JP2019165830A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、吸収コアの周囲に設けられた接合部の接着強度を高めることを課題とする。また、本発明は、吸収コアの周囲に設けられた接合部の耐熱接着強度を高めることをさらなる課題とする。【解決手段】本発明の使い捨ておむつは、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、前記表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、使い捨ておむつに関し、特に使い捨ておむつを構成する部材の接合技術に関する。
使い捨ておむつの組立には、ホットメルト接着剤が使用されている。例えば、ホットメルト接着剤は、バックシートと吸収コアとを接合する、あるいは、トップシートとバックシートとを接合する箇所に使用されている(例えば、特許文献1)。
使い捨ておむつを着用する着用者からの排泄液を吸収した吸収コアは膨潤して厚みが厚くなる。吸収コアの膨潤は、吸収コア周囲の接合部を剥離するように作用する。また、使い捨ておむつに着用者の荷重がかかると、一旦吸収されていた排泄液が、吸収コアから絞り出される場合がある。吸収コアの周囲の接合部が、この排泄液に曝されると、剥離しやすくなるという問題がある。さらに、この絞り出された排泄液には、着用者の体重による圧力が負荷される場合もある。加圧された排泄液は、吸収コア周囲の接合部の剥離を促進する。特に、使い捨ておむつの着用者が暖房器具(電気毛布、こたつ等)を使用すると、吸収コア周囲の接合部が温められる。そのため、吸収コア周囲の接合に使用されているホットメルト接着剤が軟化して、排泄液が漏れやすくなるという問題がある。
特開2008−245960号公報
本発明者らは、吸収コアの膨潤が吸収コア周囲の接合部を剥離するように作用する原因を検討した結果、吸収コア周囲の接合部に使用されるホットメルト接着剤が、吸収コアの膨潤に伴って変形せず、吸収コアの厚みの増大が、接合部を剥離するように作用していることを見出した。また、従来使用されているゴム系ホットメルト接着剤あるいはオレフィン系ホットメルト接着剤は、使い捨ておむつを構成する材料に対する反応性がなく、使い捨ておむつを構成する材料との界面接着強度が低い。そのため、吸収コア周囲の接合部が、排出液に曝された場合に、接合部に使用されているホットメルト接着剤が、おむつを構成する材料から剥離しやすくなることを見出した。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、吸収コアの周囲に設けられた接合部の接着強度を高めることを課題とする。また、使い捨ておむつの使用者が暖房器具を使用した場合でも、吸収コアの周囲に設けられた接合部の接着強度が高い使い捨ておむつを提供することをさらなる課題とする。
本発明の使い捨ておむつは、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、前記表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることを特徴とする。
本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤は、荷重に対する変形量が大きい。そのため、吸収コアの膨潤による変形に伴い、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物も変形しやすく、吸収コアの膨潤による変形が、接合部を剥離するように作用するのを抑制できる。また、反応性ウレタンホットメルト接着剤を使用することにより、接着強度が向上する理由は、明確ではないが、反応性ウレタンホットメルト接着剤が、使い捨ておむつを構成する材料が有する官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)と反応して、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物と、使い捨ておむつを構成する材料との間に化学結合が生成する。その結果、界面での接着力が向上するもの考えられる。また、本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物は、三次元架橋構造を有しているので、耐熱接着強度が高い。
前記使い捨ておむつは、縦方向両端部において、少なくとも吸収コアが設置されている幅に渡って、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることが好ましい。
前記使い捨ておむつは、使い捨ておむつの幅方向両側部において、少なくとも吸収コアが設置されている長さに渡って、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることが好ましい。
前記表面シートは、トップシートであり、前記外装シートは、バックシートであることが好ましい。
前記表面シートは、トップシートと前記トップシートの幅方向両側部に設けられたサイドシートからなる積層シートであり、前記外装シートは、バックシートであり、前記使い捨ておむつの幅方向両側部において、サイドシートとバックシートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることが好ましい。
接合部における反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物の塗布量は、5g/m〜30g/mであることが好ましい。
本発明によれば、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、吸収コアの周囲に設けられた接合部の接着強度が高められた使い捨ておむつが得られる。また、吸収コアから絞り出された排泄液に対して優れた接着強度を有する使い捨ておむつが得られる。
本発明の使い捨ておむつの一例をトップシート側から見た平面図。 図1の使い捨ておむつをバックシート側から見た平面図。 図1のIII−III線の模式的断面図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける一例を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接着剤の塗布態様を示す説明図。 反応性ウレタンホットメルト接着剤の塗布態様を示す説明図。 表面シートなどにホットメルト接着剤を塗布する工程を例示する説明図。 コーターヘッドの側面図。 図13のA2−A2線に沿った断面図。 図13のコーターヘッドの分解斜視図。 接着力試験方法を説明する説明図。
本発明の使い捨ておむつは、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、前記表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部(以下、「反応性ウレタンホットメルト接合部」という場合がある)が設けられていることを特徴とする。
(反応性ウレタンホットメルト接着剤)
まず、本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤について説明する。反応性ウレタンホットメルト接着剤は、湿気硬化型接着剤であり、空気中の水分と反応することで、三次元架橋を形成して硬化する。反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物は、三次元架橋構造を有し、耐熱性に非常に優れている。また、反応性ウレタンホットメルト接着剤は、従来のホットメルト接着剤と同様に溶融状態で塗布することができ、かつ、冷却固化させることで被接着物を仮接合できる。よって、反応性ウレタンホットメルト接着剤を使用すれば、従来の製造設備を使用することができ、かつ、生産性の低下も抑制できる。前記反応性ウレタンホットメルト接着剤は、分子鎖の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有することが好ましい。
