JP2019164882A - レドックスフロー電池、及びレドックスフロー電池の運転方法 - Google Patents

レドックスフロー電池、及びレドックスフロー電池の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期に亘り内部抵抗の増加を抑制できるレドックスフロー電池を提供する。【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極と、活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有し、前記電極に供給される電解液とを備えるレドックスフロー電池。【選択図】図1

Description

本発明は、レドックスフロー電池、及びレドックスフロー電池の運転方法に関する。
特許文献1には、隔膜の両側に配置される一対の電極(正極電極と負極電極)にそれぞれ電解液(正極電解液と負極電解液)を供給して、電極上の電気化学反応(電極反応)により充放電を行うレドックスフロー電池が開示されている。電極には、耐薬品性があり、導電性を有し、かつ通液性を有する炭素繊維の集合体が用いられている。
特開2002−246035号公報
レドックスフロー電池に対して、長期的に安定な性能を達成することが望まれる。長期に亘るレドックスフロー電池の運転では、正極電極に炭素繊維の集合体を用いると、電解液中で正極電極が酸化劣化し、内部抵抗の増加を招く虞がある。
そこで、長期に亘り内部抵抗の増加を抑制できるレドックスフロー電池を提供することを目的の一つとする。また、長期に亘り内部抵抗の増加を抑制できるレドックスフロー電池の運転方法を提供することを別の目的の一つとする。
本開示に係るレドックスフロー電池は、
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極と、
活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有し、前記電極に供給される電解液とを備える。
本開示に係るレドックスフロー電池の運転方法は、
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極に、活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有する電解液を循環供給して、充放電を開始する初期運転過程を含む。
上記レドックスフロー電池及び上記レドックスフロー電池の運転方法は、長期に亘り内部抵抗の増加を抑制できる。
実施形態に係るレドックスフロー電池の概略原理図である。 実施形態に係るレドックスフロー電池に備わる電極を示す模式図である。
[本発明の実施形態の説明]
レドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)の反応活性の向上や、耐久性の向上のために、RF電池に備わる電極に触媒として金属酸化物を担持させることを検討した。RF電池を長時間容量に設計すると電解液量が増加するため、電極に金属酸化物を担持させると、長期に亘るRF電池の運転において、電極に担持させた金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出するという問題がある。金属成分が電解液中に溶出すると、電解液中で電極が経時的に酸化劣化し、RF電池の反応活性が低下して、内部抵抗が増加する。
そこで、本発明者らは、長期に亘り電極に金属酸化物を担持可能な構成を検討した。その結果、電極に担持させる金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素を電解液中に予め溶解させておくことで、金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することを抑制でき、長期に亘り内部抵抗の増加を抑制できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池は、
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極と、
活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有し、前記電極に供給される電解液とを備える。
電極の基材上に金属酸化物を有することで、金属酸化物が触媒として機能してRF電池の反応活性を向上でき、かつ基材の酸化劣化を抑制して耐久性を向上できる。電極に供給される電解液中に、金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンを含有することで、電極の金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することを抑制できる。つまり、長期に亘るRF電池の運転においても、電極に金属酸化物を担持した状態を維持できる。金属酸化物の存在により、長期に亘り金属酸化物を触媒として機能させることができ、かつ長期に亘り電解液中で電極が酸化劣化することを抑制できる。そのため、上記構成によれば、RF電池の運転開始時から経時的にRF電池の内部抵抗が増加することを抑制できる。
