPAFの割合は40mol%以上100mol%以下であることが好ましく、50mol%以上95mol%以下であることがより好ましく、55mol%以上90mol%以下であることが最も好ましい。
(ジアミン成分)
m−PDAは、透明性の向上に寄与する。ポリアミド酸およびポリイミドは、ジアミン成分としてm−PDA以外の成分を含んでいてもよい。m−PDA以外のジアミンとしては、2,2−トリフルオロベンジジン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、9,9’−(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9’−(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−メチレンビス(シクロへキサンアミン)、3,3−ジアミノー4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2―ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、等が挙げられる。
高い透明性と低熱膨張性とを両立させる観点から、ポリアミド酸およびポリイミドにおけるジアミン成分の全量100mol%に対するm−PDAは、90mol%以上が好ましく、95mol%以上がより好ましく、99mol%以上がさらに好ましい。
本発明のポリアミド酸は、高い透明性を発現させる目的からポリアミド酸末端がアミノ基よりも酸無水物基で占められている比率を高くすることが好ましい。即ち、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比は、好ましくは1.001以上1.100以下であり、より好ましくは1.005以上1.050以下である。テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比を1.001以上とすることでポリアミド酸末端が酸無水物基で占められる割合が酸無水物基で占められる割合よりも高くなり、アミノ基の変質による着色を抑制し、高い透明性を発現させることができる。また、強靭なポリイミドフィルムを得るためにはテトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比を1.000に近づけ十分に分子量を高める必要があるが、テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンの総モル数で除したモル比が1.100以下であれば、丈夫なポリイミドフィルムを得ることができる。
(ポリアミド酸およびポリアミド酸溶液)
本発明のポリアミド酸は、公知の一般的な方法により合成できる。例えば、有機溶媒中でジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより、ポリアミド酸溶液が得られる。ポリアミド酸の重合に使用する有機溶媒は、モノマー成分としてのテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを溶解し、かつ重付加により生成するポリアミド酸を溶解するものが好ましい。有機溶媒としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレア等のウレア系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルホン等のスルホン系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;γ―ブチロラクトン等のエステル系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;シクロペンタノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。通常これらの溶媒は単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。ポリアミド酸の溶解性および反応性を高めるために、有機溶媒は、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒およびエーテル系溶媒からなる群から選択されることが好ましく、特にN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒が好ましい。
ジアミン成分全量のモル数と、テトラカルボン酸二無水物成分全量のモル数との比を調整することにより、ポリアミド酸の分子量を調整できる。ポリアミド酸の合成に用いるモノマー成分には、ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物以外が含まれていてもよい。例えば、分子量の調整等を目的として、一官能のアミンや一官能の酸無水物を用いてもよい。
ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との重付加によるポリアミド酸の合成は、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中で実施することが好ましい。不活性雰囲気中で、有機溶媒中にジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物を溶解させ、混合することにより、重合が進行する。ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の添加順序は特に限定されない。例えば、ジアミンを有機溶媒中に溶解またはスラリー状に分散させて、ジアミン溶液とし、テトラカルボン酸二無水物をジアミン溶液中に添加すればよい。テトラカルボン酸二無水物は、固体の状態で添加してもよく、有機溶媒に溶解、またはスラリー状に分散させた状態で添加してもよい。
反応の温度条件は特に限定されない。解重合によるポリアミド酸の分子量低下を抑制する観点から、反応温度は80℃以下が好ましい。重合反応を適度に進行させる観点から、反応温度は0〜50℃がより好ましい。反応時間は10分〜30時間の範囲で任意に設定すればよい。
本発明のポリアミド酸の重量平均分子量は、10,000〜200,000の範囲が好ましく、30,000〜180,000の範囲がより好ましく、40,000〜150,000の範囲がさらに好ましい。重量平均分子量が10,000以上であれば、ポリアミド酸ポリイミドの膜強度を確保できる。ポリアミド酸の重量平均分子量が200,000以下であれば、溶媒に対して十分な溶解性を示すため、表面が平滑で膜厚が均一な塗膜またはフィルムが得られやすい。分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算の値である。
有機溶媒中でジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより、ポリアミド酸溶液が得られる。ポリアミド酸溶液に溶媒を添加して、ポリアミド酸の濃度や溶液の固形分濃度を調整してもよい。ポリアミド酸溶液には、ポリアミド酸の脱水閉環によるイミド化の促進や、イミド化の抑制による溶液保管性(ポットライフ)向上等を目的とした添加剤が含まれていてもよい。
ポリアミド酸溶液にシランカップリング剤を配合することにより、ポリアミド酸の塗膜および脱水閉環により生成するポリイミド膜と基材との密着性が向上する傾向がある。シランカップリング剤の配合量は、ポリアミド酸100重量部に対して1.0重量部以下が好ましく、0.5重量部以下がより好ましく、0.1重量部以下がさらに好ましい。シランカップリング剤は、ポリアミド酸溶液に添加してもよく、ポリアミド酸の重合反応前または重合反応中の溶液に添加してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いることにより、ポリアミド酸の末端にシランカップリング剤に由来する構造を導入できる。ポリアミド酸の重合系にアミノ基を有するシランカップリング剤を添加する場合は、ポリアミド酸の分子量を高く保つために、ポリアミド酸(テトラカルボン酸二無水物とジアミンの合計)100重量部に対するシランカップリング剤の配合割合を1.0重量部以下とすることが好ましい。
(ポリイミドおよびポリイミド膜)
上記のポリアミド酸およびポリアミド酸溶液は、そのまま、製品や部材を作製するための材料として用いてもよく、バインダー樹脂や添加剤等を配合して、樹脂組成物を調製してもよい。耐熱性および機械特性に優れることから、ポリアミド酸を脱水閉環によりイミド化してポリイミドとして用いることが好ましい。脱水閉環は、共沸溶媒を用いた共沸法、熱的手法または化学的手法により行われる。溶液の状態でイミド化を行う場合は、イミド化剤および/または脱水触媒をポリアミド酸溶液に添加して、化学的イミド化を行うことが好ましい。ポリアミド酸溶液から溶媒を除去して膜状のポリアミド酸を形成し、膜状のポリアミド酸をイミド化する場合は、熱イミド化が好ましい。例えば、ガラス、シリコンウエハー、銅板やアルミ板等の金属板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム基材に、ポリアミド酸溶液を塗布して塗膜を形成した後、熱処理を行えばよい。
ポリアミド酸溶液の基材への塗布は、グラビアコート法、スピンコート法、シルクスクリーン法、ディップコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の公知の方法により行い得る。イミド化の際の加熱温度および加熱時間は、適宜決定すればよい。加熱温度は、例えば80℃〜500℃の範囲内である。
発明のポリイミドは、透明性および熱寸法安定性に優れるため、ガラス代替用途の透明基板として使用可能であり、TFT基板材料、透明電極基板材料、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ部材、反射防止膜、ホログラム、建築材料、構造物等への利用が期待される。特に、本発明のポリイミド膜は、熱寸法安定性に優れるため、TFT基板や電極基板等の電子デバイス透明基板として好適に用いられる。電子デバイスとしては、液晶表示装置、有機ELおよび電子ペーパー等の画像表示装置、タッチパネル、太陽電池等が挙げられる。これらの用途において、ポリイミド膜の厚みは、1〜200μm程度であり、5〜100μm程度が好ましい。
