JP2019161722A - 電力変換装置 - Google Patents

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健一 ▲高▼木
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Shuntaro Inoue
俊太郎 井上
将紀 石垣
Masaki Ishigaki
将紀 石垣
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Takahide Sugiyama
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Abstract

【課題】本発明は、交流電力によってバッテリを充電する装置を小型化することを目的とする。【解決手段】電力変換装置は、バッテリ20が接続されたスイッチング回路21と、交流電源18から入力される電力をスイッチングによって調整するAC/ACコンバータ16と、トランス10とを備える。トランス10の第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2はスイッチング回路21に接続されている。トランス10のセカンダリ巻線はAC/ACコンバータ16に接続されている。AC/ACコンバータ16は、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に印加される電圧がゼロとなるタイミングに従ってスイッチングされる。スイッチング回路21は、AC/ACコンバータ16からトランス10を介して供給される電力に対するスイッチングによってバッテリ20を充電する。【選択図】図7

Description

本発明は、電力変換装置に関し、特に、交流電力によってバッテリを充電する装置に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両が広く用いられている。電動車両には、駆動用モータに電力を供給するためのバッテリが搭載されている。バッテリを充電する手段には様々なものがある。例えば、電気自動車では、プラグイン機能によって、サービスステーションにある充電スタンドや商用電源等の外部電源装置から供給される電力によってバッテリが充電される。ハイブリッド自動車では、エンジンによって発電機を駆動することで発電した電力でバッテリが充電される。ハイブリッド自動車には、電気自動車と同様のプラグイン機能を有しているものもある。
プラグイン機能を有する電動車両には、バッテリから駆動用モータに電力を供給する電力供給装置に加えて、外部電源装置から供給される電力によってバッテリを充電する充電装置が搭載されている。以下の特許文献1には、商用電源から供給される電力によってバッテリを充電する充電装置(特許文献1における充電器)と、バッテリから出力される電力をモータジェネレータに供給する電力供給装置(特許文献1における電力変換装置)とを備える電源システムが記載されている。
また、以下の特許文献2には、本願発明に関連する技術として、スイッチングトランジスタを含む2つの変換回路をトランスによって結合した電力変換回路システムが記載されている。このシステムでは、トランスが昇圧または降圧用のリアクトルとして用いられている。すなわち、トランスの1次巻線に現れるインダクタンスが昇圧や降圧に用いられている。
特開2017−60313号公報 特開2017−60285号公報
一般に、上記の電力供給装置には、昇圧または降圧のためのリアクトルが用いられる。そして、充電装置には、ユーザが操作する箇所とバッテリとの間の絶縁性を高めてユーザの操作を容易にするため、トランスが用いられる。しかし、リアクトルやトランスは、車両に用いられる電気部品の中では体積が大きく、装置を大型化とする要因となる。
本発明は、交流電力によってバッテリを充電する装置を小型化することを目的とする。
本発明は、バッテリが接続されたスイッチング回路と、交流電源から入力される電力をスイッチングによって調整する電力調整回路と、前記スイッチング回路に接続されたプライマリ巻線、および前記電力調整回路に接続されたセカンダリ巻線を含むトランスと、を備え、前記電力調整回路は、前記プライマリ巻線に印加される電圧がゼロとなるタイミングに従ってスイッチングされ、前記スイッチング回路は、前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電することを特徴とする。
前記電力変換装置において、望ましくは、前記電力調整回路は、並列接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つの双方向スイッチング素子をそれぞれが含む、2つのスイッチングアームを備え、前記セカンダリ巻線は、2つの前記スイッチングアームにおける2つの並列接続点の間に接続され、一方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点と、他方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点との間に、前記交流電源が出力する交流電圧が印加され、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子は、時間経過と共に交互にオンオフし、前記プライマリ巻線に印加される電圧がゼロとなるタイミングで、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子のオン状態およびオフ状態が入れ換わる。
前記電力変換装置において、望ましくは、前記スイッチング回路は、並列接続された2つのハーフブリッジであって、直列接続された2つのスイッチング素子をそれぞれが含む、2つのハーフブリッジを備え、前記プライマリ巻線は、一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と、他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点との間に接続され、2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点と、前記プライマリ巻線の中途点との間に前記バッテリが接続される。