前記ウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になるような条件で反応させて得られたものであることが好ましい。
前記ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。また、トリメチロールプロパンなどのトリオールを挙げることができる。
前記ポリイソシアネートは、分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物である。前記ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの黄変タイプジイソシアネート;および、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの無黄変ジイソシアネート或いは難黄変ジイソシアネートを挙げることができる。本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤は、ポリイソシアネート成分として、無黄変ジイソシアネート或いは難黄変ジイソシアネートを含有することが好ましい。
本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤のイソシアネート基の含有率は、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、25質量%以下が好ましく、より好ましくは23質量%以下、さらに好ましくは21質量%以下である。前記イソシアネート基の含有率が1質量%以上であれば、湿気硬化性が発現しやすくなり、25質量%以下であれば、硬化後の接着強度が良好となる。
前記反応性ウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度は、120℃で、2,000mPa・s以上が好ましく、4,000mPa・s以上がより好ましく、6,000mPa・s以上がさらに好ましく、20,000mPa・s以下が好ましく、15,000mPa・s以下がより好ましく、10,000mPa・s以下がさらに好ましい。前記反応性ウレタンホットメルト接着剤の溶融粘度が、前記範囲内であれば、反応性ウレタンホットメルトの塗工性が良好である。
本発明で使用する反応性ウレタンホットメルト接着剤のオープンタイムは、10秒以上であることが好ましく、15秒以上であることがより好ましく、20秒以上であることがさらに好ましく、60秒以下であることが好ましく、50秒以下であることがより好ましく、40秒以下であることがさらに好ましい。反応性ウレタンホットメルト接着剤のオープンタイムが前記範囲内であれば、接合部の接着強度が向上しやすくなるからである。
本発明の反応性ウレタンホットメルト接合部において、表面シートと外装シートは、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物のみによって接合されることが好ましいが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物と非反応性ホットメルト接着剤とによって接合されていてもよい。
前記非反応性ホットメルト接着剤は、加熱により軟化あるいは溶融した状態で、被着対象物に塗布され、常温に冷却・固化することにより接着力を発現する。非反応性ホットメルト接着剤としては、例えば、ゴム系ホットメルト接着剤、オレフィン系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤などを挙げることができる。
ゴム系ホットメルト接着剤は、ベースポリマーとして、合成ゴムを含有することが好ましく、スチレンブロックコポリマーを含有することがより好ましい。前記合成ゴムとしては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、および、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。これらの中でも、合成ゴムとしては、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、および、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。前記スチレンブロックコポリマーは、直鎖状分子構造、あるいは、放射状の分子構造を有することができる。
オレフィン系ホットメルト接着剤は、オレフィン系ポリマーを含有することが好ましい。前記オレフィン系ポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、オレフィン/α−オレフィンインターポリマーを挙げることができる。前記オレフィン系ポリマーとしては、非晶質、半結晶性、または、結晶性のものを挙げることができ、例えば、非晶質(アモルファス)ポリオレフィンを好適に使用できる。
オレフィン系ポリマーとしては、例えば、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、エチレン/アクリレート、エチレン/メタクリレート、エチレン/n−ブチルアクリレート、エチレン/n−ヘキシルアクリレート、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/オクテン、ポリプロピレンなどが挙げられる。前記オレフィン系ポリマーは、単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記反応性ウレタンホットメルト接着剤および非反応性ホットメルト接着剤は、粘着付与剤、可塑剤、ワックスなどを含有することができる。
前記粘着付与剤としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、および重合化ロジンなどを挙げることができる。
前記可塑剤としては、例えば、ナフテン系油、パラフィン系油(例えば、シクロパラフィン油)、鉱物系油、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、オレフィンオリゴマー(例えば、ポリプロピレン、ポリブテン及び水素化ポリイソプレンのオリゴマー)、ポリブテン、ポリイソプレン、水素化ポリイソプレン、ポリブタジエン、安息香酸エステル、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油、大豆油)、油の誘導体、脂肪酸のグリセロールエステル、ポリエステル、ポリエーテル、などを挙げることができる。
前記ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、副生成物ポリエチレンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、酸化フィッシャー−トロプシュワックス、ならびにヒドロキシステアラミドワックスおよび脂肪アミドワックスなどの官能基化ワックスなどを挙げることができる。
前記反応性ウレタンホットメルト接着剤および非反応性ホットメルト接着剤は、さらに、安定剤、抗酸化剤、顔料、染料、紫外線吸収剤などの添加剤を含むことができる。
(使い捨ておむつ)
本発明の使い捨ておむつは、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する。
前記使い捨ておむつは、液体を吸収する吸収コアを有し、着用者にあてがわれる。前記使い捨ておむつは、前方部、股部、後方部を有する。前記前方部が着用者の腹側、前記後方部が着用者の背側、前記股部が着用者の股下にそれぞれあてがわれる。なお、本発明の使い捨ておむつにおいて、着用時に着用者の肌に対向する側が肌面側であり、この肌側の裏面が外面側である。
本発明の使い捨ておむつは、液体を吸収する吸収コアを有する。吸収コアは、着用者が排泄した排泄液(例えば、尿、便に含まれる水分)を吸収し、保持する。具体的には、吸収コアは、吸水性樹脂粉末および/または吸水性繊維を含有する。前記吸水性樹脂粉末としては、従来吸収性物品に使用されているものを使用できる。前記吸水性樹脂粉末としては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系などの合成ポリマー系の吸水性樹脂粉末;および、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系などの天然物由来の吸水性樹脂粉末が挙げられる。前記吸水性繊維としては、パルプ繊維、セルロース繊維、レーヨン、アセテート繊維などが挙げられる。前記吸収コアの平面視形状は特に限定されず、例えば、長方形型、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型などが挙げられる。