電子デバイスの製造プロセスでは、基板上に、薄膜トランジスタや透明電極等の電子素子が設けられる。フィルム基板上への素子の形成プロセスは、バッチタイプとロール・トゥ・ロールタイプに分けられる。ロール・トゥ・ロールプロセスでは、長尺のフィルム基板を搬送しながら、フィルム基板上に電子素子が順次設けられる。バッチプロセスでは、無アルカリガラス等の剛性基材上にフィルム基板を形成して積層体を形成し、積層体のフィルム基板上に電子素子を設けた後、フィルム基板から基材を剥離する。本発明のポリイミド膜はいずれのプロセスにも適用可能である。バッチプロセスは、現行のガラス基板用の設備を利用することができるため、コスト面で優位である。以下では、ガラス基材上にポリイミド膜が設けられた積層体を経由するポリイミド膜の製造方法の一例について説明する。
まず、基材にポリアミド酸溶液を流延してポリアミド酸溶液の塗膜を形成し、基材と塗膜との積層体を40〜200℃の温度で3〜120分加熱することにより溶媒を乾燥してポリアミド酸膜を得る。例えば、50℃にて30分、続いて100℃にて30分のように、2段階以上の設定温度で乾燥を行ってもよい。この基材とポリアミド酸膜との積層体を加熱することにより、ポリアミド酸の脱水閉環によるイミド化を行う。イミド化のための加熱は、例えば温度200〜500℃で行われ、加熱時間は例えば3分〜300分である。イミド化のための加熱は、低温から徐々に高温にして、最高温度まで昇温することが好ましい。昇温速度は2〜10℃/分が好ましく、4〜10℃/分がより好ましい。最高温度は250〜450℃が好ましく、300℃〜400℃が好ましく、350℃〜380℃が最も好ましい。最高温度が250℃以上であれば、十分にイミド化が進行し、さらに高温プロセスに適応可能な特性を発現させることができる。また、最高温度が450℃以下であれば、ポリイミドの熱劣化や着色を抑制できる。最高温度に到達するまでに任意の温度で任意の時間保持してもよい。イミド化は、空気下、減圧下、または窒素等の不活性ガス中のいずれで行ってもよい。透明性の高いポリイミド膜を得るためには、減圧下、または窒素等の不活性ガス中での加熱が好ましい。加熱装置としては、熱風オーブン、赤外オーブン、真空オーブン、イナートオーブン、ホットプレート等の公知の装置が用いられる。加熱時間の短縮や特性発現のために、イミド化剤や脱水触媒を添加したポリアミド酸溶液を上記のような方法で加熱してイミド化してもよい。
バッチタイプのデバイス作製プロセスにおいては、基材と基材上に形成したポリイミドとの内部応力が生じると、基材とポリイミドとの積層体に反りが生じ、製造プロセスに適さない。すなわち、基材とポリイミドとの内部応力は小さいことが好まく、具体的には−30MPa以上60MPa未満であることが好ましく、−20MPa以上55MPa未満であることがより好ましく、−10MPa以上50MPa未満であることがさらに好ましい。
バッチプロセスにより基板上に電子素子を形成する場合は、ガラス等の基材上にポリイミド膜が設けられた積層体上に素子を形成した後、ポリイミド膜から基材を剥離することが好ましい。基材から剥離後のポリイミド膜上に素子を形成してもよい。
基材からポリイミド膜を剥離する方法は特に限定されない。例えば、手で引き剥がしてもよく、駆動ロール、ロボット等の剥離装置を用いてもよい。基材とポリイミド膜との密着性を低下させることにより剥離を行ってもよい。例えば、剥離層を設けた基材上にポリイミド膜を形成してもよい。多数の溝を有する基板上に酸化シリコン膜を形成し、エッチング液を浸潤させることにより剥離を促進してもよい。レーザー光の照射より剥離を行ってもよい。
レーザー照射により基材とポリイミドを剥離する場合は、ポリイミド膜にレーザー光を吸収させる必要があるため、ポリイミド膜のカットオフ波長(透過率が0.1%以下となる波長)は、剥離に使用するレーザー光の波長よりも長波長であることが求められる。例えば、波長308nmのXeClエキシマレーザーを用いる場合は、ポリイミド膜のカットオフ波長は310nm以上が好ましく、320nm以上がより好ましい。波長355nmの固体UVレーザーを用いる場合は、ポリイミド膜のカットオフ波長は360nm以上が好ましく、365nm以上がより好ましい。
一般的にポリイミドは短波長側の光を吸収しやすく、カットオフ波長が長波長側に移動すると可視光の吸収に起因して膜が黄色に着色する場合がある。本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物成分におけるPMDA比率を高めると、カットオフ波長が長波長側に移動する傾向がある。カットオフ波長が可視光領域に及ばない範囲で、テトラカルボン酸二無水物成分としてPMDAを含めることにより、透明性および熱寸法安定性に加えて、UVレーザーによる剥離プロセスに適した紫外線吸収特性を持たせることができる。ポリイミド膜のカットオフ波長は390nm以下が好ましく、385nm以下がより好ましく、380nm以下がさらに好ましい。
透明フレキシブル基板用途において、ポリイミド膜は可視光の全波長領域で透過率が高いことが要求される。透明性の指標として黄色度(YI)を用いて評価した。YIが10以下であることが好ましく、9以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。YIが10以下であれば、着色が少なく、ディスプレイ材料として好適に用いることができる。
