図1は、本発明の実施例1における、光電式スポット型の煙感知器1の分解図である。実施例1の煙感知器1は、カバー本体4、光学台カバー5、光学台6、基板7、裏板8の部品からなり、カバー本体4と光学台カバー5はカバー部2を、光学台6、基板7、裏板8は固定部3を構成している。また、光学台6と光学台カバー5、そして発光素子71と受光素子72と回路を備えた基板7により、検煙装置が構成される。
煙感知器1のカバー本体4は、天井等に取り付けられた煙感知器1の内部部品を下方から覆って保護する。カバー本体4の傾斜部41は、カバー本体4の下面における周囲部分により内部部品を覆うものであり、傾斜が緩やかな円錐状となっている。また傾斜部41の中央部分には円形に開口した開口部42があり、検煙装置がはめ込まれる。カバー本体4の保護板43は煙感知器1の最下部に位置し、検煙装置の下部を覆い保護する。
カバー本体4は、開口部42を囲んで等間隔に6本の支柱44を有する。支柱44は、開口部42近傍の傾斜部41に一端が接続されて立設されている。支柱44の他端は保護板43に接続され、6本の支柱44で保護板43を支えている。煙流入部45は、傾斜部41における開口部42の端部、支柱44、保護板43に囲まれた開口である。煙流入部45は、カバー本体4の開口部42の周囲に沿って6箇所設けられ、煙発生時に煙が検煙装置内の検煙部に流入する。確認灯窓46は、確認灯73をカバー本体4から露出させるために傾斜部41に開けられた孔である。確認灯窓46は確認灯73の数にあわせて2箇所設けられているが、確認灯73と確認灯窓46は2箇所でなく1箇所でもよい。
煙感知器1の光学台カバー5は、カバー本体4と光学台6の間に設けられて、光学台6を下方と側方から覆う。光学台カバー5は下方における光学台カバー底部53の周囲に6つの光学台カバー支柱54が立設され、光学台カバー支柱54の間に防虫網55を備える。そして、防虫網55の上部にリング状の周縁部51が設けられている。周縁部51、光学台カバー支柱54,防虫網55は、光学台カバー5が光学台6を覆った際に光学台6の周囲を取り囲む。周縁部51には光学台6に直接固定するための構造はなく、光学台カバー5は光学台6に直接は固定されていない。なお、光学台カバー5の周縁部51は上下方向で短くてもよく、光学台6上部の周囲を完全に塞がなくてもよい。
フランジ52は周縁部51の一部であり、防虫網55の上部の外周に設けられ、周縁部51の下端で光学台カバー5の外周方向へ突き出ている。また、フランジ52はカバー本体4における開口部42の内側の隙間を塞ぎ、いたずら等による煙感知器1の内部への異物侵入を防いでいる。フランジ52には光学台カバー5をカバー本体4に固定するためのフランジ凹部521が設けられている。フランジ凹部521はカバー本体4の支柱44に嵌合する。
光学台カバー5は光を吸収する黒色の樹脂により形成され、光学台カバー底部53は下方から外光が透過して検煙装置へ侵入するのを防いでいる。光学台カバー支柱54は、フランジ凹部521の下方に位置し、光学台カバー5がカバー本体4に取り付けられた状態で、カバー本体4の6箇所ある支柱44の内側に位置する。光学台カバー5がカバー本体4に組み付けられた状態では、防虫網55はカバー本体4における煙流入部45の内側に位置し、検煙装置内への虫や埃、砂塵などの侵入を防ぐ。
なお、複数ある支柱44や光学台カバー支柱54は、安定して保護板43や光学台カバー底部53を支え、かつ煙の流入を遮らなければ6本よりも多くても少なくてもよく、5本や7本等でもよい。また、支柱44および光学台カバー支柱54は開口部42の周りに等間隔に並んでいるが、等間隔でなくてもよい。隣り合う支柱44に挟まれた煙流入部45も同様である。
光学台6には、側方および上面からの外光の侵入を防止し、発光素子71の光が直接に受光素子72に届かないように、ラビリンス壁61および図2に示す上面壁62を有している。光学台6も光を吸収する黒色の樹脂により形成されている。ラビリンス壁61内側の検煙部は、ラビリンス壁61と上面壁62に加え、光学台カバー5の光学台カバー底部53によって覆われることで、外光の侵入が防がれている。
発光素子カバー63は、基板7上に設置された発光素子71を収容し、受光素子カバー64は基板7上に設置された受光素子72を収容する。発光素子カバー63と受光素子カバー64は、発光素子71と受光素子72の発光方向、受光方向を除いて覆っている。発光方向と受光方向の光軸は60°ずれており、さらに発光素子71と受光素子72の間にラビリンス壁61がある。そのため、発光素子71からの光は受光素子72に直接届かず、散乱光のみが届く。加えて、発光素子カバー63と受光素子カバー64は、発光素子71と受光素子72に埃等が付着するのを抑制し、清掃時に発光素子71と受光素子72に清掃用具が当接しないように保護して発光素子71と受光素子72の位置ずれを防ぐ。
基板7には発光素子71と受光素子72、煙感知のための回路のほか、受信機との通信のための回路および確認灯73が備えられている。確認灯73は煙を感知した際等に点灯し、作動状態を示す。発光素子71はLEDにより構成され、常時断続的に発光し、受光素子72はフォトダイオードにより構成され、入光した光を受けて電気信号に変換する。基板固定ネジ74は基板7を裏板8に固定し、さらに天井取付金具81も固定する。また、光学台6は基板7に差し込まれて固定される。
光学台6、基板7、裏板8からなる固定部3は、天井取付金具81によって天井に設けられた受け具(図示せず)に取り付けられる。また、裏板8は、スナップフィット接続口82によってカバー部2のカバー本体4が取り付けられる。
