以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る生体情報表示装置10は、図1に示すように、ユーザ(生体)の生体情報を検出する検出装置12に通信可能に接続され、検出装置12が検出した生体情報を受信して、適宜の形式で表示する処理を行う。検出装置12は、ユーザの任意の体表上に留置される一方で、生体情報表示装置10はユーザ自身に携帯される。以下では、検出装置12及び生体情報表示装置10によって構成されるシステムを、生体情報システム14という。
生体情報システム14が取り扱う生体情報は、特に限定されず、例えば、血糖値、体液のグルコース値、ケトン体、血圧、心拍数、体温、心電図、脳波、呼吸状態、血中酸素飽和度等があげられる。本実施形態では、生体情報としてユーザの血糖値と相関がある皮下の間質液グルコース値を得る生体情報システム14について代表的に説明する。
すなわち、生体情報システム14は、体表に留置した検出装置12により所定期間毎にユーザのグルコース値を検出するCGM(Continuous Glucose Monitoring)用のシステムに構成されている。CGM用のシステムは、ユーザの皮下での間質液のグルコース値の変動を監視することで、例えば、糖尿病の治療において、医師等が個々の患者の状態に合わせた方針を採ることを可能とする。また、生体情報システム14は、図示しない薬剤投与装置と連動することで、検出装置12が検出したグルコース値に基づきインスリン等の薬剤を自動で投与する構成となっていてもよい。
以下では、本発明の理解の容易化のため、生体情報システム14の検出装置12について先に説明する。生体情報システム14の検出装置12は、検出本体部16と、検出本体部16に取り付けられてグルコース値を外部に送信するトランスミッタ部18と、検出本体部16及びトランスミッタ部18を体表上に留置する留置部20と、を有する。
検出本体部16は、センサ側筐体16aから突出すると共に、内部の検出回路部22(図2参照)に接続されるセンサ部24を備える。センサ部24は、例えば、挿入前に図示しない挿入装置に組み込まれており、挿入装置の動作下にユーザの体表から体内に穿刺されて皮下に留置される。センサ部24は、留置状態で、所定の測定原理に基づき、血液中に含まれるグルコースに関わる情報を検出して検出回路部22に送る。
測定原理の一例としては、電極法があげられる。特に酵素電極法の場合、センサ部24は、皮下の間質液に含まれるグルコースと酵素を反応させて生じた電子を電流値として検出する電極を有する。検出回路部22は、センサ部24で生じる間質液中のグルコース濃度に応じた信号を検出する。なお、測定原理は、酵素電極法に限られるものではなく、グルコース結合性物質を用いたアフィニティセンサーとしてもよく、検出法も光学信号によるものでもよい。
図2に示すように、検出回路部22は、センサ部24に測定用電圧又は測定用電流を供給する。検出回路部22は、測定試料(間質液)中のグルコース量(濃度)に応じた信号(電流値、電圧値、電荷量等)を受け取り、電流信号を増幅及び電圧信号に変換してトランスミッタ部18に送る。センサ側筐体16aとトランスミッタ部18のトランスミッタ側筐体18aとは、図示しない接続端子同士を介して電力を供給可能且つ信号を送受信可能に接続される。検出回路部22は、必要に応じて、ポテンショスタット、A/D変換器、RAM、ROM、プロセッサ及び/又はその他を含むことができる。さらに、センサ部24から受け取った信号のノイズを除去するフィルタ装置も有してもよい。なお、検出本体部16及び検出回路部22を、後述のトランスミッタ部18内に設けることで、センサ部24とトランスミッタ部18とを別体とすることも可能である。
トランスミッタ部18は、検出本体部16を覆いつつ留置部20に取り付けられる。トランスミッタ部18の内部には、検出回路部22に接続されるA/D回路26、トランスミッタ部18の起動をON/OFFする電源スイッチ28、外部機器と通信を行う通信モジュール30、及び検出装置12の動作を制御するセンサ側制御部32が設けられている。また、トランスミッタ部18は、検出装置12の各電子部品に電力を供給するバッテリ34(2次電池)を備える。
通信モジュール30は、外部(生体情報表示装置10)との間で無線通信回線を構築して、センサ側制御部32の制御下に情報通信を行う。例えば、無線通信回線の規格としては、Bluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)等があげられる。なお、検出装置12と生体情報表示装置10との間の通信は、無線通信に限定されず、有線通信であってもよい。
センサ側制御部32は、プロセッサ36(CPU)、メモリ38を有すると共に、A/D回路26、電源スイッチ28、通信モジュール30等と接続する図示しない入出力インタフェースを有するコンピュータとして構成されている。センサ側制御部32は、メモリ38に記憶されている図示しない検出プログラムをプロセッサ36が読み出して実行することで、検出本体部16によるグルコース値の検出を制御する。例えば、センサ側制御部32は、所定のタイミング毎にグルコース値の検出を行い、検出したグルコース値をメモリ38に記憶し、また通信モジュール30を制御して生体情報表示装置10にグルコース値情報(グルコース値、測定日時)を送信する。