(2)上記レドックスフロー電池の一形態として、前記金属酸化物は、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、スズ、アンチモン、タリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、及びイリジウムから選択される一種以上の金属元素を含有することが挙げられる。
上記に列挙した金属元素は、金属酸化物として電極に担持されることで、RF電池の反応性の向上や、耐久性の向上に効果的に寄与する。
(3)金属酸化物に上記金属元素を含有する上記レドックスフロー電池の一形態として、
前記電解液中の前記金属元素のイオンの濃度は、
チタンが0.01mM以上2M以下、
バナジウムが0.01mM以上1M以下、
ジルコニウムが0.01mM以上2M以下、
ニオブが10−9M以上10−3M以下、
モリブデンが10−5M以上10−3M以下、
ルテニウムが10−9M以上10−3M以下、
ロジウムが10−5M以上2M以下、
パラジウムが10−6M以上0.1M以下、
スズが10−9M以上1M以下、
アンチモンが10−6M以上10−3M以下、
タリウムが10−4M以上0.1M以下、
ハフニウムが10−5M以上2M以下、
タンタルが10−9M以上10−3M以下、
タングステンが10−9M以上10−2M以下、
レニウムが10−6M以上0.2M以下、
イリジウムが10−6M以上0.2M以下、の少なくとも一つを満たすことが挙げられる。
電解液中の金属元素のイオンの濃度が上記下限値以上を満たすことで、電極の金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出する際の溶出速度を遅くし易く、長期に亘るRF電池の運転においても、上記金属成分が電解液中に溶出することを抑制し易い。一方、電解液中の金属元素のイオンの濃度が上記上限値以下を満たすことで、その金属元素のイオンの溶解度を適切に出来ると共に、電解液中の活物質イオンの相対的な濃度の低下を抑制し易い。また、電解液中の金属元素のイオンの濃度が上記上限値以下を満たすことで、電解液中での金属元素のイオンが溶解限を超えることによって、その金属元素イオンに起因する析出物が発生することを抑制し易い。以上より、電解液中の金属元素のイオンの濃度が上記範囲を満たすことで、長期に亘りRF電池の内部抵抗の増加を抑制し易い。
(4)上記レドックスフロー電池の一形態として、前記電極の対極電極に供給される対極電解液は、前記金属元素のイオンを含有することが挙げられる。
電解液中の金属元素のイオンは、電極と対極電極との間に介在される隔膜を介した経時的な液移り等に起因して対極電解液に混入することがある。そうすると、電解液中の金属元素のイオンの濃度が経時的に減少してしまう。電解液中の金属元素のイオンと同じものが対極電解液に含有されることで、液移りに伴う電解液中の金属元素のイオンの減少を抑制でき、電極に金属酸化物を担持した状態をより維持し易い。
(5)対極電解液に金属元素のイオンを含有する上記レドックスフロー電池の一形態として、前記対極電解液中の前記金属元素のイオンの濃度が、前記電解液中の前記金属元素のイオンの濃度と同じであることが挙げられる。
上記構成によれば、液移りによる電解液中の金属元素のイオンの濃度の低下をより抑制し易い。
(6)本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池の運転方法は、
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極に、活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有する電解液を循環供給して、充放電を開始する初期運転過程を含む。
電極に供給される電解液中に、金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンを含有することで、電極の金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することを抑制できる。よって、RF電池の運転開始時から長期に亘り電極に金属酸化物を担持した状態を維持できる。金属酸化物の存在により、長期に亘り金属酸化物を触媒として機能させることができ、かつ長期に亘り電解液中で電極が酸化劣化することを抑制できる。そのため、RF電池の運転開始時から経時的にRF電池の内部抵抗が増加することを抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池(RF電池)を詳細に説明する。
〔RF電池の概要〕
RF電池1は、図1に示すように、電池セル100と、電池セル100に電解液を循環供給する循環機構とを備える。RF電池1は、代表的には、交流/直流変換器や変電設備等を介して、発電部と、電力系統や需要家等の負荷とに接続され、発電部を電力供給源として充電を行い、負荷を電力消費対象として放電を行う。発電部は、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所等が挙げられる。
