以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態であるプログラムについて説明する。
(ゲームシステムの説明)
図1は、本発明の実施の形態であるプログラムが適用されるゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態であるプログラムが適用されるゲームシステムSは、複数の端末10とサーバ20とを有し、これら端末10及びサーバ20はネットワーク30により接続されて相互に通信可能に構成されている。
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置である。
サーバ20は、端末10からの要求に応じて、端末10を操作する複数のプレーヤ(ユーザ)に対してオンラインゲームサービス(ソーシャルゲーム)を提供する情報処理装置である。
図1に示すゲームシステムSでは、端末10からの要求に基づいてサーバ20からゲームプログラムが提供され、このゲームプログラムが端末10において実行され、一方、サーバ20においても本実施の形態である(ゲーム)プログラムが実行され、これら端末10及びサーバ20の間での各種データの送受信によりオンラインゲームが制御される。
当然、端末10においていわゆるブラウザを開き(実行し)、サーバ20から送信される各種データがブラウザ上で表示され、プレーヤが各種入力を行うことで操作入力信号がサーバ20に送信され、この操作入力信号に基づいて、サーバ20上で実行される本実施の形態である(ゲーム)プログラムによりゲームが制御される、いわゆるブラウザゲームが提供されてもよい。
但し、以下の説明では、ゲームプログラムが端末10に提供され、端末10及びサーバ20のそれぞれでゲームプログラムが実行されることでオンラインゲームが提供される態様について説明を行うが、本発明のプログラムに基づくゲームの提供態様がこれに限定される趣旨ではない。
サーバ20は、プレーヤ毎に、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果(対戦結果)、ゲームパラメータ、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(ゲーム要素、キャラクタ、アイテム、コンテンツ等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報、当該ゲームを構成するクエスト(バトル、ダンジョン、ステージ、ラウンド等)に関する情報等の進捗データを管理する。
なお、図1ではサーバ20を単体の構成として図示しているが、サーバ20は、内部バスまたは通信回線により相互にデータの送受信が可能な複数のサーバ(ログインサーバ(認証サーバ)、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ、Webサーバ等)からなるサーバシステムにより構成することができる。
ネットワーク30は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク30とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネットに代表されるWAN(Wide Area Network)等の通信網を含む意味である。また、ネットワーク30による通信方法については有線/無線を問わない。
(ゲームの概要)
次に、図5〜図14を参照して、図1に示すゲームシステムSの概要について説明する。
まず、図5は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図5に示すゲーム画面Cはいわゆるホーム画面であり、プレーヤが端末10を操作してネットワーク30を介してサーバ20にアクセスし、端末10から送出されたプレーヤのログイン情報に基づいてサーバ20が認証(ログイン)動作を行った結果ログインに成功した後、このサーバ20が端末10に向けて送出するデータに基づいて端末10の表示部140に表示される画面Cである。
図5に示す画面Cの下部には複数のボタン40〜44が表示されており、端末10がタッチパネル式の入力部を有する場合は、プレーヤがこれらボタン40〜44が表示されている領域のいずれかをタッチ等することで操作入力を行うと、操作入力されたボタン40〜44に割り当てられた操作入力信号がサーバ20に送信され、サーバ20は、この操作入力信号に基づいたゲーム制御を行う。一例として、ボタン40は図5に示すホーム画面の表示を指示するためのボタンであり、ボタン41はストーリーパートのゲーム開始を指示するためのボタンである。
図6及び図7は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図である。
図7に示すゲーム画面Cは占領パートのゲーム画面であり、図6は、この占領パートから派生する各パートを説明するための図である。占領パートのゲームは、例えばストーリーパートのゲームをプレーヤがプレイしている際にプレーヤ側の指示(例えばゲーム画面に表示されたボタン等の操作入力)やサーバ20側のゲーム制御により開始する。
図7に示す占領パートのゲームは、本実施の形態であるプログラムが実行されることにより実現されるオンラインゲームのメインとなる部分である。プレーヤは、オンラインゲームを最初にプレイする際に、いずれかの勢力(人間またはキメラ)、言い換えればグループに属するかの設定を要求され、グループに関するプレーヤの設定はこのオンラインゲームをプレイしている限りは維持される。
プレーヤは、サーバ20側が定めた、ゲーム空間内で進行する時間軸上で設定される期間の間に、所属する勢力が幾つの地区を占領できるかを競う。図7に示す例では、地区は東京23区に類似する領域を有する23個設定されている。各地区の占領は、各勢力に所属するプレーヤのゲーム内におけるコンテンツの達成度の合計値に応じて常時変動する。図7に示す例では、19区と命名された地区において各勢力に属するプレーヤがどれだけのコンテンツを達成したかを示すバー50が表示されており、このバーに示す達成度が上述した期間終了時に例えば過半数を超えている、あるいは8割といった過半数を超える一定の達成度に達したか否かに基づいて、その勢力が地区を占領できたか否かが判定される。
コンテンツは、図6に示す例では派遣パート、駆逐パート、事件パート及び強襲パートにおいて実行される。当然、これらパート以外のパートで実行されるコンテンツの達成度に基づいて占領の有無を判定してもよいことは当然である。
そして、サーバ20側が定めた期間終了時に幾つの地区を占領できたか、例えば過半数の地区を占領できたか、あるいは8割といった過半数を超える地区を占領できたか否かで、プレーヤが属する勢力(グループ)の優劣をサーバ20が判定する。勝者と判定されたグループに属するプレーヤに対しては特典が付与され、また、各プレーヤのコンテンツ達成度のランキングに応じても特典が付与される。