図1に戻り、検出装置12の留置部20は、検出本体部16及びトランスミッタ部18をまとめて生体の体表に固定する。例えば、留置部20は、トランスミッタ部18の体表の対向面を留置部20に係止する固定具を備える。
一方、生体情報表示装置10は、生体情報システム14のレシーバであり、本実施形態においてはスマートフォン(携帯電話)を適用している。なお、生体情報表示装置10は、スマートフォンを適用するだけでなく、検出装置12と情報通信可能な種々の装置を適用し得る。例えば、生体情報表示装置10は、グルコース値表示を行う専用のレシーバを適用してもよく、或いはPDA、ウェアラブルコンピュータ等の携帯型情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレット端末等を適用することができる。
図1及び図2に示すように、生体情報表示装置10は、通信モジュール40、操作表示部42、マイク44、スピーカ46、バッテリ48及び表示装置側制御部50(以下、単に制御部50という)を有する。
通信モジュール40は、検出装置12の通信モジュール30と同じ通信規格が採用され、制御部50の制御下に検出装置12との間で通信を確立(ペアリングを形成)する。これにより、生体情報表示装置10は、ユーザの周囲に存在していれば、検出装置12からグルコース値を自動的に取得する。
操作表示部42は、画面情報を表示する表示部42aの機能と、この画面情報に応じたユーザの操作を検出する操作部42bの機能と、を有するタッチパネルに構成されている。なお、生体情報表示装置10は、ユーザが操作する操作部42bと、情報を表示する表示部42aとを別々に備えた構成でもよい。
マイク44は、ユーザの音声を取り込むものであり、必要に応じて操作部42bとしても機能し得る。スピーカ46は、制御部50の制御下に、音情報(音声、電子音等)を出力するものであり、必要に応じて情報を報知する報知部としても機能し得る。
制御部50は、プロセッサ52(CPU)、メモリ54を有すると共に、図示しない入出力インタフェースを有するコンピュータとして構成されている。入出力インタフェースには、上記の通信モジュール40、操作表示部42等が接続されている。制御部50は、ユーザの操作表示部42の操作に基づき、メモリ54に記憶されている生体情報処理プログラムBP(スマートフォンのグルコース値表示アプリケーション)をプロセッサ52が読み出して処理する。
制御部50は、生体情報表示装置10(スマートフォン)の起動後に生体情報処理プログラムBPが実行されていれば、スマートフォンが待機(スタンバイ)状態となっていても、検出装置12から取得したグルコース値を記憶する。そして、制御部50は、ユーザの操作又はグルコース値の取得に伴い、グルコース値を操作表示部42に表示させる。また、グルコース値の表示の他にも、検出装置12や生体情報表示装置10、或いは相互間の通信状態に異常が生じた場合に、エラーの発生情報を報知する。
そして、本実施形態に係る生体情報表示装置10は、操作表示部42を介してユーザの行動に関わる情報の入力を案内し、行動に関わる情報の入力に応じて生体情報であるグルコース値の表示内容を変化させる。以下、この構成について具体的に説明していく。
制御部50は、ユーザの行動に関わる情報として、食事摂取量と食後運動量の入力を案内する。食事摂取量は、1回の食事においてユーザが食べたと考える食事の量(第1行動量)であり、制御部50は、例えば図3Aに示すように、なし、少ない、ふつう、多いというように段階的な選択肢を有する食事摂取量入力画面56を操作表示部42に表示する。ユーザは、この選択肢に基づき、自身の食事摂取量を入力する。この入力は、具体的な目標値や定量的なものでなくともよく、ユーザの直観や感覚に基づくものでよい。食事摂取量を入力するタイミングは、ユーザの任意でよく、食事を摂取した直後、食事前又は食後ある程度時間が経過してからでもよい。
また、制御部50は、ユーザが食事摂取量を入力したタイミングを食事開始時点に設定する他に、グルコース値が食事前の通常の状態から上昇を開始したタイミングを判断して、上昇開始タイミングを食事開始時点に設定することができる。そして、食事開始時点を判定すると、食事摂取量入力画面56を自動的に表示してユーザに食事摂取量の入力を促す構成としてもよい。また制御部50は、ユーザの食事習慣を学習して(又は入力させて)、適宜の時間となった際に食事摂取量入力画面56を自動的に表示させてもよい。
一方、食後運動量は、食事摂取量を入力した食事の後にユーザが実際に活動した量(第2行動量)であり、制御部50は、例えば図3Bに示すように、なし、弱、中、強というように段階的な選択肢を有する食後運動量入力画面58を操作表示部42に表示する。ユーザは、この選択肢に基づき、自身の食後運動量を入力する。食後運動量の入力は、具体的な運動量や消費カロリーに基づくものでなくともよく、ユーザの感覚に基づいて入力される。食後運動量を入力するタイミングは、例えば、実際に運動が終了した後、食後から所定時間(例えば2時間)経過した時刻付近等があげられる。
