JP2019168403A - 高安動脈炎の診断方法、診断マーカー及び診断キット - Google Patents

高安動脈炎の診断方法、診断マーカー及び診断キット Download PDF

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Abstract

【課題】高安動脈炎を迅速かつ高精度に診断できる診断方法、診断マーカー及び診断キットを提供する。【解決手段】被験者から採取された試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARB1抗体)の量を測定し、測定値が基準値よりも高い場合に、被験者は高安動脈炎に罹患していると判定する工程を含む高安動脈炎の判定方法。および、抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)からなる高安動脈炎の診断マーカーと診断キット。【選択図】図11

Description

本発明は、高安動脈炎の診断方法、診断マーカー及び診断キットに関する。
血管炎症候群は、自己免疫疾患の一群で、人体内の血管で炎症が起こる病気であり、結果として出血や梗塞により臓器の機能不全を引き起こし、致死的となる。体内の血管の内側には血管内皮細胞が存在し、血管内腔と血管壁の境界を形成している。血管炎症候群ではこれら血管内皮細胞に対する自己抗体が存在することが知られており、疾患発症への関与及び活動性との相関が報告されてきた。
血管内皮細胞に対する自己抗体として、血管炎症候群では抗好中球細胞質抗体(ANCA)と抗血管内皮細胞抗体(AECA)が出現することが知られている。血管炎症候群はCHCC2012によると大型血管炎、中型血管炎、及び小型血管炎に分類される(非特許文献1)。抗好中球細胞質抗体の主要抗原はミエロペルオキシダーゼ及びプロテイナーゼ3であることが明らかとなっており、これらはANCA関連小型血管炎のマーカーとして臨床応用されるとともに病態形成機序の解明が行われている。一方、抗血管内皮細胞抗体に関しての対応抗原は明らかになっておらず、大型血管炎及び中型血管炎のマーカーが存在しないため、当該疾患の診断には、炎症反応などの非特異的検査を第一に行わざるを得なかった。さらに、従来のタンパク質の同定に用いられるウェスタンブロッティング、二次元電気泳動、質量分析、発現ライブラリ等の手法では膜タンパク自己抗原の同定が困難であった。このため、対応抗原の更なる病態解明や実地臨床での使用、治療に向けた対応抗原に関する検討を行うことができなかった。
ARTHRITIS & RHEUMATISM Vol. 65, No. 1, January 2013, pp 1-11
発明者らは、膜タンパク自己抗原の同定を可能にする膜タンパク自己抗原同定系(Serological identification system for Autoantigens using a Retroviral vector and Flow cytometry, SARF)を構築することにより、血管内皮細胞に対する自己抗体の対応抗原の同定を試み、これまでに血管炎症候群では報告されていない新たな自己抗原であるプロテインC受容体(EPCR)とスカベンジャー受容体B1(SCARB1)とを同定し、大型血管炎に分類される疾患の一つである高安動脈炎の患者の試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARB1抗体の量を測定することにより、本発明を完成した。
本発明が解決すべき課題は、高安動脈炎を迅速かつ高精度に診断できる診断方法、診断マーカー及び診断キットを提供することにある。
本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.被験者から採取された試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を指標とする、高安動脈炎の判定方法。
項2.被験者から採取された試料を内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び前記測定値が基準値よりも高い場合に、前記被験者は高安動脈炎に罹患していると判定する工程を含む項1に記載の方法。
項3.前記判定は、高安動脈炎の有無の判定、高安動脈炎の発症の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の重症度の判定、被験者における高安動脈炎の予防効果の判定、高安動脈炎に罹患した患者における治療効果の判定、被験者における高安動脈炎の再発の有無の判定、被験者における高安動脈炎の再発の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の再燃の有無の判定、又は被験者における高安動脈炎の再燃の有無の危険性の判定である項1に記載の方法。
項4.前記試料は血液、血清又は血漿である項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.前記被験者は抗EPCR抗体が陽性であり、かつ脳血管疾患、潰瘍性大腸炎、血管分類におけるII型病変、及び腕頭動脈のうちの少なくとも一つに罹患している、項1に記載の方法。
項6.前記被験者は抗SCARBI抗体が陽性であり、かつ大動脈弁閉鎖不全に罹患していない、CRP濃度が抗SCARBI抗体陰性の被験者のCRP濃度よりも高い、赤沈(赤血球沈降速度)が抗SCARBI抗体陰性のC被験者の赤沈よりも高い、血管分類におけるV型病変の罹患、及び腹部大動脈の罹患のうちの少なくとも一つに該当する、項1に記載の方法。
項7.抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)からなる高安動脈炎の診断マーカー。
項8.抗内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)を備えた高安動脈炎の診断キット。
本発明によれば、高安動脈炎を迅速かつ高精度に診断することができる。
