JP2019172655A - 経口固形組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の有効成分に限定されずに汎用的に含量均一性を高める技術を開発すること。【解決手段】10個以上の経口固形組成物を単位剤形として含み、前記経口固形組成物が、以下(i)〜(iii)の成分を含み、かつ(a)〜(d)の特性を有する粒子を含み:(i)ヒドロキシアルキルセルロース等の1種以上のポリマー;(ii)アルキルセルロース等の1種以上のポリマー;ならびに(iii)有効成分;(a)有効成分が粒子内部に含まれる;(b)体積分布平均粒子径が1〜900nmである;(c)前記粒子は、粒子膜上の水の接触角が20〜70度であるという特性を有する;(d)前記粒子は、界面活性剤を実質的に含まない;前記経口固形組成物中の有効成分量が10重量%以下であり、かつ10%未満の含量均一性判定値を有する、経口固形組成物のセット。【選択図】なし

Description

本発明は、経口固形組成物に関する。
一般的に、医薬品製剤中の有効成分は、製剤重量の内の1%から20%程度であり、残りの成分は賦形剤等の添加剤で希釈されているといえる。従来から、単位製剤間で含量を均一にするために加工上の工夫がなされてきた。例えば、錠剤を製造する場合には一度顆粒を作ってから打錠することが古くから実施されている。しかしながら、中でも製剤重量中の有効成分が1%未満の低含量製剤では、有効成分の少なさから一度顆粒を製造してから錠剤を製造しても含量が均一になりにくいことも知られている。
このような背景の下、特許文献1では、有効成分を微細化する方法が提案されている。しかしながら、有効成分によっては物性が悪く静電気や吸湿により高い付着ロスを生じる可能性がある。また、有効成分は、エンテカビルに限定されている。
特許文献2では、特定の有効成分として、2−メチル−2−[4−{[(4−メチル−2−[4−トリフルオロメチルフェニル]−チアゾール−5−イルカルボニル)アミノ]メチル}フェノキシ]プロピオン酸の低用量製剤(100μg未満)について提案がある。この有効成分にとっては有効な技術かもしれないが、有効成分によって顆粒物性が異なることが広く知られており、一つの有効成分の結果からは他の有効成分に直接応用できるとはいえない。
特許文献3では、ジクロロメタン(水非混和性の有機溶剤媒体)中に多量に溶解できるセルロースアセトブチレート(1種の疎水性ポリマー)、およびジナトリウムステアロイルグルタミン酸(界面活性剤)を用いて、セルロースアセトブチレートおよびジナトリウムステアロイルグルタミン酸を含む124nmのサイズのナノカプセルを製造したことが記載されている(実施例3)。特許文献5に記載されるナノカプセルは、その製造過程において、疎水性ポリマーを多量に溶解できる水非混和性の有機溶剤媒体、および界面活性剤の使用を必須とする。水非混和性の有機溶剤媒体および界面活性剤は、外用用途では肌への刺激があるといった問題がある。
非特許文献1では、レパグリニドおよびエチルセルロース含有酢酸エチル(有機相)をポリビニルアルコール(界面活性剤)含有水相に滴下し、高圧ホモジナイザーで処理した後、減圧下で有機相を水相から除去することにより、レパグリニドおよびエチルセルロースを含む徐放性ナノカプセルを得たことが記載されている。
特許第6001763号公報 特表2007−532511号公報 特開2005−248162号公報
Amolkumar B. Lokhande et al.,Journal of Pharmacy Research(2013),7(5),421−426
上述の通り、特定の有効成分に特化して低含量製剤の含量均一性を高める技術は存在するところ、特定の有効成分に限定されずに汎用的に含量均一性を高める技術の開発が所望されている。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定のセルロース誘導体等のポリマーの組み合わせおよび有効成分を含む高分子複合体である所定の粒子を調製し、これを医薬品として製剤化することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕10個以上の経口固形組成物を単位剤形として含み、
前記経口固形組成物が、以下(i)〜(iii)の成分を含み、かつ(a)〜(d)の特性を有する粒子を含み:
(i)ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;
(ii)(ii−1)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、疎水化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩、ならびに(ii−2)アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;ならびに
(iii)有効成分;
(a)有効成分が粒子内部に含まれる;
(b)体積分布平均粒子径が1〜900nmである;
(c)前記粒子は、粒子膜上の水の接触角が20〜70度であるという特性を有する;
(d)前記粒子は、界面活性剤を実質的に含まない;
前記経口固形組成物中の有効成分量が10重量%以下であり、かつ10%未満の含量均一性判定値を有する、経口固形組成物のセット。
〔2〕ポリスチレン基板上の水の接触角に対する、粒子膜上の水の接触角の比率が0.2〜0.9の範囲内であるという特性を前記粒子が有する、〔1〕のセット。
〔3〕電気泳動による移動度の絶対値が2μmcm/Vs以上であるという特性を前記粒子が有する、〔1〕または〔2〕のセット。
〔4〕粒子の表面が負に荷電している、〔1〕〜〔3〕のいずれかのセット。
〔5〕前記粒子が可塑剤を実質的に含まない、〔1〕〜〔4〕のいずれかのセット。
〔6〕前記(i)のポリマーが、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーである、〔1〕〜〔5〕のいずれかのセット。
〔7〕ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースであり、
カルボキシアルキルセルロースが、カルボキシメチルセルロースである、〔6〕のセット。
〔8〕前記(ii)のポリマーが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーである、〔1〕〜〔7〕のいずれかのセット。
〔9〕アルキルセルロースが、メチルセルロース、またはエチルセルロースであり、
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである、〔8〕のセット。
〔10〕前記(ii)のポリマーが、アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーであり、
アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマーが、ビニル系ポリマー、プロピレン系ポリマー、およびブチレン系ポリマー、ならびにそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、〔1〕〜〔7〕のいずれかのセット。
〔11〕ビニル系ポリマーが、ビニルアルコール、アクリル酸およびそのエステル誘導体、メタクリル酸およびそのエステル誘導体、ならびにビニルピロリドンからなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマー単位を含むポリマーである、〔10〕のセット。
〔12〕前記粒子が実質的に均一のサイズを有する、〔1〕〜〔11〕のいずれかのセット。
〔13〕有効成分が低分子化合物である、〔1〕〜〔12〕のいずれかのセット。
〔14〕前記粒子の重量に対する有効成分量が0.01〜80%(wt)である、〔1〕〜〔13〕のいずれかのセット。
〔15〕前記粒子の重量に対する有効成分量が0.1〜15%(wt)である、〔1〕〜〔14〕のいずれかのセット。
〔16〕前記粒子が有効成分の生体組織透過作用を有する、〔1〕〜〔15〕のいずれかのセット。
〔17〕生体組織が皮膚である、〔16〕のセット。
〔18〕生体組織が角層である、〔16〕のセット。
〔19〕有効成分が医薬成分であり、かつ経口固形組成物が医薬である、〔1〕〜〔18〕のいずれかのセット。
〔20〕経口固形組成物が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップ、カシュー、丸剤、ドロップ、トローチ、ガム、チョコレート、またはグミである、〔1〕〜〔19〕のいずれかのセット。
経口固形組成物によれば、特定の有効成分に限定されずに汎用的に含量均一性を高めることができる。
図1は、参考例1で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である(参考例1を参照)。 図2は、参考例3で調製した粒子の自然乾燥後の走査型電子顕微鏡写真を示す図である(参考試験例3を参照)。
本発明は、10以上の経口固形組成物を単位剤形として含む、経口固形組成物のセットに関する。
本発明のセットに含まれる経口固形組成物は、以下(i)〜(iii)の成分を含み、かつ(a)〜(d)の特性を有する粒子(以下、必要に応じて、「粒子」と省略する)を含む:
(i)ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;
(ii)(ii−1)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、疎水化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩、ならびに(ii−2)アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;ならびに
(iii)有効成分;
(a)有効成分が粒子内部に含まれる;
(b)体積分布平均粒子径が1〜900nmである;
(c)前記粒子は、粒子膜上の水の接触角が20〜70度であるという特性を有する;
(d)前記粒子は、界面活性剤を実質的に含まない。
1.粒子
粒子は、(i)ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーと、(ii)(ii−1)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、疎水化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩、ならびに(ii−2)アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーとの混合物である。
粒子に含まれるポリマーは、粒子の形態を安定化できる任意の重量平均分子量を有するものである限り特に限定されず、例えば、10,000以上、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、さらにより好ましくは40,000以上である。重量平均分子量はまた、材料の入手のし易さ等の観点から、例えば1,000,000以下、800,000以下、600,000以下、400,000以下、300,000以下、または200,000以下であってもよい。
ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびアルキルセルロースにおけるアルキルは、後述する1価の炭化水素基の例であるアルキルと同様であり、好ましい範囲も同様である。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースにおける2つのアルキルは、同一であっても異なっていてもよく、上記1価の炭化水素基の例であるアルキルと同様であり、好ましい範囲も同様である。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシペンチルセルロース、及びヒドロキシヘキシルセルロースが挙げられる。好ましくは、ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースである。
カルボキシアルキルセルロースとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、カルボキシブチルセルロース、カルボキシペンチルセルロース、及びカルボキシヘキシルセルロースが挙げられる。好ましくは、カルボキシアルキルセルロースは、カルボキシメチルセルロースである。
アルキルセルロースとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、ペンチルセルロース、及びヘキシルセルロースが挙げられる。好ましくは、アルキルセルロースは、メチルセルロース、エチルセルロースである。
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、ヒドロキシアルキルおよびアルキルの双方を有するセルロースである。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、例えば、ヒドロキシメチルおよびアルキルを有するセルロース(例、ヒドロキシメチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシメチルブチルセルロース)、ヒドロキシエチルおよびアルキルを有するセルロース(例、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルブチルセルロース)、ヒドロキシプロピルおよびアルキルを有するセルロース(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒドロキシプロルブチルセルロース)、ヒドロキシブチルおよびアルキルを有するセルロース(例、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルエチルセルロース、ヒドロキシブチルプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルブチルセルロース)が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)である。
カチオン化セルロースとは、カチオン性基を有するセルロース、またはカチオン性基を有するセルロース誘導体をいう。カチオン性基としては、例えば、トリアルキルアンモニウムが挙げられる。トリアルキルアンモニウムにおける3つのアルキルは、同一であっても異なっていてもよく、後述するアルキルと同様であり、好ましい範囲も同様である。
疎水化セルロースとは、疎水性基を有するセルロース、または疎水性基を有するセルロース誘導体をいう。疎水化セルロースとしては、例えば、アセチル化セルロースが挙げられる。
上記エステル誘導体は、上記セルロース誘導体におけるヒドロキシ中の水素原子がR−C(=O)−(Rは、置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。)により置換されてエステル部分を形成する誘導体である。Rにより示される1価の炭化水素基は、後述するような「置換基を有していてもよい1価の炭化水素基」における「1価の炭化水素基」と同様であり、好ましい範囲も同様である。1価の炭化水素基の炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。1価の炭化水素基が置換されている場合、置換基は、後述する二次置換基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
「置換基を有していてもよい1価の炭化水素基」における「1価の炭化水素基」としては、例えば、1価の鎖状炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、および1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
1価の鎖状炭化水素基とは、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味し、主鎖に環状構造を含まない。ただし、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよい。1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニルが挙げられる。アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、直鎖状、または分岐状のいずれであってもよい。
アルキルとしては、炭素原子数1〜12のアルキルが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキルがより好ましく、炭素原子数1〜4のアルキルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数1〜12のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシルが挙げられる。
アルケニルとしては、炭素原子数2〜12のアルケニルが好ましく、炭素原子数2〜6のアルケニルがより好ましく、炭素原子数2〜4のアルケニルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数2〜12のアルケニルとしては、例えば、ビニル、プロペニル、n−ブテニルが挙げられる。
アルキニルとしては、炭素原子数2〜12のアルキニルが好ましく、炭素原子数2〜6のアルキニルがより好ましく、炭素原子数2〜4のアルキニルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数2〜12のアルキニルとしては、例えば、エチニル、プロピニル、n−ブチニルが挙げられる。
1価の鎖状炭化水素基としては、アルキルが好ましい。
1価の脂環式炭化水素基とは、環構造として脂環式炭化水素のみを含み、芳香族環を含まない炭化水素基を意味し、脂環式炭化水素は単環、多環のいずれであってもよい。ただし、脂環式炭化水素のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルが挙げられ、これらは、単環、多環のいずれであってもよい。
シクロアルキルとしては、炭素原子数3〜12のシクロアルキルが好ましく、炭素原子数3〜6のシクロアルキルがより好ましく、炭素原子数5〜6のシクロアルキルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数3〜12のシクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
シクロアルケニルとしては、炭素原子数3〜12のシクロアルケニルが好ましく、炭素原子数3〜6のシクロアルケニルがより好ましく、炭素原子数5〜6のシクロアルケニルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数3〜12のシクロアルケニルとしては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルが挙げられる。
シクロアルキニルとしては、炭素原子数3〜12のシクロアルキニルが好ましく、炭素原子数3〜6のシクロアルキニルがより好ましく、炭素原子数5〜6のシクロアルキニルがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数3〜12のシクロアルキニルとしては、例えば、シクロプロピニル、シクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニルが挙げられる。
1価の脂環式炭化水素基としては、シクロアルキルが好ましい。
1価の芳香族炭化水素基とは、芳香族環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香族環のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素を含んでいてもよく、芳香族環は単環、多環のいずれであってもよい。1価の芳香族炭化水素基としては、炭素原子数6〜12のアリールが好ましく、炭素原子数6〜10のアリールがより好ましく、炭素原子数6のアリールがさらに好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。炭素原子数6〜12のアリールとしては、例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、フェニルが好ましい。
これらの中でも、1価の炭化水素基としては、アルキル、シクロアルキル、アリールが好ましく、アルキルがより好ましい。
「1価の炭化水素基」が置換基を有する場合、「1価の炭化水素基」中の水素原子が置換される。「1価の炭化水素基」中の置換基の個数は、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個もしくは2個である。
「1価の炭化水素基」が有していてもよい置換基(二次置換基とも称される)としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシ、スルホ、シアノ、ニトロ、メルカプト、オキソ、グアニジノ、ヒドロキシ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ(例、アミノ)、およびアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ−カルボニル(例、アミド)が挙げられる。アルキル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、およびアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ−カルボニルにおける「アルキル」は、上記1価の炭化水素基の例であるアルキルと同様であり、好ましい範囲も同様である。
好ましくは、上記エステル誘導体のエステル部分は、フタレート、アセテート、およびサクシネートからなる群より選ばれる1つ以上(例、1または2つ)のエステル部分である。
好ましい実施形態では、上記エステル誘導体は、アルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体である。より好ましい実施形態では、上記エステル誘導体は、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体である。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが挙げられる。
アルキレン系ポリマーとは、モノマー単位であるアルキレンの一部または全部が置換基を有するアルキレンのポリマーを示す。例えば、アルキレンがビニルであれば、ビニル系ポリマーには、置換基を有するビニルポリマーは含まれるが、置換基を有しないビニルポリマーは含まれない。アルキレン系ポリマーでは、アルキレン中の水素原子が置換基で置換される。アルキレン中の置換基の個数は、1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個もしくは2個である。
