JP2019170692A - 香料放出装置、香料放出方法、及び香料放出プログラム - Google Patents

香料放出装置、香料放出方法、及び香料放出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することができる香料放出装置、香料放出方法、及び香料放出プログラムを得る。【解決手段】香料放出装置10は、複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部14と、複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度でユーザに香りを放出した場合に取得された快適度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とし、1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、1番目の濃度の香料からN−1番目の濃度の香料と混合させてユーザに香りを放出した場合に取得された快適度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する情報処理装置12と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、香料放出装置、香料放出方法、及び香料放出プログラムに関する。
従来、入眠と覚醒とを演出する音、照明、及び香りの3つの要素を使用して利用者の入眠を誘導する入眠プログラムと、上記3つの要素を使用して利用者の睡眠後の覚醒を誘導する覚醒プログラムとを実行する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、複数のカートリッジ装着場所の各々に香源を含むカートリッジが装着された嗅覚ディスプレイ、及び予め定められた噴射パターンに基づいて嗅覚ディスプレイから香りを出力させる制御部を備えた香り時計が提案されている(特許文献2参照)。
また、複数の芳香原液を任意の量で混合させて香りを調整する香り調製装置が提案されている(特許文献3参照)。
特開2017−18175号公報 特開2016−97208号公報 特開平6−18061号公報
ところで、香料は多数存在し、複数の香料の組み合わせも多数存在する。また、複数の香料を混合させる際の香料の濃度も多数存在する。従って、ユーザの嗜好及び目的等に合わせて複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することは困難である。しかしながら、上記特許文献1〜特許文献3に記載の技術では、ユーザの嗜好及び目的等に合わせて複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することについては考慮されていない。
本発明は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することができる香料放出装置、香料放出方法、及び香料放出プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る香料放出装置は、複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部と、前記放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得する取得部と、前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に前記取得部により取得された感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に前記取得部により取得された感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う制御部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る香料放出方法は、複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得し、前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う処理をコンピュータが実行するものである。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る香料放出プログラムは、複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得し、前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
本発明によれば、複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することができる。
