JP2019168359A - 電界プローブ及び電界測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】高分解能の電界分布を得ることの可能な電界プローブ及び電界測定システムを提供する。【解決手段】電界プローブ4において、第1導線11及び第2導線21は、互いに平行である。第1導体31及び第2導体32は、第1導線11及び第2導線21を含む平面上に設けられ、第1導線11及び第2導線21と平行であり、共に接地される。前記平面上において、第1導体31及び第2導体32の先端同士を結ぶ導体は存在しない。第1導体31及び第2導体32の先端同士を結ぶ長さwの線分35が、第1導線11及び第2導線21と垂直である。第1導体31及び第2導体32の先端から線分35にそれぞれ引いた2つの垂線と線分35との2つの交点36,37と、線分35の中心38と、の距離dが、互いに等しく、かつ0<d<w/2である。第1導線11及び第2導線21の先端から線分35までの距離hは、0≦h≦w/2−dである。【選択図】図14

Description

本発明は、例えばノイズ源の特定に利用可能な電界プローブ及び電界測定システムに関する。
近年における家電機器や工業機器、自動車等の電子・電気化に伴い、人体や機器への影響によるEMC対策(Electro-magnetic Compatibility)が重要とされつつある。このため、製品開発において、ノイズへの対応が不可欠となっている。製品開発において、妨害波を許容値以下に抑えることは非常に困難であり、その大きな理由は、妨害波の発生源を特定できないためである。
一般的に、規格値を超えるノイズを持つ製品への対策においては、当該製品の筐体からノイズの原因と思われる内部モジュールを取り出し、その内部モジュールの部品の極近接部分の電磁界強度分布の測定を行い、ノイズ発生源の特定及び対策を行う。現在の近傍電磁界評価は、単純構造の電界プローブで測定した磁界分布での評価が圧倒的に多い。しかし、ノイズ発生源を特定するためには、高解像度の電界分布の正確な取得も重要なカギとなる。
高分解能の電界分布を取得するには電界プローブを放射源に接近させる必要がある。図17によってこれを説明する。図17は、隣接する2つの電荷の一方が+の電荷、他方が−の電荷に帯電している場合の電気力線を示す。図17より、電荷に近いところほど電気力線の密度が高い。よって電界プローブを電荷に近づけるほど、電気力線の濃淡を詳細にとらえることができる、すなわち高解像度の電界分布を得ることが可能となる。
電界測定用には、対象となるモジュール基板に垂直な成分を取得する電界プローブ(図18)が広く市販されている。この電界プローブは、同軸ケーブルの内部導体81の先端を外部導体82から突出させた構造である。しかし、測定対象となる基板上に発生する電界の電気力線は、基板に垂直な方向だけではなく、基板に平行な方向にも発生する。このため、ノイズ源特定には、ノイズ源から発せられる電界の基板に垂直な成分(以下「基板垂直成分」とも表記)の取得だけでなく、基板に平行な成分(以下「基板平行成分」とも表記)の取得も重要な要素となる。
特許第5772392号公報 特許第6063823号公報
特許文献1は、図19に示すような、同軸ケーブルを切り離した単純構造の電界プローブを開示する。この構造では、内部導体81は、外部導体82から突出しない。図20は、図19に示す電界プローブによってマイクロストリップライン50からの電界分布を取得しようとした場合の断面図である。図20の受信構造は、基板垂直成分のみを受信する構造となり、基板平行成分の受信は不可能となっている。これを解決するために、図20において電界プローブを基板と平行に設置することにより、基板平行成分を得ることも可能である。しかし、この構造を持つ電界プローブでは高分解能の電界分布を得るために近接距離で測定しようとすると、電界プローブと測定対象が接触し、測定自体が不可能となり、高解像度の電界分布が得られないという問題点がある。
特許文献2は、図21に示すような、2本の同軸ケーブル85,86を並べた差動構造を特徴とする電界プローブを開示する。この電界プローブは、先端部が互いに反対方向に90度屈曲した構造であり、当該先端部が基板と平行となるように設置することにより、基板平行成分を得ることが可能である。しかし、特許文献1の電界プローブと同様に、高分解能の電界分布を得るために近接距離で測定しようとすると、電界プローブと測定対象が接触し、高解像度の電界分布が得られないという問題点がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、高分解能の電界分布を得ることの可能な電界プローブ及び電界測定システムを提供することにある。