プレーヤは、最初にゲームをプレイする際、また、ゲームプレイの途中で複数のキャラクタの所持を設定することができる。
派遣パートでは、プレーヤが所持するキャラクタを特定の地区に派遣し、派遣した地区において、派遣されたキャラクタが自動的に、つまりサーバ20の制御によりバトル等を行うことでコンテンツを達成する。派遣パートへの移行は、一例として、ゲーム画面Cの下部に表示されている派遣ボタン51をプレーヤが操作することにより行われる。
派遣はこれもサーバ20が定めた期間内において実行され、派遣期間が終了すると、派遣されたキャラクタの地区占領における貢献度に基づいてプレーヤに特典が付与される。
駆逐パートでは、一例として、プレーヤが所属する勢力の現時点での占領状況に応じて、サーバ20が特定の地区にレイドボス(敵キャラクタ)を出現させ、レイドボスが出現した地区では、後述する駆逐コンテンツがプレイできる。レイドボスが出現した地区に対しては、図6において駆逐コンテンツがプレイ可能であることを示すアイコン52が表示される。当然、サーバ20の判断により、このようなアイコン52を表示させることなくゲリラ的にレイドボスを出現させてもよい。
レイドボスが出現した地区では、レイドボスと対戦する側の勢力に属するプレーヤは、相互に協力してレイドボスの駆逐(一例としてバトル)を開始する。そして、レイドボスの討伐、言い換えればレイドボスのHPが0になった時点でこのレイドボスが討伐される。この際、上述した派遣パートにおけるコンテンツの達成度に基づいても討伐の有無を判定してもよい。
レイドボスを討伐した勢力は、この地区の占領状況、つまりコンテンツの達成度が有利に判定される。また、各プレーヤのレイドボス討伐の貢献度に応じて特典が付与される。
なお、レイドボスがいずれの勢力に属さない態様も可能である。駆逐パートの詳細は後述する。
強襲パートでは、占領パートのゲーム開始において、サーバ20が特定の地区における強襲期間を設定する。強襲期間が設定された地区は、図6において強襲期間が設定されていることを示すアイコン53が表示される。
強襲期間においては、各勢力に属するプレーヤは、自身が属する勢力以外の勢力に属するプレーヤとのバトルが実施できる。そして、強襲期間が終了した時点で、バトルの勝敗を含むコンテンツの達成度に基づいて勢力の優劣が判定され、勝利した勢力は当該地区を占領することができる。また、プレーヤ単位での特典も付与される。強襲パートの詳細は後述する。
事件パートは、上述したストーリーパートにおいてランダムに突入し、サーバ20が指定した地区において、プレーヤは、自身が属する勢力以外の勢力に属するプレーヤとのバトルを実施する。バトルの勝敗結果は、バトルが行われた地区の占領の有無に反映される。事件パートにおけるバトルの詳細については後述する。
図8は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図であり、より詳細には、事件パートにおけるバトルのゲーム画面Cを示す図である。
図8に示す例では、プレーヤは人間勢力に属し、対戦相手であるキメラ勢力に属する他のプレーヤまたはサーバ20と対戦している。プレーヤは最大で6人のキャラクタを所持することができ、所持しているキャラクタは、図8に示すバトルゲーム画面Cにおいてアイコン60、61で表示されており、いわゆるターン制と呼ばれるシステムに則って、キャラクタ単位でのバトルが実施される。但し、一度のターンでバトルできるキャラクタは3人に限定されており、バトル可能なキャラクタのアイコン60は、それ以外のキャラクタのアイコン61より大きく表示されるとともに、ゲーム画面Cのやや上方に表示されている。
また、キャラクタが行うバトル動作を表示するための人型のアイコン62がゲーム画面Cの中央部に表示されているとともに、対戦対象となるプレーヤが所持するキャラクタに対応する人型のアイコン63も、これらアイコン62と対峙する位置に表示されている。
プレーヤがキャラクタに対してバトルを指示する際には、一例として端末10がタッチパネル式の入力部を有する場合は、バトル指示を行うキャラクタに対応するアイコン60が表示されている領域をプレーヤがタッチ等することで操作入力を行うと、操作入力されたアイコン60に対応するキャラクタに対応する操作入力信号がサーバ20に送信され、サーバ20は、この操作入力信号に基づいたバトル動作を行う。
キャラクタに対してバトルが指示されると、サーバ20は、画面中央に表示されているアイコン62がバトル動作を行うアニメーション表示をさせるための表示制御信号を端末10に送出し、端末10はこの表示制御信号に基づいて表示部140にアニメーション表示がされたゲーム画面Cを表示させる。バトル動作中のゲーム画面Cの一例を図9に示す。
また、バトル可能なキャラクタを交替させる際には、交替させてバトルに参加させるキャラクタに対応するアイコン61が表示されている領域をプレーヤがゲーム画面Cの上方にスライド(スワイプ)等して、バトルから離脱すべきキャラクタに対応するアイコン60が表示されている領域までスライド等することで操作入力を行うと、操作入力されたアイコン61に対応するキャラクタに対応する操作入力信号がサーバ20に送信され、サーバ20は、この操作入力信号に基づいて、スライドされたキャラクタのアイコンを画面上方に表示(つまりアイコン60が表示されている位置)させるとともに、離脱対象とされたキャラクタのアイコンを画面やや下方に表示(つまりアイコン61が表示されている位置)させる。さらに、サーバ20は、バトル可能なキャラクタを交替させる設定を行う。
図10は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図であり、より詳細には、駆逐イベント発生を告知するゲーム画面Cを示す図である。図10に示すゲーム画面Cは、駆逐パート以外のパートをプレーヤがプレイしている際にサーバ20の判断(制御)によりランダムに表示される。
図11は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図であり、より詳細には、駆逐パートのスタート時表示されるゲーム画面Cを示す図である。
図11に示すゲーム画面Cは、例えば、占領パートのゲーム画面Cにおいて表示されたアイコン52をプレーヤがタッチ等することで操作入力を行うことにより表示される。プレーヤは、図11に示すゲーム画面Cの下部に表示されたボタン64をタッチ等することで操作入力を行い、この操作入力信号がサーバ20に送信されることで、サーバ20がレイドボスとのバトル(レイドボス戦)を行うゲーム制御をする。
図12は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図であり、より詳細には、駆逐パートにおけるバトル(レイドボス戦)中のゲーム画面Cを示す図である。