図2は、実施例1における、煙感知器1を固定部3とカバー部2に分離した図である。検煙装置の内部を清掃する際には、図2の状態に分離して拭き取り等を行う。実施例1の煙感知器1は、カバー本体4に光学台カバー5を取り付けたカバー部2を、光学台6を基板7に固定し基板7を裏板8に固定した固定部3に、スナップフィット接続口82によって着脱可能に取り付けることで組み立てられている。
カバー本体4と光学台カバー5からなるカバー部2は、光学台カバー5の周縁部51のフランジ52をカバー本体4の開口部42に嵌合させて軽く取り付けたものである。カバー部2を固定部3から取り外した状態では、光学台カバー5の内側が露出し、清掃可能となる。また、光学台6、基板7、裏板8からなる固定部3は、光学台6のラビリンス壁61、発光素子カバー63、受光素子カバー64、上面壁62が露出し、清掃可能となる。
清掃時には、設置された煙感知器1からカバー部2のみを取り外せばよく、カバー本体4と光学台カバー5を別々にはずす必要がないため、作業しやすい。脚立等に登った清掃作業者が清掃を行う場合には、光学台カバー5等を置く場所が周辺にないため、別々にはずすとカバー本体4と光学台カバー5の2つを個々に保持しながら作業しなければならない。光学台カバー5等を台や床等に置くこともできるが、その場合は脚立から降りる等、移動しなければならない。しかし、本発明の実施例1では清掃作業者が保持する部品はカバー部2のみでよいため、片手でカバー部2のカバー本体4の部分を保持し、もう一方の手で布等の清掃用具を持って、容易に清掃することができる。清掃終了後は、カバー部2を固定部3に再び取り付けて火災による煙を監視させることができる。
煙感知器1は、天井等から固定部3が天井に取り付けられた状態のまま、図2のように光学台カバー5が嵌め込まれて取り付けられたカバー本体4を取りはずすことができる。そして、清掃作業者が設置状態の煙感知器1からカバー本体4を取り外した際に、光学台カバー5がカバー本体4から落ちることがない。また、内部の清掃のために天井から煙感知器1を取りはずして上下反転させ、固定部3からカバー部2を取りはずすと光学台カバー5がカバー本体4の下方になる。しかし、光学台カバー5がカバー本体4からはずれて落下しないため作業しやすい。
次に、図2において下部に示したカバー部2の断面構造を用いて、カバー本体4と光学台カバー5の係合等について説明する。図3は、本発明の実施例1における、カバー部2の煙流入部45付近の端面を示す切断部端面図である。図3(a)は図上の切断位置を表すカバー部2の下面図、図3(b)はカバー部2のA−A線での切断部端面図、図3(c)は図3(b)の煙流入部45部分の拡大図である。
下面図の図3(a)に示すように、カバー部2を下方から見るとカバー本体4のみ見ることができる。カバー本体4の中央には保護板43があり、保護板43の周囲の6箇所に等間隔に支柱44が設けられ、支柱44は周囲の傾斜部41に接合している。
図3(b)は、図3(a)において煙流入部45と確認灯窓46があるA−A線の位置でカバー部2を切断した図である。光学台カバー5は、上方からカバー本体4に取り付けられ、カバー本体4の開口部42の内側に嵌合して固定されている。カバー本体4における煙流入部45のすぐ内側には光学台カバー5の防虫網55が位置している。
図3(c)は図3(b)における煙流入部45の左下部分の拡大図である。下方にはカバー本体4の保護板43、そして左上方には傾斜部41が開口部42から延在している。傾斜部41と保護板43の間は開口して煙流入部45を形成する。そして、カバー本体4の保護板43の上には光学台カバー5の光学台カバー底部53が、カバー本体4の煙流入部45の内側には光学台カバー5の防虫網55が、カバー本体4開口部42の内側には光学台カバー5の周縁部51のフランジ52が位置する。
図3(c)の端面図に示すように、周縁部51は左方へ延びるフランジ52を有している。周縁部51は円筒形状をしていて、カバー部2が固定部3に取り付けられた状態では、固定部3に載置された光学台6の上方の周囲を囲む。周縁部51の下端にあるフランジ52は、周縁部からリング状に突出している。
防虫網55は、金属製のメッシュを円筒状に形成し、カバー本体4の煙流入部45の内側に設けられている。そして、虫や大きめの埃、砂塵等が検煙装置へ侵入しないように防いで非火災報を防止している。一方で、防虫網55は感知器周囲に到達した火災の煙を妨げず、検煙装置内へ流入させる。カバー部2を固定部3に取り付けた煙感知器1において、図3(c)では、火災の煙は左方から煙流入部45を通り、防虫網55を通過して光学台カバー5に覆われた検煙装置の内部に入る。そして、細かい埃等の微粒子や油煙等も左方より検煙装置内部に入り込む。侵入した細かい埃等の微粒子や油汚れ等は光学台カバー底部53や光学台6に付着するので、清掃により除去する。また、感知器の設置期間が長くなると、防虫網55の内側や外側に埃等が付着して煙が流入しにくくなる場合があるが、防虫網55の内側と外側を清掃することにより付着した埃等を除去することができる。
図4は、本発明の実施例1における、カバー部2の支柱44付近の端面を示す切断部端面図である。図4(a)はカバー部2のB−B線での切断部端面図、図4(b)は図4(a)の支柱44部分の拡大図である。
