JP2019166743A - 立体物造形方法、インクセット及び立体物造形装置 - Google Patents

立体物造形方法、インクセット及び立体物造形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化層の厚さを調整して淡色を表現する場合には粒状感が抑制され、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合には発色性が良好な立体物造形方法、インクセット及び立体物造形装置を提供する。【解決手段】色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法であって、前記硬化層は、その下地に前記光硬化性カラーインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層であり、前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形方法。【選択図】図1

Description

本発明は、立体物造形方法、インクセット及び立体物造形装置に関する。
三次元の形状データをもとに、光硬化性インク組成物を硬化させることにより得られる薄膜状の硬化層を積み重ねることにより所望の立体造形物を得る三次元造形技術が知られている。光硬化性インク組成物を硬化させる方法としては、インクジェット方式により光硬化性インク組成物の微小液滴をノズルから所定パターンを描画するように吐出する工程と、紫外線等の放射線を照射して、吐出した光硬化性インク組成物を硬化させる工程とを繰り返し、立体造形物を形成する方法が知られている。このような方法において、立体造形物の濃淡を調整する方法が検討されている。
例えば、特許文献1の従来技術に記載されているように、硬化層の厚さを調整することにより、色の濃度を調整する方法が知られている。この方法では、色の薄い処は硬化層の厚さを10μm程度に薄くし、色の濃い処は硬化層の厚さを厚くすることにより、色の濃度を調整する。
特開2016−215576号公報
しかしながら、上記の方法のように硬化層の厚さを薄くすることにより淡色を表現する場合に粒状感が目立ちやすくなる。なお、特許文献1には、三次元造形物を観察した場合に視認される色の濃度を、三次元造形物を構成する複数層に含まれる各層における色の濃度よりも濃くなるように調整する方法が記載されている。ところが、この文献には、上記のような淡色を表現する場合の粒状感を抑制することについて何ら検討されていない。
そこで、本発明は、硬化層の厚さを調整して淡色を表現する場合には粒状感が抑制され、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合には発色性が良好な立体物造形方法、インクセット及び立体物造形装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法において、硬化層を形成するために用いられる光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量を所定範囲内とすることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)
色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法であって、
前記硬化層は、その下地に前記光硬化性カラーインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層であり、
前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形方法。
(2)
色材を含有する光硬化性カラーインク組成物及び色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法であって、
前記硬化層は、その下地に前記光硬化性カラーインク組成物及び前記光硬化性クリアインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層であり、
前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形方法。
(3)
前記硬化層の厚さが、4〜15μmである、(1)又は(2)に記載の立体物造形方法。
(4)
前記光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、10μmの厚さを有する光硬化膜のOD値が、0.30〜1.00である、(1)〜(3)のいずれかの立体物造形方法。
(5)
前記光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、100μmの厚さを有する光硬化膜のOD値が、1.80〜2.30である、(1)〜(4)のいずれかの立体物造形方法。
(6)
前記立体物造形方法が、
前記立体物の造形データを前記硬化層ごとに取得するデータ取得工程と、
前記硬化層ごとに前記光硬化性カラーインク組成物を吐出するためのインク吐出データを、前記取得した前記造形データを用いて吐出データを作成する吐出データ作成工程と、
前記硬化層ごとに前記光硬化性カラーインク組成物を吐出する吐出実行工程と、を備え、
前記吐出データ作成工程では、前記インク吐出データを、ディザ法による前記造形データのハーフトーン処理を経て作成するとともに、重なり合う前記硬化層の各層の前記ハーフトーン処理を行う時に前記光硬化性カラーインク組成物が積層する前記硬化層の各層の同じ位置には、ディザマスクを異なる態様で適用する、(1)〜(5)のいずれかの立体物造形方法。
(7)
立体物造形方法に用いられるインクセットであり、
色材を含有する光硬化性カラーインク組成物と、色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物とを含み、
前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%であるインクセット。
(8)
色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形するために用いられる立体物造形装置であって、
前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形装置。
本実施形態の立体物造形方法の一例を示すフローチャートである。 立体物造形システム1の構成を示す機能ブロック図である。 ホストコンピューター90のCPUが実行するインク吐出データの生成フローチャートである。 立体物とドットDTとの関係を示す説明図である。 立体物のそれぞれの硬化層ごとの造形データFDの概略を示す説明図である。 ディザマスクと造形データFDとの対応関係を説明する説明図である。 重なり合う立体物層の各層について同一の閾値配列を有するディザマスクを用いたハーフトーン処理を概略的に示す説明図である。 重なり合う硬化層の各層について異なる閾値配列を有するディザマスクを用いたハーフトーン処理を概略的に示す説明図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの両方を意味する。
