JP2019166453A - 混合ガスの製造方法、混合ガス製造装置および混合ガス供給システム - Google Patents

混合ガスの製造方法、混合ガス製造装置および混合ガス供給システム Download PDF

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正則 板倉
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博之 田中
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Yoshiichi Nakagawa
芳一 中川
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【課題】混合ガスのより単純かつ安価な製造方法、そのための混合ガス製造装置、および、該混合ガス製造装置を用いた混合ガス供給システムを提供すること。【解決手段】ガス選択透過膜10の両面のうちの一方の面10aに,液体A1を接触させた状態で、該液体A1に第1のガスB1を接触させる。それにより、ガス選択透過膜10の他方の面10bから、液体A1が気化した第2のガスA2と第1のガスB1とを含む混合ガスC1を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、第1のガス(例えば、炭酸ガス)と、目的の液体が気化した第2のガス(例えば、水蒸気)とを含んだ混合ガスの製造方法、該製造方法を実施するための混合ガス製造装置、および、該混合ガス製造装置を用いて生体表面に混合ガスを接触させる混合ガス供給システムに関する。
生体の組織中においては、エネルギー代謝の結果、二酸化炭素が産出される。赤血球内のヘモグロビンは二酸化炭素が多い部位(組織)では酸素を放出し、二酸化炭素とする働きがある。二酸化炭素と結合したヘモグロビンは肺まで運ばれて、空気中の酸素と結合し、結合していた二酸化炭素を呼気として生体より排出する。このガス交換が呼吸の仕組みである。二酸化炭素濃度の高いところでは血液のPHが低くなり、ボーア効果と呼ばれる作用により、赤血球はより多くの酸素を放出する。このように、赤血球による細胞への酸素の供給は、二酸化炭素の量により左右される。つまり、二酸化炭素の多い部位は代謝が活発に行われ、大量の酸素を必要としており、結果として血流を増加させる作用を促すことになる。二酸化炭素は、細胞の活動の結果出てくる老廃物のように思われがちだが、前記のように、実は生体のエネルギー代謝活動において、非常に重要な役割を果たしている。
二酸化炭素は、気体(炭酸ガス)の状態で乾燥した皮膚表面に接触しても、容易には経皮吸収されず(よって血管内へは透過し難く)、日本薬局方に示されている効能または効果が期待できない。しかし、炭酸ガスは水に溶けやすいので、表面が水(汗であってもよい)で濡れた皮膚または粘膜であれば、それらに接触するだけで容易に表層下へと浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用(血行促進作用)があることが知られている。そしてこの血行促進作用により、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する。このため、近年、炭酸ガスは医療目的のほか、健康増進といった点からも注目を集めている。
炭酸ガスが溶解した水(温水を含む)は、水の温度や炭酸ガスの溶解度に関わらず、広く「炭酸水」と呼ばれる。日本の温泉法では、25℃以上のお湯1リットルに炭酸ガスが0.25g以上(250ppm以上)溶解した液体は「炭酸泉」と呼ばれ、また、1000ppm以上溶解したものは療養泉の一種として認められている。炭酸ガスが溶解した温水(炭酸温水)に生体を浸漬すること(炭酸温水浴)により、炭酸温水中に含まれた二酸化炭素が皮膚から吸収され、皮膚の血管が開いて血行が良くなる。このような炭酸温水浴療法を実施するための好ましい炭酸水(炭酸泉)製造装置として、ガス選択透過膜(とりわけ中空糸膜)を用いて水に炭酸ガスを溶解させる装置が知られている(例えば、特許文献1)。
一方、炭酸ガスを霧状の水や水蒸気と共に生体表面(皮膚や粘膜)に接触させて、該炭酸ガスを経皮的に吸収させる装置も知られている(特許文献2、3など)。
特許文献2の発明では、袋状のガスミスト圧浴用カバーが足(脚部のふくらはぎから先全体)を覆う。ガスミスト供給手段は、ガス供給手段からの炭酸ガスと、液体供給手段からの水とから、ガスミスト(微細な水滴が分散した炭酸ガス)を生成し、このガスミストが、前記袋状のガスミスト圧浴用カバー内に送り込まれる。これにより、炭酸ガスは、霧状の水と共に生体表面に接触する。また、特許文献3の発明でも、特許文献2の発明と同様に、袋が足を覆い、二酸化炭素ガスボンベから供給される炭酸ガスと、加湿装置から供給される水蒸気とが、袋の内部に送り込まれる。これにより、炭酸ガスは、水蒸気と共に生体表面に接触する。
特許文献2、3の発明では、炭酸ガスのみならず、霧状の水や水蒸気も生体表面に接触するので、該生体表面が湿った状態となりやすく、その水分に炭酸ガスが溶け込む。これにより、炭酸ガスは経皮的に吸収されやすくなり、上記した血行促進作用を得ることができる。
国際公開第2001/078883号 国際公開第2010/104063号 特開2007−181720号公報
