JP2019168538A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置の提供。【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のMwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度/波長720cm−1の吸光度が0.6以下であり、波長820cm−1の吸光度/波長720cm−1の吸光度が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する現像剤を収容した現像手段と、ベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有する転写手段と、を備える画像形成装置。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真法による画像の形成は、例えば、像保持体表面を帯電させた後、この像保持体表面に画像情報に応じて静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を記録媒体表面に転写及び定着することにより行われる。
ここで、特許文献1には、「トナー像を保持する像保持体と、前記像保持体と接触して移動可能なベルト体と、前記ベルト体を挟んで前記像保持体と対向する位置に前記ベルト体に接触して配置され、前記像保持体上のトナー像を前記ベルト体又は前記ベルト体に保持された転写材に転写させる転写部材と、前記転写部材に前記転写のための電圧を印加する電圧印加手段と、を有する画像形成装置において、前記転写部材は、弾性部材と、前記ベルト体と前記弾性部材との間に挟持されて前記ベルト体に接触するシート部材と、を有し、前記弾性部材は、電気的に絶縁性である画像形成装置」が開示されている。
また特許文献2には、「画像の形成に用いるトナーとして「結着樹脂と着色剤とを含有してなる電子写真用トナーにおいて、結着樹脂が、70〜85モル%の芳香族ジカルボン酸成分(a)と15〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分(b)とからなるカルボン酸成分1モルに対し、0.1〜1.2モルのプロポキシ化及び/又はエトキシ化したエーテル化ジフェノール成分(c)及び0.01〜0.15モルの脂肪族ジオール成分(d)及びを縮合せしめてなる、酸価が6〜15mgKOH/g、重量平均分子量Mwが15,000〜60,000、数平均分子量Mnが2,000〜4,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が6〜18で、ガラス転移点が50〜60℃、及び軟化点が100〜120℃のポリエステル樹脂である電子写真用トナー」が開示されている。
特開2008−310058号公報 特開2000−056504号公報
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。一方、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナー(以下、「特定トナー」とも称する)は、吸湿性が高くなる傾向にある。そして、吸湿した水分によりトナーの帯電性が低下して(特に高温高湿環境下(例えば35℃、85%の環境下)では帯電性の低下が顕著となり)、転写性が低下することがあった。
そこで、本発明における第1の課題は、特定トナーを適用した画像形成装置において、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で凸面状である押圧部材のみを有する転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置を提供することである。
また、本発明における第2の課題は、特定トナーを適用し、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する画像形成装置において、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%未満である転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち、
<1> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<2> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<3> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.3以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.05以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<5> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.5以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<6> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である<5>に記載の画像形成装置。
<7> 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である<1>〜<6>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<8> 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である<7>に記載の画像形成装置。
<9> 前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である<1>〜<8>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<10> 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である<9>に記載の画像形成装置。
<11> 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む<1>〜<10>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<12> 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である<11>に記載の画像形成装置。
<13> 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である<12>に記載の画像形成装置。
<14> 前記ベルト部材が中間転写ベルトである<1>〜<13>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<15> 前記転写手段は、前記ベルト部材と前記押圧部材との間にシート部材を介する<1>〜<14>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<16> 前記弾性体のマイクロ硬度が20度以上60度以下である<1>〜<15>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、特定トナーを適用した画像形成装置において、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で凸面状である押圧部材のみを有する転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<2>に係る発明によれば、特定トナーを適用し、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する画像形成装置において、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%未満である転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<3>、<4>、<5>、<6>、<7>、<8>、<14>、又は<15>に係る発明によれば、特定トナーを適用した画像形成装置において、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で凸面状である押圧部材のみを有する転写手段を備える場合、又は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段であって、像保持体に外周面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する画像形成装置において、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%未満である転写手段を備える場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<9>、又は<10>に係る発明によれば、トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%未満又は38質量%超えの場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<11>、<12>、又は<13>に係る発明によれば、トナー粒子が結晶性樹脂を含まない場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