本発明のある態様は、電界プローブである。この電界プローブは、
互いに平行な2つの導線と、
前記2つの導線を含む平面上に設けられた、前記導線に平行な2つの導体と、を備え、
前記平面上において、
前記2つの導体の先端同士を結ぶ導体が存在せず、
前記2つの導体の先端同士を結ぶ長さwの線分が前記2つの導線と垂直であり、
前記2つの導線の先端から前記線分にそれぞれ引いた2つの垂線と前記線分との2つの交点と、前記線分の中心と、の距離dが、互いに等しく、かつ0<d<w/2であり、
前記2つの導線はそれぞれ、自身の先端から前記線分までの距離hが0≦h≦w/2−dである、又は、前記線分と交わらず、
前記平面上以外の構造が、前記平面について対称である。
前記線分と、前記2つの導線の先端同士を結ぶ直線と、が平行であってもよい。
前記2つの導体が、前記2つの導線に接触せずに前記2つの導線を覆う導体の一部であってもよい。
前記2つの導体の一方は、前記2つの導線の一方を当該導線に接触せずに覆う導体の一部であり、
前記2つの導体の他方は、前記2つの導線の他方を当該導線に接触せずに覆う導体の一部であってもよい。
前記2つの導体が、互いに接触してもよい。
本発明のもう1つの態様は、電界測定システムである。この電界測定システムは、
前記電界プローブと、
前記電界プローブを空間の3軸方向のうちの少なくとも2軸方向に移動可能なプローブ走査機構と、
前記プローブ走査機構を制御する制御器と、
前記電界プローブを通じて所定位置の電界値を測定可能な計測器と、
前記計測器で測定した電界値を測定位置に対応させて出力する演算装置と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、高分解能の電界分布を得ることの可能な電界プローブ及び電界測定システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る電界プローブ1の概略斜視図であって、第1同軸線10の第1導線11が高電位、第2同軸線20の第2導線21が低電位となっている場合における電気力線を併せて示した概略斜視図。 同場合における電気力線を併せて示した図1のb−b´断面図。 同場合における相反しあう電界が打ち消しあって残る電気力線を併せて示した図1のb−b´断面図。 比較例1に係る電界プローブの先端部の概略斜視図。 図5(A)は、電界プローブ1を送信アンテナとした場合における電界プローブ1の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図。図5(B)は、比較例1に係る電界プローブを送信アンテナとした場合における、当該電界プローブの発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図。 比較例1に係る電界プローブの第1導体12及び第2導体22の先端から+Y方向に2mmずれた位置(Y=2mm)での電界強度分布(実線a)、並びに、電界プローブ1の第1導体12及び第2導体22の先端から+Y方向に2mmずれた位置(Y=2mm)での電界強度分布(破線s)、3.8mmずれた位置(Y=3.8mm)での電界強度分布(破線t)、5.6mmずれた位置(Y=5.6mm)での電界強度分布(破線u)を示すグラフ。 第1導体12及び第2導体22の直径を3.6mmとした電界プローブ1、並びに第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした電界プローブ1の、Y=2.0+x mm〜7.0+x mmの範囲における電界強度分布と、第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした比較例1に係る電界プローブのY=2.0mm〜7.0mmの範囲における電界強度分布と、の相関係数を数値解析により求め、オフセット量xに対する関係で示したグラフ。 電界プローブ1によりマイクロストリップライン50上の電界分布を測定する様子を示す模式図。 電界プローブ1を用いた電界測定システムの概略ブロック図。 前記電界測定システムの概略外観図。 図8に示すマイクロストリップライン50に信号発生器より100MHzの正弦波を入力し、図10に示すような電界測定システムを用いて測定を実施した場合の測定結果(破線)と、計算によって得られた解析値(実線)と、を示すグラフ。 