しかしながら、特許文献2、3の発明では、炭酸ガスを供給する装置と液体を霧状やガス状にして供給する装置とが別個に必要であり、特許文献2の発明では、さらに混合装置としてガスミストを生成する装置が必要であるため、装置全体が大掛かりである。また、特許文献2、3の発明では、液体供給装置から生体表面に霧状の水や水蒸気が供給されるので、これらの霧状の水や水蒸気を介して該生体表面(とりわけ患部)が細菌やウイルスに感染するというリスクがある。よって、特許文献2、3の発明では、そのような感染を防止するために、滅菌された液体(水)を使用することが必要となり、コストが高くなる。このような問題は、炭酸ガスと霧状の水や水蒸気とを混合して供給する場合のみならず、酸素ガスなどの第1のガスと、液体を気化させた第2のガスとを混合して供給する場合には、同様に生じる問題である。
本発明の課題は、上記の問題を解決し、混合ガスのより単純かつ安価な製造方法、該製造方法を実施するための混合ガス製造装置、および、該混合ガス製造装置を用いた混合ガス供給システムを提供することにある。
本発明は、次の特徴を有するものである。
〔1〕第1のガスと液体が気化した第2のガスとを含む混合ガスの製造方法であって、
ガス選択透過膜の両面のうちの一方の面に前記液体を接触させた状態で、前記第1のガスと前記液体とを接触させ、
前記ガス選択透過膜の他方の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出すことを特徴とする、前記製造方法。
〔2〕前記ガス選択透過膜の一方の面側の空間に前記液体を封入した状態で、前記第1のガスを前記空間に導入し、前記第1のガスと前記液体とを接触させ、
ガス選択透過膜の他方の面側の空間に、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
前記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記ガス選択透過膜が、ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜である、前記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜であり、
前記ガス選択透過膜の前記一方の面としての、前記中空糸膜の外側の面の側に、前記液体および第1のガスを導入し、
前記中空糸膜の内側の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
前記〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜であり、
前記ガス選択透過膜の前記一方の面としての、前記中空糸膜の内側の面の側に、前記液体および第1のガスを導入し、
前記中空糸膜の外側の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
前記〔3〕に記載の製造方法。
〔6〕前記第1のガスが炭酸ガスであり、前記液体が水であり、前記第2のガスを含有した第1のガスが、水蒸気を含有した炭酸ガスである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕第1のガスと液体が気化した第2のガスとを含んだ混合ガスを製造する混合ガス製造装置であって、
当該混合ガス製造装置は、ガス選択透過膜モジュールを有し、
前記ガス選択透過膜モジュールは、
該ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜の一方の面側の空間に、前記液体と第1のガスを供給するための供給口を有し、かつ、
該ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜の他方の面側の空間から、前記混合ガスを取り出すための混合ガス取出口を有する、
前記混合ガス製造装置。
〔8〕前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜である、前記〔7〕に記載の混合ガス製造装置。
〔9〕第1のガスと液体が気化した第2のガスとの混合ガスを生体表面に接触させるための混合ガス供給システムであって、当該混合ガス供給システムは、
前記〔7〕に記載の混合ガス製造装置を有し、かつ、
前記混合ガスを接触させるべき生体表面の対象部位を覆い、該対象部位の周囲に密閉空間を形成するよう構成されたカバー部材を有し、
前記カバー部材は、前記混合ガス製造装置で生成された混合ガスを前記密閉空間内に導入するための混合ガス受入れ口を有している、
前記混合ガス供給システム。
〔10〕前記混合ガス製造装置に含まれるガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜である、前記〔9〕に記載の混合ガス供給システム。
〔11〕前記第1のガスが炭酸ガスであり、前記液体が水であり、前記第1のガスと第2のガスとの混合ガスが、水蒸気を含有した炭酸ガスである、前記〔9〕または〔10〕に記載の混合ガス供給システム。
本発明によれば、次の効果が得られる。
(i)本発明では、液体(例えば、水)が外界から直接的に生体表面に供給されるのではなく、該液体は、第2のガスとなって、細菌やウイルスといった固形物や液体の透過を阻止するガス選択透過膜を透過した後で、生体表面に接触するから、該液体を事前に滅菌する必要がない。例えば、水蒸気を生体表面に供給する場合には、水道水を利用することも可能である。よって、混合ガスの供給に係るコストを低減することができる。
(ii)炭酸ガスは水に溶解して分子レベルに微細化されて経皮吸収される。よって、経皮吸収のためには、特許文献1〜3のように、液状またはミスト状の水の供給が必要となる。これに対して、本発明では、ガス選択透過膜を通過した水蒸気(ガス)を用いて炭酸ガスに水分を加え(加湿炭酸ガスの生成)、炭酸泉浴と同等の効果を得ている。
