JP2019166655A - 三次元造形用材料、それを用いる3dプリンタ、および多孔性金属錯体を含む成形体 - Google Patents

三次元造形用材料、それを用いる3dプリンタ、および多孔性金属錯体を含む成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い形状自由度を有する、多孔性金属錯体を含有する成型体を得るための材料、および装置、さらにそれらにより得られる高自由度な三次元成型体を提供する。【解決手段】 金属および有機配位子から構成される多孔性金属錯体と熱可塑性樹脂を少なくとも含有する事を特徴とする三次元造形用材料を、熱溶融させて吐出する機構を有することを特徴とする3Dプリンタを用いて、少なくとも格子、ハニカム、多重管から選択される少なくとも1種の連通孔構造を有する事を特徴とする多孔性金属錯体を含む成型体ないし、三次元網目構造を有することを特徴とする多孔性金属錯体を含む成形体を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔性金属錯体をエネルギーの有効利用に活用するために利用する上で多孔性金属錯体を賦形する技術に関するものである。
地球温暖化防止、エネルギー資源の保全などの環境負荷低減のための技術開発の重要性が、近年、急速に増大している。その中で従来は利用価値がなく捨てていた廃熱を回収及び再利用する技術が注目を集めている。その一つが、吸着式ヒートポンプである。
前記吸着式ヒートポンプは、水、メタノールなどの吸着質がシリカゲル、活性炭などの吸着剤に対して吸脱着する際に生じる潜熱の移動を利用することで、100℃以下の低質な熱エネルギーを利用可能な冷熱に変換する技術である。
エネルギー回収効率の高い吸着式ヒートポンプを実現するには、より低い廃熱温度(例えば、50〜60℃)で脱着し、より高温の冷却水温度(例えば、25℃〜30℃)で吸着する吸着剤が求められる。しかしながら、ゼオライトは再生に100℃以上の温度がかかったり、シリカゲルは吸着量を得るために広い湿度範囲が必要である。
近年、種々の配位形態を取りうる金属イオンと、二座以上の配位座を有する架橋配位子とを組み合わせて自己集合させた多孔質材料、すなわち多孔性金属錯体(MOF)、もしくは多孔性配位高分子(PCP)と呼ばれる新しい多孔質材料が見出された。これら多孔性金属錯体は、活性炭やシリカゲル、ゼオライト等の従来の多孔質材料にはない特徴、すなわち、高比表面積、シャープな細孔分布、および、高い構造設計性という特徴を有しており、注目されている。さらに、近年では、水を低湿度で吸着し、低温で脱着できる多孔性金属錯体(非特許文献1)も開発されている。このような多孔性金属錯体は、結晶・紛体として得られるため、吸着式ヒートポンプのような比較的風速の速い系では、ガス通気の際の圧力損失を考慮すると、利用に適した成形体に成形する必要がある。
多孔性金属錯体を含有する成形体としては、例えば、バインダ等を用いてペレット化したもの(特許文献1、特許文献2、特許文献3)やハニカム基材上に多孔性金属錯体を含む水性スラリーを担持したもの(特許文献3)が開示されている。
しかしながら、ペレットは強度が弱く、ガス通気の際、ペレット同士が接触することにより粉じんが発生し、それらが装置を汚染する点が問題となっている。一方で、連通孔に沿ってガス通気させるハニカム成形体に固着させて利用する場合においては、強度に問題はないが、ハニカム基材上に多孔性金属錯体を含む水性バインダで担持させる製造方法は、多孔性金属錯体のハニカム基材への担持量ばらつきの制御が容易ではない。重力により塗布液が偏ったり、塗布液の分散状態変化によりハニカムの孔に目詰まりが生じやすいという問題点がある。すなわち、エマルジョンの安定性(沈降による濃度斑、塗布時の粘度制御の難しさ)などの理由により工業的に成形体を製造する上で技術課題が多い。一方で、多孔性金属錯体を含有する基材でハニカムを成型する工業的技術はこれまで知られていない。
特表2005−528204 特表2008−518781 特開2015−66512
Hiroyasu Furukawa他 "Water Adsorption in Porous Metal−Organic Frameworks and Related Materials"J.Am.Chem.Soc.2014,136,4369−4381
本発明は、多孔性金属錯体のハニカム基材への担持量ばらつきの制御が容易で、かつハニカム基材への孔の目詰まりが少ない多孔性金属錯体成形体の製造方法の提供を課題として掲げた。
本発明者らは上記の課題を解決するために、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、以下の構成である。
[1]金属および有機配位子から構成される多孔性金属錯体と熱可塑性樹脂を少なくとも含有する事を特徴とする三次元造形用材料。
[2]前記[1]に記載の三次元造形用材料を、熱溶融させて吐出する機構を有することを特徴とする3Dプリンタ。
[3]前記[1]に記載の三次元造形用材料により構成される成型体であって、少なくとも格子、ハニカム、多重管から選択される少なくとも1種の連通孔構造を有する事を特徴とする多孔性金属錯体を含む成型体。
[4]前記[1]に記載の三次元造形用材料により構成される成型体であって、三次元網目構造を有することを特徴とする多孔性金属錯体を含む成形体。
さらに本発明は以下の構成を有する事が好ましい。
[5]前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が35℃以上130℃以下である事を特徴とする[1]に記載の三次元造形用材料。