アルキレンとしては、炭素原子数1〜12のアルキレンが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレンがより好ましく、炭素原子数1〜4のアルキレンが特に好ましい。上記炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。アルキレンは、直鎖、分岐鎖、又は環状のいずれであってもよいが、直鎖のアルキレンが好ましい。このようなアルキレンとしては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレンが挙げられる。
特定の実施形態では、アルキレン系ポリマーは、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシ、スルホ、シアノ、ニトロ、メルカプト、オキソ、グアニジノ、ヒドロキシ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ(例、アミノ)、およびアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ−カルボニル(例、アミド)からなる群より選ばれる1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1または2個の置換基を有するアルキレンポリマーである。アルキル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ、およびアルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ−カルボニルにおける「アルキル」は、上記1価の炭化水素基の例であるアルキルと同様であり、好ましい範囲も同様である。
アルキレン系ポリマーとしては、ビニル(エチレン)系ポリマー、プロピレン系ポリマー、ブチレン系ポリマー、もしくはそれらのコポリマー、またはそれらの塩が好ましく、ビニル系ポリマー、プロピレン系ポリマー、もしくはそれらのコポリマー、またはそれらの塩が好ましく、ビニル系ポリマー、またはその塩がより好ましい。ビニル系ポリマーとしては、例えば、ビニルアルコール、アクリル酸もしくはそのエステル誘導体、メタクリル酸もしくはそのエステル誘導体、ビニルピロリドンからなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマー単位を含むポリマーが挙げられる。好ましくは、ビニル系ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸もしくはそのエステル誘導体、ポリメタクリル酸もしくはそのエステル誘導体、ポリビニルピロリドンであってもよい。
アルキレン系ポリマーのコポリマーは、上述したアルキレン系ポリマーの2種以上から構成されるポリマーである。
塩としては、例えば、金属塩、酸付加塩、および塩基との塩が挙げられる。金属塩としては、例えば、一価の金属(例、ナトリウム、およびカリウム)との塩、ならびに二価の金属(例、カルシウム、およびマグネシウム)との塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば、無機酸(例、塩化水素、臭化水素、硫酸、およびリン酸)との塩、ならびに有機酸(例、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、およびモノメチル硫酸)との塩が挙げられる。塩基との塩としては、例えば、無機塩基(例、アンモニア)との塩、ならびに有機塩基(例、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)との塩が挙げられる。塩としては、金属塩が好ましい。
粒子は、上述した2種以上のポリマーの混合物を含む。上述した2種以上のポリマーの混合物を含むことで、親水性物質となじみのよい親水性部位を粒子内部に持ちつつ、粒子表面を適度な疎水性を付加することができるという利点がある。好ましくは、上述した2種以上のポリマーの混合物は、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーを含む2種以上(例、2種、3種、4種、または5種)のポリマーの混合物である。
本発明では、親水性ポリマーとは、水溶液(好ましくは水)に対する溶解度が1%(wt)以上のポリマーをいう。溶解度としては、常温(例、15〜25℃)での溶解度が好ましく、20℃での溶解度がより好ましい。水溶性ポリマーについて、水溶液(好ましくは水)に対する溶解度は、好ましくは5%(wt)以上であり、より好ましくは7%(wt)以上である。親水性ポリマーは、アニオン性親水性ポリマー、非イオン性親水性ポリマー、またはカチオン性親水性ポリマーであり、アニオン性親水性ポリマー、または非イオン性親水性ポリマーが好ましい。親水性ポリマーの具体例としては、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩が挙げられ、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カルボキシセルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩が好ましく、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩がより好ましく、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらの塩がさらにより好ましく、ヒドロキシアルキルセルロース、およびその塩が特に好ましい。
好ましくは、親水性ポリマーは、有機溶媒に移行し易い親水性ポリマー(両親媒性ポリマー)であってもよい。両親媒性ポリマーとは、一つの分子内に親水性官能基からなる集合部位と疎水性官能基からなる集合部位を有し、界面活性剤のように水油界面でポリマーミセルを形成するものをいう。両親媒性ポリマーは、アニオン性両親媒性ポリマー、非イオン性両親媒性ポリマー、またはカチオン性両親媒性ポリマーであり、アニオン性両親媒性ポリマー、または非イオン性両親媒性ポリマーが好ましい。両親媒性ポリマーの具体例としては、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩が挙げられ、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩が好ましく、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらの塩がより好ましく、ヒドロキシアルキルセルロース、およびその塩がさらにより好ましい。
本発明では、疎水性ポリマーとは、水溶液(好ましくは水)に対する溶解度が1%(wt)未満のポリマーをいう。溶解度としては、常温(例、15〜25℃)での溶解度が好ましく、20℃での溶解度がより好ましい。水溶性ポリマーについて、水溶液(好ましくは水)に対する溶解度は、好ましくは0.1%(wt)以下であり、より好ましくは0.01%(wt)以下である。
好ましくは、疎水性ポリマーの具体例としては、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、疎水化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩;ならびに、ビニル(エチレン)系ポリマー、プロピレン系ポリマー、およびブチレン系ポリマー、ならびにそれらのコポリマーが挙げられる。
有効成分は、粒子内部に含まれる。粒子を溶液で複数回洗浄した後であっても、有効成分が粒子に含まれることが確認されている。粒子に含まれる有効成分は、ポリマーと共有結合しておらず、ポリマーから遊離している成分である。有効成分としては、例えば、低分子化合物、多糖類、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド(例、酵素、リガンド、抗体、細胞外基質タンパク質)、ポリサッカライド、ポリヌクレオチド(例、DNA、RNA、人工核酸)、オリゴヌクレオチド(例、オリゴDNA、オリゴRNA、オリゴ核酸)が挙げられる。用語「低分子化合物」とは、分子量1500以下の化合物をいう。低分子化合物は、天然化合物または合成化合物である。低分子化合物の分子量は、1200以下、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、400以下、または300以下であってもよい。低分子化合物の分子量はまた、30以上、40以上、または50以上であってもよい。低分子化合物としては、例えば、アミノ酸、ビタミン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、単糖、オピオイド、脂質、脂肪酸、およびそれらの代謝物、ならびにそれらの塩(例、上述したような金属塩、酸付加塩、または塩基との塩。以下同様)が挙げられる。有効成分はまた、医薬成分(例、治療剤、予防剤)、医薬部外品用成分(例、美白成分、抗シワ成分、肌荒れ改善成分、育毛成分)、化粧用成分(例、グリセリン等のアルコール、オイル、エキス)、食品用成分(例、栄養成分)、診断用成分(例、造影剤)、ヘアケア用成分(例、着色剤)、マニュキア用成分であってもよい。粒子に含まれる有効成分は、1種であってもよいが、2種以上の混合物であってもよい。有効成分は、ポリマー粒子内において、溶液(水溶液、または有機溶媒)中に分散して存在することができる。粒子はまた、有効成分に加えて、添加剤(例、メチルバラベン等の保存剤、抗酸化剤)等の他の成分を含んでいてもよい。
有効成分は、水溶性成分であっても疎水性成分であってもよい。有効成分としての水溶性成分は、後述する粒子の製造方法において用いられる有機溶媒よりも水溶液(好ましくは水)に溶解し易い成分である。有効成分としての疎水性成分は、後述する粒子の製造方法において用いられる水溶液(好ましくは水)よりも有機溶媒に溶解し易い成分である。
好ましい実施形態では、有効成分は、アミノ酸、またはその塩である。アミノ酸としては、例えば、α−アミノ酸(例、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、グリシン)、β−アミノ酸(例、β−アラニン、パントテン酸)、γ−アミノ酸(例、γ−アミノ酪酸)、δ−アミノ酸、ε−アミノ酸(例、トラネキサム酸)が挙げられる。アミノ酸は、L体であってもD体であってもよい。
別の好ましい実施形態では、有効成分は、オリゴペプチド、またはその塩である。オリゴペプチドとしては、例えば、ジペプチド(例、グルタミルリジン、γ−グルタミルシステイン)、トリペプチド(例、グルタミルバリルグリシン、グルタチオン)、テトラペプチド(例、キャピキシル)、ペンタペプチド(例、ロイファシル)が挙げられる。オリゴペプチドを構成するアミノ酸は、L体であってもD体であってもよい。
さらに別の好ましい実施形態では、有効成分は、水溶性ビタミンもしくは脂溶性ビタミン、またはその塩である。水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンB、ビタミンC、およびそれらの誘導体が挙げられる。ビタミンBとしては、例えば、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(例、ナイアシン、ニコチンアミド)、ビタミンB5(例、パントテン酸、デクスパンテノール、パンテチン)、ビタミンB6(例、ピリドキシン、ピリドキサールリン酸、ピリドキサミン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(例、葉酸、ジヒドロ葉酸、フォリン酸)、ビタミンB12(例、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、コバマミド)が挙げられる。ビタミンB誘導体としては、例えば、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、フルスルチアミンが挙げられる。ビタミンCとしては、例えば、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸が挙げられる。ビタミンC誘導体としては、例えば、アスコルビン酸 2−グルコシド(AA−2G)、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコピルマグネシウム、リン酸アスコピル酸3Na、テトライソパルミチン酸アスコビル(VC−IP)が挙げられる。脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンA、およびそれらの誘導体が挙げられる。