図4(a)は、図3(a)の下面図において、支柱44のあるB−B線の位置でカバー部2を切断した図であり、図にはカバー本体4に光学台カバー5が取り付けられた状態の切断部端面が示されている。図4(a)の端面図では、スナップフィット47の切断面がカバー本体4の左右上方に示されている。スナップフィット47が、図1に示した裏板8のスナップフィット接続口82に接続することで、カバー部2が固定部3に取り付けられる。また、清掃の際には下方の孔から棒状体を差し込んでスナップフィット接続口82を外方へ押す。そして、このスナップフィット47をスナップフィット接続口82から外し、カバー部2を下方に引き抜くことで、カバー部2を構成するカバー本体4と光学台カバー5を一体的に取りはずすことができる。なお、棒状体でスナップフィット47を内方に押して取り外すものとしても良い。
図4(b)は図4(a)の左下に位置する支柱44部分の拡大図である。図4(b)は切断部端面図であるが、説明のため背後にあるフランジ52を図に示しており、支柱内側凸部441の背後にフランジ凹部521の側面が示されている。図の下方にはカバー本体4の保護板43、そして左方には支柱44を挟んでカバー本体4の傾斜部41がある。カバー本体4の保護板43の上には光学台カバー5の光学台カバー底部53が、カバー本体4の支柱44の内側には光学台カバー5の光学台カバー支柱54と周縁部51が位置する。
周縁部51は、カバー部2が固定部3へ取り付けられている状態で、光学台6には直接的に取り付けられない。このため、カバー本体4のスナップフィット47をはずしてカバー部2を固定部3から取り外したときに、光学台カバー5の周縁部51は光学台6から容易に離間し、光学台カバー5がカバー本体4側に残る。従来の煙感知器では、本発明の実施例1の周縁部51と光学台6に相当する部分が直接的に固定されたり取り付けられたりした検煙装置を用いていた。しかし本発明の実施例1では、周縁部51は光学台6等の固定部3に直接取り付けられていないため、清掃作業時に光学台カバー5を光学台6から取りはずす操作をすることなく、カバー本体4とともに光学台カバー5が外れる。
カバー本体4において、支柱44は開口部42から内方へ突出しており、支柱内側凸部441となっている。また光学台カバー5において、フランジ52は支柱内側凸部441にあわせて切り欠かれており、フランジ凹部521となっている。カバー部2では各支柱44の支柱内側凸部441はフランジ凹部521に嵌入して、光学台カバー5を固定している。嵌入によって、図4(b)に示したフランジ凹部521の側面が支柱内側凸部441の側面を挟み込み、摩擦により固定がなされている。
このように支柱内側凸部441を利用することで、他に特別な構成を設けることなく光学台カバー5をカバー本体4に取り付けることができる。さらに、フランジ凹部521により光学台カバー5の回転方向の位置が規定されるので、光学台カバー支柱54が支柱44の内側に位置決めされ、煙流入部45からの煙の流入を妨げる位置にずれることがない。
光学台カバー5はカバー本体4の内側に支柱44の部分で軽く固定されている。そのため、周縁部51を摘まんでカバー本体4の開口部42から光学台カバー5を引き抜くことで、支柱内側凸部441からフランジ凹部521が外れ、カバー本体4と光学台カバー5を容易に分離することができる。
図5は、本発明の実施例1における、カバー部2のフランジ52部分での断面図である。図5(a)は図上の切断位置を表すカバー部2の側面図、図5(b)はカバー部2のC−C線での断面図、図5(c)は図5(b)の支柱44部分の拡大図である。
図5(a)はカバー部2の側面図であり、図3(a)と同様にカバー本体4に光学台カバー5が取り付けられている。カバー部2を側方から見ると、支柱44に挟まれたカバー本体4の煙流入部45の奥に光学台カバー5の防虫網55の外側が露出している。図5(a)は、図5(b)の断面図の切断線であるC−C線の位置を示した図であり、C−C線は光学台カバー5のフランジ52とカバー本体4の支柱44を共に切断する水平面である。
図5(b)は、フランジ52と支柱44のあるC−C線の位置でカバー部2を切断した図である。カバー部2の中央部分は開口していて、固定部3に取り付けられた際には光学台6が位置する。図5(b)ではカバー本体4の傾斜部41の内側に、筒状の光学台カバー5が嵌合している様子が示されている。図の断面のうち、内側の断面は光学台カバー5のフランジ52部分の断面であり、外側の断面はカバー本体4の開口部42直上の断面であって支柱44と傾斜部41の断面になっている。
図5(c)は図5(b)の支柱44部分の拡大図である。図5(c)のように支柱内側凸部441はフランジ凹部521に嵌入している。実施例1の煙感知器1では、それぞれの支柱44において支柱内側凸部441がフランジ凹部521に嵌入することで、カバー本体4と光学台カバー5が組み合わさって一体となる。また嵌入の際には、フランジ凹部521の二つの側面が支柱内側凸部441の二つの側面を挟み込んで接触し、これによりカバー本体4に光学台カバー5が取り付けられる。なお、フランジ凹部521と支柱内側凸部441の嵌合は側面による挟み込みでなく、凹部の底と凸部の山の接触による摩擦によるものでもよいし、フランジ52の外周面と傾斜部41の開口部42における内周面との接触による摩擦によるものでもよい。
光学台カバー5はカバー本体4と嵌合して軽く固定されているだけであるため、汚れが激しい場合などに光学台カバー5をカバー本体4から分離して清掃したい場合に、脱着が自在である。またこのとき、支柱内側凸部441とフランジ凹部521の係合ではカバー本体4と光学台カバー5の接触部分が少ないため、引き抜きやすい。また図のように、フランジ52があることでカバー本体4と光学台カバー5との隙間が塞がれる。そのため、悪戯などにより針金を差し込まれて基板7を傷つけられたり、異物が侵入したりすることが避けられる。