(iii)本発明によって得られる混合ガス(とりわけ、加湿炭酸ガス)は、加圧状態で製造されており、容器やカバー等を用いて形成した生体表面をとりまく空間に該ガスを放出すれば、大気圧まで断熱膨張してガスの温度は下がり、凝縮しやすいガス(水蒸気)は凝縮して霧状の水が形成される。凝縮水は生体表面を覆う量で、水浴における浸漬状態と同様の状態を生体表面に形成することができる。このため、特許文献1の発明による炭酸水の供給(流通浸漬式)の場合よりも、はるかに少ない炭酸ガスの量で同等の血行促進作用が得られる。
(iv)本発明による混合ガス製造装置およびそれを用いた混合ガス供給システムは、液体供給源の常時接続を必要としないので、小型であり、持ち歩くことができる。よって、本発明による混合ガス供給システムを用い、局所的に混合ガスを適用している患者は、自由に動き回ることが可能である。
図1は、本発明の製造方法の原理を説明するための概略図であって、かつ、本発明の混合ガス製造装置の構成を説明するための概略図でもある。同図は、ガス選択透過膜およびそれを収容するケーシング(ハウジング)の断面図であって、ケーシングの内部の空間がガス選択透過膜によって2つの空間に分けられている状態を示してしる。矢印は、ガスの流れを示している。 図2は、本発明の混合ガス製造装置の内部構造の例を概略的に示す図であって、切断面だけを示した端面図である。図2(a)では、中空糸膜の内部の流路とガスの流れを示すために、個々の中空糸膜を太く誇張して示している。図2(b)では、個々の中空糸膜を線で表している。 図3は、本発明の混合ガス供給システムの一実施例の構成を概略的に示す図である。図では、説明のために、袋状のカバー部材だけを断面で示している。 図4は、本発明の混合ガス供給システムの他の実施例の構成を概略的に示す図である。
先ず、本発明による混合ガスの製造方法を、図を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の製造方法は、第1のガスB1と、液体A1が気化した第2のガスA2とを含む混合ガスC1の製造方法である。図1において、ガス選択透過膜10を厚さ方向に通過する黒い矢印は、第1のガスB1の流れを示唆しており、白い矢印は、第2のガスA2の流れを示唆している。また、図1において、黒い丸mbは、第1のガスB1の分子を示唆しており、白い丸maは、第2のガスA2の分子を示唆している。典型的かつ好ましい例では、第1のガスB1は炭酸ガスであり、液体A1は水であり、液体A1が気化した第2のガスA2は水蒸気であり、本発明によって製造される混合ガスC1は、加湿炭酸ガスである。
当該製造方法では、先ず、第1のステップとして、ガス選択透過膜10の一方の面10aに、液体(例えば、水)A1を接触させた状態を作り出す。次に、第2のステップとして、前記の状態で、該液体A1に第1のガス(例えば、炭酸ガス)B1を接触させる。これにより、液体A1は、第1のガスB1が該液体A1に溶解してなる液体(例えば、炭酸水)Aとなり、少なくともこの液体Aがガス選択透過膜10の一方の面10aに接触する。この接触により、ガス選択透過膜10の他方の面10bからは、液体A1が気化した第2のガス(例えば、水蒸気)A2と、第1のガス(例えば、炭酸ガス)B1との混合ガス(加湿炭酸ガス)C1が放出される。また、ガス選択透過膜10の一方の面10aには、いったん液体A1に溶けた第1のガスB1が再度、ガス化し、気泡となって接触する場合があってもよく、この第1のガスB1の気泡が、ガス選択透過膜10を透過して、前記混合ガスC1に含有されてもよい。また、このときの第1のガスB1の気泡には、液体A1が気化した第2のガスA2が含有されていてもよく、このような混合ガスの気泡が、ガス選択透過膜10を透過して、前記混合ガスC1に含有されてもよい。
ガス選択透過膜10の一方の面10aのうち、一部の領域が液体A1によって覆われていない場合があってもよい。このような場合、第1のガスB1が、液体A1に溶解することなしに直接的に、該一部の領域からガス選択透過膜10を透過して、前記混合ガスC1に含有されてもよい。
本発明の好ましい態様では、図1に示すように、ケーシング20の内部空間がガス選択透過膜10によって分断され、それにより、ガス選択透過膜10の両面(10a、10b)のそれぞれの側に空間(20a、20b)が設けられる。ガス選択透過膜10の両面のうち、少なくとも一方の面10aの側の空間20aは、液体A1を密封することが可能な空間である。該空間20aには、液体A1を外部から入れるための供給口が少なくとも1つ設けられており、該供給口は、開閉可能でありかつ該空間20aの内圧が上昇しても内部の液体やガスが漏洩しないように閉鎖可能な構成を有している。本発明の好ましい態様では、この空間20aに、液体(水)A1を先に封入しておき、次に、第1のガスB1を該空間20aに所定の圧力と所定の流量にて導入する(前記した液体A1を入れるための供給口と、第1のガスB1を導入するための供給口については後述する)。これにより、該液体A1に第1のガスB1が接触し、該液体A1に第1のガスB1が溶解し、上記したように、ガス選択透過膜の他方の面10bの側の空間20bに、液体A1が気化した第2のガスA2を含有した第1のガスB1(即ち、第2のガスと第1のガスとの混合ガスC1)が取り出される。これにより、従来公知のガス選択透過膜モジュールを転用して、簡単に加湿炭酸ガスを得ることができる。
当該製造方法の細部については、本発明による混合ガス製造装置の細部と共に、後述する。
次に、本発明による混合ガス製造装置を、図を参照しながら詳細に説明する。