〔RF電池の基本構成〕
電池セル100は、正極電解液が供給される正極電極12と、負極電解液が供給される負極電極14と、正極電極12と負極電極14との間に介在される隔膜11とを備える。正極電極12及び負極電極14は、供給された電解液に含まれる活物質イオンが電池反応を行う反応場である。隔膜11は、正極電極12と負極電極14とを分離すると共に、所定のイオンを透過する分離部材である。
正極電解液の循環機構は、正極電解液を貯留する正極タンク140と、正極タンク140と電池セル100との間を接続する配管142,144と、上流側(供給側)の配管142に設けられたポンプ146とを備える。負極電解液の循環機構は、負極電解液を貯留する負極タンク150と、負極タンク150と電池セル100との間を接続する配管152,154と、上流側(供給側)の配管152に設けられたポンプ156とを備える。
正極電解液は、正極タンク140から上流側の配管142を介して正極電極12に供給され、正極電極12から下流側(排出側)の配管144を介して正極タンク140に戻される。また、負極電解液は、負極タンク150から上流側の配管152を介して負極電極14に供給され、負極電極14から下流側(排出側)の配管154を介して負極タンク150に戻される。これら正極電解液の循環及び負極電解液の循環によって、正極電極12に正極電解液を循環供給すると共に、負極電極14に負極電解液を循環供給しながら、各極の電解液中の活物質イオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。図1において、正極タンク140内及び負極タンク150内に示すマンガンイオン及びチタンイオンは、正極電解液中及び負極電解液中に活物質として含むイオン種の一例を示す。図1において、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
RF電池1は、代表的には、複数の電池セル100が積層されたセルスタックと呼ばれる形態で利用される。電池セル100は、一面に正極電極12、他面に負極電極14が配置される双極板(図示せず)と、上記双極板の外周に形成された枠体(図示せず)とを備えるセルフレームを用いて構成される。枠体は、電解液を供給する供給孔及び電解液を排出する排出孔を有しており、複数のセルフレームを積層することで上記給液孔及び上記排液孔は電解液の流路を構成し、この流路に配管142,144,152,154が接続される。セルスタックは、セルフレーム、正極電極12、隔膜11、負極電極14、セルフレーム、…と順に繰り返し積層されて構成される。
RF電池1の基本構成は、公知の構成を適宜利用できる。
〔RF電池の主な特徴点〕
実施形態のRF電池1は、長期的に安定な性能を達成させるために、電極に触媒として金属酸化物を担持させると共に、この電極に供給される電解液に金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンを含有させる点を特徴の一つとする。この電極とは、上述した正極電極12や負極電極14のことであり、以下では電極10(図2)として説明する。
≪電極≫
電極10は、図2に示すように、基材110と、基材110の少なくとも一部を覆う金属酸化物120とを有する。電極10に金属酸化物120を担持させることで、RF電池1の反応活性を向上できると共に、耐久性を向上できる。
・基材
基材110は、電極10のベースを構成する。「ベースを構成する」とは、電極10のうち基材110の占める割合が50質量%以上であることを言う。基材110は、炭素(C)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、及びニオブ(Nb)から選択される一種以上の元素を含有する。基材110は、単一元素からなる材料、又は上記元素を含む合金や化合物からなる材料で構成されることが挙げられる。基材110は、導電性を有する。
基材110は、繊維であり、複数本の繊維が互いに絡み合う繊維集合体を構成するものが挙げられる。基材110は、その構造(繊維の組み合わせ形態)によって繊維集合体に占める繊維の割合が異なる。繊維集合体は、フェルトやペーパー(いずれも繊維を織っていないもの)、クロス(繊維を織ったものや繊維を撚った糸を織ったもの)等が挙げられる。これらの繊維集合体は、市販品や公知の製造方法によって製造されたものを利用できる。基材110が繊維で構成される場合、炭素繊維であることが好ましく、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンクロス等を好適に利用できる。
基材110を構成する繊維の横断面の平均径は、円相当径が3μm以上100μm以下であることが挙げられる。繊維の円相当径とは、繊維の横断面において、その断面積と同じ面積を有する円の直径のことである。繊維の円相当径が3μm以上であることで、繊維集合体の強度を確保し易い。一方、繊維の円相当径が100μm以下であることで、単位重量当たりの繊維の表面積を大きくでき、十分な電池反応を行うことができる。繊維の円相当径は、更に5μm以上50μm以下、特に7μm以上20μm以下であることが挙げられる。基材110を構成する繊維の横断面の平均径は、電極10を切断して繊維の横断面を露出させ、顕微鏡下で5視野以上、1視野について3本以上の繊維について測定した結果を平均することで求められる。