また、本発明は、バッテリが接続されたスイッチング回路と、交流電源から入力される電力をスイッチングによって調整する電力調整回路と、前記スイッチング回路に接続されたプライマリ巻線、および前記電力調整回路に接続されたセカンダリ巻線を含むトランスと、を備え、前記スイッチング回路は、並列接続された2つのハーフブリッジであって、直列接続された2つのスイッチング素子をそれぞれが含む、2つのハーフブリッジを備え、前記プライマリ巻線は、一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と、他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点との間に接続され、2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点と、前記プライマリ巻線の中途点との間にバッテリが接続され、2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点、または他方の並列接続点で共通に接続される2つのスイッチング素子が共にオンまたはオフとなるタイミングに従って、前記電力調整回路がスイッチングされ、前記スイッチング回路は、前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電する。
前記電力変換装置において、望ましくは、前記電力調整回路は、並列接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つの双方向スイッチング素子をそれぞれが含む、2つのスイッチングアームを備え、前記セカンダリ巻線は、2つの前記スイッチングアームにおける2つの並列接続点の間に接続され、一方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点と、他方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点との間に、前記交流電源が出力する交流電圧が印加され、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子は、時間経過と共に交互にオンオフし、2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点で共通に接続される2つのスイッチング素子が共にオンまたはオフとなるタイミングで、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子のオン状態およびオフ状態が入れ換わる。
前記電力変換装置で、望ましくは、前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電する充電モードの他、前記バッテリから出力される電力に対するスイッチングによって、前記スイッチング回路に接続された負荷回路に前記バッテリから電力を供給する電力変換モードで動作する。さらに、前記プライマリ巻線は、一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と前記中途点との間にある第1プライマリ巻線と、他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と前記中途点との間にある第2プライマリ巻線と、を備え、前記電力変換モードの動作では、前記中途点から前記第1プライマリ巻線を経て一方の前記ハーフブリッジに向かう電流と、前記中途点から前記第2プライマリ巻線を経て他方の前記ハーフブリッジに向かう電流とが流れ、前記充電モードの動作では、前記一方のハーフブリッジから前記第1プライマリ巻線および前記第2プライマリ巻線を経て、前記他方のハーフブリッジに向かう電流、または、前記他方のハーフブリッジから前記第2プライマリ巻線および前記第1プライマリ巻線を経て、前記一方のハーフブリッジに向かう電流が流れ、これらの電流の相違に応じて、前記第1プライマリ巻線および前記第2プライマリ巻線の接続点から前記バッテリに電流が流れる。
前記電力変換装置において、望ましくは、前記トランスは、磁束の経路を形成するコアを備え、前記プライマリ巻線および前記セカンダリ巻線を形成する各導線は、前記プライマリ巻線および前記セカンダリ巻線が重なるように、前記コアに巻き付けられている。
本発明によれば、バッテリを充電すると共に、バッテリから負荷回路に電力を供給する装置を小型化することができる。
電力変換装置の構成を示す図である。 第1プライマリ巻線および第2プライマリ巻線に流れる電流を示す図である。 第1プライマリ巻線および第2プライマリ巻線に流れる電流を示す図である。 AC/ACコンバータの構成例を示す図である。 双方向スイッチング素子の構成例を示す図である。 スイッチング電圧Vwx、およびリアクトルに流れる電流iqの時間波形を示す図である。 電力変換装置の構成を示す図である。 スイッチング回路およびAC/ACコンバータのスイッチングタイミングの例を示す図である。 トランスの構成例を示す図である。 図9におけるAA線断面を示す図である。 トランスの構成例を示す図である。 トランスの構成例を示す図である。 トランスの構成例を示す図である。
図1には、本発明の実施形態に係る電力変換装置の構成が示されている。電力変換装置は、トランス10、AC/ACコンバータ16、バッテリ20、スイッチング回路21、インバータ24および制御部28を備えている。電力変換装置は、モータジェネレータ26の駆動力によって走行する電動車両に搭載される。
電力変換装置は、電力変換モードまたは充電モードで動作する。電力変換モードにおいて電力変換装置は、バッテリ20から出力される電力をモータジェネレータ26に供給してモータジェネレータ26を駆動し、モータジェネレータ26が回生制動によって発電した電力をバッテリ20に供給してバッテリ20を充電する。充電モードにおいて電力変換装置は、交流電源18から出力される電力をバッテリ20に供給してバッテリ20を充電する。交流電源18は、例えば商用電源であり、交流電源18としてのコネクタに接続されたケーブルを介して電力変換装置に交流電力が供給される。
電力変換モードでは、AC/ACコンバータ16がスイッチングを停止し、スイッチング回路21およびインバータ24が動作する。充電モードでは、インバータ24がスイッチングを停止し、AC/ACコンバータ16およびスイッチング回路21が動作する。AC/ACコンバータ16およびスイッチング回路21はトランス10で結合されており、電力変換モードおよび充電モードの両者においてトランス10が共用される。