本発明の使い捨ておむつは、前記吸収コアの肌面側に配置された表面シート、および、前記吸収コアの外面側に配置された外装シートを有する。
表面シートは、吸収コアの肌面側に設置され、使い捨ておむつの表面を構成するシートである。表面シートは、例えば、トップシートのみからなってもよいし、あるいは、トップシートとトップシートの幅方向両側部に設けられる一対のサイドシートとからなる積層シートであってもよい。トップシートおよびサイドシートはいずれも、使い捨ておむつの表面を構成する。表面シートの形状は、特に限定されず、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型などが挙げられる。
表面シートを構成するトップシートは、透液性を有し、着用者からの排泄液を速やかに透過する。前記トップシートとしては、親水性繊維により形成された不織布が挙げられる。前記親水性繊維としては、セルロース、レーヨン、コットンなどが挙げられる。前記不織布としては、例えば、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアレイド不織布が挙げられる。トップシートの形状は、特に限定されず、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型などが挙げられ、長方形であることが好ましい。
本発明の使い捨ておむつは、肌面側に左右のサイドシートを有してもよい。左右のサイドシートは、トップシートの肌面側において、幅方向に間隔をあけて縦方向(前後方向)に沿って、トップシートの肌面側の両側部に接合されていることが好ましい。サイドシートとトップシートとの接合点から幅方向内側のサイドシートは、トップシートに接合せずに、自由端とされている。左右のサイドシートの幅方向内側先端(起立した際の上端)には、前後方向に伸長された弾性部材が配置されている。左右のサイドシートの内側先端は、この弾性部材の収縮力によって、トップシートから離反する方向(肌面側)に起立可能と構成されている。このサイドシートおよび弾性部材によって、立体ギャザーが構成され、この立体ギャザーによって排泄された尿、便の横漏れが防止される。前記サイドシートとしては、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)を使用することが好ましい。
サイドシートの形状は、特に限定されないが、外装シートの両側部を被覆するような形状を有していることを好ましく、例えば、砂時計型のシートを幅方向中央線で縦方向に二等分した形状を有することが好ましい。
サイドシートに使用する不織布の目付は、10g/m2以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましく、13g/m2以上がさらに好ましく、25g/m2以下が好ましく、21g/m2以下がより好ましく、18g/m2以下がさらに好ましい。
サイドシートに使用する不織布としては、ポリプロピレン(樹脂)製のSMMS(スパンボンド・メルトブロー・メルトブロー・スパンボンド)法で得られた不織布を用いることが好ましい。
本発明で使用する外装シートは、透液性シートおよび不透液性シートのいずれでもよいが、不透液性シートが好ましい。不透液性シートであれば、外装シートに到達した排泄液が、おむつ本体の外面側にしみ出すのを防止できる。不透液性シートとしては、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、SMMS(スパンボンド・メルトブロー・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用できる。外装シートの形状は、特に限定されず、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型などが挙げられ、砂時計型あるいはひょうたん型であることが好ましい。
また、前記外装シートは、不透液性シートと、この不透液性シートの外面側に貼り合わされた不織布から構成された積層シートであることが好ましい。外装シートが、不透液性シートと、この不透液性シートの外側に貼り合わされた合わされた不織布からなる積層シートの場合、外装シートの後方部の両側縁部は、不透液性のシートが配置されておらず、不織布のみから構成されていてもよい。
外装シートに使用する不織布の目付は、12g/m2以上が好ましく、14g/m2以上がより好ましく、15g/m2以上がさらに好ましく、25g/m2以下が好ましく、21g/m2以下がより好ましく、18g/m2以下がさらに好ましい。
外装シートに使用する不織布としては、ポリプロピレン(樹脂)製のSMMS(スパンボンド・メルトブロー・メルトブロー・スパンボンド)法で得られた不織布を用いることが好ましい。
本発明の使い捨ておむつは、ファスニング部材を有することが好ましい。ファスニング部材を有することにより、本発明の使い捨ておむつを着用者に着用させるのが容易になるからである。ファスニング部材は、使い捨ておむつの後方部の両側縁部に接合されており、おむつ本体から幅方向の外側に延びるように形成されている。また、前記ファスニング部材は、ファスニング基材と、ファスニング基材の肌面側に設けられた第1止着部材とを有する。ファスニング基材は、おむつ本体に接合される固定端部と、第1止着部材が設けられる先端部とを有する。これらの左右の一対のファスニング部材と、これらのファスニング部材に設けられた第1止着部材と、前記おむつ本体に設けられた第2止着部材とによって、ファスニング手段が構成される。前記ファスニング手段は、使い捨ておむつを着用する際に、おむつ本体の前方部と後方部とを止着し、腰回りを形成するのに用いられる。
ファスニング基材は、例えば、不織布、織布、編布、樹脂フィルム材から適宜選択できる。ファスニング基材としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法及びエアレイド法のうちの1つ又は複数の製法の組み合わせによって製造される不織布が好ましい。さらに、目付30g/m2〜100g/m2で、スパンボンド法、又は、スパンボンド法とメルトブロー法とを組み合わせたSMS法により製造された不織布が強度の点から好ましい。ファスニング基材として、最も好ましいのは、目付50g/m2〜85g/m2でスパンボンド法により製造された不織布である。材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、パルプ、絹等の天然繊維から適宜選択できるが、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルといった合成繊維が利用できる。ファスニング基材としては、ポリプロピレン、ポリエステル繊維を主成分とするものは強度があり、好適である。ファスニング基材の材質として、最も好ましいのはポリエステル繊維である。
前記第1止着部材と第2止着部材は、これらを着脱自在に止着し得るものであれば特に限定されない。第1止着部材と第2止着部材との組合せとしては、例えば、第1止着部材と第2止着部材とが面ファスナーを構成する態様;第1止着部材が粘着テープであり、第2止着部材が粘着テープを着脱自在に付着できる付着シートである態様;が挙げられる。なお、面ファスナーを採用する場合、第1止着部材にフック材を配置し、第2止着部材にループ材を配置することが好ましい。
第1止着部材としては、例えば複数のフックが面状に密に設けられたフック材が好ましく用いられる。そのフック材のフックの形状としては、錨形や、駒形や、キノコ形等が好ましい。前記フック材としては、例えば「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いることができる。第2止着部材としては、例えば微細なループ構造が面状に密に設けられたループ材(不織布、織布、編み物等や、不織布、織布等を表面に有する樹脂フィルム複合材等)が用いられる。