図12に示すゲーム画面Cは基本的に図8に示す事件パートにおけるバトルのゲーム画面Cと同じ構成であるが、対戦相手のキャラクタが敵キャラクタであるレイドボスである点が異なる。このため、キャラクタが行うバトル動作を表示するための人型のアイコン62に対峙する位置に表示される、レイドボスのアイコン65は一体のみである。当然、レイドボス戦において出現するレイドボスの数は図12に示すような一人(一体)に限られず、サーバ20において制御される出現条件に基づいて複数人(複数体)出現させてもよい。レイドボスの出現条件については後に詳述する。
レイドボス戦においては、本実施の形態であるゲームシステムSにおいて、敵側の勢力(グループ)以外の勢力、言い換えれば味方のグループに属し、ゲームをプレイする他のプレーヤと協力してバトルを行う。
図13は、本実施の形態に係るゲームシステムSの端末10の表示部140に表示されるゲーム画面の他の例を示す図であり、より詳細には、派遣パートにおける派遣先(つまりキャラクタを派遣させる地区)選択のゲーム画面Cを示す図である。
図13に示すゲーム画面Cは、図7に示す占領パートのゲーム画面において、その下部に表示されている派遣ボタン51をプレーヤが操作することにより表示される。プレーヤは、ゲーム画面Cの下部に表示されている矢印ボタン70、71をタッチ等することで操作入力を行うと、この操作入力信号がサーバ20に送信されて、操作入力信号に基づいてサーバ20が表示制御信号を変更することで、派遣先候補となる地区の番号(図13では19区)が1つずつ増減されたゲーム画面Cが表示される。
そして、プレーヤがゲーム画面Cの下部に表示された選択ボタン72をタッチ等することで操作入力を行い、さらに、同様にゲーム画面Cの下部に表示された確定ボタン73をタッチ等することで操作入力を行うと、操作入力信号がサーバ20に送信され、この操作入力信号に基づいて、サーバ20が派遣パートのゲーム制御を行う。
既に説明したように、派遣パートでは、派遣されたキャラクタが自動的に、つまりサーバ20の制御によりバトル等を行うことでコンテンツを達成する。従って、派遣先でのキャラクタの戦果を示す図14に示すようなゲーム画面Cは、あるパートをプレーヤがプレイしている際にサーバ20の判断(制御)によりランダムに表示される。
(ゲームシステムの機能構成)
次に、本実施の形態であるゲームシステムSの機能構成について説明する。
図2は、本実施の形態であるゲームシステムSを構成する端末10の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る端末10は、制御部100、記憶部110、入力部120、音声出力部130、表示部140及び通信部150を有する。
制御部100は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、端末10の起動時に、記憶部110内に格納された後述するシステムプログラム111が読み出されてこの制御部100により実行されることで、入力部120や記憶部110を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行うとともに、所定のプログラムやデータ、入力部120からの操作入力信号、サーバ20から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、端末10の動作を制御する。
そして、制御部100は、システムプログラム111及びサーバ20から提供されるゲームクライアントプログラム112が実行されることにより、ゲーム進行制御部101、音楽制御部104、画像制御部105、及び通信制御部106としての機能を実行する。これら各機能部の動作については後述する。
記憶部110は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクを有する。この記憶部110には、システムプログラム111及びゲームクライアントプログラム112が格納されるとともに、制御部100のワークメモリとして、制御部100が各種プログラムに従って実行した演算結果や入力部120から入力される入力データ等が一時的に記憶される。なお、記憶部110には、その他、ゲーム進行状況を記述するためのデータ、計時のためのカウンタ、各種フラグなどが適宜格納される。
システムプログラム111は、端末10のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームクライアントプログラム112は、制御部100により読み出されて実行されることによって、この制御部100を主にゲーム進行制御部101としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム111の一部として組み込まれた構成であっても良い。ゲームクライアントプログラム112は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであっても良いし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグインなどにより構成するとしても良い。
入力部120は、例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、撮像素子等から構成され、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を制御部100に出力する。なお、後述する表示部140の画面上にタッチパネルが貼付されている場合は、このタッチパネルも入力部120に含まれる。
音声出力部130はスピーカ等から構成され、音声出力部130から出力されるオーディオ信号に基づいて効果音やBGM等を出力する。なお、直接的に音声を出力はしないが、音声出力部130からのオーディオ信号を端末10に接続されたイアホン、ヘッドフォン等の音響機器に出力するための端子もこの音声出力部130に含まれる。
表示部140は、例えば液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置から構成され、画像制御部105から出力される表示制御信号に基づいてゲーム画面を含む表示画面を表示する。
通信部150は、例えば、有線/無線通信モジュール等から構成され、ネットワーク30に接続されてこのネットワーク30との間でデータの送受信を行う。なお、端末10の通信部150とネットワーク30との間には、モデム、有線/無線ルーター、TA(ターミナルアダプタ)等が介在されてもよい。
次に、制御部100に実現される各種機能実行手段の詳細について説明する。