<16>に係る発明によれば、押圧部材における弾性体のマイクロ硬度が60度超えである場合に比べ、トナー画像の高い転写性を有する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置において像保持体に対しベルト部材を介して押圧部材が押圧された状態の一例を示す模式図である。 従来の画像形成装置において像保持体に対しベルト部材を介して転写部材が配置された状態の一例を示す模式図である。 本実施形態に用いられる押圧部材の一例を示す模式図である。 本実施形態に用いられる押圧部材の他の一例を示す模式図である。 本実施形態に用いられるものとは異なる押圧部材の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 (A)は円形電極の一例を示す概略平面図であり、(B)はその概略断面図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
なお、以下においては「第1実施形態」に係る画像形成装置、及び「第2実施形態」に係る画像形成装置に分けてそれぞれ説明するが、両者に共通する説明に関しては単に「本実施形態」に係る画像形成装置に関するものとして説明する。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
また、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含む。
そして、第1実施形態に係る画像形成装置では、転写手段は、像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有する。
また、第2実施形態に係る画像形成装置では、転写手段は、像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有する。そして、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%以上98%以下である。
上記構成を備える、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像形成装置によれば、転写手段におけるトナー画像の高い転写性が達成される。
その理由は以下の通り推察される。
ここで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。なお、トナー画像を記録媒体表面に転写する方式として、像保持体から直接記録媒体の表面にトナー画像を転写する方式(直接転写方式)と、像保持体から一旦中間転写体にトナー画像を一次転写しさらにこの中間転写体上のトナー画像を記録媒体表面に二次転写する方式(中間転写方式)と、が知られている。そして、直接転写方式では、像保持体の表面に形成されたトナー画像が記録媒体に転写される転写位置まで記録媒体を搬送するための記録媒体搬送体としてベルト部材(記録媒体搬送ベルト)が用いられており、また中間転写方式においても、中間転写体としてベルト部材(中間転写ベルト)が用いられている。
一方、特定トナーは、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である。トナー粒子が、この赤外吸収スペクトル特性を有することは、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂が、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)を多価アルコールとして使用していない、又は使用しても少量である樹脂であることを意味している。
そして、この特定トナーを使用した定着画像の定着性を向上させるには、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下とすることが適切である。つまり、主に非架橋の結着樹脂成分の分子量特性が上記特性を有することが適切である。
具体的には、Mwが10000未満であると、ゲル分を含有させても、定着時のホットオフセット(トナーが過剰に溶融して定着部材に付着する現象)が生じ易くなり、Mwが60000を超えると最低定着温度が高まり易くなる。また、Mw/Mnが10を超えると、樹脂の溶融性に差異が生まれ、定着画像にムラが生じ易くなる。なお、Mw/Mnを5未満とすることは製造上困難である。
このように、特定トナー(そのトナー粒子)の分子量特性を上記特性にすると、画像の定着性が向上する。
しかし、特定トナーを使用すると、転写性が低下することがある。その理由は次の通り推測される。特定トナーは、上記非晶性ポリエステル樹脂に由来し、吸湿性が高いという性質を有する。そのため、吸湿により特定トナーの帯電性が低下し、特に高温高湿環境下(例えば35℃、85%の環境下)では帯電性の低下が顕著となる。そして、特定トナーが低帯電化することで、トナー画像の像保持体からの転写性が低下することがあった。
そこで、第1実施形態に係る画像形成装置では、転写手段として、像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有する転写手段を適用する。
このように、ベルト部材の内周面側に、弾性体であってかつ押圧面側が平面状又は凹面状である押圧部材を備えることで、この押圧部材によって押圧されている箇所では、像保持体の一部とベルト部材の一部とが沿うように接触する。そして、幅の広いニップ(接触面積の広い接触領域)が形成される。さらに、像保持体上に形成された後このニップ領域に移動してきたトナー画像は、押圧部材からの押圧力によって高い圧力で押し付けられる。
つまり、直接転写方式の転写手段では、像保持体から記録媒体への転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と記録媒体及び記録媒体搬送ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。また、中間転写方式の転写手段では、像保持体から中間転写ベルトへの一次転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と中間転写ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。
その結果、トナー画像の像保持体から記録媒体表面への転写性(直接転写方式における像保持体から記録媒体への転写性、及び、中間転写方式における像保持体から中間転写体(中間転写ベルト)表面への一次転写性)が向上し、高い転写性が得られる。
また、第2実施形態に係る画像形成装置では、転写手段として、像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及びベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材であって、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%以上98%以下である転写手段を適用する。
このように、ベルト部材の内周面側から弾性体である押圧部材によって押圧して、ベルト部材と像保持体との接触領域の長さ(L)が、押圧部材の最大長さ(L)に対して上記の比率となるよう制御されることで、幅の広いニップ(接触面積の広い接触領域)が形成される。さらに、像保持体上に形成された後このニップ領域に移動してきたトナー画像は、押圧部材からの押圧力によって高い圧力で押し付けられる。
つまり、直接転写方式の転写手段では、像保持体から記録媒体への転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と記録媒体及び記録媒体搬送ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。また、中間転写方式の転写手段では、像保持体から中間転写ベルトへの一次転写位置で幅広いニップが形成され、トナー画像が像保持体と中間転写ベルトとの間に挟まれる時間が長くなると共に、高い圧力で押し付けられる。
その結果、トナー画像の像保持体から記録媒体表面への転写性(直接転写方式における像保持体から記録媒体への転写性、及び、中間転写方式における像保持体から中間転写体(中間転写ベルト)表面への一次転写性)が向上し、高い転写性が得られる。
以上から、本実施形態(第1実施形態又は第2実施形態)に係る画像形成装置では、トナー画像の高い転写性が得られる。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を詳しく説明する。
〔画像形成装置の構成〕
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
そして、第1実施形態では、転写手段は以下の構成を有する。
・像保持体に外周表面が接触するベルト部材を有する。
・ベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体である。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状である。
・押圧部材は、回転駆動しない。
また、第2実施形態では、転写手段は以下の構成を有する。
・像保持体に外周表面が接触するベルト部材を有する。
・ベルト部材を内周面側から像保持体方向に押圧する押圧部材を有する。
・押圧部材は、ベルト部材を押圧する側の面が弾性体である。
・押圧部材は、回転駆動しない。
・ベルト部材が像保持体に沿って接触する接触領域におけるベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、押圧部材のベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が前述の範囲である。
なお、第1実施形態では、比率[L/L×100]が前述の範囲であることが好ましい。
また、第2実施形態では、押圧部材としてベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状である押圧部材を用いることが好ましい。