[立体物造形方法]
本実施形態の第1の立体物造形方法は、色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法である。硬化層は、その下地に光硬化性カラーインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層である。光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量は、0.25〜2.1質量%である。
本実施形態の第2の立体物造形方法は、色材を含有する光硬化性カラーインク組成物及び色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法である。硬化層は、その下地に光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層である。光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量は、0.25〜2.1質量%である。
以下、第1の立体物造形方法及び第2の立体物造形方法をまとめて「立体物造形方法」ともいう。
本実施形態の立体物造形方法は、硬化層を形成するために用いられる光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量を0.25質量%以上であることにより、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合に発色性が良好となり、上記色材の含有量を2.1質量%以下であることにより、硬化層の厚さを調整して淡色を表現する場合には粒状感が抑制される。
図1に本実施形態の立体物造形方法のフローチャートを示す。図1に示すように、本実施形態の立体物造形方法は、例えば、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物をインクジェット方式により下地に吐出させ、付着させる付着工程と、この付着工程の後に下地に紫外線を照射することにより、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を硬化させ、硬化層を形成する硬化工程とを含む。図1に示すフローチャートは、1層の硬化層で形成される立体物造形方法のフローチャートであるが、本実施形態の立体物造形方法は、これに限定されず、上記付着工程及び硬化工程を繰り返し行うことにより、複数の硬化層で形成される立体物を造形してもよい。
[付着工程]
付着工程は、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物をインクジェット方式により下地に吐出させ、付着させる。付着工程において、光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を下地に吐出する場合には、後述する硬化層の全体の高さを均一に揃えるために光硬化性カラーインク組成物が付着されなかった部分に光硬化性クリアインク組成物を付着させることが好ましい。
(光硬化性カラーインク組成物)
光硬化性カラーインク組成物は、色材を含有し、必要に応じて、重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤と、界面活性剤と、重合禁止剤と、分散剤とを含有してもよい。
色材としては、染料及び顔料が挙げられる。これらの中でも、色材は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、顔料であることが好ましい。
染料としては、特に限定されず、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料及び塩基性染料が挙げられる。染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッドブルー9、45、249、C.I.アシッドブラック1、2、24、94、C.I.フードブラック1、2、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227、C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202、C.I.ダイレクトブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249、C.I.リアクティブブラック3、4、35が挙げられる。これらの染料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、特に限定されず、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンが挙げられる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート、染色レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、及び昼光蛍光顔料が挙げられる。これらの顔料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
カーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、C.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63が挙げられる。
光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量は、0.25〜2.1質量%である。色材の含有量が0.25質量%以上であることにより、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合に発色性が良好となる。色材の含有量が2.1質量%以下であることにより、硬化層の厚さを調整して淡色を表現する場合には粒状感が抑制される。また、色材の含有量が2.1質量%以下であることにより、硬化に必要な光照射エネルギーの量を低減でき、UV硬化性に優れる。同様の観点から、色材の含有量は、0.30質量%以上であることが好ましく、0.40質量%以上であることがより好ましく、2.0質量%以下であることが好ましく、1.9質量%以下であることがより好ましい。
重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、紫外線等の光の照射時に重合し、固化する光重合性化合物が好ましい。光重合性化合物としては、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー及び3官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの重合性化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる
光硬化性カラーインク組成物中の重合性化合物の含有量は、例えば、80〜97質量%であってもよく、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、85〜95質量%であることが好ましい。
光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。これらの中でも、光重合開始剤は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、アシルホスフィン化合物であることが好ましい。
重合開始剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、チバ・ジャパン社(Ciba Japan K.K.)製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、Speedcure TPO、Speedcure DETX(以上、Lambson社製)及びユベクリルP36(UCB社製)が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
光硬化性カラーインク組成物中の光重合開始剤の含有量は、例えば、1〜20質量%であってもよく、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、5〜15質量%であることが好ましい。
重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、1−o−2,3,5−トリメチルヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノンに代表されるヒドロキノン類;カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコールに代表されるカテコール類;フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、p−メトキシフェノール、クレゾール、ピロガロール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)に代表されるフェノール類;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシルに代表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アルキル骨格を有する化合物、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−アシル骨格を有する化合物に代表されるヒンダードアミン類が挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
光硬化性カラーインク組成物中の重合禁止剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられ、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、シリコーン系界面活性剤であることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、BYK−3500、UV3570、BYK350(ビックケミー・ジャパン社製商品名)が挙げられる。
光硬化性カラーインク組成物中の界面活性剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アビシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ(DISPERBYK 168、180等)、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。これらの分散剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
光硬化性カラーインク組成物中の分散剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、10μmの厚さを有する光硬化膜のOD値は、0.30〜1.00であることが好ましい。上記光硬化膜のOD値が上記範囲内にあることにより、濃色を表現する場合の発色性を一層向上できる傾向にある。同様の観点から、上記光硬化膜のOD値は、0.35以上であることがより好ましく、0.40以上であることが更に好ましく、0.95以下であることがより好ましく、0.93以下であることが更に好ましい。上記光硬化膜のOD値は、例えば、後述する実施例に記載の方法により求められる。
本実施形態の製造方法により得られる立体物は、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合の発色性に優れる。このため、光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、100μmの厚さを有する光硬化膜のOD値は、例えば、1.80〜2.30である。上記光硬化膜のOD値は、1.81以上であることが好ましく、1.82以上であることがより好ましい。
(光硬化性クリアインク組成物)
以下、本実施形態の立体物造形方法に用いられる光硬化性カラーインク組成物について説明する。光硬化性カラーインク組成物は、色材を含有せず、必要に応じて、重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤と、界面活性剤と、重合禁止剤と、分散剤とを含有してもよい。
重合性化合物としては、特に限定されないが、[光硬化性カラーインク組成物]の項で例示した重合性化合物が挙げられる。光硬化性クリアインク組成物中の重合性化合物の含有量は、例えば、80〜97質量%であってもよく、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、85〜95質量%であることが好ましい。
光重合性開始剤としては、特に限定されないが、[光硬化性カラーインク組成物]の項で例示した光重合性開始剤が挙げられる。光硬化性クリアインク組成物中の光重合開始剤の含有量は、例えば、1〜20質量%であってもよく、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、5〜15質量%であることが好ましい。
重合禁止剤としては、特に限定されないが、[光硬化性カラーインク組成物]の項で例示した重合禁止剤が挙げられる。光硬化性クリアインク組成物中の重合禁止剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