本発明の実施例1によれば、光学台6の内部を清掃する際に、カバー本体4と光学台カバー5をカバー部2として一度に取りはずすことができ、検煙装置の内部を露出させて埃や油汚れ等を除去できる。このとき清掃作業者が取りはずし作業をしたり把持したりする部品はカバー本体4のみでよく、清掃がしやすい。また、カバー本体4と光学台カバー5が一体化されているため、取り外して清掃した後にカバー本体4と光学台カバー5を一度に取り付けることができる。清掃の際に、固定部3が天井に取り付けられたままカバー部2をはずした場合には、カバー部2を片手で持ちつつ光学台6や光学台カバー5の内側を布や綿棒等で掃除することができる。そして、掃除の際に光学台カバー5の側を下に向けてカバー本体4を持っても、光学台カバー5が落下することがなく、作業しやすい。また、煙感知器を天井等からはずしてからカバー部2をはずす場合には、煙感知器1の上下を反転させてからはずすことになる。その際にも下方に位置する光学台カバー5はカバー本体4から落下しない。光学台カバー5とカバー本体4の接続には保護板43を支える支柱44を利用しているので、他の構成を設けることなく簡易な構成で着脱可能に取り付けることができる。そして、支柱内側凸部441とフランジ凹部521により位置決めされるため、光学台カバー5とカバー本体4の回転方向の位置が定まる。このため、光学台カバー支柱54は支柱44の内側に位置し、煙の流入を妨げない。また、光学台カバー5とカバー本体4との隙間をフランジ52で覆うため、いたずら等により開口部42から基板7に向けて針金などの部材が差し込まれることを防止できる。
<実施例1の変形例>
実施例1で光学台カバー5の周縁部51に設けたフランジ52は、なくてもよい。この場合、各支柱44の内側や傾斜部41の開口部42における内周面に周縁部51が嵌合して光学台カバー5を着脱自在に固定することができる。また、実施例1の煙感知器1ではラビリンス壁61は光学台6に備えられているが、ラビリンス壁61の一部または全部を光学台カバー5側に備えてもよい。そして、特許文献1のようにラビリンスと検煙部の2層構造としたものでもよい。
また、光学台カバーとカバー本体との接続に、両面テープの粘着による方法を使用してもよい。この場合も、簡易な構成で光学台カバーを着脱可能にカバー本体に固定することができる。この方法を用いると、製造済みの従来の煙感知器の光学台カバーにおいて、光学台等への接続部分を取り除き、光学台カバー底部等をカバー本体の保護板の裏等に両面テープで固定することで、着脱可能なカバー部を備えた本発明の実施例1の煙感知器へ容易に作り変えることができる。
また、実施例1は、カバー本体に開口部を有する傾斜部を有し、開口部の周囲に設けられた複数の支柱を介して保護板を設けることにより、煙流入部が下方に突出した感知器によって説明したが、本願発明はこれに限定されることなく、種々の感知器に適用可能なものである。
例えば、煙流入部がカバー本体の側面に設けられ、煙流入部が下方に突出しない薄型の感知器に適用しても良い。
図6は、本発明の実施例2における、光電式スポット型の煙感知器11の分解図である。実施例2の煙感知器11は、カバー本体14、第2光学台カバー15、第1光学台カバー19、光学台16、光学台16の水平方向に一体的に延在する光学台延在部17、裏板18の部品からなり、カバー本体14と第2光学台カバー15はカバー部12を、第1光学台カバー19、光学台16、光学台延在部17、裏板18は固定部13を構成している。また、光学台16と光学台延在部17の上方には発光素子、受光素子、回路基板が設けられ、光学台16と第1光学台カバー19、第2光学台カバー15、光学台延在部17、発光素子、受光素子、回路基板により、検煙装置が構成される。検煙装置内部のラビリンスの空間は第1光学台カバー19によって上下二層に分かれている。図6において、光学台16は直接見えていないが、第1光学台カバー19の上部に設けられており、略円筒形の壁とその上に接続された略円板部、発光素子と受光素子用の開口部、ラビリンス壁等により形成される。光学台16と第1光学台カバー19により形成する上側のラビリンスは検煙部165となっており、第1光学台カバー19と第2光学台カバー15により形成する下側のラビリンスは遮光と導煙の役割を持っている。固定部13からカバー部12を取り外した状態では、下部のラビリンス内部が露出する。
煙感知器11のカバー本体14は、天井等に取り付けられた煙感知器11の内部部品を下方から覆って保護する。カバー本体14の傾斜部141は、カバー本体14の下面における周囲部分により内部部品を覆うものであり、傾斜が緩やかな円錐状となっている。また傾斜部141の中央部分には円形に開口した開口部142があり、第2光学台カバー15がはめ込まれる。カバー本体14の保護板143は煙感知器11の最下部に位置し、第2光学台カバー15の下部を覆い保護する。
カバー本体14は、開口部142を囲んで等間隔に6本の支柱144を有する。支柱144は、開口部142近傍の傾斜部141に一端が接続されて立設されている。支柱144の他端は保護板143に接続され、6本の支柱144で保護板143を支えている。煙流入部145は、傾斜部141における開口部142の端部、支柱144、保護板143に囲まれた開口である。煙流入部145は、カバー本体14の開口部142の周囲に沿って6箇所設けられ、煙発生時に煙が検煙装置内に流入する。確認灯窓146は、回路基板に具えられた確認灯173の光がカバー本体14下部から視認できるように傾斜部141に設けられた窓であり、透明な樹脂部材が嵌め込まれている。確認灯窓146は確認灯173の数にあわせて2箇所設けられているが、確認灯173と確認灯窓146は2箇所でなく1箇所でもよい。