電力変換装置の構成について説明する。スイッチング回路21は、スイッチング素子S1およびS2によって構成されるハーフブリッジU、スイッチング素子S3およびS4によって構成されるハーフブリッジV、ならびにコンデンサ22を備えている。ハーフブリッジUは、スイッチング素子S1の一端と、スイッチング素子S2の一端とを接続したものである。スイッチング素子S1の両端には、スイッチング素子S2との接続点の側をアノードとしてダイオードが接続されている。スイッチング素子S2の両端には、スイッチング素子S1との接続点の側をカソードとしてダイオードが接続されている。スイッチング素子S1およびS2としては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる。この場合、スイッチング素子S1としてのIGBTのエミッタと、スイッチング素子S2としてのIGBTのコレクタとが接続される。また、スイッチング素子S1およびS2としては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Ttransistor)が用いられてもよい。この場合、スイッチング素子S1としてのMOSFETのソースと、スイッチング素子S2としてのMOSFETのドレインとが接続される。
同様に、ハーフブリッジVは、スイッチング素子S3の一端と、スイッチング素子S4の一端とを接続したものである。スイッチング素子S3の両端には、スイッチング素子S4との接続点の側をアノードとしてダイオードが接続されている。スイッチング素子S4の両端には、スイッチング素子S3との接続点の側をカソードとしてダイオードが接続されている。スイッチング素子S3およびS4としては、例えば、IGBTが用いられる。この場合、スイッチング素子S3としてのIGBTのエミッタと、スイッチング素子S4としてのIGBTのコレクタとが接続される。また、スイッチング素子S3およびS4としては、MOSFETが用いられてもよい。この場合、スイッチング素子S3としてのMOSFETのソースと、スイッチング素子S4としてのMOSFETのドレインとが接続される。
ハーフブリッジUおよびVは並列接続され、フルブリッジを構成している。すなわち、スイッチング素子S1のスイッチング素子S2側とは反対側の端子(図の上側の端子)と、スイッチング素子S3のスイッチング素子S4側とは反対側の端子(図の上側の端子)とが接続されている。また、スイッチング素子S2のスイッチング素子S1側とは反対側の端子(図の下側の端子)と、スイッチング素子S4のスイッチング素子S3側とは反対側の端子(図の下側の端子)とが接続されている。
スイッチング素子S1およびS3の接続点と、スイッチング素子S2およびS4の接続点との間には、コンデンサ22が接続されている。
トランス10は、第1プライマリ巻線12−1、第2プライマリ巻線12−2およびセカンダリ巻線14を備えている。第1プライマリ巻線12−1の一端は、スイッチング素子S1およびS2の接続点に接続されている。また、第2プライマリ巻線12−2の一端は、スイッチング素子S3およびS4の接続点に接続されている。第1プライマリ巻線12−1の他端と第2プライマリ巻線12−2の他端は共通に接続され、これら2つの巻線の接続点は、バッテリ20の正極端子に接続されている。バッテリ20の負極端子は、負極導体23に接続されている。スイッチング素子S2およびS4の接続点もまた、負極導体23に接続されている。
セカンダリ巻線14の両端はAC/ACコンバータ16に接続されている。第1プライマリ巻線12−1およびセカンダリ巻線14は磁気的に結合し、第2プライマリ巻線12−2およびセカンダリ巻線14は磁気的に結合する。これによって、第1プライマリ巻線12−1、第2プライマリ巻線12−2およびセカンダリ巻線14は磁気結合回路としてのトランス10を形成している。AC/ACコンバータ16には、交流電源18が接続されている。
スイッチング素子S1、スイッチング素子S3およびコンデンサ22の接続点と、スイッチング素子S2、スイッチング素子S4およびコンデンサ22の接続点との間には、インバータ24が接続されている。インバータ24にはモータジェネレータ26が接続されている。インバータ24およびモータジェネレータ26は、スイッチング回路21に対する負荷回路である。
スイッチング回路21には、コンデンサ22の端子間電圧を検出し、その検出値であるコンデンサ電圧検出値Vmを制御部28に出力する電圧センサ(図示せず。)が設けられている。また、バッテリ20の正極端子から第1プライマリ巻線12−1と第2プライマリ巻線12−2の接続点に流れる電流を検出し、その検出値である電流検出値iLmを制御部28に出力する電流センサ(図示せず。)が設けられている。制御部28は、コンデンサ電圧検出値Vmおよび電流検出値iLmを用いて制御信号Cn1〜Cn4を生成する。制御部28は、制御信号Cn1〜Cn4をそれぞれスイッチング素子S1〜S4に出力し、スイッチング素子S1〜S4をオンオフ制御する。制御信号Cniがハイであるときは、スイッチング素子Siはオンとなり、制御信号Cniがローであるときは、スイッチング素子Siはオフとなる。ただし、iは1〜4のうちいずれかの整数である。このように、各スイッチング素子は、制御部28によってオフからオンに、または、オンからオフに制御される。
上述のように、電力変換装置は、電力変換モードまたは充電モードで動作する。ここでは、電力変換モードでの動作について説明する。制御部28の制御によって、スイッチング素子S1およびS2は交互にオンオフする。すなわち、スイッチング素子S1がオンからオフになったときは、スイッチング素子S2はオフからオンになり、スイッチング素子S1がオフからオンになったときは、スイッチング素子S2はオンからオフになる。同様に、制御部28の制御によって、スイッチング素子S3およびS4は交互にオンオフする。また、スイッチング素子S3およびS4のオンオフの位相は、例えば、スイッチング素子S1およびS2のオンオフの位相に対し180°遅らせる。
電力変換モードでは、制御部28は、AC/ACコンバータ16のスイッチング動作を停止する。
図2(a)には、スイッチング素子S2およびS4がオンであるときに第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる電流が示されている。バッテリ20の正極端子から第1プライマリ巻線12−1に電流iL1が流れ、バッテリ20の正極端子から第2プライマリ巻線12−2に電流iL2が流れる。電流iL1は第1プライマリ巻線12−1からスイッチング素子S2を流れてバッテリ20の負極端子に至る。電流iL2は第2プライマリ巻線12−2からスイッチング素子S4を流れてバッテリ20の負極端子に至る。
スイッチング素子S2がオンからオフになることで、第1プライマリ巻線12−1に誘導起電力が発生する。それと共にスイッチング素子S1がオンになる。