ゲーム進行制御部101は、端末10をゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。本実施の形態に係る端末10では、ゲーム進行制御部101は操作信号送信制御部102とゲーム画面表示制御部103とを有する。また、ゲーム進行制御部101は、計時、ソフトウェアキーボード等の機能に係る処理を行う。
操作信号送信制御部102は、プレーヤが入力部120を操作することで入力された操作入力信号を受け入れ、この操作入力信号に基づいて、各種データやリクエスト情報をサーバ20へ送信するための処理を実行する。
ゲーム画面表示制御部103は、サーバ20から送信された表示制御信号を含む各種制御信号に基づいて、表示部140にゲーム画面を表示するための制御を行う。
例えば、本実施の形態に係るオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ゲーム画面表示制御部103は、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)、さらにはHTML5を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術や、Adobe(登録商標)Flashなどのプラグインを用いてゲーム画面の表示制御を行う。勿論、その他の方法でもかまわない。
また、本実施の形態に係るゲームシステムSでは、ゲーム空間画像(例えば、3DCGなど)をサーバ20にて生成するが、ゲーム空間画像を端末10で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部103は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を含むこととなる。
音楽制御部104は、例えばCPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって構成され、ゲーム画面表示制御部103による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音のオーディオ信号を生成し、音声出力部130に出力する。
画像制御部105は、例えばCPU、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって構成される。
画像制御部105は、ゲーム画面表示制御部103による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の表示制御信号を表示部140に出力する。本実施の形態であるゲームシステムSでは、例えば、サーバ20から受信したデータに基づいて、ゲーム画面の画像を生成することができる。また、ゲーム画面表示制御部103の制御に従って、ゲーム画像に各種情報表示体を合成することができる。また、ゲーム画像の3DCGをサーバ20で生成せず端末10で生成する構成では、画像制御部105はレンダリング処理を担うことができる。
通信制御部106は、例えばCPU、有線/無線モジュール等から構成され、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部150を介してネットワーク30との間でデータの送受信を実現する。
次に、図3は、本実施の形態であるゲームシステムSを構成するサーバ20の概略構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態に係るサーバ20は、サーバ制御部200、サーバ記憶部220、入力部230、表示部240及び通信部250を有する。
サーバ制御部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、サーバ20の起動時に、サーバ記憶部220内に格納された後述するサーバシステムプログラム221が読み出されてこのサーバ制御部200により実行されることで、入力部230やサーバ記憶部220を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行うとともに、所定のプログラムやデータ、入力部230からの操作入力信号、端末10から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、サーバ20の動作を制御する。
そして、サーバ制御部200は、サーバシステムプログラム221及びゲーム管理プログラム222が実行されることにより、アカウント管理部201、ゲーム制御部202、画像制御部209及び通信制御部210としての機能を実行する。これら各機能部の動作については後述する。
入力部230は、サーバ20の管理のための各種操作を入力するための手段であり、端末10の入力部120と同様に実現される。
表示部240は、端末10の表示部140と同様の構成を有し、画像制御部209から出力される表示制御信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する
通信部250は、端末10の通信部150と同様の構成を有し、ネットワーク30に接続されてこのネットワーク30との間でデータの送受信を行う。なお、サーバ20の通信部250とネットワーク30との間には、モデム、有線/無線ルーター、TA(ターミナルアダプタ)等が介在されてもよい。
次に、サーバ制御部200に実現される各種機能実行手段の詳細について説明する。
アカウント管理部201は、アカウント登録手続きに係る処理を行う。具体的には、アカウント管理部201は、登録手続きを経たプレーヤへ固有のアカウントを発給し、アカウント管理データ224を生成してその管理を行う。また、アカウント管理部201はログインに関する処理を実行する。
ゲーム制御部202は、ゲーム進行に関する処理を実行する。本実施の形態に係るサーバ20では、ゲーム制御部202は、ゲーム進行制御部203、付与部207、及び計時部208を有する。
ゲーム進行制御部203は、本実施の形態に係るゲームの進行制御と、プレイ結果の反映に係る処理を実行する。ゲーム進行制御部203が進行制御を行うゲームは、既に上述したように、プレーヤが属するグループ(勢力)を複数構成してこれらグループ同士の対戦を行うゲームであり、さらに言えば、所定期間内において、ゲームのゲーム空間に設定された複数の陣地(地区)をいずれのグループが占領するかの対戦を行うゲームである。ゲームの詳細については既に説明しているので、ここでの詳細な説明は行わない。
ゲームの進行制御に伴うアカウント毎に実行されるゲームの進行状況を記述する各種データは、サーバ記憶部220にプレーヤデータ227としてアカウント別に記憶・管理される。
また、ゲーム進行制御部203はイベントの発生判定、及び発生が判定されたイベントの進行制御も行う。ここにいうイベントとは、上述した占領パート、派遣パート、駆逐パート、事件パート及び強襲パートにおいて発生するイベントである。