実施形態に係る香料放出装置のハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。 実施形態に係る快適度を説明するための図表である。 実施形態に係る強度を説明するための図表である。 実施形態に係る第1香料を決定する処理を説明するための図表である。 実施形態に係る第2香料を決定する処理を説明するための図表である。 実施形態に係る第3香料を決定する処理を説明するための図表である。 実施形態に係る第1香料決定処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る第2香料決定処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る第N香料決定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る香料放出装置10のハードウェア構成を説明する。図1に示すように、香料放出装置10は、情報処理装置12及び放出部14を備える。情報処理装置12は、一例として図1に示すコンピュータで実現される。
情報処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)21、一時記憶領域としてのメモリ22、及び不揮発性の記憶部23を含む。また、情報処理装置12は、液晶ディスプレイ等の表示部24、キーボードとマウス等の入力部25、ネットワークに接続される通信I/F(InterFace)26、及び放出部14が接続される外部I/F27を含む。CPU21、メモリ22、記憶部23、表示部24、入力部25、通信I/F26、及び外部I/F27は、バス28に接続される。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、香料放出プログラム30が記憶される。CPU21は、記憶部23から香料放出プログラム30を読み出してからメモリ22に展開し、展開した香料放出プログラム30を実行する。
放出部14は、液体、固体、又は気体状態の香料が収容されるシリンダー等の収容体を複数備える。また、放出部14が備える各収容体にはそれぞれ異なる香料が収容される。また、放出部14は、情報処理装置12のCPU21による制御により、収容体の何れか1つに収容された香料を用いて所定の濃度で香りを外部に放出する。また、放出部14は、情報処理装置12のCPU21による制御により、複数の収容体に収容された複数の香料を所定の濃度で混合させて香りを外部に放出する。
なお、香料の例としては、植物から抽出された天然香料(オレンジ、ペパーミント、ラベンダー、レモン、及びローズマリー等)、天然香料に含まれる主要成分(リモネン、リナロール、シトラール、メントール、1,8−シネオール、及びα−ピネン等)、及び調香に用いられる合成香料成分(リラール、イソ吉草酸ベンジル、ゲラニルニトリル、及びフェニル酢酸ゲラニル等)等が挙げられる。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の機能的な構成を説明する。図2に示すように、情報処理装置12は、取得部40及び制御部42を含む。CPU21が香料放出プログラム30を実行することで、取得部40及び制御部42として機能する。
取得部40は、放出部14により放出された香りに対応してユーザにより入力部25を介して入力された香りの快適度及び強度を含む感覚情報を取得する。本実施形態では、快適度は、一例として図3に示すように、−4から4までの9段階で入力される。また、本実施形態では、強度は、一例として図4に示すように、0から5までの6段階で入力される。
制御部42は、放出部14を制御し、放出部14の各収容体に収容された香料それぞれを混合させずに、異なる複数の濃度で香りを放出部14から放出させる。この際、制御部42は、濃度が徐々に高くなるように香りを放出部14から放出させる。
一例として図5に示すように、本実施形態では、各香料について、5段階の濃度でそれぞれ香りが放出部14から放出され、各濃度の香りに対応してユーザにより香りの快適度及び強度が入力される。なお、図5の例では、数字が大きいほど、濃度が高い場合について示している。
また、制御部42は、各香料について、入力された強度が基準となる強度(本実施形態では「3」)である濃度を基準濃度と決定し、快適度が最高の濃度を快適濃度と決定する。図5の例では、香料Aの快適濃度及び基準濃度は、それぞれ「4」となる。また、制御部42は、快適濃度に対応する快適度の順位、又は各香料の作用効果(例えば、目標心身状態のなり易さ)に関する従来知見、もしくはその組み合わせに基づいて、各香料の優先順位を決定する。
また、制御部42は、各香料のうち、快適濃度に対応する快適度が最高の香料を1番目の香料(以下、「第1香料」という)と決定する。なお、制御部42は、各香料のうち、快適度が最高の香料が複数存在する場合は、何れか1つの香料を第1香料と決定する。また、この場合、制御部42は、快適度が最高の複数の香料のうち、快適濃度が最も低い香料を第1香料と決定してもよい。
また、本実施形態では、制御部42は、図5の網掛け部分に示すように、濃度を徐々に高くした際に、快適度が1段階前の濃度の快適度よりも低下した場合は、その時点でその香料における香りの放出を打ち切る。すなわち、制御部42は、濃度を徐々に高くした際に、快適度が1段階前の濃度の快適度よりも低下した場合は、快適度が低下した濃度より高い濃度での香料の放出を実行しない制御を行う。これは、濃度を徐々に高くした際に、快適度が低下するということは、それ以上高い濃度で香りを放出したとしても快適度が高くなることが考え難いためである。これにより、第1香料を決定する際の手順数を減らすことができる。
また、制御部42は、放出部14を制御し、第1香料以外の所定数Mの各香料について、快適濃度の第1香料と、第1香料を決定した際の快適濃度の香料とを混合させて放出部14から香りを放出させる。この際、本実施形態では、制御部42は、優先順位が高い香料から順に混合させる。一例として図6に示すように、放出部14から放出された香りに対応してユーザにより香りの快適度が入力される。なお、図6では、第1香料が香料Aで、かつ香料Aの快適濃度が「4」である場合の例を示している。
