JP2019168538A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明における第2の課題は、特定トナーを適用し、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する画像形成装置において、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が50%未満である転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置を提供することである。
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<2>に係る発明によれば、特定トナーを適用し、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する画像形成装置において、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が50%未満である転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<9>、又は<10>に係る発明によれば、トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%未満又は38質量%超えの場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<11>、<12>、又は<13>に係る発明によれば、トナー粒子が結晶性樹脂を含まない場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<16>に係る発明によれば、押圧部材における弾性体のマイクロ硬度が60度超えである場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
また、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含む。
その理由は以下の通り推察される。
具体的には、Mwが10000未満であると、ゲル分を含有させても、定着時のホットオフセット(トナーが過剰に溶融して定着部材に付着する現象)が生じ易くなり、Mwが60000を超えると最低定着温度が高まり易くなる。また、Mw/Mnが10を超えると、樹脂の溶融性に差異が生まれ、定着画像にムラが生じ易くなる。なお、Mw/Mnを5未満とすることは製造上困難である。
このように、特定トナー(そのトナー粒子)の分子量特性を上記特性にすると、画像の定着性が向上する。
つまり、直接転写方式の転写手段では、像保持体から記録媒体への転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と記録媒体及び記録媒体搬送ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。また、中間転写方式の転写手段では、像保持体から中間転写ベルトへの一次転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と中間転写ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。
その結果、トナー画像の像保持体から記録媒体表面への転写性(直接転写方式における像保持体から記録媒体への転写性、及び、中間転写方式における像保持体から中間転写体(中間転写ベルト)表面への一次転写性)が向上し、高い転写性が得られる。
つまり、直接転写方式の転写手段では、像保持体から記録媒体への転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と記録媒体及び記録媒体搬送ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。また、中間転写方式の転写手段では、像保持体から中間転写ベルトへの一次転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と中間転写ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。
その結果、トナー画像の像保持体から記録媒体表面への転写性(直接転写方式における像保持体から記録媒体への転写性、及び、中間転写方式における像保持体から中間転写体(中間転写ベルト)表面への一次転写性)が向上し、高い転写性が得られる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
・像保持体に外周表面が接触するベルト部材を有する。
・ベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体である。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状である。
・押圧部材は、回転駆動しない。
・像保持体に外周表面が接触するベルト部材を有する。
・ベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体である。
・押圧部材は、回転駆動しない。
・ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が前述の範囲である。
また、第2実施形態では、押圧部材としてベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状である押圧部材を用いることが好ましい。
ベルト部材を中間転写ベルトとして備える態様であれば、転写手段は、中間転写ベルト(ベルト部材)と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルトの表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写ベルトの表面に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備える構成を有する。そして、一次転写手段は少なくとも押圧部材を有する。この態様を、下記において第1の態様として説明する。
また、ベルト部材を記録媒体搬送ベルトとして備える態様であれば、転写手段は、像保持体の表面に形成されたトナー画像が記録媒体に転写される転写位置まで記録媒体を搬送する記録媒体搬送ベルト(ベルト部材)と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える構成を有する。そして、転写手段は少なくとも押圧部材を有する。この態様を、下記において第2の態様として説明する。
まず、転写手段において、ベルト部材を中間転写ベルトとして用いた画像形成装置を例にして説明する。
図1は、第1の態様に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
弾性押圧部材162、及び低摩擦シート164の詳細については、後述する。
第1の態様に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
一次転写部10は、図2に示されるように、中間転写ベルト15の内周面側から感光体11方向に押圧し、回転駆動しない、弾性押圧部材162(押圧部材の一例)と、中間転写ベルト15及び弾性押圧部材162の間に介在する低摩擦シート164(シート部材の一例)と、を有する一次転写装置16で構成されている。