なお、行動量(食事摂取量、食後運動量)の入力は、上記のように複数段階の選択肢をユーザが選択することに限定されない。例えば、食事摂取量や食後運動量を示すアナログのバーを表示して、ユーザがアナログのバーをタッチした位置に応じて、行動量を設定してもよい。また、食事摂取量や食後運動量を入力した後に、ユーザが入力内容を修正することを可能としてもよい。例えば、食事後に実際の食事摂取量を修正入力できる。
また図4A及び図4Bに示すように、制御部50は、取得したグルコース値をグルコース値のグラフ62aで操作表示部42に表示する。グルコース値のグラフ62aは、時間を横軸とし、グルコース値(生体情報)を縦軸としていることで、時間経過に伴って変化するグルコース値をユーザに視認可能とする。
より具体的には、制御部50は、グルコース値の表示時に、グラフ表示領域62、詳細情報表示領域64及びアドバイス表示領域66を含むグルコース値表示画面60を構築する。グラフ表示領域62のグルコース値のグラフ62aは、所定期間内(図4A及び図4B中では6時間)におけるグルコース値の変化を表示する。縦軸は、ユーザのグルコース値に応じて表示範囲が設定されるとよく、例えば、高血糖の患者の場合は、0〜400mg/dLの範囲に設定される。またグラフ62aは、例えば100mg/dL毎に罫線を有するが、この罫線はなくてもよい。
グルコース値の表示線L(折れ線)をのせる背景部の色(背景色63)は、行動量の取得がなされていない通常時に、白色又は所定の一色で示されている。制御部50が食事摂取量を取得した場合には、食事摂取量に基づき背景色63全体のうち所定(例えば、食事開始時点teから2時間)の時間範囲63aを変化させた第1状態とする。背景色63を変える時間範囲63aの背景色変化開始時点tcは、食事開始時点teに限定されず、例えばユーザが食事摂取量を入力した時点を背景色変化開始時点tcとしてよい。また、時間範囲63aも、特に限定されるものではないが、好ましくは、健常者が食事をした際に上昇するグルコース値が元に戻る期間(2〜3時間)に設定されるとよい。
グルコース値のグラフ62aにおいてグルコース値の表示線Lは、取得された複数のグルコース値のプロットを繋ぐ、又は適宜の補間方法を採って滑らかな曲線に演算されてグラフ62aに表示される。そして、グルコース値の表示線Lは、通常時に、一連の線形状を呈する。食後運動量の入力がなされた場合には、上記の時間範囲63aの表示線Lについて、変形又は線形状を維持する(第2状態とする)。表示線Lの変形とは、通常時の一連の線に対し、例えば、点線、太線、二重線等に変えることを言う。この背景色63の時間範囲63aの色及び表示線Lの線形状の設定については、後に詳述する。
詳細情報表示領域64は、グラフ表示領域62の下方(又は上方)に配置され、グルコース値のモニタリングでユーザに提供すべき文字情報や数値情報を表示する箇所である。例えば、詳細情報表示領域64に表示される情報としては、上昇又は下降したグルコース値が正常時グルコース値に戻るまでの時間、上昇又は下降したグルコース値のピーク値と正常時グルコース値との差分があげられる。正常時グルコース値は、メモリ54に記憶されているグルコース値のうちの、所定の期間の平均値として算出され得る。或いは正常時グルコース値は、医療従事者やユーザ自身によって任意に設定されてもよく、正常時グルコース値の範囲として設定されてもよい。また例えば、詳細情報表示領域64には、グルコース値が上昇を開始してからピーク値に至るまでの時間等、他の情報が表示されてもよい。
アドバイス表示領域66は、ユーザが入力した食事摂取量や食後運動量と、グルコース値の変化に基づき適切なアドバイス情報AIを表示する箇所である。アドバイス表示領域66は、ユーザが視認し易い位置(例えば、グルコース値表示画面60の下辺寄り(又は上辺寄り))に配置されるとよい。
アドバイス表示領域66において表示するアドバイス情報AIは、他の情報よりも視認性が高められているとよく、一例として、太線且つ目立つ文字色(背景色63が白の場合には赤色等)で表示される。またアドバイス表示領域66は、キャラクタ66aを合わせて表示すると共に、キャラクタ66aが述べているように吹き出し窓66bを描いて、この吹き出し窓66bの内側にアドバイス情報AIを表示するとよい。表示するアドバイス情報AIの設定については、後に詳述する。
生体情報表示装置10の制御部50は、生体情報処理プログラムBPをプロセッサ52が実行することで、以上の表示を行うための機能ブロックを構築する。具体的には図5に示すように、制御部50は、生体情報取得部70、行動取得部72及び表示制御部74が内部に形成される。
生体情報取得部70は、通信モジュール40を制御して検出装置12と情報通信を行い、所定のタイミング毎に検出されたグルコース値情報を受信し、メモリ54に記憶する。グルコース値情報には、測定したグルコース値に対して測定日時の情報が紐付けられている。