界面活性剤としては、特に限定されないが、[光硬化性カラーインク組成物]の項で例示した界面活性剤が挙げられる。光硬化性クリアインク組成物中の界面活性剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、[光硬化性カラーインク組成物]の項で例示した分散剤が挙げられる。光硬化性クリアインク組成物中の分散剤の含有量は、例えば、0.1〜1.0質量%であってもよい。
(インクジェット方式)
インクジェット方式としては、例えば、ピエゾ方式が挙げられる。本実施形態の立体物造形方法は、必ずしもインクジェット方式を用いることに限定されないが、インクジェット方式を用いると、精度の高い立体物を得ることができるため好ましい。
(下地)
本実施形態の1層目の硬化層の下地としては、通常、立体物を造形するために用いられる下地であれば特に限定されない。下地は、層状の形態を有してもよく、例えば、光遮蔽性を有する遮蔽層が挙げられる。なお、本明細書において、2層目以降の硬化層の下地は、その硬化層の一つ下にある硬化層を意味するものとする。
[硬化工程]
硬化工程は、付着工程の後に下地に光照射することにより、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を硬化させ、硬化層を形成する。
光の種類としては、光重合開始剤が分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生できればよく、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられ、好ましくは紫外線である。このような光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)が挙げられる。
(硬化層)
硬化層は、その下地に光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層である。
硬化層の厚さは、淡色を表現する場合の粒状感をより一層抑制する観点から、4〜15μmであることが好ましい。同様の観点から、硬化層の厚さは、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、13μm以下であることが好ましく、12μm以下であることがより好ましい。
本実施形態の立体物造形方法は、立体物の造形データを硬化層ごとに取得するデータ取得工程と、硬化層ごとに光硬化性カラーインク組成物を吐出するためのインク吐出データを、取得した前記造形データを用いて作成する吐出データ作成工程と、硬化層ごとに光硬化性カラーインク組成物を吐出する吐出実行工程と、を備え、吐出データ作成工程では、インク吐出データを、ディザ法による前記造形データのハーフトーン処理を経て作成するとともに、重なり合う硬化層の各層のハーフトーン処理を行う時に光硬化性カラーインク組成物が積層する硬化層の各層の同じ位置には、ディザマスクを異なる態様で適用することが好ましい。この方法を、以下では、ディザマスクずらしの制御方法ともいう。本実施形態の立体物造形方法は、これらの工程を備えることにより、淡色を表現する場合には粒状感が一層抑制され、濃色を表現する場合には発色性が一層良好なものとなる。
(データ取得工程)
データ取得工程は、例えば、ホストコンピューターと立体物造形装置とから構成される立体物造形システムにより、立体物の造形データを硬化層ごとに取得する。
図2は、立体物造形システム1の構成を示す機能ブロック図である。図2に示す立体物造形システム1は、立体物を造形するためのデータを生成するホストコンピューター90と、立体物を造形する立体物造形装置10と、を備える。立体物造形装置10は、上記吐出工程及び硬化工程を行う。ホストコンピューター90は、立体物造形装置10が造形する立体物を構成する1又は複数の硬化層の形状及び色彩を定める造形データFDを生成するデータ生成処理を実行する。
図2に示すホストコンピューター90は、ホストコンピューター90の各部の動作を制御するCPU(図示省略)と、ディスプレイ等の表示部(図示省略)と、キーボードやマウス等の操作部91と、ホストコンピューター90の制御プログラム、立体物造形装置10のドライバープログラム、CAD(computer aided design)ソフト等のアプリケーションプログラムを記憶する情報記憶部(図示省略)と、モデルデータDatを生成するモデルデータ生成部92と、モデルデータDatに基づいて造形データFDを生成するデータ生成処理を実行する造形データ生成部93と、を備える。
ここで、モデルデータDatとは、立体物造形装置10が造形すべき立体物を表すモデルの形状及び色彩を示すデータであり、立体物Objの形状及び色彩を指定するためのデータである。なお、以下において、立体物の色彩には、立体物Objに複数色が付される場合における当該複数色の付され方、すなわち、立体物に付される複数色により表される模様、文字、その他の画像も含むこととする。
モデルデータ生成部92は、ホストコンピューター90のCPUが情報記憶部に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。このモデルデータ生成部92は、例えばCADアプリケーションであり、立体物造形システム100の利用者が操作部91を操作して入力した情報等に基づいて、立体物の形状及び色彩を指定するモデルデータDatを生成する。
なお、本実施形態では、モデルデータDatが、立体物の外部形状と表面の色彩を指定する場合を想定する。換言すれば、モデルデータDatが、立体物を中空の物体であると仮定した場合の当該中空の物体の形状、すなわち、立体物Objの輪郭の形状を指定するデータである場合を想定する。例えば、立体物が球体である場合には、モデルデータDatは当該球体の輪郭である球面の形状を示す。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、モデルデータDatは、少なくとも立体物の外部形状を特定可能な情報を含むものであればよい。例えば、モデルデータDatは、立体物の外部形状や色彩に加えて、立体物の内部の形状や材料等を指定するものであってもよい。モデルデータDatとしては、例えば、AMF(Additive Manufacturing File Format)、または、STL(Standard Triangulated Language)等のデータ形式を例示することができる。
造形データ生成部93は、ホストコンピューター90のCPUが情報記憶部に記憶されている立体物造形装置10のドライバープログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。造形データ生成部93は、データ取得部として機能し、モデルデータ生成部92が生成するモデルデータDatに基づいて、立体物造形装置10が形成する造形体の形状および色彩を定める造形データFDを立体物層ごとに作成する。また、この造形データ生成部93は、吐出データ作成部としても機能し、立体物層ごとのインク吐出データを、取得した造形データFDを用いて作成する。造形データ生成部93は、データ取得部及び吐出データ作成部として機能すべく、着色領域決定部94と、吐出データ生成部95とを備え、立体物造形装置10が形成する立体物の形状及び色彩を定める造形データFDを作成するデータ生成処理を実行する。本実施形態では、造形データFDを作成する造形データ生成部93をホストコンピューター90に設けたが、造形データ生成部93を立体物造形装置10に設けてもよい。