また、制御部42は、第1香料との組み合わせで、快適度が最高である香料を2番目の香料(以下、「第2香料」という)と決定する。図6の例では、香料Cが第2香料と決定される。
また、制御部42は、放出部14を制御し、第1香料及び第2香料以外の所定数Mの各香料について、快適濃度の第1香料及び第2香料と、第1香料を決定した際の快適濃度より1段階低い濃度の香料とを混合させて放出部14から香りを放出させる。この際、本実施形態では、制御部42は、優先順位が高い香料から順に混合させる。また、一例として図7に示すように、放出部14から放出された香りに対応してユーザにより香りの快適度が入力される。なお、図7では、第1香料が香料Aで、かつ香料Aの快適濃度が「4」であり、第2香料が香料Cで、かつ香料Cの快適濃度が「2」である場合の例を示している。
また、制御部42は、第1香料及び第2香料との組み合わせで、快適度が最高である香料を3番目の香料(以下、「第3香料」という)と決定する。図7の例では、香料Dが第3香料と決定される。また、本実施形態では、4番目以降の香料についても第3香料と同様に決定される。
すなわち、制御部42は、3番目以降のN(Nは3以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数)番目の香料(以下、「第N香料」という)は、以下に示す処理で決定する。この場合、制御部42は、第1香料〜第N−1香料以外の所定数Mの各香料について、快適濃度の第1香料〜第N−1香料と、第1香料を決定した際の快適濃度より1段階低い濃度の香料とを混合させて放出部14から香りを放出させる。この場合の所定数Mは、例えば、第N香料を決定する際に、第1香料〜第N−1香料に混合させる香料の候補数として、ユーザにより設定された値を適用することができる。なお、制御部42は、第2香料を第N香料と同様に決定してもよい。
そして、制御部42は、第1香料〜第N−1香料との組み合わせで、快適度が最高である香料を第N香料と決定する。本実施形態では、制御部42は、第N香料を決定する際に、第1香料を決定する際の快適濃度が最低段階(本実施形態では「1」)の香料については、濃度を半分(図7の例における香料Eの「0.5」)とする。なお、この場合、制御部42は、第N香料を決定する際に、第1香料を決定する際の快適濃度が最低段階の香料については混合の対象外としてもよい。
また、制御部42は、最後の第N香料の決定後に、第N香料を決定した際の第1香料〜第N香料の各香料の濃度を表す濃度情報50を、記憶部23に記憶する。また、本実施形態では、濃度情報50に対応付けて、各香料の基準濃度も記憶部23に記憶する。
次に、図8〜図10を参照して、本実施形態に係る香料放出装置10の作用を説明する。情報処理装置12のCPU21が香料放出プログラム30を実行することによって、図8に示す第1香料決定処理、図9に示す第2香料決定処理、及び図10に示す第N香料決定処理が実行される。なお、図8に示す第1香料決定処理は、例えば、ユーザにより入力部25を介して香料放出プログラム30の実行指示が入力された場合に実行される。
図8のステップS10で、制御部42は、放出部14に収容されている複数の香料のうち、1つの香料を選択する。なお、本ステップS10が2回目以降に実行される場合には、制御部42は、それまでに未選択の香料を選択する。ステップS12で、制御部42は、ステップS10の処理により選択された香料を、放出部14から放出させる際の濃度を選択する。本実施形態では、制御部42は、前述したように、本ステップS12が繰り返し実行される都度、前回よりも1段階高い濃度を選択する。従って、図5に示した例では、1回目に本ステップS12が実行される際には、制御部42は、5段階のうち最も低い1段階目の濃度を選択し、2回目に本ステップS12が実行される際には、制御部42は、5段階のうち2段階目の濃度を選択する。
ステップS14で、制御部42は、放出部14を制御し、ステップS10の処理により選択された香料について、ステップS12の処理により選択された濃度で香りを放出部14から放出させる。ユーザは、放出部14から放出された香りに対応して、香りの快適度及び強度を、入力部25を介して入力する。ステップS16で、取得部40は、ユーザにより入力された香りの快適度及び強度を取得する。
ステップS18で、制御部42は、ステップS12の処理により選択された濃度が上限の濃度(図5の例では5段階目の濃度)であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS24に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップS20に移行する。
ステップS20で、制御部42は、ステップS16の処理により取得された香りの強度が、強いにおいの強度として予め定められた強度(図4の例では強度「4」)以上であるか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS24に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップS22に移行する。