図12(A)は、本発明の実施の形態2に係る電界プローブ2の先端部の概略斜視図。図12(B)は、本発明の実施の形態3に係る電界プローブ3の先端部の概略斜視図。 図13(A)は、電界プローブ2を送信アンテナとした場合における電界プローブ2の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図。電界プローブ3を送信アンテナとした場合における電界プローブ3の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図。 本発明の実施の形態4に係る電界プローブ4の概略構成図。 図15(A)は、比較例2に係る電界プローブの概略構成図。図15(B)は、本発明の実施の形態5に係る電界プローブ5の概略構成図。図15(C)は、本発明の実施の形態6に係る電界プローブ6の概略構成図。図15(D)は、本発明の実施の形態7に係る電界プローブ7の概略構成図。 図16(A)〜図16(D)は、図15(A)〜図15(D)の各構成における電界プローブの発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の分布を2次元差分法により計算した結果を示す電界分布図。 隣接する2つの電荷の一方が+の電荷、他方が−の電荷に帯電している場合の電気力線を示す図。 従来例1に係る電界プローブの概略斜視図。 図19(A)は、従来例2に係る電界プローブの概略斜視図。図19(B)は、当該電界プローブを先端側から見た外観図。 従来例2に係る電界プローブによってマイクロストリップライン50からの電界分布を取得しようとした場合の断面図。 従来例3に係る電界プローブの概略斜視図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施の形態1)
図1〜図11を参照し、本発明の実施の形態1について説明する。図1〜図3に示すように、本実施の形態の電界プローブ1は、第1同軸線(第1同軸ケーブル)10と、第2同軸線(第2同軸ケーブル)20と、を備える。第1同軸線10は、第1導線(第1内部導体)11と、第1導体(第1外部導体)12と、第1誘電体13と、を有する。第2同軸線20は、第2導線(第2内部導体)21と、第2導体(第2外部導体)22と、第2誘電体23と、を有する。第1導線11及び第2導線21は、互いに平行であり、差動伝送の平行2線路を成す。第1導体12及び第2導体22は、互いに同径であり、共に接地され、外周面同士が接触する。第1誘電体13は、第1導線11と第1導体12との間を満たす。第2誘電体23は、第2導線21と第2導体22との間を満たす。第1誘電体13及び第2誘電体23は、空気であってもよい。電界プローブ1は、同軸線路を切り離して2つ平行かつ互いに接触させて配置することで得られる。
本実施の形態では、図1〜図3に示すように、直交3軸であるXYZ軸を定義する。第1導線11及び第2導線21の延出方向がY方向、Y方向と垂直で第1導線11及び第2導線21の存在する平面と平行な方向がZ方向、前記平面と垂直な方向がX方向である。図1に示すように、第1導体12及び第2導体22の先端のY方向位置は互いに等しい。以下、第1導体12及び第2導体22の先端の存在平面を「プローブ面」とも表記する。第1導体12及び第2導体22の先端位置のY座標(プローブ面のY座標)をY=0とする。第1導線11及び第2導線21の先端のY方向位置は、互いに等しく、かつ第1導体12及び第2導体22の先端のY方向位置と等しい。図2に示すように、第1導体12及び第2導体22の相互接触位置のZ座標をZ=0とする。
図1及び図2では、第1導線11が高電位、第2導線21が低電位となっている場合における電気力線を併せて示している。図3では、同場合において相反しあう電界が打ち消しあって残る電気力線を併せて示している。図3に示す電気力線から、Z方向と平行な電界強度を得られることが分かる。また、第1導線11及び第2導線21を含む平面について対称な構造であれば、Z方向以外の成分はキャンセルされ、Z方向と平行な電界強度を得ることができる。図1〜図3は、電界プローブ1から送信したときの電気力線を示すが、相反性により、電界プローブ1により、Z方向と平行な電界を受信することができる。電界プローブ1は、第1導線11及び第2導線21で受信した信号の差動信号を出力する。
