JP2019169448A - 絶縁超電導線材の製造方法 - Google Patents

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英章 桜井
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Abstract

【課題】チャネル溝と超電導芯線材とをはんだを用いて接合したWIC構造の超電導線材に対して、気泡が少ない絶縁皮膜を形成することができ、長期間にわたって高い超電導性を維持することができる絶縁超電導線材の製造方法を提供する。【解決手段】超電導線材を、フラックス除去液に浸漬して、はんだに含まれるフラックスを除去するフラックス除去工程S01と、前記フラックスが除去された前記超電導線材の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程S02と、を含むことを特徴とする絶縁超電導線材の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤー・イン・チャネル構造の絶縁超電導線材の製造方法に関するものである。
絶縁電導線材の一つとして、超電導線材の表面を絶縁皮膜で被覆した絶縁超電導線材が知られている。この絶縁超電導線材は、例えば、磁気共鳴画像(MRI)装置、核磁気共鳴(NMR)装置、粒子加速器、リニアモーターカー、さらに電力貯蔵装置などの分野で使用されている。
超電導線材としては、金属母材と、この金属母材に埋設されている複数本の超電導フィラメントとからなる超電導多芯線材(超電導コア材ともいう)を、チャネル溝を備えたチャネル(安定化材ともいう)のチャネル溝に収容固定した構造(ワイヤー・イン・チャネル(WIC)構造)のものが知られている。
WIC構造の超電導線材は、超電導多芯線材の超電導状態が部分的に破れて常電導状態に転移した場合には、超電導多芯線材を流れていた電流をチャネルに一時的に迂回させることができ、その間に超電導多芯線材を超電導状態に復帰させることが可能となる。このため、WIC構造の超電導線材では、チャネルに迂回させた電流が外部に漏出しないように、超電導線材全体を絶縁皮膜で被覆することが必要となる。
特許文献1には、WIC構造の絶縁超電導線材の製造方法として、超電導多芯線材とチャネル溝とをはんだを用いて接合して超電導線材を作製し、次いで超電導線材の表面を絶縁樹脂で被覆した後、絶縁樹脂が硬化して、はんだが溶融しない温度と時間で加熱する方法が開示されている。この特許文献1には、超電導線材の表面を絶縁樹脂で被覆する方法として、超電導線材を絶縁塗料のタンクに通過させる方法や絶縁樹脂を押出し成形する方法が記載されている。
欧州特許第2118941号明細書
ところで、絶縁超電導線材の絶縁皮膜に気泡が発生すると、気泡が発生した部分は膜厚が薄く、強度が低下するため、絶縁皮膜に欠損が生じやすくなり、絶縁超電導線材の超電導性を長期間にわたって維持するのが困難となるおそれがある。従って、絶縁皮膜は気泡が少ないことが好ましい。しかしながら、超電導芯線材とチャネル溝とをはんだを用いて接合したWIC構造の超電導線材は、絶縁皮膜の形成時にはんだのフラックスが揮発して、絶縁皮膜に気泡が発生しやすい傾向がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、チャネル溝と超電導芯線材とをはんだを用いて接合したWIC構造の超電導線材に対して、気泡が少ない絶縁皮膜を形成することができ、長期間にわたって高い超電導性を維持することができる絶縁超電導線材の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の絶縁超電導線材の製造方法は、チャネル溝を備えたチャネルと、前記チャネルの前記チャネル溝に収容されている超電導芯線材とを備え、前記チャネル溝と前記超電導芯線材とがフラックスを含むはんだで接合されている超電導線材を、フラックス除去液に浸漬して、前記フラックスを除去するフラックス除去工程と、前記フラックスが除去された前記超電導線材の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程と、を含むことを特徴としている。
本発明の絶縁超電導線材の製造方法によれば、フラックス除去工程にて、はんだに含まれているフラックスを除去するので、絶縁皮膜形成工程において、フラックスが揮発しにくい。このため、気泡が少ない絶縁皮膜を形成することが可能となる。