煙感知器11の第2光学台カバー15は、カバー本体14と第1光学台カバー19の間に設けられて、検煙装置の内部を下方と側方から覆う。第2光学台カバー15は、光を吸収する黒色の樹脂により形成されている。第2光学台カバー15には、下方における第2カバー底部153の周囲に6つの光学台カバー支柱154が立設され、光学台カバー支柱154の上部にリング状の周縁部151が設けられている。周縁部151と光学台カバー支柱154の内側には防虫網155が備えられる。そして、周縁部151と光学台カバー支柱154、第2カバー底部153の外周部により、開口である煙流入口159が形成される。周縁部151、光学台カバー支柱154、防虫網155、煙流入口159は、第2光学台カバー15が検煙装置の下部を覆った際に検煙装置の周囲を取り囲む。なお、第2光学台カバー15には固定部13の構成に直接固定するための構造はない。
フランジ152は周縁部151の一部であり、周縁部151の上端で第2光学台カバー15の外周方向へ突出している。また、フランジ152は第2光学台カバー15がカバー本体14に取り付けられた際に開口部142の上方の隙間を塞ぎ、埃等の侵入と共に、いたずら等による煙感知器11の内部への異物侵入を防ぐ。フランジ152には第2光学台カバー15をカバー本体14に固定するために突出板156が設けられている。突出板156はフランジ152外周端の一部からさらに上方へ伸びたあと、外側へ板状に突出している。第2光学台カバー15の両側には突出板156が1つずつ設けられており、また突出板156には突出板切欠き156aが設けられている。
第2光学台カバー15の底面に設けられた円盤状の第2カバー底部153は、中央部分と外周部分が低く、その中間部分が高くなっている。円環凹部158bは、この中間部分の下面側であり、後述する図8の円環凸部158aは、この中間部分の上面側である。円環凹部158b、円環凸部158aは第2カバー底部153の中央部分を円形に囲んでいる。第2カバー底部153は下方から外光が透過して検煙装置へ侵入するのを防ぐとともに、側方から検煙装置内部に侵入した外光を円環凸部158a等による円環状の凹凸構造により遮る。
防虫網155は、金属製のメッシュを円筒状に形成したものであり、第2光学台カバー15における光学台カバー支柱154及び煙流入口159の内側に設けられる。煙感知器11を設置した状態では、防虫網155はカバー本体14の煙流入部145の内側に位置し、虫や大きめの埃、砂塵等が検煙装置の内部へ侵入しないようにして、非火災報を防止している。一方で、防虫網155は感知器周囲に到達した火災の煙を妨げず、検煙装置内へ流入させる。第2光学台カバー15がカバー本体14に組み付けられた状態では、カバー本体14における煙流入部145の内側に煙流入口159が位置し、防虫網155はすべての煙流入口159を内側から覆っている。光学台カバー支柱154は、第2光学台カバー15がカバー本体14に取り付けられた状態で、カバー本体14の6箇所ある支柱144の内側に位置する。なお、複数ある支柱144や光学台カバー支柱154は、安定して保護板143や第2カバー底部153を支え、かつ煙の流入を遮らなければ6本よりも多くても少なくてもよく、5本や7本等でもよい。また、支柱144および光学台カバー支柱154は開口部142の周りに等間隔に並んでいるが、等間隔でなくてもよい。隣り合う支柱144に挟まれた煙流入部145、及び煙流入口159も同様である。
煙感知器11の第1光学台カバー19は、第2光学台カバー15と光学台16の間に設けられていて、光学台16を下方と側方から覆う。第1光学台カバー19は第2光学台カバー15と同様に光を吸収する黒色の樹脂により形成されている。第1光学台カバー19では、中心部分にカバー中央開口193を持った円盤状の第1カバーディスク191の下面から、放射状に6枚の板状の煙導入フィン194が垂下している。第1カバーディスク191は、カバー中央開口193の周囲に厚肉部192があり、厚肉部192においてはカバー中央開口193へ近づくにしたがって下面側が徐々に下がるように厚くなっている。煙導入フィン194の下端は、第2カバー底部153の傾斜にほぼ合わせて凹状に切り欠かれている。第1光学台カバー19と第2光学台カバー15を合わせた際に、煙導入フィン194は光学台カバー支柱154の内側に位置し、ラビリンス壁としてカバー中央開口193の位置まで続く。カバー中央開口193は検煙装置の上下のラビリンス空間を繋げており、煙流入部145から煙流入口159に進入した煙はカバー中央開口193を通って上部の検煙部165に到達する。
光学台16は光学台延在部17の中央に一体的に設けられ、下面を第1光学台カバー19に覆われる。検煙部165への側方および上面からの外光の侵入を防止し、発光素子の光が直接に受光素子に届かないように、光学台16はラビリンス壁、周壁および上面壁を有している(図示せず)。光学台16も第1光学台カバー19等と同様に光を吸収する黒色の樹脂により形成されている。後述する図11の検煙部165は、光学台16の周壁と上面壁に加え、第1光学台カバー19の第1カバーディスク191によって覆われており、カバー中央開口193のみが開口している。そしてカバー中央開口193では、煙導入フィン194と第2光学台カバー15の第2カバー底部153により外光の侵入が防がれている。