別の好ましい実施形態では、他の有効成分としては、例えば、美白成分(例、システイン、ビタミンC、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、アルブチン、セラミド、コウジ酸、エラグ酸)、抗シワ成分(例、セラミド)、保湿成分(例、ピロリドンカルボン酸、3−アセチル−2−エトキシカルボニル−2−メチル−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸Na)、育毛成分(例、ミノキシジル)、代謝改善成分(例、ジヒドロキシカプシエイト)、およびそれらの塩が挙げられる。
さらに別の好ましい実施形態では、有効成分は医薬であってもよい。
粒子の重量(粒子を構成するポリマーおよび有効成分の総重量)に対する有効成分の重量の割合は、粒子を構成するポリマーおよび有効成分の種類、ならびに粒子の作製方法の条件等によって変動することから、特に限定されるものではないが、例えば、0.01〜80%である。粒子の重量に対する有効成分の重量の割合は、好ましくは0.05〜40%、より好ましくは0.1〜15%、さらにより好ましくは0.2〜14%、特に好ましくは0.5〜12%または1.0〜10%である。あるいは、粒子の内部における有効成分の濃度は、例えば0.01〜50%(wt)、好ましくは0.02〜40%(wt)、より好ましくは0.05〜30%(wt)、さらにより好ましくは0.1〜20%(wt)であってもよい。
有効成分の重量の測定は、当該分野で公知の任意の方法により行うことができる。このような方法としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分光光度計(例、UV−VIS分光光度計)を用いた方法が挙げられる。また、有効成分の濃度は、粒子の製造において用いられる、有効成分を含む水溶液、または有効成分および第2ポリマーの双方を含む水溶液中の有効成分の濃度から評価することもできる。
粒子はまた、界面活性剤(例、ソルビタンモノオレート)、残留有機溶媒(例、ヘキサン等の炭化水素化合物)、可塑剤等の所定の成分(例、先行技術において粒子の製造に必要とされる成分)を実質的に含まないものであってもよい。粒子は、その製造方法においてこれらの成分を本質的に使用する必要がないため、これらの成分の混入を回避することができる。粒子において、表現「実質的に含まない」とは、粒子が所定の成分を完全に含まないこと、または粒子が所定の成分を含む場合であっても3.0%(wt)以下の量で含むことを意味する。好ましくは、表現「実質的に含まない」は、「完全に含まない」ことを意味する。表現「実質的に含まない」に関して、粒子は、所定の成分を含む場合、好ましくは、2.0%(wt)以下、より好ましくは、1.5%(wt)以下、さらにより好ましくは、1.0%(wt)以下、特に好ましくは0.5%(wt)以下、0.4%(wt)以下、0.3%(wt)以下、0.2%(wt)または0.1%(wt)以下の量で含む。より具体的には、粒子は、界面活性剤および残留有機溶媒の一方を実質的に含まないことが好ましく、界面活性剤および残留有機溶媒の双方を実質的に含まないことがより好ましい。
粒子はまた、後述するように、アセトン、アルコール(例、メタノール)、またはアセトンを多く含んでいてもよいアセトン・アルコール混液を、好ましい有機溶媒として用いることにより製造することができる。したがって、粒子は、アセトン、アルコール、またはアセトン・アルコール混液以外の有機溶媒を実質的に含まないものであってもよい。粒子の製造方法によれば、このような粒子を製造することができるが、従来の粒子の製造方法では、通常、このような粒子を製造することができない。
粒子は、有効成分に加えて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、有効成分の安定化剤(例、抗酸化剤)、界面活性剤、分散剤、消泡剤が挙げられる。
粒子は、1〜900nmの体積分布平均粒子径を有する。体積分布平均粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらにより好ましくは20nm以上、または50nm以上である。体積分布平均粒子径はまた、好ましくは850nm以下、より好ましくは800nm以下である。
体積分布平均粒子径の測定は、レーザー回折法により粒度分布を計測することにより行うことができる。好ましくは、レーザー回折法による粒度分布の計測は、レーザー回折式粒度分布計(Malvern Instruments Ltd.製、ZetasizerNanoS)を用いて行うことができる。
粒子はまた、粒子膜上の水の接触角が20〜70度である性質を有していてもよい。粒子膜上の水の接触角が20度以上であれば、適度な親水性を有し、角層における細胞間脂質への有効成分の分配が向上するため、好ましい。また、粒子膜上の水の接触角が70度以下であれば、適度な疎水性を有し、角層における細胞間脂質へのなじみが良くなるため、好ましい。上記接触角は、好ましくは25度以上、より好ましくは30度以上、さらにより好ましくは35度以上、特に好ましくは40度以上であってもよい。上記接触角はまた、好ましくは65度以下、より好ましくは60度以下、さらにより好ましくは55度以下、特に好ましくは50度以下であってもよい。上記比率の算出の際、接触角として、内角が測定される。
粒子膜上の水の接触角の測定は、以下のとおり行うことができる。先ず、粒子の膜(粒子膜)を得る。例えば、粒子を含む溶液をポリスチレン基板上に滴下し、適温(例、室温(27℃等))にて自然乾燥させて、ポリスチレン基板を完全に覆う粒子の膜(粒子膜)を得る。次に、このようにして得られた粒子膜に20μLの水滴を滴下した後、側面から画像を撮影する。その画像から接触角の値を計測する。
粒子は、ポリスチレン基板上の水の接触角に対する、粒子膜上の水の接触角の比率が、0.2〜0.9の範囲内である性質を有していてもよい。当該比率が0.2以上であれば、ポリスチレン基板表面に対する適度な親水性を有するということができる。この場合、水を含む処方中への配合において分離し難くなると考えられる。したがって、当該比率が0.2以上であることが好ましい。また、当該比率が0.9以下であれば、適度な疎水性を有するということができる。この場合、油を含む処方中への配合において分離し難くなると考えられる。したがって、当該比率が0.9以下であることが好ましい。上記比率は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、さらにより好ましくは0.5以上であってもよい。上記比率はまた、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、さらにより好ましくは0.6以下であってもよい。上記比率の算出の際、接触角として、内角が測定される。
粒子膜上の水の接触角の測定は、上記と同様にして行うことができる。
ポリスチレン基板上の水の接触角の測定は、以下のとおり行うことができる。ポリスチレン基板上に20μLの水滴を滴下した後、粒子膜上の水の接触角の測定と同じ上記方法により、接触角の値を計測する。
粒子膜上の水の接触角の値をポリスチレン基板上の水の接触角の値で除算することにより、ポリスチレン基板上の水の接触角に対する、粒子膜上の水の接触角の比率を算出することができる。
粒子はまた、電気泳動による移動度の絶対値が2μmcm/Vs以上である性質を有していてもよい。当該絶対値が0.22μmcm/Vs以上であれば、粒子は完全なゲル状表面を有するのではなく、有効成分を粒子内部に保持できるため、好ましい。したがって、粒子は、表面がゲル状ではなく境界をしっかりともった性質を有する。上記移動度の絶対値は、好ましくは2.5μmcm/Vs以上、より好ましくは3.0μmcm/Vs以上、さらにより好ましくは3.5μmcm/Vs以上であってもよい。上記移動度の絶対値はまた、好ましくは6.0μmcm/Vs以下であってもよい。当該絶対値が6.0μmcm/Vs以下であれば、粒子は硬質で媒体を通さない表面特性(例、ポリスチレン粒子の表面特性)を有するのではなく、皮膚表面等の生体組織と接触した際に適切なタイミングで媒体とともに有効成分を放出できるような表面特性を有することから、好ましい。当該絶対値は、より好ましくは5.5μmcm/Vs以下、さらにより好ましくは5.0μmcm/Vs以下であってもよい。
電気泳動による粒子の電気泳動による移動度の測定は、1mM NaCl水溶液中の粒子を、ZetasizerNanoS(Malvern Instruments Ltd.製)を用いて、その移動度を解析することにより行うことができる。
粒子はさらに、負もしくは正に荷電した表面を有していてもよい。好ましくは、粒子は、負に荷電した表面を有する。粒子の表面の電荷は、上述の電気泳動により粒子の移動度を測定することにより評価することができる。より具体的には、上述の電気泳動により測定した結果、粒子の移動度が負の値を示す場合、粒子は負に荷電した表面を有し、粒子の移動度が正の値を示す場合、粒子は正に荷電した表面を有すると評価することができる。
ポリマー粒子はまた、複合粒子であっても非複合粒子であってもよい。用語「複合粒子」とは、2以上の異種粒子が結合(例、吸着、付着)することにより形成される粒子凝集物をいう。このような複合粒子は、所定の方法(例、造粒法、粒子複合化法)により2以上の異種粒子から製造することができる。一方、非複合粒子は、このような複合粒子ではなく、2以上の異種粒子が結合することにより形成されるものではない。ポリマー粒子は、複合粒子または非複合粒子のいずれの形態においても好適に使用することができるが、ナノ粒子として十分に小さいサイズ(例、500nm以下)に自由に設計できることを利点の一つとし、また、非複合粒子の形態であっても所望の特性を十分に発揮できることから、好ましくは、非複合粒子の形態で用いることができる。
粒子はまた、実質的に均一のサイズを有していてもよい。ここで、「実質的に均一のサイズ」とは、粒子の50%以上(好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上)が平均粒子径を基準にして±200nm(好ましくは±150nm、より好ましくは±100nm)の範囲内にあることをいう。粒子が実質的に均一のサイズを有するか否かの評価のために用いられる粒子数は、10個、好ましくは15個、より好ましくは20個、さらにより好ましくは30個、特に好ましくは50個である。評価のために用いられる粒子としては、走査型電子顕微鏡像中で無作為に選定した粒子であり、好ましくは、走査型電子顕微鏡像中のある領域(上記粒子数をカバーする一区画(好ましくは正方形の区画))中に存在する粒子である。粒子は、上述したようなセルロース誘導体を使用することにより、特に少なくとも1種の特定のセルロース誘導体と、別のポリマー(例、当該特定のセルロース誘導体以外のセルロース誘導体ポリマー、または置換されていてもよい2価の炭化水素基をモノマー単位として含むポリマー)とを所定の製造方法において使用することにより、このような均一性の高さを実現することができる。
