JP2019165302A - エキサイタ - Google Patents

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実 上野
駒田 政夫
Masao Komada
政夫 駒田
高田 直樹
Naoki Takada
直樹 高田
藤田 大輔
Daisuke Fujita
大輔 藤田
和男 野口
Kazuo Noguchi
和男 野口
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Abstract

【課題】磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置しなくてもローリング現象を抑え、フレームの小型化に有利なエキサイタを提供する。【解決手段】エキサイタ1は、略直方体形状のフレーム2と、磁気回路3と、磁気回路3とフレーム2とを接続する複数本のダンパー4とを備え、磁気回路3とフレーム2とをつなぐ各ダンパー4はスタビライザー21でつながれている。【選択図】図1

Description

本発明は、エキサイタに関する。
エキサイタは、ヨークと磁石とを備えた磁気回路と、磁気回路とフレームとをつなぐダンパーとを備えている。一般的にエキサイタは、丸型であり、つまり、略円柱形状の磁気回路よりも大径の円筒形状のフレームを備え、磁気回路の周方向に間隔を空けて複数本のダンパーを配置している(例えば、特許文献1の図6、図7参照)。
特開2016−76763号公報
ところで、従来の構成は、磁気回路が中心軸から外れた振動をしないように磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置できる丸型形状を採用している。
しかし、磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置する構成の場合、エキサイタの外形サイズが大きくなり、配置スペースに配置できないおそれが生じる。例えば、磁気回路の直径と同程度の幅しかないスペースには、フレームが収まらない事態が生じる。一方、磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置しないと、ダンパーを軸とした回転方向の振動であるローリング現象が発生してしまう。
そこで、本発明では、磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置しなくてもローリング現象を抑え、フレームの小型化に有利なエキサイタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のエキサイタは、ヨークと磁石とを備えた磁気回路と、前記磁気回路とフレームとをつなぐ複数本のダンパーと、前記複数本のダンパーのいずれか同士をつなぐスタビライザーとを備えることを特徴とする。
上記構成において、各ダンパーは、隣接する他のダンパーに向けて湾曲する湾曲部を有し、前記スタビライザーは、前記湾曲部同士をつないでもよい。
上記構成において、前記スタビライザーは、前記ダンパーが隣り合う方向に沿って直線状に延びて前記隣り合うダンパーをつないでもよい。
上記構成において、前記スタビライザーは、各ダンパーの中央部分をつないでもよい。
上記構成において、前記磁気回路には、平面視で所定方向に沿った両側に一対の前記ダンパーがそれぞれ設けられ、各一対の前記ダンパーは、対となる相手側に湾曲する湾曲部を有し、各湾曲部が前記スタビライザーでそれぞれつながれてもよい。
上記構成において、前記フレームは、平面視で前記所定方向を長手方向とする非真円形状であり、前記磁気回路における前記長手方向に直交する両側には前記ダンパーを配置不能なフレーム形状でもよい。
本発明によれば、磁気回路の周囲に均等にダンパーを配置しなくてもローリング現象を抑え、フレームの小型化に有利なエキサイタを提供できる。
本発明の実施形態に係るエキサイタの斜視図である。 静止状態のエキサイタの側方断面図である。 振動状態のエキサイタの側方断面図である。 エキサイタの平面図である。 従来のエキサイタの斜視図である。 エキサイタのシミュレーション結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るエキサイタ1の斜視図である。また、図2は静止状態のエキサイタ1の側方断面図であり、図3は振動状態のエキサイタ1の側方断面図である。なお、図中、符号Zはエキサイタ1の振動方向を示している。
図1及び図2に示すように、このエキサイタ1は、略直方体形状のフレーム2と、磁気回路3(振動体とも称する)と、磁気回路3とフレーム2とを接続する複数本(本構成では4本)のダンパー4とを備えている。