本発明の混合ガス製造装置は、上記した当該製造方法を実施するための装置(第1のガスと液体が気化した第2のガスとを含んだ混合ガスを製造する装置)である。図1に示すように、当該混合ガス製造装置は、ガス選択透過膜モジュール1を有する。図1の例では、ガス選択透過膜モジュール1は、ケーシング20とその内部に設けられたガス選択透過膜10とを有して構成される。ケーシング20の内部空間は、ガス選択透過膜10によって分断され、それにより、ガス選択透過膜10の両面(10a、10b)のそれぞれの側に空間(20a、20b)が設けられている。また、ガス選択透過膜モジュール1は供給口21を有し、該供給口21は、ガス選択透過膜10の一方の面10aの側の空間20aに、液体A1と第1のガスB1を供給するための入口である。また、ガス選択透過膜モジュール1は、混合ガス取出口22を有し、該混合ガス取出口22は、ガス選択透過膜10の他方の面10bの側の空間20bから、混合ガスC1を取り出すための出口である。図1の例では、供給口21と、混合ガス取出口22は、それぞれケーシング20に設けられている。
当該混合ガス製造装置を使用して、本発明の製造方法が実施される。より具体的には、当該混合ガス製造装置のガス選択透過膜モジュール1のケーシング20内の空間20aに、液体(好ましくは、水)A1が先に導入される。この状態で、第1のガス(好ましくは、炭酸ガス)B1が該空間20aに導入される。これにより、液体A1に第1のガスB1が接触し、該液体A1に第1のガスB1が溶解する(好ましくは、炭酸水となる)。その結果、ガス選択透過膜10の他方の面10bの側の空間20bには、液体A1が気化した第2のガス(好ましくは、水蒸気)A2と、第1のガスB1との混合ガス(好ましくは、加湿炭酸ガス)C1が取り出される。
以下に、本発明による製造方法と混合ガス製造装置の各部および好ましい態様を説明する。
(第1のガス)
第1のガスは、特に限定はされず、例えば、炭酸ガス、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、空気、硫化水素ガス、または、それらのうちの2以上のものが混合されたガスであってもよい。これらのガスの中でも、炭酸ガスは、経皮吸収によって血行促進作用を示す好ましいガスである。
(液体および第2のガス)
本発明において用いられる液体は、特に限定はされず、例えば、水、アルコール、有機溶媒、または、それらのうちの2以上のものが混合された液体であってもよい。第2のガスは、該液体が気化したものであり、液体が水である場合、第2のガスは水蒸気である。これらのなかでも、水は、炭酸ガスの経皮吸収を促進する好ましい液体ある。
(第1のガスと液体(第2のガス)との好ましい組合せ)
背景技術での説明のとおり、第1のガスが炭酸ガスであり、第2のガスが水蒸気であれば、その混合ガスは、経皮吸収によって血行促進作用を示す加湿炭酸ガスとなり、本発明の有用性がより顕著になる。よって、第1のガスと液体との最も好ましい組合せは、炭酸ガスと水である。この場合、本発明で利用可能な水は、ガス選択透過膜を通して水蒸気を提供し得るものであればよく、不純物を含まない精製水、水道水、乳濁水(水性乳濁液、水性エマルジョン)など、HOを含有する水性の液体が利用可能である。本発明では、例えば、水道水であっても、生体表面に炭酸ガスと共に供給される水蒸気は、ガス選択透過膜を透過した無菌のガスとなるので、使用する水のコストを下げることができる。
第1のガスと液体との好ましい他の組合せとしては、酸素ガスと水(混合ガスは、加湿された酸素ガス)、(空気と硫化水素とが混合された低濃度硫化水素ガス)と(水、アルコール、または、有機溶媒など)、(空気と水素とが混合された低濃度水素ガス)と(水、アルコール、または、有機溶媒など)などが挙げられる。
(液体の量、第1のガスの注入圧、注入量)
液体が水であって、第1のガスが炭酸ガスである場合、即ち、加湿炭酸ガスを製造する場合、ガス選択透過膜10の一方の面10aの側の空間に水を入れておき、その空間へさらに炭酸ガスが注入される。
予め入れておく水の量は、ガス選択透過膜10の一方の面10aの側の空間を必ずしも満たす必要はないが、ガス選択透過膜10の一方の面10aの全面にわたって水が接触することが好ましい。ガス選択透過膜10の一方の面10aに、水が接触しない領域があると、その領域から、注入した炭酸ガスが加湿されずに透過する。本発明の混合ガス製造装置として利用可能な実際のガス選択透過膜モジュールでは、予め入れておく水の量は、20〜15000mL程度が好ましい(mLはミリリットルを表す)。
ガス選択透過膜10の一方の面10aの側の空間に炭酸ガスの注入する際の圧力は、特に限定はされないが、ゲージ圧で100〜500Pa程度が好ましく、200〜300Pa程度がより好ましい。また、炭酸ガスの注入時の流量は、特に限定はされないが、1〜10(L/秒)程度が好ましい範囲として挙げられ、2〜4(L/秒)程度がより好ましい範囲として挙げられる(Lはリットルを表す)。これにより、湿度80%以上の加湿炭酸ガス(水蒸気と炭酸ガスとの混合ガス)を得ることができる。
他の液体(例えば、有機溶媒)と他の第1のガスとの組合せの場合も、前記と同様のガス選択透過膜モジュールが利用可能であり、目的とする混合ガスの混合比率に応じて、第1のガスの注入圧力、注入の流量を適宜決定することができる。
(ガス選択透過膜と、ガス選択透過膜モジュール)
本発明では、ガス選択透過膜は、第1のガスと第2のガスが透過可能であるものが選択され得る。第1のガスが炭酸ガスであって、第2のガスが水蒸気である場合、従来より炭酸ガス溶解液(炭酸泉)を製造するために用いられているガス選択透過膜を利用することができる。そのようなガス選択透過膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどからなる非多孔質層を有する膜が挙げられる。