ステップS22で、制御部42は、直前に実行されたステップS16の処理により取得された香りの快適度が、その1回前に実行されたステップS16の処理により取得された香りの快適度よりも低下しているか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS12に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS24に移行する。
ステップS24で、制御部42は、ステップS12〜S22の繰り返し処理におけるステップS16の処理により取得された快適度のうち、最高の快適度に対応する濃度をステップS10の処理により選択された香料の快適濃度と決定する。また、制御部42は、ステップS12〜S22の繰り返し処理におけるステップS16の処理により取得された強度のうち、基準となる強度に対応する濃度をステップS10の処理により選択された香料の基準濃度と決定する。
ステップS26で、制御部42は、ステップS10〜S24の処理が、放出部14に収容された香料のうち、所定数Mの全ての香料について完了したか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS10に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS28に移行する。
ステップS28で、制御部42は、ステップS10〜S26の繰り返し処理におけるステップS10で選択された香料のうち、ステップS24の処理により決定された快適濃度に対応する快適度が最高の香料を第1香料と決定する。
ステップS30で、制御部42は、ステップS10〜S26の繰り返し処理におけるステップS10で選択された香料について、ステップS24の処理により決定された快適濃度に対応する快適度の順位、又は各香料の作用効果に関する従来知見、もしくはその組み合わせに基づいて、各香料の優先順位を決定する。ステップS30の処理が終了すると、第1香料決定処理が終了する。第1香料決定処理が終了すると、図9に示す第2香料決定処理が実行される。
図9のステップS40で、制御部42は、放出部14に収容されている複数の香料のうち、上記ステップS28の処理により決定された第1香料以外の1つの香料を選択する。本ステップS40が2回目以降に実行される場合には、制御部42は、それまでに未選択の香料を選択する。なお、本ステップS40で、制御部42は、ステップS30で決定された優先順位の高い香料から順に1つの香料を選択することが望ましい。
ステップS42で、制御部42は、放出部14を制御し、第1香料と、ステップS40の処理により決定された香料を、それぞれについて上記ステップS24の処理により決定された快適濃度で混合させて放出部14から香りを放出させる。ユーザは、放出部14から放出された香りに対応して、香りの快適度を、入力部25を介して入力する。ステップS44で、取得部40は、ユーザにより入力された香りの快適度を取得する。
ステップS46で、制御部42は、ステップS40〜S44の処理が、放出部14に収容された、第1香料以外の所定数Mの全ての香料について完了したか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS40に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS48に移行する。
ステップS48で、制御部42は、ステップS40〜S46の繰り返し処理におけるステップS40の処理により選択された香料のうち、ステップS44の処理により取得された快適度が最高の香料を第2香料と決定する。ステップS48の処理が終了すると、第2香料決定処理が終了する。第2香料決定処理が終了すると、図10に示す第N香料決定処理が実行される。第N香料決定処理は、3番目の香料から、(混合させる香料の数の上限値)番目の香料までのそれぞれについて順番に実行される。
図10のステップS50で、制御部42は、放出部14に収容されている複数の香料のうち、第1香料〜第N−1香料以外の1つの香料を選択する。本ステップS50が2回目以降に実行される場合には、制御部42は、それまでに未選択の香料を選択する。なお、本ステップS50で、制御部42は、ステップS30で決定された優先順位の高い香料から順に1つの香料を選択することが望ましい。
ステップS52で、制御部42は、第1香料〜第N−1香料と、ステップS50の処理により選択された香料を混合させて放出部14から香りを放出させる。この際、制御部42は、第1香料〜第N−1香料は、第N−1香料を決定した際の濃度とし、ステップS50の処理により選択された香料は、ステップS24の処理により決定された快適濃度より1段階低い濃度とする。ユーザは、放出部14から放出された香りに対応して、香りの快適度を、入力部25を介して入力する。ステップS54で、取得部40は、ユーザにより入力された香りの快適度を取得する。
ステップS56で、制御部42は、ステップS50〜S54の処理が、放出部14に収容された、第1香料〜第N−1香料以外の所定数Mの全ての香料について完了したか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS50に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS58に移行する。