本実施の形態に係るサーバ20では、ゲーム進行制御部203は、グループ管理部204、グループ優劣判定部205及び敵キャラクタ制御部206を有する。
グループ管理部204は、ゲームに参加する複数のプレーヤを所定数のグループ(勢力)のうち少なくとも一のグループに属させる。
上述したように、プレーヤはゲームを最初にプレイする際に、いずれかの勢力(グループ)に属するかの設定を求められる。つまり、サーバ20のグループ管理部204は、プレーヤが最初にゲームをプレイする際に、プレーヤがいずれかのグループに属するかの設定を求める画面を表示させるための表示制御信号を画像制御部209、通信制御部210及び通信部250を介して端末10に送出する。プレーヤが端末10の入力部120を介してグループ設定(選択)操作を行うと、この操作入力信号が端末10の操作信号送信制御部102、通信制御部106及び通信部150を介してサーバ20に送信され、サーバ20のグループ管理部204は、この操作入力信号を通信部250及び通信制御部210を介して受信すると、プレーヤのグループ設定を後述するプレーヤデータ227に格納する。
なお、上述したゲームの説明では、ゲーム中に2つの勢力(グループ)、すなわち人間及びキメラを設けていたが、グループの数に制限はなく、3以上のグループをグループ管理部204が設定し、複数のプレーヤを3以上のグループのうち少なくとも一のグループに属させてもよい。
グループ優劣判定部205は、各々のグループに属する少なくとも一人のプレーヤのゲームの結果に基づいてこのグループの優劣を判定する。ここにいう優劣とは、既に上述したように、サーバ20が設定した期間終了時における、ある地区をグループが占領したかどうか、または全ての地区におけるグループの占領個数を含み、バトルの勝敗を含むコンテンツの達成度等に基づいてグループ優劣判定部205が判定する。
どのような基準に基づいて判定を行うかは任意であり、上述したように過半数を占めた、あるいは8割といった過半数以上の数字を達成したかなど、任意の基準に基づいて判定可能である。
ここで、敵キャラクタであるレイドボスは、プレーヤの敵側の勢力に属するので、グループ優劣判定部205は、プレーヤと敵キャラクタとの対戦状況にも基づいてグループの優劣を判定することが好ましい。ここにいう対戦状況には、バトルの勝敗結果、履歴、経過等が含まれうる。
敵キャラクタ制御部206は、少なくとも一のグループに属するプレーヤの対戦対象となる敵キャラクタ(レイドボス)を出現させてこのプレーヤと対戦させる。つまり、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤがゲームをプレイしている際に、レイドボス戦に係るイベントを発生させて、このプレーヤにレイドボス戦のバトルをさせる。
そして、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループに属するプレーヤに関連する情報またはこのプレーヤによる入力に基づいて、敵キャラクタのパラメータを変更する。好ましくは、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤが属するグループの仲間側のグループ(つまり対戦対象ではないグループ)に属する他のプレーヤに関連する情報、または仲間側のグループに属する他のプレーヤの入力に基づいて、敵キャラクタのパラメータを変更する。
ここにいうパラメータは任意のものでよいが、一例として、仲間側のグループに属するプレーヤのログイン数(つまりは現在ログインしてゲームをプレイしているプレーヤの数)、プレーヤのレベル、装備、所持アイテムなどが含まれうる。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタをこの敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループのいずれかに属するように設定する。好ましくは、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤが属するグループの仲間側のグループ以外のグループ、言い換えれば対戦対象となるグループに敵キャラクタが属するように設定する。
上述したように、グループ管理部204がプレーヤを2つのグループ(勢力)に分ける場合は、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタをプレーヤが属するグループ以外のグループ、つまりは対戦対象となるグループに属するように設定する。この場合、敵キャラクタ制御部206は、仲間側のグループが一つになるので、プレーヤが属するグループにおいて同時にゲームプレイしている他のプレーヤに関連する情報、またはこの他のプレーヤの入力に基づいて、敵キャラクタのパラメータを変更すればよい。
ここで、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタと同じグループ、つまりプレーヤの対戦対象となるグループに属するキャラクタの干渉によって敵キャラクタの状態変化をさせてもよい。ここにいう状態変化とは、陣地(地区)の移動指示、進化(レベル変更)などが含まれうる。キャラクタの干渉は、敵キャラクタと同じグループに属するプレーヤの操作入力に基づいて行われればよい。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタが属するグループの状況またはこのグループに属する少なくとも一のプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタを出現させてもよい。ここにいう状況には、バトルの勝敗結果、履歴、経過、さらには敵キャラクタが出現した陣地(地区)における占領状況等が含まれうる。
ここで、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタの出現のタイミング、陣地(地区)、敵キャラクタの種類等の選択入力を、敵キャラクタが属するプレーヤに選択入力させてもよい。加えて、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタを出現させる条件を満たした場合でも、敵キャラクタと同一のグループに属する少なくとも一のプレーヤの入力に基づいてこの敵キャラクタの出現を見送らせ、そして、敵キャラクタの出現を見送らせたときは、次回、敵キャラクタを出現させる条件を満たした場合のこの敵キャラクタのパラメータをさらに変更することが好ましい。
より好ましくは、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤによる選択入力が可能な状態で、プレーヤが選択入力を見送る(一例として、プレーヤが所定時間内に選択入力を行わない)とき、あるいは出現させない旨の選択入力をしたときは、次に敵キャラクタの出願条件を満足したと敵キャラクタ制御部206が判断した際に、敵キャラクタをより強いものにする(敵キャラクタのパラメータ増強、敵キャラクタの出現数増加など)ことが好ましい。
