JP2019171811A - 液滴輸送構造体、およびその製造方法 - Google Patents

液滴輸送構造体、およびその製造方法 Download PDF

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雅史 川下
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Abstract

【課題】接触角の差により液滴輸送可能な表面構造を有し、製造面においても好適な液滴輸送構造体、並びにその製造方法を提供する。【解決手段】区画化された表面構造において、少なくとも構造の中心間距離の平均値が、100nm以上、400nm以下である凸型、或いは凹型構造の集合体が形成され、水換算の接触角が相対的に低い区画と、少なくとも構造の中心間距離の平均値が、1μm以上、100μm以下である凸型構造の集合体が形成され、水換算の接触角が相対的に高い区画とが形成された液滴輸送構造体。【選択図】図2

Description

本発明は、物体や平面などの表面に付着した液滴を、特定の方向に輸送するための液滴輸送構造体、およびその製造方法に関する。
近年、自動車用、太陽電池パネル用、建築物用などに、液滴の付着を防止する撥水や親水のコーティングが行われている。
撥水コーティングの場合、物体表面に、例えばフッ素樹脂系の材料を塗布することで、水に対する接触角を大きくし、濡れを抑制できるが、フッ素系樹脂が有する極性により、一定以上の外力の作用なしでは液滴が動かず、表面に留まってしまい、光透過性の低下や、液滴中に埃等の汚れが入った場合、乾燥により表面に汚れが付着してしまう。
これに対し、ハスの葉効果を用いた凹凸構造による超撥水表面は、液滴が滑落することにより、表面に付着した埃等の汚れを液滴の駆動力により洗い流すセルフクリーニング性を有するが、例えば水平な表面に液滴が存在する場合、或いは、滑落に寄与する外力が2つ以上あり、これらが打ち消しあって均衡する場合、液滴は表面に留まるため、光透過性の低下や、液滴中に埃等の汚れが入ってしまった場合、乾燥により表面に汚れが付着してしまう。
一方、親水コーティングの場合、物体表面に、例えば二酸化ケイ素微粒子を含んだ分散液を塗布し、乾燥させることで、水に対する接触角を小さくし、表面に水膜を形成することで、液滴として表面に存在することがないため光透過性の低下は抑制することができるが、水膜中に埃等の汚れが入った場合、水膜中の液の流動で該汚れが排出できなければ、乾燥により表面汚れが発生する。
よって、物体表面に付着した液滴を任意の方向へ輸送することで、表面への液滴の滞在による光透過性の低下を抑制し、且つ物体表面などに付着した汚れを液滴の駆動力により洗い流すセルフクリーニング性も併せ持つ表面の実現が可能となる。
上記液滴の輸送を実現するために、上流から下流に向けて接触角が小さい領域の面積を徐々に増加させることで、上流から下流に向けて液滴が移動する液滴輸送デバイスが特許文献1にて開示されている。領域による接触角の差は凹凸構造の有無により設けており、表面積の増加による、疎水性、或いは親水性の向上を利用しており、さらに接触角に差を設ける領域の片方、或いは両方に、撥水表面処理、或いは親水表面処理を実施することも記載されている。
また、構造周期400nm以下の凹凸構造を形成することにより、平坦面と比較して水換算の接触角が大きくなる現象を利用し、接触角の差を設けた液滴ガイド構造が特許文献2にて開示されている。
特開2005−331410号公報 特開2006−257249号公報
特許文献1記載の液滴輸送デバイスでは、数μmオーダーの凹凸構造形成により、構造未形成領域との間で接触角の差を設けているが、構造未形成領域の接触角は、表面の材料により決められるため、大きな液滴の駆動力を得ることは困難である。
特許文献2記載の液滴ガイド構造では、構造周期400nm以下の凹凸構造を形成することにより、平坦面と比較して水換算の接触角が大きくなる現象を利用し、接触角差を設けているが、大きな駆動力を得るために接触角を十分に大きくするためには、構造高さを高くすることが必要であるため、例えばナノインプリント法を適用した樹脂成形による製造において、樹脂充填不良や構造倒壊による歩留まりの低下が懸念される。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、製造面において好適な構造とすることにより、大きな接触角の差を実現できる液滴輸送構造体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様による液滴輸送構造体は、少なくとも、凹凸構造が形成された第1区画と第2区画とに表面が画成され、
上記第1区画には、少なくとも当該第1区画内の凹凸構造の中心間距離の平均値Paが、100nm以上、400nm以下である凸部および凹部からなる第1集合体が形成されており、