図4に示す比較例1の電界プローブは、本実施の形態の電界プローブ1と比較して、第1導線11及び第2導線21の先端が、第1導体12及び第2導体22の先端よりも+Y方向側に突出し、第1導線11の先端が−Z方向に屈曲し、第2導線21の先端が+Z方向に屈曲している点で相違し、その他の点で一致する。比較例1の電界プローブは、第1導線11及び第2導線21の先端を屈曲させてダイポールエレメントとしたもの(以下「ダイポールプローブ」とも表記)である。
図5(A)は、電界プローブ1を送信アンテナとした場合における電界プローブ1の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図である。図5(B)は、比較例1に係る電界プローブを送信アンテナとした場合における、当該電界プローブの発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図である。図5(A)の電界強度分布は、第1導体12及び第2導体22の直径を3.6mmとした場合のものである。図5(B)の電界強度分布は、第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとし、第1導線11及び第2導線21を第1導体12及び第2導体22の先端(プローブ面)から+Y方向に0.6mm突出した位置(Y=0.6mm)で90度屈曲させてエレメント径1.2mmのダイポールエレメントとした場合のものである。図5(A)及び図5(B)の等高線図より、本実施の形態の電界プローブ1は、比較例1の電界プローブと比較して、第1導体12及び第2導体22の先端(プローブ面)のY方向位置は同じであるが、電界強度分布は+Y方向にずれていることが確認できる。このずれの詳細を図6により説明する。
図6は、比較例1に係る電界プローブの第1導体12及び第2導体22の先端から+Y方向に2mmずれた位置(Y=2mm)での電界強度分布(実線a)、並びに、電界プローブ1の第1導体12及び第2導体22の先端から+Y方向に2mmずれた位置(Y=2mm)での電界強度分布(破線s)、3.8mmずれた位置(Y=3.8mm)での電界強度分布(破線t)、5.6mmずれた位置(Y=5.6mm)での電界強度分布(破線u)を示すグラフである。図6より、実線aと破線tの傾向が近いことがわかる。
図7は、第1導体12及び第2導体22の直径を3.6mmとした電界プローブ1、並びに第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした電界プローブ1の、Y=2.0+x mm〜7.0+x mmの範囲における電界強度分布と、第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした比較例1に係る電界プローブのY=2.0mm〜7.0mmの範囲における電界強度分布と、の相関係数を数値解析により求め、オフセット量xに対する関係で示したグラフである。図7において、実線は第1導体12及び第2導体22の直径を3.6mmとした電界プローブ1の結果を示し、破線は第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした電界プローブ1の結果を示す。図7より、第1導体12及び第2導体22の直径を3.6mmとした電界プローブ1では、オフセット量xが1.2mm前後の場合に相関係数が最大となる。第1導体12及び第2導体22の直径を1.2mmとした電界プローブ1では、オフセット量xが0.0mmの場合に相関係数が最大となる。比較例1に係る電界プローブではダイポールエレメントの位置の電界を測定することができること、及び相反性が成り立つことより、本実施の形態の電界プローブ1は、第1導体12及び第2導体22の先端(Y=0)からそれらの直径の半分の距離だけ+Y方向にずれた位置(直径3.6mmならY=1.8mm、直径1.2mmならY=0.6mm)の電界を、当該位置にダイポールエレメントがある場合と同様に測定できる。このことと、電界プローブ1が第1導体12及び第2導体22の+Y方向側に構造体を有さないことより、被測定物に接触しない範囲で電界プローブ1を被測定物に接近させることで、被測定物に接触せずに被測定物の直近の電界を測定することができ、より高分解能の電界測定が可能となる。すなわち、本実施の形態の電界プローブ1は、比較例1に係る電界プローブ(ダイポールプローブ)では測定できないような、被測定物に近い位置の電界を、好適に測定することができ、高解像度の電界分布を得ることができる。