ここで、第1実施形態における上記の要件及び第2実施形態における上記の要件の両方を満たす画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態における転写手段では、前記ベルト部材の使用態様は特に限定されず、例えば中間転写方式の転写手段における中間転写ベルトや、直接転写方式の転写手段における記録媒体搬送ベルト等の使用態様が挙げられる。
ベルト部材を中間転写ベルトとして備える態様であれば、転写手段は、中間転写ベルト(ベルト部材)と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルトの表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写ベルトの表面に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備える構成を有する。そして、一次転写手段は少なくとも押圧部材を有する。この態様を、下記において第1の態様として説明する。
また、ベルト部材を記録媒体搬送ベルトとして備える態様であれば、転写手段は、像保持体の表面に形成されたトナー画像が記録媒体に転写される転写位置まで記録媒体を搬送する記録媒体搬送ベルト(ベルト部材)と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える構成を有する。そして、転写手段は少なくとも押圧部材を有する。この態様を、下記において第2の態様として説明する。
−画像形成装置の構成(第1の態様)−
まず、転写手段において、ベルト部材を中間転写ベルトとして用いた画像形成装置を例にして説明する。
図1は、第1の態様に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
第1の態様に係る画像形成装置100は、図1に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー画像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー画像を中間転写ベルト15(ベルト部材の一例)に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録媒体である用紙K(記録媒体の一例)に一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転し表面に形成されるトナー画像を保持する感光体11(像保持体の一例)を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電荷像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電荷像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられている。なお、上記の各色成分トナーの少なくとも1つとして、特定トナーが用いられる。第1の態様では、各色成分トナーの全てが特定トナーであることが好ましい。
また、感光体11上に形成された各色成分トナー画像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写装置16が設けられている。
一次転写装置16は、図2に示されるように、中間転写ベルト15の内周面側から感光体11方向に押圧し、回転駆動しない、弾性押圧部材162(押圧部材の一例)を有する。また、中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間には、低摩擦シート164(シート部材の一例)が介在している。弾性押圧部材162によって押圧されることで、感光体11の一部と中間転写ベルト15の一部とが沿うように接触し、感光体11と中間転写ベルト15との間にニップNが形成される。
弾性押圧部材162、及び低摩擦シート164の詳細については、後述する。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写装置16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、モータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー画像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、例えば、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー画像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写装置16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、第1の態様に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、第1の態様に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
第1の態様に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電荷像が形成される。形成された静電荷像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー画像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー画像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10に形成されるニップNにて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写装置16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー画像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー画像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー画像が二次転写部20に搬送される。トナー画像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー画像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー画像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー画像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー画像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー画像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー画像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
・一次転写部の構成
一次転写部10は、図2に示されるように、中間転写ベルト15の内周面側から感光体11方向に押圧し、回転駆動しない、弾性押圧部材162(押圧部材の一例)と、中間転写ベルト15及び弾性押圧部材162の間に介在する低摩擦シート164(シート部材の一例)と、を有する一次転写装置16で構成されている。
一次転写部10では、中間転写ベルト15が弾性押圧部材162によって押圧されることで、感光体11の一部と中間転写ベルト15の一部とが沿うように接触する。そのため、図3に示すような、中間転写ベルト15を感光体11と共に挟持するように配置され、矢印C方向に回転駆動する転写ロール66を備える一次転写装置に比べて、感光体11と中間転写ベルト15との間に、広いニップNが形成される。
(押圧部材)
押圧部材の一例である弾性押圧部材162は回転駆動しない。「回転駆動しない」とは、図2に示すように、矢印A方向に回転する感光体11、及び矢印B方向に駆動する中間転写ベルト15に対して、同じ面を押し当て続けることで中間転写ベルト15を感光体11側に押圧し続けるよう配置されていることを意味する。
弾性押圧部材162の形状は、ベルト部材を押圧する側の面がベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状である。
つまり、弾性押圧部材162は、図4に示すごとく、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、凹面状である弾性押圧部材162Aであってもよい。また、弾性押圧部材162は、図5に示すごとく、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、平面状である弾性押圧部材162Bであってもよい。
但し、本実施形態における押圧部材には、図6に示すような、ベルト部材を押圧する側の面aが、ベルト部材等を押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で、凸面状となる形状の押圧部材162Cは含まれない。
弾性押圧部材162は、少なくともベルト部材を押圧する側の面が弾性体である。なお、弾性押圧部材162は全体が弾性体で構成されている。
「弾性体」とは、画像形成装置の使用が想定される温度、湿度等の環境において、外力が負荷されて変形した場合でも元の形状に復元する材料からなるものをさす。
弾性体は、そのマイクロ硬度が20度以上60度以下であることが好ましい。また、そのマイクロ硬度は25度以上55度以下がより好ましく、30度以上50度以下がさらに好ましい。