本発明の使い捨ておむつは、使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部(単に「反応性ウレタンホットメルト接合部」という場合がある)が設けられている。吸収コアの近辺に、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、排泄液が使い捨ておむつから漏れるのを防止することができる。
使い捨ておむつの縦方向端部とは、縦方向の端縁から幅5cmの部分をいう。また、使い捨ておむつの幅方向側部とは、幅方向の側縁から幅3cmの部分をいう。
また、外装シートが、透液性領域と不透液性領域とを有する場合には、反応性ウレタンホットメルト接合部は、外装シートの不透液性領域に設けられることが好ましい。外装シートに到達した排泄液が、外装シートの外側にしみ出すのを防止できるからである。
本発明の好ましい態様では、使い捨ておむつの縦方向両端部において、少なくとも吸収コアが設置されている幅に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部が設けられる。吸収コアの縦方向端部の少なくとも吸収コアが設置されている幅に渡って、反応性ウレタホットメルト接合部を設けることにより、吸収コア近辺の使い捨ておむつの縦方向両端部から排泄液が漏れだすのを低減することができる。
本発明のより好ましい態様では、使い捨ておむつの縦方向両端部において、使い捨ておむつの幅方向全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける。使い捨ておむつの縦方向両端部において、使い捨ておむつの幅方向全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、使い捨ておむつの縦方向両端部からの排泄液が漏れだすのをより確実に低減することができる。
本発明の使い捨ておむつは、幅方向両側部において、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部を設けることが好ましく、少なくとも股部の両側縁部において、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることがより好ましく、幅方向両側部の少なくとも吸収コアが設置されている長さに渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることがさらに好ましい。吸収コア近辺の幅方向両側部に、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、使い捨ておむつから排泄液が漏れだすのを低減することができる。
本発明の使い捨ておむつは、幅方向両側部において、縦方向の長さに全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることも好ましい。斯かる構成により、使い捨ておむつの幅方向両側部から、排泄液が漏れ出すのをより確実に防止することができる。
本発明の使い捨ておむつは、反応性ウレタンホットメルト接合部において、前記反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物の塗布量は、5g/m以上が好ましく、10g/m2以上がより好ましく、15g/m2以上がさらに好ましく、30g/m以下が好ましく、26g/m2以下がより好ましく、22g/m2以下がさらに好ましい。反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物の塗布量が、前記範囲内であれば、接着強度および耐水接着強度が良好になるからである。
反応性ウレタンホットメルト接合部は、使い捨ておむつの縦方向両端部あるいは幅方向両側部において、使い捨ておむつの外縁(縦方向端縁または幅方向側縁)から、2cm以上の幅で設けられることが好ましく、2.5cm以上の幅で設けられることがより好ましく、3cm以上の幅で設けられることがさらに好ましく、10cm以下の幅で設けられることが好ましく、8cm以下の幅で設けられることが好ましく、6cm以下の幅で設けられることがさらに好ましい。また、反応性ウレタンホットメルト接合部は、その長さ方向に渡って、均一の幅であってもよいし、使い捨ておむつの外縁の形状に応じて、その幅が変化してもよい。
使い捨ておむつの縦方向両端部において、反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様としては、縦方向両端部の一部に反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様、あるいは、縦方向両端部の全域に反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様が挙げられる。
使い捨ておむつの幅方向両側部において、反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様としては、幅方向両側部の一部に反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様、あるいは、幅方向両側部の全域に反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様が挙げられる。
本発明において、反応性ウレタンホットメルト接合部は、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物のみにより接合されていることが好ましいが、反応性ウレタンホットメルトと非反応性ホットメルト接着剤とにより接合されていてもよい。接着強度を一層高める観点から、重畳的に塗布する場合があるからである。
反応性ウレタンホットメルト接合部において、非反応性ホットメルト接着剤を使用する場合、非反応性ホットメルト接着剤の塗布量は、10g/m以上が好ましく、12g/m2以上がより好ましく、14g/m2以上がさらに好ましく、30g/m以下が好ましく、25g/m2以下がより好ましく、20g/m2以下がさらに好ましい。
反応性ウレタンホットメルト接合部において、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物と非反応性ホットメルト接着剤との塗布量の質量比率(Reactive PUHM/Non−Reactive HM)が、5/30〜30/10であることが好ましく、10/25〜26/12であることがより好ましく、15/20〜22/14であることがさらに好ましい。
反応性ウレタンホットメルト接合部の接着強度は、1N/50mm以上であることが好ましく、1.5N/50mm以上であることがより好ましく、2N/50mm以上であることがさらに好ましく、30N/50mm以下であることが好ましく、25N/50mm以下であることがより好ましく、20N/50mm以下であることがさらに好ましい。
以下、本発明の使い捨ておむつについて、図面を参照しながら説明するが、本発明は図面に示された態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつ1を、展開した状態でトップシート10側から見た平面図である。図2は、使い捨ておむつ1を、展開した状態で外装シート20側から見た平面図である。図3は、使い捨ておむつ1を図1中のIII−III線で切断した断面図である。なお、図1および図2は、後述するサイドシート用弾性部材41、腰周り用弾性部材51、脚周り用弾性部材52を、いずれも伸長させた状態を示している。図では、矢印Aを縦方向(前後方向)とし、矢印Bを幅方向と定義付ける。また、矢印A,Bにより形成される面上の方向を、平面方向と定義付ける。また、矢印A,Bにより形成される面に対して垂直方向が上下方向Cを表す。
図1〜図3に示すように、使い捨ておむつ1は、透液性のトップシート10と、不透液性の外装シート20と、両シート10,20の間に介在する吸収コア30とを有する積層体であるおむつ本体2を備えている。