抗血管内皮細胞抗体(AECA)の血管炎症候群における病原性を示す模式図。 膜タンパク自己抗原同定系(SARF)の原理を示す模式図。 本実施例で使用された高安動脈炎患者(TA)の各血清の番号、ヒト臍静脈細胞(HUVEC)の結合試験、腫瘍壊死因子(TNF)刺激に対する応答、及びヒト大動脈内皮細胞(HAEC)に対する結合試験の結果を示す。HUVEC結合試験において◎は高力価(平均蛍光強度がcontrolの10倍以上)、○は中力価(平均蛍光強度がcontrolの2倍以上)を示す。TNF刺激において、◎は高力価、○は中力価を示す。HAEC結合試験において◎は高力価、○は中力価を示す。 対照(Control)及び3つの高安動脈炎患者(TA)の血清由来IgG試料のAECAを示すグラフ。対照は正常人の血清由来IgG。縦軸は細胞数、横軸は蛍光強度を示す。 血清U10-4に対する結合集団(横軸)と死細胞に対する核染色色素7−AAD(縦軸)を示す。A.1-3回目のソーティング。B.4-6回目のソーティング。 血清G10-43に対する結合集団(横軸)と死細胞に対する核染色色素7−AAD(縦軸)を示す。A.1-3回目のソーティング。B.4-7回目のソーティング。 血清W-10-59に対する結合集団(横軸)と死細胞に対する核染色色素7−AAD(縦軸)を示す。A.1-3回目のソーティング。B.4-6回目のソーティング。 限界希釈による細胞クローンの分離を示すグラフ。Unsortedはソート前の細胞集団。AはG10-43に結合するクローン、BはW10-59に結合するクローン、C-EはU10-4に結合するクローン。縦軸は細胞数、横軸は血清に結合したIgGの蛍光強度を示す。 挿入されたcDNAのPCRの結果を示す写真。Aは血清G10-43におけるSCARB1の検出、Bは血清W-10-59におけるSCARB1の検出、Cは血清U10-4におけるEPCRの検出。 クローンのマイクロアレイ結果を示す。 高安動脈炎における自己抗体の同定。A〜CはSCARB1、D〜EはEPCRに関し、A及びDは対照IgG、Bは血清G10-43 IgG、Cは血清W10-59 IgG、Eは血清U10-4 IgGを測定した。縦軸は結合したIgGの蛍光強度、横軸は各蛋白を発現した細胞を示す。 本実施例にて使用された高安動脈炎患者(TA)の各血清の番号、抗EPCR抗体の測定、及び抗SCARB-1抗体の測定の結果を示す。○は陽性、空白は陰性を示す。 抗EPCR抗体の頻度、力価を示す。Control:対照、TAK:高安動脈炎、SLE:全身性エリテマトーデス、GCA:巨細胞性動脈炎。 SCARBI抗体の頻度、力価を示す。Control:対照、TAK:高安動脈炎、SLE:全身性エリテマトーデス、GCA:巨細胞性動脈炎。 高安動脈炎における自己抗体頻度を示す円グラフ。 抗EPCR抗体に対する反応性と被験者の各種要因との相関。 抗SCARBI抗体に対する反応と被験者の各種要因との相関。 3群間の内訳。 図18の続き。 高安動脈炎患者における経時的な抗体力価の変化を示すグラフ。Flare:再燃。 APC及び抗EPCR抗体の添加の、TNF-αによる接着分子のアップレギュレーションに対する影響を調べたグラフ。*はP<0.05を示す。 HDL及び抗SCARBI抗体の添加の、TNF-αによる接着分子のアップレギュレーションに対する影響を調べたグラフ。*はP<0.05を示す。
1.被験者
被験者には、高安動脈炎に罹患している患者のみならず、高安動脈炎に罹患していると疑われる患者も含まれる。「高安動脈炎に罹患していると疑われる被験者」は、被験者本人が主観的に疑いを抱く者(何らかの自覚症状がある者に限らず、単に予防検診の受診を希望する者を含む)であっても、何らかの客観的な根拠に基づく者(例えば、従来公知の臨床検査(例、心拍、血圧、血液又は尿検査)及び/又は診察の結果、高安動脈炎の合理的な罹患可能性があると医師が判断した者)であってもよい。
2.試料
被験体から採取される試料は特に限定されず、例えば血液(全血)、血清、血漿、リンパ液等である体液が挙げられる。検出の精度の点から、血液、血清又は血漿であることが好ましい。
3.抗原EPCR 及びSCARB1
高安動脈炎は、血管炎症候群の中でも、大動脈とその主要分枝に起こる慢性肉芽腫性血管炎であり、狭窄・閉塞・動脈瘤が起こる若年女性に多く、特にアジア・東欧・南米に多い疾患である。日本での特定疾患数は6000人とされており、未診断の患者がその数倍いる可能性が指摘されている。
図1に示すように、血管炎症候群では、樹状細胞及びB細胞により抗血管内皮細胞抗体(AECA)が産生され(A)、CDC活性により血管を傷害する(B)と考えられている。(白井,藤井,小野ら.日本臨床,71(増刊1 血管炎),(2013),497-501)。
高安動脈炎におけるAECAの膜蛋白対応抗原は本願出願前には同定されておらず、当該疾患の診断には、炎症反応などのスクリーニング検査に頼っているのが現状である。AECA及びその膜蛋白対応抗原の同定は、(1)臨床における診断マーカーとしての使用、(2)疾患の診断及び分類(3)病態解明、並びに(4)介入対象の選択に有意義である。
ところで、従来のタンパク質の同定に用いられるウェスタンブロッティング、二次元電気泳動、質量分析、発現ライブラリ等の手法では膜タンパク自己抗原の同定が困難であったところ、発明者らは、膜蛋白自己抗原の同定を可能にする膜タンパク自己抗原同定系(Serological identification system for Autoantigens using a Retroviral vector and Flow cytometry, SARF)を構築した。
SARFの原理を簡単に説明すると、図2に示すように、最初にHUVECのcDNAライブラリーを作成し(A)、レトロウイルスベクターに挿入する(B)。次にHUVECのcDNAライブラリーを、レトロウイルスを用いてラット骨髄腫細胞に移入し、HUVECのcDNA由来の膜蛋白を発現する細胞集団を作成する(C)。これらの細胞にAECA陽性血清由来のIgGを反応させることで、AECA-IgGが結合する細胞を二次抗体で標識し、二次抗体で標識された細胞をフローサイトメトリーを用いて分離する(D)。この過程を複数回繰り返すことで、AECA-IgGに結合する集団を濃縮し(E),(F)、その後に限界希釈法にて各々の細胞を単離する(G)。単離された細胞に挿入されているcDNAを同定することで、AECAの対応抗原が同定される。
SARFを用いて、血管内皮細胞に対する自己抗体の対応抗原の同定を試み、これまでに血管炎症候群では報告されていない新たな2つの膜蛋白自己抗原を同定した。
SARFを用いて同定された自己抗原の一つは、内皮細胞プロテインC受容体(Endothelial cell Protein C Receptor, EPCR)であり、もう一つはスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(Scavenger Receptor Class B member I, SCARBI)である。