同様に、スイッチング素子S4がオンからオフになることで、第2プライマリ巻線12−2に誘導起電力が発生する。それと共にスイッチング素子S3がオンになる。
図2(b)には、スイッチング素子S1およびS3がオンであるときに第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる電流が示されている。バッテリ20の正極端子から第1プライマリ巻線12−1に電流iL1が流れ、バッテリ20の正極端子から第2プライマリ巻線12−2に電流iL2が流れる。電流iL1は第1プライマリ巻線12−1からスイッチング素子S1およびコンデンサ22を流れてバッテリ20の負極端子に至る。電流iL2は第2プライマリ巻線12−2からスイッチング素子S3およびコンデンサ22を流れてバッテリ20の負極端子に至る。
バッテリ20の出力電圧に第1プライマリ巻線12−1における誘導起電力を加えた昇圧電圧が、コンデンサ22の端子間電圧よりも大きい場合には、スイッチング素子S1に並列接続されたダイオードを介してコンデンサ22が充電される。一方、この昇圧電圧がコンデンサ22の端子間電圧より小さい場合には、スイッチング素子S1を介してインバータ24およびコンデンサ22からバッテリ20に電力が回収される。
同様に、バッテリ20の出力電圧に第2プライマリ巻線12−2における誘導起電力を加えた昇圧電圧が、コンデンサ22の端子間電圧よりも大きい場合には、スイッチング素子S3に並列接続されたダイオードを介してコンデンサ22が充電される。一方、この昇圧電圧がコンデンサ22の端子間電圧より小さい場合には、スイッチング素子S3を介してインバータ24およびコンデンサ22からバッテリ20に電力が回収される。
図2(a)および(b)のいずれの状態においても、電流iL1および電流iL2によってセカンダリ巻線14の端子間に現れる電圧は小さく、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2とセカンダリ巻線14との結合は弱い。これは、第1プライマリ巻線12−1に流れる電流iL1によってトランス10のコア30に現れる磁束Φ1と、第2プライマリ巻線12−2に流れる電流iL2によってトランス10のコア30に現れる磁束Φ2とが打ち消し合うためである。このような動作によって第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2がリアクトルとして用いられ、バッテリ20の出力電圧が昇圧された上でインバータ24に出力される。
次に、充電モードでの動作について説明する。充電モードでは、交流電源18から供給される交流電力の力率をAC/ACコンバータ16が調整しながら、その交流電力に基づく電力をセカンダリ巻線14に出力する。充電モードでは、制御部28は、インバータ24のスイッチング動作を停止する。
充電モードにおいても、制御部28の制御によってスイッチング素子S1およびS2が交互にオンオフし、制御部28の制御によってスイッチング素子S3およびS4もまた交互にオンオフする。すなわち、制御信号Cn2は制御信号Cn1のハイおよびローを反転した信号であり、制御信号Cn4は制御信号Cn3のハイおよびローを反転した信号である。
充電モードでは、スイッチング素子S1およびS4がオフになりスイッチング素子S2およびS3がオンになるときがある。また、スイッチング素子S1およびS4がオンになりスイッチング素子S2およびS3がオフになるときがある。図3(a)には、スイッチング素子S2およびS3がオンであるときに第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる電流が示されている。バッテリ20の正極端子から第1プライマリ巻線12−1に電流iL1が流れ、バッテリ20の正極端子から第2プライマリ巻線12−2に電流iL2が流れる。電流iL1は第1プライマリ巻線12−1からスイッチング素子S2を流れてバッテリ20の負極端子に至る。電流iL2は第2プライマリ巻線12−2からスイッチング素子S3およびコンデンサ22を流れてバッテリ20の負極端子に至る。
図3(b)には、スイッチング素子S1およびS4がオンであるときに第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる電流が示されている。バッテリ20の正極端子から第1プライマリ巻線12−1に電流iL1が流れ、バッテリ20の正極端子から第2プライマリ巻線12−2に電流iL2が流れる。電流iL1は第1プライマリ巻線12−1からスイッチング素子S1およびコンデンサ22を流れてバッテリ20の負極端子に至る。電流iL2は第2プライマリ巻線12−2からスイッチング素子S4を流れてバッテリ20の負極端子に至る。
図3(a)および(b)のいずれの状態においても、AC/ACコンバータ16からセカンダリ巻線14に出力された交流電圧、スイッチング素子S1〜S4のスイッチング状態、バッテリ20の出力電圧、およびコンデンサ22の充電電圧に応じた電流iL1および電流iL2が、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2にそれぞれ流れる。
充電モードでは、ハーフブリッジUのデューティ比とハーフブリッジVのデューティ比との間に相違がある。ここで、ハーフブリッジUのデューティ比とは、制御信号Cn1がハイになる時間を制御信号Cn1の周期で割った値、すなわち、スイッチング素子S1がオンになる時間をスイッチング周期で割った値をいう。同様に、ハーフブリッジVのデューティ比とは、制御信号Cn3がハイになる時間を制御信号Cn3の周期で割った値、すなわち、スイッチング素子S3がオンになる時間をスイッチング周期で割った値をいう。ハーフブリッジUのデューティ比とハーフブリッジVのデューティ比との間の相違に応じて電流iL1および電流iL2の大きさに差異が生じる。すなわち、制御信号Cn1およびCn2の組のデューティ比と、制御信号Cn3およびCn4の組のデューティ比との相違に応じて電流iL1および電流iL2の大きさに差異が生じる。これによって、電流iL1および電流iL2の大きさの差異に応じた電流がバッテリ20の正極端子に流入しバッテリ20が充電される。この充電電流は、AC/ACコンバータ16からセカンダリ巻線14に出力される電圧に応じて流れる電流でもある。