弾性体のマイクロ硬度が60度以下であることで、感光体11と中間転写ベルト15との間に広いニップNが良好に形成され、トナー画像の高い転写性が得やすくなる。一方、弾性体のマイクロ硬度が20度以上であることで、均一なニップが形成され、トナー画像の高い転写性が得やすくなるとの効果が得られる。
弾性体のマイクロ硬度は、高分子計器社製MD−1型硬度計にて測定される硬度を指す。
具体的には、測定対象となる試料を切り出してサンプルを作製し、当該サンプルの像保持体に押し付ける側からの硬度について、硬度計(高分子計器社製、MD−1)を用いて測定する。原理的にはJIS K6253−3(2012)に記載のタイプAデュロメータに準じたものであり、押針をスプリングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの力とがバランスした状態での押針の押し込み深さを基に測定するものである。
上記押針の径は0.16mmであり、非測定時(押針の変位が0mmの状態)での加圧面からの突き出し量を0.5mmとし、押針はスプリングにより22mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を0°とする。そして、押針の押し込み深さが0mm(変位0.5mm)の時、スプリングにより押針は330mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を100°とする。そしてこれらの間を等間隔で目盛り、マイクロ硬度の測定スケールとする。硬度計の加圧面は外径4mmで、中心に前記押針を通す直径1.5mmの孔が設けてある。
以上のような構成の測定機により、試料に押針を押し当て、バランスがとれた状態での値を読み取りマイクロ硬度とする。なお、マイクロ硬度Hm(度)と押針先端荷重F(mN)との関係は下記式に示すとおりである。
式:F=22+3.1Hm
弾性体の材料としては、例えば発泡ウレタンゴム、発泡エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム、及びエピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
これらの中でも、発泡ウレタンゴム、又は発泡エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)がより好ましい。
弾性押圧部材162は、導電性の部材であっても、絶縁性の部材であってもよい。導電性を付与する場合、例えばカーボンブラック等の導電剤を添加する方法などにより、体積抵抗率10Ω・cm以上10Ω・cm以下の範囲とすることが好ましい。一方、絶縁性の部材とする場合には、体積抵抗率1010Ω・cm超えの範囲とすることが好ましい。
ただし、中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間に低摩擦シート164を介している場合には、この低摩擦シート164を導電性の部材として電圧印加の機能を担わせることが好ましく、この観点から弾性押圧部材162は絶縁性の部材であることが好ましい。
第1の態様の画像形成装置では、中間転写ベルト15の内周面側から弾性押圧部材162を感光体11方向に押圧させている。この第1の態様の画像形成装置では、中間転写ベルト15が感光体11に沿って接触する接触領域(つまりニップN)における中間転写ベルト15の駆動方向(矢印B方向)での長さを、図2に示すごとく(L)とし、弾性押圧部材162の中間転写ベルト15の駆動方向(矢印B方向)での最大長さを、図2に示すごとく(L)としたとき、比率[L/L×100]が50%以上98%以下である。
なお、比率[L/L×100]は65%以上98%以下がより好ましく、80%以上98%以下がさらに好ましい。
比率[L/L×100]が50%以上であることで、感光体11と中間転写ベルト15との間に、広いニップNが形成されトナー画像の高い転写性が得られる。
(シート部材)
中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間には、シート部材の一例としての低摩擦シート164が介在している。
低摩擦シート164は、弾性押圧部材162よりも摩擦係数が低いことが好ましい。摩擦係数が弾性押圧部材162よりも低い低摩擦シート164を介在させることで、中間転写ベルト15と一次転写装置16との摩擦によるトルク上昇が抑制される。
低摩擦シート164は、導電性の部材で構成することが好ましい。つまり、低摩擦シート164を図示しない電源に接続して、一次転写位置10に電圧を印加する機能を低摩擦シート164に担わせることが好ましい。これにより、一次転写装置16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加される。そして、各感光体11上のトナー画像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー画像が形成される。
低摩擦シート164を導電性とする場合、その体積抵抗率は10Ωcm以上10Ωcm以下の範囲とすることが好ましい。
低摩擦シート164の材料としては、例えば樹脂に導電剤を含有させた材料が挙げられる。
低摩擦シート164に用いられる樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの中でもポリイミド樹脂が好ましい。低摩擦シート164には、樹脂を1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
低摩擦シート164に添加される導電剤としては、例えばカーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、金属又は合金(例えばアルミニウム、ニッケル、銅、銀等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO−In複合酸化物等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)等が挙げられ、これらの中でもカーボンブラックが好ましい。
低摩擦シート164の厚さは、材料寿命、および良好なニップを形成するための感光体形状に合わせた形状の変化しやすさの観点から、例えば100μm以上300μm以下であることが好ましく、150μm以上250μm以下であることがより好ましい。
以上、第1の態様に係る画像形成装置について説明したが、本実施形態はこの第1の態様に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
−画像形成装置の構成(第2の態様)−
次に、転写手段において、ベルト部材を記録媒体搬送ベルト(用紙搬送ベルト)として用いた画像形成装置を例にして説明する。
図7は、第2の態様に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
図7に示す画像形成装置200において、ユニットY、M、C、BKは、矢印Aの時計方向に回転するように、それぞれ感光体201Y、201M、201C、201BK(像保持体の一例)が備えられる。感光体201Y、201M、201C、201BKの周囲には、帯電器202Y、202M、202C、202BK(帯電手段の一例)と、露光器214Y、214M、214C、214BK(静電荷像形成手段の一例)と、各色現像装置(イエロー現像装置203Y、マゼンタ現像装置203M、シアン現像装置203C、ブラック現像装置203BK)(現像手段の一例)と、感光体清掃部材204Y、204M、204C、204BKとがそれぞれ配置されている。
なお、上記の各色現像装置の少なくとも1つに、特定トナーが収容される。第2の態様では、各色現像装置の全てが特定トナーを収容することが好ましい。
ユニットY、M、C、BKは、用紙搬送ベルト207(ベルト部材の一例)に対して4つ並列に、ユニットBK、C、M、Yの順に配置されているが、ユニットBK、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序が設定される。
用紙搬送ベルト207は、4つのベルト支持ロール206によって内面側から支持され、用紙搬送ベルトユニットを形成している。用紙搬送ベルト207は、矢印Bの反時計方向に感光体201Y、201M、201C、201BKと同じ周速度をもって回転するようになっており、ベルト支持ロール206間に位置するその一部が感光体201Y、201M、201C、201BKとそれぞれ接するように配置されている。
感光体201Y、201M、201C、201BK上に形成された各色成分トナー画像を、用紙搬送ベルト207によって搬送された用紙215(記録媒体の一例)上に転写する転写位置には、転写装置216Y、216M、216C、216BK(転写手段の一例)が設けられている。
なお、転写装置216は、第1の態様に係る画像形成装置における一次転写装置16(図2参照)と同様に、用紙搬送ベルト207の内周面側から感光体201Y、201M、201C、又は201BK方向に押圧し、回転駆動しない、弾性押圧部材(押圧部材の一例)を有する。また、用紙搬送ベルト207と弾性押圧部材との間には、低摩擦シート(シート部材の一例)が介在している。弾性押圧部材によって押圧されることで、感光体201Y、201M、201C、又は201BKの一部と用紙搬送ベルト207の一部とが沿うように接触し、感光体201Y、201M、201C、又は201BKと用紙搬送ベルト207との間にニップNが形成される。
第2の態様の転写装置216Y、216M、216C、216BKにおける「弾性押圧部材」及び「低摩擦シート」の好ましい態様は、前述の第1の態様における弾性押圧部材162及び低摩擦シート164と同様であるため、ここでは説明を省略する。
転写装置216Y、216M、216C、216BKは、感光体201Y、201M、201C、201BKと、用紙搬送ベルト207を介してトナー画像を用紙215に転写する転写領域を形成している。