行動取得部72は、食事摂取量取得部76及び食後運動量取得部78を内部に有する。食事摂取量取得部76は、食事摂取量入力画面56を操作表示部42に表示しユーザが入力した食事摂取量をメモリ54に記憶する。食後運動量取得部78は、食後運動量入力画面58を操作表示部42に表示しユーザが入力した食後運動量をメモリ54に記憶する。なお、行動取得部72は、マイク44を介してユーザの音声を認識して行動量を取得してもよい。
表示制御部74は、上述のグラフ表示領域62、詳細情報表示領域64、アドバイス表示領域66における表示内容を生成及び出力(表示)する機能部である。そのため、表示制御部74は、グラフ生成部80、詳細情報生成部82、アドバイス生成部84を内部に有する。
グラフ生成部80は、図4A及び図4Bに示すようなグルコース値のグラフ62aをフォーマットとして形成する。そしてグラフ生成部80は、メモリ54に記憶されたグルコース値及び測定日時に基づきグラフ上のプロット(不図示)を演算し、このプロットに応じた表示線Lを生成する。
また、グラフ生成部80は、ユーザが入力した食事摂取量及び食後運動量に基づきグルコース値のグラフ62aの背景色63、グラフ62aの線形状を変化又は維持する。具体的には、グラフ生成部80の内部(メモリ54)には、グラフマップ情報80aが予め記憶されている。
図6に示すように、グラフマップ情報80aは、食事摂取量の4段階の選択肢と、食後運動量の4段階の選択肢とをマトリックスとしたものであるとよい。例えば、食事摂取量の選択肢において、「なし」は黄色の背景色、「少ない」は青色の背景色、「ふつう」は緑色の背景色、「多い」は赤色の背景色に対応付けられている。また食後運動量の選択肢において、「なし」は点線、「弱」は実線、「中」は太線、「強」は二重線に対応付けられている。
従って例えば、ユーザが食事摂取量について「多い」、食後運動量について「なし」を入力した場合に、グラフ生成部80は、グラフマップ情報80aの赤×点線を選ぶことになる。グラフ生成部80は、グルコース値のグラフ62aにおいて食事開始時点teから2時間の間、背景色63を赤とし、表示線Lを点線とした表示に変化させる(図4Aも参照)。また例えば、ユーザが食事摂取量について「少ない」、食後運動量について「中」を入力した場合に、グラフ生成部80は、食事開始時点teから2時間の間、背景色63を青とし、表示線Lを太線とした表示に変化させる(図4Bも参照)。
図4A、図4B及び図5に示すように、詳細情報生成部82は、メモリ54に記憶された(又はグラフ62aの表示線Lとして算出された)グルコース値、及び制御部50が計時している時間に基づき詳細情報DIを演算する。詳細情報DIは、上述したように正常時グルコース値まで戻る時間、正常時グルコース値とピーク値の差分等があげられ、その演算結果の数値と文字情報とを合わせて、詳細情報表示領域64に表示する。
アドバイス生成部84は、生体情報取得部70が取得したグルコース値、及びユーザが入力した食事摂取量、食後運動量に基づき、グルコース値の変化の抑制を目標にしたアドバイス情報AIを設定し、アドバイス表示領域66に表示する。例えば、アドバイス情報AIには、ユーザの食事に関する食事摂取量アドバイスAI1と、ユーザの食後の運動に関する食後運動量アドバイスAI2と、が含まれる(図4A及び図4Bも参照)。なお生体情報表示装置10は、スピーカ46を介してアドバイス情報AIを音声出力する構成でもよい。
具体的には、アドバイス生成部84は、ユーザのグルコース値と比較するための基準値SV及び差分閾値ThΔを内部に有する(メモリ54に記憶している)。基準値SVは、食後のグルコース値の変化量を監視するための基準の値であり、図7Aに示すように、グルコース値のグラフ62a上に設定することができる。そして図7Bに示すように、食後のグルコース値がピークを過ぎて下降すると、アドバイス生成部84は、グルコース値のピーク値Pkから基準値SVを減算する。これにより、今回の食事におけるグルコース値の変化量である差分を算出することが可能となる。例えば、基準値SVは、110mg/dL以下の範囲で適宜の値に設定されるとよい。なお、基準値SVは、個々のユーザに応じて変動する値でもよく、例えば、上述した正常時グルコース値を適用してもよい。
差分閾値ThΔは、食後のグルコース値の変化量を比較するための閾値である。すなわち、アドバイス生成部84は、上記の差分と差分閾値ThΔを比較して、グルコース値が大きく変化しているか否かを判定する。差分は、正数と負数の両パターンで算出されるので、アドバイス生成部84は、算出された差分の絶対値と、差分閾値ThΔとを比較する。例えば、差分閾値ThΔとしては、50〜200mg/dLの範囲で適宜の値が設定されるとよい。なお差分閾値ThΔは、正負両方の値(つまりプラスの差分閾値ThΔとマイナスの差分閾値ThΔ)としてもよく、プラスの差分閾値ThΔとマイナスの差分閾値ThΔとは、相互の絶対値が異なっていてもよい。