上記第2区画には、少なくとも当該第2区画内の凹凸構造の中心間距離の平均値Pbが、1μm以上、100μm以下である凸部および凹部からなる第2集合体が形成されており、
上記第1区画の水換算の接触角が、上記第2区画の水換算の接触角よりも大きい。
ここで、上記液滴輸送構造体においては、上記第1区画に形成された上記凸部の上面の面積比率が、上記第1区画に形成された上記凹部の底面の面積比率よりも大きくてもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記第1集合体の凸部の平均高さHaが、上記第1区画に形成された凹凸構造の中心間距離の平均値Pa以下であり、
上記第2集合体の凸部の平均高さHbは、上記平均高さHaよりも高くてもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記平均高さHaが、15nm以上、100nm以下であってもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、少なくとも、上記第2区画に形成された凸部の上面に凸部および凹部からなる第3集合体が形成され、当該第3集合体の凹凸構造の中心間距離Pcの平均値が、100nm以上、400nm以下であってもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記第1区画と上記第2区画が隣接する領域の断面視において、上記第1集合体の上面と、上記第3集合体の上面の、厚み方向に対する位置が同じであってもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記第1区画と上記第2区画が隣接する領域の断面視において、上記第1集合体の底面と、上記第3集合体の底面の、厚み方向に対する位置が同じであってもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記第1区画、および第2区画に形成された凹凸構造が、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の少なくともいずれかで構成されていてもよい。
また、上記液滴輸送構造体においては、上記第1区画、および第2区画に形成された凹凸構造の最表面を構成する材料の、平面における水換算の接触角が90度以上であってもよい。
また、本発明の一態様による液滴輸送構造体の製造方法は、第1区画、および第2区画に相当する位置に、上記第1区画、および上記第2区画の反転構造が形成された版を用意する工程と、
基材表面に光、或いは熱硬化性樹脂を塗布する工程と、
上記光、或いは熱硬化性樹脂に上記版をプレスする工程と、
光照射、或いは加熱により、上記光、或いは熱硬化性樹脂を硬化する工程と、
上記硬化した光、或いは熱硬化性樹脂と上記版を離型する工程と、を具備する。
また、本発明の他の態様による液滴輸送構造体の製造方法は、第1区画、および第2区画に相当する位置に、上記第1区画、および上記第2区画の反転構造が形成された版を用意する工程と、
熱可塑性樹脂を加熱し、溶融する工程と、
上記溶融した熱可塑性樹脂に上記版をプレスする工程と、
上記熱可塑性樹脂と、上記版を冷却する工程と、
上記熱可塑性樹脂から、上記版を離型する工程と、を具備する。
本発明の一態様によれば、第1区画に形成された構造により水換算の接触角が小さくなり、一方で第2区画に形成された構造により水換算の接触角が大きくなるため、第1区画と第2区画における接触角差を大きくでき、液滴の駆動力が大きくすることができる。また、第1区画に形成する凸部の高さが十分に低いため、例えばナノインプリント法を用いた樹脂成形による製造においても、歩留まりの低下を抑制することが可能である。
本発明の一実施形態に係る液滴輸送構造体の平面図である。 本発明の一実施形態に係る液滴輸送構造体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る液滴輸送構造体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る液滴輸送構造体の断面図である。 本発明の一実施例の構造設計図である。
本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。尚、以下の説明においては、基材と液滴輸送構造体の間に界面が存在するが、基材と同じ材料で液滴輸送構造体を形成しても良く、基材と液滴輸送構造体の間に、例えば入射する光を反射する反射層や、特定の絵柄を表現するための印刷層が設けられていても良い。
[液滴輸送構造体の設計]
