JP2019171641A - 積層基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリプレグの賦形時にプリプレグの端部に発生する余剰部を解消する積層基材を提供する。【解決手段】一方向強化繊維基材からなり、少なくとも一つの角の角度が5度以上30度未満である多角形のユニットを、前記一方向強化繊維の延在方向に隣り合う前記ユニット間の繊維方向の角度差が10°以下となるように、かつ隣り合う前記ユニット間に隙間を設けて複数のユニットが配置されたユニット列とし、前記ユニット列を前記一方向強化繊維の延在方向と平行に隙間を設けて並べた基材を、少なくとも2層以上積層された積層基材。【選択図】図1
Description
本発明は、強化繊維を積層した積層基材に関する。
炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維等を強化繊維として用いた強化繊維プリプレグは、その高い比強度・比弾性率を生かして、航空機や自動車等の構造材料、スポーツ用品あるいは一般産業用途の素材として利用されている。特に航空機産業においては燃料節約及び操業コストの削減を目的に、幅広く利用されている。
連続繊維からなるプリプレグは三次元形状に成形し難い材料であるため、プリプレグを数mmの幅にまでスリットしてテープ状にし、三次元形状に並べて積層することで、幅の狭いテープ自体を実質二次元形状に沿わせるだけで良く、複雑形状であっても形状追従可能とするオートテープレイアップと呼ばれる技術が用いられる。しかしながら、大面積、厚肉部材の三次元形状にまで積層するには生産性が低いという問題があった。
一方、生産性に優れるプロセスとして、平板上に積層したプリプレグを一気に三次元形状に賦形するホットフォーミングが知られている。しかしながら、賦形時にプリプレグの変形能不足に起因するシワやブリッジング(繊維の突っ張り)が発生し、繊維強化繊維プラスチックの歩止まりが落ちるという問題があった。具体的には、形状変化のある部位、例えば屈曲部では、プリプレグ積層体の上下で周長差が生じる。プリプレグ積層体が固化され繊維強化プラスチックとなる過程で、プリプレグに含浸されたマトリックス樹脂の熱収縮による厚み減少が生じるものの、プリプレグ積層体は伸張性の低い強化繊維が連続しているため、周長差を解消させるには強化繊維自身が座屈してシワを発生させるか、ブリッジングを起こすといった成形不具合を引き起こしていた。また、ブリッジング直下は成形圧が加わり難いことから、ボイドが発生しやすいといったデメリットも併発していた。このボイド発生は真空ポンプを加圧手段としたオーブン成形など低圧成形においてより顕著な問題であった。
フォーミング中の皺を低減する技術として、平板上に積層したプリプレグの面外方向に圧縮力を加え続けることで、座屈を低減する方法が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された技術では、積層したプリプレグ上に引張材料を載置し外縁から張力を保持し続けることで、平板上に積層したプリプレグの面外方向に圧縮力を加え続け、座屈を低減することができる。
また、三次元形状への賦形性を向上させる技術として、プリプレグに複数の切込を挿入し面内変形能を高めることで皺を低減する方法が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2に開示された技術では、規則的な切込を挿入したプリプレグを積層しフォーミングすることで、三次元形状への賦形性に優れ、部材強度低下を引き起こすような成形欠陥を抑制する成形ロバスト性に優れた繊維強化プラスチックを得ることができる。
しかしながら、特許文献1に開示されるフォーミング中の皺を低減する方法は、
プリプレグを賦形した際に生じる余剰部を解消することができないという問題があった。
プリプレグを賦形した際に生じる余剰部を解消することができないという問題があった。
また、特許文献2に開示される三次元形状への賦形性を向上させる方法も、プリプレグ賦形した際に生じる余剰部を解消することができないという問題があった。
そこで本発明の課題は、プリプレグの賦形時に発生する余剰部を解消する積層基材を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明の積層基材は、以下の構成を採用する。すなわち、一方向強化繊維基材からなり、少なくとも一つの角の角度が5度以上30度未満である多角形のユニットを、前記一方向強化繊維の延在方向に隣り合う前記ユニット間の繊維方向の角度差が10°以下となるように、かつ隣り合う前記ユニット間に隙間を設けて複数のユニットが配置されたユニット列とし、前記ユニット列を前記一方向強化繊維の延在方向と平行に隙間を設けて並べた基材を、少なくとも2層以上積層された積層基材である。