[6]前記熱可塑性樹脂の200℃における溶融粘度が5Pa・sec以上3000Pa・sec以下である事を特徴とする[1]に記載の三次元造形用材料
[7]200℃における溶融粘度が10Pa・sec以上5000Pa・sec以下である事を特徴とする[1]に記載の三次元造形用材料。
[8]前記熱可塑性樹脂の熱分解温度が280℃以上である事を特徴とする[1]に記載の三次元象形用材料。
[9]樹脂成分が架橋構造を有する事を特徴とする、前記[3]または[4]に記載の成型体。
[10]前記[1]に記載の三次元造形用材料により構成されたことを特徴とする吸着式ヒートポンプの水蒸気吸着材。
[11]前記[10]に記載の水蒸気吸着材を用いた事を特徴とする廃熱回収装置。
本発明は多孔性金属錯体を、熱可塑性樹脂と複合化して、三次元造形用材料とすることにより、溶融押出式の3Dプリンタによって、高い自由度を持った三次元形状を有する成型体を自在に得ることができるようにするものである。
3Dプリンタは近年広く普及しており、試作設計の場のみならず、少量生産用の装置としても応用され始めている。特に3Dプリンタによれば、従来の成形技術、例えば射出成形などでは実現困難な複雑な形状を有する成型体を容易に作成することが可能となる。
多孔性金属錯体の高い吸収脱着性能を最大限に発揮するためには、三次元的な流路となる連通孔を有する成型体とすることが求められる。
従来技術においては、別途三次元形状を持つように成形された支持体に、多孔性金属錯体を含む塗布液を用いてコーティングすることにより、多孔性金属錯体を担持した立体成型体とする事が常であったが、このような手法では、立体成型体の表面における多孔性金属錯体の分布がバラツキ、また、複雑な形状の場合には、そもそも均質な塗布が困難であった。
本発明においては、特に本技術を用いて得られるところの、格子形状、ハニカム形状、多重管形状などの連通孔構造を有する成型体、あるいは三次元網目構造を有する成形体は、被処理流体の速やかな流通と同時に、多孔質金属錯体との実効的な接触面積を最大化することができるため、多孔質金属錯体の持ちうる性能を最大限に発揮することができる。
一般に、このような多孔質材料を熱可塑性樹脂と複合して用いる場合には、熱可塑性樹脂が多孔質材料の表面を覆ってしまうために、多孔質材料の本来の性能が破棄しきれなくなる場合が少なくない。本発明では、熱可塑性樹脂の溶融粘度とガラス転移温度を所定の範囲に収めることにより、多孔性金属錯体の表面を必要以上に被覆しないように保つことが出来る。また樹脂の分解温度を特定温度以上に設定することで、三次元成型時に発生する臭気を最低限に抑えることが出来る。
また同時に、熱可塑性樹脂が、ある程度の耐熱性を有するために、廃熱回収装置などの高温での使用が可能となる。
さらに本発明では、成型後に電子線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより樹脂成分に架橋構造を付与して耐熱性を高めることも可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は三次元造形用材料であり、3Dプリンタにおける所謂3Dプリンタ用インク、あるいはストランド等と呼ばれるものであり、そこから3Dプリンタを用いて得られる成型体であり、その三次元造形用材料は、少なくとも多孔性金属錯体と熱可塑性樹脂から構成されている。三次元造形用材料は3Dプリンタにより成形することが可能なため、成形体における多孔性金属錯体の担持量の制御が容易で、かつ高い形状自由度を得ることができる。形状としては、ハニカム構造等の連通孔構造以外に、3D網目構造も成形可能である。また、3Dプリンタを用いていることから、成形途中で他の材料に切り替え、複数の材料からなる成形体を容易に成形可能である。さらに、ハニカム構造の外周に補強材としての枠を同時にプリント成形することも可能である。
本発明に係る多孔性金属錯体は、金属イオンと、架橋配位子を有する化合物とからなる多孔性材料である。構成する金属イオンとしては、例えば、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム等のイオンが好ましく、より好ましくは、環境面から、チタン、鉄、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウムである。一方、架橋配位子としては、例えば、2−メチルイミダゾール、テレフタル酸、トリメシン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、もしくは、それらにアミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等の官能基がついている化合物等が挙げられる。