ポリイミド膜の透明性は、例えば、JIS K7105−1981に従った全光線透過率およびヘイズによって評価することもできる。ポリイミド膜の全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。ポリイミド膜のヘイズは、1.5%以下が好ましく、1.2%以下がより好ましく、1.0%以下がさらに好ましい。
本発明のポリイミド膜は、複屈折が小さい方が好ましい。ポリイミドは、面内に配向しやすいため、面内方向と厚み方向での屈折率の差(複屈折)が大きく、特に低熱膨張特性を示すポリイミドの場合複屈折が大きくなることが多い。本発明の用途に用いるためには、面内の屈折率のうち最大のものをnx、最小のものをny、厚み方向の屈折率をnzと定義したとき、
nx−ny<0.0002、且つ、(nx+ny)/2−nz<0.020
を満たすことが好ましく、より光学的等方性が高い方が好ましいために
nx−ny<0.0010、且つ、(nx+ny)/2−nz<0.020
を満たすことがより好ましく、
nx−ny<0.0010、且つ、(nx+ny)/2−nz<0.015を満たすことがさらに好ましい。ここで、(nx+ny)/2−nzは面内方向と厚み方向の屈折率の差、すなわち複屈折を表しており、この値が低いほど光学的に等方性が優れ好ましい。
本発明に係るポリイミド膜は、耐熱性、透明性に優れ、さらに低複屈折を示す機械強度にも優れた性質を示し、これらの特性が有効とされる分野・製品、例えば、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ、光学フィルム、液晶表示装置、有機EL及び電子ペーパー等の画像表示装置、3−Dディスプレイ、タッチパネル、透明導電膜基板あるいは太陽電池に使用されることが好ましく、さらには現在ガラスが使用されている部分の代替材料とすることがさらに好ましい。即ち、本発明に係るポリアミド酸およびポリイミドは、特に、基板、画像表示装置、光学材料、電子デバイス材料に好適に用いることができる。この基板とは、TFT基板、ITO基板、フレキシブルディスプレイ基板などをいう。この画像表示装置とは、有機EL、電子ペーパー、タッチパネル等をいう。この光学材料とは、カラーフィルターなどをいう。
[評価方法]
材料特性値等は以下の評価法により測定した。
<内部応力測定>
テンコール社製薄膜応力測定装置FLX−2300にて、あらかじめ反り量を計測していたコーニング社製の無アルカリガラス(厚み0.7mm、100mm×100mm)を用いて、実施例ならびに比較例に記載の方法で、ガラス基板とポリイミドの積層体を得た。積層体作成後、10分間デシケーター内で静置ししたのち、装置にセットし、窒素雰囲気下25℃の条件下で、ガラス基板とポリイミドの積層体の反り量を測定した。反り量の値から25℃におけるガラス基板とポリイミド膜の間に生じた内部応力を算出した。
<ポリイミド膜の光透過率およびYI>
日本分光製紫外可視近赤外分光光度計(V−650)を用いて、ポリイミド膜の200〜800nmにおける光透過率を測定し、450nmの波長における光透過率を透明性の指標とした。また、透過率をXYZ表色系で表し、JIS K7373に記載の方法によってYIを算出した。
<ポリイミド膜の全光線透過率およびヘイズ>
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aを用い、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
<ポリイミドの複屈折>
シンテック社製位相差計:OPTIPROにて、測定波長590nmにおける正面位相差および厚み位相差の値を測定した。その値を用いて、nx-nyおよび(nx+ny)/2−nzを算出した。ここで、nx、ny、nzは、面内の屈折率のうち最大のものをnx、最小のものをny、厚み方向の屈折率をnzと定義した。
<ポリイミド膜のガラス転移温度(Tg)>
線熱膨張係数の測定は、日立ハイテクサイエンス社製TMA/SS7100を用いて(サンプルサイズ 幅3mm、長さ10mm、膜厚を測定し、フィルムの断面積を算出)、荷重98.0mNとし、10℃/minで10℃から450℃まで昇温させた。昇温過程における試料の歪の変化量の変曲点をガラス転移温度とした。
<ポリイミド膜の熱膨張係数(CTE)>
線熱膨張係数の測定は、日立ハイテクサイエンス社製TMA/SS7100を用いて(サンプルサイズ 幅3mm、長さ10mm、膜厚を測定し、フィルムの断面積を算出)、荷重29.4mNとし、10℃/minで10℃から300℃まで一旦昇温させた後、40℃/minで降温させたときの、降温時の100〜300℃における単位温度あたりの試料の歪の変化量から線膨張係数を求めた。
[ポリアミド酸の合成]
(実施例1)
ステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機および窒素導入管を装着した2Lのガラス製セパラブルフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称する)400.00g、およびm−PDA26.73gを仕込み、撹拌して溶解させた後、溶液を撹拌しながら、s−BPDA73.27gを加えて24時間撹拌し、ポリアミド酸溶液を得た。この反応溶液におけるジアミン成分およびテトラカルボン酸二無水物成分の仕込み濃度は、反応溶液全量に対して20.0重量%であった。テトラカルボン酸二水物の総モル数を、芳香族ジアミンの総モル数で除したモル比は、1.010である。