粒子はまた、硬質または軟質の表面を有していてもよい。粒子はまた、真球状、楕円状、ゴルフボール状、ヤヌス粒子状等の形状を有していてもよいが、好ましくは真球状の形状を有する。粒子のこれらの性質は、走査型電子顕微鏡で外観を観察することにより確認することができる。
粒子はまた、高い液状安定性を有する。例えば、粒子は、冷蔵(例、4℃)にて6月以上、12月以上、または18月以上保存した後も、凝集することなく粒子状態を維持することができる。
粒子は、粉末化することが可能である。粉末化する方法としては、例えば、凍結乾燥、スプレードライ、流動層造粒、攪拌造粒、超臨界造粒、自然乾燥が挙げられる。粒子はまた、粉末化後に溶媒(例えば、後述する溶媒、好ましくは、水等の水溶液)に分散可能であるという性質を有する。
粒子は、液状形態、または粉末化形態において提供することができる。粒子が液状形態で提供される場合、粒子は、粒子を含む溶液として提供される。
溶液としては、例えば、水溶液、および有機溶媒が挙げられる。
水溶液としては、例えば、水(例、蒸留水、滅菌蒸留水、精製水、生理食塩水)、および緩衝液が挙げられる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、Tris‐塩酸緩衝液、TE(Tris−EDTA)緩衝液、炭酸‐重炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、塩酸‐塩化カリウム緩衝液、グリシン‐塩酸緩衝液、グリシン‐水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸‐リン酸緩衝液、酢酸緩衝液が挙げられる。
有機溶媒は、後述するものと同様であり、好ましい範囲も同様である。
好ましくは、溶液は水溶液であり、水がより好ましい。
粒子はまた、有効成分の生体組織透過作用を有する。有効成分が透過できる生体組織としては、例えば、皮膚組織(例、角層)、口腔内、消化器官、眼内、耳鼻腔内が挙げられる。
2.粒子の製造方法
本発明はまた、粒子の製造方法を提供する。本発明の方法は、(i)セルロース誘導体を含む有機溶媒と(ii)水溶液とを混合して、粒子を析出させることを含む。有効成分は、有機溶媒または水溶液のいずれに含まれていてもよく、その両方に含まれていてもよいが、好ましくは、水溶液に含まれる。
(i)において、有機溶媒に含まれるセルロース誘導体は、有機溶媒に溶解できるセルロース誘導体である限り特に限定されないが、上述したような疎水性ポリマーが好ましい。有機溶媒中のセルロース誘導体の量は、有機溶媒中にセルロース誘導体が溶解できる量である限り特に限定されないが、例えば、0.05〜30%(wt)、好ましくは、0.1〜15%(wt)、より好ましくは、0.2〜10%(wt)、さらにより好ましくは、0.3〜7%(wt)である。
(ii)において、有効成分および水溶液は、上述したものと同様である。有機溶媒または水溶液中の有効成分の量は、有機溶媒または水溶液中に有効成分が溶解でき、かつ粒子の使用目的(例、医薬)の有効成分量を達成できる量である限り特に限定されないが、例えば0.01〜50%(wt)、好ましくは0.02〜40%(wt)、より好ましくは0.05〜30%(wt)、さらにより好ましくは0.1〜20%(wt)である。有効成分としては、上述したような水溶性成分および疎水性成分のいずれも使用することができる。
セルロース誘導体を含む有機溶媒は、水溶液(好ましくは、有効成分を含む水溶液)と混合したときに、水溶液(好ましくは、有効成分を含む水溶液)が有機溶媒に溶解させたセルロース誘導体によって相分離できるものが用いられる。このような有機溶媒としては、例えば、ケトン溶媒(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン)、エーテル溶媒(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン)、アルコール溶媒(例、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、非プロトン性極性溶媒(例、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA))、カルボン酸溶媒(例、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸)、エステル溶媒(例、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン)、非芳香族炭化水素系溶媒(例、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン)、芳香族炭化水素系溶媒(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ならびにこれらの混合液が挙げられる。
好ましくは、有機溶媒は、粒子を効率良く作製する等の観点から、水溶液(好ましくは水)と混和可能な有機溶媒である。水溶液と混和可能な有機溶媒としては、例えば、ケトン溶媒、エーテル溶媒、アルコール溶媒、非プロトン性極性溶媒、カルボン酸溶媒、エステル溶媒が挙げられる。水溶液と混和するが水と共沸しない有機溶媒の使用の観点から、好ましい有機溶媒は、アセトン、アルコール(例、メタノール)、またはアセトンを多く含んでいてもよいアセトン・アルコール混液である。
混合の際の温度は、有機溶媒および水溶液が液体状態にある温度である限り特に限定されないが、例えば、5〜50℃、好ましくは15〜40℃である。混合の時間は、例えば、粒子が形成される限り特に限定されないが、例えば、5〜60分、好ましくは、15〜30分である。
一実施形態では、上記混合は、例えば、(I)(i)セルロース誘導体を含む有機溶媒を、(ii)水溶液に徐々に添加することにより、行うことができる。有効成分は、有機溶媒または水溶液のいずれに含まれていてもよく、その両方に含まれていてもよいが、好ましくは、水溶液に含まれる。この場合、セルロース誘導体を含む有機溶媒の添加量を増加させてもよい。
別の実施形態では、上記混合は、例えば、(II)(ii)水溶液を、(i)セルロース誘導体を含む有機溶媒に徐々に添加することにより、行うことができる。有効成分は、有機溶媒または水溶液のいずれに含まれていてもよく、その両方に含まれていてもよいが、好ましくは、水溶液に含まれる。この場合、(ii)有効成分を含む水溶液の添加量を、(i)セルロース誘導体を含む有機溶媒の量に比し低く抑えてもよい。
好ましい実施形態では、本発明の方法は、(i’)第1ポリマーを含む有機溶媒と(ii’)有効成分および第2ポリマーの双方を含む水溶液とを混合して、粒子を析出させることを含む。粒子の製造方法において、有機溶媒中の第1ポリマー、および水溶液中の第2ポリマーを併用することにより、製造される粒子が、水溶性ゲルと硬質の両面の性質を持たせることができるという利点がある。
(i’)において、第1ポリマー、有機溶媒、および有機溶媒中の第1ポリマーの量の定義、例および好ましい例は、(i)で述べたセルロース誘導体、有機溶媒、および有機溶媒中のセルロース誘導体の量と同様である。
(ii’)において、有効成分、水溶液、および水溶液中の有効成分の量の定義、例および好ましい例は、(ii)で述べたものと同様である。
(ii’)において、水溶液に含まれる第2ポリマーは、水溶液に溶解できるポリマーである限り特に限定されないが、上述したような親水性ポリマーが好ましい。水溶液中のポリマーの量は、水溶液中にポリマーが溶解できる量である限り特に限定されないが、例えば、0.001〜15%(wt)、好ましくは、0.003〜10%(wt)、より好ましくは、0.005〜7%(wt)、さらにより好ましくは、0.01〜5%(wt)である。
好ましい特定の実施形態では、上記混合は、例えば、(I’)(i’)第1ポリマーを含む有機溶媒を、(ii’)有効成分および第2ポリマーの双方を含む水溶液に徐々に添加することにより、行うことができる。この場合、セルロース誘導体を含む有機溶媒の添加量を増加させてもよい。
別の実施形態では、上記混合は、例えば、(II’)(ii’)有効成分および第2ポリマーの双方を含む水溶液を、(i’)第1ポリマーを含む有機溶媒に徐々に添加することにより、行うことができる。この場合、(ii’)有効成分および第2ポリマーの双方を含む水溶液の添加量を、(i’)第1ポリマーを含む有機溶媒の量に比し低く抑えてもよい。
添加は、好ましくは、滴下により行うことができる。添加の間、溶液は撹拌条件下に置くことができる。撹拌条件は、溶液の量に応じて適宜設定することができる。例えば、最終液量が約45mLのスケールでは、200〜800rpm(好ましくは400rpm)、最終液量が約1Lのスケールでは、80〜230rpmである。
3.組成物
経口固形組成物中の有効成分量は、10重量%以下である。経口固形組成物中の有効成分量は、好ましくは9重量%以下、より好ましくは8重量%以下、さらにより好ましくは7重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下または1重量%以下であってもよい。
経口固形組成物は、粒子として、同種のポリマー粒子のみを含むものであっても、または異種のポリマー粒子を含むものであってもよい。用語「同種のポリマー粒子」とは、粒径および構成成分が同様であるポリマー粒子をいう。同じ条件(例、成分の種類および量、ならびに処理様式が同様である条件)下で製造されるポリマー粒子は、同種のポリマー粒子であると考えることができる。一方、用語「異種のポリマー粒子」とは、粒径および構成成分の一方または双方が異なるポリマー粒子をいう。異なる条件(例、成分の種類および量、ならびに処理条件のいずれかが異なる条件)下で製造されるポリマー粒子は、異種のポリマー粒子であると考えることができる。経口固形組成物は、ポリマー粒子として、同種のポリマー粒子のみを含むものであっても、所望の特性を十分に発揮できることから、粒子の調製/入手の負担の軽減等の観点から、好ましくは、同種のポリマー粒子のみを含んでいてもよい。したがって、経口固形組成物は、好ましくは、平均粒子径1μmを超えるポリマー粒子を含まないものであってもよい。
経口固形組成物は、動物(好ましくは、ヒト等の哺乳動物)に適用することができる。適用量は、対象動物の種類、年齢、体重、病態、投与方法などによっても異なるが、粒子に含まれる有効成分の種類に応じて、適切に設定することができる。
経口固形組成物はさらに、粒子に含まれる有効成分とは別に、上述したような有効成分を1種または2種以上さらに含んでいてもよい。好ましくは、経口固形組成物にさらに含まれる有効成分は、経口固形組成物に含まれる粒子に含まれ得る有効成分と同じであっても異なっていてもよいが、異なることが好ましい。
経口固形組成物はまた、粒子に対して、必要に応じて、適宜の薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、滑沢剤、ならびに食品の基材などを配合してもよい。
賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、D−マンニトール等の糖類、結晶セルロース等のセルロース類などの有機系賦形剤、炭酸カルシウム、カオリン等の無機系賦形剤などの成分を使用することができる。安定化剤としては、ポリエチレングリコール、デキストラン硫酸ナトリウム、その他のアミノ酸類などの成分を使用することができる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などの成分を使用することができる。抗酸化剤としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸などの成分を使用することができる。着色剤としては、医薬および化粧分野において通常に使用される着色成分を使用することができる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム等の成分を使用することができる。その他、経口固形組成物が飴、ガム、チョコレート、およびグミ等の医薬品または食品である場合には、基材として、ショ糖、水飴、白糖、ゼラチン、イオン交換樹脂、キシリトール、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、タルク、ハッカ油、l-メントール、アラビアゴム末、酸化チタン、カルナウバロウ、炭酸カルシウム、ジブチルヒドロキシトルエン、香料、色素、植物性樹脂,熱可塑性樹脂及びエラストマー、カカオ脂、カカオ末、ショ糖脂肪酸エステルなどを使用することができる。
経口固形組成物は、使用前(例、製造時)において固形の形態を採る限り、使用時において液体として用いられるものであってもよい。したがって、経口固形組成物には、使用前および使用時において固形である組成物のみならず、使用時には液体組成物として摂取されるものの使用前には固形である組成物(例、ドライシロップのような患者の手元には固形で届き、服用時には液体のもの)もまた含まれる。経口固形組成物としては、例えば、医薬(例、治療剤、予防剤)、食品(例、栄養剤、菓子類)として用いることができる。医薬としては、例えば、錠剤(例、咀嚼錠、舌下錠)、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップ、カシュー、丸剤、ドロップ、トローチが挙げられる。これらの医薬は、徐放性であってもよい。医薬または食品としては、ガム、チョコレート、およびグミが挙げられる。好ましくは、経口固形組成物は、医薬として用いることができる。
4.セット
本発明のセットは、上述した経口固形組成物を10個以上含む。本発明のセットに含まれる単位剤形としての経口固形組成物の数は、好ましくは15個以上、より好ましくは20個以上、さらにより好ましくは30個以上、特に好ましくは50個以上であってもよい。本発明のセットに含まれる単位剤形としての経口固形組成物の数はまた、好ましくは1000個以下、より好ましくは500個以下、さらにより好ましくは200個以下、特に好ましくは100個以下であってもよい。本発明のセットがこのような個数の経口固形組成物を含む場合であっても、有効成分の含量均一性判定値は10%未満の値を示す。有効成分の含量均一性判定値は、好ましくは9%未満、より好ましくは8%未満、さらにより好ましくは7%未満、特に好ましくは5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満であってもよい。
有効成分の含量均一性の判定は、第十七改正日本薬局方 一般試験 製剤均一性試験法 製剤均一性試験法 含量均一性試験に従い評価することができる(詳細については実施例を参照)。より具体的には、試料30個以上をとり,下記に示す方法に従って試験する(実施例も参照)。定量法と含量均一性試験とで異なる測定法を用いた場合には、補正係数が必要となる場合もある。試料10個について個々の製剤中の有効成分含量を適切な方法で測定し、判定値を計算する。上記局方中に別に規定するもののほか,次の判定基準を適用する。初めの試料10個について判定値を計算し,その値がL1%を超えないときは適合とする。
もし判定値がL1%を超えるときは、更に残りの試料20個について同様に試験を行い、判定値を計算する。2回の試験を併せた30個の試料の判定値がL1%を超えず、かつ個々の製剤の含量が、含量均一性試験又は質量偏差試験の「判定値の計算」の項で示した(1−L2×0.01)M以上で、かつ(1+L2×0.01)Mを超えるものがないときは適合とする。上記局方中に別に規定するもののほか、L1を15.0、L2を25.0とする。本発明のセット一つに含まれる経口固形組成物の数が10個以上30個未満である場合、一つのセットから試料(経口固形組成物)30個をとることはできない。この場合、本発明のセットから試料30個ではなく10個をとり、含量均一性試験を行うことができる。あるいは、当該一つのセットおよびそれと同時に製造される複数のセットの集合から試料(経口固形組成物)30個以上をとり、含量均一性試験が行われてもよい。本発明のセット一つに含まれる経口固形組成物の数が30個以上である場合、当該一つのセットのみから、または当該一つのセットおよびそれと同時に製造される複数のセットの集合から試料(経口固形組成物)30個以上をとり、含量均一性試験を行うことができる。あるいは、この場合であっても、本発明のセットから試料30個ではなく10個をとり、含量均一性試験が行われてもよい。好ましくは、本発明のセット一つに含まれる経口固形組成物の数が30個以上である場合、当該一つのセットのみから試料(経口固形組成物)30個以上をとり、含量均一性試験が行われてもよい。本発明のセット一つに含まれる試料(経口固形組成物)のみから上記のような含量均一性試験を行う観点からは、本発明のセットに含まれる単位剤形としての経口固形組成物の数は30個以上であることが好ましい。
本発明のセットに含まれる単位剤形としての経口固形組成物は、分離可能な状態にある10個以上の経口固形組成物(例、錠剤、カプセル剤、ドライシロップ、カシュー、丸剤、ドロップ、トローチ、ガム、チョコレート、およびグミ)が1つの包装(例、袋または容器)中に含まれるものであってもよく、または、10個以上の経口固形組成物(例、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップ、カシュー、丸剤、ドロップ、トローチ)が個別に包装(例、PTP包装、SP包装)されるものであってもよい。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<製造例1>トラネキサム酸内包ポリマー微粒子の調製
先ず、下記3種の溶液を調製した。
(1)ポリマー液1
ポリマー液1は、エチルセルロース(ダウケミカル社製、STD7FP。重量平均分子量:55,025)8gをアセトン600mLに溶解させることにより調製した。
(2)ポリマー液2
ポリマー液2は、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SL。重量平均分子量:100,000)2gを水328mLに溶解させることにより調製した。
(3)有効成分含有液
有効成分は、トラネキサム酸(丸善製薬(株)製)10.0gを用いた。
次いで、40℃、250rpmで攪拌されているポリマー液2に、有効成分を溶解させて均一な液体を得た。この均一な液体にポリマー液1を徐々に滴下した。ポリマー液1の適下の間、均一な液体を250rpmで撹拌した。ポリマー液1の滴下により液体が白濁した。その結果、ポリマー液1の滴下により、トラネキサム酸、ヒドロキシプロピルセルロース、およびエチルセルロースを含む粒子が自ずと速やかに析出し、このような粒子を含む懸濁液が得られた。この懸濁液を攪拌しつつ減圧吸引してアセトンを除去し、水に分散した粒子液を得た。
(4)乾燥方法
得られた粒子液は、スプレードライヤー(ビュッヒ社製、B−290)で瞬間的に水分が十分に無くなるまで乾燥させた。
<製造例2>シメチジン内包ポリマー微粒子の調製
製造例1の有効成分含有液のトラネキサム酸10.0gを、シメチジン(東京化成工業(株)製)2.0gに変えた以外は、製造例1と同様に調製した。
<製造例3>ミノキシジル内包ポリマー微粒子1の調製
(1)ポリマー液1
ポリマー液1は、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(信越化学工業(株)製、AS−MG。重量平均分子量:17,933)12gをメタノール400mLに溶解させることにより調製した。
(2)ポリマー液2
ポリマー液2は、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SL。重量平均分子量:100,000)3gを水300mLに溶解させることにより調製した。
(3)有効成分含有液
ポリマー液1に有効成分として、ミノキシジル(OXCHEM社製)15.0gを溶解させた。
次いで、40℃、200rpmで攪拌されているポリマー液2に、ミノキシジルの入ったポリマー液1を滴下して均一な液体を得た。この均一な液体を攪拌を続けながら、真空ポンプ(アルバック機工(株)製、DTC−66、60L/分)でメタノールを減圧留去したところ、液中のメタノール量が減ずるとともにコアセルベート様の微小析出物を伴った白濁液が得られた。その結果、ミノキシジル、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルを含む粒子が自ずと速やかに析出し、このような粒子を含む懸濁液が得られた。
(4)乾燥方法
得られた粒子液は、凍結乾燥器(SP Scientific社製、FM25EL−85)で−80℃、20mPaで水分が十分に無くなるまで乾燥させた。
<製造例4>ミノキシジル内包ポリマー微粒子2の調製
(1)ポリマー液1
ポリマー液1は、エチルセルロース(ダウケミカル社製、STD4。重量平均分子量:44,046)12.0gをアメタノール400mLに溶解させることにより調製した。
(2)ポリマー液2
ポリマー液2は、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SL。重量平均分子量:100,000)3.0gを水300mLに溶解させることにより調製した。
(3)有効成分含有液
ポリマー液1に有効成分として、ミノキシジル(OXCHEM社製)15.0gを溶解させた。
次いで、40℃、250rpmで攪拌されているポリマー液2に、有効成分を溶解させたポリマー液1を徐々に滴下した。ポリマー液1の適下の間、液体を250rpmで撹拌した。ポリマー液1の滴下により液体が白濁した。その結果、ポリマー液1の滴下により、ミノキシジル、ヒドロキシプロピルセルロース、およびエチルセルロースを含む粒子が自ずと速やかに析出し、このような粒子を含む懸濁液が得られた。この懸濁液を攪拌しつつ減圧吸引してメタノールを除去し、水に分散した粒子液を得た。
(4)乾燥方法
得られた粒子液は、凍結乾燥器(SP Scientific社製、FM25EL−85)で−80℃、20mPaで水分が十分に無くなるまで乾燥させた。
<製造例5>ジクロフェナクナトリウム内包ポリマー微粒子の調製
製造例1の有効成分含有液のトラネキサム酸10.0gを、ジクロフェナクナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)2.0gに変え、ポリマー液1のエチルセルロース(ダウケミカル社製、STD7FP。重量平均分子量:55,025)8gをエチルセルロース(ダウケミカル社製、STD10。重量平均分子量:77,180)8gに変えた以外は、製造例1と同様に調製した。
<実施例1〜5、比較例1〜5の組成物の調製方法>
表1に記載の原料を合計が200gになるように量りとり、均一に混合した上で1錠あたりが200mgになるように単式打錠機(富士薬品機械製、FY−TQMB−30)にて打錠し、試験サンプルを得た。
<含量均一性評価>
・評価方法
第十七改正日本薬局方 一般試験 製剤均一性試験法 含量均一性試験法に従い評価を実施し、判定値を使用した。(10錠で評価)
式 |M−X|+ks
(X:10錠の平均値、 M:98.5%≦X≦101.5%のときはM=X、X<98.5%のときはM=98.5%、
X>101.5%のときはM=101.5%、 k:2.4(定数、10錠の場合)、 s:10錠の標準偏差)
・判定基準
A:判定値が0%以上5%未満、B:判定値が5%以上10%未満、C:判定値が10%以上