ここで、本発明の絶縁超電導線材の製造方法において、前記超電導芯線材が、金属母材、および前記金属母材に埋設されている複数本の超電導フィラメントからなる超電導多芯線材であることが好ましい。
この場合、超電導芯線材は、金属母材と、この金属母材に埋設されている複数本の超電導フィラメントとからなる超電導多芯線材であり、高い超電導性を有するので、得られる絶縁超電導線材は長期間にわたってより高い超電導性を維持することができる。
また、本発明の絶縁超電導線材の製造方法において、前記超電導線材の前記チャネルの外表面が前記はんだで覆われていてもよい。
この場合であっても、フラックス除去工程にて、チャネルの外表面のはんだに含まれているフラックスを除去するので、チャネルの外表面に対して気泡が少ない絶縁皮膜を形成することができる。
本発明によれば、チャネル溝と超電導芯線材とをはんだを用いて接合したWIC構造の超電導線材に対して、気泡が少ない絶縁皮膜を形成することができ、長期間にわたって高い超電導性を維持することができる絶縁超電導線材の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る絶縁超電導線材の製造方法のフロー図である。 本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法において用いることができる超電導線材の一例の横断面図である。 本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法によって得られる絶縁超電導線材の一例の横断面図である。 本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法において用いることができる超電導線材の別の一例の横断面図である。 本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法によって得られる絶縁超電導線材の別の一例の横断面図である。
以下に、本発明の一実施形態である絶縁超電導線材の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁超電導線材の製造方法のフロー図である。図2は、本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法において用いることができる超電導線材の一例の横断面図である。図3は、本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法によって得られる絶縁超電導線材の一例の横断面図である。
本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法は、チャネル溝と超電導芯線材とをはんだを用いて接合したWIC構造の超電導線材と、その超電導線材の表面に形成された絶縁皮膜とからなる絶縁超電導線材の製造方法である。
本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法は、図1に示すように、超電導線材のはんだに含まれているフラックスを除去するフラックス除去工程S01と、超電導線材の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程S02とを含む。
(超電導線材)
超電導線材11は、図2に示すように、チャネル溝21を備えたチャネル20と、チャネル溝21に収容固定されている超電導芯線材35とを備える。超電導線材11の断面形状は、角部に曲率のある略四角形状とされている。超電導芯線材35は、金属母材31と、金属母材31に埋設されている複数本の超電導フィラメント32とからなる超電導多芯線材30とされている。チャネル溝21と超電導多芯線材30とは、はんだ40によって接合されている。なお、図2に示す超電導線材11では、超電導多芯線材30の断面形状が円形とされているが、超電導多芯線材30の断面形状は特に制限はなく、例えば、角部に曲率のある平角形状であってもよい。
チャネル20の材料は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金を用いることができる。超電導多芯線材30の金属母材31の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金を用いることができる。超電導多芯線材30の超電導フィラメント32の材料としては、NbTi合金、NbSnを用いることができる。