図4には、AC/ACコンバータ16の構成例が示されている。AC/ACコンバータ16は、交流電源18から電力変換装置に供給される電力の力率を調整する電力調整回路としての機能を有している。AC/ACコンバータ16は、双方向スイッチング素子S5およびS6によって構成されるスイッチングアームW、双方向スイッチング素子S7およびS8によって構成されるスイッチングアームX、ならびにリアクトル64を備えている。双方向スイッチング素子とは、端子間の電圧の極性に関わらず、オンであるときに電流が流れ得るスイッチング素子をいう。図5には、双方向スイッチング素子の構成例として、2つのMOSFETが用いられたものが示されている。MOSFET1のソースには、MOSFET2のドレインが接続されている。MOSFET1およびMOSFET2のそれぞれのドレインおよびソースの間には、ソース側がアノードとなるように、それぞれ、ダイオードD1およびD2が接続されている。MOSFET1およびMOSFET2の両者がオンになることで、双方向スイッチング素子がオンとなる。MOSFET1のドレインがMOSFET2のソースよりも高電位であるときは、MOSFET1およびダイオードD2に電流が流れ、MOSFET1のドレインが、MOSFET2のソースよりも低電位であるときは、MOSFET2およびダイオードD1に電流が流れる。なお、双方向スイッチング素子には、MOSFETの他、IGBT等のその他のスイッチング素子が用いられてもよい。
図4に戻ってAC/ACコンバータ16について説明する。スイッチングアームWは、双方向スイッチング素子S5の一端と、スイッチング素子S6の一端とを接続したものである。スイッチングアームXは、双方向スイッチング素子S7の一端と、スイッチング素子S8の一端とを接続したものである。
スイッチングアームWおよびXは並列接続され、フルブリッジを構成している。すなわち、双方向スイッチング素子S5の上側の端子と双方向スイッチング素子S7の上側の端子とが接続されている。また、スイッチング素子S6の下側の端子とスイッチング素子S8の下側の端子とが接続されている。
双方向スイッチング素子S5およびS6の接続点にはリアクトル64の一端が接続されている。リアクトル64の他端と双方向スイッチング素子S7およびS8の接続点との間には、交流電源18が接続されている。
制御部28から出力される制御信号Cn5およびCn6によって、双方向スイッチング素子S5およびS6は交互にオンオフする。同様に制御部28から出力される制御信号Cn7およびCn8によって、双方向スイッチング素子S7およびS8は交互にオンオフする。
制御部28によって、双方向スイッチング素子S5〜S8は、交流電源18が出力する交流電圧の時間波形と同様の時間波形を有する電流がリアクトル64に流れるようにスイッチングされる。具体的には、交流電源18が出力する交流電圧に応じて変化するデューティ比でスイッチングされる。これによって、交流電源18からトランス10に供給される電力の力率が適切な値に調整される。
図6には、双方向スイッチング素子S5およびS6の接続点と、双方向スイッチング素子S7およびS8の接続点との間に現れるスイッチング電圧Vwxの時間波形が示されている。また、リアクトル64に流れる電流iqの時間波形がスイッチング電圧Vwxの時間波形と共に示されている。
スイッチング電圧Vwxは、交流電源18が出力する電圧に応じて極性およびパルス幅が変化する。すなわち、交流電源18の出力電圧の極性と同一の極性を有し、出力電圧が大きいとき程パルス幅が長くなり、出力電圧が小さいとき程パルス幅が短くなる。
スイッチング電圧Vwxに応じて流れる電流は、スイッチング電圧Vwxの時間波形を平滑化した時間波形となり、正弦波に近似された時間波形となる。これによって、交流電源18からAC/ACコンバータ16およびトランス10を介してスイッチング回路21に供給される電力の力率が適切に調整され、交流電源18からバッテリ20に十分な電力が供給される。
図7には、図1に示されるAC/ACコンバータ16として、図4に示される回路に類似の回路を用いた場合の電力変換装置が示されている。図7に示されている各構成要素が描かれている位置は、図1に示されているものとは異なるが、リアクトル64の接続位置を除き、図7に示されている電力変換装置は、図1に示されているものと同一である。図4に示されているAC/ACコンバータ16では、双方向スイッチング素子S5およびS6の接続点と交流電源18との間にリアクトル64が接続されているのに対し、図7に示されているAC/ACコンバータ17では、双方向スイッチング素子S5およびS7の接続点とセカンダリ巻線14との間にリアクトル64が接続されている。図7に示されているAC/ACコンバータ17の動作と、図4に示されているAC/ACコンバータ16の動作は同様である。
負荷回路32は、図1のインバータ24およびモータジェネレータ26を含む。以下では、スイッチング回路21のスイッチング動作と、AC/ACコンバータ17のスイッチング動作とのタイミングについて説明する。以下の説明において、スイッチング回路21のスイッチングタイミングとは、スイッチング素子S1のスイッチングタイミングをいうものとする。また、AC/ACコンバータ17のスイッチングタイミングとは、双方向スイッチング素子S5のスイッチングタイミングをいうものとする。
スイッチング回路21およびAC/ACコンバータ17のスイッチングは、ゼロ電圧スイッチングによって行われる。ゼロ電圧スイッチングは、双方向スイッチング素子S5およびS6のオンオフが入れ換わるとき、ならびに、双方向スイッチング素子S7およびS8のオンオフが入れ換わるときに、プライマリ巻線12(第1プライマリ巻線12−1および12−2を直列接続したもの)の端子間電圧が0となるように、スイッチング回路21をスイッチングするものである。AC/ACコンバータ17をスイッチングするという観点からは、ゼロ電圧スイッチングは、プライマリ巻線12に印加される電圧が0となるタイミングに従って、AC/ACコンバータ17をスイッチングするものであると定義される。
図8には、スイッチング回路21およびAC/ACコンバータ17のスイッチングタイミングの例が示されている。図8(a)には、プライマリ巻線12の端子間の電圧Vuv(スイッチング素子S1およびS2の接続点aと、スイッチング素子S3およびS4の接続点bとの間の電圧)の時間波形が示されている。図8(b)には、セカンダリ巻線14の端子間の電圧Vdfの時間波形が示されている。図8(c)には、上から順に、制御信号Cn1,Cn3,Cn2およびCn4の時間波形が示されている。図8(d)には、上から順に、制御信号Cn5,Cn6,Cn7およびCn8の時間波形が示されている。各図の横軸は時間を示し、縦軸は制御信号の大きさを示す。