ステップS58で、制御部42は、ステップS50〜S56の繰り返し処理におけるステップS50の処理により選択された香料のうち、ステップS54の処理により取得された快適度が最高の香料を第N香料と決定する。そして、制御部42は、Nが混合させる香料の数の上限値である場合は、第N香料を決定した際の各香料の濃度を示す濃度情報50を、記憶部23に記憶する。また、この際、制御部42は、上記ステップS24の処理により決定された基準濃度を濃度情報50に対応付けて記憶する。ステップS58の処理が終了すると、第N香料決定処理が終了する。
香料放出装置10は、例えば、ユーザからの指示に従って、以上の処理により記憶部23に記憶された濃度情報50が示す濃度で各香料を混合させて香りを放出部14から放出する。また、例えば、ユーザから香料放出プログラム30の実行指示が再度入力された場合は、上記ステップS12で濃度を選択する際に、基準濃度より1段階低い濃度から選択する。これにより、濃度の下限値から濃度を選択する場合に比較して、第1香料を決定する処理の手順数を減らすことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の香料を混合させる場合の香料の組み合わせ、及び香料の濃度を適切に決定することができる。
なお、上記実施形態では、香りの快適度をユーザが入力する場合について説明したが、これに限定されない。香りの快適度をユーザの生体情報から求めてもよい。この場合、例えば、ユーザの心拍間隔及び心拍変動の高周波成分等の副交感神経指標を用いて、ユーザがリラックスしている度合いを求め、求めたリラックスしている度合いを快適度として用いる形態が例示される。なお、ユーザの生体情報の例としては、心拍、血圧、脈波、呼吸、脳波、脳血流、眼球運動、瞬目、開閉眼、瞳孔径、皮膚温、皮膚電気活動、唾液中バイオマーカー、皮膚ガス、及び呼気ガス等が挙げられる。
また、上記実施形態において、取得部40が、ユーザにより入力された、ユーザが目標とする心身状態(以下、「目標心身状態」という)を取得してもよい。この場合、制御部42は、濃度情報50と、取得部40により取得された目標心身状態とを対応付けて記憶部23に記憶する形態が例示される。なお、目標心身状態の例としては、覚醒(目を覚ましたい)、活性化(元気になりたい)、集中、リラックス、疲労回復、及び入眠(眠りたい)等が挙げられる。この形態例において、ユーザは、例えば、快適度の代わりに、放出部14により放出された香りを嗅ぐことによって、ユーザの心身状態がどれだけ目標心身状態に近づいたかを表す達成度を入力する。また、この形態例において、取得部40は、上記実施形態における快適度に代わりに、ユーザにより入力された目標心身状態に対する達成度を取得する。そして、制御部42は、上記実施形態における快適度に代わりに、取得部40が取得した達成度を用いて、第1香料〜第N香料を決定する。なお、この形態例において、目標心身状態に対する達成度をユーザの生体情報から求めてもよい。
また、この形態例において、制御部42は、目標心身状態に応じて予め定められた時間帯に、目標心身状態に対応付けられて記憶部23に記憶された濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出してもよい。この場合、例えば、朝には、「覚醒」の目標心身状態に対応付けられた濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出し、昼には、「活性化」の目標心身状態に対応付けられた濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出する形態が例示される。また、この場合、例えば、夕には、「リラックス」の目標心身状態に対応付けられた濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出し、夜には、「入眠」の目標心身状態に対応付けられた濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出する形態が例示される。
また、上記実施形態において、取得部40が、ユーザにより入力された、ユーザが香りを嗅ぐ前の心身状態(以下、「前心身状態」という)を更に取得してもよい。この場合、制御部42は、濃度情報50と目標心身状態と前心身状態とを対応付けて記憶部23に記憶する形態が例示される。この場合、ユーザにより入力された現在の心身状態(前心身状態に対応)と目標心身状態とに対応付けられて記憶部23に記憶された濃度情報50が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出する形態が例示される。
また、上記実施形態における図8〜図10に示した混合させる香料の組み合わせ及び濃度を決定する処理において、性別、年齢、及び個人の嗜好等のユーザに関する既知の情報を用いてもよい。この場合、例えば、ユーザに関する既知の情報から、各香料の優先順位を決定する形態が例示される。
また、上記実施形態において、第N−1香料を決めた後に、他の多数のユーザについて同様の手法により決められた濃度情報50から、第1香料〜第N−1香料の濃度の組み合わせとの類似度が所定値以上の濃度情報50を取得してもよい。この場合、取得した濃度情報50に含まれない香料及び濃度について、第N香料を決定する際の選択対象としての優先順位を高くする形態が例示される。
また、上記実施形態におけるCPU21により行われる処理は、プログラムを実行することにより行われるソフトウェア処理として説明したが、ハードウェアで行われる処理としてもよい。また、CPU21により行われる処理は、ソフトウェア及びハードウェアの双方を組み合わせて行われる処理としてもよい。