また、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループに属するプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタの出現確率を変化させ、より好ましくは上昇させることが好ましい。より好ましくは、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤが属するグループの仲間側のグループ(つまり対戦対象ではないグループ)に属する他のプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタの出現確率を変化させ、好ましくは上昇させる。
特に、敵キャラクタ制御部206は、プレーヤが属するグループの仲間側のグループにおいて、所定期間内において入力を行った他のプレーヤの人数が多いほど、敵キャラクタの出現確率を上昇させることが好ましい。あるいは、敵キャラクタ制御部206は、所定期間内において仲間側のグループに属するプレーヤが行った入力履歴の数が多いほど、敵キャラクタの出現確率を上昇させることが好ましい。
また、敵キャラクタ制御部206は、グループ優劣判定部205による優劣判定の結果に基づいて敵キャラクタの種類を変更することが好ましい。
陣地(地区)との関係で、敵キャラクタ制御部206は、それぞれの陣地によって敵キャラクタの出現頻度の基本値や出現する敵キャラクタの種類の傾向を異ならせてもよい。
また、敵キャラクタ制御部206は、それぞれの陣地において出現させた敵キャラクタにより、敵キャラクタと同じグループに属さない(言い換えれば敵キャラクタと同じグループにより占領されていない)陣地を、このグループの占領から解除する行為を行わせてもよい。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタを出現させていない陣地に隣接する陣地において敵キャラクタを出現させている場合、この陣地の範囲や陣地の数に応じて、より強力な敵キャラクタ(敵キャラクタのパラメータをより強いものにする)を出現させ、または、敵キャラクタの出現確率を上げ、さらにはこれらの両方を行ってもよい。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタを出現させていない陣地に隣接する陣地において特定の組み合わせの敵キャラクタを出現させている場合、ゲーム進行制御部203と連携して、敵キャラクタを出現させていない陣地で所定の効果を発生させる、一例として、所定の敵キャラクタを出現させる、陣地の属性を変更することを行ってもよい。
付与部207は、グループ優劣判定部205による優劣判定の結果に基づいてプレーヤに所定の特典を付与する。ここにいう特典とは、アイテム、HP、特別なイベントへの参加権等を含みうる。
計時部208は、ゲーム進行制御部203が定めた所定期間について、ゲーム進行制御部203の指示により計時を開始し、この所定期間が経過したか否かの計時を行う。
サーバ記憶部220は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクを有する。このサーバ記憶部220には、サーバシステムプログラム221、ゲーム管理プログラム222、配信用ゲームクライアントプログラム223、アカウント管理データ224、ゲーム初期設定データ225、プレーヤデータ227及びイベント管理データ228が格納されるとともに、ゲーム制御部202のワークメモリとして、ゲーム制御部202が各種プログラムに従って実行した演算結果や入力部230から入力される入力データ等が一時的に記憶される。なお、サーバ記憶部220には、その他、計時のためのカウンタ、各種フラグなどが適宜格納される。
サーバシステムプログラム221は、サーバ制御部200が読み出して実行することでサーバ20にコンピュータとして必要な基本的な入出力機能を実現する為のシステムプログラムである。
ゲーム管理プログラム222は、サーバ制御部200が読み出して実行することで、アカウント管理部201とゲーム制御部202としての機能を実現させるためのプログラムである。
配信用ゲームクライアントプログラム223は、端末10へ提供されるゲームクライアントプログラム112(図2参照)のオリジナルである。
アカウント管理データ224は、アカウント管理部201により、アカウント登録したプレーヤ毎に用意される。このアカウント管理データ224は、プレーヤのID、パスワード等を含みうる。プレーヤのIDはプレーヤが最初にゲームをプレイする際に自ら設定、入力してもよく、この場合、端末10へのID、パスワードの設定入力信号がサーバ20に送信され、アカウント管理部201は、端末10から送信されてきた設定入力信号をアカウント管理データ224に格納する。また、ユーザネームの設定が可能である場合は、このユーザネームもアカウント管理データ224に格納される。
なお、IDはアカウント管理部201がプレーヤ毎に設定してもよく、また、パスワードについても、ゲームクライアントプログラム112とアカウント管理部201との協働によりプレーヤ毎に設定してもよい。このようにプレーヤの関与なく設定されたID及びパスワードは、端末10の記憶部110に、プレーヤがアクセスできない状態で(例えば隠しファイルで)格納され、端末10のログイン時に自動的にサーバ20に送信されてアカウント管理部201がログイン処理を行ってもよい。
ゲーム初期設定データ225は、ゲームを実行するために必要な各種初期設定データである。このゲーム初期設定データ225には、ゲームの舞台となるゲーム空間のデータ、プレーヤが選択可能なプレーヤキャラクタの雛形データ、能力等の初期設定データなどが含まれる。本実施の形態に係るゲーム初期設定データ225には、イベント初期設定データ226が含まれる。
イベント初期設定データ226は、イベント毎に用意され、イベントを実行するために必要な各種初期設定データである。イベント初期設定データ226には、イベントIDと、イベント発動条件と、イベントクリア条件(つまりは各地区において占領したと判断すべき条件)とを含みうる。
プレーヤデータ227は、アカウント別にゲームの進行状況を示す各種パラメータ値である。より詳細には、プレーヤデータ227は、図4(a)に示すように、プレーヤID227a、所属グループ(勢力)227b、ログイン数227c、レベル227d、装備227e及びアイテム227fを含みうる。
イベント管理データ228は、イベント毎に用意され、このイベントの進捗状況に関するデータ等を含みうる。このイベント管理データ228には敵キャラクタデータ229が含まれる。