具体的な多孔性金属錯体としては、例えば、亜鉛イオンと2−メチルイミダゾールから構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite(登録商標、以下同様) Z1200)、アルミニウムイオンとテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite A100)、銅イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite C300)、鉄イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite F300)、銅イオン、4,4’−ビピリジン、および、テトラフルオロボレート([BF)から構成される多孔性金属錯体(東京化成工業社製preELM−11)、チタンイオンとテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(MIL−125(Ti))、チタンイオンと2−アミノテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(MIL−125(Ti)‐NH)、ジルコニウムイオンとテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(UiO−66(Zr))、ジルコニウムイオンと2‐アミノテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(UiO−66(Zr)‐NH)等を用いることができる。
前記多孔性金属錯体の77K窒素吸着法によるBET比表面積は、特に限定しないが、500m2/g以上であることが好ましい。もし、BET比表面積が500m2/g未満であれば、十分な吸着性能が得られない。より好ましくは、1000m2/g以上である。BET比表面積の上限は特に限定しないが、6000m/g以下であることが好ましい。この範囲を超えると、製造が非常に困難になるという不都合が生じるからである。
前記多孔性金属錯体は、金属と有機配位子を、約−10℃〜200℃、120時間以下で反応させることにより製造できる。0℃〜約170℃、48時間以下の反応で製造できることがより好ましく、25℃〜150℃で24時間反応させることで製造できることがさらに好ましい。温度が低く反応時間が短いほど、熱エネルギーを削減できるため、望ましい。
前記多孔性金属錯体を製造するための溶液における金属塩のモル濃度は、0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.01〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では未反応の金属塩が残留し、得られた金属錯体の精製が困難になる。
前記多孔性金属錯体を製造するための溶液における有機配位子のモル濃度は、0.001〜5.0mol/Lが好ましく、0.005〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しない。
前記多孔性金属錯体の製造に用いる溶媒としては、水やメタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合溶媒を使用することができ、環境負荷低減を考慮に入れると、水を用いることが好ましい。
前記多孔性金属錯体の成形体における含有比率は、50〜95重量%が好ましく、より好ましくは、60〜90重量%である。含有比率が50重量%未満では十分な吸着性能を得ることができない。また、含有比率がおよそ95重量%を超えると多孔性金属錯体が脱落やすくなり、十分な強度を得ることができない。
本発明の成形体は前記多孔性金属錯体以外の多孔質材料を含んでいてもよく、前記多孔質材料については特に限定されないが、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、粘土鉱物、アルミノリン酸塩、シリコアルミノリン酸、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機高分子多孔質体等の多孔質材料が好ましい。より好ましくは、安価に入手できる活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナであり、もっとも好ましくは、活性炭、ゼオライトである。
本発明の熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、ASA樹脂、PLA樹脂、ナイロン、ABSライク樹脂、アクリル樹脂、PPライク樹脂、ゴムライク樹脂、ワックス、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンの使用が好ましい。中でも、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、およびPLA樹脂が好ましく、成形温度が低く、かつ塗布厚を薄くしても反りにくい性質を持つポリ塩化ビニル、ポリアミド、PLA樹脂の使用がより好ましい。一方、成型体の使用温度が80℃好ましくは100℃を越える場合にはABS樹脂などの使用が好ましい。さらに成形後に電子線照射、紫外線照射など活性エネルギー線により架橋させることが可能な樹脂の使用が好ましい。また、柔軟性が求められる場合には天然ないし合成のエラストマー樹脂、たとえば天然ゴム、SBR、NBR等を使用する事ができる。
前記熱可塑性樹脂の成形体における多孔性金属錯体に対する構成比率は、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは、10〜40重量%である。含有比率が10重量%未満では成形体としての十分な強度を得ることができない。また、含有比率がおよそ80重量%以上になると多孔性金属錯体と空気との接触が妨げられて十分な吸着機能が発揮できない。
本発明における3Dプリンタは、三次元造形用材料を熱溶融させて押し出す機構を有するプリンタが好ましい。
3Dプリンタの造形方式としては、所望の特性が得られる手法であれば特に制限されないが、例えば造形方式が容易な材料押出堆積法/熱溶解積層法(FDM)や複数素材を混ぜることができ、かつ比較的高精度な造形が可能なマテリアルジェッティングが好ましい。