内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)は血液凝固因子の一つであるプロテインCの特異的受容体であり、膜貫通型のタンパク質である。ヒト由来のEPCRは配列番号1(NP_006395.2)で表わされるアミノ酸配列を有し、本発明のEPCRは配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質であることができる。配列番号1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、配列番号1で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の同一性を実質的に同一のアミノ酸配列を指す。好ましくは、本発明のEPCRは配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質である。
また、本発明のEPCRは、例えば配列番号1で表わされるアミノ酸配列中の1個又は2個以上(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個、2個又は3個)のアミノ酸が欠失、付加、又は置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質であることもできる。アミノ酸配列が欠失、付加、又は置換されている場合、その欠失、付加、又は置換の位置は、タンパク質の活性が保持される限り特に限定されないが、エピトープに該当するアミノ酸配列以外の箇所であることが好ましい。
スカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARB1)は、 コレステロールがマクロファージや末梢組織から引き抜かれて肝臓に輸送されるコレステロール逆輸送経路において重要な役割を果たす、膜貫通型のタンパク質である。SCARB1 は、HDL との結合及びコレステリルエステル(CE)の選択的取り込みを仲介すると考えられている。ヒト由来のSCARB1は配列番号2(NP_005496)又は配列番号3(NP_001076428)で表わされるアミノ酸配列を有し、配列番号2で表わされるアミノ酸配列と配列番号3で表わされるアミノ酸配列はアイソフォームである。本発明のSCARB1は配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質若しくは配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質であることができる。配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の同一性を実質的に同一のアミノ酸配列を指す。好ましくは、本発明のSCARB1は配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質であるか、又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質である。
また、本発明のSCARB1は、例えば配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列中の1個又は2個以上(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個、2個又は3個)のアミノ酸が欠失、付加、又は置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質であることもできる。アミノ酸配列が欠失、付加、又は置換されている場合、その欠失、付加、又は置換の位置は、タンパク質の活性が保持される限り特に限定されないが、エピトープに該当するアミノ酸配列以外の箇所であることが好ましい。
なお、配列の「同一性」とは、当該技術分野において公知の数学的アルゴリズムを用いて2つの塩基配列をアラインさせた場合の最適なアラインメント(好ましくは、該アルゴリズムは最適なアラインメントのために配列の一方もしくは両方へのギャップの導入を考慮し得る)における、オーバーラップする全塩基に対する同一塩基の割合(%)を意味する。
塩基配列の同一性を決定するための他のアルゴリズムとしては、例えば、Karlinら,Proc. Natle. Adcad. Sci. USA, 90:5873-5877(1993)に記載のアルゴリズム、Needlemanら,J. Mol. Biol., 48-444-453(1970)に記載のアルゴリズム、MyersおよびMiller, CABIOS, 4:11-17(1988)に記載のアルゴリズム、Pearsonら,Proc.Natl. Acad. Scie. USA, 85: 2444-2448(1988)に記載のアルゴリズムが挙げられるが、それらに限定されない。
EPCR 及びSCARB1は、例えば、被験者の細胞または組織から公知の方法あるいはそれに準ずる方法を用いて調製することもできるし、ペプチド合成装置等を使用する公知のペプチド合成方法で化学的に合成することもできるし、EPCR 及びSCARB1をコードするDNAを含有する形質転換体を培養してタンパク質を発現させることにより製造することもできるし、あるいはEPCR 及びSCARB1をコードする核酸を鋳型として無細胞転写/翻訳系を用いて生化学的に合成することによって製造することもできる。EPCR 及びSCARB1は糖鎖修飾等の種々の修飾を受けたものであってもよい。
4.抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体
抗EPCR抗体は、EPCR又はその部分配列を含むポリペプチドを抗原として用いて周知の免疫学的手法により作製することができる。また抗SCARB1抗体は、SCARB1又はその部分配列を含むポリペプチドを抗原として用いて周知の免疫学的手法により作製することができる。例えば抗EPCR抗体は、配列番号1で表わされるアミノ酸配列の全部又は一部(好ましくは配列番号1で表わされるアミノ酸配列のうち、連続する4個以上、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは6個以上であって、かつ好ましくは連続する20個以下、より好ましくは18個以下、さらに好ましくは15個以下のアミノ酸)を抗原として用いて作製することができ、抗SCARB1抗体は、配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列の全部又は一部(好ましくは配列番号2又は配列番号3で表わされるアミノ酸配列のうち、連続する4個以上、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは6個以上であって、かつ好ましくは連続する20個以下、より好ましくは18個以下、さらに好ましくは15個以下のアミノ酸)を抗原として用いて作製することができる。
抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれであってもよく、完全な抗体分子だけでなく、そのフラグメント、例えばFab、F(ab')2、ScFv、およびminibody等も包含する。抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体は高安動脈炎の診断マーカーとして使用することができる。
5.抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体の量の測定方法
本発明において、上記のEPCR及びSCARB1タンパク質を抗原として用いた免疫学的測定法としては、該抗原を用いたウエスタンブロット;酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ等のイムノアッセイ;免疫沈降法、免疫比濁法、フローサイトメトリー法、蛍光染色法等が挙げられる。抗原の分子量と一致するバンド若しくはスポット、又はピークを検出することにより行うことができるが、これらに限定されない。
ウェスタンブロット法の場合、抗原の持つ分子量、等電点に基づいてタンパク質を分離することができるため、バンドサイズの位置から容易に抗体の有無を判定することができる。イムノアッセイ法の場合、固体支持体上(例えばスライドガラス)に抗原を有する培養細胞を適切な溶媒で固定し、被験者由来の試料を接触させて、標識した抗ヒト免疫グロブリン抗体の量を測定することにより、本発明の抗体を定量することができる。フローサイトメトリー法では、抗原を過剰発現させた細胞に被験者由来の試料を接触させ、続いて蛍光標識した抗ヒトIgG細胞を反応させることにより、本発明の抗体を定量する。フローサイトメトリー法では細胞を固定せずに用いるため、自己抗原の細胞外ドメインとその高次構造に対する抗体活性を定量することができる。
ただし、抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体の量の測定方法は、上記の手法に制限されるべきではなく、試料中の抗原、抗原量に対応した抗体、もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これにより抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体の量を算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。測定に際し、抗原又は抗体は、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、または発光物質等の標識剤と結合され得る。放射性同位元素としては、例えば、[125I]、[131I]、[3H]、[14C]等が挙げられる。上記酵素としては、例えば、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等が挙げられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレセインイソチオシアネート等が挙げられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン等が挙げられる。さらに、抗体と標識剤との結合にビオチン−(ストレプト)アビジン系を用いることもできる。
抗体量の測定には、反応を増強するために、転写膜や固相上の抗原に特異的に結合した抗体に対する二次抗体を用いることができ、該二次抗体は標識されていることが好ましい。二次抗体としては、ヒト免疫グロブリンを認識するものであれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、およびこれらの結合性断片が含まれるが、これらに限定されない。このような二次抗体は当該技術分野で周知である。
6.高安動脈炎の判定方法
本発明は、被験者から採取された試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を指標とする、高安動脈炎の判定方法を包含する。
高安動脈炎患者は抗EPCR抗体及び抗SCARBI抗体が陽性である割合が高いため、被験者から採取した試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量を測定することにより、高安動脈炎を迅速かつ高精度に判定又はインビトロで診断することができる。
判定には、高安動脈炎の有無の判定、高安動脈炎の発症の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の重症度の判定、被験者における高安動脈炎の予防効果の判定、高安動脈炎に罹患した患者における治療効果の判定、被験者における高安動脈炎の再発の有無の判定、被験者における高安動脈炎の再発の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の再燃の有無の判定、及び被験者における高安動脈炎の再燃の危険性の判定が含まれる。
抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の測定値を比較する場合、比較は統計学的有意差の有無に基づいて行われる。
一つの実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
被験者から採取された試料を内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記測定値が基準値よりも高い場合に、前記被験者は高安動脈炎に罹患していると判定する工程
を含む。
上記基準値としては、既知の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量、例えば複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値又はそれよりも大きい値であることが好ましい。