図1は、本発明の一実施形態に係る液滴輸送構造体11の平面図である。図1では液滴輸送構造体11は第1区画と、第2区画との少なくとも二つで分けられて(画成されて)いる。そして、液滴輸送構造体11は、Y方向に対して、第1区画と第2区画の占有面積比率が徐々に増加、或いは減少するように設計される。例えば、図1(a)では、第1区画と第2区画の境界線は、二等辺三角形の長さの等しい二辺となるように設計されているが、第1区画と第2区画の占有面積比率が徐々に増減すれば良く、該設計に限定されるものではない。また、第1区画と第2区画の、該境界線はXY平面において斜め方向に形成されていても良いが、後述する液滴輸送構造体11の製造方法においては、ミクロな視野において、図1(b)のように各頂点が90°である四辺形からなるマトリックス状に区切られた各区画を第1区画と第2区画のいずれかが占める設計がより好ましい。但し、この場合、マトリックスを成す四辺形の任意の辺の長さが、例えば500μm程度になると、同等のサイズの液滴を輸送するために十分な駆動力が得られない恐れがあるため、上記四辺形の任意の辺の長さは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である必要がある。上記四辺形の任意の辺の長さを100μm以下とした場合は、人間が視認可能なサイズの液滴は、ほぼ輸送可能となる。
本実施形態においては、液滴を輸送するために必要な駆動力を第1区画と第2区画の水換算における接触角差により実現し、さらに該接触角差を表面に形成された構造体により実現する。それゆえ、第1区画、および第2区画の表面にはそれぞれ構造体が形成されているが、該接触角差を実現するために、夫々異なる設計ルールに従う構造体が形成されている。図2は、液滴輸送構造体の断面図である。本実施形態では第1区画、第2区画の両方に凸部および凹部よりなる凹凸構造が形成されており、図2(a)は境界における断面構造を現している。
図2(b)は、第1区画に形成する構造体の断面図である。第1区画には、水換算の接触角が相対的に小さくなる凹凸構造が形成されている。具体的には正方配列、或いは六方配列状に並んだ凸型或いは凹型構造の第1集合体であり、その構造周期は400nm以下であることが好ましい。該構造周期を400nm以下とすることにより、接触角を相対的に低くできる効果に加え、例えば、一次回折光による虹色の分光反射の防止、フレネル反射の防止などの光学効果を付与することもできる。尚、正方配列の場合、該構造周期は、垂直、水平方向の周期のみを指す。さらに、第1区画に形成される上記凹凸構造は周期性を持たなくとも良いが、その場合、構造の中心間距離の平均値は400nm以下であることが好ましい。それ故、本実施形態の第1区画に形成される上記凹凸構造において、凸型或いは凹型構造の中心間距離Paは400nm以下であることが好ましい。
一方、凸型或いは凹型構造の中心間距離Paが100nm未満となると、構造の形成が困難になる上、凸型或いは凹型構造の中心間距離Paが100nm以上の構造体と比較して、性能向上の効果が小さくなるため、第1区画に形成する凸型或いは凹型構造の第1集合体において、構造の中心間距離Paは100nm以上、400nm以下の範囲がより好ましい。
上記凸型或いは凹型構造の中心間距離Paが100nm以上、400nm以下である凹凸構造において、底面の面積に対する上面の面積の比を大きくすることにより、水換算の接触角は相対的に低くなる。したがって、第1区画に形成する凸型或いは凹型構造の第1集合体において、構造上面の面積に対する構造底面の面積の比が0.5よりも大きいことが好ましい。
第1区画に形成する凸型或いは凹型構造の第1集合体において、上面と底面におけるZ方向の距離を構造高さHaと定義すると、構造高さHaが高くなるにつれて、構造のアスペクト比が高くなるため、後述する液滴輸送構造体11の製造方法において、ナノインプリント法を適用する場合、版からの離型時における構造の倒壊などが懸念され、さらに凸型或いは凹型構造の中心間距離Paが100nm以上400nm以下の範囲の凹凸構造が形成された表面の水換算の接触角は、相対的に大きくなる。それ故、構造高さHaとしては、凸型、或いは凹型構造の中心間距離の平均値Paの1/2よりも小さいことが好ましい。但し、構造高さHaが極めて小さくなると、凹凸構造による水換算の接触角を小さくする効果が得られなくなるため、構造高さHaは15nm以上がより好ましい。したがって、第1区画に形成する上記凹凸構造の構造高さHaを、15nm以上100nm以下の範囲とすることにより、機能面、及び製造面の両面において好適な構造設計となる。
図2(c)は、第2区画に形成する構造体の断面図である。第2区画には、水換算の接触角が相対的に大きくなる構造が形成されている。具体的には正方配列、或いは六方配列状に並んだ凸型構造の第2集合体を基本とし、その構造周期は1μm以上、100μm以下であることが好ましい。さらに、第2区画に形成される凸型構造の第2集合体は周期性を持たなくとも良いが、その場合、構造間距離の平均値Pbが1μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、20μm以下がより好ましい。