用紙搬送ベルト207には、クリーニングブレード212が用紙搬送側の面(外周表面)に接触するよう配置される。また、用紙搬送ベルト207を介して前記クリーニングブレード212の反対側の面には、導電性の対向部材としてのクリーニング用対向ロール213が接触して配置され、用紙搬送ベルトクリーニング装置220を構成している。
用紙搬送ベルトクリーニング装置220には、クリーニングブレード212に加えて、さらにブラシクリーニング、ロールクリーニング、スクレーパークリーニング等を併設してもよい。
定着装置210(定着手段の一例)は、用紙搬送ベルト207と感光体201Y、201M、201C、201BKとのそれぞれの転写領域を通過した後に搬送されるように配置されている。
用紙搬送ロール208により、用紙215は用紙搬送ベルト207に搬送される。
図7に示す画像形成装置において、ユニットBKにおいては、感光体201BKを回転駆動させる。これと連動して帯電器202BKが駆動し、感光体201BKの表面を目的の極性及び電位に帯電させる。表面が帯電された感光体201BKは、次に、露光器214BKによって像様に露光され、その表面に静電荷像が形成される。
続いて該静電荷像は、ブラック現像装置203BKによって現像される。すると、感光体201BKの表面にトナー画像が形成される。なお、このときの現像剤は一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
このトナー画像は、感光体201BKと用紙搬送ベルト207との転写領域に形成されるニップNを通過し、用紙215が静電的に用紙搬送ベルト207に吸着して転写領域まで搬送され、転写装置216BKから印加される転写バイアスによって形成される電界により、用紙215の表面に順次転写される。
この後、感光体201BK上に残存するトナーは、感光体清掃部材204BKによって清掃、除去される。そして、感光体201BKは、次の画像転写に供される。
以上の画像転写は、ユニットC、M及びYでも上記の方法によって行われる。
転写装置216BK、216C、216M及び216Yによってトナー画像を転写された用紙215は、さらに定着装置210に搬送され、定着が行われる。
転写後の感光体201Y、201M、201C、201BKは、感光体清掃部材204Y、204M、204C、204BKにより残留トナーが除去される。一方、記録媒体215を搬送した後の用紙搬送ベルト207は、用紙搬送ベルトクリーニング装置220におけるクリーニングブレード212により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。
以上により用紙上に画像が形成される。
以上、第2の態様に係る画像形成装置について説明したが、本実施形態はこの第2の態様に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
第1及び第2の態様に係る画像形成装置の態様としては、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置であってもよい。
・転写手段におけるベルト部材
次いで、転写手段に用いられるベルト部材(第1の態様における中間転写ベルト15、第2の態様における用紙搬送ベルト207)について説明する。
ベルト部材は、例えば、樹脂材料を含んで構成されることがよい。また、導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよく、さらにその他周知の添加剤を含んで構成されてもよい。
ベルト部材に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。ベルト部材には、それぞれ樹脂材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、内周表面の剛性を高めて複数のロールに張力を掛けて架け渡された際の変形のし難さを得る観点から、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方を用いることがより好ましい。
ベルト部材には、導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよい。
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粒子が挙げられる。
なお、導電剤としては、1次粒径が10μm未満の粒子がよく、1次粒径が1μm以下の粒子がより好ましい。
導電剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、金属又は合金(例えばアルミニウム、ニッケル、銅、銀等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO−In複合酸化物等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)等が挙げられる。
導電剤は、その使用目的により選択されるが、カーボンブラックがよく、特に電気抵抗の経時での安定性や、転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH5以下(好ましくはpH4.5以下、より好ましくはpH4.0以下)の酸化処理カーボンブラック(例えば表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラック)がよい。
ベルト部材における導電剤の含有量は、目的とする抵抗により選択されるが、例えば、ベルト部材の全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、更には2質量%以上40質量%以下がより好ましく、4質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
導電剤以外のその他の添加剤としては、例えば、導電剤(カーボンブラック等)の分散性を向上するための分散剤、機械強度などの各種機能を付与するための各種充填剤、触媒、製膜品質向上のためのレベリング剤、離型性を向上させるための離型性材料(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂粒子)等が挙げられる。
転写手段に用いられるベルト部材の外周表面の表面抵抗率は、転写性の観点から、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが好ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより好ましい。
なお、表面抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、表面抵抗率の測定方法は、次の通り行う。円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS−K6911(1995年)に従って測定する。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図8(A)は、円形電極の一例を示す概略平面図であり、図8(B)はその概略断面図である。図8に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
ベルト部材の全体の体積抵抗率は、例えば、画像形成装置において中間転写ベルト、記録媒体搬送ベルト等として用いる場合であれば、転写性の観点から、常用対数値で8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることが好ましい。なお、体積抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、体積抵抗率の測定は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS−K6911(1995年)に従って測定する。前記体積抵抗率の測定方法を、図8を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図8に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’を備える。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、ベルトTの厚さを示す。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
また、上記式に示される19.6の数値は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、試料の厚さt(cm)より、πd/4tとして算出される。また、ベルトTの厚さは、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを使用し測定する。
ベルト部材の厚さ(平均厚さ)は0.05mm以上0.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.06mm以上0.30mm以下、さらに好ましくは0.06mm以上0.15mm以下である。
〔静電荷像現像剤〕
次いで、本実施形態に係る画像形成装置において、現像手段に収容される静電荷像現像剤(以下「本実施形態に係る静電荷像現像剤」とも称する)について、詳細に説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーを少なくとも含む。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
<トナー>