ここで、グルコース値のピーク値Pkと基準値SVの差分の絶対値が、差分閾値ThΔ以内(すなわちグルコース値の変化量が小さい場合)には、ユーザの食事摂取量がグルコース値の変化を抑えた量であると言える。逆に、差分の絶対値が差分閾値ThΔを上回る場合(すなわちグルコース値の変化量が大きい場合)には、食事摂取量がグルコース値を大きく変化させる量であると言える。従って、食事摂取量を変えるようにユーザにアドバイスすることが好ましい。
このため、アドバイス生成部84は、差分の絶対値が差分閾値ThΔを超えると、ユーザが入力した食事摂取量を読み出すと共に、予め記憶している食事摂取量アドバイスマップ情報84aを読み出す。そして、食事摂取量に基づき食事摂取量アドバイスマップ情報84aから適宜の通知内容を選択する。
図8に示すように、食事摂取量アドバイスマップ情報84aは、食事摂取量の4段階の選択肢と、算出されたマイナスの差分及びプラスの差分とをそれぞれ対応させ、アドバイスを変えている。
例えば、マイナスの差分の場合には、ユーザに低血糖が生じる懸念があるため、低血糖注意喚起を行うことが好ましい。またユーザが食事摂取量に関して「なし」の選択肢を入力している場合には、入力情報は適切であるものの食事をとっていないことになるため、規則正しい食生活をするように通知するとよい。一方、ユーザが食事摂取量に関して「少ない」の選択肢を入力している場合には、自分が思っているよりも食事量がやや少ないことを通知すると共に、規則正しい食生活をするように通知するとよい。食事摂取量に関してユーザが「ふつう」の選択肢を入力している場合には、実際に摂取した食事量が、自分が思っている食事量よりも少ないことを通知するとよい。食事摂取量に関してユーザが「多い」の選択肢を入力している場合には、実際に摂取した食事量が、自分が思っているよりもかなり少ないことを通知するとよい。いずれの場合も、食事内容のバランスを見直す必要があることをユーザにさらに通知してもよい。
また例えば、プラスの差分の場合には、グルコース値が急激に上がる血糖値スパイクが生じる懸念があるため、食事摂取量を少なくするような喚起を行うことが好ましい。例えば、ユーザが食事摂取量に関して「なし」の選択肢を入力している場合には、食事摂取量を正しく把握できているか注意喚起を行う、又は食事以外で糖分(炭水化物)を摂取していないかを通知するとよい。一方、ユーザが食事摂取量に関して「少ない」の選択肢を入力している場合には、実際の食事摂取量が、ユーザ自身が思っている(判定している)よりもかなり多いことを通知するとよい。さらに、ユーザが食事摂取量に関して「ふつう」の選択肢を入力している場合には、実際の食事摂取量が、ユーザ自身が思っている(判定している)よりも多いことを通知するとよい。或いは、ユーザが食事摂取量に関して「多い」の選択肢を入力している場合には、入力情報は適切であるものの食事摂取量が多くなっているため、食事摂取量を減らすように通知するとよい。
また、アドバイス生成部84は、食後に上昇したグルコース値の下降を監視して、食後運動量アドバイスAI2を生成する。具体的には、アドバイス生成部84は、ユーザのグルコース値が戻る時間と比較するための時間閾値Thtを内部に有する。時間閾値Thtは、上述した背景色63や表示線Lの線形状を変化させる時間範囲63aに連動していてよく、例えば、2時間に設定される。
そして、アドバイス生成部84は、食事開始時点te(グルコース値の上昇開始時点)から正常時グルコース値範囲86(正常時の生体情報範囲)に戻るまでの実時間を計測し、この実時間と時間閾値Thtとを比較する。正常時グルコース値範囲86は、食事以外のユーザの日常生活においてグルコース値が概ね測定される分布の領域であり、例えば、正常時グルコース値(又は基準値SV)に対し±許容値(50mg/dL等として任意に設定できるが、グルコース値として50〜70mg/dL以上を維持できる値)を加えたものである。なお、正常時グルコース値範囲86は、固定値として予め保有されていてもよい。
そして、実時間が時間閾値Tht以内(2時間以内)の場合には、今回の食事に応じた運動(活動)が食後になされたと言えるため、食後運動量の認識が正しい旨をアドバイスする(図7Cも参照)。逆に、実時間が時間閾値Thtより長い場合には、食後運動量が足りていないと言えるため、食後運動量の認識がずれている旨のアドバイスをユーザに提供する。
このため、アドバイス生成部84は、実時間と時間閾値Thtの判定後に、ユーザが入力した食後運動量を読み出すと共に、予め記憶している食後運動量アドバイスマップ情報84bを読み出す。そして、食後運動量に基づき食後運動量アドバイスマップ情報84bから適宜の通知内容を選択する。
図9に示すように、食後運動量アドバイスマップ情報84bは、食後運動量の4段階の選択肢と、時間閾値Tht以内の場合及び時間閾値Thtよりも長い場合とをそれぞれ対応させ、アドバイスを設定している。
例えば、実時間が時間閾値Tht以内であれば、食後運動量が適切であると言えるため、ユーザが入力した食後運動量の選択肢に関わらず食後運動量が適切であることを通知する。つまり、食後運動量が「なし」であっても、2時間経過後のグルコース値が正常時グルコース値範囲86に存在していれば、運動量が正しいと見なす。