はんだ40としては、Sn系はんだを用いることができる。Sn系はんだとしては、Sb、Ag、Cuからなる群より選ばれる1種以上の金属とSnの合金を用いることができる。はんだ40は、Sn−Sb系はんだ、Sn−Ag系はんだであることが好ましい。
はんだ40は、フラックスを含む。フラックスの種類は特に制限はなく、樹脂系、有機系、無機系などの各種のフラックスを用いることができる。フラックスとしては、例えば、主剤(主にロジン)、活性剤(カルボン酸、アミン塩、臭素系(HBr塩))、溶剤(グリコール系、エステル系、アルコール系)、添加剤(酸化防止剤等)で構成されているものを用いることができる。
超電導線材11は、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、チャネル20のチャネル溝21に溶融はんだを充填する。次に、チャネル20のチャネル溝21に超電導多芯線材30を収容する。その後、溶融はんだを冷却して固化させる。
(フラックス除去工程S01)
フラックス除去工程S01では、上記の超電導線材11をフラックス除去液に浸漬して、はんだ40に含まれるフラックスを除去する。フラックス除去液は、特に制限はなく、公知のフラックス除去液を用いることができる。例えば、フラックスがロジンを主成分として含む場合は、フラックス除去液として、荒川化学工業株式会社製のパインアルファST−100S、日鉱石油化学株式会社製のNSクリーンを用いることができる。
(絶縁皮膜形成工程S02)
絶縁皮膜形成工程S02では、フラックス除去工程S01にてフラックスが除去された超電導線材11の表面に絶縁皮膜を形成する。超電導線材11の表面に絶縁皮膜を形成する方法としては、例えば、塗布法または電着法を用いることができる。
塗布法は、絶縁皮膜形成用の絶縁樹脂と有機溶剤とを含むワニスを、超電導線材11の表面に塗布して塗布層を形成し、次いで塗布層を加熱して、生成した絶縁皮膜を超電導線材11に焼き付ける方法である。絶縁皮膜形成用の絶縁樹脂としては、ホルマール化ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの絶縁電導線材の絶縁皮膜の材料として一般に利用されているものを用いることができる。また、有機溶剤としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、クレゾール、N−メチル−ピロリドンなどを用いることができる。超電導線材11の表面にワニスを塗布する方法としては、超電導線材11をワニスに浸漬するディップ法を用いることができる。塗布層を加熱して、生成した絶縁皮膜を超電導線材11に焼き付ける際の加熱温度は、例えば、200℃以上450℃以下の範囲内であり、加熱時間は、例えば、0.5分間以上4分間以下の範囲内である。
電着法は、電荷を有する絶縁樹脂粒子が分散されている電着液に超電導線材11と電極とを浸漬し、この超電導線材11と電極との間に直流電圧を印加することによって、超電導線材11の表面に絶縁樹脂粒子を電着させて電着層を形成し、次いで電着層を加熱して、生成した絶縁皮膜を超電導線材11に焼き付ける方法である。電着液は、例えば、絶縁樹脂の溶液に、絶縁樹脂の貧溶媒や水を添加して、絶縁樹脂を析出させることによって調製することができる。電着層を加熱して、生成した絶縁皮膜を超電導線材11に焼き付ける際の加熱温度は、上記の塗布法の場合と同じである。
(絶縁超電導線材)
以上のようにして製造された絶縁超電導線材51は、図3に示すように、超電導線材11と、超電導線材11の表面を被覆する絶縁皮膜60とを備える。絶縁皮膜60の厚さは、通常は、3μm以上60μm以下の範囲内である。
(変形例)
図2に示した超電導線材11では、はんだ40を、チャネル20のチャネル溝21と超電導多芯線材30の間にのみ充填しているが、チャネル20の外表面をはんだ40で覆ってもよい。チャネル20の外表面がはんだ40で覆われている超電導線材を図4に、その超電導線材を用いて製造した絶縁超電導線材を図5に示す。
図4および図5に示す超電導線材12には、チャネル20と超電導多芯線材30の外表面全体を覆うはんだ層41が形成されている。なお、図4に示す超電導線材12および図5に示す絶縁超電導線材52は、はんだ層41が形成されていること以外は、図2に示す超電導線材11および図3に示す絶縁超電導線材51と同様の構成であるので、同様の構成部分については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