フレーム2は、図1等に示すX方向に沿って延びる中空形状のフレームであり、X方向を長手方向とし、Y方向を短手方向としている。より具体的には、このフレーム2は、X方向に延びる長方形の開口部を有する筒状のフレームに形成されている。なお、X方向及びY方向は、Z方向に対して直交する平面に沿った方向である。このフレーム2には、Z方向の一側(図1中、上側)にダンパー4を介して磁気回路3が保持される。このフレーム2の材料は特に限定されるものではないが、例えば、金属材又は樹脂材によって十分な剛性を有するフレームに形成されている。
図2に示すように、磁気回路3は、ヨーク31と、円盤状磁石32と、プレート33とをZ方向に順に積層することによって構成されている。ヨーク31は有底の円筒形状に形成され、円盤状磁石32はヨーク31の内部底面中央に重ねられ、プレート33は円盤状磁石32に重ねられる。
プレート33も円盤状磁石32と同様に円盤状に形成されるが、その直径は、円盤状磁石32の直径よりも僅かに大径となっている。また、ヨーク31は、円盤状磁石32及びプレート33よりも大径に形成され、このヨーク31の側部にダンパー4の一端がそれぞれ連結される。
また、フレーム2には、ダンパー4の反対側(図2中、上側)に板状部材5が取り付けられ、この板状部材5にボイスコイルボビン6が取り付けられる。ボイスコイルボビン6は、Z方向を軸方向とする筒形状を有し、ヨーク31の内側面と、円盤状磁石32及びプレート33の外側面との間の間隙内へと延出する。このボイスコイルボビン6に電流が供給されることによって、図3に示すように、磁気回路3がZ方向(ボイスコイルの軸方向)に沿って振動する。図中、符号C1は、ボイスコイルボビン6及び磁気回路3を構成する各部材の中心軸である。なお、板状部材5はフレーム2と一体でも良いし、別体でも良い。
図4はエキサイタ1の平面図を示している。
図4に示すように、本構成のダンパー4は、磁気回路3に対して等角度間隔に設けられておらず、磁気回路3に対してX方向に沿った両側に、それぞれ複数本(本構成では2本)のダンパー4をY方向に間隔を空けて設けている。
このようなダンパー配置にすることで、フレーム2中の互いに対向する長辺部分2L(Y方向に沿って対向する部分であり、以下、フレーム長辺部2Lと言う)を、磁気回路3に寄せることができる。これによって、フレーム長辺部2Lの離間距離を、磁気回路3の外径と同等にでき、フレーム2の短手方向Yの長さLYを短くすることができる。
また、フレーム2中の互いに対向する短辺部分2S(X方向に沿って対向する部分であり、以下、フレーム短辺部2Sと言う)については、磁気回路3との間に相対的に広い隙間Sを確保できる。この隙間Sにより、ダンパー4の配置スペースを十分に確保できる。また、ダンパー4の裏側にも、フレーム短辺部2Sと磁気回路3との間に広い空間(隙間Sに相当)が空くので、このエキサイタ1を他の部材に取り付けるためのねじ等の固定部品を固定する被固定部(図4中、符号8で示す)を容易に設けることが可能である。
被固定部8は、上記板状部材5に設けても良いし、或いは、フレーム2の内周面に別途設けるようにしてもよい。なお、図4では、被固定部8を、フレーム2の4つの角部に対応する箇所に設ける場合を例示しているが、被固定部8の位置及び数は適宜に変更可能である。
図5は従来のエキサイタ100を示している。なお、エキサイタ1と略同様の構成については同一の符号を付して示している。
このエキサイタ100は、磁気回路3よりも大径の円筒形状のフレーム102を備え、磁気回路3の周方向に等角度間隔でダンパー104を配置した構成である。ダンパー104を等角度間隔で配置できるので、ダンパー104を均等に弾性保持できる。しかしながら、各ダンパー104の配置スペースを確保する必要があるため、フレーム102を磁気回路3の外径と同程度まで小径化することはできない。従って、同じ磁気回路3を使用する場合では、本実施形態のエキサイタ1の方が幅が狭いスペースに配置可能である。
また、このエキサイタ100は、フレーム102内側の空き空間が狭いため、フレーム102内側に雌ねじ等の被固定部を設けることができない。このため、フレーム102の径方向外側に延びる一対のステー105を設け、各ステー105に被固定部108を設ける必要が生じる。この構成によれば、フレーム102を小径にしても、ステー105の分、エキサイタ100が大型化する。
これに対し、本実施形態のエキサイタ1は、図4に示すように、フレーム102内側に被固定部108を配置可能な十分なスペース(隙間S)を確保でき、上記エキサイタ100と比べて最大長さを抑えやすくなる。
このように、本実施形態のエキサイタ1は、円筒形状のフレーム102を有するエキサイタ100と比べて、外形サイズを小型化でき、狭い場所に配置し易くなる。