[参考例1] 粒子1の調製
先ず、下記3種の溶液を調製した。
(1)ポリマー液1
ポリマー液1は、エチルセルロース(ダウケミカル社製、STD7FP。重量平均分子量:55,025)0.4gをアセトン30mLに溶解させることにより調製した。
(2)ポリマー液2
ポリマー液2は、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SL。重量平均分子量:100,000)0.1gを水15mLに溶解させることにより調製した。
(3)有効成分含有液
有効成分含有液は、トラネキサム酸(丸善製薬(株)製)0.1gを水1.5mLに溶解させることにより調製した。
次に、実施例と同様の方法により、トラネキサム酸、ヒドロキシプロピルセルロース、およびエチルセルロースを含む粒子を含む懸濁液を得た。この懸濁液を攪拌しつつ減圧吸引してアセトンを除去し、水に分散した粒子液を得た。その後、粒度分布をレーザー回折式粒度分布計(Malvern Instruments Ltd.製、ZetasizerNanoS)で評価した(下記の表2を参照)。
また、得られた粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した。走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
[参考例2] 粒子2の調製
参考例1のトラネキサム酸量を2.0gに変えて、かつトラネキサム酸を有効成分含有液に溶解した溶液を調製せずに、トラネキサム酸をポリマー液2に直接溶解させ、ポリマー液1とポリマー液2を用いた以外は参考例1と同様に粒子液を調製し、粒度分布を測定した(下記の表2を参照)。
[参考例3] 粒子3の調製
先ず、下記3種の溶液を調製した。
(1)ポリマー液1
ポリマー液1は、エチルセルロース(ダウケミカル社製、STD7FP。重量平均分子量:55,025)8gをアセトン600mLに溶解させることにより調製した。
(2)ポリマー液2
ポリマー液2は、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SL。重量平均分子量:100,000)2gを水300mLに溶解させることにより調製した。
(3)有効成分含有液
有効成分含有液は、トラネキサム酸(丸善製薬(株)製)2gを水30mLに溶解させることにより調製した。
次に、実施例と同様の方法により、トラネキサム酸、ヒドロキシプロピルセルロース、およびエチルセルロースを含む粒子を含む懸濁液を得た。この懸濁液を攪拌しつつ減圧吸引してアセトンを除去し、水に分散した粒子液を得た。その後、粒度分布をレーザー回折式粒度分布計(Malvern Instruments Ltd.製、ZetasizerNanoS)で評価した(下記の表2を参照)。
[参考例4] 粒子4の調製
参考例1のエチルセルロースをヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(信越化学工業(株)、AS−MG。重量平均分子量:18,000)に、ポリマー液1のアセトンをメタノールに変えた以外は参考例1と同様に粒子液を調製し、粒度分布を測定した(下記の表2を参照)。
[参考例5] 粒子5の調製
参考例1のエチルセルロースをヒプロメロースフタル酸エステル(信越化学工業(株)、HP−55。重量平均分子量:84,000)に変えた以外は参考例1と同様に粒子液を調製し、粒度分布を測定した(下記の表2を参照)。なお、用いたヒプロメロースフタル酸エステル(HP−55)は、pH溶解性≧5.5、表示粘度40mPa・s〔20℃におけるメタノール/ジクロルメタン溶液(1:1)の10%溶液粘度(日本薬局方)〕の特性を有する。
[参考例6] 粒子6の調製
参考例1のエチルセルロースをメタクリル酸コポリマーS(エボニック社製、S−100。重量平均分子量:125,000)に変えた以外は参考例1と同様に粒子液を調製し、粒度分布を測定した(下記の表2を参照)。
[参考比較例1] 比較用粒子1の調製
参考例1の(3)有効成分含有液(トラネキサム酸0.1gを水1.5mLに溶解させたもの)を水1.5mLに変えた以外は参考例1と同様に粒子液を調製し、粒度分布を測定した(下記の表2を参照)。
(参考例1〜6、および参考比較例1の結果のまとめ)
参考例1〜6、および参考比較例1において測定された粒度分布の結果を表2に示す。
[参考例7] 粒子7の調製
参考例1のトラネキサム酸0.1gを食用赤色3号(保土谷化学工業製)0.01gに変更した以外は参考例1と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された。
[参考例8〜11] 粒子8〜11の調製
参考例3のトラネキサム酸を、L−アルギニン(味の素製)、L−ヒスチジン(味の素製)、グルタミルリジン(味の素製)、およびD−アラニン(東京化成工業製)からなる群より選ばれるいずれか一つの物質に変更した以外は参考例3と同様にして、実験を行った。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。
[参考例12、13] 粒子12、13の調製
参考例3のトラネキサム酸を、L−バリン(味の素製)、L−グルタミン酸ナトリウム(味の素製)のいずれかの物質に、アセトンをメタノールに変更した以外は参考例3と同様にして、実験を行った。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。
[参考例14] 粒子14の調製
参考例3のトラネキサム酸2gをピロリドンカルボン酸(PCA)ナトリウム塩50%(wt)水溶液(味の素製、NL−50)4gに変更した以外は参考例3と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された。
[参考例15] ヒドロキシプロピルセルロースのグレードの検討
参考例7のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のグレードを下記表3に示すとおりに変更した以外は、参考例7と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された(表3)。
[参考例16] エチルセルロースのグレードの検討
参考例7のエチルセルロース(EC)のグレードを下記表4に示すとおりに変更した以外は、参考例7と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された(表4)。
[参考例17] ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのグレードの検討
参考例4のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(信越化学工業(株)製、AS−MG)のグレードを下記表5に示すとおりに変更した以外は、参考例4と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された。
[参考例18] メタクリル酸コポリマーのグレードの検討
参考例6のメタクリル酸コポリマーS(エボニック社製、S−100)をメタクリル酸コポリマーL(エボニック社製、L100。重量平均分子量:125,000)に変更した以外は、参考例6と同様にして、実験を行った。その結果、メタクリル酸コポリマーL(L100)では平均粒子径747nmの粒子の形成が確認された。
[参考例19] 1種のポリマーを用いた粒子の調製の検討
(1)疎水性ポリマーを含まない有機溶媒の使用
参考例1のトラネキサム酸0.1gを食用赤色3号(保土谷化学工業製)0.01gにし、エチルセルロースを使用しなかった他は、参考例1と同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成は確認されなかった。
以上より、疎水性ポリマーを含まない有機溶媒(ポリマー液1の代わりの非ポリマー液)、および親水性ポリマーを含む水溶液(ポリマー液2)を用いた場合には、粒子が形成されないことが確認された。
(2)親水性ポリマーを含まない水溶液の使用
参考例1のトラネキサム酸0.1gを食用赤色3号(保土谷化学工業製)0.01gにし、ヒドロキシプロピルセルロースを使用しなかった他は、参考例1同様にして、実験を行った。その結果、粒子の形成が確認された(動的光散乱測定結果:平均粒子径217nm)。
以上より、疎水性ポリマーを含む有機溶媒(ポリマー液1)、および親水性ポリマーを含まない水溶液(ポリマー液2の代わりの非ポリマー液)を用いた場合には、粒子が形成されることが確認された。
[参考例20] 滴下様式を変更した粒子の調製
参考例1のトラネキサム酸0.1gを食用赤色3号(保土谷化学工業製)0.01gに、ポリマー液2および有効成分含有液の混合液をポリマー液1に滴下することに変更した以外は実施例と同様にして、実験を行った。本実験条件では、多量の有機溶媒に少量の水溶液を添加している。その結果、粒子の形成が確認された。
[参考例21、22、23] 粒子15、16、17の調製
参考例1のトラネキサム酸に代えて、4−ヒドロキシ安息香酸メチル(メチルパラベン、純正化学製)、ミノキシジル(東京化成製)、またはジヒドロキシカプシエイト(味の素製)のいずれかの有効成分を、有効成分含有液の調製をせずにポリマー液1に溶解した以外は、参考例1と同様にして、実験を行った。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。また、有効成分を水溶液ではなく有機溶媒(ポリマー液1)に溶解させることにより、有効成分を含有する粒子が得られることが確認された。
[参考試験例1] 表皮モデル透過性評価1
先ず、参考例3で調製した粒子液を遠心分離機(日立工機(株)製、CF−15RN)で15分間遠心加速度21500×gで遠心分離後、取り除いた上澄みと同量の水を加えて再分散させる洗浄操作を実施し、精製粒子液を得た。この精製粒子液の一部について、再度遠心分離にて洗浄液と粒子を分離し、粒子部分からメタノールを含む高速クロマトグラフの移動相等でトラネキサム酸を抽出した液を分析して、粒子中のトラネキサム酸量をあらかじめ求めた。その結果、粒子の重量に対するトラネキサム酸量は、6%(wt)であった。
次に、ヒト正常表皮細胞を重層培養したヒト3次元培養表皮モデルを用いて、透過性を評価した。3次元培養表皮モデル((株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング製、エピ・モデル12)をセットしたジャケット付静置型フランツセル(パーメギア社製)のドナー側に、トラネキサム酸量として0.2mg含むように精製粒子液を載せ、24時間後のレシーバー側のトラネキサム酸濃度を高速クロマトグラフ(日本ウォーターズ(株)製、H−CLASS)で測定し、透過量を求めた(下記の表6を参照)。
[参考試験例2] 表皮モデル透過性評価2
参考試験例1の遠心精製に用いた粒子液を参考例4で調製した粒子液に変えた以外は参考試験例1と同様に表皮モデル透過性を評価した(下記の表6を参照)。
[参考比較試験例1] 表皮モデル透過性評価3
参考試験例1の精製粒子液を4mg/mLトラネキサム酸水溶液に変えた以外は参考試験例1と同様に表皮モデル透過性を評価した(下記の表6を参照)。
[参考比較試験例2] 表皮モデル透過性評価4
参考試験例1の遠心精製に用いた粒子液を参考比較例1で調製した粒子液に変え、トラネキサム酸量として0.2mgを後から添加した以外は参考試験例1と同様に表皮モデル透過性を評価した(下記の表6を参照)。
(参考試験例1、2、および参考比較試験例1、2の結果のまとめ)
参考試験例1、2、および参考比較試験例1、2において24時間後の透過量の結果を表6に示す。
[参考試験例3] 粒子の性状の確認