はんだ層41は、チャネル溝21と超電導多芯線材30とを接合するはんだ40と連続的に形成されている。はんだ層41の厚さは特に制限はないが、通常は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲内である。
超電導線材12は、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、溶融はんだ槽を用意する。次に、この溶融はんだ槽に、超電導多芯線材30とチャネル20とをそれぞれ浸漬させ、溶融はんだ槽内でチャネル溝21に超電導多芯線材30を収容する。次いで、溶融はんだ槽から超電導多芯線材30とチャネル20を引き上げる。そして、チャネル溝21と超電導多芯線材30との間に充填された溶融はんだと、チャネル溝21と超電導多芯線材30の外表面に付着している溶融はんだとを冷却して固化させる。
上記の超電導線材12を用いて絶縁超電導線材52を製造する場合は、フラックス除去工程S01において、はんだ40とはんだ層41とに含まれているフラックスを除去する。超電導線材12の加熱温度および加熱時間は、前述の超電導線材11を用いた場合と同じである。
次に、絶縁皮膜形成工程S02にて、超電導線材12の表面に絶縁皮膜を形成する。絶縁皮膜の形成方法としては、前述の超電導線材11を用いた場合と同様に、塗布法または電着法を用いることができる。
以上のようにして製造された絶縁超電導線材52は、図5に示すように、はんだ層41の表面全体に絶縁皮膜60が形成される。超電導線材12は、チャネル20と超電導多芯線材30の外表面全体にはんだ層41が形成されており、外表面の状態が均一であるので、超電導線材12と絶縁皮膜60との密着性が均一となりやすい。
なお、図4に示した超電導線材12では、チャネル20と超電導多芯線材30の外表面全体を覆うはんだ層41が形成されているが、はんだ層41は、チャネル20の外表面にのみ設けてもよい。チャネル20の外表面にのみはんだ層41を設けた超電導線材は、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、溶融はんだ槽を用意する。次に、この溶融はんだ槽にチャネル20を浸漬して、チャネル溝21に溶融はんだを充填する。次いで、溶融はんだ槽からチャネル20を引き上げた後、チャネル溝21に超電導多芯線材30を収容する。そして、チャネル溝21と超電導多芯線材30との間に充填された溶融はんだと、チャネル溝21の外表面に付着している溶融はんだとを冷却して固化させる。
以上のような構成とされた本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法によれば、フラックス除去工程S01にて、チャネル溝21と超電導多芯線材30とを接合しているはんだ40に含まれているフラックスを除去するので、絶縁皮膜形成工程S02において、絶縁皮膜60を形成する際に、フラックスが揮発しにくい。このため、気泡が少ない絶縁皮膜60を形成することが可能となる。
また、本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法においては、超電導芯線材35が、金属母材31、および金属母材31に埋設されている複数本の超電導フィラメント32からなる超電導多芯線材30とされており、高い超電導性を有するので、得られる絶縁超電導線材51、52は長期間にわたってより高い超電導性を維持することができる。
また、本実施形態の絶縁超電導線材の製造方法においては、チャネル20と超電導多芯線材30の外表面全体を覆うはんだ層41が形成されていても、フラックス除去工程S02にて、はんだ層41のはんだに含まれているフラックスを除去するので、焼付工程S03において、絶縁皮膜60を形成する際に、フラックスが揮発しにくい。このため、はんだ層41の外表面に気泡が少ない絶縁皮膜60を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、超電導芯線材35として超電導多芯線材30を用いているが、この場合に限定されない。例えば、超電導芯線材35として、単一の金属線を用いてもよい。
次に、本発明の作用効果を実施例により説明する。
[本発明例1]
超電導多芯線材として、銅製の母材と、この母材に埋設されているNbTi合金フィラメントとからなる断面円形状の線材(直径:0.66mm)を用意した。また、チャネルとして、チャネル溝(溝の幅:0.66mm)を備えた銅製のチャネルを用意した。はんだとして、Sn95Sbはんだ(はんだ融点:238℃、フラックス主成分:ロジン)を用意した。