なお、以下では、立体物が、Q層の硬化層を重ねた層状の造形体を積層させることで造形される場合を想定する(Qは、Q≧2を満たす自然数)。また、以下では、立体物造形装置10が造形体を形成する処理を積層処理と称する。すなわち、立体物造形装置10が立体物を造形する造形処理は、Q回の積層処理を含む。
造形データ生成部93は、所定の厚さを有するQ層の立体物の形状及び色彩を定めるQ個の造形データFDを生成するために、まず、モデルデータDatの示す三次元の形状を所定の厚さLz毎にスライスすることで、各硬化層と1対1に対応する断面モデルデータを生成する。ここで、断面モデルデータとは、モデルデータDatの示す三次元の形状をスライスして得られる断面体の形状及び色彩を示すデータである。但し、断面モデルデータは、モデルデータDatの示す三次元の形状をスライスしたときの断面の形状及び色彩を含むデータであればよい。厚さLzは、インクのドットの高さ方向の大きさに対応している。
次に、造形データ生成部93は、断面モデルデータの示す形状および色彩に対応する硬化層を形成するために、立体物造形装置10が形成すべきドットの配置を決定し、決定結果を、造形データFDとして出力する。つまり、造形データFDは、断面モデルデータの示す形状及び色彩を格子状に細分化することで、断面モデルデータの示す形状及び色彩をドットの集合として表した場合に、複数のドットの各々を形成するためのインクの種別を指定するデータである。ドットの大きさを示すデータを含んでいても良い。ここで、ドットとは、1回の吐出によるインクが固化されて形成される立体的なものである。本実施形態では、便宜上、直方体または立方体であり、所定の厚さLzを有し、所定体積を有する直方体又は立方体としている。また、本実施形態において、ドットの体積及びサイズは、インクを吐出するノズルのピッチ、インクの吐出間隔、インクの粘度等により定められる。
着色領域決定部94は、立体物造形装置10が形成すべきドットのうち、着色用インクで形成されるドットが配置される領域を決定する。着色領域決定部94は、造形用インクによるドットの集合の表面に着色用インクを吐出して着色を行なう着色領域を、立体物の表面の法線方向における深さの相違を抑制するように決定する。例えば、着色領域の表面からの深さのバラツキを一定とする。
(吐出データ作成工程)
吐出データ作成工程は、取得した造形データを用いて吐出データを作成する。この工程は、例えば、吐出データ生成部95により行われる。吐出データ生成部95は、例えば、造形データである、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を吐出するための着色用インク吐出データを生成する。
上述のとおり、本実施形態のモデルデータDatは、立体物Objの外部形状(輪郭の形状)を指定する。このため、モデルデータDatの示す形状を有する立体物を忠実に造形した場合、立体物の形状は、厚みを有さない輪郭だけの中空形状となる。しかし、立体物を造形する場合には、立体物の強度等を考慮して、立体物の内部の形状を決定することが好ましい。具体的には、立体物を造形する場合には、立体物の内部の一部又は全部が中実構造であることが好ましい。このため、本実施形態に係る造形データ生成部93は、モデルデータDatの指定する形状が中空形状であるか否かに関わらず、立体物の内部の一部又は全部が中実構造となるような造形データFDを生成する。
なお、立体物の形状によっては、n層目のドットの下側の層であるm層目にドットが存在しない場合がある。このような場合、n層目のドットを形成しようとしても、当該ドットが下側に落下してしまう可能性がある。よって、硬化層を構成するためのドットを本来形成されるべき位置にドットを形成するためには、当該ドットの下側に、当該ドットを支持するための支持部を設ける必要がある。本実施形態では、支持部は、立体物と同様に固化したインクであるドットによって形成される。そこで、本実施形態では、造形データFDが、立体物の他に、立体物を造形する際に必要となる支持部を形成するドットを形成するためのデータを含むこととする。つまり、本実施形態において、硬化層には、立体物のうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、支持部のうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、の双方が含まれる。換言すれば、造形データFDは、立体物Objのうち造形体として形成される部分の形状及び色彩をドットの集合として表したデータと、支持部のうち造形体として形成される部分の形状をドットの集合として表したデータと、を含む。本実施形態の造形データ生成部93は、断面モデルデータ又はモデルデータDatに基づいて、ドットの形成のために支持部を設ける必要があるか否かを判定する。そして、造形データ生成部93は、当該判定の結果が肯定である場合には、立体物の他に支持部が設けられるような造形データFDを生成する。なお、支持部は、立体物の造形後に容易に除去することのできる材料、例えば、水溶性のインクで構成されることが好ましい。この支持部に用いられるドットを形成するためのインクを「サポートインク」と呼ぶ。
(吐出実行工程)
吐出実行工程は、硬化層ごとに光硬化性カラーインク組成物を吐出する工程である。この工程は、上記の吐出工程と同一のものである。
図3は、ホストコンピューター90のCPUが実行するインク吐出データの生成フローチャートである。この処理は、ホストコンピューター90のモデルデータ生成部92によってモデルデータDatが作成された後で、造形データ生成部93に相当するCPUにより実行される。この処理が開始されると、ステップS100で、造形データ生成部93は、モデルデータDatから断面モデルデータを生成する。ステップS100に続くステップS110では、着色領域決定部94は、着色領域を決定する。具体的には、各層を構成するドットDTのうち、どのドットDTを着色用インクで構成するかを決定する。なお、着色領域決定部94は、着色領域だけで無く、後述する透明層、遮蔽層、造形層も決定する。
図4は、立体物とドットDTとの関係を示す説明図である。図4では、説明の便宜上、立体物を第1層から第n層(n=5)までの立方体形状の造形物として示している。造形データ生成部93は、立体物の形状を縦、横、高さが、Ly、Lx、LzのドットDTの集合体の形状として構成する。ここで、Lxは、ドットDTのx方向の大きさであり、ノズルNzのピッチに等しい。Lyは、ドットDTのy方向の大きさであり、インクの吐出間隔に応じた記録ヘッドの移動長さである。Lzは、ドットDTのz方向の大きさである。Lzは、ドットを形成するインクの粘度や量により決まる。各層の断面モデルデータは、例えば、x方向、y方向の二次元に配置されたドットDTの集合として構成され、z方向の各層の硬化層ごとの造形データFDに対応する。