ガス選択透過膜の態様は、シート状であってもよいが、中空糸膜が好ましい。中空糸膜のなかでも、多層複合中空糸膜は、ガス透過膜層を破損から保護できるので好ましく、とりわけ、上記特許文献1に記載された三層複合中空糸膜は、管状の非多孔質層の外側と内側にそれぞれ管状の多孔質層が付与されており、特に好ましい。
(ガス選択透過膜モジュール)
当該製造方法および当該混合ガス製造装置では、ガス選択透過膜を利用するための好ましい態様として、ガス選択透過膜モジュールが用いられる。該ガス透過膜モジュールの構造は、特に限定はされず、巻かれたシート状のガス選択透過膜や、多数の中空糸膜などによって、ケーシング内の空間が入力側と出力側の2つに分けられた構造を有するものが好ましく利用し得る。ガス選択透過性の中空糸膜を有する中空糸膜モジュールは、モジュール全体としては小さい体積でありながら、広い液体接触面積(混合ガスの生成に寄与する面積)を有する点で好ましい膜モジュールである。
(中空糸膜モジュールの態様)
図2は、炭酸水を製造するための従来公知のガス選択透過性の中空糸膜モジュールを、本発明の混合ガス製造装置に転用した場合の構成例を示す断面図(端面図)である。図2(a)の例では、ケーシング50の内部に多数の中空糸膜30が直線状の状態で配置され、各中空糸膜の両端部においてポッティング材(41、42)によって束ねられ固定されている。多数の中空糸膜の端部をポッティング材で束ねて固定する技術は、従来公知の技術を参照することができる。図2(a)では、中空糸膜が管状であることを示すために、個々の中空糸膜を太く拡大して示しており、そのため、図示した中空糸膜の数は3本となっているが、実際には、多数の中空糸膜がケーシング内に収容されている。
図2(a)の例では、炭酸水を製造するための既存の中空糸膜モジュールを利用しているので、ケーシング50には、各中空糸膜30の外側の空間に流体を入れるための外側入口ポート51と、該流体を外部に排出するための外側出口ポート52が設けられ、かつ、各中空糸膜30の内側の流路に流体を入れるための内側入口ポート53と、該流体を外部に排出するための内側出口ポート54が設けられている。このような構成によって、従来の炭酸水の製造用途では、中空糸膜の内側の空間に水を流しながら、中空糸膜の外側の空間に炭酸ガスを供給する使い方や、中空糸膜の外側の空間に水を流しながら、中空糸膜の内側の空間に炭酸ガスを供給する使い方などが可能である。
(供給口)
前記のような従来の中空糸膜モジュールを本発明のために用いる場合、図2(a)に示すように、外側入口ポート51および外側出口ポート52のうちの一方のポート(図では外側入口ポート51)を、液体と第1のガスを供給するための共通の供給口として用い、他方のポートを内圧の上昇に耐えられるように閉鎖してもよい。図2(a)の例では、外側出口ポート52が、閉鎖用部材52pによって閉鎖されている。該閉鎖用部材52pの態様は、特に限定はされないが、例えば、外側出口ポート52を塞ぐように該ポートに接着または接合された栓体、外側出口ポート52を覆って該ポートを気密および液密に塞ぐネジ付きキャップ、開閉可能なバルブ、外側出口ポート52を閉鎖した状態で該ポート52に取り付けられた継手(相手の継手が接続されると閉鎖された流路が開くように構成されている)などであってもよい。
外側入口ポート51および外側出口ポート52のうちの一方のポートを、液体を注入するための供給口として用い、他方のポートを第1のガスを供給するための供給口として用いてもよい。
また、一方のポートから液体を注入する際に、他方のポートをケーシング内に存在する空気を抜くための排出口として利用してもよい。
また、外側入口ポート51と外側出口ポート52の両方を供給口として用いてもよい。
外側入口ポート51と外側出口ポート52の位置は、液体と第1のガスの供給や外部管路の接続が好ましく実施し得る位置であってよい。
各ポートには管継手や種々のバルブが設けられてもよい。
(混合ガス取出口)
図2(a)の例では、内側入口ポート53および内側出口ポート54のうちの一方のポート(図では内側出口ポート54)が、混合ガスC1を取り出すための混合ガス取出口として用いられ、他方のポート(図では内側入口ポート53)が内圧の上昇に耐えられるように、閉鎖用部材53pによって閉鎖されている。
閉鎖用部材53pの態様は、閉鎖用部材52pの態様のいずれかを参照することができる。内側入口ポート53と内側出口ポート54の両方を混合ガス取出口として用いてもよい。
図2(a)の例では、中空糸膜30の外側の面(ガス選択透過膜の両面のうちの一方の面)の側の空間に、液体A1と第1のガスB1を導入し、該中空糸膜30の内側の面から、混合ガスC1を取り出している。この態様とは逆に、中空糸膜30の内側の面(ガス選択透過膜の両面のうちの他方の面)の側の空間、即ち、中空糸膜の内部流路に液体A1と第1のガスB1を導入し、該中空糸膜30の外側の面から、混合ガスC1を取り出してもよい。予め封入しておく液体の量がより多く、水を補給する頻度が低くなるという点からは、図2(a)に示すように、中空糸膜30の外側の空間に液体A1と第1のガスB1を導入する態様が好ましい。
(中空糸膜モジュールの他の態様)
図2(b)の例では、多数の中空糸膜が束ねられかつU字状に折り曲げられ、各中空糸膜の両端部が1か所においてポッティング材によって1つの束として固定されている。図2(b)では、個々の中空糸膜を線で示しているが、図2(a)と同様に、各中空糸膜は管状であって、壁部を通してガスが透過する。図2(b)では、中空糸膜の配置を分かり易く示すために、中空糸膜の数は3であるが、実際には、多数の中空糸膜が束ねられて収容される。図2(b)では、各中空糸膜は、いずれも1つの平面内でU字状に曲がっているように描かれているが、実際には、多数の中空糸膜が立体的に束ねられており、各中空糸膜は、互いに異なる平面内でU字状に曲がっている。