また、上記実施形態では、香料放出プログラム30が記憶部23に予め記憶されている態様を説明したが、これに限定されない。香料放出プログラム30は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、香料放出プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 香料放出装置
12 情報処理装置
14 放出部
21 CPU
22 メモリ
23 記憶部
24 表示部
25 入力部
26 通信I/F
27 外部I/F
28 バス
30 香料放出プログラム
40 取得部
42 制御部
50 濃度情報

Claims (8)

  1. 複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部と、
    前記放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得する取得部と、
    前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に前記取得部により取得された感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、
    Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、
    前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に前記取得部により取得された感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う制御部と、
    を備えた香料放出装置。
  2. 前記制御部は、前記1番目の香料を決定する場合に、各香料について濃度を徐々に高くして前記ユーザに香りを放出し、前記取得部により取得された快適度又は前記達成度が低下した場合は、快適度又は前記達成度が低下した濃度より高い濃度での香りの放出を実行しない制御を行う
    請求項1に記載の香料放出装置。
  3. 前記N番目の香料を、前記1番目から前記N−1番目までの濃度の香料に前記所定の濃度で混合させる場合、前記所定の濃度は、前記1番目の香料を決定する際の前記快適度又は前記達成度が最も高い濃度よりも1段階低い濃度である
    請求項1又は請求項2に記載の香料放出装置。
  4. 前記放出部は、前記心身状態に応じて予め定められた時間帯に、前記心身状態に対応付けられて前記記憶部に記憶された濃度情報が示す濃度で複数の香料を混合させて香りを放出する
    請求項3に記載の香料放出装置。
  5. 前記取得部は、前記ユーザの生体情報から前記快適度又は前記達成度を求めることによって前記快適度又は前記達成度を取得する
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の香料放出装置。
  6. 前記感覚情報は、前記放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの強度を更に含み、
    前記制御部は、前記強度が基準である強度として予め定められた強度に対応する濃度を基準濃度として更に前記記憶部に記憶する
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の香料放出装置。
  7. 複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得し、
    前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、
    Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、
    前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う
    処理をコンピュータが実行する香料放出方法。
  8. 複数の香料それぞれを所定の濃度で混合させてユーザに香りを放出可能な放出部により放出された香りに対して前記ユーザが感じた香りの快適度を含む感覚情報、又は前記ユーザが目標とする心身状態に対する達成度を取得し、
    前記複数の香料それぞれを混合させずに異なる複数の濃度で前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかを1番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときの1番目の香料の濃度を、1番目の濃度とし、
    Nを、2以上で、かつ混合させる香料の数の上限値以下の整数として、昇順に、
    前記1番目からN−1番目の香料以外の香料それぞれについて、所定の濃度で、前記1番目の濃度の香料から前記N−1番目の濃度の香料と混合させて前記ユーザに香りを放出した場合に取得した感覚情報に含まれる快適度又は前記達成度が所定値以上となった香料の何れかをN番目の香料とすると共に、前記快適度又は前記達成度が所定値以上となったときのN番目の香料の濃度を、N番目の濃度とすることを繰り返すことによって決定された各香料の濃度を示す濃度情報を記憶部に記憶する制御を行う
    処理をコンピュータに実行させるための香料放出プログラム。
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