基材110による繊維集合体の空隙率は、40体積%超98体積%未満であることが挙げられる。繊維集合体の空隙率が40体積%超であることで、電解液の流通性を向上できる。一方、繊維集合体の空隙率が98体積%未満であることで、繊維集合体の密度が大きくなって導電性を向上でき、十分な電池反応を行うことができる。基材110による繊維集合体の空隙率は、更に60体積%以上95体積%以下、特に70体積%以上93体積%以下であることが挙げられる。
基材110は、繊維状以外に、粒子状等が挙げられ、それらが集合体となることで多孔質形状を構成するものが挙げられる。これらの繊維状以外の種々の多孔質形状を構成する集合体は、市販品や公知の製造方法によって製造されたものを利用できる。また、基材110は、発泡金属等のスポンジ状で素材自体が多孔質形状を有するものが挙げられる。素材自体が多孔質形状を有するものは、市販品等を利用できる。
・金属酸化物
金属酸化物120は、基材110の少なくとも一部を覆い、電池反応性を向上したり、基材110の酸化劣化を抑制したりする。金属酸化物120は、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、タリウム(Tl)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、及びイリジウム(Ir)から選択される一種以上の金属元素を含有する。金属酸化物120は、上記金属元素から選択される複数種を含有する場合、各金属元素の酸化物(TiO、SnO等)や、複数種の金属元素を含む複合酸化物((Ti,Sn)O等)の形態で存在する。
本例では、金属酸化物120は、粒状体で基材110の表面に分散して存在する。金属酸化物120は、粒状体以外に、短い繊維状体で存在することもある。金属酸化物120は、その一部が基材110に埋設され、残部が基材110から露出していてもよいし、実質的に全部が基材110に埋設されていてもよい。金属酸化物120は、基材110のほぼ全面を被覆していてもよい。
金属酸化物120は、X線光電子分光分析により求められる金属濃度が1原子%以上50原子%以下であることが挙げられる。金属濃度が1原子%以上であることで、RF電池1の電池反応性を向上し易く、基材110の酸化劣化を抑制し易い。一方、金属濃度が50原子%以下であることで、金属酸化物120の剥離を抑制し易い。金属酸化物120の金属濃度は、更に2原子%以上40原子%以下、特に3原子%以上30原子%以下であることが挙げられる。金属酸化物120の金属濃度は、未使用である運転前だけでなく、使用途中の任意のときに上記範囲を満たすことが好ましい。つまり、長期に亘り電極10に金属酸化物120が担持されていることが好ましい。
金属酸化物120を担持させた電極10は、例えば、基材110と、上述した金属元素を含有する塗布液とを準備し、塗布液を基材110の表面に塗布して熱処理を施すことで得られる。熱処理の条件としては、空気中で、400℃以上700℃以下×1時間以上24時間以下とすることが挙げられる。
≪電解液≫
金属酸化物120を担持させた電極10に供給される電解液は、活物質イオンと、金属酸化物120に含有される金属元素と同じ金属元素のイオン(以下、特定金属イオンと呼ぶ)とを有する。活物質イオンは、電子の受け渡しによる価数変化により電池反応に関与する。本例では、正極電解液の活物質イオンがマンガン(Mn)イオンであり、負極電解液の活物質イオンがチタン(Ti)イオンである(図1を参照)。特定金属イオンは、電極10の金属酸化物120が電解液中に溶出することを抑制する抑制剤の機能を有し、積極的には活物質として機能しない。つまり、特定金属イオンは、活物質イオンとは異なる金属種で構成される。
本例では、金属酸化物120を担持させた電極10(図2)を正極電極12(図1)に用い、金属酸化物120を担持させていない電極(基材110)を負極電極14(図1)に用い、正極電解液に特定金属イオン(図1ではMと表記)を有する形態を説明する。
・特定金属イオン
特定金属イオンは、電極10の金属酸化物120に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンであり、Ti,V,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Sn,Sb,Tl,Hf,Ta,W,Re,Irから選択される一種以上の金属元素のイオンである。金属酸化物120が複数種の金属元素を含有する場合、特定金属イオンも同様に複数種の金属元素のイオンを含有する。本例では、活物質イオンがMnイオンであるため、特定金属イオンとしてMnイオンは除く。
特定金属イオンとして列挙した各金属元素のイオンの濃度は、以下の少なくとも一つを満たすことが挙げられる。
チタンイオン:0.01mM以上2M以下
バナジウムイオン:0.01mM以上1M以下
ジルコニウムイオン:0.01mM以上2M以下