ところで、図4に示すように、本構成の磁気回路3には、平面視でX方向に沿った両側だけに一対のダンパー4が配置されるので、ダンパー4を軸とした回転方向の振動、つまり、ローリング現象が発生し易くなる。その原因は、全てのダンパー4が同じ撓みを行うことが磁気回路3が中心軸C1から外れずに振動する要件であり、本構成では、幅を抑えた短手方向Yではダンパー4の振動の制約がなくなり、フリーで振動してしまうからである。
また、このエキサイタ1によって広範囲の音声を再生できるようにするには最低周波数を低めに抑えることが理想であり、このためダンパー4は細長いものとなる。ダンパー4が細いことによってもローリング現象が発生し易くなる。
さらに、ダンパー4の形状が同じであっても、微細な加工誤差や磁力が一様に働かないこと等によっても、ローリング現象が発生する。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、複数本のダンパー4同士をつなぐスタビライザー21を設けている。
ダンパー4は、磁気回路3につながる一端部4Aと、フレーム2(フレーム短辺部2S)につながる他端部4Bとの間に、対となる相手側に凸に湾曲する湾曲部4Cを有している。各ダンパー4は、弾性を備えた金属板等の板部材で形成され、上記湾曲部4Cを有することによって、磁気回路3の振動を低減させずにフレーム2へ振動を伝達し易い形状となっている。なお、本構成の各ダンパー4は、ダンパー4の中央部分に湾曲部4Cを有する点を含めて全て同形状である。但し、ダンパー4の形状は適宜に変更してもよい。
スタビライザー21は、ダンパー4と同じ材料、つまり、弾性を備えた金属板等の板材で形成され、かつ、ダンパー4と一体に形成されている。
各スタビライザー21は、フレーム2の短手方向Yに間隔を空けて配置される一対のダンパー4をつないでいる。より具体的には、各スタビライザー21は、一対のダンパー4の湾曲部4C間をY方向に沿って延びる直線形状に形成され、一対のダンパー4を最短距離でつなぐ。
また、各スタビライザー21は、各ダンパー4の中央部分(各ダンパー4の長手方向Xに沿う長さの中央位置に相当)をつないでおり、換言すると、磁気回路3とフレーム2との間の中間位置にて各ダンパー4をつないでいる。
隣接する一対のダンパー4同士をスタビライザー21によってつなぐので、各ダンパー4が独立して回転することが規制され、エキサイタ1のローリング現象が抑えられる。しかも、各ダンパー4の湾曲部4C同士をつなぐので、スタビライザー21の全長を短くでき、その分、スタビライザー21単体の剛性を向上できると共に、湾曲部4Cを基準にして各ダンパー4が容易に弾性変形し易く、ダンパー特性への影響を抑えることもできる。
また、各スタビライザー21は、隣接するダンパー4が隣り合う方向に直線状に延びるので、隣接するダンパー4を最短距離でつなぐことできる。これによってもスタビライザー21単体の剛性が向上する。
また、各スタビライザー21は、各ダンパー4の中央部分をつなぐので、磁気回路3とスタビライザー21との間のダンパー長、及び、スタビライザー21とフレーム2との間のダンパー長のそれぞれを均等に確保できる。これによって、ダンパー特性へのスタビライザー21の影響がより抑えられる。
本構成では、図4に示すように、Y方向に隣接する一対のダンパー4の両端部(一端部4A、及び他端部4B)を、フレーム長辺部2Lに可及的に寄せている。これによって、一対のダンパー4の一端部4A同士の離間距離L1、及び他端部4B同士の離間距離L2を、フレーム2の短手方向Yの長さLYと略同じ長さまで拡げ、ローリング現象をより抑えることができる。
図6はエキサイタ1のシミュレーション結果を示す図である。
図6中、実施例1は、図4に示したエキサイタ1であり、つまり、スタビライザー21が各ダンパー4の中央部分(磁気回路3とフレーム2との間の中間位置に相当)をつなぐ構成である。
実施例2及び実施例3は、実施例1とスタビライザー21の位置が異なっており、実施例2は、スタビライザー21をフレーム短辺部2Sに近接する位置に配置し、実施例3は、スタビライザー21をフレーム長辺部2Lに近接する位置に配置している。
比較例1は、スタビライザー21を備えない点を除いて、実施例1と同じである。
なお、実施例2及び3においては、スタビライザー21が湾曲部4C同士をつなぐ条件を満足するように、スタビライザー21の位置に合わせて湾曲部4Cの湾曲形状を変更している。
上記実施例1〜3及び比較例1について、ローリング現象の有無を確認し、実施例1については、更に再生可能な最低周波数を確認した。
図6に示すように、スタビライザー21を有する実施例1〜3は、ローリング現象が生じなかった。一方、スタビライザー21を備えない比較例1は、ローリング現象が発生した。