好ましい成形体の形状としては、有機金属錯体が空気の流れに面するようにすることが好ましい。すなわち、空気の流れに平行する面を多くする形状が適している。具体的には、格子、ハニカム、多重管のいずれかの連通孔構造を持つ形態が好ましい。ただし、空気の流れが十分に遅く、圧力損失が小さい装置の場合にはこの限りではない。
そのほか、好ましい成形体の形状としては、より圧力損失が小さく、かつ空気が拡散しやすい構造の3D網目構造が好ましい。
成形体は、全体がワンピースであってもよいが、複数の部品を組み合わせる形態でもよい。組み合わせる、手段としては圧着・嵌合・ピンによる接合・接着等さまざまな方法が利用できる。もちろん、複数のヘッド無いしフィラメントを用いて、PCPが含まれる部分、含まれない部分を逐次ないし同時に成型することも可能である。
なお、上記多孔性金属錯体は、その細孔内に溶媒分子を有する状態で、上記成形体構成材料と混合し、成形工程に供するのが好ましい。多孔性金属錯体が細孔内に溶媒分子を有していない場合、成形体を構成する熱可塑性樹脂が、当該細孔内に吸着されてしまうおそれがある。この場合、成形後、後述する脱溶媒処理を実施しても多孔性金属錯体細孔内に捕捉された熱可塑性樹脂を除去することは難しく、成形体の吸着性能が劣る結果となる。すなわち、本発明では、多孔性金属錯体の細孔に溶媒分子を吸着させておくことにより、成形工程における熱可塑性樹脂等の細孔への吸着を防止し、成形工程後、後述する脱溶媒処理により細孔内から溶媒分子を除去することにより、成形体の吸着性能を確保している。通常は、多孔性金属錯体を合成する段階で、当該多孔性金属錯体の細孔内に溶媒分子が吸着するが、多孔性金属錯体が細孔内に溶媒分子を有していない場合又は溶媒分子の吸着量が不十分である場合は、後述する実施例に記載の方法により細孔内に有機溶媒を吸着させることができる。尚、ここでいう溶媒分子とは、水や一般的な有機溶媒分子を指す。
本発明の成形体の製造では、成形工程後に、成形体内に含まれる溶媒を除去する脱溶媒処理工程を実施する。上述の様に、前記多孔性金属錯体は、その細孔内に溶媒分子を有する状態で成形されている。したがって、多孔性金属錯体がその細孔内に溶媒分子を有する状態では、十分な吸着性能が得られ難い。よって、吸着性能を発現させるため、成形工程後に脱溶媒処理を実施する。尚、脱溶媒処理の実施時期は成形工程以降であれば特に限定されない。
脱溶媒処理の条件は特に定めないが、温度は80℃〜300℃であることが好ましい。80℃未満では、溶媒の除去が不完全となる虞があり、十分な吸着性能が得られ難い場合がある。一方、300℃を超えると、多孔性金属錯体の構造が壊れてしまい、十分な吸着性能が得られ難い。より好ましくは80℃〜150℃である。また、脱溶媒処理は、減圧下で実施することで一層効率よく溶媒を除去できる。この際、圧力は特に限定されず、多孔性金属錯体の物性や配合量に応じて適宜調整すればよいが、例えば、10Pa〜10−5Paが好ましく、10−1Pa〜10−5Paであるのがより好ましい。脱溶媒処理時間も特に限定されないが、例えば1時間〜100時間とするのが好ましく、より好ましくは3時間〜48時間であり、さらに好ましくは3時間〜24時間である。尚、最も好ましい脱溶媒処理の条件は、真空条件下で100℃〜150℃、3時間〜24時間である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例1>
オルトチタン酸テトライソプロピル3.6ml(12.3mmol)と2−アミノテレフタル酸3.6g(19.9mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド48mlとメタノール12mlに溶解し、150℃で18時間合成した。得られた多孔性金属錯体(MIL−125(Ti)−NH)を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
なお、用いたPLA樹脂の
ガラス転移温度は61℃
200℃における溶融粘度は 25Pa・sec
熱分解温度は 320℃
であった。なおガラス転移温度はDSC法、溶融粘度はキャピラリーレオメータによりL/D=40/1、剪断速度600[/sec]、熱分解温度はTGA法(昇温速度20℃/分、窒素下)にて求めた。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度200℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は110Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行い、さらに電子線照射を行ってハニカム成形体を得た。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例2>
オルトチタン酸テトライソプロピル0.3ml(1mmol)とテレフタル酸0.25g(1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド4.5mlとメタノール0.5mlに溶解し、150℃で15時間合成した。得られた多孔性金属錯体(MIL−125(Ti))を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例1で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度200℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は125Pa・secであった。次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例3>