ニオブイオン:10−9M以上10−3M以下
モリブデンイオン:10−5M以上10−3M以下
ルテニウムイオン:10−9M以上10−3M以下
ロジウムイオン:10−5M以上2M以下
パラジウムイオン:10−6M以上0.1M以下
スズイオン:10−9M以上1M以下
アンチモンイオン:10−6M以上10−3M以下
タリウムイオン:10−4M以上0.1M以下
ハフニウムイオン:10−5M以上2M以下
タンタルイオン:10−9M以上10−3M以下
タングステンイオン:10−9M以上10−2M以下
レニウムイオン:10−6M以上0.2M以下
イリジウムイオン:10−6M以上0.2M以下
特定金属イオン(上記列挙した各金属元素のイオン)の濃度は、上記下限値以上であることで、電極10の金属酸化物120の金属成分が電解液中に溶出することを抑制し易い。具体的には、電極10の金属酸化物120の金属成分が電解液中に溶出する際の溶出速度を遅くし易い。特定金属イオンの濃度は、高いほど電解液中への金属酸化物120の金属成分の溶出を抑制し易い。特定金属イオンは、電解液中に飽和状態で含有されていることが好ましい。つまり、特定金属イオンの濃度は、上記上限値以下であることで、特定金属イオンの溶解度を適切にできると共に、電解液中の活物質イオンの相対的な濃度の低下を抑制できる。電解液に含まれる各種の金属イオン(特定金属イオン及び活物質イオン)の濃度は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光法やICP質量分析法等を利用することで測定できる。
特定金属イオンの濃度は、未使用である運転前だけでなく、使用途中の任意のときに上記範囲を満たすことが好ましい。特定金属イオンは、隔膜11(図1)を介した経時的な液移り等に起因して対極電解液(本例では、正極電解液を対象としているため、負極電解液が対極電解液となる)に混入し得る。よって、電極10の金属酸化物120の金属成分が溶出していないことを前提として、電解液中の特定金属イオンの濃度が経時的に減少する場合がある。そのため、対極電解液中にも特定金属イオンを含有することが好ましい。対極電解液中に特定金属イオンを含有することで、液移りに伴う特定金属イオンの減少を抑制できるからである。対極電解液中に特定金属イオンを含有する場合、その特定金属イオンは、対極電解液における活物質イオンとして存在していてもよい。つまり、特定金属イオンは、金属酸化物120を担持した電極に供給される電解液(正極電解液)中では活物質イオンとは異なる金属種イオンで構成されている(活物質として機能しない)が、対極電解液(負極電解液)中では活物質イオンとして構成されていてもよい。対象電解液に含有する特定金属イオンの濃度は、電解液中の特定金属イオンの濃度と同じとすることが好ましい。
負極電解液に特定金属イオンを含有する場合、金属種(例えばアンチモン等)によっては、負極液電位が低いと、活物質イオンと反応して負極電極を構成する繊維に析出物が形成される等の不具合を及ぼす虞がある。そのため、負極電解液に特定金属イオンを含有する場合、負極電解液中の活物質イオン種に応じて適宜選択すればよい。
本例では、正極活物質イオンとしてマンガン(Mn)イオン、負極活物質イオンとしてチタン(Ti)イオンを含むマンガン−チタン系電解液を説明した。その他、正極活物質イオン及び負極活物質イオンとして、価数の異なるバナジウム(V)イオンを含むバナジウム系電解液、正極活物質イオンとして鉄(Fe)イオン、負極活物質イオンとしてクロム(Cr)イオンを含む鉄−クロム系電解液等が挙げられる。電解液は、活物質イオンに加えて、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸から選択される少なくとも一種の酸又は酸塩を含む水溶液等を利用できる。
〔RF電池の運転方法〕
上記実施形態のRF電池1を用いて充放電を開始する。つまり、上記実施形態のRF電池1は、未使用の運転前の状態である。電極に触媒として金属酸化物を担持させた場合、長期に亘りRF電池1を運転する(充放電を繰り返す)と、電極に担持させた金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出する虞がある。上記実施形態のRF電池1は、電解液中に、金属酸化物の金属成分と同じ金属元素の特定金属イオンが含有されているため、電極に担持させた金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することが抑制される。よって、上記実施形態のRF電池1を用いて運転を開始すると、使用の任意のときにも運転開始前のRF電池1の状態(電極に担持させた金属酸化物量や、電解液中の金属イオンの濃度)が実質的に維持される。そのため、RF電池1の初期運転時から経時的にRF電池1の内部抵抗が増加することを抑制できる。
金属酸化物を担持させた電極は、正極電極に用いることが好ましい。長期に亘るRF電池1の運転では、正極電解液の酸化力が強いため、電解液中で正極電極(特に、炭素繊維の集合体で構成される正極電極)が酸化劣化し易いからである。負極電極は、正極電極に比較して酸化劣化し難いため、電極に金属酸化物を担持させなくてもよい。つまり、負極電極には、金属酸化物が担持されていない電極を用いることが好ましい。