制御信号Cn2は、制御信号Cn1のハイおよびローを反転したものであり、制御信号Cn4は、制御信号Cn3のハイおよびローを反転したものである。制御信号Cn3の位相は制御信号Cn1に対し180°だけ遅れており、制御信号Cn4の位相は制御信号Cn2に対し180°だけ遅れている。制御信号Cn1およびCn4が共にハイであるときに、プライマリ巻線電圧VuvはVcとなる。そして、制御信号Cn2およびCn3が共にハイであるときに、プライマリ巻線電圧Vuvは−Vcとなる。ただし、Vcはコンデンサ22の充電電圧である。セカンダリ巻線電圧Vdfは、プライマリ巻線電圧Vuvを巻線比N倍した電圧となる。巻線比Nは、セカンダリ巻線14の巻き数を、プライマリ巻線12の巻き数で割ったものである。
制御信号Cn1およびCn3のデューティ比は0.5よりも大きく、制御信号Cn3の位相は制御信号Cn1に対し180°だけ遅れている。そして、制御信号Cn2およびCn4のデューティ比は0.5よりも小さく、制御信号Cn4の位相は制御信号Cn2に対し180°だけ遅れている。このことから、制御信号Cn1およびCn3が共にハイになり、制御信号Cn2およびCn4が共にローになる期間が生ずる。この期間では、スイッチング素子S1およびS3が共にオンになり、スイッチング素子S2およびS4が共にオフになることから、プライマリ巻線電圧Vuvは0となり、これと共にセカンダリ巻線電圧Vdfもまた0となる。
制御信号Cn6は、制御信号Cn5のハイおよびローを反転したものである。制御信号Cn7は制御信号Cn6と同一の信号であり、制御信号Cn8は制御信号Cn5と同一の信号である。制御信号Cn5は、プライマリ巻線電圧Vuvおよびセカンダリ巻線電圧Vdfが0となるゼロ電圧期間ごとにハイおよびローが反転する。したがって、双方向スイッチング素子S5およびS6は、ゼロ電圧期間にハイおよびローが入れ換わる。同様に、双方向スイッチング素子S7およびS8もまた、ゼロ電圧期間にローおよびハイが入れ換わる。
AC/ACコンバータ17では、セカンダリ巻線14の端子間電圧によっては、双方向スイッチング素子S5〜S8のオンオフが切り換わるときに、いずれかの双方向スイッチング素子に過大な電圧が印加されてしまうことがある。そこで、セカンダリ巻線14の漏れインダクタンス(セカンダリ巻線14のインダクタンスのうちプライマリ巻線12との磁気的結合に寄与しない成分)を大きくし、漏れインダクタンスに発生する誘導起電力によって、各双方向スイッチング素子に印加される電圧を抑制する技術がある。しかし、セカンダリ巻線14の漏れインダクタンスを大きくするには、プライマリ巻線12とセカンダリ巻線14とを離す必要があるため、トランス10が大きくなってしまう。上記のように、ゼロ電圧期間に各双方向スイッチング素子のオンオフを切り換えることで、各双方向スイッチング素子に印加される電圧が小さくなる。これによって、セカンダリ巻線14の漏れインダクタンスを大きくする必要がなくなり、トランス10が小型になる。
なお、上記では、交流電源18が単相交流電源である場合について説明した。交流電源18が多相交流電源である場合には、相数に応じた数のスイッチングアームを備える構成が採用される。すなわち、複数のスイッチングアームのそれぞれが備える2つのスイッチング素子の接続点に、多相交流電源の対応する相が接続され、各相にリアクタンスが設けられる。
図9には、トランス10の構成例が示されている。以下の説明における「上」「下」「左」「右」の用語は図面の上下左右を示し、トランス10を電力変換装置に設置する際の姿勢を限定するものではない。トランス10は、コア34、第1プライマリ巻線12−1、第2プライマリ巻線12−2およびセカンダリ巻線14を備えている。コア34は、2つのC字形状コア34−1および34−2を含む。C字形状コア34−1および34−2は、それぞれのギャップ36の位置を合わせて接合されている。
C字形状コア34−1および34−2のそれぞれは、上下方向に延びる外側の縦方向区間38と、外側の縦方向区間38に対向する内側の縦方向区間40とを有する。内側の縦方向区間40には、ギャップ36が設けられている。各C字形状コア(34−1,34−2)は、さらに、外側の縦方向区間38の上端と内側の縦方向区間40の上端との間を結ぶ上側の横方向区間39と、外側の縦方向区間38の下端と内側の縦方向区間40の下端との間を結ぶ下側の横方向区間39とを有する。
右側のC字形状コア34−1の外側の縦方向区間38には、第1プライマリ巻線12−1を形成する導線が巻き付けられている。左側のC字形状コア34−2の外側の縦方向区間38には、第2プライマリ巻線12−2を形成する導線が巻き付けられている。第1プライマリ巻線12−1の外側には、セカンダリ巻線14を形成する導線が巻き付けられている。コア34は、各巻線から発生した磁束をコア34の形状に沿って導き、各巻線から発生した磁束の経路を形成する。
図10には、図9のAA線における断面が模式的に示されている。第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2を形成する導線の一端は、図10の右側の縦方向区間38を時計回りに周回して第1プライマリ巻線12−1を形成する。この導線は、さらに、図10の左側の縦方向区間38を反時計回りに周回して第2プライマリ巻線12−2を形成し、トランス10の外側に至る。第1プライマリ巻線12−1と第2プライマリ巻線12−2との間の中途点からタップcが引き出されている。
セカンダリ巻線14を形成する導線の一端は、第1プライマリ巻線12−1の外側を反時計回りに周回した後、第2プライマリ巻線12−2の外側を時計回りに周回してトランス10の外側に至る。
プライマリ巻線12の巻き数を、セカンダリ巻線14の巻き数よりも小さくした場合、プライマリ巻線12に流れる電流が、セカンダリ巻線14に流れる電流よりも大きくなる。この場合、図9に示されているように、プライマリ巻線12を形成する導線の断面積を、セカンダリ巻線14を形成する導線の断面積よりも大きくしてもよい。これによって、プライマリ巻線12の抵抗が低減され、プライマリ巻線12で発生する熱損失が低減される。
なお、ここでは、セカンダリ巻線14を形成する導線が、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2のそれぞれの外側に巻き付けられた例が示された。セカンダリ巻線14を形成する導線は、第1プライマリ巻線12−1の内側に巻き付けられてもよいし、第2プライマリ巻線12−2の内側に巻き付けられてもよい。すなわち、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2を形成する導線と、セカンダリ巻線14を形成する導線とは、第1プライマリ巻線12−1とセカンダリ巻線14とが重なり、第2プライマリ巻線12−2とセカンダリ巻線14とが重なるように、コア34に巻き付けられる。