参考例3で得られた粒子液を自然乾燥させて走査型電子顕微鏡で観察した外観より、参考例3で得られた粒子の表面が硬質であり、また、当該粒子が真球状であることが確認された(図2)。
また、参考例3で得られた粒子液50μLをポリスチレン基板上に滴下し、24時間室温(25℃)にて自然乾燥させて調製された、ポリスチレン基板上に形成された粒子膜に、20μLの水滴を滴下して側面から画像を撮影した。その画像から画像処理ソフトウエアimage Jを用いて接触角を計測したところ、上記粒子膜上の水の接触角(内角)は43.9度であった。一方、ポリスチレン基板に20μLの水滴を滴下して同様に接触角を計測したところ、ポリスチレン基板上の水の接触角(内角)は78.4度であった。上記粒子膜上の水の接触角は、ポリスチレン基板上の水の接触角に比べて小さい値を示したことから、参考例3で得られた粒子の表面は親水性的な性質を有することが確認された。
さらに、参考例3で調製した調製した粒子を、1mM NaCl水溶液中の電気泳動移動度の測定(Malvern Instruments Ltd.製、ZetasizerNanoS)に付した。その結果、電気泳動による移動度は、−4.1±0.12μmcm/Vsであった。0μmcm/Vsからの絶対値が大きいことから、粒子は親水性ゲル粒子ではないことが確認された。
以上の結果より、参考例3で調製した粒子は、表面がポリスチレン粒子のような硬質さと、ポリアクリルアミドやポリN,Nイソプロピルアクリルアミド粒子のような軟質のゲル様の両方の性質を有することが確認された。また、一旦形成された粒子を、油、有機溶媒または水に分散させても瞬時に溶解して壊れることが無いことも確認された。
[参考試験例4] 粒子の保存性および凝集性の評価
(1)非凍結条件下での保存性の評価
参考例1〜20で調製した粒子液は、冷蔵(4℃)にて1.5年保存後も凝集することなく粒子状態を維持していた。よって、粒子は、保存性に優れることが確認された。
(2)凍結乾燥後の粒子分散能の評価
参考例3で調製した粒子液を攪拌減圧吸引によって、水を10分の1に減らし、凍結乾燥して粉体を得た。この粉体を再度固形分濃度3%(wt)になるように水に分散させたところ元通りの粒子液になることを確認した。
(3)スプレードライ後の粒子分散能の評価
参考例3で調製した粒子液を攪拌減圧吸引によって、水を10分の1に減らし、スプレードライ(日本ビュッヒ製B−290)して粉体を得た。この粉体を再度固形分濃度3%(wt)になるように水に分散させたところ元通りの粒子液になることを確認した。
[参考試験例5] 表皮モデル透過性評価5
上述したように得られた粒子15、16、17について、参考試験例1、2、参考比較試験例1、2と同様の方法において、表皮モデル透過性の評価を行った。その結果、有効成分を含有するこれらの粒子は、表皮モデルにおいて、有効成分の単純溶液よりも透過性が高いことが確認された。
[参考比較例2〜19] 比較用粒子2〜19の調製
参考例7のポリマー液1のエチルセルロース0.4gをポリ乳酸グリコール酸ブロック共重合体(PLGA5015、和光純薬製)、セタノール(NAA−44、日油製)、白色ワセリン(小城製薬製)、カスターワックス(日油製)、ステアリルアルコール(NAA−45、日油製)、ステアリン酸(NAA−180P−1、日油製)、プロピレングリコールカプリル酸エステル(SEFSOL−218、日光ケミカルズ製)、プロピレングリコールジカプリル酸エステル(SEFSOL−228、日光ケミカルズ製)、親油型モノオレイン酸グリセリン(MGO、日光ケミカルズ製)、親油型モノステアリン酸グリセリン(MGS−AMV、日光ケミカルズ製)、親油型モノステアリン酸グリセリン(MGS−BMV、日光ケミカルズ製)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(CDS−6000P、日光ケミカルズ製)、ショ糖脂肪酸エステル(L−595、三菱化学フーズ製)、ショ糖脂肪酸エステル(S−570、三菱化学フーズ製)、ショ糖脂肪酸エステル(S−770、三菱化学フーズ製)、ステアリン酸ポリオキシル40(NIKKOL MYS−40MV、日光ケミカルズ製)、セトマクロゴール1000(NIKKOL BC−23、日光ケミカルズ製)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プロノン#188、日油製)、ポビドン(K−30、BASF製)、コポリビドン (VA64、BASF製)、飽和ポリグリコール化グリセリド(Gelucire50/13、Gattefosse製)、PEG20000(和光純薬工業製)、ポリビニルアルコール(JMP−10L、日本酢ビ・ポバール製)、ポリビニルアルコール(LL−810、日本酢ビ・ポバール製)、ポリビニルアルコール(LL−920、日本酢ビ・ポバール製)、ポリビニルアルコール(LL−940、日本酢ビ・ポバール製)0.1gに、アセトン30mLを15mLに、ポリマー液2のヒドロキシプロピルセルロース0.1gをポリビニルアルコール(EG−05、日本合成化学工業製)0.6gに、水15mLを30mLに変更し、ポリソルベート80を0.13g加えた以外は、参考例7と同様に、実験を行った(表7、8)。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。しかしながら、3次元培養表皮モデルを用いた透過性の評価にて、24時間以内に透過性を示さなかった。
[参考比較例20〜27] 比較用粒子20〜27の調製
参考比較例2のポリマー液1のアセトンに代えて、水を用いた以外は、参考比較例2と同様に、実験を行った(表9)。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。しかしながら、3次元培養表皮モデルを用いた透過性の評価にて、24時間以内に透過性を示さなかった。
[参考比較例28、29] 比較用粒子28、29の調製
参考比較例2のポリマー液2のポリビニルアルコールに代えて、ポビドン(K−90、BASF製)、PEG6000(和光純薬工業製)のいずれかの成分を用いた以外は、参考比較例2と同様に、実験を行った(表9)。その結果、いずれの物質を用いた場合も、粒子の形成が確認された。しかしながら、3次元培養表皮モデルを用いた透過性の評価にて、24時間以内に透過性を示さなかった。
経口固形組成物は、医薬、食品等の製品に有用である。

Claims (20)

  1. 10個以上の経口固形組成物を単位剤形として含み、
    前記経口固形組成物が、以下(i)〜(iii)の成分を含み、かつ(a)〜(d)の特性を有する粒子を含み:
    (i)ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、カチオン化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;
    (ii)(ii−1)アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、疎水化セルロース、およびそれらのエステル誘導体、ならびにそれらの塩、ならびに(ii−2)アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマー;ならびに
    (iii)有効成分;
    (a)有効成分が粒子内部に含まれる;
    (b)体積分布平均粒子径が1〜900nmである;
    (c)前記粒子は、粒子膜上の水の接触角が20〜70度であるという特性を有する;
    (d)前記粒子は、界面活性剤を実質的に含まない;
    前記経口固形組成物中の有効成分量が10重量%以下であり、かつ10%未満の含量均一性判定値を有する、経口固形組成物のセット。
  2. ポリスチレン基板上の水の接触角に対する、粒子膜上の水の接触角の比率が0.2〜0.9の範囲内であるという特性を前記粒子が有する、請求項1記載のセット。
  3. 電気泳動による移動度の絶対値が2μmcm/Vs以上であるという特性を前記粒子が有する、請求項1または2記載のセット。
  4. 粒子の表面が負に荷電している、請求項1〜3のいずれか一項記載のセット。
  5. 前記粒子が可塑剤を実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか一項記載のセット。
  6. 前記(i)のポリマーが、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、およびそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項記載のセット。
  7. ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースであり、
    カルボキシアルキルセルロースが、カルボキシメチルセルロースである、請求項6記載のセット。
  8. 前記(ii)のポリマーが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーである、請求項1〜7のいずれか一項記載のセット。
  9. アルキルセルロースが、メチルセルロース、またはエチルセルロースであり、
    ヒドロキシアルキルアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、
    ヒドロキシアルキルアルキルセルロースのエステル誘導体が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである、請求項8記載のセット。
  10. 前記(ii)のポリマーが、アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマー、ならびにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のポリマーであり、
    アルキレン系ポリマーおよびそのコポリマーが、ビニル系ポリマー、プロピレン系ポリマー、およびブチレン系ポリマー、ならびにそれらのコポリマーからなる群より選ばれる、請求項1〜7のいずれか一項記載のセット。
  11. ビニル系ポリマーが、ビニルアルコール、アクリル酸およびそのエステル誘導体、メタクリル酸およびそのエステル誘導体、ならびにビニルピロリドンからなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマー単位を含むポリマーである、請求項10記載のセット。
  12. 前記粒子が実質的に均一のサイズを有する、請求項1〜11のいずれか一項記載のセット。
  13. 有効成分が低分子化合物である、請求項1〜12のいずれか一項記載のセット。
  14. 前記粒子の重量に対する有効成分量が0.01〜80%(wt)である、請求項1〜13のいずれか一項記載のセット。
  15. 前記粒子の重量に対する有効成分量が0.1〜15%(wt)である、請求項1〜14のいずれか一項記載のセット。
  16. 前記粒子が有効成分の生体組織透過作用を有する、請求項1〜15のいずれか一項記載のセット。
  17. 生体組織が皮膚である、請求項16記載のセット。
  18. 生体組織が角層である、請求項16記載のセット。
  19. 有効成分が医薬成分であり、かつ経口固形組成物が医薬である、請求項1〜18のいずれか一項記載のセット。
  20. 経口固形組成物が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップ、カシュー、丸剤、ドロップ、トローチ、ガム、チョコレート、またはグミである、請求項1〜19のいずれか一項記載のセット。
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