図8は、電界プローブ1によりマイクロストリップライン50上の電界分布を測定する様子を示す模式図である。マイクロストリップライン50は、誘電体基板51の表面に1本の信号線52を有し、裏面にグランドパターン53を有する。マイクロストリップライン50は50Ωで設計されており、終端は50Ωで終端されている(終端抵抗55は50Ωである)。
図9は、電界プローブ1を用いた電界測定システムの概略ブロック図である。図10は、前記電界測定システムの概略外観図である。この電界測定システムは、電界プローブ1をXYZ方向に走査可能なプローブ走査装置(プローブ走査機構)62と、電界プローブ1から測定信号を受信して差動信号を出力する差動信号出力回路64と、差動信号出力回路64からの信号により所定位置の電界を測定する計測器63と、プローブ走査装置62及び計測器63を制御する制御機器61と、を備える。差動信号出力回路64は、ハイブリッドジャンクション等の差動信号を出力する回路であってもよいし、計測器63等のソフトウェア演算処理としてもよい。制御機器61は、計測器63で測定した電界値を測定位置に対応させて出力する演算装置としても機能する。供試体70は、例えばノイズの原因と思われる内部モジュール基板である。
図11は、図8に示すマイクロストリップライン50に信号発生器より100MHzの正弦波を入力し(図8に示す入力信号57を100MHzの正弦波とし)、図10に示すような電界測定システムを用いて測定を実施した場合の測定結果(破線)と、計算によって得られた解析値(実線)と、を示すグラフである。電界分布の測定及び解析高さはマイクロストリップライン50の信号線52上より1mmの高さとし、測定は、電界プローブ1のプローブ面を測定高さから第1導体12及び第2導体22の直径の1/2上方へオフセットしたY方向位置で実施した。図11より、解析結果の電界強度分布と電界プローブ1で測定した電界強度分布がほぼ一致していることが確認できる。よって、電界プローブ1は、電界プローブ1の構造体から離れた位置の電界のZ方向成分を測定することができる。すなわち、電界プローブ1は、電界測定位置をより測定対象物に近づけることができ、電界の基板平行成分の分布を高分解能に測定でき、高解像度の電界分布を得ることができる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 第1導線11及び第2導線21の外側に第1導体12及び第2導体22が設けられるため、第1導体12及び第2導体22の先端からそれらの直径の半分の距離だけ+Y方向にずれた位置の電界を、当該位置にダイポールエレメントがある場合と同様に測定できる。よって、被測定物に接触しない範囲で電界プローブ1を被測定物に接近させることで、被測定物に接触せずに被測定物の直近の電界を測定することができ、高分解能の電界分布が得られる。
(2) 第1導線11及び第2導線21のY方向位置が互いに等しく、第1導体12及び第2導体22のY方向位置が互いに等しいため、差動線路の平衡度が良くなり、正確な電界分布を得ることが可能となる。
(3) 第1導線11を第1導体12が覆い、第2導線21を第2導体22が覆うため、第1導体12及び第2導体22がシールドとなり、外来電界の影響を低減することができる。
(4) 第1導体12及び第2導体22が互いに接触するため、第1導体12及び第2導体22が互いに同電位となり、浮遊容量による非対称性を低減することができる。
(5) プローブ走査装置62を制御機器61によって制御することで電界プローブ1を2軸又は3軸方向に移動し、所定位置に制止させることができる。制御が完了すると、計測器63により、電界プローブ1を通じて当該所定位置の電界値を測定する。計測器63で測定された電界値が制御機器61によって測定位置に対応づけられて出力される。これによって電界分布を得ることができる。
(実施の形態2、3)
図12(A)は、本発明の実施の形態2に係る電界プローブ2の先端部の概略斜視図である。図12(B)は、本発明の実施の形態3に係る電界プローブ3の先端部の概略斜視図である。実施の形態2の電界プローブ2は、実施の形態1の電界プローブ1と比較して、第1導線11及び第2導線21の先端が、第1導体12及び第2導体22の先端の存在平面(プローブ面)よりも+Y方向に突出している点で相違し、その他の点で一致する。実施の形態3の電界プローブは、実施の形態1の電界プローブ1と比較して、第1導線11及び第2導線21の先端が、第1導体12及び第2導体22の先端の存在平面(プローブ面)よりも−Y方向に引っ込んでいる点で相違し、その他の点で一致する。