図9には、昇圧モードの動作において第1プライマリ巻線12−1に流れる電流iL1、第2プライマリ巻線12−2に流れる電流iL2、ならびにコア34に発生する磁束Φ1およびΦ2が示されている。大きさが等しい電流iL1および電流iL2が、それぞれ、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる。これによって、第1プライマリ巻線12−1から発生し、第2プライマリ巻線12−2に鎖交する磁束Φ1と、第2プライマリ巻線12−2から発生し、第1プライマリ巻線12−1に鎖交する磁束Φ2が発生する。これらの磁束Φ1およびΦ2は打消し合うため、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2のそれぞれには、漏れインダクタンス成分による誘導起電力(漏れ磁束による誘導起電力)が発生する。この漏れインダクタンス成分は昇圧用のリアクトルとして用いられる。
図11には、充電モードの動作において第1プライマリ巻線12−1に流れる電流iL1、第2プライマリ巻線12−2に流れる電流iL2、ならびにコア34に発生する磁束Φ1およびΦ2が示されている。大きさが異なる電流iL1および電流iL2が、それぞれ、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2に流れる。これによって、第1プライマリ巻線12−1から発生し、第2プライマリ巻線12−2に鎖交する磁束Φ1と、第2プライマリ巻線12−2から発生し、第1プライマリ巻線12−1に鎖交する磁束Φ2が発生する。これらの磁束Φ1およびΦ2によって、プライマリ巻線12およびセカンダリ巻線14に誘導起電力が発生する。さらに、電流iL1および電流iL2の差異に応じた電流がタップcから流出し、バッテリ20に流れる。
図12には、2つのE字形状コア48−1および48−2によって、図9のコア34と同一形状のコア48が形成された例が示されている。この例では、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2を形成する導線が、セカンダリ巻線14の外側に巻き付けられている。上側のE字形状コア48−1は、左右の縦方向区間44、左右の縦方向区間44の上端を結ぶ横方向区間42、および、横方向区間42の中央から下方向に延びる縦方向区間46を有する。下側のE字形状コア48−2は、上側のE字形状コア48−1に対し上下対称の構造を有している。上側のE字形状コア48−1における左右の縦方向区間44の先端は、下側のE字形状コア48−2における左右の縦方向区間44の先端に接触している。上側のE字形状コア48−1における中央の縦方向区間46の先端は、下側のE字形状コア48−2における中央の縦方向区間46の先端に対向し、これらの2つの縦方向区間46の間にはギャップ36が形成されている。
図13には、4つのU字形状コア50−1〜50−4によって、図9のコア34と同一形状のコア50が形成された例が示されている。この例においても、第1プライマリ巻線12−1および第2プライマリ巻線12−2を形成する導線が、セカンダリ巻線14の外側に巻き付けられている。左上のU字形状コア50−1は、図12に示される上側のE字形状コア48−1を中央において折半した場合の左側の部分に相当し、右上のU字形状コア50−2は、図12に示される上側のE字形状コア48−1を中央において折半した場合の右側の部分に相当する。左下のU字形状コア50−3は、図12に示される下側のE字形状コア48−2を中央において折半した場合の左側の部分に相当し、右下のU字形状コア50−2は、図12に示される下側のE字形状コア48−2を中央において折半した場合の右側の部分に相当する。
本実施形態に係る電力変換装置では、AC/ACコンバータ17およびスイッチング回路21がトランス10によって結合されている。スイッチング回路21が備えるスイッチング素子S1〜S4のスイッチングの状態を異ならせることで、電力変換モードでの動作と充電モードでの動作とが切り換えられる。したがって、電力変換モードと充電モードとの切り換えにスイッチ回路等のハードウエアが用いられなくてもよく、構成が単純化される。
また、ユーザが触れる側のAC/ACコンバータ17とバッテリ20側の回路とが、トランス10によって絶縁されるため、AC/ACコンバータ17側の絶縁設計が容易となる。
さらに、ゼロ電圧スイッチングによって、AC/ACコンバータ17における各双方向スイッチングに印加される電圧が小さくなり、さらにはセカンダリ巻線14の漏れインダクタンスを大きくする必要がなくなり、トランスが小型になる。
なお、上記では、負荷回路をインバータ24およびモータジェネレータ26として、電力変換装置が電動車両に搭載される実施形態について説明した。負荷回路は、一般的な産業用機械であってもよいし、家庭用の電源供給装置であってもよい。
10 トランス、12−1 第1プライマリ巻線、12−2 第2プライマリ巻線、14 セカンダリ巻線、16 AC/ACコンバータ、18 交流電源、20 バッテリ、21 スイッチング回路、22 コンデンサ、23 負極導体、24 インバータ、26 モータジェネレータ、28 制御部、30,48,50 コア、32 負荷回路、34−1,34−2 C字形状コア、36 ギャップ、38,40,44,46 縦方向区間、39,42 横方向区間、48−1,48−2 E字形状コア、50−1〜50−4 U字形状コア。

Claims (7)

  1. バッテリが接続されたスイッチング回路と、
    交流電源から入力される電力をスイッチングによって調整する電力調整回路と、
    前記スイッチング回路に接続されたプライマリ巻線、および前記電力調整回路に接続されたセカンダリ巻線を含むトランスと、を備え、
    前記電力調整回路は、
    前記プライマリ巻線に印加される電圧がゼロとなるタイミングに従ってスイッチングされ、
    前記スイッチング回路は、
    前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、
    前記電力調整回路は、
    並列接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つの双方向スイッチング素子をそれぞれが含む、2つのスイッチングアームを備え、