(実施例2)
酸二無水物a−BPDA73.27ggに変更して、実施例1と同様にして重合を行い、ポリアミド酸溶液を得たテトラカルボン酸二水物の総モル数を、芳香族ジアミンの総モル数で除したモル比は、1.010である。
(実施例3)
ジアミンの仕込み量をm−PDA18.97gに変更し、酸二無水物をBPAF81.03gに変更して、実施例1と同様にして重合を行い、ポリアミド酸溶液を得た。テトラカルボン酸二水物の総モル数を、芳香族ジアミンの総モル数で除したモル比は、1.010である。
(比較例1)
ジアミンを4,4’−ジアミノジフェニルエーテル40.26gに変更し、酸二無水物をs−BPDA59.74gに変更して、実施例1と同様にして重合を行い、ポリアミド酸溶液を得た。テトラカルボン酸二水物の総モル数を、芳香族ジアミンの総モル数で除したモル比は、1.010である。
(比較例2)
ジアミンの仕込み量をm−PDA27.13gに変更し、酸二無水物をs−BPDA72.86gに変更して、実施例1と同様にして重合を行い、ポリアミド酸溶液を得た。テトラカルボン酸二水物の総モル数を、芳香族ジアミンの総モル数で除したモル比は、0.990である。
[ポリイミド膜の作製]
上記の実施例および比較例で得られたポリアミド酸溶液のそれぞれに、NMPを加えてポリアミド酸濃度が10.0重量%となるように希釈した。スピンコーターを用いて、150mm×150mmの正方形の無アルカリガラス板(コーニング製 イーグルXG、厚さ0.7mm)上に、乾燥後の厚みが10μmになるようにポリアミド酸溶液を塗布し、熱風オーブン内で80℃にて30分乾燥してポリアミド酸膜を形成した。窒素雰囲気下で20℃から350℃まで5℃/分で昇温した後、350℃で60間加熱してイミド化を行い、厚みが10μmのポリイミド膜とガラスとの積層体を得た。得られた積層体のガラス基材からポリイミド膜を剥離して、特性の評価を行った。
各実施例および比較例のポリアミド酸溶液の組成ならびにポリイミド膜の評価結果を表2に示す。表1における組成は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンのそれぞれの合計を100mol%として表している。
Figure 2019172746
表1に示した結果から、実施例のポリイミド膜は、いずれもYIが8以下、複屈折が(nx+ny)/2−nz<0.020であり、透明性と光学的等方性を兼ね備えていた。

Claims (12)

  1. ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重付加反応物であるポリアミド酸であって、
    前記ジアミンが、m−フェニレンジアミンを含み、
    前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物のうち、少なくとも1種以上を含み、
    テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下であることを特徴とするポリアミド酸。
  2. ポリアミド酸におけるテトラカルボン酸二無水物成分の全量100mol%に対するs−BPDA、a−BPDAおよびBPAFの合計が、90mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド酸。
  3. 請求項1または2に記載のポリアミド酸と有機溶媒とを含有する、ポリアミド酸溶液。
  4. ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の重縮合反応物であるポリイミドであって、前記ジアミンが、m−フェニレンジアミンを含み、
    前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および9,9’-(3,4’−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物をテトラカルボン酸無水物のうち、少なくとも1種以上を含み、
    テトラカルボン酸二無水物の総モル数を、ジアミンのモル数で除したモル比が、1.001以上1.100以下であることを特徴とするポリイミド。
  5. ポリアミド酸におけるテトラカルボン酸二無水物成分の全量100mol%に対するs−BPDA、a−BPDAおよびBPAFの合計が、90mol%以上であることを特徴とする請求項4に記載のポリイミド。
  6. 請求項4または5に記載のポリイミドを含むポリイミド膜。
  7. 黄色度が10以下であり、面内の屈折率のうち最大のものをnx、最小のものをnyとし、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx−ny<0.001、且つ、(nx+ny)/2−nz<0.020の関係を満たすことを特徴とする請求項6に記載のポリイミド膜。
  8. 基材上に請求項6または7に記載のポリイミド膜が設けられた積層体。
  9. 請求項6または7に記載のポリイミド膜上に電子素子を備えるフレキシブルデバイス。
  10. 請求項3に記載のポリアミド酸溶液を基材に塗布して、基材上に膜状のポリアミド酸が設けられた積層体を形成し、前記積層体を加熱してポリアミド酸をイミド化するポリイミド膜の製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法によりポリイミド膜を形成し、前記基材と前記ポリイミド膜を剥離することを特徴とするポリイミド膜の製造方法。