〔用途〕
実施形態のRF電池1は、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化等を目的とした大容量の蓄電池に利用できる。また、実施形態のRF電池1は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした大容量の蓄電池としても好適に利用できる。
[試験例1]
基材に金属酸化物を担持させた電極を作製し、金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオン(特定金属イオン)を電解液中に含有した効果を調べた。
〔試料の作製〕
・試料No.1−1
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液に特定金属イオンあり)
正極電極として、カーボンペーパー(SGLカーボンジャパン株式会社製、10AA)にスズ酸化物(SnO)を担持させた電極を作製した。カーボンペーパーは、大きさが30mm×30mmで厚みが0.3mmであり、空隙率が80体積%である。このカーボンペーパーに、Sn源である塗布液(株式会社高純度化学研究所製、SYM−SN05)を塗布・乾燥し、空気中で500℃×1時間の焼成を施した。
負極電極には、正極電極と同様のカーボンペーパーを用いた。つまり、負極電極には、金属酸化物を担持させていない。
上記正極電極及び負極電極と、隔膜(デュポン株式会社製 ナフィオン(登録商標)212)とを用いて、正極電極−隔膜−負極電極を重ねた電池セルを、双極板を備えるセルフレームで挟んだ単セル構造のRF電池を作製した。
正極電解液には、活物質イオンとしてマンガンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてスズイオンとチタンイオンとを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。添加金属イオンのうちスズイオンが、電極に担持される金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンである特定金属イオンである。各濃度は、マンガンイオン:1M、チタンイオン:1M、スズイオン:0.01M、硫酸:5Mである。以下、電解液として、マンガンイオン:1Mと、チタンイオン:1Mと、スズイオン:0.01Mと、硫酸:5Mとを含有するものを組成Aと表する。
負極電解液には、活物質イオンとしてチタンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてマンガンイオンを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。負極電解液には、特定金属イオンであるスズイオンを含有していない。各濃度は、マンガンイオン:1M、チタンイオン:1M、硫酸:5Mである。以下、電解液として、マンガンイオン:1Mと、チタンイオン:1Mと、硫酸:5Mとを含有するものを組成Bと表する。
・試料No.1−2
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液・負極電解液に特定金属イオンあり)
試料No.1−1と同様の正極電極及び負極電極とを用いて電池セルを作製した。正極電解液及び負極電解液の双方に、組成Aの電解液を用いた。つまり、試料No.1−2は、負極電解液にも特定金属イオンであるスズイオンを含有した。試料No.1−2は、負極電解液の組成のみが試料No.1−1と異なる。
・試料No.1−3
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液に特定金属イオンあり)
正極電極として、試料No.1−1と同様のカーボンペーパーにチタン酸化物(TiO)を担持させた電極を作製した。カーボンペーパーに、Ti源である塗布液(株式会社高純度化学研究所製、SYM−TI05)を塗布・乾燥し、空気中で500℃×1時間の焼成を施した。負極電極には、試料No.1−1と同様のカーボンペーパーを用い、試料No.1−1と同様に電池セルを作製した。
正極電解液には、活物質イオンとしてマンガンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてチタンイオンを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。試料No.1−3では、チタンイオンが、電極に担持される金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンである特定金属イオンである。各濃度としては、上述した組成Bと同様である。
負極電解液には、活物質イオンとしてチタンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてマンガンイオンを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。負極電解液には、活物質イオンとしてチタンイオンを含有しているが、このチタンイオンは、特定金属イオンでもある。各濃度としては、上述した組成Bと同様である。