おむつ本体2は、着用者の腹面にあてがわれる前方部2aと、着用者の背面にあてがわれる後方部2bと、前方部2aと後方部2bを繋ぐ股部2cとを有している。以下では、前方部2a、股部2c、後方部2bが連なる方向を「縦方向(前後方向)」と称し、縦方向に直交しかつおむつ本体2の表面に沿う方向を「幅方向」と称する。おむつ本体2は、前方部2aから後方部2bにかけて縦方向にのび、その中間に位置する股部2cにおいて幅方向にくびれた形状となっている。
トップシート10は、おむつ本体2の肌面側に配置された透液性のシートである。トップシート10は、前方部2aから後方部2bにかけて帯状にのび、その幅方向の寸法は、おむつ本体2の外縁の幅方向の寸法よりも小さい。
外装シート20は、おむつ本体2の外面側に配置されている。外装シート20は、平面視において、おむつ本体2とほぼ同等の形状を有する。すなわち、外装シート20は、おむつ本体2の下面全体を覆っている。外装シート20は、不透液性シート20aと、この不透液性シート20aの外側に貼り合わされた不織布20bからなる積層シートである。本態様では、不透液性シート20aと不織布20bの平面視形状および大きさが同じであり、外装シートの全域が不透液性領域である。
吸収コア30は、トップシート10と外装シート20との間に固定され、吸液性および保液性を有する。図3に示すように、吸収コア30は、トップシート10と外装シート20との間に、非反応性ホットメルト接着剤55により固定されていることが好ましい。また、図1に示すように、吸収コア30は、平面視において、おむつ本体2の外縁より一回り小さく形成されている。
前記外装シート20の前方部2aの外面側には、第2止着部材70が設けられている。図2では、第2止着部材70の形状を矩形状としているが、この形状に限定されない。
トップシート10の上面側には、側方への尿漏れを防止するための一対のサイドシート40が設けられている。一対のサイドシート40は、おむつ本体2の左右の側縁部を覆うように、縦方向(前後方向)にのびている。本態様では、トップシート10と一対のサイドシート40が表面シートを構成する。
図3に示したように、一対のサイドシート40は、トップシート10の肌面側において、幅方向に間隔をあけて縦方向(前後方向)に沿って、トップシート10の肌面側の両側部に接合されていることが好ましい。サイドシート40とトップシート10との接合点から幅方向内側のサイドシート40は、トップシート10に接合せずに、自由端とされている。サイドシート40の幅方向内側の先端部には、前後方向にのびる複数本のサイドシート用弾性部材41が配置されている。サイドシート用弾性部材41は、自然長よりも伸長された状態で、サイドシート40に接着剤(図示省略)により取り付けられている。このため、サイドシート用弾性部材41は、サイドシート40を縦方向(前後方向)に収縮させる弾性力を発生させる。使い捨ておむつを開いたときには、サイドシート用弾性部材41の弾性力により、サイドシート40の幅方向内側の先端部が立ち上がる。これにより、おむつ本体2の上面に一対の起立した堰が形成され、着用者が排泄した尿の側方への漏れが防止される。
図3に示す態様では、使い捨ておむつの股部2cの両側縁部において、トップシート10の幅が、外装シート20の幅よりも短いために、外装シート20幅方向の両側縁部の上方には、トップシート10が存在せず、サイドシート40が設けられている。本態様の使い捨ておむつは、吸収コア30の幅方向外側領域、すなわち、使い捨ておむつの幅方向両側縁部において、表面シートを構成するサイドシート40と外装シート20とが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部80が設けられている。
前方部2aおよび後方部2bには、幅方向にのびる複数本の腰周り用弾性部材51が設けられている。腰周り用弾性部材51は、自然長よりも伸長された状態で、トップシート10と外装シート20との間に、接着剤(図示省略)により取り付けられている。このため、腰周り用弾性部材51は、前方部2aおよび後方部2bを、幅方向に収縮させる弾性力を発生させる。着用者が使い捨ておむつ1を着用したときには、腰周り用弾性部材51の収縮力により、前方部2aおよび後方部2bを、着用者の腰周りにフィットさせることができる。
また、股部2cの幅方向の両側縁部には、前後方向にのびる複数本の脚周り用弾性部材52が設けられている。脚周り用弾性部材52は、自然長よりも伸長された状態で、サイドシート40とバックシート20との間に、接着剤(図示省略)により取り付けられている。このため、脚周り用弾性部材52は、股部2cの両側縁部を、縦方向(前後方向)に収縮させる弾性力を発生させる。着用者が使い捨ておむつ1を着用したときには、脚周り用弾性部材52の収縮力により、股部2cの両側縁部を、着用者の大腿部にフィットさせることができる。
なお、サイドシート用弾性部材41、腰周り用弾性部材51、及び脚周り用弾性部材52には、例えば、ポリウレタン糸等の糸状の弾性部材を使用すればよい。また、糸状の弾性部材に代えて、ポリウレタンや天然ゴム等を素材とする平板状の弾性部材を使用してもよい。
図1の態様の使い捨ておむつ1は、一対のファスニング部材60を備えている。各ファスニング部材60は、ファスニング基材61と、ファスニング基材61の自由端側の端辺から幅方向外側に張り出した2つの舌片状のつまみ部62とを有している。各つまみ部62の肌面側には、第1止着部材63が設けられている。ファスニング基材61は、幅方向内側の固定端部において、サイドシート40と外装シート20に挟まれて、おむつ本体に接合されている。本実施形態の第1止着部材63には、面ファスナーのフック材(雄部材)が用いられている。一方、図2に示したように、おむつ本体2の前方部2aの外側面には、第1止着部材63を着脱自在に止着させる第2止着部材70が設けられている。本実施形態の第2止着部材70には、面ファスナーのループ材(雌部材)が用いられている。
次に、本発明における反応性ウレタンホットメルト接合部を設ける態様について説明する。なお、図4〜図8は、本発明の好ましい態様の使い捨ておむつについて、トップシート側から見た平面図であるが、理解を容易にするために、弾性部材は示されていない。
図4には、例えば、使い捨ておむつの縦方向両端部において、反応性ウレタンホットメルト接合部80が設けられている態様が示されている。反応性ウレタンホットメルト接合部80は、少なくとも吸収コアが設置されている幅に渡って設けられている。使い捨ておむつ縦方向両端部と吸収コアとは、近接して配置されている。吸収コアに近接している領域に、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、使い捨ておむつから、排泄液が漏れるのを効果的に防止することができる。
反応性ウレタンホットメルト接合部80は、使い捨ておむつの幅方向に長辺を、縦方向に短辺を有する長方形に設けられている。図4に示した反応性ウレタンホットメルト接合部の長辺方向の中央領域では、トップシート10が存在し、表面シートとしてトップシート10と外装シート20とが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている。反応性ウレタンホットメルト接合部の長辺方向両側縁は、トップシートの両側縁101よりも、使い捨ておむつの幅方向外側に位置する。すなわち、反応性ウレタンホットメルト接合部の長辺方向両端部には、トップシート10が存在しないので、表面シートとしてサイドシート40と外装シート20とが反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている。
図5に示した態様では、使い捨ておむつの縦方向両端部において、使い捨ておむつの幅全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部80が設けられている。反応性ウレタンホットメルト接合部80を、使い捨ておむつの幅方向全域に設けることにより、排泄液が使い捨ておむつの縦方向両端部から、排泄液が漏れるのを効果的に防止できる。