上記のSn95Sbはんだを、はんだ槽に投入して290℃に加熱して溶融させて溶融はんだ槽を用意した。次に、この溶融はんだ槽に、超電導多芯線材とチャネルとをそれぞれ浸漬させ、溶融はんだ槽内でチャネル溝に超電導多芯線材を収容した。次いで、溶融はんだ槽から超電導多芯線材とチャネルを引き上げて、チャネル溝と超電導多芯線材との間に充填された溶融はんだと、チャネル溝と超電導多芯線材の外表面に付着している溶融はんだとを冷却して固化させた。こうして、図4に示すようなはんだ層が形成されている超電導線材を得た。
(フラックス除去工程)
得られた超電導線材を、液温60℃に調整したフラックス除去液(パインアルファST−100S、荒川化学工業株式会社製)に5分間浸漬した。次いで、フラックス除去液から取り出した超電導線材を、純水に5分間浸漬した。その後、超電導線材を純水から取り出し、超電導線材の表面に付着している水分を、エアワイパ―で吹き飛ばして除去した。
(絶縁皮膜形成工程)
フラックスを除去した超電導線材の表面に、電着法により絶縁皮膜を形成して絶縁超電導線材を製造した。具体的には、負の電荷を有するポリアミドイミド(PAI)粒子を含有する電着液に、超電導線材と電極とを浸漬し、超電導線材を正極とし、電極を負極として直流電圧を印加して、超電導線材の表面に乾燥後の絶縁皮膜の厚さが40μmとなるようにPAI粒子を電着させて電着層を形成した。次いで、電着層を形成した超電導線材を、280℃の温度で4分間乾燥・焼き付け処理を行って、絶縁超電導線材を製造した。
得られた絶縁超電導線材の絶縁皮膜の表面全体を、マイクロスコープ顕微鏡にて観察し、直径100μm以上の気泡の数をカウントした。気泡の数を、絶縁超電導線材1mあたりの気泡数(個/m)として表1に示す。
[本発明例2]
Sn95Sbはんだの代わりに、Sn97Agはんだ(はんだ融点:221℃、フラックス主成分:ロジン)を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして超電導線材を得た。次いで、得られた超電導線材を用いたこと以外は、本発明例1と同様にして絶縁超電導線材を製造し、絶縁皮膜の気泡の数をカウントした。その結果を、表1に示す。
[比較例1、2]
フラックス除去工程を行わずに、絶縁皮膜形成工程を行ったこと以外は、それぞれ本発明例1、2と同様にして、絶縁超電導線材を製造し、絶縁皮膜の気泡の数をカウントした。その結果を、表1に示す。
Figure 2019169448
フラックス除去工程を行わなかった比較例1、2で得られた絶縁超電導線材は、絶縁皮膜に多数の気泡が混入していた。これは、はんだに含まれるフラックスが、絶縁皮膜形成工程の乾燥・焼き付け処理時に揮発したためであると考えられる。
これに対して、フラックス除去工程を行った本発明例1、2で得られた絶縁超電導線材は、絶縁皮膜中の気泡数が顕著に低減することが確認された。
11、12 超電導線材
20 チャネル
21 チャネル溝
30 超電導多芯線材
31 金属母材
32 超電導フィラメント
35 超電導芯線材
40 はんだ
41 はんだ層
51、52 絶縁超電導線材
60 絶縁皮膜

Claims (3)

  1. チャネル溝を備えたチャネルと、前記チャネルの前記チャネル溝に収容されている超電導芯線材とを備え、前記チャネル溝と前記超電導芯線材とがフラックスを含むはんだで接合されている超電導線材を、フラックス除去液に浸漬して、前記フラックスを除去するフラックス除去工程と、
    前記フラックスが除去された前記超電導線材の表面に絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程と、
    を含むことを特徴とする絶縁超電導線材の製造方法。
  2. 前記超電導線材が、金属母材、および前記金属母材に埋設されている複数本の超電導フィラメントからなる超電導多芯線材であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁超電導線材の製造方法。
  3. 前記超電導線材の前記チャネルの外表面が前記はんだで覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁超電導線材の製造方法。
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