押圧部材の一例である弾性押圧部材162は回転駆動しない。「回転駆動しない」とは、図2に示すように、矢印A方向に回転する感光体11、及び矢印B方向に駆動する中間転写ベルト15に対して、同じ面を押し当て続けることで中間転写ベルト15を感光体11側に押圧し続けるよう配置されていることを意味する。
つまり、弾性押圧部材162は、図4に示すごとく、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、凹面状である弾性押圧部材162Aであってもよい。また、弾性押圧部材162は、図5に示すごとく、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、平面状である弾性押圧部材162Bであってもよい。
但し、本実施形態における押圧部材には、図6に示すような、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、凸面状となる形状の押圧部材162Cは含まれない。
「弾性体」とは、画像形成装置の使用が想定される温度、湿度等の環境において、外力が負荷されて変形した場合でも元の形状に復元する材料からなるものをさす。
弾性体のマイクロ硬度が60度以下であることで、感光体11と中間転写ベルト15との間に広いニップNが良好に形成され、トナー画像の高い転写性が得やすくなる。一方、弾性体のマイクロ硬度が20度以上であることで、均一なニップが形成され、トナー画像の高い転写性が得やすくなるとの効果が得られる。
具体的には、測定対象となる試料を切り出してサンプルを作製し、当該サンプルの像保持体に押し付ける側からの硬度について、硬度計(高分子計器社製、MD−1)を用いて測定する。原理的にはJIS K6253−3(2012)に記載のタイプAデュロメータに準じたものであり、押針をスプリングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの力とがバランスした状態での押針の押し込み深さを基に測定するものである。
上記押針の径は0.16mmであり、非測定時(押針の変位が0mmの状態)での加圧面からの突き出し量を0.5mmとし、押針はスプリングにより22mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を0°とする。そして、押針の押し込み深さが0mm(変位0.5mm)の時、スプリングにより押針は330mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を100°とする。そしてこれらの間を等間隔で目盛り、マイクロ硬度の測定スケールとする。硬度計の加圧面は外径4mmで、中心に前記押針を通す直径1.5mmの孔が設けてある。
以上のような構成の測定機により、試料に押針を押し当て、バランスがとれた状態での値を読み取りマイクロ硬度とする。なお、マイクロ硬度Hm(度)と押針先端荷重F(mN)との関係は下記式に示すとおりである。
式:F=22+3.1Hm
これらの中でも、発泡ウレタンゴム、又は発泡エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)がより好ましい。
ただし、中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間に低摩擦シート164を介している場合には、この低摩擦シート164を導電性の部材として電圧印加の機能を担わせることが好ましく、この観点から弾性押圧部材162は絶縁性の部材であることが好ましい。
なお、比率[LN/LP×100]は65%以上98%以下がより好ましく、80%以上98%以下がさらに好ましい。
比率[LN/LP×100]が50%以上であることで、感光体11と中間転写ベルト15との間に、広いニップNが形成されトナー画像の高い転写性が得られる。
中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間には、シート部材の一例としての低摩擦シート164が介在している。
低摩擦シート164を導電性とする場合、その体積抵抗率は104Ωcm以上108Ωcm以下の範囲とすることが好ましい。
低摩擦シート164に用いられる樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの中でもポリイミド樹脂が好ましい。低摩擦シート164には、樹脂を1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
低摩擦シート164に添加される導電剤としては、例えばカーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、金属又は合金(例えばアルミニウム、ニッケル、銅、銀等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In2O3複合酸化物等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)等が挙げられ、これらの中でもカーボンブラックが好ましい。
次に、転写手段において、ベルト部材を記録媒体搬送ベルト(用紙搬送ベルト)として用いた画像形成装置を例にして説明する。
図7は、第2の態様に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
なお、上記の各色現像装置の少なくとも1つに、特定トナーが収容される。第2の態様では、各色現像装置の全てが特定トナーを収容することが好ましい。
以上により用紙上に画像が形成される。
次いで、転写手段に用いられるベルト部材(第1の態様における中間転写ベルト15、第2の態様における用紙搬送ベルト207)について説明する。
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粒子が挙げられる。
なお、導電剤としては、1次粒径が10μm未満の粒子がよく、1次粒径が1μm以下の粒子がより好ましい。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
なお、表面抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置において、現像手段に収容される静電荷像現像剤(以下「本実施形態に係る静電荷像現像剤」とも称する)について、詳細に説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
トナーは、トナー粒子を有する。トナーは、トナー粒子と共に、外添剤を有していてもよい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他添加剤等を含んでもよい。
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が適用される。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
上述のように、トナー粒子が上記分子量特性を満たすと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上する。
ピーク分子量を上記範囲にすると、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上し易くなる。
まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)0.5mgをTHF(テトラヒドロフラン)1gに溶解させ、超音波分散をかけた後に、濃度が0.5%となるように調整し、この溶解成分をGPCにより測定する。
GPC装置として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー製)」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHFを用いる。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI(Refractive Index)検出器を用いて実験を行う。また、検量線は東ソー製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製する。
トナー粒子のトルエン不溶分を上記範囲にすると、トナー粒子の吸湿性が低下し、トナー画像の転写性を高め易くなる。
秤量したガラス繊維製の円筒ろ紙に秤量したトナー粒子(又はトナー)を1g投入し、加熱式ソックスレー抽出装置の抽出管に装着する。そして、フラスコにトルエンを注入して、マントルヒーターを用いて110℃に加熱する。また、抽出管に装着した加熱ヒーターを用いて抽出管の周部を125℃に加熱する。抽出サイクルが4分以上5分以下の範囲で1回となるような還流速度で抽出を行う。10時間抽出した後、円筒ろ紙とトナー残渣を取り出して乾燥し、秤量する。
そして、式:トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)=[(円筒ろ紙量+トナー残渣量)(g)−円筒ろ紙量(g)]÷トナー粒子(又はトナー)質量(g)×100に基づいて、トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)を算出し、このトナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)をトルエン不溶分(質量%)とする。
なお、トナー粒子(又はトナー)残渣は、着色剤、外添剤等の無機物、及び結着樹脂の高分子量成分等からなる。また、トナー粒子に離型剤を含む場合、加熱による抽出を行うことから、離型剤はトルエン可溶分となっている。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
(非晶性ポリエステル樹脂(A1)の作製)
内部を乾燥させた三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60質量部、フマル酸ジメチル74質量部、ドデセニルコハク酸無水物30質量部、トリメリット酸22質量部と、プロピレングリコール138質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とを窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、185℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに4時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が39000の非晶性ポリエステル樹脂(A1)を用意した。
190℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、さらに2.5時間反応させた以外は、非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A2)を作製した。なお、重量平均分子量は、26000であった。
プロピレングリコール138質量部の代わりに、プロピレングリコール128質量部、ブチレングリコール19質量部にし、195℃で4時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに6時間反応させた以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A3)を作製した。なお、重量平均分子量は56000であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(B1)の作製)
まず、三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、185℃で5時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が33700の結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用意した。
(参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)の作製)
テレフタル酸ジメチル60質量部と、フマル酸ジメチル74質量部と、ドデセニルコハク酸無水物30質量部と、トリメリット酸22質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物137質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物191質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とにした以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様にして参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)を作製した。なお、重量平均分子量は27000であった。
(トナー(1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)73質量部と、結晶性ポリエステル樹脂(B1)6質量部と、着色剤(C.I.Pigment Red 122)7質量部と、離型剤(パラフィンワックス、融解温度73℃、日本精鑞株式会社製)5質量部と、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、ユニスターM−2222SL、日油社製)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、周速15m/秒で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をエクストルーダー型連続混練機で溶融混練した。
ここで、エクストルーダーの設定条件は、供給側温度が160℃、排出側温度が130℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。なお冷却ベルトの温度を10℃に設定した。
得られた溶融混練物を冷却させた後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて6.5μmに微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は7.0μmであった。
そして、トナー粒子(1)100質量部と、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で混合し、トナー(1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A2)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(2)を作製した。トナー粒子(2)の体積平均粒径は6.8μmであった。