回路基板には、煙感知のための回路、受信機との通信のための回路(図示せず)のほか、確認灯173が備えられ、発光素子と受光素子が光学台16を介して接続されている。確認灯173は煙を感知した際等に点灯し、作動状態を示す。発光素子はLEDにより構成され、常時断続的に発光し、受光素子はフォトダイオードにより構成され、入光した散乱光を受けて電気信号に変換する。基板固定ネジ174は光学台延在部17を裏板18に固定し、さらに天井取付金具181も裏板18に固定する。光学台16は光学台延在部17と一体であり、固定されている。
裏板18に光学台延在部17及び光学台16、第1光学台カバー19を固定した固定部13は、天井取付金具181によって天井に設けられた受け具(図示せず)に取り付けられる。また、裏板18のネジ孔182を本体固定ネジ183が貫通し、カバー部12のカバー本体14が固定されることにより、固定部13にカバー部12が取り付けられる。
図7は、本発明の実施例2における煙感知器11を固定部13とカバー部12に分解した図である。検煙装置の内部を清掃する際には、図7の状態に分離する。図7の状態の固定部13は、図6と同様に裏板18に光学台延在部17及び光学台16、第1光学台カバー19及び天井取付金具181が取り付けられた状態である。カバー部12は、カバー本体14の開口部142に第2光学台カバー15を嵌め込んで固定したものである。カバー部12では煙流入部145から続く煙流入口159のすぐ内側に防虫網155が位置し、円形の開口部142と第2光学台カバー15の隙間はフランジ152により塞がれる。
本実施例の煙感知器11は、裏板18のネジ孔182を通してカバー本体14に本体固定ネジ183を着脱可能に取り付けることで組み立てられている。掃除の際は、天井取付金具181で取り付けられた煙感知器11を天井から取り外し、2つの本体固定ネジ183をネジ孔182から外すことで図7のように固定部13とカバー部12に分離する。カバー部12は、後述するようにカバー本体14に第2光学台カバー15が係止されている。こうして、第1光学台カバー19、光学台16及び光学台延在部17、裏板18からなる固定部13は、第1光学台カバー19の下面が露出し、清掃可能となる。さらに検煙部165についても、カバー中央開口193からエアダスター等により空気を噴射し、第1光学台カバー19の上面及び光学台16の内壁面に溜まった粉塵等を除去することができる。清掃作業者は、煙感知器11を、固定部13とカバー部12の二つに分離するだけでよく、他に部品を取り外す必要がないため作業しやすい。
図8は、本発明の実施例2におけるカバー部12上面の斜投影図である。カバー部12を固定部13から取り外した状態では、図8のように第2光学台カバー15の内側が露出し、第2光学台カバー15の清掃が可能となる。第2光学台カバー15の内側は布やエアダスター等を用いて粉塵等の汚れを除去することができる。また、第2光学台カバー15はカバー本体14に固定されており、清掃作業中に第2光学台カバー15が外れてしまうことがない。このため、清掃作業者がカバー部12の内部に溜まった粉塵等をエアダスター等により除去することも可能であり、清掃の作業がしやすい。清掃終了後は、カバー部12を固定部13に再び取り付ける。
次に、カバー本体14と第2光学台カバー15の係止等について説明する。図8には、カバー本体14のネジ受け149、傾斜部141、及び係止柱147が、また第2光学台カバー15の第2カバー底部153、中央突起157、円環凸部158a、防虫網155、周縁部151、フランジ152、突出板156が示されている。ネジ受け149は、裏板18にカバー本体14を取り付ける際に使用される本体固定ネジ183を固定するための孔が開いた円筒体であり、図8に示されるようにカバー本体14の傾斜部141の上部に、中心からみて相対する位置に1本ずつ設けている。係止柱147はカバー本体14の傾斜部141に、中心からみて相対する位置に1本ずつ設けており、第2光学台カバー15を突出板156において固定する。また、係止柱147の中心部分は確認灯173の光を傾斜部141の下部側にある確認灯窓146に導くための孔となっていて、内部に透明な樹脂部材が上下に貫通して嵌め込まれている。第2光学台カバー15の中央部分には、第2カバー底部153の上部に十字状の中央突起157が設けられている。第2カバー底部153では、中央突起157の周囲が上面側に円形に隆起して円環凸部158aを形成している。第2カバー底部153の外周には防虫網155、周縁部151、フランジ152、図7に示した光学台カバー支柱154があり、フランジ152の一部が上方へ立設してさらに外側に屈曲し、突出板156を形成している。そして、突出板156が係止柱147に係止されることで、第2光学台カバー15がカバー本体14に固定される。
図9は、本発明の実施例2における、カバー部12上面図の係止柱147部分の拡大図である。図9にはカバー本体14の傾斜部141、ネジ受け149、係止柱147、係止片148と、第2光学台カバー15のフランジ152、周縁部151、第2カバー底部153、突出板156、突出板切欠き156aが示されている。図10は、本発明の実施例2におけるカバー部12の、図9に示したD−D線での切断部端面図である。図10にはカバー本体14の傾斜部141、確認灯窓146、開口部142、煙流入部145、保護板143、係止柱147、係止片148と、第2光学台カバー15のフランジ152、周縁部151、防虫網155、煙流入口159、突出板156における突出板切欠き156aの奥部が示されている。なお、図10では係止柱147内部の透明樹脂は省略している。