図2(b)の例では、各中空糸膜60のU字状の湾曲部分は、ケーシング80の主空間内に位置し、各中空糸膜60のそれぞれの両端部(61、62)は、ポッティング材70を貫通し、該ポッティング材70によって中空糸膜束の状態で固定されている。そして、各中空糸膜の内部流路は、ケーシング内において、該ポッティング材70の両側のうち、混合ガス取出口83の側に開口している。このようなU字状の中空糸膜の束を持った中空糸膜モジュールもまた公知であって、本発明に利用可能である。
図2(b)の例では、ケーシング80には、各中空糸膜60の外側の空間に流体を入れるための外側入口ポート81と、該流体を外部に排出するための外側出口ポート82が設けられ、かつ、各中空糸膜60の内側の流路に流体を入れるための(または、流路から流体を取り出すための)混合ガス取出口83が設けられている。このような中空糸膜モジュールを本発明のために用いる場合、図2(b)に示すように、外側入口ポート81および外側出口ポート82のうちの一方のポート(図では外側入口ポート81)を、液体A1と第1のガスB1を供給するための共通の供給口として用い、他方のポートを内圧の上昇に耐えられるように閉鎖してもよい。図2(b)の例では、図2(a)の例と同様に、外側出口ポート82が、閉鎖用部材82pによって閉鎖されている。該閉鎖用部材82pの態様は、閉鎖用部材52pの態様のいずれかを参照することができる。
図2(a)の例と同様に、外側入口ポート81、外側出口ポート82のうちの一方のポートを、液体A1を注入するための供給口として用い、他方のポートを第1のガスB1を供給するための供給口として用いてもよい。また、中空糸膜60の外側の空間に、液体A1と第1のガスB1を導入し、該中空糸膜60の内側の面から、混合ガスC1を取り出してもよいし、それとは逆に、中空糸膜60の内側の空間、即ち、中空糸膜の内部流路に液体A1と第1のガスB1を導入し、該中空糸膜60の外側の面から、混合ガスC1を取り出してもよい。予め封入しておく液体の量がより多く、水を補給する頻度が低くなるという点からは、図2(b)に示すように、中空糸膜60の外側の空間に液体A1と第1のガスB1を導入する態様が好ましい。
図2(a)の例では、中空糸膜の太さ、長さ、本数は、特に限定されないが、供給する混合ガスの量をより多くしながらも混合ガス製造装置をポータブルにする点からは、太さ10〜10000μm程度、長さ10〜1000mm程度、本数100〜10万本程度が好ましい。図2(b)の例では、中空糸膜がU字状に折り曲げられているので、図2(a)の例に比べて、中空糸膜の太さは同程度、中空糸膜の本数は半分程度、中空糸膜の長さは2倍程度であってよい。
(中空糸膜モジュールの他の態様)
本発明で用いられるガス選択透過膜モジュールは、従来品の転用ではなく、本発明に適合した1以上の供給口と1つの混合ガス取出口とを持ったケーシングを有するものであってよい。例えば、ケーシング内に液体を注入し易く、かつ、注入後は安全に閉鎖し得る供給口を付与すれば、液体の注入作業を効率的に行うことができるので好ましい。また、従来品に無駄に存在するポートを無くせば、そのようなポートを閉鎖する加工が省略され、かつ、より美しい外観を持った、本発明専用の装置となり得るので好ましい。
(第1のガスを供給するガス供給源)
本発明の混合ガス製造装置は、上記したガス選択透過膜モジュールを少なくとも有するものであるが、使用時において該ガス選択透過膜モジュールに第1のガスを供給するためのガス供給源(ガスボンベなど)を有していてもよい。また、該ガス供給源は、本発明の混合ガス製造装置に含まれず、当該混合ガス製造装置を使用する場所を提供する設備側に属するものであってもよい。
(付帯装置)
本発明の混合ガス製造装置には、中空糸膜モジュールから流出する混合ガスを、対象部位に好ましく供給するためのデフューザーが設けられていてもよい。該デフューザーは、カバー部材内に噴出される混合ガスの流れが、強い勢いで直接的に患部に当たらないようにするために流路の出口に設けられる要素である。該デフューザーの構成は、特に限定はされないが、例えば、図3において、混合ガスをカバー部材に導入する管路P2の先端の口径を円錐台状に拡大し、かつその先端の開口を板状部材で閉鎖し、該板状部材に小さい貫通孔を多数設け、混合ガスをシャワーのように噴出させる多孔板の態様や、前記の拡大した開口端部の中央部に衝突板を設け、混合ガスが該衝突板に当たって減速するようにした態様、単純に管路P2の先端の口径を拡大して減速させるだけの態様などが挙げられる。デフューザーを用いることで、混合ガスが高速や高圧で皮膚表面に当たることによって生じる疼痛や皮膚表面の損傷が緩和される。
また、本発明の混合ガス製造装置には、霧状の液体を含んだガスや、該液体の蒸気を供給する加湿装置(図示せず)がさらに追加されてもよい。例えば、上記したガス選択透過膜モジュールから得られた加湿炭酸ガスが、加湿不足である場合には、混合ガス取出口から後の管路に合流点を設け、加湿装置からの霧状の水を含んだ空気や、高湿度の空気等を、連続的または間欠的に混合ガスに供給してもよい。また、ガス選択透過膜モジュールが、図2(a)に示すような中空糸膜モジュールである場合には、内側入口ポート53から、霧状の水を含んだ空気や、高湿度の空気等を注入すれば、混合ガス取出口である内側出口ポート54からは、より十分に加湿された炭酸ガスを得ることができる。
(混合ガス供給システム)