第2区画に形成される凸型構造の第2集合体において、凸型構造の構造高さHbが高いほど、水換算の接触角は相対的に大きくなる。上記構造高さHbは、少なくとも第1区画に形成する凸型或いは凹型構造の第1集合体の構造高さHaよりも高いことが好ましく、500nm以上であることがより好ましい。但し、構造高さHbが、構造間距離の平均値Pbよりも大きくなると、構造のアスペクト比が高くなるため、後述する液滴輸送構造体11の製造方法において、ナノインプリント法を適用する場合、版からの離型時における構造の倒壊などが懸念される。
第2区画における水換算の接触角を相対的に大きくするために、上記第2区画に形成される凸型構造の少なくとも上面に、構造の中心間距離Pcが100nm以上、400nm以下の凸型、或いは凹型構造の第3集合体を形成することが好ましい。尚、上記構造体Cは、上記第2区画に形成される凸型構造の底面にある液滴輸送構造体12としても良い(図3参照)。上記凸型、或いは凹型構造の第3集合体は、第1区画に形成される凸型或いは凹型構造の第1集合体と同じ設計でも良いが、第3集合体の構造高さHcは、第1集合体構造高さHaよりも高いことがより好ましい。また、第3集合体においては、構造底面の面積に対する構造上面の面積の比が、小さいことが好ましく、構造底面の面積に対する構造上面の面積の比が小さいくなるように、構造側壁に傾斜がある順テーパー構造である液滴輸送構造体13としても良い(図4参照)。上記順テーパー構造は後述する液滴輸送構造体11の製造方法において、ナノインプリント法を適用する場合においても離型に対して好適な構造である。
[液滴輸送構造体の製造方法]
液滴輸送構造体11の製造方法としては、荷電粒子線や光によるリソグラフィ、或いはプラズマエッチングなど、公知の微細加工技術を利用した基板加工を適用できるが、上記微細加工技術により液滴輸送構造体11の反転構造が形成された原版を作製し、これを光硬化性、熱硬化性、或いは熱可塑性樹脂上に転写するナノインプリント法を適用することが製造面においては好適である。さらに、上記ナノインプリント法により形成した構造体に対して、例えば真空蒸着法等の公知の技術を用いて皮膜を形成して作製しても良い。これらの方法で作製される液滴輸送構造体11の最表面を構成する材料の、平面における水換算の接触角が90度以上である場合、第2区画における水換算の接触角の増加に対して効果が大きく、本実施形態において好適であるが、液滴輸送構造体11の最表面を構成する材料の、平面における水換算の接触角が90度以下でもよい。
上記ナノインプリント法に用いる原版から適宜複製版を作製し、上記複製版を用いて液滴輸送構造体11を製造することも可能である。その際、複製版の作製工程を鑑みて、適宜原版に形成する構造を決定できる。
上記微細加工技術、特に荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングによる基板加工技術によるナノインプリント用の原版作製は、微細な構造の形状が後の工程により変化することを防ぐために、微細な構造を先に形成し、これをレジストなどで保護しながら順次サイズの大きい構造を形成すれば良い。例えば、第1区画に相当する領域に形成する第1集合体、第2区画に相当する領域に形成する第3集合体が同じ設計であるか、或いは第1区画に形成する第1集合体の構造高さHaと、第2区画に形成する第3集合体の構造高さHcが等しい場合は、原版とする基板上に、上記第1集合体と上記第3集合体を一括で形成することができ、続いて、第2区画に相当する領域に構造体Bのエッチング加工する領域以外をレジストでマスキングしてエッチング加工すれば良く、荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングによる基板加工の各工程を2サイクル実施すれば良い。第1区画に形成する第1集合体の構造高さHaと、第2区画に形成する第3集合体の構造高さHcが異なる場合は、各々の集合体を別々のサイクルで作製する必要があるため、上記各工程を3サイクル実施すれば良い。
このように、加工領域外をマスキングにより保護して加工するため、上記基板加工の全てのサイクルにおいてエッチングされない領域においては、少なくとも該ナノインプリント用の原版の厚み方向に対する位置は同じとなる。すなわち、少なくとも上記ナノインプリント用の原版に形成される上記第1集合体、および上記第3集合体を成す凹凸構造の上面は、該ナノインプリント用の原版の厚み方向に対する位置は同じとなる。したがって、該ナノインプリント用原版から転写して形成する液滴輸送構造体は、上記第1区画に形成された凸型、或いは凹型構造の第1集合体の底面と、上記第2区画に形成された凸型構造の第3集合体の底面の、厚み方向に対する位置が同じとなり、さらに上記転写して形成した液滴輸送構造体を複製版として用い、再度転写した液滴輸送構造体は上記第1集合体、および上記第3集合体を成す凹凸構造の上面は、該ナノインプリント用の原版の厚み方向に対する位置は同じとなる。ナノインプリント用の原版に形成した液滴輸送構造体であっても、該構造を反転した液滴輸送構造体であっても、水換算の接触角差により液滴を輸送する駆動力は得られる。