・試料No.1−11
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液・負極電解液に特定金属イオンあり)
正極電極として、チタンメッシュ(株式会社ニラコ製、TI−458100)にイリジウム酸化物(IrO)を担持させた電極を作製した。チタンメッシュは、線径が0.1mmで、100メッシュである。正極電極は、大きさが30mm×30mmの上記チタンメッシュを5枚積層して構成している。このチタンメッシュに、Ir源である塗布液(濃度0.1Mの塩化イリジウム水溶液)を塗布・乾燥し、空気中で400℃×1時間の焼成を施した。負極電極には、試料No.1−1と同様のカーボンペーパー(金属酸化物を担持させていない)を用い、試料No.1−1と同様に電池セルを作製した。
正極電解液には、活物質イオンとしてマンガンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてイリジウムイオンとチタンイオンとを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。添加金属イオンのうちイリジウムイオンが、電極に担持される金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンである特定金属イオンである。各濃度は、マンガンイオン:1M、チタンイオン:1M、イリジウムイオン:0.1mM、硫酸:5Mである。以下、電解液として、マンガンイオン:1Mと、チタンイオン:1Mと、イリジウムイオン:0.1mMと、硫酸:5Mとを含有するものを組成Cと表する。
負極電解液には、活物質イオンとしてチタンイオンを含有し、活物質として機能しない添加金属イオンとしてイリジウムイオンとマンガンイオンとを含有する硫酸水溶液の電解液を用いた。イリジウムイオンが、特定金属イオンである。各濃度としては、上述した組成Cと同様である。
・試料No.1−101
(正極電極に金属酸化物なし、正極電解液に特定金属イオンなし)
正極電極として、試料No.1−1と同じカーボンペーパーに、空気中で500℃×1時間の焼成を施したものを用いた。つまり、試料No.1−101では、正極電極に金属酸化物を担持させていない。負極電極は、試料No.1−1と同様のカーボンペーパーを用い、試料No.1−1と同様に電池セルを作製した。正極電解液及び負極電解液の双方に、組成Bの電解液を用いた。
・試料No.1−102
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液に特定金属イオンなし)
試料No.1−1と同様の正極電極及び負極電極とを用いて電池セルを作製した。正極電解液及び負極電解液の双方に、組成Bの電解液を用いた。つまり、試料No.1−102は、正極電解液の組成のみが試料No.1−1と異なる。
・試料No.1−111
(正極電極に金属酸化物あり、正極電解液に特定金属イオンなし)
試料No.1−11と同様の正極電極及び負極電極とを用いて電池セルを作製した。正極電解液及び負極電解液の双方に、組成Bの電解液を用いた。つまり、試料No.1−111は、正極電解液及び負極電解液の組成のみが試料No.1−11と異なり、正極電解液及び負極電解液の双方に、特定金属イオンであるイリジウムイオンが含有されていない。
〔セル抵抗率〕
RF電池の経時的な内部抵抗を調べた。各試料は、単セル構造のRF電池としたため、RF電池の内部抵抗は、セル抵抗率として表す。各試料について、電池セルに電流密度:70mA/cmの定電流で充放電を行った。この試験では、予め設定した所定の切替電圧に達したら、充電から放電に切り替え、複数サイクルの充放電を行った。各サイクルの充放電後、各試料についてセル抵抗率(Ω・cm)を求めた。セル抵抗率は、複数サイクルのうち、任意の1サイクルにおける充電時平均電圧及び放電時平均電圧を求め、{(充電時平均電圧と放電時平均電圧の差)/(平均電流/2)}×セル有効面積とした。セル抵抗率について、表1に、(1)基材(カーボンペーパー)に金属酸化物を担持させない電極を用いた試料No.1−101の初期運転時のセル抵抗率を基準(1.0)とし、基材(カーボンペーパー又はチタンメッシュ)に金属酸化物(SnO又はIrO)を担持させた試料No.1−1,1−2,1−3,1−11,1−102,1−111の初期運転時のセル抵抗率の相対値を示し、(2)各試料において、初期運転時のセル抵抗率を基準とし、一ヶ月後のセル抵抗率の相対値を示す。
Figure 2019164882