一方、実時間が時間閾値Thtよりも長い場合で、食後運動量に関して「なし」の選択肢を入力している場合には、入力情報は適切であるものの運動が足りていないことになるため、運動が必要なことを通知するとよい。また、実時間が時間閾値Thtよりも長い場合で食後運動量に関して「弱」の選択肢を入力している場合には、入力情報は適切であるものの運動がやはり足りていないことになるため、さらなる運動が必要なことを通知するとよい。実時間が時間閾値Thtよりも長い場合で食後運動量に関して「中」の選択肢を入力している場合には、自分が認識しているよりも食後運動量が少ないことを通知し、さらなる運動が必要なことを通知するとよい。実時間が時間閾値Thtよりも長い場合で食後運動量に関して「強」の選択肢を入力している場合には、自分が認識しているよりも食後運動量が大幅に少ないことを通知し、さらなる運動が必要なことを通知するとよい。
このように、アドバイス生成部84は、取得したグルコース値と、ユーザが入力した食事摂取量及び食後行動量に基づき、適切なアドバイス情報AIをアドバイス表示領域66に表示させる。これにより、ユーザは、アドバイス情報AIを参考にして自身の行動変容等を気にかけるようになり、グルコース値をより良好にコントロール可能となる。
本実施形態に係る生体情報表示装置10は、基本的には、以上のように構成されるものであり、以下、その動作について説明する。
図1に示すように、生体情報システム14は、ユーザのグルコース値を持続的にモニタリングする際に適用され、ユーザ又は医療従事者により脇腹等のユーザの日常生活に邪魔とならない体表上に検出装置12が留置される。検出装置12及び生体情報表示装置10は、相互にペアリングを形成(通信を確立)することで、検出装置12が測定したグルコース値情報(グルコース値、測定日時等)を生体情報表示装置10に送信可能とする。生体情報表示装置10は、取得したグルコース値情報をメモリ54に記憶する。
制御部50の表示制御部74(グラフ生成部80)は、ユーザの食事前の通常時において、受信したグルコース値情報に基づきグルコース値のグラフ62aをグラフ表示領域62に表示している。そして、制御部50の行動取得部72(図5参照)は、適宜のタイミングで、食事摂取量入力画面56や食後運動量入力画面58を表示させ(図3A及び図3Bも参照)、食事摂取量や食後運動量をユーザに入力させる。
表示制御部74は、行動取得部72により食事摂取量及び食後運動量を取得すると、取得前に表示しているグルコース値の表示内容(グルコース値表示画面60)から、取得した食事摂取量及び食後運動量に基づく表示内容に変化させる。
すなわち、グラフ生成部80は、図6に示すグラフマップ情報80aを読み出して、食事摂取量に応じた背景色63の色を設定すると共に、食後運動量に応じた線形状を設定して、グルコース値のグラフ62aを表示する。これにより図4A及び図4Bに示すように、食後2時間の時間範囲の背景色63及び表示線Lが周囲に比べて強調されるため、ユーザの注意を引くことができる。ユーザは、特に、食後2時間のグルコース値を視認することで、食事に伴う自身のグルコース値の変化を認識し、グルコース値をコントロールするように心掛けることができる。
また、アドバイス生成部84は、図10に示すアドバイス表示処理フローに従って、適宜のアドバイスを表示する処理を行う。アドバイス表示処理フローでは、まずユーザによる食事摂取量と食後運動量の入力を判定し(ステップS1)、入力がなされた場合にはステップS2に進み、入力がなされていない場合には判定を継続する。なお、この入力前は、グラフ生成部80により、グルコース値のグラフ62aの背景色63、表示線Lの線形状や色を一定のものとして表示している。
次に、アドバイス生成部84は、ユーザの食後に取得したグルコース値において、その変化のピーク値Pkを抽出する(ステップS2)。ピーク値Pkを抽出すると、アドバイス生成部84は、保有する基準値SVとピーク値Pkとの差分を算出する(ステップS3)。
そして、アドバイス生成部84は、算出した差分と差分閾値ThΔとの比較を行い、差分の絶対値が差分閾値ThΔ以内か否かを判定する(ステップS4)。このステップS4において、差分の絶対値が差分閾値ThΔ以内の場合にはステップS5に進む。差分の絶対値が差分閾値ThΔを超えている(プラスの差分がプラスの差分閾値ThΔより大きい、又はマイナスの差分がマイナスの差分閾値ThΔよりも小さい)場合にはステップS6に進む。
ステップS5において、アドバイス生成部84は、ユーザが入力(認識)した食事摂取量が正しい旨の食事摂取量アドバイスAI1を、アドバイス表示領域66に表示する。一方、ステップS6において、アドバイス生成部84は、ユーザが入力した食事摂取量と、食事摂取量アドバイスマップ情報84a(図8参照)とを読み出し、食事摂取量及び差分の正負に基づき食事摂取量が正しくない(ユーザの行動量の変化を要請する)旨の食事摂取量アドバイスAI1を適宜選択して表示する。