また、荷電粒子線描画工程において、露光量を変調することで、現像工程におけるレジストの溶解量を調整することができる。当該技術を用いることにより、構造高さが異なる構造体であっても一括形成が可能となる。さらに該レジストに形成した構造体に対して電鋳処理を行えば、例えばニッケルなどの金属材料表面に、上記レジストに形成した構造体の反転構造を形成したナノインプリント用の原版を作製することも可能である。尚、露光量を変調した上記荷電粒子線リソグラフィ工程において、荷電粒子線が未露光の領域においては、該ナノインプリント用の原版の厚み方向に対する位置は同じとなる。
荷電粒子線描画工程により、第1区画に形成する第1集合体、第2区画に形成する第2集合体、および第3集合体のレジスト構造を形成する工程において、全ての構造体を内角、或いは外角の一方が90°の多角形で設計し、且つ第1区画と第2区画の境界線を、ミクロな視野において、図1(b)のように各頂点が90°である四辺形からなるマトリックス状に区切られた各区画を第1区画と第2区画のいずれかが占める設計とすることにより、例えば可変成形型の荷電粒子線描画装置を適用により、高いスループットの原版作製が可能となる。
以下、本発明の一実施例について説明する。まず、ナノインプリント用の原版を作製するため、シリコン基板を用意し、該シリコン基板表面に荷電粒子線観光用のレジストFEP−171(富士フイルムエレクトロニクスマテリアル製)をスピンコートにて塗布後、ベーキングによる乾燥を行った。ベーキング後のレジスト膜厚は150nmであった。続いて該レジスト膜が形成されたシリコン基板上に、図5(a)に示すLxが7.5cm、Lyが5cmの領域21に荷電粒子線を照射した。図5(a)の拡大図が図5(b)であり、Phは280nm、Dhは200nmとする設計のパターンを描画した。描画工程後、該シリコン基板を取り出し、ベーキングと2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液にて現像を実施した。描画工程において荷電粒子線を照射した領域21において、シリコンが露出したシリコン基板に対し、六弗化硫黄とパーフルオロシクロブタンを1:5の割合で導入した誘導結合型プラズマによって、エッチング処理を実施した。該エッチング工程にいて加工したシリコンの深さは40nmであった。残存したレジストを剥離し、図5(a)のパターンが表面に形成されたシリコン基板に荷電粒子線観光用のレジストFEP−171をスピンコートにて塗布後、ベーキングによる乾燥を行った。ベーキング後のレジスト膜厚は1μmであった。続いて該レジスト膜が形成されたシリコン基板上に、図5(c)に示す領域22に荷電粒子線を照射した。図5(c)の拡大図が図5(d)であり、Phは10μm、Dhは5μmとする設計のパターンを描画した。描画工程後、該シリコン基板を取り出し、ベーキングと2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液にて現像を実施した。描画工程において荷電粒子線を照射した領域22において、シリコンが露出したシリコン基板に対し、六弗化硫黄とパーフルオロシクロブタンを1:5の割合で導入した誘導結合型プラズマによって、エッチング処理を実施した。該エッチング工程にいて加工したシリコンの深さは1.5μmであった。残存したレジストを剥離し、オプツールHD―1100(ダイキン工業製)を表面に塗布し、ナノインプリント用の原版を得た。
次に、紫外線硬化性樹脂を上記ナノインプリント用の原版の表面に適量吐出し、コスモシャインA4100(東洋紡製)の易接着面を上記ナノインプリント用原版の表面に向けて設置し、ローラー加圧と紫外線照射により、上記シャインA4100の易接着面側に、紫外線硬化樹脂からなる上記ナノインプリント用の原版の液滴輸送構造体の反転構造が形成されたナノインプリント用の複製版を得た。
続いて、上記複製版表面の紫外線硬化性樹脂に対して離型性を有する紫外線硬化性樹脂をシリコン基板上に塗布し、上記ナノインプリント用の複製版を構造が形成された面を上記シリコン基板表面側に向け設置し、ローラー加圧と紫外線照射により、上記シリコン基板上に塗布した紫外線硬化性樹脂表面に、上記ナノインプリント用の複製版の液滴輸送構造体の反転構造、すなわち上記ナノインプリント用の原版の液滴輸送構造体と同じ図5(e)に示す構造が形成されたシリコン基板を得た。