図5に示した反応性ウレタンホットメルト接合部の長辺方向中央領域では、トップシート10が存在し、表面シートとしてトップシート10と外装シート20とが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている。一方、反応性ウレタンホットメルト接合部80の長辺方向両端部には、トップシート10が存在しないので、表面シートとしてサイドシート40と外装シート20とが反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている。
図4および図5の態様において、反応性ウレタンホットメルト接合部は、おむつ本体の縦方向の端縁から、2cm以上の幅で設けられることが好ましく、2.5cm以上の幅で設けられることがより好ましく、3.0cm以上の幅で設けられることがさらに好ましく、10cm以下の幅で設けられることが好ましく、8cm以下の幅で設けられることがより好ましく、6cm以下の幅で設けられることがさらに好ましい。
図6には、使い捨ておむつの幅方向両端部において、使い捨ておむつの股部2cの両側部のみに反応性ウレタンホットメルト接合部80が設けられている。使い捨ておむつの股部2cの両側部と吸収コアとは、近接している。吸収コアに近接している領域に、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、使い捨ておむつから、排泄液が漏れるのを効果的に防止することができる。
図7には、使い捨ておむつの幅方向両側部において、縦方向(前後方向)の長さに全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部80が設けられている。反応性ウレタンホットメルト接合部80を、使い捨ておむつの縦方向(前後方向)全域に設けることにより、排泄液が使い捨ておむつの幅方向両側部から、排泄液が漏れるのを効果的に防止できる。
図6および図7の態様において、反応性ウレタンホットメルト接合部80は、おむつ本体の幅方向の側縁から、10cm以上の幅で設けられることが好ましく、13cm以上の幅で設けられることがより好ましく、15cm以上の幅で設けられることがさらに好ましく、28cm以下の幅で設けられることが好ましく、24cm以下の幅で設けられることがより好ましく、20cm以下の幅で設けられることがさらに好ましい。
図8は、使い捨ておむつの幅方向両側部において、縦方向(前後方向)の長さに全域に渡って、反応性ウレタンホットメルト接合部80が設けられる変形例である。反応性ウレタンホットメルト接合部80の幅方向内側縁は、使い捨ておむつの縦方向に直線状とされている。使い捨ておむつの前方部2aおよび後方部2bでは、反応性ウレタンホットメルト接合部80は、ほぼ一定の幅を有するが、股部2cでは、股部2cの外縁のくびれに応じて、反応性ウレタンホットメルト接合部80の幅が狭くなっている。
図9には、使い捨ておむつの幅方向両側部において縦方向(前後方向)の長さ全域、および、縦方向両端部において幅方向の長さ全域において、反応性ウレタンホットメルト接合部が設けられている。吸収コアの周囲に位置する全域に、反応性ウレタンホットメルト接合部を設けることにより、使い捨ておむつから排泄液が漏れ出すのが、より確実に防止される。
図10(a)には、図4に示した反応性ウレタン接合部80において、反応性ウレタンホットメルト接着剤72を塗布する態様を示した。反応性ウレタンホットメルト接着剤72が、使い捨ておむつの縦方向と略平行にストライプ状に塗布されている。反応性ウレタンホットメルト接着剤は、例えば、表面シートおよび外装シートの少なくとも一方の縦方向両端部に塗布されればよく、表面シートおよび外装シートの両方の縦方向両端部に塗布されることも好ましい。反応性ウレタンホットメルト接着剤は、例えば、幅0.7mm〜1.5mmのストライプ状に、ストライプのピッチ間距離が、1mm〜3mmで塗布されることが好ましい。
図10(b)には、図4に示した反応性ウレタン接合部80において、反応性ウレタンホットメルト接着剤72と、非反応性ホットメルト接着剤55とを塗布する態様を示した。この態様は、例えば、非反応性ホットメルト接着剤55を外装シートの縦方向端部の肌面側に塗布し、反応性ウレタンホットメルト接着剤72を表面シートの縦方向端部の外面側に塗布することで得られる。また、逆に、例えば、反応性ウレタンホットメルト接着剤72を外装シートの縦方向端部の肌面側に塗布し、非反応性ホットメルト接着剤55を表面シートの縦方向端部の外面側に塗布するようにしてもいい。
図10(b)の態様において、反応性ウレタンホットメルト接着剤は、例えば、幅0.7mm〜1.5mmのストライプ状に、ストライプのピッチ間距離が、1mm〜3mmで塗布されることが好ましい。また、非反応性ホットメルト接着剤55は、例えば、幅0.7mm〜3.5mmのストライプ状に、ストライプのピッチ間距離が、1mm〜9mmで塗布されることが好ましい。反応性ウレタンホットメルト接着剤のストライプと、非反応性ホットメルト接着剤のストライプとは、重なり合ってもよいが、重なり合わないことが好ましい。すなわち、非反応性ホットメルトのストライプは、反応性ウレタンホットメルトのストライプ間の間隙に存在することが好ましい。
図11には、図8に示した反応性ウレタン接合部80において、反応性ウレタンホットメルト接着剤72を塗布する態様を示した。反応性ウレタンホットメルト接着剤72は、使い捨ておむつの縦方向と略平行にストライプ状に塗布されている。反応性ウレタンホットメルト接着剤は、例えば、表面シートおよび外装シートの少なくとも一方の縦方向両端部に塗布されればよく、表面シートおよび外装シートの両方の縦方向両端部に塗布されることも好ましい。
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、吸収コアと、吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、前記使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、前記表面シートと外装シートとを、反応性ウレタンホットメルト接着剤により接合する接合部を設けることを特徴とする。
反応性ウレタンホットメルト接着剤は、使い捨ておむつの縦方向両端部あるいは幅方向両側部において、表面シートと外装シートとを接合することができる限り、表面シートおよび外装シートのいずれに塗布してもよく、おむつ本体の構成、表面シートと外装シートの接合態様などに基づいて、適宜決定すればよい。表面シートおよび外装シートの両方に反応性ウレタンホットメルト接着剤を塗布するようにしてもよい。
例えば、図8および図11に示した使い捨ておむつの態様のように、縦方向(前後方向)全域の幅方向両側部において、表面シートと外装シートとを反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物で接合する製造方法について、以下、説明する。
ア)外装シート(バックシート)20の肌面側に、非反応性ホットメルト接着剤55と反応性ウレタンホットメルト接着剤72とを塗布する工程。非反応性ホットメルト接着剤55は、外装シート(バックシート)の吸収コアが配置される箇所に塗布される。吸収コア30は、この非反応性ホットメルト接着剤55によって、外装シート(バックシート)20と接合される。吸収コア30が配置されない外装シート(バックシート)20の幅方向両側部には、反応性ウレタンホットメルト接着剤72を塗布する。反応性ウレタンホットメルト接着剤72は、使い捨ておむつの両側部において、外装シート(バックシート)20とサイドシート40とを接合する。非反応性ホットメルト接着剤55および反応性ウレタンホットメルト接着剤72は、接触式あるいは非接触式の塗布装置によって塗布されることが好ましい。また、ストライプ状あるいはスパイラル状に塗布することができる。
イ)吸収コア30を、非反応性ホットメルト接着剤55が塗布された外装シート(バックシート)20上に積層する工程。積層時には、外装シート(バックシート)20の幅方向中心線と吸収コア30の幅方向中心線とが、略一致するように位置取りすることが好ましい。
ウ)トップシート10とサイドシート40とを積層する工程。