図5は、立体物のそれぞれの硬化層ごとの造形データFDの概略を示す説明図である。第1層〜第5層の各硬化層の造形データFDは、5X5のマトリクス型のデータ構成であり、各ドットのデータ値(階調値)には、そのドットの色彩や性質、具体的には着色領域、と言った性質を規定するデータが含まれている。なお、説明の便宜上、各層における造形データFDの各ドットの階調値を100と仮定した。ステップS110での着色領域などの決定に当たり、着色領域決定部94は、造形データFDに基づいて、着色領域を決定する。造形層は、立体物の主たる形状を形成する層である。造形層の表面には、遮蔽層が形成される。遮蔽層は、造形層の色が見えないように遮蔽するための層であり、ホワイト色である光硬化性カラーインク組成物で形成される。遮蔽層の表面には、着色層が形成される。着色層は、着色領域であり、立体物に色を付ける。着色層は、光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物で形成される。ここで、光硬化性カラーインク組成物の階調が低い場合、光硬化性カラーインク組成物が打たれない領域が生じる場合が有り得る。光硬化性カラーインク組成物も形状を構成するインクであるため、光硬化性カラーインク組成物が打たれない領域は、形状欠損が生じるおそれがある。ホワイト色の光硬化性カラーインク組成物は、その光硬化性カラーインク組成物を打たない領域を埋めて形状欠損の発生を抑制する。ホワイト色の光硬化性カラーインク組成物の代わりに硬化性クリアインク組成物を用いてもよい。透明層は、着色層を保護するための層であり、あってもなくてもよい。
以上説明した着色領域等の決定の後、ホストコンピューター90のCPUは、図3のステップS110に続いて、ステップS160以降の処理を行う。図3のステップS160では、吐出データ生成部95は、各硬化層におけるドットごとのハーフトーン処理をディザ法により実行した後、ステップS170においてインク吐出データを生成(作成)する。
図6は、ディザマスクと造形データFDとの対応関係を説明する説明図である。図示するように、ディザマスクは、4X4のマトリクス構造であるのに対し、造形データFDは、ディザマスクより大きな5X5のマトリクス構造である。なお、以下のハーフトーン処理の説明の都合上、マトリクス構造を上記のようにしたが、実機の立体物造形装置10では、64X64や、512X512、1024X1024と言った多行多列のマトリクス構造のディザマスクを用い、実際の立体物に対応した各硬化層の造形データFDは、これより大きなマトリクス構造である。
ディザマスクが造形データFDより小さなマトリクス構造であることから、4X4のマトリクス構造のディザマスクを用いて、5X5のディザマスクが生成される。つまり、図7に示すように、4X4のマトリクス構造では足りない領域としての第1補足領域MH1と、第2補足領域MH2と、第3補足領域MH3を、4X4のマトリクス構造のディザマスクを用いて作成する。第1補足領域MH1には、4X4のマトリクス構造のディザマスクの1行目の閾値が用いられ、第2補足領域MH2には、4X4のマトリクス構造のディザマスクの1列目の閾値が用いられる。そして、第3補足領域MH3には、4X4のマトリクス構造のディザマスクの1行1列目の閾値が用いられる。こうして、5X5のディザマスクが生成され、この5X5のディザマスクが5X5の造形データFDとの対比を経たハーフトーン処理での二値化に用いられる。このハーフトーン処理により、図6の下段に示すように、5X5のディザマスクの閾値を超える階調値を有するドットは図中黒塗りのドットONとされ、閾値以下の階調値を有するドットは図中白塗りのドットOFFとされる。なお、ドットOFFは、そのドットにおいてインク吐出を行わないと言うことではなく、既述したように光硬化性カラーインク組成物であるマゼンタ、シアン、イエロー等のインクに代わってホワイト色の光硬化性カラーインク組成物を吐出して、立体形状に欠損が生じないようにすることを意味する。
次に、上記のようにして生成した5X5のディザマスクを用いたハーフトーン処理の様子について説明する。図7は、重なり合う立体物層の各層について同一の閾値配列を有するディザマスクを用いたハーフトーン処理を概略的に示す説明図である。図8は、重なり合う硬化層の各層について異なる閾値配列を有するディザマスクを用いたハーフトーン処理を概略的に示す説明図である。図8に示すハーフトーン処理は、本実施形態の立体物造形装置10が採用した特徴的なハーフトーン処理と対比するためのものである。
図7のハーフトーン処理では、第1層〜第5層までの各硬化層の造形データFDに対して、同一の閾値配列を有するディザマスクを用いたことから、図中黒塗りのドットONと図中白塗りのドットOFFの並びは、いずれの硬化層においても同一となる。そして、ドットONとドットOFFの並びがいずれの硬化層においても同一なインク吐出データがステップS170で作成される。これに対し、本実施形態の立体物造形装置10が採用した図8のハーフトーン処理では、図8の最下段に示した第1層目の造形データFDに対して用いる5X5のディザマスクを、第2層目に対して用いる際には、図における右方に1ドット列ずらした。つまり、第1層目の造形データFDに対して用いた5X5のディザマスクのうちの4X4のディザマスクが右方に1ドット列ずれ、このズレで4X4のマトリクス構造では足りない領域としての第1補足領域MH1〜第3補足領域MH3を、4X4のマトリクス構造のディザマスクを用いて作成する。この場合、予め1つの4X4のディザマスクの周囲に同一の4X4のディザマスクを並べた仮想的なディザマスクにおいて、5X5のディザマスクをずらしながら、用いてもよい。こうすることで、重なり合う第1層目と第2層目の硬化層では、異なる閾値配列を有するディザマスクを用いたディザ法によるハーフトーン処理がなされることになる。第2層目と第3層目、第3層目と第4層目、第4層目と第5層目についても同様である。これにより、重なり合う硬化層の各層のハーフトーン処理では、インクが積み重なる立体物層の各層の同じ位置には、ディザマスクの異なる閾値が適用されることになる。よって、図8のハーフトーン処理では、図中黒塗りのドットONと図中白塗りのドットOFFの並びが重なり合う立体層において相違することになる。そして、ドットONとドットOFFの並びが重なり合う硬化層において相違するインク吐出データがステップS170で作成される。こうして作成されたインク吐出データは、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を吐出するための着色用インク吐出データを含む、各種インクを吐出するためのインク吐出データを含んでいる。