本発明によれば、プリプレグの賦形時にプリプレグの端部に発生する余剰部を解消する積層基材を提供することができる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施態様は、あくまで本発明の望ましい実施の形態の例示であって、本発明は、これら実施態様に限定されるものではない。
積層基材1の概略斜視図を図1に示す。積層基材1は、一方向強化繊維基材からなり、少なくとも一つの角の角度が5度以上30度未満である多角形のユニット2を、一方向強化繊維の延在方向に隣り合うユニット2との間の繊維方向の角度差が10°以下となるように、かつ隣り合うユニット2との間に隙間を設けて複数のユニット2が配置されたユニット列3とし、ユニット列3を一方向強化繊維の延在方向と平行に隙間を設けて並べた基材(符号なし)を、少なくとも2層以上積層されたものである。
ユニット2は、一方向に引き揃えた強化繊維からなる一方向強化繊維基材を切断して得たものである。強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ケブラー繊維等を用いることが好ましい。また、一方向強化繊維基材としては、マトリックス樹脂が含浸されたプリプレグ、マトリックス樹脂が含浸されないドライ状態の強化繊維束やノンクリンプファブリック(NCF)等を用いることができる。後述する積層時において、重なったユニット2同士を固着する方法としては、プリプレグの場合はタックを活用することができ、ドライ状態の強化繊維束やNCFの場合は、バインダーを表面に散布する等して固着することができる。
ユニット2は、少なくとも一つの鋭角部21を備える。図1では平行四辺形の形状を例示しているが、これに限定されず、図3に示す台形形状のほか、三角形、四角形、多角形も可能である。また、例えば台形と平行四辺形の繰り返し構造など、二つ以上の図形を組み合わせて配置することも可能である。
鋭角部21の角度は小さいほど力学特性が向上することが知られているが、角度が小さくなりすぎると切断工程が困難になるため、鋭角部21の角度は5度以上30度未満であることが重要である。
また、図2に示すように、ユニット2の最長辺22の長さの最短辺23の長さに対する比が、下限値は1倍、上限値は20倍であることが望ましい。20倍を越えると、ユニット2内に生じた皺を外部に逃がすことが難しい。また、積層基材の変形能のバラつきを抑えたい場合、積層基材1を構成するユニット2は同形状であることが望ましく、積層基材1の変形能を、場所ごとに変化させたい場合、積層基材1を構成するユニット2自身の大きさを変えることや、ユニット2とユニット2の隙間の大きさを変化させることが望ましい。
次に、ユニット2の並べ方について説明する。1つの層内において、ユニット2を構成する一方向強化繊維の延在方向に隣り合うユニット2間の強化繊維の繊維方向の角度252の角度差が10°以下となることが重要である。隣り合うユニット2同士が実質的に同方向に揃えて並べられていることが好ましい。
また、隣り合うユニット列3同士は平行であることが重要である。ただし、ユニット列3内の各ユニット2に着目した場合、隣り合うユニット列3との間のユニット2同士の角度251は、10°以下となるように配置されることが好ましい。
さらに、ユニット2の配置にあたっては、隣り合うユニット2同士の間の隙間面積が小さくなるように配置することが好ましい。例えば図1で示すようにユニット2の形状が平行四辺形の場合においては、ユニット2同士の間の鋭角方向の斜辺の向きを揃えて並べることが好ましい。ユニット2の形状が図3に示すような台形の場合には、台形の上底と下底とを交互に並べることが好ましく、平行四辺形と台形とを組み合わせる場合には、斜辺の向きを揃えて並べることが好ましい。
このように配置した際におけるユニット2同士の間隔24は0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。0.5mm未満となると配置工程が困難となる。一方、10mmを超えると、得られる成形体の力学的特性が下がるため好ましくない。
ユニット2同士の間隔24は、1つのユニット列3内における一方向強化繊維の延在方向に並べた際の隣り合うユニット2同士の間隔のみならず、隣り合うユニット列3同士の間隔26は0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。0.5mm未満となると配置工程が困難となる。一方、10mmを超えると、得られる成形体の力学的特性が下がるため好ましくない。