図13(A)は、電界プローブ2を送信アンテナとした場合における電界プローブ2の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図である。電界プローブ3を送信アンテナとした場合における電界プローブ3の発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の強度分布を数値解析により算出した電界強度分布図である。第1導線11及び第2導線21の先端のY方向位置が第1導体12及び第2導体22の先端のY方向位置と一致する電界プローブ1による電界強度分布(図5(A))と比較して、電界プローブ2及び電界プローブ3による電界強度分布(図13(A)及び図13(B))も、同等の結果となった。この結果から、第1導線11及び第2導線21の先端が第1導体12及び第2導体22の先端の存在平面(プローブ面)よりも−Y方向に引っ込んでいる、若しくは第1導線11及び第2導線21の先端が第1導体12及び第2導体22の先端の存在平面(プローブ面)よりも+Y方向に突出していても突出長が第1導体12及び第2導体22の直径の半分以内である場合、被測定物に接触せずに被測定物の直近の電界を測定することができ、より高分解能の電界を測定することができる。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る電界プローブ4の概略構成図である。実施の形態1での説明より、プローブ構造が内導体同士(第1導線11及び第2導線21)を含む平面で対称な構造であれば、Z方向成分以外の成分はキャンセルされるため、その平面上の構造によってプローブの特性が決定される。そのため、本実施の形態以降では、前記平面上の2次元構造として説明する。図14により、直交3軸であるXYZ軸を定義する。第1導線11及び第2導線21の延出方向がY方向、Y方向と垂直で第1導線11及び第2導線21の存在する平面と平行な方向がZ方向、前記平面と垂直な方向がX方向である。電界プローブ4は、第1導線11と、第2導線21と、第1導体31と、第2導体32と、を有する。
第1導線11及び第2導線21は、互いに平行である。第1導体31及び第2導体32は、第1導線11及び第2導線21を含む平面上に設けられ、第1導線11及び第2導線21と平行であり、共に接地される。第1導体31は、第1導線11の−Z方向側に位置する。第2導体32は、第2導線21の+Z方向側に位置する。前記平面上において、第1導体31及び第2導体32の先端同士を結ぶ導体は存在しない。第1導体31及び第2導体32の先端同士を結ぶ長さwの線分35が、第1導線11及び第2導線21と垂直である。第1導線11及び第2導線21の先端同士を結ぶ直線39は、線分35と平行である。第1導体31及び第2導体32の先端から線分35にそれぞれ引いた2つの垂線と線分35との2つの交点36,37と、線分35の中心38と、の距離dが、互いに等しく、かつ0<d<w/2である。第1導線11及び第2導線21の先端から線分35までの距離hは、0≦h≦w/2−dである。あるいは、第1導線11及び第2導線21の先端は、線分35と交わらない(第1導体31及び第2導体32の先端よりも−Y方向側に位置する)。
電界プローブ4は、第1導線11及び第2導線21を含む平面上以外に構造(導体や誘電体)がある場合、当該構造は、前記平面について対称である。第1導体31及び第2導体32は、第1導線11及び第2導線21に接触せずに第1導線11及び第2導線21を覆う共通の導体(例えば円筒状あるいは楕円筒状の導体)の一部であってもよい。第1導体31は、第1導線11に接触せずに第1導線11を覆う導体の一部であってもよい。第2導体32は、第2導線21に接触せずに第2導線21を覆う導体の一部であってもよい。本実施の形態の電界プローブ4によれば、第1導体31及び第2導体32があることにより、第1導体31及び第2導体32の先端からw/2−dだけ+Y方向側にずれた位置の電界を、当該位置にダイポールエレメントがある場合と同様に測定でき、実施の形態1と同様に、高解像度の電界分布を得ることができる。
(実施の形態5〜7)