トナーは、トナー粒子を有する。トナーは、トナー粒子と共に、外添剤を有していてもよい。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他添加剤等を含んでもよい。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が適用される。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、多価アルコールとして、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)は使用しない、又は使用しても少量とする。具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用する場合、その使用量は、全多価アルコールに対して0モル%超え5モル%以下とすることがよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましく、30000以上50000以下がさらに好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で、60質量%以上98質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下がさらに好ましい。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性樹脂を併用することがよい。結晶性樹脂を併用すると、トナー粒子の吸湿性が低減し、トナー画像の転写性を高め易くなる。ただし、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル樹脂(例えば、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等)等の公知の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、トナー画像の転写性を高める観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。
結晶性樹脂(好ましくは結晶性ポリステル樹脂)の含有量は、トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。結晶性樹脂の含有量が上記の範囲にすると、トナー画像の転写性を高め易くなる。
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂以外の他の結着樹脂を併用してもよい。ただし、他の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で10質量%以下が好ましい。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比は0.2以上(好ましくは0.3以上)であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.05以上(好ましくは0.08以上)であることがよい。
また、トナー粒子の強度の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.5以下(好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下)であることがよい。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
ここで、赤外吸収スペクトル分析による各波長の吸光度の測定は、次に示す方法により測定される。まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)を、KBr錠剤法により測定試料を作製する。そして、測定試料に対して、赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT−IR−410)により、積算回数300回、分解能4cm−1の条件で、波数500cm−1以上4000cm−1以下の範囲を測定する。そして、吸収光の無いオフセット部分等でベースライン補正を実施して、各波長の吸光度を求める。
トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwは10000以上60000以下(好ましくは25000以上50000以下、より好ましくは30000以上48000以下)であり、Mw/Mnは5以上10以下(好ましくは6以上8以下、より好ましくは6.2以上7.8以下)である。

上述のように、トナー粒子が上記分子量特性を満たすと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上する。
トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量は、7000以上11000以下が好ましく、8000以上11000以下がより好ましく、8200以上10500以下がさらに好ましい。
ピーク分子量を上記範囲にすると、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上し易くなる。
なお、トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量とは、分子量分布曲線において複数のピークを有する場合、最も大きいピークの分子量を示す。
ここで、トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定における、分子量分布曲線、各平均分子量、ピーク分子量は、次の通り測定する。
まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)0.5mgをTHF(テトラヒドロフラン)1gに溶解させ、超音波分散をかけた後に、濃度が0.5%となるように調整し、この溶解成分をGPCにより測定する。
GPC装置として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー製)」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHFを用いる。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI(Refractive Index)検出器を用いて実験を行う。また、検量線は東ソー製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製する。
トナー粒子のトルエン不溶分は、25質量%以上45質量%以下が好ましく、28質量%以上38質量%以下がより好ましく、30質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。
トナー粒子のトルエン不溶分を上記範囲にすると、トナー粒子の吸湿性が低下し、トナー画像の転写性を高め易くなる。
ここで、トナー粒子のトルエン不溶分とは、トルエンに不溶なトナー粒子の構成成分である。つまり、トルエン不溶分は、トルエンに不溶な結着樹脂の成分(特に結着樹脂の高分子量成分)を主成分(例えば全体の50質量%以上)とした不溶分である。このトルエン不溶分は、トナー中に含まれる架橋樹脂の含有量の指標と言える。
トルエン不溶分は、次の方法により測定された値とする。
秤量したガラス繊維製の円筒ろ紙に秤量したトナー粒子(又はトナー)を1g投入し、加熱式ソックスレー抽出装置の抽出管に装着する。そして、フラスコにトルエンを注入して、マントルヒーターを用いて110℃に加熱する。また、抽出管に装着した加熱ヒーターを用いて抽出管の周部を125℃に加熱する。抽出サイクルが4分以上5分以下の範囲で1回となるような還流速度で抽出を行う。10時間抽出した後、円筒ろ紙とトナー残渣を取り出して乾燥し、秤量する。
そして、式:トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)=[(円筒ろ紙量+トナー残渣量)(g)−円筒ろ紙量(g)]÷トナー粒子(又はトナー)質量(g)×100に基づいて、トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)を算出し、このトナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)をトルエン不溶分(質量%)とする。
なお、トナー粒子(又はトナー)残渣は、着色剤、外添剤等の無機物、及び結着樹脂の高分子量成分等からなる。また、トナー粒子に離型剤を含む場合、加熱による抽出を行うことから、離型剤はトルエン可溶分となっている。
トナー粒子のトルエン不溶分は、例えば、結着樹脂において、1)末端に反応性官能基を有する高分子成分に架橋剤を添加して架橋構造、または分岐構造を形成する方法、2)末端にイオン性官能基を有する高分子成分に多価金属イオンにより架橋構造または分岐構造を形成する方法、3)イソシアネートなどの処理による樹脂鎖長の延長、分岐を形成する方法等により調整される。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
そして、本実施形態におけるトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<キャリア>
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<非晶性ポリエステル樹脂の作製>
(非晶性ポリエステル樹脂(A1)の作製)
内部を乾燥させた三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60質量部、フマル酸ジメチル74質量部、ドデセニルコハク酸無水物30質量部、トリメリット酸22質量部と、プロピレングリコール138質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とを窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、185℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに4時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が39000の非晶性ポリエステル樹脂(A1)を用意した。