以上説明したように、本実施形態のホストコンピューター90は、立体物を構成する硬化層ごとのインク吐出データを作成するに当たり、ディザマスクにおける閾値との大小比較を行えば済むディザ法によるハーフトーン処理を行う。しかも、重なり合う硬化層の各層のハーフトーン処理では、異なる閾値配列を有するディザマスクを用いることで、光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物が積み重なる硬化層の各層の同じ位置に対して異なる閾値を適用する。これらの結果、本実施形態の立体物造形装置10によれば、立体物の表面における各層の同じ位置に有彩色である光硬化性カラーインク組成物のドット形成が連続しないようにして縦スジの抑制を図ることを、容易に達成できる。
本実施形態のホストコンピューター90は、重なり合う硬化層の各層のハーフトーン処理において同一のディザマスクをずらして用いることで、インクが積み重なる硬化層の各層の同じ位置に対して異なる閾値を適用する。よって、本実施形態のホストコンピューター90によれば、閾値が異なる複数のディザマスクを用いる必要がないので、マスク記憶容量の低減を図ることができる。また、同一のディザマスクをずらして用いるに過ぎないので、ホストコンピューター90における演算負荷の高負荷化も回避、もしくは抑制できる。
既述した実施形態では、同一のディザマスクを列方向に1ドット列ずらして用いるようにしたが、重なり合う硬化層において、異なる列数ずつずらしてもよい。例えば、第2層では第1層から1ドット列ずらし、第3層では第2層から2ドット列ずらすようにしたりしてもよい。また、規則性なく定めた列数ずつずらしてもよい。この他、同一のディザマスクを行方向に1ドット行ずつ、或いは異なる行数ずつずらしてもよい。あるいは、同一のディザマスクを90度等の所定角度で回転させたり、行方向や列方向で反転させてもよい。
既述した実施形態では、同一のディザマスクをずらすことで、光硬化性カラーインク組成物が積み重なる孔下層の各層の同じ位置にはディザマスクの異なる閾値を適用したが、閾値配列が相違する異なるディザマスクを各層ごとに用いるようにしてもよい。こうしても、光硬化性カラーインク組成物が積み重なる硬化層の各層の同じ位置には異なる態様でディザマスクが適用されることになる。
[立体物]
立体物は、硬化層を積層することにより得られる立体物である。立体物中の硬化層の積層数は、特に限定されず、例えば、1〜30であり、5〜15であることが好ましい。
立体物は、エンボス形状や立体地図等のいわゆる2.5次元形状を有してもよく、3次元形状を有してもよい。
[インクセット]
本実施形態のインクセットは、立体物造形方法に用いられるインクセットであり、色材を含有する光硬化性カラーインク組成物と、色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物とを含み、光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である。
光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物としては、それぞれ、[立体物造形方法]の項で例示した光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物が挙げられる。
本実施形態の立体物造形装置は、色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形するために用いられる立体物造形装置であって、光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である。
本実施形態の造形装置は、上記三次元造形物の製造方法に用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、例えば、粗造形物を造形するためのステージと、ステージ上に上記の光硬化性カラーインク組成物、又は光硬化性カラーインク組成物及び光硬化性クリアインク組成物を吐出可能な吐出手段と、吐出手段をステージに対して平行な平面上に移動可能な移動手段と、各組成物を硬化させるための放射線源とを少なくとも備えた装置が挙げられる。
下記の実施例及び比較例において使用した光硬化性クリアインク組成物用の材料は、以下の通りである。
(重合性化合物)
フェノキシエチルアクリレート
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
(光重合開始剤)
Irgacure 819(BASF社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
Speedcure TPO(Lambson社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
(増感剤)
Speedcure DETX(Lambson社製商品名、チオキサントン系化合物)
(界面活性剤)
BYK−3500(ビックケミー・ジャパン社製商品名)
(重合禁止剤)
MEHQ(p−メトキシフェノール、東京化成工業社製)
(分散剤)
Solsperse 3600(ルーズリゾール社製商品名)
下記の実施例及び比較例において使用した光硬化性カラーインク組成物用の材料は、以下の通りである。
(重合性化合物)
フェノキシエチルアクリレート
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
(光重合開始剤)
Irgacure 819(BASF社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
Speedcure TPO(Lambson社製商品名、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤)
Speedcure DETX(Lambson社製商品名、チオキサントン系化合物)
(界面活性剤)
BYK−3500(ビックケミー・ジャパン社製商品名)
(重合禁止剤)
MEHQ(p−メトキシフェノール、東京化成工業社製)
(顔料)
Cyan ピグメントブルー15
Magenta ピグメントレッド122
Yellow ピグメントイエロー155
Black カーボンブラック
(分散剤)
Solsperse 3600(ルーズリゾール社製商品名)
[光硬化性クリアインク組成物及び光硬化性カラーインク組成物の調製]
各材料を表1及び表2に示す組成で混合し、各光硬化性クリアインク組成物及び光硬化性カラーインク組成物を得た。
(実施例1〜9及び比較例1〜4)