敵キャラクタデータ229は、敵キャラクタ(レイドボス)の設定、出現条件等に関するデータである。より詳細には、敵キャラクタデータ229は、図4(b)に示すように、敵キャラクタのID229a、敵キャラクタの種類229b、敵キャラクタのHP229c及び敵キャラクタの出現頻度229dを含みうる。
(ゲームシステムの動作)
次に、図15及び図16のフローチャートを参照して、本実施の形態であるゲームシステムSの動作について説明する。
図15は本実施の形態であるゲームシステムSのイベント発生処理に関する動作の一例を説明するためのフローチャートである。図15のフローチャートに示す動作は、プレーヤが本実施の形態に係るゲームをプレイしている間は常時実行されている。
まず、ステップS1において、サーバ20のアカウント管理部201がプレーヤの認証処理を行う。アカウント管理部201による認証処理については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS2において、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が、イベント発生条件の判定処理を行う。ステップS2におけるイベント発生条件の判定処理の詳細については後述する。
ステップS3では、ステップS2において判定されたイベント発生条件に基づいて、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が、イベント発生の有無を判定する。そして、事件パートのイベントが発生すると判定された場合、プログラムはステップS4に進み、駆逐パートのイベントが発生すると判定された場合、プログラムはステップS5に進み、イベントが発生しないと判定された場合、プログラムはステップS6に進む。
ステップS4ではサーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が事件パートのイベントを発生させ、プレーヤにプレイさせる。同様にステップS5ではサーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が駆逐パートのイベントを発生させ、プレーヤにプレイさせる。各パートのイベントの詳細な内容については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
ステップS6では、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が、計時部208による計時結果を参照して、所定のイベント期間が終了したか否かを判定する。そして、判定の結果、所定のイベント期間が終了した(ステップS6においてYES)場合、プログラムはステップS7に移行し、所定のイベント期間がまだ終了していない(ステップS6においてNO)場合、プログラムはステップS2に戻る。
ステップS7では、サーバ20のゲーム制御部202、特にグループ優劣判定部205が、プレーヤ、及び/またはプレーヤが属するグループの優劣を判定する。そして、サーバ20のゲーム制御部202、特に付与部207が、グループ優劣判定部205による優劣判定結果に基づいてプレーヤに特典を付与する。
次に、図16は本実施の形態であるゲームシステムSのイベント発生条件判定処理に関する動作の一例を説明するためのフローチャートであり、図15におけるステップS2の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS10では、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203及び敵キャラクタ制御部206が、イベント初期設定データ226及びイベント管理データ228等に基づいて、駆逐パートのイベントの発生の有無を判定する。そして、判定の結果、駆逐パートのイベントが発生可能である(ステップS10においてYES)場合、プログラムはステップS11に移行し、駆逐パートのイベントが発生可能でない(ステップS10においてNO)場合、プログラムはステップS16に移行する。
この際、敵キャラクタ制御部206は、現在ゲームをプレイしているプレーヤと同じグループ(勢力)に属する他のプレーヤの入力、さらには、味方側である他のグループに属するプレーヤの入力に基づいて、敵キャラクタの出現確率、つまり駆逐パートのイベントの発生確率を変化させる。
ステップS11では、サーバ20のゲーム制御部202、特に敵キャラクタ制御部206が、サーバ記憶部220に格納されているプレーヤデータ227を参照する。この際、敵キャラクタ制御部206は、現在ゲームをプレイしているプレーヤのプレーヤデータ227のみならず、このプレーヤと同じグループ(勢力)に属する他のプレーヤのプレーヤデータ227、さらには、味方側である他のグループに属するプレーヤのプレーヤデータ227も参照する。
次いで、ステップS12では、サーバ20のゲーム制御部202、特に敵キャラクタ制御部206が、敵キャラクタが属するグループ(勢力)に属するプレーヤの端末10に対して、この端末10の表示部140に敵キャラクタの出現が可能である表示を行うための表示制御信号を送出する。そして、この表示制御信号を受信した端末10は、その表示部140に画面を表示し、所定時間だけプレーヤからの出現指示入力を待ち、出現指示入力があった場合は、この指示入力信号をサーバ20に送出する。
そして、ステップS13では、サーバ20のゲーム制御部202、特に敵キャラクタ制御部206が、所定時間内に端末10からの出現指示入力信号が到来したか否かを判定する。そして、判定の結果、端末10から出現指示入力信号が到来した(ステップS13においてYES)場合、プログラムはステップS14に移行し、到来しなかった(ステップS13においてNO)場合は、図16に示すプログラムを終了する。この際、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタの出現を見送ったことを示すフラグをサーバ記憶部220に格納する。
ステップS14では、サーバ20のゲーム制御部202、特に敵キャラクタ制御部206が、出現指示入力がされた敵キャラクタについて、そのパラメータを決定する。この際、敵キャラクタ制御部206は、ステップS11で参照したプレーヤデータ227に基づいて敵キャラクタのパラメータを変更する。さらには、あるいはまた、敵キャラクタ制御部206は、現在ゲームをプレイしているプレーヤが属するグループの他のプレーヤ、または、味方側である他のグループに属するプレーヤの入力に基づいても敵キャラクタのパラメータを変更する。加えて、敵キャラクタが属するグループのプレーヤが敵キャラクタの出現を見送った履歴がある(ステップS13においてNOと判定された際のフラグが立っている)場合、敵キャラクタ制御部206は敵キャラクタのパラメータを変更する。