    前記セカンダリ巻線は、2つの前記スイッチングアームにおける2つの並列接続点の間に接続され、
    一方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点と、他方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点との間に、前記交流電源が出力する交流電圧が印加され、
    2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子は、時間経過と共に交互にオンオフし、
    前記プライマリ巻線に印加される電圧がゼロとなるタイミングで、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子のオン状態およびオフ状態が入れ換わることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力変換装置において、
    前記スイッチング回路は、
    並列接続された2つのハーフブリッジであって、直列接続された2つのスイッチング素子をそれぞれが含む、2つのハーフブリッジを備え、
    前記プライマリ巻線は、一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と、他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点との間に接続され、
    2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点と、前記プライマリ巻線の中途点との間に前記バッテリが接続されることを特徴とする電力変換装置。
  4. バッテリが接続されたスイッチング回路と、
    交流電源から入力される電力をスイッチングによって調整する電力調整回路と、
    前記スイッチング回路に接続されたプライマリ巻線、および前記電力調整回路に接続されたセカンダリ巻線を含むトランスと、を備え、
    前記スイッチング回路は、
    並列接続された2つのハーフブリッジであって、直列接続された2つのスイッチング素子をそれぞれが含む、2つのハーフブリッジを備え、
    前記プライマリ巻線は、一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と、他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点との間に接続され、
    2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点と、前記プライマリ巻線の中途点との間にバッテリが接続され、
    2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点、または他方の並列接続点で共通に接続される2つのスイッチング素子が共にオンまたはオフとなるタイミングに従って、前記電力調整回路がスイッチングされ、
    前記スイッチング回路は、
    前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電することを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4に記載の電力変換装置において、
    前記電力調整回路は、
    並列接続された2つのスイッチングアームであって、直列接続された2つの双方向スイッチング素子をそれぞれが含む、2つのスイッチングアームを備え、
    前記セカンダリ巻線は、2つの前記スイッチングアームにおける2つの並列接続点の間に接続され、
    一方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点と、他方の前記スイッチングアームが備える2つの双方向スイッチング素子の接続点との間に、前記交流電源が出力する交流電圧が印加され、
    2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子は、時間経過と共に交互にオンオフし、
    2つの前記ハーフブリッジにおける一方の並列接続点で共通に接続される2つのスイッチング素子が共にオンまたはオフとなるタイミングで、2つの前記スイッチングアームのそれぞれが備える2つの双方向スイッチング素子のオン状態およびオフ状態が入れ換わることを特徴とする電力変換装置。
  6. 前記電力調整回路から前記トランスを介して供給される電力に対するスイッチングによって前記バッテリを充電する充電モードの他、前記バッテリから出力される電力に対するスイッチングによって、前記スイッチング回路に接続された負荷回路に前記バッテリから電力を供給する電力変換モードで動作する、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
    前記プライマリ巻線は、
    一方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と前記中途点との間にある第1プライマリ巻線と、
    他方の前記ハーフブリッジが備える2つのスイッチング素子の接続点と前記中途点との間にある第2プライマリ巻線と、を備え、
    前記電力変換モードの動作では、前記中途点から前記第1プライマリ巻線を経て一方の前記ハーフブリッジに向かう電流と、前記中途点から前記第2プライマリ巻線を経て他方の前記ハーフブリッジに向かう電流とが流れ、
    前記充電モードの動作では、前記一方のハーフブリッジから前記第1プライマリ巻線および前記第2プライマリ巻線を経て、前記他方のハーフブリッジに向かう電流、または、前記他方のハーフブリッジから前記第2プライマリ巻線および前記第1プライマリ巻線を経て、前記一方のハーフブリッジに向かう電流が流れ、これらの電流の相違に応じて、前記第1プライマリ巻線および前記第2プライマリ巻線の接続点から前記バッテリに電流が流れることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
    前記トランスは、
    磁束の経路を形成するコアを備え、
    前記プライマリ巻線および前記セカンダリ巻線を形成する各導線は、
    前記プライマリ巻線および前記セカンダリ巻線が重なるように、前記コアに巻き付けられていることを特徴とする電力変換装置。
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