ステップS5又はS6を終了すると、アドバイス生成部84は、食事開始時点teから正常時グルコース値範囲86に戻るまでの実時間を算出する(ステップS7)。そして、算出した実時間と時間閾値Thtとの比較を行い、実時間が時間閾値Tht以内か否かを判定する(ステップS8)。このステップS8において、実時間が時間閾値Tht以内の場合にはステップS9に進み、実時間が時間閾値Thtよりも長い場合にはステップS10に進む。
ステップS9において、アドバイス生成部84は、食後運動量アドバイスマップ情報84b(図9参照)を読み出し、ユーザが入力(認識)した食後運動量が正しい旨の食後運動量アドバイスAI2を選択しアドバイス表示領域66に表示する。一方、ステップS10において、アドバイス生成部84は、ユーザが入力した食後運動量と、食後運動量アドバイスマップ情報84bとを読み出し、食後運動量が正しくない(ユーザの行動量の変化を要請する)旨の食後運動量アドバイスAI2を適宜選択して表示する。
これにより、グルコース値表示画面60のアドバイス表示領域66には、図4A及び図4Bに示すようなアドバイス情報AIが表示される。ユーザは、このアドバイス情報AIを視認することで、自身の認識する食事摂取量や食後運動量を見直すことができる。また、アドバイス生成部84は、ステップS9又はS10を終了するとアドバイス表示処理フローを終了する。
以上のように、本実施形態に係る生体情報表示装置10は、以下の効果を奏する。
生体情報表示装置10は、ユーザ自身の行動に関わる情報に基づきグルコース値の表示内容(グルコース値表示画面60)を変化させて操作表示部42に表示する。よって、操作表示部42を視認したユーザは、自身の行動に応じたグルコース値の変化を、容易且つ確実に認識することができる。これにより生体情報表示装置10は、例えば、グルコース値の変化を抑制する行動変容をユーザに啓発することが可能となる。従って、病気の改善、予防又は進行を抑える等の効果を期待することができる。
特に、生体情報表示装置10は、生体情報であるグルコース値、行動に関わる情報である食事摂取量及び食後運動量を取り扱うことで、グルコース値の変化をユーザにモニタリングさせることができる。しかも、食事後のグルコース値の変化についてユーザが認識する食事摂取量及び食後運動量に基づき表示内容が変化するので、食事量に関する知識やカーボ値、運動量の目標値をユーザが記憶したり、意識せずとも、グルコース値のコントロールをより意識し易くすることができる。
また、生体情報表示装置10は、操作表示部42にグルコース値のグラフ62aを表示することで、時間的に変化するグルコース値をユーザに良好に知らせることができる。特に、ユーザの行動に関わる情報に基づきグルコース値のグラフ62aの背景色63、表示線Lの線形状又は色のうちいずれかを変化させることで、ユーザの行動時におけるグルコース値の変化を強調することが可能となる。
さらに、生体情報表示装置10は、グルコース値のグラフ62aにおいて所定の時間範囲63a内の背景色63、表示線Lの線形状又は色を変化させることで、ユーザの行動に関連した時間内における生体情報の変化をより確実に視認させることができる。
そして、生体情報表示装置10は、行動に関わる情報毎の変化内容が設定されたグラフマップ情報80aを有することで、表示内容の設定時にグラフマップ情報80aを参照して適切な表示形態を簡単に選択することができる。
生体情報表示装置10は、食事摂取量に基づきグラフ62aの背景色63、表示線Lの線形状、又は表示線Lの色(後記の変形例1参照)のうちいずれかの要素を変化させ、また食後運動量に基づき別の要素を変化させる。その結果、食事摂取量及び食後運動量に伴うグルコース値の変化を良好に認識させることができる。
また、本実施形態に係る生体情報表示装置10は、グルコース値表示画面60にグルコース値に基づくアドバイス情報AIを表示する。従って、ユーザに適切なアドバイスを提供することが可能となり、ユーザの行動変容等をより促進することができる。
この場合、生体情報表示装置10は、グルコース値と基準値SVの差分を算出し、差分の絶対値が予め保有する差分閾値ThΔよりも大きい場合に、アドバイス情報AIを表示させることで、グルコース値が大きく変化した際にユーザの行動量の変化を促すことができる。これにより、ユーザは行動変容等を気にかけるようになり、グルコース値のコントロールを一層促進することができる。
さらに、生体情報表示装置10は、グルコース値が変化した際に正常時のグルコース値範囲に戻るまでの実時間が、時間閾値Thtよりも長い場合にアドバイス情報AIを表示させることで、グルコース値の戻りが遅い際にユーザの行動量の変化を促すことができる。この場合でも、ユーザは行動変容等を気にかけるようになり、生体情報のコントロールを一層促進することができる。
そして、生体情報表示装置10は、行動に関わる情報毎のアドバイス情報AIが設定されたアドバイスマップ情報を有することで、表示内容の設定時にアドバイス情報AIを参照して適切な表示形態を簡単に選択することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、上述の実施形態では、生体情報表示装置10にスマートフォンを適用し、検出装置12の検出値を取得して表示する構成とした。しかしながら、生体情報システム14は、一の通信機器(例えば、スマートフォン)と、他の通信機器(例えば、ディスクトップコンピュータやサーバ、クラウド等)とで構成することもでき、他の通信機器でも、同様の手段で生体情報を表示させることができる。