Basolite F300(BASF社製)を150℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例1で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度180℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は150Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例4>
Basolite A100(BASF社製)を150℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例1で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度180℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は210Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例5>
塩化ジルコニウム1.3g(5.5mmol)と2−アミノテレフタル酸0.95g(5.25mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド60mlに溶解し、120℃で24時間合成した。得られた多孔性金属錯体(UiO−66(Zr)−NH)を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例1で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度180℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は140Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例6>
塩化ジルコニウム0.53g(2.27mmol)とテレフタル酸0.378g(2.28mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、120℃で24時間合成した。得られた多孔性金属錯体(UiO−66(Zr))を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例1で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいPLA樹脂を準備して、二軸押出機を用い、PLA樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度180℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度180℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は90Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例7>
オルトチタン酸テトライソプロピル3.6ml(12.3mmol)と2−アミノテレフタル酸3.6g(19.9mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド48mlとメタノール12mlに溶解し、150℃で18時間合成した。得られた多孔性金属錯体(MIL−125(Ti)−NH)を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいABS樹脂を準備して、二軸押出機を用い、ABS樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
なお、用いたPLA樹脂の
ガラス転移温度は124℃
200℃における溶融粘度は 380Pa・sec
熱分解温度は 315℃
であった。なおガラス転移温度はDSC法、溶融粘度はキャピラリーレオメータによりL/D=40/1、剪断速度600[/sec]、熱分解温度はTGA法(昇温速度20℃/分、窒素下)にて求めた。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度230℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は540Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行い、さらに電子線照射を行ってハニカム成形体を得た。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<実施例8>
Basolite F300(BASF社製)を150℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプルをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に水分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。実施例7で用いた、粉砕して80メッシュの金網で篩過した細かいABS樹脂を準備して、二軸押出機を用い、ABS樹脂を25質量%、多孔性金属錯体サンプルを75質量%となるようにドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出18kg/hの条件で押し出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂ストランドを冷却後、ペレット状にカッティングして多孔性金属錯体含有ペレットを得た。