  12. レーザー照射により、前記基材とポリイミド膜との剥離が行われる、請求項11に記載のポリイミド膜の製造方法。
JP2018060132A 2018-03-27 2018-03-27 ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。 Active JP7084755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060132A JP7084755B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060132A JP7084755B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019172746A true JP2019172746A (ja) 2019-10-10
JP7084755B2 JP7084755B2 (ja) 2022-06-15

Family

ID=68167727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018060132A Active JP7084755B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7084755B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112625238A (zh) * 2020-11-30 2021-04-09 浙江中科玖源新材料有限公司 一种储存稳定的高分子量聚酰亚胺前体溶液及柔性基板
CN112646180A (zh) * 2020-11-30 2021-04-13 浙江中科玖源新材料有限公司 一种聚酰亚胺前体溶液及聚酰亚胺柔性显示基板
JP2022045330A (ja) * 2020-09-08 2022-03-18 エルジー・ケム・リミテッド ポリイミド系樹脂フィルムおよびこれを用いたディスプレイ装置用基板、並びに光学装置
CN116348296A (zh) * 2020-10-22 2023-06-27 株式会社钟化 聚酰胺酸、聚酰胺酸溶液、聚酰亚胺、聚酰亚胺膜、层叠体、电子器件、及聚酰亚胺膜的制造方法
TWI836262B (zh) 2020-09-08 2024-03-21 南韓商Lg化學股份有限公司 聚醯亞胺類聚合物膜、用於顯示裝置的基板以及光學裝置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5138028A (en) * 1990-02-20 1992-08-11 National Starch And Chemical Investment Holding Corporation Polyimides end-capped with diaryl substituted acetylene
JP2001206947A (ja) * 2000-01-24 2001-07-31 Matsushita Electric Works Ltd ポリイミド樹脂皮膜の形成方法
JP2015522451A (ja) * 2013-04-09 2015-08-06 エルジー・ケム・リミテッド 積層体、積層体の製造方法、素子用基板の製造方法、素子の製造方法、素子及びポリイミド系フィルム
JP2016216720A (ja) * 2015-05-21 2016-12-22 宇部興産株式会社 ポリイミド樹脂組成物及びその製造方法
KR101779302B1 (ko) * 2016-08-08 2017-09-18 경희대학교 산학협력단 고내열성 투명 폴리이미드 필름의 제조방법

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5138028A (en) * 1990-02-20 1992-08-11 National Starch And Chemical Investment Holding Corporation Polyimides end-capped with diaryl substituted acetylene
US5138028B1 (en) * 1990-02-20 1996-12-24 Nat Starch Chem Invest Polyimides end-capped with diaryl substituted acetylene
JP2001206947A (ja) * 2000-01-24 2001-07-31 Matsushita Electric Works Ltd ポリイミド樹脂皮膜の形成方法
JP2015522451A (ja) * 2013-04-09 2015-08-06 エルジー・ケム・リミテッド 積層体、積層体の製造方法、素子用基板の製造方法、素子の製造方法、素子及びポリイミド系フィルム
JP2016216720A (ja) * 2015-05-21 2016-12-22 宇部興産株式会社 ポリイミド樹脂組成物及びその製造方法