トップシート10の肌面側の幅方向両端部もしくはサイドシート40に塗布された接着剤により、または、熱溶着により、トップシート10の肌面側の幅方向両端部にサイドシート40を接合して、トップシート10の肌面側の幅方向両端部にサイドシート40を接合した積層体(表面シート)を作製する。なお、トップシート10とサイドシート40とを予め積層することなく、吸収コアが配置された外装シート20にトップシート10およびサイドシート40を順次積層するようにしてもよい。
また、サイドシート40の外面側の幅方向内側領域の縦方向両端部において、非反応性ホットメルト接着剤55を塗布しておくことが好ましい。サイドシート40の幅方向内側部は、縦方向両端部において、非反応性ホットメルト接着剤55によりトップシート10に接合される。サイドシート40の幅方向内側領域の起立部に相当する箇所には、非反応性ホットメルト接着剤55は、塗布しないことが好ましい。非反応性ホットメルト接着剤55は、接触式あるいは非接触式の塗布装置によって塗布されることが好ましい。また、非反応性ホットメルト接着剤55は、ストライプ状あるいはスパイラル状に塗布することが好ましい。
エ)ファスニング部材60(ファスニング基材61の固定端部61a)の肌面側に、非反応性ホットメルト接着剤55を塗布する工程。非反応性ホットメルト接着剤55は、接触式あるいは非接触式の塗布装置によって塗布されることが好ましく、接触式がより好ましい。また、非反応性ホットメルト接着剤は、カーテン状、オメガ状、ストライプ状あるいはスパイラル状に塗布することが好ましく、ストライプ状がより好ましい。
オ)トップシート10とサイドシート40との積層体(表面シート)に、ファスニング部材60を積層する工程。ファスニング部材60の肌面側に塗布された非反応性ホットメルト接着剤55により、サイドシート40の外面側の幅方向両端部にファスニング部材60の肌面側を接合して、サイドシート40の外面側の幅方向両端部にファスニング部材60を接合した積層体(トップシート10とサイドシート40とファスニング部材60との積層体)を作製する。
カ)トップシート10とサイドシート40とファスニング部材60との積層体の外面側に、非反応性ホットメルト接着剤55と、反応性ウレタンホットメルト接着剤72とを塗布する工程。非反応性ホットメルト接着剤55は、トップシート10の外面側に塗布されることが好ましい。また、サイドシート40の外面側には、反応性ウレタンホットメルト接着剤72が塗布されることが好ましい。この非反応性ホットメルト接着剤55は、トップシート20と吸収コア30とを接合するために使用される。反応性ホットメルト接着剤72は、サイドシート40と外装シート20とを接合するために使用される。ホットメルト接着剤は、接触式あるいは非接触式の塗布装置によって塗布されることが好ましい。また、ホットメルト接着剤は、ストライプ状あるいはスパイラル状に塗布することが好ましい。
キ)トップシート10とサイドシート40とファスニング部材60との積層体と、吸収コア30が配置された外装シート(バックシート)20とを積層し、おむつ本体を作製する工程。すなわち、表面シート(サイドシート40)と外装シート(バックシート)20の幅方向両端部は、反応性ウレタンホットメルト接着剤72によって接合される。接合部は、ローラなどで加圧処理されることが好ましい。
カ)反応性ウレタンホットメルト接着剤を用いて、製造した使い捨ておむつは、湿度40%〜90%、15〜30℃で、120時間程度養生することが好ましい。養生は、特別な処理を必要とせず、最終製品として、倉庫に保管していることによる行うことが好ましい。前記条件で養生することにより、反応性ウレタンホットメルト接着剤の湿気硬化反応が進んで硬化する。その結果、3次元架橋構造が形成され、耐熱接着強度が発現される。
次に、図12ないし図15を参照して、表面シート10または外装シート20(以下、「表面シートなど10(20)」という場合がある)にホットメルト接着剤を塗布する工程について、具体的に説明する。
表面シートなど10(20)へのホットメルト接着剤の塗布は、図12に示すようなコーターヘッド151を用いて行われることが好ましい。このコーターヘッド151は、ホットメルト接着剤を排出する後述する接着剤排出部152,153が塗工面(ここでは、表面シート10または外装シート20の表面)に接触した状態で配置される、あるいは僅かな隙間を介して近接して配置される接触式の接着剤塗布装置である。また変形例として、ホットメルト接着剤を排出する接着剤排出部152,153が塗工面と間隔をあけて配置されるスパイラル塗布装置等の非接触式の接着剤塗布装置を採用してもよい。
このコーターヘッド151は、図13ないし図15に示すように、種類が異なるホットメルト接着剤が排出される複数(例えば2つ)の接着剤排出部152,153を有する。接着剤排出部152、153は、接着剤塗布領域に対応する位置に配置されている。反応性ウレタンホットメルト接着剤と非反応性ホットメルト接着剤は、いずれの接着剤排出部152,153から排出するようにしてもよい。そして、この接着剤排出部152,153が表面シートなど10(20)の反応性ウレタンホットメルト接合部80を形成すべき位置に対向するようにコーターヘッド151を配置し、接着剤排出部152,153からホットメルト接着剤を排出させながら、表面シートなど10(20)を縦方向Yと平行な搬送方向に搬送することにより、表面シートなど10(20)の所定位置に縦方向Yにそってホットメルト接着剤が帯状に塗布される。
次に、コーターヘッド151の具体的な構成例について説明する。なお、コーターヘッド151の構成としては種々の構成が採用可能であり、ここで説明する構成に限定されるものではない。コーターヘッド151は、図13ないし図15に示すように、第1及び第2ヘッド部156,157と、シム158とを備えている。第1及び第2ヘッド部156,157は、それらの間にシム158を挟み込んで互いに対向した状態で固定される。
シム158は、略板状の形状を有し、複数(ここでは2つ)の接着剤排出部152,153が形成されている。各接着剤排出部152,153には、シム158の下縁の一部が略くし歯状に下降されて1又は複数のスリット159が形成されている。
第1ヘッド部156のシム158との対向面におけるシム158の接着剤排出部152と対向する部分には、接着剤排出部152に、例えば、反応性ウレタンホットメルト接着剤を供給するための接着剤供給凹部156aが設けられている。接着剤供給凹部156aへの接着剤の供給は、供給路156bを介して行われる。また、第2ヘッド部157のシム158との対向面におけるシム158の接着剤排出部153と対向する部分には、接着剤排出部153に、例えば、非反応性ホットメルト接着剤を供給するための接着剤供給凹部157aがそれぞれ設けられている。接着剤供給凹部157aへの接着剤の供給は、供給路157bを介して行われる。
なお、この図15等に示す構成では、接着剤排出部152,153に接着剤を供給するための2つ接着剤供給凹部156a,157aを2つのヘッド部156,157に分けて形成するようにしたが、いずれか一方のヘッド部156,157に2つの接着剤供給凹部156a,157aをすべて形成して他方のヘッド部156,157を省略してもよい。
前記のような接着剤の塗布工程によれば、表面シートなど10(20)への反応性ウレタンホットメルト接着剤72と、非反応性ホットメルト接着剤55が1つのコーターヘッド151によって同時に塗布されるため、製造工程の簡略化が図れる。
また、コーターヘッド151を接着剤の種類毎に複数配置するようにしてもよい。例えば、1つのコーターヘッドで、反応性ウレタンホットメルト接着剤72あるいは非反応性ホットメルト接着剤55のいずれか一方を塗布し、2つ目のコーターヘッドで、他方のホットメルト接着剤を塗布するようにすればよい。
前記では、表面シートなど10(20)に反応性ウレタンホットメルト接着剤と非反応性ホットメルト接着剤とを塗布する方法について説明したが、反応性ウレタンホットメルト接着剤のみを塗布する場合には、ホットメルト接着剤として、反応性ウレタンホットメルト接着剤のみを使用すればよい。また、コーターヘッドとして、1種類のホットメルト接着剤を塗布するものを用いることもできる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(溶融粘度)