被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、基準値よりも高い場合に、被験者は高安動脈炎に罹患していると判定することができる。被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者は高安動脈炎に罹患していないと判定することができる。このような判定により、高安動脈炎の有無を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
被験者から採取された試料を内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記測定値が基準値よりも高い場合に、前記被験者は高安動脈炎の発症の危険性が高いと判定する工程
を含む。
上記基準値としては、複数の健常者群の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値であるか、又は、複数の健常者群の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値よりも高く、かつ複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値よりも低い一定の値が挙げられる。
被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、基準値よりも高い場合に、被験者は高安動脈炎の発症の危険性が高いと判定することができる。被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者は高安動脈炎に罹患している危険性が低いと判定することができる。このような判定により、高安動脈炎の発症の危険性を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
被験者から採取された試料を内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
測定値と基準値を比較して、被験者の高安動脈炎の重症度を判定する工程
を含む。
上記基準値としては、ある重症度の複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値が挙げられる。
被験者の測定値が、上記平均値よりも高い場合に、被験者の高安動脈炎が当該重症度に該当する可能性が高いと判定することができる。被験者の測定値が、上記平均値と同じかそれよりも低い場合に、被験者の高安動脈炎が当該重症度に該当する可能性が低いと判定することができる。このような判定により、高安動脈炎の重症度を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎を予防するための措置を受ける前の被験者から採取された試料と、高安動脈炎を予防するための措置を受けた後の前記被験者から採取された試料とを、それぞれ内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記2つの試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記2つの試料の測定値を比較して、被験者における高安動脈炎の予防効果を判定する工程
を含む。
高安動脈炎を予防するための措置を受けた後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、高安動脈炎を予防するための措置を受ける前の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量よりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の予防効果が有ると判定することができる。高安動脈炎を予防するための措置を受けた後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、高安動脈炎を予防するための措置を受ける前の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量と同じかそれよりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の予防効果が無いと判定することができる。高安動脈炎を予防するための措置としては、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の予防効果を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎を治療するための措置を受ける前の被験者から採取された試料と、高安動脈炎を治療するための措置を受けた後の前記被験者から採取された試料とを、それぞれ内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記2つの試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記2つの試料の測定値を比較して、被験者における高安動脈炎の治療効果を判定する工程
を含む。
高安動脈炎を治療するための措置を受けた後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、高安動脈炎を治療するための措置を受ける前の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量よりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の治療効果が有ると判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置を受けた後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が、高安動脈炎を治療するための措置を受ける前の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量と同じかそれよりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の治療効果が無いと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置としては、血管バイパス手術等の外科手術、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の治療効果を判定することができる。