KR101779302B1 (ko) * 2016-08-08 2017-09-18 경희대학교 산학협력단 고내열성 투명 폴리이미드 필름의 제조방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022045330A (ja) * 2020-09-08 2022-03-18 エルジー・ケム・リミテッド ポリイミド系樹脂フィルムおよびこれを用いたディスプレイ装置用基板、並びに光学装置
JP7259192B2 (ja) 2020-09-08 2023-04-18 エルジー・ケム・リミテッド ポリイミド系樹脂フィルムおよびこれを用いたディスプレイ装置用基板、並びに光学装置
TWI836262B (zh) 2020-09-08 2024-03-21 南韓商Lg化學股份有限公司 聚醯亞胺類聚合物膜、用於顯示裝置的基板以及光學裝置
CN116348296A (zh) * 2020-10-22 2023-06-27 株式会社钟化 聚酰胺酸、聚酰胺酸溶液、聚酰亚胺、聚酰亚胺膜、层叠体、电子器件、及聚酰亚胺膜的制造方法
CN112625238A (zh) * 2020-11-30 2021-04-09 浙江中科玖源新材料有限公司 一种储存稳定的高分子量聚酰亚胺前体溶液及柔性基板
CN112646180A (zh) * 2020-11-30 2021-04-13 浙江中科玖源新材料有限公司 一种聚酰亚胺前体溶液及聚酰亚胺柔性显示基板
CN112625238B (zh) * 2020-11-30 2022-05-20 浙江中科玖源新材料有限公司 一种储存稳定的高分子量聚酰亚胺前体溶液及柔性基板
CN112646180B (zh) * 2020-11-30 2022-05-20 浙江中科玖源新材料有限公司 一种聚酰亚胺前体溶液及聚酰亚胺柔性显示基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP7084755B2 (ja) 2022-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7122437B2 (ja) ポリイミド、ポリイミド積層体及びフレキシブルデバイス基板
JP7304338B2 (ja) ポリイミド膜の製造方法および電子デバイスの製造方法
JP6940507B2 (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法
JP6492934B2 (ja) ポリアミック酸溶液組成物およびポリイミドフィルム
JP2018522105A (ja) ポリアミド−イミド前駆体、ポリアミド−イミドフィルム、およびこれを含む表示素子
JP7084755B2 (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。
US20160096952A1 (en) Polyimide resin and polyimide film produced therefrom
JP2008297360A (ja) 溶剤可溶性ポリイミド樹脂
JPWO2014007112A1 (ja) ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド酸溶液、およびポリイミドの利用
TW202210556A (zh) 聚醯胺酸、聚醯胺酸溶液、聚醯亞胺、聚醯亞胺膜、積層體、積層體之製造方法及電子裝置
JP6687442B2 (ja) ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド酸溶液、およびポリイミドの利用
JP7349253B2 (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法。
WO2018163884A1 (ja) 透明電極用基材フィルムおよびその製造方法
JP2022044020A (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法
JP2022068709A (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法
WO2023063202A1 (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸組成物、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体、積層体の製造方法及び電子デバイス
JP2022044021A (ja) ポリアミド酸、ポリアミド酸溶液、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびにポリイミド膜の製造方法
JP2023038407A (ja) ポリアミド酸組成物、ポリイミド、ポリイミド膜、積層体およびフレキシブルデバイス、ならびに積層体の製造方法
CN112280068A (zh) 聚酰胺酰亚胺膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210907

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7084755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150