本発明による混合ガス供給システムは、加湿炭酸ガスなどの上記した混合ガスを、生体表面に接触させるための常温、常圧下で操作されるシステムである。当該混合ガス供給システムは、図3に例示するように、本発明の混合ガス製造装置100と、生体表面300の対象部位310を覆うカバー部材200とを有して構成される。図3、図4の例では、混合ガス製造装置100は、図2(a)に示した中空糸膜モジュールである。また、第1のガスB1は炭酸ガスであり、第2のガスは水蒸気であり、混合ガスC1は加湿炭酸ガスである。このため、混合ガス製造装置100を構成する中空糸膜モジュールのケーシング内には、使用時において水が封入される。図3、図4の例では、図2(a)の例と同様に、ケーシング内の中空糸膜の外側の空間に水が封入される。ガス供給源であるガスボンベ110は、当該システムに含まれていてもよいし、当該システムの使用時に用いられる外部のガス供給源であってもよい。ガスボンベ110と中空糸膜モジュールの外側入口ポート101は、管路P1によって接続されている。
(混合ガス供給システムの第1の態様例)
図3の例では、生体表面300の対象部位310は、脚部の先端側の部分(ふくらはぎよりも先の部分)の表面である。カバー部材200は、混合ガス製造装置100からの混合ガスを接触させるべき対象部位を覆い、該対象部位の周囲に密閉空間230を形成するよう構成されている。図3の例では、カバー部材200は、脚部の先端側の部分を覆う袋状であって、該袋の入口210を締め付けて、内部を密封し得るようになっている。また、該カバー部材200は、混合ガス製造装置100で生成された混合ガス(加湿炭酸ガス)C1を、該カバー部材内の密閉空間内に導入するための混合ガス受入れ口220を有している。中空糸膜モジュールの内側出口ポート102と、混合ガス受入れ口220は、管路P2によって接続されている。カバー部材200には、最初に混合ガスを供給する際に、内部の空気を排出するための排出口が設けられてもよい。図3では、カバー部材の内部の密閉空間230内に注入された混合ガスC1を説明するために、炭酸ガス(第1のガス)の分子を示唆する黒い丸mbと、水蒸気(第2のガス)の分子を示唆する白い丸maを描いている。対象部位310の表面には、水蒸気が凝縮して付着した水滴A3を描いているが、水滴同士が合体して該表面を覆う水の層であってもよい。また、水蒸気が凝縮した水滴は、霧状となって密閉空間230中に浮遊していてもよい(図3では、浮遊する霧状の水滴は示していない)。
以上の構成により、ガスボンベ110から炭酸ガスが中空糸膜モジュールに供給されると、加圧状態の加湿炭酸ガスC1が常圧下にあるカバー部材200内に供給されることにより、断熱膨張し、ガスの温度は下がる。これにより、密閉空間230内では、水蒸気の一部が凝縮して霧状の水滴が出現し、対象部位310の表面には、加湿炭酸ガスC1が接触するだけではなく、凝縮した水A3が付着し、該水に溶け込んだ炭酸ガスmbが好ましく経皮吸収される。
(混合ガス供給システムの他の態様例)
図4の例は、図3の例とは異なり、生体表面300の対象部位310が腹や背中など比較的平坦な皮膚表面であって、それに応じて、該対象部位を覆うカバー部材200の態様も、図3の例とは異なっている。これら以外の構成は、図3の例における構成と同様である。図4においても、図3と同様に、カバー部材の内部の密閉空間260内に注入された混合ガスC1を説明するために、炭酸ガス(第1のガス)の分子を示唆する黒い丸mbと、水蒸気(第2のガス)の分子を示唆する白い丸maを描いている。密閉空間260内の対象部位310の表面には、水蒸気が凝縮して付着した水滴A3を描いているが、水滴同士が合体して該表面を覆う水の層であってもよい。また、水蒸気が凝縮した水滴は、霧状にて密閉空間260中に浮遊していてもよい(図4では、浮遊する霧状の水滴は示していない)。図4の態様により、図3の態様と同様に、密閉空間260内では、水蒸気の一部が凝縮して霧状の水滴が出現し、対象部位310の表面には、加湿炭酸ガスC1が接触するだけではなく、凝縮した水A3が付着し、該水に溶け込んだ炭酸ガスが好ましく経皮吸収される。
図4の例では、カバー部材200は、カップ状の本体部240と、該本体部の外周縁に位置する外周縁部250とを有している。カップ状の本体部240と生体表面300の対象部位310とによって、密閉空間260が形成される。外周縁部250は、生体表面300に対して密着し、密閉空間260の周囲をシールする。本体部240は、最初から密閉空間260となる凹部を持っていてもよいし、混合ガスC1が供給されると変形して、空間を形成するものであってもよい。同図の例では、カバー部材200の本体部240は、密閉空間260を形成するための凹部を持った半球状のカップであり、外周縁部250は、該本体部から外側に張り出したフランジ部であり、該フランジ部が生体表面300に密着し得るようになっている。該フランジ部(外周縁部)は、粘着テープなどによって生体表面に固定されてもよいし、該フランジ部自体に粘着剤層が付与されて、生体表面に付着可能であってもよい。該カバー部材200は、混合ガス製造装置100で生成された混合ガスを、空間260に導入するための混合ガス受入れ口220を有している。中空糸膜モジュール100の内側出口ポート102と、混合ガス受入れ口220は、管路P2によって接続されている。カバー部材200には、最初に混合ガスを供給する際に、内部の空気を排出するための排出口が設けられてもよい。
前記混合ガスを接触させるべき生体表面は、人間や動物の皮膚表面や粘膜の表面であってよい。混合ガスが加湿炭酸ガスである場合には、人間が好ましい適用対象である。対象部位は、特に限定されず、人間が適用対象である場合には、手(特に、手首より先)、足(特に、足首より先)、股、臀部、腰、頭部などが挙げられる。
カバー部材の態様は、ビニルや布製の柔軟なフィルム、柔軟な袋、プラスチック製、金属製の剛性を持った容器など、生体表面の対象部位の形態に応じたものであってよい。カバー部材は、対象部位の周囲に高度な密閉空間をかならずしも形成する必要はない。カバー部材に小さい出入り口があっても、混合ガスの大部分が短時間で全て外部に流出する可能性は小さく、また、流出する分だけ混合ガスを供給すればよいからである。