別の実施形態において、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料を、内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記測定値が基準値よりも高い場合に、前記被験者は高安動脈炎を再発していると判定する工程
を含む。
上記基準値としては、既知の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量、例えば複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値又はそれよりも大きい値であることが好ましい。
高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値よりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の再発していると判定することができる。高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の再発していないと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置としては、血管バイパス手術等の外科手術、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の再発の有無を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料を、内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記試料の測定値を基準値と比較して、被験者における高安動脈炎の再発の危険性を判定する工程
を含む。
上記基準値としては、既知の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量、例えば複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値又はそれよりも大きい値、又は上記の高安動脈炎から完治した被験者における、完知時の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された値又はそれよりも大きい値が挙げられる。
高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値よりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の再発の危険性が高いと判定することができる。高安動脈炎から完治した被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の再発の危険性が低いと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置としては、血管バイパス手術等の外科手術、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の再発の危険性を判定することができる。
別の実施形態では、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の被験者から採取された試料を、それぞれ内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記試料の測定値を基準値と比較して、被験者における高安動脈炎の再燃の有無を判定する工程
を含む。
上記基準値としては、複数の健常者群の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値よりも高い一定の値、又は複数の高安動脈炎に罹患している患者における抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量の測定から計算された平均値が挙げられる。
高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量よりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の再燃していると判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の再燃していないと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置としては、血管バイパス手術等の外科手術、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の再燃の有無を判定することができる。
別の実施形態において、本発明の高安動脈炎の判定方法は、
高安動脈炎を治療するための措置を受けている最中の被験者から採取された試料と、高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の前記被験者から採取された試料とを、それぞれ内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
前記2つの試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
前記2つの試料の測定値を比較して、被験者における高安動脈炎の再燃の危険性を判定する工程
を含む。
高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値よりも高い場合に、被験者における高安動脈炎の再燃の危険性が高いと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置を中止した後の被験者から採取された試料中の抗EPCR抗体又は抗SCARBI抗体の量が基準値と同じかそれよりも低い場合に、被験者における高安動脈炎の再燃の危険性が低いと判定することができる。高安動脈炎を治療するための措置としては、血管バイパス手術等の外科手術、プレドニゾロンを初めとする副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬等の薬剤投与、運動療法、食事療法等が挙げられる。このような判定により、高安動脈炎の再燃の危険性を判定することができる。