必要なユニット列3を同一平面内に並べて1層の基材(符号なし)とすることができる。1層あたりの基材の形態は特に限定されるものではないが、得られる成形体の最終形状と同等の形状(ニアネットシェイプ)となるように配置しておくと、後処理工程を削減できて好ましい態様である。
図1に示すように、1層目の基材の上に、2層目以降の基材を形成して積層する積層基材1とすることが重要である。このとき、2層目以降のユニット2の繊維配向の方向は任意であり、1層目の基材を構成するユニット2の繊維配向に対して平行でも良く、所定の角度で交わっても良い。なお、隣り合う基材同士のユニット2の繊維配向を平行に配置する場合には、ユニット列3同士の隙間が重ならないようにすることが好ましい。
また、積層基材1を構成する層として、最外層もしくは内部の任意の層に、例えば、織物、編物、不織布、一方向強化繊維基材、ノンクリンプファブリック(NCF)を含んでも良い。
積層基材1は、ホットフォーミングやプレス等のフォーミング手法を用いて、型に押し付けることで、フォーミングすることができる。その後、オートクレーブやプレスを例とする成形手法を用いることで、成形体にすることが出来る。
本発明に係る、幾何学的に生じる繊維余りを解消する強化繊維多軸機材により、賦形工程が容易になり、航空機産業や自動車産業に適用できる。
1 積層基材
2 ユニット
21 鋭角部
22 最長片
23 最短片
24 間隔
251 隣り合うユニット列との間のユニット同士の角度
252 一つのユニット列内での、隣り合うユニット同士の角度
26 隣り合うユニット列間同士の隙間
3 ユニット列
2 ユニット
21 鋭角部
22 最長片
23 最短片
24 間隔
251 隣り合うユニット列との間のユニット同士の角度
252 一つのユニット列内での、隣り合うユニット同士の角度
26 隣り合うユニット列間同士の隙間
3 ユニット列
Claims (8)
- 一方向強化繊維基材からなり、少なくとも一つの角の角度が5度以上30度未満である多角形のユニットを、前記一方向強化繊維の延在方向に隣り合う前記ユニット間の繊維方向の角度差が10°以下となるように、かつ隣り合う前記ユニット間に隙間を設けて複数のユニットが配置されたユニット列とし、前記ユニット列を前記一方向強化繊維の延在方向と平行に隙間を設けて並べた基材を、少なくとも2層以上積層された積層基材。
- 前記ユニットの最長辺が最短辺に対して20倍を越えないことを特徴とする、請求項1に記載の積層基材。
- 前記ユニットが同形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層基材。
- 前記ユニットが平行四辺形または台形であることを特徴とする請求項3に記載の積層基材。
- 前記ユニット間の隙間、および前記ユニット列間の隙間がいずれも0.5mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の積層基材。
- 前記一方向強化繊維基材がプリプレグであることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の積層基材。
- 前記一方向強化繊維基材が繊維束もしくはノンクリンプファブリック(NCF)であり、バインダーを用いて固着積層されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の積層基材。
- 前記請求項1から7のいずれかに記載の積層基材をフォーミングし、成形してなる成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018061252A JP2019171641A (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 積層基材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018061252A JP2019171641A (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 積層基材 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2018061252A Pending JP2019171641A (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 積層基材 |
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2018
- 2018-03-28 JP JP2018061252A patent/JP2019171641A/ja active Pending
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