図15(A)は、比較例2に係る電界プローブの概略構成図である。図15(B)は、本発明の実施の形態5に係る電界プローブ5の概略構成図である。図15(C)は、本発明の実施の形態6に係る電界プローブ6の概略構成図である。図15(D)は、本発明の実施の形態7に係る電界プローブ7の概略構成図である。図15(A)〜図15(D)に示す解析領域は、図16(A)〜図16(D)における電界分布の解析領域を示す。比較例2に係る電界プローブは、実施の形態4に係る電界プローブ4から第1導体31及び第2導体32を無くしたものである。実施の形態5に係る電界プローブ5は、実施の形態4に係る電界プローブ4において、h=0としたものである。実施の形態6に係る電界プローブ6は、実施の形態5に係る電界プローブ5に接地された第3導体33を追加したものである。第3導体33は、第1導線11及び第2導線21の間の中心部に位置し、第1導体31及び第2導体32と平行である。実施の形態7に係る電界プローブ7は、実施の形態6に係る電界プローブ6の第1導線11を図14におけるw/2−d以内の長さだけ+Y方向側に延長したものである。
図16(A)〜図16(D)は、図15(A)〜図15(D)の各構成における電界プローブの発生する電界のY方向と垂直な方向の成分の分布を2次元差分法により計算した結果を示す電界分布図である。図16(A)と、図16(B)〜図16(D)を比較すると、図16(B)〜図16(D)のほうが、電界分布が+Y方向にずれていることが分かる。すなわち、この結果より、切り離した平行2線の差動線路である第1導線11及び第2導線21の外側に第1導体31及び第2導体32を付加することで、電界を+Y方向に押し出すことができる。また、図16(B)と図16(D)では、電界プローブから多少離れると電界分布に大きな差は見られず、第1導線11及び第2導線21の先端位置の差による影響は少ない。このように、各実施の形態の電界プローブは、第1導線11及び第2導線21の外側に第1導体31及び第2導体32を付加することで電界が+Y方向に押し出される原理を利用して、高分解能の電界分布を得ることができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
1〜7 電界プローブ、
10 第1同軸線(第1同軸ケーブル)、11 第1導線(第1内部導体)、12 第1導体(第1外部導体)、13 第1誘電体、
20 第2同軸線(第2同軸ケーブル)、21 第2導線(第2内部導体)、22 第2導体(第2外部導体)、23 第2誘電体、
31 第1導体、32 第2導体、33 第3導体、35 線分、36,37 交点、38 中心、39 直線、
50 マイクロストリップライン、51 誘電体基板、52 信号線、53 グランドパターン、55 終端抵抗、57 入力信号、
61 制御機器、62 プローブ走査装置(プローブ走査機構)、63 計測器、64 差動信号出力回路、70 供試体、
81 内部導体、82 外部導体、85,86 同軸ケーブル

Claims (6)

  1. 互いに平行な2つの導線と、
    前記2つの導線を含む平面上に設けられた、前記導線に平行な2つの導体と、を備え、
    前記平面上において、
    前記2つの導体の先端同士を結ぶ導体が存在せず、
    前記2つの導体の先端同士を結ぶ長さwの線分が前記2つの導線と垂直であり、
    前記2つの導線の先端から前記線分にそれぞれ引いた2つの垂線と前記線分との2つの交点と、前記線分の中心と、の距離dが、互いに等しく、かつ0<d<w/2であり、
    前記2つの導線はそれぞれ、自身の先端から前記線分までの距離hが0≦h≦w/2−dである、又は、前記線分と交わらず、
    前記平面上以外の構造が、前記平面について対称である、電界プローブ。
  2. 前記線分と、前記2つの導線の先端同士を結ぶ直線と、が平行である、請求項1又は2に記載の電界プローブ。
  3. 前記2つの導体が、前記2つの導線に接触せずに前記2つの導線を覆う導体の一部である、請求項1又は2に記載の電界プローブ。
  4. 前記2つの導体の一方は、前記2つの導線の一方を当該導線に接触せずに覆う導体の一部であり、
    前記2つの導体の他方は、前記2つの導線の他方を当該導線に接触せずに覆う導体の一部である、請求項1又は2に記載の電界プローブ。
  5. 前記2つの導体が、互いに接触する、請求項4に記載の電界プローブ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の電界プローブと、
    前記電界プローブを空間の3軸方向のうちの少なくとも2軸方向に移動可能なプローブ走査機構と、
    前記プローブ走査機構を制御する制御器と、
    前記電界プローブを通じて所定位置の電界値を測定可能な計測器と、
    前記計測器で測定した電界値を測定位置に対応させて出力する演算装置と、を備える、電界測定システム。
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