高安動脈炎における抗EPCR抗体及び抗SCARB1抗体の陽性者は、いくつかの臨床的特徴と相関がある。より具体的には、抗EPCR抗体の陽性者は、脳血管疾患の合併、潰瘍性大腸炎、血管分類におけるII型病変の罹患率の上昇、及び腕頭動脈の罹患率の上昇が見られる。よって、被験者における抗EPCR抗体の量を測定し、測定値が基準値よりも高い場合に、被験者における脳血管疾患の有無、潰瘍性大腸炎の有無、血管分類におけるII型病変の有無、及び腕頭動脈の有無のうちの少なくとも一つを判定することで、これらの他の疾患の合併の可能性を高い確率で評価することができる。また、抗SCARB1抗体の陽性者は、大動脈弁閉鎖不全の罹患率の低下、CRP濃度の上昇、赤沈(赤血球沈降速度, ESR)の増大、血管分類におけるV型病変の罹患率の上昇、腹部大動脈の罹患率の上昇がみられる。よって、抗SCARBI抗体の量を測定し、測定値が基準値よりも高い場合に、被験者における大動脈弁閉鎖不全の有無、CRP濃度、赤沈(赤血球沈降速度)、血管分類におけるV型病変の有無、及び腹部大動脈の有無のうちの少なくとも一つを判定することで、高安動脈炎を判定するのみならず、他の疾患の合併の可能性を高い確率で評価することができる。
7.診断キット
本発明はまた、抗内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)を備えた高安動脈炎の診断キットを包含する。
診断キットには、EPCR又はSCARBIに加えて、抗体量を検出するための反応において必要な他の物質であって、共存状態で保存することにより反応に悪影響を及ぼさない物質、例えば発色試薬、標識された二次抗体、ブロッキング剤の種々の試薬を含むことができる。診断キットは更に、緩衝液、洗浄液、使用説明書等を含むこともできる。
抗原タンパク質であるEPCR又はSCARBIは、適当な固体支持体に固定化された状態で提供されることが好ましい。固体支持体としては、例えば、通常の抗原抗体反応に用いられる不溶性多糖類(例えばアガロース、デキストラン、セルロースなど)、合成樹脂、ガラス、金属などからなる各種担体、例えばマイクロプレート、チューブ、メンブレン、カラム、ビーズ、センサーチップ等が挙げられる。固定化は、物理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いてもよい。
本発明の診断キットを、高安動脈炎の診断又はモニタリング等の臨床検査に応用したり、EPCR又はSCARBIによるシグナル伝達を標的とした創薬研究等に使用したりすることができる。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.被験者
東北大学病院にて受療中の高安動脈炎患者22例で抗血管内皮細胞抗体の測定を行った。
2.フローサイトメトリー
ヒト臍静脈細胞(HUVEC)あるいはヒト大動脈内皮細胞(HAEC)を10cmシャーレで培養し、通常培養あるいはTNFαで刺激した細胞を、Cell Dissociation Solutionを用いてシャーレより剥離した。剥離した細胞をblocking bufferを用いてblocking後、10倍希釈した患者血清と30分反応させ、2回洗浄した。その後にFITC-抗ヒトIgGと30分間反応させた。FITCの蛍光強度をフローサイトメトリーを用いて測定し、それぞれのAECA活性を測定した。9血清での検討を図3に示す。高力価で結合を示したものを◎、中力価で結合を示したものを〇で示す。その中で、図4に示すように、より抗体活性の強い検体(U10-4、G10-43、W10-59)を用いて続くSARFによる対応抗原の同定をおこなった。
3.セルソーティング
U10-4、G10-43、W10-59血清よりProtein Gカラムを用いてIgGを精製した。HUVECのcDNAライブラリーを作成し、レトロウイルスベクターpRetro-Libに挿入した。HUVECのcDNAを挿入したpRetro-LibをPlat E細胞にFugeneを用いてトランスフェクションし、HUVECのcDNAを保有するレトロウイルスを作成した。このレトロウイルスをラット骨髄腫細胞の培養液に混注することでウイルスを感染させ、HUVECのcDNA由来蛋白を発現するラット骨髄腫細胞を作成した(図2)。次にこれらHUVECのcDNAを発現するラット骨髄腫細胞を、1次抗体として患者血清由来IgG、2次抗体としてFITCあるいはPEにて蛍光標識された抗ヒトIgGにて染色を行った。続いて図5−7のドットプロットの四角に示す、抗ヒトIgGに染色された細胞集団のセルソーティングをFACS Aria2を用いて行った。図5−7に示すように複数回同一の工程を繰り返しセルソーティングを行うことで、患者血清由来IgGに結合する細胞集団を濃縮した。
4.限界希釈
セルソーティングによりU10-4、G10-43、W10-59由来のIgGに結合する細胞集団を濃縮後、96 wellプレートに限界希釈法にて細胞を単離した。単離された細胞とソーティング前の細胞を、1次抗体として当該血清IgG、2時抗体としてPE-抗ヒトIgGと反応させ、血清IgGとの結合をFACSを用いて確認した(図8)。
5.PCR
単離したクローンに挿入されているHUVECのcDNA配列をPCRにより増幅し、アガロースゲルにて電気泳動した。検出されたバンドを切り出し、ゲルよりDNAを抽出し、増幅されたDNAのシークエンスを行うことで挿入されている配列を検索した。結果としてG10-43とW10-59由来IgGに結合するクローンにSCARB1のcDNAが挿入されており(図8A,B)、U10-4由来IgGに結合するクローンにEPCRのcDNAが挿入されていた(図8C)。
6.マイクロアレイ
HUVECのcDNAが挿入されていない細胞と単離したクローンよりRNAを抽出し、Gene Chipを用いてマイクロアレイ解析を行った。ベースシグナルがHUVECのcDNAが挿入されていない細胞由来、シグナルが単離されたクローン集団由来のシグナルとなる。単離したクローンに膜蛋白SCARB1及びEPCRのRNAの過剰発現を認めた(図10)。
7.フローサイトメトリー