JIS−K6662に準拠して、B型粘度計を用いて120℃で粘度を測定した。
(オープンタイム)
15mm幅のスパンボンド不織布(20g/m)に反応性ウレタンホットメルト接着剤を180℃で50g/m塗工する。次に、塗工から2秒以内に他のスパンボンド不織布(20g/m)を載置し、2kg荷重で圧着する。一定時間放置後、剥離速度300mm/minで、180°剥離試験を行い、接着剤塗工時から、塗工領域における80%以上の不織布が材質破壊したときの剥離試験時までに経過した時間をオープンタイムとした。
(接着力試験)
おむつ本体の後方部における幅方向の両側縁部とファスニング部材とを、反応性ウレタンホットメルト接着剤で接合して、使い捨ておむつを製造した。サイドシートの外面側接合面とファスニング基材の肌面側接合面が、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物で接合されている。製造後、所定時間経過後の使い捨ておむつを用い、サイドシートとファスニング部材の接合部からサイドシートから外方に延出するファスニング部材に至る長さ100mmの試験片を、50mm幅で作製した(図16参照、試験片90)。試験片の長手方向が引っ張り方向となるように、引っ張り試験機(エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTG−1210)の上側チャックにファスニング部材、下側チャックにサイドシートをそれぞれ取り付けた。次いで、試験片を300mm/分の速度で180度の方向に引っ張り、ファスニング部材がおむつ本体から剥離されるまで応力を測定し、応力の最大値を接着力とした。結果を表1に示した。なお、接着力は、5つの使い捨ておむつの左右のファスニング部材のそれぞれについて試験を行い、平均値で示した。
Figure 2019165830
表1の結果から、明らかなように、反応性ウレタンホットメルト接着剤を用いた接合部は、経時により接着力が高くなっていることが分かる。この結果は、反応性ウレタンホットメルト接着剤が、湿気硬化反応により、接着力を発現していることを示している。
(耐熱接着力試験)
製造後、常温で5日以上経過した使い捨ておむつを用い、ファスニング部材より幅方向内方に位置するおむつ本体から、ファスニング部材とおむつ本体が重なる部分を介し、おむつ本体より幅方向外方に位置するファスニング部材に到る領域を含む、長さ100mmの試験片を幅25mmで作製した。次に、ファスニング部材に500gの錘を取り付けた後、おむつ本体側を上にして40℃雰囲気下で吊り上げ、ファスニング部材がおむつ本体から離れて落下するまでの時間を測定した。結果を表2に示した。なお、サイドシートの外面側接合面とファスニング基材の肌面側接合面が、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物で接合されている。また、剥離時間は、4つの使い捨ておむつの左右のファスニング部材のそれぞれについて試験を行い、平均値で示した。
Figure 2019165830
反応性ホットメルト接着剤を使用した接合部の剥離時間は、1000分以上であり、非反応性ホットメルト接着剤を使用した接合部の剥離時間は73分である。この結果より、反応性ホットメルト接着剤を使用した接合部は、耐熱接着性に優れていることが分かる。
接着力試験、および、耐熱接着力試験において、ホットメルト接着剤としては、以下の特性を有するものを使用した。
[反応性ウレタンホットメルト接着剤A]
A)溶融粘度13000〜20000mPa・s/120℃
B)軟化点100〜130℃
C)ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、1000〜10000
D)ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有率(NCO%)は、1.7〜5.0
E)ポリイソシアネートのイソシアネート基の合計と、ポリオール(B)水酸基の合計との比率(以下、NCO/OH比と記す)は、1.1〜5.0
[非反応性ホットメルト接着剤B]
モレスコ社製の非反応性ホットメルト接着剤(SBS系ブロック共重合体、溶融粘度5200mPa・s/160℃、軟化点102℃)
1:使い捨ておむつ、2:おむつ本体、2a:前方部、2b:後方背部、2c:股部、10:トップシート、20:バックシート、30:吸収コア、40:サイドシート、41:サイドシート用弾性部材、51:腰周り用弾性部材、52:足周り用弾性部材、55:ホットメルト接着剤、60:ファスニング部材、61:ファスニング基材、62:つまみ部、63:第1止着部材、70:第2止着部材、72:反応性ウレタンホットメルト接着剤、90:試験片

Claims (10)

  1. 吸収コアと、
    吸収コアの肌面側に設けられた表面シートと、
    吸収コアの外面側に設けられた外装シートとを有する使い捨ておむつであって、
    前記使い捨ておむつの縦方向両端部および幅方向両側部の少なくとも一箇所において、
    前記表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられていることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 使い捨ておむつの縦方向両端部において、少なくとも吸収コアが設置されている幅に渡って、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記使い捨ておむつの幅方向両側部において、少なくとも吸収コアが設置されている長さに渡って、表面シートと外装シートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられている請求項1または2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記表面シートは、トップシートであり、前記外装シートは、バックシートである請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記表面シートは、トップシートと前記トップシートの幅方向両側部に設けられたサイドシートからなる積層シートであり、前記外装シートは、バックシートであり、前記使い捨ておむつの幅方向両側部において、サイドシートとバックシートとが、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物により接合されている接合部が設けられている請求項1または3に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記接合部は、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物のみにより接合されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記接合部は、反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物と、非反応性ホットメルト接着剤とにより接合されている請求項1〜5のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記接合部における反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物の塗布量が、5g/m〜30g/mである請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記接合部における非反応性ホットメルト接着剤の塗布量が、10g/m〜30g/mである請求項7または8に記載の使い捨ておむつ。
  10. 前記接合部における反応性ウレタンホットメルト接着剤の硬化物と非反応性ホットメルト接着剤との塗布量の質量比率が、5/30〜30/10である請求項7〜9のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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