また例えば、生体情報表示装置10が表示するグルコース値表示画面60は、上記の表示形態に限定されず、種々の変形例をとり得る。グルコース値表示画面60は、グルコース値のグラフ62aを表示させるだけでなく、グルコース値及び測定日時を並べた表(不図示)として表示してもよい。この場合でも、食事摂取量や食後運動量に基づき表において食後2時間の時間範囲の背景色や数値情報の色、数値情報のフォント(形状)等のいずれかを変化させることで、ユーザの視認性を高めることができる。
また、グルコース値のグラフ62aは、ユーザが入力した食事摂取量に基づき表示線Lの線形状を変化又は維持させる一方で、ユーザが入力した食後運動量に基づき背景色63を変化又は維持させる構成でもよい。また、通信可能な他のウェアラブルデバイスが取得した活動量等の運動に関する情報を取得させてもよい。具体的な数値で取得される運動量値と、ユーザが定性的な情報として入力した運動量入力と、グルコース値の実際の変動を比較することで、より具体的に、食後運動量をユーザに認識させることができる。
また、図11A及び図11Bに示す第1変形例のように、グルコース値のグラフ62bは、食事摂取量に基づき食事開始時点teから2時間内の表示線L自体の色を変化させる一方で、食後運動量に基づき食事開始時点teから2時間以内の表示線Lの線形状を変化又は維持させる構成でもよい。表示線Lの色は、例えば図6のグラフマップ情報80aと同様のものを参照して変化させればよい。一例として、図11Aの表示線Lは、食事摂取量が「多い」とのユーザ入力及び食後運動量が「ない」とのユーザ入力に基づき、11:00〜13:00の範囲が赤い線分且つ点線に変更されている。図11Bの表示線Lは、食事摂取量が「少ない」とのユーザ入力及び食後運動量が「中」とのユーザ入力に基づき、11:00〜13:00の範囲が青い線分且つ太線に変更されている。
さらに、図12A及び図12Bに示す第2変形例のように、グルコース値のグラフ62cは、食事摂取量に基づきグラフ62cの背景色63全体の色を変化させる一方で、食後運動量に基づき食事開始時点teから2時間以内の表示線Lの線形状を変化又は維持させる構成でもよい。この場合も、背景色63全体の色は、例えば図6のグラフマップ情報80aと同様のものを参照して変化させればよい。このように、グラフ62cの背景色63全体を変化させることで視力が低下しているユーザでも、グルコース値の変化と食事摂取量の関係を視認し易くすることができる。要するに、食後のグルコース値の変化を強調するための手法は、種々の構成例をとり得る。
また、上述の実施形態では、検出装置12が測定したグルコース値を6時間の範囲で表示させる構成とした。しかしながら、グルコース値を表示させる時間は、任意に設計可能、或いはユーザの操作下に変更可能に構成されてよく、例えば、図13に示すグルコース値のグラフ90ように、起床から就寝までの約一日の時間帯を一連に表示する構成でもよい。この場合でも、朝食、昼食、夕食等の食後2時間の時間範囲63aのグラフ90の背景色63、及び表示線Lの線形状等を変化させることで、食後のグルコース値の変化をユーザに認識させ易くすることができる。
また表示制御部74は、操作表示部42を介したユーザのタッチを検出して、食事毎のアドバイス情報AIを吹き出し窓92と共に表示する構成とすることができる。これにより、ユーザは、アドバイス情報AIを認識してグルコース値のコントロールに努めることが可能となる。
さらに、生体情報表示装置10は、図14に示すように、1週間(7日)〜10日、或いは1ヶ月等の各時間帯のグルコース値の平均値を算出して、グルコース値のグラフ94として、平均グルコース値の表示線Lを表示する構成でもよい。また平均グルコース値の表示線Lに加えて、各時間帯のグルコース値の分布状態(グルコース値分布範囲)を面状の領域として示すこともできる。これにより、ユーザは、食事におけるグルコース値の変化の平均を良好に認識することができる。
このような複数日の表示内容を表示する際において、アドバイス情報AIを表示する場合には、食事摂取量や食後運動量の傾向を指摘するようなアドバイスであるとよい。例えば、食事摂取量の認識違いを指摘する場合には、「自分が思っているよりも食事量が多い(又は少ない)傾向があります。食事量を正確に把握しましょう。」等の表示を行うとよい。また食後運動量の認識違いを指摘する場合には、「自分が思っているよりも運動量が少ない傾向があります。積極的に運動しましょう。」等の表示を行うとよい。
上記のアドバイス情報AIの表示は、例えば、ユーザのグルコース値の変化量が大きくなる回数を数えて所定回数(例えば、10回)以上の場合に通知するとよい。また所定回数未満の場合には、ユーザ自身の認識が合っている旨の通知を行うとよい。