同定したSCARB1あるいはEPCRのDNA配列をPCRにて増幅し、pMX-GFPベクターに挿入した。Plat E細胞にこれらSCARB1-GFPあるいはEPCR-GFPの挿入されているレトロウイルスベクターをFugeneを用いてトランスフェクションし、SCARB1-GFPあるいはEPCR-GFPの配列が挿入されたレトロウイルスを作成した。次にこれらレトロウイルスを、ラット骨髄腫細胞に感染させ、各々の蛋白を強制発現する細胞を樹立した。各蛋白の強制発現細胞はGFPを発現しており、GFP陰性細胞と混合後、1次抗体として血清由来IgG、2次抗体としてPE-抗ヒトIgG抗体を反応させた。続いてFACSにてGFP陽性群と陰性群でのPEの蛍光強度を比較することにより、抗SCARB1抗体あるいは抗EPCR抗体活性を測定した(図11)。
8.抗体結合実験
同定した抗SCARB1抗体あるいは抗EPCR抗体活性を複数の膠原病患者で比較した。まず、AECAを測定した高安動脈炎患者血清における各抗体の陽性者を図12に示す。〇は各抗体活性を有する血清を示す。続いて、高安動脈炎(TAK)、全身性エリテマトーデス(SLE)、巨細胞性動脈炎(GCA)での各抗体価を測定した(図13、図14)。高安動脈炎における抗SCARB1抗体、抗EPCR抗体の分布を図15に示す。活動性のある46名のTAK血清で抗SCARBI抗体陽性は14名(約26%)、 抗EPCR抗体陽性は17名(約37%)、両方の抗体で陽性が2名(約4%)であり、2つの抗体マーカーで陽性を検出できた割合は29名(約63%)であった(図15)。
続いて、高安動脈炎において抗SCARB1抗体、抗EPCR抗体の陽性者の臨床的特徴の詳細な解析をおこなった(図16−19)。脳血管疾患の存在は頭部MRI検査を用いて診断され、血管分類と罹患血管の存在は、MRI検査あるいは造影CT検査にて診断され、心疾患と大動脈弁閉鎖不全症の存在は心臓超音波検査にて診断され、潰瘍性大腸炎の存在は大腸内視鏡検査にて診断された。抗EPCR抗体の臨床的特徴として、脳血管疾患の合併、潰瘍性大腸炎、血管分布としてII型病変と腕頭動脈の罹患が高頻度で見られた(図16)。抗SCARB1抗体の臨床的特徴として、大動脈弁閉鎖不全が少ないこと、CRP、赤沈(赤血球沈降速度, ESR)といった炎症所見の上昇、V型病変、腹部大動脈の罹患を高頻度で認めた(図17)。3郡間の比較でも同様の傾向を認めた(図18−19)。
9.抗体力価の経過的変化の測定
同一患者において抗EPCR抗体活性を経時的に測定することで、疾患活動性との相関を検討した。左軸に抗EPCR抗体の抗体力価を、右軸に炎症反応CRPを示す。CRP上昇で示された再燃時には抗EPCR抗体の抗体価の上昇を認め、加療後には抗EPCR抗体の抗体価の減少を認めた(図20)。
10.阻害実験
SCARB1、EPCRのリガンドは各々、HDL、APCである。HUVECにおける以下の条件下における接着因子(ICAM1、E-selectin、VCAM1)の発現をフローサイトメトリーを用いて定量した。(1)TNFα刺激なし、(2)TNFα刺激後、(3)APC (図21)あるいはHDL(図22)をHUVECに16時間添加後にTNFαを用いて刺激、(4)抗EPCR抗体 (図21)あるいは抗SCARB1抗体 (図22)存在下で(3)と同様の条件。結果として、APCやHDLの存在下では、TNFαによる各接着分子発現が減弱するが、抗EPCR抗体 (図21)、抗SCARB1抗体 (図22)はそれぞれ、APC、HDLによる接着分子発現低下を阻止し、接着分子の発現を亢進させた。One way ANOVAで検定を行った。

Claims (8)

  1. 被験者から採取された試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を指標とする、高安動脈炎の判定方法。
  2. 被験者から採取された試料を内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又はスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)と接触させる工程、
    前記試料中の抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)の量又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)の量を測定する工程、及び
    前記測定値が基準値よりも高い場合に、前記被験者は高安動脈炎に罹患していると判定する工程
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記判定は、高安動脈炎の有無の判定、高安動脈炎の発症の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の重症度の判定、被験者における高安動脈炎の予防効果の判定、高安動脈炎に罹患した患者における治療効果の判定、被験者における高安動脈炎の再発の有無の判定、被験者における高安動脈炎の再発の危険性の判定、被験者における高安動脈炎の再燃の有無の判定、又は被験者における高安動脈炎の再燃の有無の危険性の判定である請求項1に記載の方法。
  4. 前記試料は血液、血清又は血漿である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記被験者は抗EPCR抗体が陽性であり、かつ脳血管疾患、潰瘍性大腸炎、血管分類におけるII型病変、及び腕頭動脈のうちの少なくとも一つに罹患している、請求項1に記載の方法。
  6. 前記被験者は抗SCARBI抗体が陽性であり、かつ大動脈弁閉鎖不全に罹患していない、CRP濃度が抗SCARBI抗体陰性の被験者のCRP濃度よりも高い、赤沈(赤血球沈降速度)が抗SCARBI抗体陰性のC被験者の赤沈よりも高い、血管分類におけるV型病変の罹患、及び腹部大動脈の罹患のうちの少なくとも一つに該当する、請求項1に記載の方法。
  7. 抗内皮細胞プロテインC受容体抗体(抗EPCR抗体)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1抗体(抗SCARBI抗体)からなる高安動脈炎の診断マーカー。
  8. 抗内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)又は抗スカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SCARBI)を備えた高安動脈炎の診断キット。
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