上記ナノインプリント用の原版の液滴輸送構造体と同じ構造が形成されたシリコン基板において、構造未形成の平坦領域における水の接触角は113°であった。これに対し、図5(e)に示す領域31における水の接触角は153°であり、図5(e)に示す領域32における水の接触角は44°であり、接触角の差により領域31から領域32に向けて液滴の輸送が確認できた。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
本発明の液滴輸送構造体は、表面に付着した水滴を特定の方向へ輸送可能であるため、液滴輸送によるセルフクリーニング性を有し、且つ液滴の残存による光透過性の低下を防止できるため、太陽光発電のためのパネル表面への適用などが期待される。
11、12、13…液滴輸送構造体
21、22…荷電粒子線照射領域
31、32…領域

Claims (11)

  1. 少なくとも、凹凸構造が形成された第1区画と第2区画とに表面が画成され、
    上記第1区画には、少なくとも当該第1区画内の凹凸構造の中心間距離の平均値Paが、100nm以上、400nm以下である凸部および凹部からなる第1集合体が形成されており、
    上記第2区画には、少なくとも当該第2区画内の凹凸構造の中心間距離の平均値Pbが、1μm以上、100μm以下である凸部および凹部からなる第2集合体が形成されており、
    上記第1区画の水換算の接触角が、上記第2区画の水換算の接触角よりも大きいことを特徴とする液滴輸送構造体。
  2. 上記第1区画に形成された上記凸部の上面の面積比率が、上記第1区画に形成された上記凹部の底面の面積比率よりも大きい請求項1に記載の液滴輸送構造体。
  3. 上記第1集合体の凸部の平均高さHaが、上記第1区画に形成された凹凸構造の中心間距離の平均値Pa以下であり、
    上記第2集合体の凸部の平均高さHbは、上記平均高さHaよりも高い請求項1又は請求項2に記載の液滴輸送構造体。
  4. 上記平均高さHaが、15nm以上、100nm以下である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  5. 少なくとも、上記第2区画に形成された凸部の上面に凸部および凹部からなる第3集合体が形成され、当該第3集合体の凹凸構造の中心間距離Pcの平均値が、100nm以上、400nm以下である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  6. 上記第1区画と上記第2区画が隣接する領域の断面視において、上記第1集合体の上面と、上記第3集合体の上面の、厚み方向に対する位置が同じである請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  7. 上記第1区画と上記第2区画が隣接する領域の断面視において、上記第1集合体の底面と、上記第3集合体の底面の、厚み方向に対する位置が同じである請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  8. 上記第1区画、および第2区画に形成された凹凸構造が、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の少なくともいずれかで構成されている請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  9. 上記第1区画、および第2区画に形成された凹凸構造の最表面を構成する材料の、平面における水換算の接触角が90度以上である請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の液滴輸送構造体。
  10. 第1区画、および第2区画に相当する位置に、上記第1区画、および上記第2区画の反転構造が形成された版を用意する工程と、
    基材表面に光、或いは熱硬化性樹脂を塗布する工程と、
    上記光、或いは熱硬化性樹脂に上記版をプレスする工程と、
    光照射、或いは加熱により、上記光、或いは熱硬化性樹脂を硬化する工程と、
    上記硬化した光、或いは熱硬化性樹脂と上記版を離型する工程と、を具備することを特徴とする液滴輸送構造体の製造方法。
  11. 第1区画、および第2区画に相当する位置に、上記第1区画、および上記第2区画の反転構造が形成された版を用意する工程と、
    熱可塑性樹脂を加熱し、溶融する工程と、
    上記溶融した熱可塑性樹脂に上記版をプレスする工程と、
    上記熱可塑性樹脂と、上記版を冷却する工程と、
    上記熱可塑性樹脂から、上記版を離型する工程と、を具備することを特徴とする液滴輸送構造体の製造方法。
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