本発明の製造方法および製造装置によって、加湿炭酸ガスなどの混合ガスを、より単純かつ安価に製造し得るようになった。また、本発明の混合ガス供給システムは、例えば、小型で持ち歩くことも可能な炭酸ガス治療装置として利用可能である。
A1 液体
A2 液体A1が気化した第2のガス
A3 第2のガスが凝縮した液体
B1 第1のガス
C1 第1のガスB1と第2のガスA2との混合ガス
ma 液体A1が気化した第2のガスA2の分子
mb 第1のガスB1の分子
1 ガス選択透過膜モジュール
1a ガス選択透過膜モジュール
1b ガス選択透過膜モジュール
10 ガス選択透過膜
10a ガス選択透過膜の一方の面
10b ガス選択透過膜の他方の面
20 ケーシング
20a ガス選択透過膜の一方の面側の空間
20b ガス選択透過膜の他方の面側の空間
21 ガス供給口
22 混合ガス取出口
30 中空糸膜
41 ポッティング材
42 ポッティング材
50 ケーシング
51 外側入口ポート
52 外側出口ポート
52p 外側出口ポート用キャップ
53 内側入口ポート
53p 内側入口ポート用キャップ
54 内側出口ポート
60 中空糸膜
61 中空糸膜端部
62 中空糸膜端部
70 ポッティング材
80 ケーシング
81 外側入口ポート
82 外側出口ポート
83 混合ガス取出口
100 混合ガス製造装置
101 外側入口ポート
102 内側出口ポート
110 ガスボンベ
200 カバー部材
210 袋の入口
220 混合ガス受入れ口
230 密閉空間
240 カップ状の本体部
250 外周縁部(フランジ部)
260 密閉空間
300 生体表面
310 対象部位
P1 ガス供給管路
P2 混合ガス供給管路

Claims (11)

  1. 第1のガスと液体が気化した第2のガスとを含む混合ガスの製造方法であって、
    ガス選択透過膜の両面のうちの一方の面に前記液体を接触させた状態で、前記第1のガスと前記液体とを接触させ、
    前記ガス選択透過膜の他方の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出すことを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記ガス選択透過膜の一方の面側の空間に前記液体を封入した状態で、前記第1のガスを前記空間に導入し、前記第1のガスと前記液体とを接触させ、
    ガス選択透過膜の他方の面側の空間に、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ガス選択透過膜が、ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜であり、
    前記ガス選択透過膜の前記一方の面としての、前記中空糸膜の外側の面の側に、前記液体および第1のガスを導入し、
    前記中空糸膜の内側の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜であり、
    前記ガス選択透過膜の前記一方の面としての、前記中空糸膜の内側の面の側に、前記液体および第1のガスを導入し、
    前記中空糸膜の外側の面から、前記第2のガスを含有した第1のガスを取り出す、
    請求項3に記載の製造方法。
  6. 前記第1のガスが炭酸ガスであり、前記液体が水であり、前記第2のガスを含有した第1のガスが、水蒸気を含有した炭酸ガスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 第1のガスと液体が気化した第2のガスとを含んだ混合ガスを製造する混合ガス製造装置であって、
    当該混合ガス製造装置は、ガス選択透過膜モジュールを有し、
    前記ガス選択透過膜モジュールは、
    該ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜の一方の面側の空間に、前記液体と第1のガスを供給するための供給口を有し、かつ、
    該ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜の他方の面側の空間から、前記混合ガスを取り出すための混合ガス取出口を有する、
    前記混合ガス製造装置。
  8. 前記ガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜である、請求項7に記載の混合ガス製造装置。
  9. 第1のガスと液体が気化した第2のガスとの混合ガスを生体表面に接触させるための混合ガス供給システムであって、当該混合ガス供給システムは、
    請求項7に記載の混合ガス製造装置を有し、かつ、
    前記混合ガスを接触させるべき生体表面の対象部位を覆い、該対象部位の周囲に密閉空間を形成するよう構成されたカバー部材を有し、
    前記カバー部材は、前記混合ガス製造装置で生成された混合ガスを前記密閉空間内に導入するための混合ガス受入れ口を有している、
    前記混合ガス供給システム。
  10. 前記混合ガス製造装置に含まれるガス選択透過膜モジュールに設けられているガス選択透過膜が、中空糸膜である、請求項9に記載の混合ガス供給システム。
  11. 前記第1のガスが炭酸ガスであり、前記液体が水であり、前記第1のガスと第2のガスとの混合ガスが、水蒸気を含有した炭酸ガスである、請求項9または10に記載の混合ガス供給システム。
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