基材としてカーボンペーパーを用いた試料No.1−1,1−2,1−3,1−101,1−102を比較すると、表1に示すように、電極に金属酸化物を担持させた試料No.1−1,1−2,1−3,1−102は、電極に金属酸化物を担持させない試料No.1−101に比較して、初期運転時のセル抵抗率を低減できた。これは、電極に金属酸化物を担持させることで、RF電池の反応活性を向上できたことによると考えられる。各試料において、金属酸化物を担持させた電極に供給する電解液中に、金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンを含有した試料No.1−1,1−2,1−3(試料No.1−1,1−2:Snイオン、試料No.1−3:Tiイオン)は、電解液中に添加金属イオンを含有しない試料No.1−102に比較して、経時的なセル抵抗率の増加を低減できた。これは、電解液中に添加金属イオンを含有させることで、電極に担持させた金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することを抑制できたことによると考えられる。特に、対極電解液(負極電解液)にも添加金属イオンを含有した試料No.1−2,1−3は、経時的なセル抵抗率の増加が実質的に生じていなかった。これは、正極電解液と負極電解液との間で生じ得る経時的な液移りに起因して、電解液中の金属元素のイオンの濃度が経時的に減少することを抑制できたことによると考えられる。
基材としてチタンメッシュを用いた試料No.1−11,1−111は、表1に示すように、基材としてカーボンペーパーを用いた試料No.1−101に比較して初期運転時のセル抵抗率は増加した。これは、チタンメッシュの表面積が、カーボンペーパーに比較して小さいことによる。基材としてチタンメッシュを用いた試料No.1−11,1−111を比較すると、金属酸化物を担持させた電極に供給する電解液中に、金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンを含有した試料No.1−11は、電解液中に添加金属イオンを含有しない試料No.1−111に比較して、経時的なセル抵抗率の増加を低減できた。これは、上述したように、電解液中に添加金属イオンを含有させることで、電極に担持させた金属酸化物の金属成分が電解液中に溶出することを抑制できたことによると考えられる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、金属酸化物に含有する金属種、及び電解液中に含有する添加金属イオンの金属種や濃度を特定範囲で変更したり、電解液の種類を変更したりできる。
1 レドックスフロー電池(RF電池)
100 電池セル
11 隔膜
10 電極 110 基材 120 金属酸化物
12 正極電極 14 負極電極
140 正極タンク 150 負極タンク
142,144,152,154 配管
146,156 ポンプ

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極と、
    活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有し、前記電極に供給される電解液とを備えるレドックスフロー電池。
  2. 前記金属酸化物は、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、スズ、アンチモン、タリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、及びイリジウムから選択される一種以上の金属元素を含有する請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記電解液中の前記金属元素のイオンの濃度は、
    チタンが0.01mM以上2M以下、
    バナジウムが0.01mM以上1M以下、
    ジルコニウムが0.01mM以上2M以下、
    ニオブが10−9M以上10−3M以下、
    モリブデンが10−5M以上10−3M以下、
    ルテニウムが10−9M以上10−3M以下、
    ロジウムが10−5M以上2M以下、
    パラジウムが10−6M以上0.1M以下、
    スズが10−9M以上1M以下、
    アンチモンが10−6M以上10−3M以下、
    タリウムが10−4M以上0.1M以下、
    ハフニウムが10−5M以上2M以下、
    タンタルが10−9M以上10−3M以下、
    タングステンが10−9M以上10−2M以下、
    レニウムが10−6M以上0.2M以下、
    イリジウムが10−6M以上0.2M以下、の少なくとも一つを満たす請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記電極の対極電極に供給される対極電解液は、前記金属元素のイオンを含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記対極電解液中の前記金属元素のイオンの濃度が、前記電解液中の前記金属元素のイオンの濃度と同じである請求項4に記載のレドックスフロー電池。
  6. 基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う金属酸化物とを有する電極に、活物質イオンと、前記金属酸化物に含有される金属元素と同じ金属元素のイオンとを含有する電解液を循環供給して、充放電を開始する初期運転過程を含むレドックスフロー電池の運転方法。
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