そして、トナー粒子(2)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(2)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A3)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(3)を作製した。トナー粒子(3)の体積平均粒径は7.5μmであった。
そして、トナー粒子(3)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(3)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用いず、非晶性ポリエステル樹脂(A1)の部数を79質量部に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(4)を作製した。トナー粒子(4)の体積平均粒径は7.1μmであった。
そして、トナー粒子(4)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(4)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)に変更した以外はトナー粒子(4)の作製と同様にして参考トナー粒子(C1)を作製した。参考トナー粒子(C1)の体積平均粒径は7.7μmであった。
そして、参考トナー粒子(C1)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、参考トナー(C1)を得た。
(現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1))
得られた各トナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して、各々、現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1)を作製した。
なお、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
各トナーについて、トナー粒子の分子量特性、トナー粒子の赤外吸収スペクトル特性、トルエン不溶分を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
・画像形成装置(1)の準備
画像形成装置として、富士ゼロックス(株)製のColor1000iPressを準備した。なお、この画像形成装置は、中間転写ベルトを備えた中間転写方式の装置である。この画像形成装置において、一次転写装置における構成を、図2に示される態様、つまり中間転写ベルト15の内周面側から感光体11方向に押圧する、回転駆動しない弾性押圧部材162を備え、かつ中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間に低摩擦シート164が介在した構成に改造した。
・比較用の画像形成装置(C1)の準備
上記画像形成装置(1)において、一次転写装置における弾性押圧部材162として、中間転写ベルト15を押圧する側の面が、押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で「凸面状」である部材(つまり図6に示す形状の弾性押圧部材162C)を用いたこと以外、上記画像形成装置(1)と同様の構成とした画像形成装置(C1)を準備した。
弾性押圧部材162の「マイクロ硬度」、及び弾性押圧部材162の「中間転写ベルト15駆動方向での最大長さ(LP))」を下記表2に示す。
(転写性)
上記画像形成装置を用い、以下の方法により、高温高湿環境下(35℃、85%)での転写性を評価した。
像保持体(感光体)上に100%のベタパッチを形成して、中間転写ベルト上に一次転写し、感光体上のパッチと中間転写ベルト上のパッチの質量を測定した。「中間転写ベルト上のトナー質量/感光体上のトナー質量×100」を転写効率(%)とし、転写効率により転写性を評価した。
評価基準は、次の通りである。
A(◎):転写効率98%以上
B(○):転写効率95%以上98%未満
C(△):転写効率90%以上95%未満
D(×):転写効率90%未満
11 感光体(像保持体)
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト(ベルト部材)
16 一次転写装置(転写手段)
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100、200 画像形成装置
162 弾性押圧部材(押圧部材)
164 低摩擦シート(シート部材)
201BK、201C、201M、201Y 感光体(像保持体)
202BK、202C、202M、202Y 帯電器
203BK ブラック現像装置
203C シアン現像装置
203M マゼンタ現像装置
203Y イエロー現像装置
204BK、204C、204M、204Y 感光体清掃部材
206 ベルト支持ロール
207 用紙搬送ベルト(ベルト部材)
208 用紙搬送ロール
210 定着装置
212 クリーニングブレード
213 クリーニング用対向ロール
214BK、214C、214M、214Y 露光器
215 用紙(記録媒体)
216BK、216C、216M、216Y 転写装置(転写手段)
220 用紙搬送ベルトクリーニング装置
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
また、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含む。
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
Claims (16)
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(LN)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(LP)に対する比率[LN/LP×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.3以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.05以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.5以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記ベルト部材が中間転写ベルトである請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段は、前記ベルト部材と前記押圧部材との間にシート部材を介する請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記弾性体のマイクロ硬度が20度以上60度以下である請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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