(非晶性ポリエステル樹脂(A2)の作製)
190℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、さらに2.5時間反応させた以外は、非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A2)を作製した。なお、重量平均分子量は、26000であった。
(非晶性ポリエステル樹脂(A3)の作製)
プロピレングリコール138質量部の代わりに、プロピレングリコール128質量部、ブチレングリコール19質量部にし、195℃で4時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに6時間反応させた以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A3)を作製した。なお、重量平均分子量は56000であった。
<結晶性樹脂の作製>
(結晶性ポリエステル樹脂(B1)の作製)
まず、三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、185℃で5時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が33700の結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用意した。
なお、この結晶性ポリエステル樹脂(B1)の融解温度を、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求めたところ、71℃であった。
<参考非晶性ポリエステル樹脂の作製>
(参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)の作製)
テレフタル酸ジメチル60質量部と、フマル酸ジメチル74質量部と、ドデセニルコハク酸無水物30質量部と、トリメリット酸22質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物137質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物191質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とにした以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様にして参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)を作製した。なお、重量平均分子量は27000であった。
<トナーの作製>
(トナー(1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)73質量部と、結晶性ポリエステル樹脂(B1)6質量部と、着色剤(C.I.Pigment Red 122)7質量部と、離型剤(パラフィンワックス、融解温度73℃、日本精鑞株式会社製)5質量部と、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、ユニスターM−2222SL、日油社製)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、周速15m/秒で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をエクストルーダー型連続混練機で溶融混練した。
ここで、エクストルーダーの設定条件は、供給側温度が160℃、排出側温度が130℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。なお冷却ベルトの温度を10℃に設定した。
得られた溶融混練物を冷却させた後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて6.5μmに微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は7.0μmであった。
そして、トナー粒子(1)100質量部と、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で混合し、トナー(1)を得た。
(トナー(2)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A2)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(2)を作製した。トナー粒子(2)の体積平均粒径は6.8μmであった。
そして、トナー粒子(2)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(2)を得た。
(トナー(3)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A3)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(3)を作製した。トナー粒子(3)の体積平均粒径は7.5μmであった。
そして、トナー粒子(3)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(3)を得た。
(トナー(4)の作製)
結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用いず、非晶性ポリエステル樹脂(A1)の部数を79質量部に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(4)を作製した。トナー粒子(4)の体積平均粒径は7.1μmであった。
そして、トナー粒子(4)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(4)を得た。
(参考トナー(C1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)に変更した以外はトナー粒子(4)の作製と同様にして参考トナー粒子(C1)を作製した。参考トナー粒子(C1)の体積平均粒径は7.7μmであった。
そして、参考トナー粒子(C1)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、参考トナー(C1)を得た。
<現像剤の作製>
(現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1))
得られた各トナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して、各々、現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1)を作製した。
なお、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
<各種測定>
各トナーについて、トナー粒子の分子量特性、トナー粒子の赤外吸収スペクトル特性、トルエン不溶分を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
<実施例1〜4>
・画像形成装置(1)の準備
画像形成装置として、富士ゼロックス(株)製のColor1000iPressを準備した。なお、この画像形成装置は、中間転写ベルトを備えた中間転写方式の装置である。この画像形成装置において、一次転写装置における構成を、図2に示される態様、つまり中間転写ベルト15の内周面側から感光体11方向に押圧する、回転駆動しない弾性押圧部材162を備え、かつ中間転写ベルト15と弾性押圧部材162との間に低摩擦シート164が介在した構成に改造した。
中間転写ベルト15には、ポリイミド樹脂製でありかつカーボンブラックを添加することで半導電性としたベルト部材を設置した。
弾性押圧部材162には、発泡ウレタンゴム製の絶縁性の部材であって、中間転写ベルト15を押圧する側の面が、押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で「凹面状」である部材(つまり図4に示す形状の弾性押圧部材162A)を用いた。弾性押圧部材162の「マイクロ硬度」、及び弾性押圧部材162の「中間転写ベルト15駆動方向での最大長さ(L))」を下記表2に示す。
低摩擦シート164には、ポリイミド樹脂製でありかつカーボンブラックを添加することで導電性としたシート部材を設置した。低摩擦シート164の厚さは200μmであった。
画像形成装置(1)における、一次転写位置でのニップ長さ(中間転写ベルト15が感光体11に沿って接触する接触領域における中間転写ベルト15駆動方向での長さ(L))、及び弾性押圧部材162最大長さ(L)とニップ長さ(L)との比率[L/L×100]を下記表2に示す。
この画像形成装置の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)を有する現像剤を収容した。
<比較例1〜4及び参考例>
・比較用の画像形成装置(C1)の準備
上記画像形成装置(1)において、一次転写装置における弾性押圧部材162として、中間転写ベルト15を押圧する側の面が、押圧していない(外圧が付与されていない)フリー状態で「凸面状」である部材(つまり図6に示す形状の弾性押圧部材162C)を用いたこと以外、上記画像形成装置(1)と同様の構成とした画像形成装置(C1)を準備した。