上記光硬化性クリアインク組成物及び光硬化性カラーインク組成物を表3に示す組み合わせで用いて、直方体形状を有する三次元造形物を製造した。すなわち、光硬化性クリアインク組成物及び光硬化性カラーインク組成物をそれぞれ積層装置(セイコーエプソンにて内製)に充填し、下地(光遮蔽層)の結着させたい部分にピエゾ式インクジェット方式により吐出して、カラードット発生率が100%未満となるように下地に付着させた(付着工程)。この時、後述する硬化層の全体の高さを均一に揃えるために、光硬化性カラーインク組成物が付着されなかった部分に光硬化性クリアインク組成物を付着させた。次に、光硬化性クリアインク組成物及び光硬化性カラーインク組成物が付着した下地に対して、UVランプを照射して硬化させ、10μmの厚さを有する硬化層を形成した(硬化工程)。この付着工程及び硬化工程を繰り返し行い、10層の硬化層を有する三次元造形物を得た。この三次元造形物は、後述の粒状感評価に用いた。なお、2層目以降の付着工程において、下地は、既に形成された硬化層に相当する。また、これらの工程において、10層の硬化層は、上述したディザマスクずらしの制御方法を用いてそれぞれのドット配置が異なるように制御した。
また、光硬化性クリアインク組成物を用いず、光硬化性カラーインク組成物のみを用いたこと以外は上記と同様の方法で三次元造形物を得た。この三次元造形物は、後述の顔料吸光度、OD値及びUV硬化性の評価に用いた。
得られた三次元造形物の各種特性を以下に示すとおり評価した。
[顔料吸光度]
1層の硬化層(厚さ:10μm)を分光光度計にて測定した。顔料にシアン(Cy)を用いたものについては、測定波長を615nmとし、顔料にマゼンタ(M)を用いたものについては、測定波長を561nmとし、顔料にイエロー(Y)を用いたものについては、測定波長を410nmとし、顔料にブラック(K)を用いたものについては、測定波長を500nmとした。
[OD値]
1層の硬化層(厚さ:10μm)及び10層の硬化層(厚さ:100μm)のそれぞれについて、スペクトロリーノ(グレタグマクベス社製品名)を用い、視野角2度、光源D50及びフィルター無の条件にてOD値(反射光学濃度)を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、10層の硬化層において、下記評価がAであることは発色性が良好であることを示す。
(OD値(10μm厚))
A:OD値が1.0未満であった。
B:OD値が1.0以上であった。
(顔料が、Cy、M又はKの場合のOD値(100μm厚))
A:OD値が2.1以上であった。
B:OD値が2.1未満であった。
(顔料が、Yの場合のOD値(100μm厚))
A:OD値が1.7以上であった。
B:OD値が1.7未満であった。
[粒状感]
10層の硬化層の内、カラーインクドット発生率が20%未満の場合である硬化層について目視で観察した。ここで、粒状感評価において用いられた各実施例及び各比較例の効果層のOD値は同一である。
A:粒状感が全く目立たなかった。
B:粒状感が若干目立った。
C:粒状感が目立った。
[UV硬化性]
Duty100%の条件で1層の硬化層を形成した時のUV硬化性を評価した。
A:照射エネルギーが200mJ/cm2未満であった。
B:照射エネルギーが200mJ/cm2以上であった。
実施例及び比較例の結果から明らかなように、硬化層を形成するために用いられる光硬化性カラーインク組成物中の色材の含有量を所定範囲内とすることにより、硬化層の厚さを調整して淡色を表現する場合には粒状感が抑制され、硬化層の積層数を調整して濃色を表現する場合には発色性が良好であり、更にはUV硬化性が良好である結果を得た。
1…立体物造形システム、10…立体物造形装置、90…ホストコンピューター、91…操作部、92…モデルデータ生成部、93…造形データ生成部、94…着色領域決定部、95…吐出データ生成部、DT…ドット、Dat…モデルデータ、FD…造形データ、LQ…液滴、Nz…ノズル、Obj…立体物。

Claims (8)

  1. 色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法であって、
    前記硬化層は、その下地に前記光硬化性カラーインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層であり、
    前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形方法。
  2. 色材を含有する光硬化性カラーインク組成物及び色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形する立体物造形方法であって、
    前記硬化層は、その下地に前記光硬化性カラーインク組成物及び前記光硬化性クリアインク組成物を付着させ、光により硬化させることにより形成される層であり、
    前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形方法。
  3. 前記硬化層の厚さが、4〜15μmである、請求項1又は2に記載の立体物造形方法。
  4. 前記光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、10μmの厚さを有する光硬化膜のOD値が、0.30〜1.00である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体物造形方法。
  5. 前記光硬化性カラーインク組成物を光硬化させることにより得られ、100μmの厚さを有する光硬化膜のOD値が、1.80〜2.30である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の立体物造形方法。
  6. 前記立体物造形方法が、
    前記立体物の造形データを前記硬化層ごとに取得するデータ取得工程と、
    前記硬化層ごとに前記光硬化性カラーインク組成物を吐出するためのインク吐出データを、前記取得した前記造形データを用いて作成する吐出データ作成工程と、
    前記硬化層ごとに前記光硬化性カラーインク組成物を吐出する吐出実行工程と、を備え、
    前記吐出データ作成工程では、前記インク吐出データを、ディザ法による前記造形データのハーフトーン処理を経て作成するとともに、重なり合う前記硬化層の各層の前記ハーフトーン処理を行う時に前記光硬化性カラーインク組成物が積層する前記硬化層の各層の同じ位置には、ディザマスクを異なる態様で適用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の立体物造形方法。
  7. 立体物造形方法に用いられるインクセットであり、
    色材を含有する光硬化性カラーインク組成物と、色材を含有しない光硬化性クリアインク組成物とを含み、
    前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%であるインクセット。
  8. 色材を含有する光硬化性カラーインク組成物の硬化層を積層して立体物を造形するために用いられる立体物造形装置であって、
    前記光硬化性カラーインク組成物中の前記色材の含有量が、0.25〜2.1質量%である立体物造形装置。
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