得られた多孔性金属錯体含有ペレットを溶融紡糸機に供給し、紡糸温度200℃で溶融し、直径5mmの紡糸孔を1孔有する丸断面形状の口金から吐出した。なお、このときの吐出量は糸径(直径)が1.75mmになるように調整した。引き続き50℃の液浴中で冷却固化して引き取り、モノフィラメントを得た。
多孔性金属錯体含有モノフィラメントの200℃における溶融粘度は650Pa・secであった。
次に、熱溶解積層法による3Dプリンタの造形材料として、このモノフィラメントを用いて、ハニカム状フィルター(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)を成形した。100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。脱溶媒処理後の重量、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<比較例1>
オルトチタン酸テトライソプロピル3.6ml(12.3mmol)と2−アミノテレフタル酸3.6g(19.9mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド48mlとメタノール12mlに溶解し、150℃で18時間合成した。得られた多孔性金属錯体(MIL−125(Ti)−NH)を120℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプル10gをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。続いて、多孔性金属錯体サンプルにエチレン‐酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン(住化ケムテックス社製スミカフレックスS−400HQ)2.0g、および、イオン交換水20gを加え、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。
続いて、厚さ15μmのアルミ板により作製したアルミハニカム基材(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)の担持前基材重量を測定した。前記ハニカムを前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(100℃)で4時間乾燥させ、さらに、100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。担持前後のハニカムの重量差、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
<比較例2>
Basolite F300(BASF社製)を150℃で24時間真空乾燥させ、室温まで窒素雰囲気下で冷却したサンプル10gをイオン交換水中に24時間浸漬させた後、ろ過し、細孔内に溶媒分子が吸着された多孔性金属錯体サンプルを得た。続いて、多孔性金属錯体サンプルにエチレン‐酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン(住化ケムテックス社製スミカフレックスS−400HQ)2.0g、および、イオン交換水20gを加え、終夜撹拌し、十分に分散させることにより、水性スラリーを調整した。
続いて、厚さ15μmのアルミ板により作製したアルミハニカム基材(100セル/inch、サイズ縦30mm×横28mm×高さ50mm)の担持前基材重量を測定した。前記ハニカムを前記水性スラリーに浸漬し、水性スラリーがハニカム内部に十分に浸透したことを確認してから、ハニカムを引き上げた。エアーブローでハニカムから余分なスラリーを吹き落とした後、乾燥機内(100℃)で4時間乾燥させ、さらに、100℃、真空条件下、24時間の脱溶媒処理を行ったところ、ハニカム成形体が得られた。担持前後のハニカムの重量差、および、多孔性金属錯体の含有比率より、多孔性金属錯体の担持量を計算した。
本発明の多孔性金属錯体形成体は、吸着式ヒートポンプの水蒸気吸着材として用いられるため、従来は利用価値がなく捨てていた廃熱を回収及び再利用することが期待される。また、3Dプリンタを用いて成形されているため、ハニカム基材上に多孔性金属錯体を含む水性スラリーを担持させるという従来の製造方法に比べて、多孔性金属錯体の加工ロスの削減にも大きく寄与することができる。

Claims (4)

  1. 金属および有機配位子から構成される多孔性金属錯体と熱可塑性樹脂を少なくとも含有する事を特徴とする三次元造形用材料。
  2. 請求項1に記載の三次元造形用材料を、熱溶融させて吐出する機構を有することを特徴とする3Dプリンタ。
  3. 請求項1に記載の三次元造形用材料により構成される成型体であって、少なくとも格子、ハニカム、多重管から選択される少なくとも1種の連通孔構造を有する事を特徴とする多孔性金属錯体を含む成型体。
  4. 請求項1に記載の三次元造形用材料により構成される成型体であって、三次元網目構造を有することを特徴とする多孔性金属錯体を含む成形体。
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