弾性押圧部材162の「マイクロ硬度」、及び弾性押圧部材162の「中間転写ベルト15駆動方向での最大長さ(L))」を下記表2に示す。
画像形成装置(C1)における、一次転写位置でのニップ長さ(中間転写ベルト15が感光体11に沿って接触する接触領域における中間転写ベルト15駆動方向での長さ(L))、及び弾性押圧部材162最大長さ(L)とニップ長さ(L)との比率[L/L×100]を下記表2に示す。
この画像形成装置の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)、又は(C1)を有する現像剤を収容した。
<評価>
(転写性)
上記画像形成装置を用い、以下の方法により、高温高湿環境下(35℃、85%)での転写性を評価した。
像保持体(感光体)上に100%のベタパッチを形成して、中間転写ベルト上に一次転写し、感光体上のパッチと中間転写ベルト上のパッチの質量を測定した。「中間転写ベルト上のトナー質量/感光体上のトナー質量×100」を転写効率(%)とし、転写効率により転写性を評価した。
評価基準は、次の通りである。
A(◎):転写効率98%以上
B(○):転写効率95%以上98%未満
C(△):転写効率90%以上95%未満
D(×):転写効率90%未満
上記結果から、特定トナーを使用し、中間転写ベルトを押圧する側の面が、押圧していないフリー状態で「凹面状」である弾性押圧部材を用い、弾性押圧部材最大長さ(L)とニップ長さ(L)との比率[L/L×100]が50%以上98%以下である実施例の画像形成装置では、中間転写ベルトを押圧する側の面が、押圧していないフリー状態で「凸面状」である弾性押圧部材を用い、弾性押圧部材最大長さ(L)とニップ長さ(L)との比率[L/L×100]が50%未満である比較例の画像形成装置に比べ、高温高湿環境下であってもトナー画像の高い転写性が得られることがわかる。
なお、参考例の画像形成装置は、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用した非晶性ポリエステル樹脂を含むトナーを適用した例である。そして、参考例の画像形成装置では、中間転写ベルトを押圧する側の面が、押圧していないフリー状態で「凸面状」である弾性押圧部材を用い、弾性押圧部材最大長さ(L)とニップ長さ(L)との比率[L/L×100]が50%未満である場合であっても、トナー画像の転写性が低下し難いことがわかる。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
11 感光体(像保持体)
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト(ベルト部材)
16 一次転写装置(転写手段)
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100、200 画像形成装置
162 弾性押圧部材(押圧部材)
164 低摩擦シート(シート部材)
201BK、201C、201M、201Y 感光体(像保持体)
202BK、202C、202M、202Y 帯電器
203BK ブラック現像装置
203C シアン現像装置
203M マゼンタ現像装置
203Y イエロー現像装置
204BK、204C、204M、204Y 感光体清掃部材
206 ベルト支持ロール
207 用紙搬送ベルト(ベルト部材)
208 用紙搬送ロール
210 定着装置
212 クリーニングブレード
213 クリーニング用対向ロール
214BK、214C、214M、214Y 露光器
215 用紙(記録媒体)
216BK、216C、216M、216Y 転写装置(転写手段)
220 用紙搬送ベルトクリーニング装置
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。一方、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナー(以下、「特定トナー」とも称する)は、吸湿性が高くなる傾向にある。そして、吸湿した水分によりトナーの帯電性が低下して(特に高温高湿環境下(例えば35℃、85%の環境下)では帯電性の低下が顕著となり)、転写性が低下することがあった。
<1> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<2> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<3> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.3以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.05以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<5> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.5以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<6> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下である<5>に記載の画像形成装置。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
また、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含む。
一方、特定トナーは、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下である。トナー粒子が、この赤外吸収スペクトル特性を有することは、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂が、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)を多価アルコールとして使用していない、又は使用しても少量である樹脂であることを意味している。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比は0.2以上(好ましくは0.3以上)であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.05以上(好ましくは0.08以上)であることがよい。
また、トナー粒子の強度の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.5以下(好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下)であることがよい。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
ここで、赤外吸収スペクトル分析による各波数の吸光度の測定は、次に示す方法により測定される。まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)を、KBr錠剤法により測定試料を作製する。そして、測定試料に対して、赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT−IR−410)により、積算回数300回、分解能4cm−1の条件で、波数500cm−1以上4000cm−1以下の範囲を測定する。そして、吸収光の無いオフセット部分等でベースライン補正を実施して、各波数の吸光度を求める。

Claims (16)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、前記ベルト部材を押圧する側の面が前記ベルト部材を押圧していない状態で平面状又は凹面状であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが10000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子を含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体に外周表面が接触するベルト部材、及び前記ベルト部材を内周面側から前記像保持体方向に押圧する押圧部材であって、前記ベルト部材を押圧する側の面が弾性体であり、回転駆動しない押圧部材を有し、前記ベルト部材が前記像保持体に沿って接触する接触領域における前記ベルト部材の駆動方向での長さ(L)の、前記押圧部材の前記ベルト部材の駆動方向での最大長さ(L)に対する比率[L/L×100]が50%以上98%以下であり、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  3. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.3以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.05以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.5以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記ベルト部材が中間転写ベルトである請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記転写手段は、前記ベルト部材と前記押圧部材との間にシート部材を介する請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記弾性体のマイクロ硬度が20度以上60度以下である請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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