そして、ステップS15では、サーバ20のゲーム制御部202、特に敵キャラクタ制御部206が、最終的に駆逐パートのイベント発生を決定する。この後、図16に示すプログラムを終了する。
一方、ステップS16では、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が、イベント初期設定データ226及びイベント管理データ228等に基づいて、事件パートのイベントの発生の有無を判定する。そして、判定の結果、事件パートのイベントが発生可能である(ステップS16においてYES)場合、プログラムはステップS17に移行し、事件パートのイベントが発生可能でない(ステップS16においてNO)場合、図16に示すプログラムを終了する。
ステップS18では、サーバ20のゲーム制御部202、特にゲーム進行制御部203が、最終的に事件パートのイベント発生を決定する。この後、図16に示すプログラムを終了する。
(本実施の形態の効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るゲームシステムSで実行されるプログラムは、プレーヤが属する勢力などのグループを複数構成してこれらグループ同士の対戦を行うゲームを制御するためのプログラムであって、このプログラムがゲームシステムSにより実行されると、少なくともサーバ20を、ゲームに参加する複数のプレーヤを所定数のグループのうち少なくとも一のグループに属させるグループ管理部204と、各々のグループに属する少なくとも一人のプレーヤのゲームの結果に基づいてこのグループの優劣を判定するゲーム制御部202のグループ優劣判定部205と、少なくとも一のグループに属するプレーヤの対戦対象となるレイドボスのような敵キャラクタを出現させてこのプレーヤと対戦させるゲーム制御部202の敵キャラクタ制御部206として機能させ、さらに、敵キャラクタ制御部206が、敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループに属するプレーヤに関連する情報またはこのプレーヤによる入力に基づいて、敵キャラクタのパラメータを変更するように機能させる。
従って、プレーヤのグループ内で蓄積された情報等に基づいて敵キャラクタのパラメータを変更することができ、これにより、対戦ゲームにおいて大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを制御することが可能となる。
ここで、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタをこの敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループのいずれかに属するように設定しているので、対戦ゲームにおいてより大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
また、ゲーム制御部202のグループ優劣判定部205は、プレーヤと敵キャラクタとの対戦状況にも基づいてグループの優劣を判定するので、対戦ゲームにおいてより大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタが属するグループの状況またはこのグループに属する少なくとも一のプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタを出現させるので、この点からも、対戦ゲームにおいてより大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
この際、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタを出現させる条件を満たした場合でも、敵キャラクタと同一のグループに属する少なくとも一のプレーヤの入力に基づいてこの敵キャラクタの出現を見送らせ、そして、敵キャラクタの出現を見送らせたときは、次回、敵キャラクタを出現させる条件を満たした場合のこの敵キャラクタのパラメータをさらに変更しているので、対戦ゲームにおいてさらに大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
また、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタの対戦対象となるグループ以外のグループに属するプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタの出現確率を変化させるので、対戦ゲームにおいてさらに大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
さらに、敵キャラクタ制御部206は、ゲーム制御部202のグループ優劣判定部205による優劣判定の結果に基づいて敵キャラクタの種類を変更するので、対戦ゲームにおいてより大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
さらに、ゲーム制御部202のグループ優劣判定部205は、プレーヤのゲーム内でのコンテンツ達成度にも基づいてこのプレーヤが属するグループの優劣を判定するので、興趣に富んだゲームを実現することができる。
さらに、ゲーム制御部202のグループ優劣判定部205による優劣判定の結果に基づいてプレーヤに所定の特典を付与する付与部207を有するので、より興趣に富んだゲームを実現することができる。
さらに、ゲーム制御部202は、ゲームのゲーム空間に設定された複数の地区などの陣地をいずれのグループが占領するかの対戦を行うゲームを制御し、グループ優劣判定部205は、一のグループが占領する陣地の数に基づいてこのグループの優劣を判定するので、さらに興趣に富んだゲームを実現することができる。
そして、ゲーム制御部202は、ゲームのゲーム空間に設定された複数の陣地をいずれのグループが占領するかの対戦を行うゲームを制御し、敵キャラクタ制御部206は、敵キャラクタが属するグループに属する少なくとも一のプレーヤの入力に基づいて敵キャラクタの出現のタイミング、敵キャラクタが出現する陣地、及び敵キャラクタの種類の少なくとも一つを選択するので、対戦ゲームにおいてより大きな状況変化をもたらすことが可能なゲームを実現することができる。
(その他)
以上、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
一例として、上述した実施の形態では、本発明のプログラムをゲームシステムSに適用していたが、本発明のプログラムの適用はゲームシステムSに限定されず、例えば、ネットワーク30を介して接続されたサーバ20を省略して、端末10のみで実行されるプログラムとして適用してもよい。