図9に示すように、突出板156には突出板切欠き156aが設けられており、図8に示すように2個所で係止柱147が突出板切欠き156aに嵌め込まれることで第2光学台カバー15の位置が定まる。図9,10に示すように、係止柱147には係止片148が設けられており、突出板切欠き156aの奥部を係止して第2光学台カバー15の脱落が防止される。詳細には、開口部142付近の傾斜部141がフランジ152を下から支え、係止片148が突出板切欠き156aの奥部で突出板156を上から押さえることにより、突出板切欠き156aの奥部を上下に挟んで係止する。こうして、第2光学台カバー15がカバー本体14に固定される。
第2光学台カバー15の取り付けの際には、フランジ152から伸びる突出板156の垂直面が内側に反り、スナップフィット機構により突出板切欠き156aの位置で突出板156が係止片148により固定される。取り付けの際に、歪むのは主に突出板156の垂直部分であり、周縁部151に位置する防虫網155は図10に示すように係止片148から遠いため歪みが少なく、金属製の防虫網155の塑性変形を防ぐことができる。また、突出板156を内側に歪ませる事でカバー本体14と第2光学台カバー15の脱着ができるため、フランジ152下部等の汚れが著しい場合などに必要に応じて取り外して清掃が可能である。
次に、実施例2の検煙装置の煙流路及び外光の遮断について説明する。図11は、本発明の実施例2における煙感知器11の垂直方向の切断部端面図である。図11には、カバー本体14、第2光学台カバー15、第1光学台カバー19、光学台16、光学台延在部17、裏板18が示されている。そしてカバー本体14の傾斜部141、保護板143、煙流入部145、第2光学台カバー15の第2カバー底部153、中央突起157、円環凸部158a、防虫網155、煙流入口159、フランジ152、第1光学台カバー19の第1カバーディスク191、厚肉部192、カバー中央開口193、そして検煙部165が示されている。円環凸部158aは、外周から中心に向けて斜めに上昇し、その後斜めに下降する形状である。また、厚肉部192の下面は外周から中心に向けて斜めに下降し、その後に上昇している。上昇の角度より下降の角度の方が緩やかである。図12は、本発明の実施例2における第1光学台カバー19の下面図である。図12には、第1カバーディスク191、厚肉部192、カバー中央開口193、煙導入フィン194、第1カバー接続部195が示されている。第1光学台カバー19は第1カバー接続部195により光学台延在部17に接続され固定される。図13は、本発明の実施例2における第2光学台カバー15の上面図である。図13には、第2カバー底部153、中央突起157、円環凸部158a、周縁部151、フランジ152、突出板156、突出板切欠き156aが示されている。中央突起157は上方からみて十字型をしており、第2カバー底部153の中央部分から上方に向けて垂直に突き出ている。
火災の煙は、6箇所に設けられて環状となる煙流入部145のいずれかの方向から煙感知器11に進入する。火災の煙は図11に記載された煙流入部145から煙流入口159を通り、防虫網155を通過して検煙装置の下部のラビリンスに入る。防虫網155を抜けて流入した煙は、第2カバー底部153と、図12の第1カバーディスク191、煙導入フィン194に囲まれた扇形の空間を中心へ向かって進む。そして円環凸部158aを越えて第2カバー底部153と厚肉部192の隙間を通り、ラビリンス下部の中央部分に進入する。ラビリンス下部の中央部分に達した煙は、中央突起157に妨げられて乱流が発生する。図13に示すように、中央突起157は十字状に形成された壁であり、いずれの方向の煙流入口159からの空気の流れであっても流れを妨げる。そして、煙は上方のカバー中央開口193を抜けて検煙部165に流入する。図11の上部の検煙部165では発光素子が断続的に発光しており、この光を受けた煙は散乱光により受光素子で感知される。
検煙装置では、外光が第1光学台カバー19、第2光学台カバー15により遮断され、検煙部165へは侵入できない構造になっている。煙感知器11外部から図11の下部の左右に示した煙流入部145に入る外光は、煙流入口159から防虫網155を抜けて検煙装置の下部のラビリンスに侵入する。このとき煙流入部145の斜め上方から入射する外光は円環凸部158aによって遮られ、また煙流入部145の斜め下方から入射する光は厚肉部192の下面によって遮られるため、外光はカバー中央開口193を抜けて検煙部165に到達することはない。このように、第1光学台カバー19と第2光学台カバー15との間に形成される下層のラビリンスでは、煙が通過する空間を上下に曲げることにより、外光がカバー中央開口193のような開口から上層の検煙部165に達しない構造となっている。そして、この構造だけでも外光を防ぐことはできるが、実施例2ではさらに図6,7,12に記載した煙導入フィン194により、外光の検煙部165への侵入を確実に防止している。