また、実施例1の最低周波数F1、実施例2の最低周波数F2、実施例3の最低周波数F3は、値F1<値F2<値F3の関係であった。従って、実施例1が最も低い周波数を再生でき、広範囲の音声再生に好適であった。
以上説明したように、本実施の形態では、磁気回路3とフレーム2とをつなぐ複数本のダンパー4のいずれか同士をつなぐスタビライザー21を設けるので、磁気回路3の周囲に均等にダンパー4を配置しなくてもローリング現象を抑えることができる。従って、フレーム2の形状の自由度が向上し、フレーム2の小型化が可能になる。
また、各ダンパー4は、隣接する他のダンパー4に向けて湾曲する湾曲部4Cを有し、各スタビライザー21は、湾曲部4C同士をつなぐので、スタビライザー21の全長が短くなってスタビライザー21単体の剛性が向上し、且つ、湾曲部4Cを基準にして各ダンパー4が容易に弾性変形でき、ダンパー特性への影響を抑えることが可能である。
また、各スタビライザー21は、ダンパー4が隣り合う方向(フレーム2の短手方向Yに相当)に沿って直線状に延びて隣り合うダンパー4をつなぐので、これによってもスタビライザー21単体の剛性が向上する。
また、各スタビライザー21は、各ダンパー4の中央部分をつなぐので、ダンパー特性へのスタビライザー21の影響を効率良く抑え、図6に示したように、効率良く低い周波数を再生可能になる。
また、磁気回路3には、平面視でX方向(所定方向に相当)に沿った両側に一対のダンパー4がそれぞれ設けられ、各一対のダンパー4は、対となる相手側に湾曲する湾曲部4Cを有し、各湾曲部4Cがスタビライザー21でそれぞれつながれるので、平面視でX方向に直交する方向(Y方向に相当)にダンパー4を配置しない構成が可能となる。
これにより、図4に示したように、フレーム2を、平面視でX方向を長手方向とする非真円形状であって、磁気回路3における長手方向に直交する両側には、ダンパー4を配置不能なフレーム形状にでき、フレーム2の外形サイズの小型が可能である。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、磁気回路3の両側に一対(2本)のダンパー4を設ける場合を説明したが、これに限定されない。例えば、磁気回路3の両側に 二対以上のダンパー4を設けてもよい。この場合も、各一対のダンパー4をスタビライザー21で連結することが好ましいが、ローリング現象を防止可能な範囲でスタビライザー21のつなぎ方を適宜に変更してもよい。
また、フレーム2の形状等についても適宜に変更してもよい。また、エキサイタ1の構成部品に公知の構成を広く適用可能である。また、特許文献1(特開2016−76763号公報)に記載するように、このエキサイタ1に振動板を取り付け、エキサイタ1によって振動板を振動させて音声を出力する構成にしてもよい。
1、100 エキサイタ
2 フレーム
2L フレーム長辺部
2S フレーム短辺部
3 磁気回路
4 ダンパー
4A 一端部
4B 他端部
4C 湾曲部
5 板状部材
6 ボイスコイルボビン
21 スタビライザー
X フレームの長手方向
Y フレームの短手方向
Z エキサイタの振動方向

Claims (6)

  1. ヨークと磁石とを備えた磁気回路と、
    前記磁気回路とフレームとをつなぐ複数本のダンパーと、
    前記複数本のダンパーのいずれか同士をつなぐスタビライザーと、
    を備えることを特徴とするエキサイタ。
  2. 各ダンパーは、隣接する他のダンパーに向けて湾曲する湾曲部を有し、
    前記スタビライザーは、前記湾曲部同士をつなぐことを特徴とする請求項1に記載のエキサイタ。
  3. 前記スタビライザーは、前記ダンパーが隣り合う方向に沿って直線状に延びて前記隣り合うダンパーをつなぐことを特徴とする請求項2に記載のエキサイタ。
  4. 前記スタビライザーは、各ダンパーの中央部分をつないでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエキサイタ。
  5. 前記磁気回路には、平面視で所定方向に沿った両側に一対の前記ダンパーがそれぞれ設けられ、
    各一対の前記ダンパーは、対となる相手側に湾曲する湾曲部を有し、各湾曲部が前記スタビライザーでそれぞれつながれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエキサイタ。
  6. 前記フレームは、平面視で前記所定方向を長手方向とする非真円形状であり、
    前記磁気回路における前記長手方向に直交する両側には前記ダンパーを配置不能なフレーム形状であることを特徴とする請求項5に記載のエキサイタ。
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