本発明の実施例2によれば、二層構造の煙感知器11内部を清掃する際に、カバー本体14と第2光学台カバー15をカバー部12として一体的に取り外すことができ、検煙装置の内部を露出させて布やエアダスター等により埃等を除去できる。このとき清掃作業者が煙感知器11において取りはずし作業をする部品はカバー本体14のみでよく、清掃がしやすい。また、カバー本体14と第2光学台カバー15が一体化されているため、取り外して清掃した後にカバー本体14と第2光学台カバー15を一度に取り付けることができる。そして、掃除の際に第2光学台カバー15やカバー本体14にエアダスター等により空気を吹き付けても第2光学台カバー15が脱落することがなく、またカバー部12をはずしている最中にも第2光学台カバー15がカバー本体14から落下することがない。そのため清掃作業が容易である。第2光学台カバー15とカバー本体14の接続には突出板156と係止片148によるスナップフィット構造を利用して着脱可能に取り付けられている。着脱の際、歪ませるのは突出板156の垂直面であり、防虫網155は係止片148の位置から遠くて歪みが生じにくいため、金属製の防虫網155の塑性変形を防ぐことができる。そして、突出板切欠き156aと係止柱147により位置決めされるため、第2光学台カバー15とカバー本体14の回転方向の位置が定まる。このため、光学台カバー支柱154は支柱144の内側に位置し、煙の流入を妨げない。また、第2光学台カバー15とカバー本体14との隙間をフランジ152で覆うため、いたずら等により開口部142から光学台延在部17に向けて針金などの部材が差し込まれることを防止できる。
実施例2では、カバー本体14は内側に複数の係止柱147を有し、第2光学台カバー15は、側方に複数の突出板156を有する。そして、突出板156における突出板切欠き156aに係止柱147を嵌め込み、係止柱147の係止片148で突出板156を押さえ込むことでカバー本体14に第2光学台カバー15を係止し、カバー部12を形成する。また、第1光学台カバー19は固定部13の一部として固定される。そして、カバー部12が固定部13に取り外し可能に固定されるため、固定部13からカバー部12を一体的に取りはずして、露出した第1光学台カバー19の内部と第2光学台カバー15を清掃することができる。
また、実施例2では、発光素子と受光素子を収容した光学台16と、光学台16をカバーする第1光学台カバー19と、第1光学台カバー19を覆う第2光学台カバー15と、第2光学台カバー15を覆うカバー本体14と、を備えている。第1光学台カバー19は中心にカバー中央開口193を有すると共に、カバー中央開口193の周囲に、カバー中央開口193へ近づくにしたがって下面側が徐々に下がるように厚くなる厚肉部192を有する。また、第2光学台カバー15は、円筒状の周縁部151と複数の光学台カバー支柱154と円盤状の第2カバー底部153と、を有し、周縁部151と複数の光学台カバー支柱154と第2カバー底部153とにより囲まれて煙流入口159が開口する。そして、第2カバー底部153は厚肉部192より外側の位置で上方に向けて突出する円環凸部158aを有し、円環凸部158aの上面と厚肉部192の下面により煙の流路を上下させるラビリンスを形成して、外光がカバー中央開口193を通って上方の検煙部165へ至らないようにしている。このようにして、第1光学台カバー19と第2光学台カバー15により光学台16の内部を遮光する。
<実施例2の変形例>
実施例2では、煙感知器11を天井から外した後に本体固定ネジ183を外して固定部13とカバー部12に分け、清掃する構造になっているが、実施例1のように固定部13を天井から外さずに内部の清掃ができる構造としてもよい。実施例1の変形例と同様に第2光学台カバー15とカバー本体14との接続に、両面テープの粘着による方法を使用してもよい。この場合も、簡易な構成で第2光学台カバー15を着脱可能にカバー本体14に固定することができる。
また、実施例2の煙感知器11では、カバー本体14において、傾斜部141の中央に開口部142を有し、開口部142の周囲に設けられた複数の支柱144を介して保護板143を設けることにより、煙流入部145が下方に突出した形状となっている。しかし、本願発明はこれに限定されることなく、種々の感知器に適用可能なものである。例えば、煙流入部145がカバー本体14の側面に設けられ、煙流入部145が下方に突出しない薄型の感知器に適用しても良い。
実施例2では、煙導入フィン194や中央突起157により、煙は検煙部165に誘導されやすいが、煙導入フィン194や中央突起157の一方又は両方がなくても煙の感知は可能である。
実施例2では、図11に示すようにカバー中央開口193の周囲に厚肉部192を備えて遮光している。しかし、第1光学台カバー19はカバー中央開口193へ近づくにしたがって下面側が徐々に下がれば、厚肉にしなくても遮光することができる。また、第2光学台カバー15の円環凸部158aがある方が遮光性は高いが、なくても第1光学台カバー19においてカバー中央開口193周囲が外側から徐々に下がって、最後に斜めに上昇する構造であれば、検煙部165への遮光性を持たせつつ煙を滑らかに検煙部165に誘導することができる。
実施例2では、周辺の煙流入口159から中心に向かう方向において、第1光学台カバー19の下面が中心近くで徐々に下がり、第2光学台カバー15の上面が周辺部で徐々に上がって徐々に下がる構造となっている。そして、第1光学台カバー19と第2光学台カバー15の間に形成される空間を上下方向に曲げることにより遮光するラビリンス構造としている。しかし、外周から第1光学台カバー19に設けた開口に至る空間が上下方向に曲がっていれば、円環凸部158aや厚肉部192のような構造でなくても遮光するラビリンスを得ることができる。例えば、第1光学台カバー19から小半径の円筒が下方に突出し、第2光学台カバー15から大半径の円筒が上方に突出したものでもよい。しかしながら、実施例2のように突出部を斜面形状とした方が、煙が流入しやすい。また、第1光学台カバー19がカバー中央開口193の周辺で下方へ突出していなくても、第2光学台カバー15の円環凸部158aによりカバー中央開口193に外光が到達しにくい。